JP6354530B2 - 高圧燃料ポンプ - Google Patents
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Description
このようなサプライポンプとして、一般に採用されているプランジャポンプの構造を図10ないし図14に示す。
サプライポンプは、プランジャ101、シリンダボディ102および電磁弁を備えている。シリンダボディ102には、電磁弁が螺子締結等により接続される円筒状の電磁弁締結部103が設けられている。
ここで、サプライポンプには、図13に示したように、半径方向外側に向かって溝幅が狭くなる断面微小楔形状の傾斜溝113が形成されている。この傾斜溝113は、シリンダボディ102の第1シール面111とストッパ部材107の第2シール面112との間に形成される境界部分aよりも半径方向内側に設けられる。
ここで、プランジャ101が燃料加圧方向に移動した場合、加圧室108内に吸入された、気泡を含んだ燃料は、ストッパ部材107の下面114に沿って加圧室108内の半径方向外側へ向かって流れる。そして、半径方向外側へ向かう燃料は、傾斜溝113の開口側に到達し、第2シール面112と同一平面上に設けられる傾斜溝壁面(下面114)に沿って傾斜溝113に入り込む。そして、傾斜溝113に入り込んだ燃料は、図12および図13に示したように、傾斜溝113の奥側、つまり第1シール面111と第2シール面112との間に形成される境界部分aに到達する。これにより、燃料に含まれる気泡が、傾斜溝113の奥側、つまり境界部分aに集中する。
そして、気泡が崩壊すると、境界部分a(第1シール面111または第2シール面112)でキャビテーションエロージョン(壊食)が発生する。このエロージョンが進行すると、電磁弁が閉弁していても、加圧室108内の燃料が燃料ギャラリ側に流出してしまう。
その結果、サプライポンプは、燃料を加圧することができなくなり、エンジンの気筒内に燃料を供給できず、エンジンストールを誘発するという問題が発生する。
しかし、ストッパの下面は、ストッパのシート面と同一平面上に設けられており、しかもストッパのシート面との間に段差なく連続的に設けられている。
このため、ストッパの下面に沿った境界部分に向かう半径方向外側への燃料流れが存在する。これにより、シリンダ部材とストッパとの間にシール部材を挟み込んだ構造の高圧燃料ポンプにおいても、境界部分にエロージョンが発生するものと考えられる。
ここで、流れ阻害部の第1の態様は、第2シール面よりもプランジャの移動方向に凹んだ凹溝であり、凹溝は、第2シール面と所定の段差を介して接続される凹溝底面を有する。また、カバー部材は1枚の金属板からなり、凹溝底面は金属板に設けられている。また、流れ阻害部の第2の態様は、第2シール面よりもプランジャの移動方向に突出した突出壁であり、突出壁は、第2シール面と所定の段差を介して接続される突出端面を有している。
これによって、加圧室内における径方向外側への燃料流れのうち、第1シール面と第2シール面との境界部に向かう径方向外側への燃料流れが妨げられる。このため、例えばプランジャの移動方向が燃料吸入方向のときに、気泡を含んだ燃料が加圧室内に流入した場合でも、燃料に含まれる気泡が、第1シール面と第2シール面との境界部分に集中し難くなる。
この結果、例えば内燃機関に高圧化した燃料を供給できるので、エンジンストールの誘発を防止することができる。
なお、カバー部材には、シリンダの開口端を閉塞してプランジャとの間に加圧室を形成するプランジャ側端面(例えば凹部の溝底面または凸部の突出端面等)が設けられる。すなわち、上記の流れ阻害部とは、第1シール面と第2シール面との境界部と、プランジャ側端面とが同一平面上に設けられていない構造(例えば凹部または凸部)のことである。
図1ないし図3は、本発明の高圧燃料ポンプを適用したサプライポンプ(実施例1)を示したものである。
このコモンレール式燃料噴射システムは、燃料フィルタ、低圧燃料ポンプ(以下フィードポンプ)、高圧燃料ポンプ(以下サプライポンプ)、コモンレールおよび複数のインジェクタを備えている。
また、サプライポンプは、シリンダボディ4のシリンダ5よりも軸線方向の一方側(図示上方側)に配設されて、加圧室6よりも上流側の燃料吸入流路(後述する)を開閉するスプールバルブ7を有する電磁弁を備えている。
ポンプハウジング2は、シリンダボディ4の外周面との間に、燃料吸入流路を介して加圧室6に燃料を供給する円環状の燃料ギャラリ11を区画形成している。この燃料ギャラリ11には、サプライポンプのインレットポート(図示せず:以下吸入ポート)を介して、フィードポンプから燃料が導入される。
ポンプハウジング2には、オーバーフローバルブ12が螺子締結等により接続される円筒状の締結部(継手部)が形成されている。この締結部には、外部へ向けて開口する雌螺子孔(オーバーフローポート)が設けられている。
プランジャ3は、シリンダ4内に往復移動可能に嵌挿配置されている。このプランジャ3は、電磁弁のストッパ部材9の図示下端面(プランジャ側端面)との間に、プランジャ3の燃料加圧方向の移動によって燃料が加圧される加圧室6を形成している。
シリンダボディ4には、配管ジョイント13が螺子締結等により接続される円筒状の締結部(継手部)が形成されている。この締結部には、外部へ向けて開口する雌螺子孔(収容凹部)が設けられている。この収容凹部の奥側(加圧室側)には、加圧室6よりも下流側の燃料吐出流路(後述する)を開閉する弁体(バルブ)14を有する逆止弁構造の吐出弁が収容されている。
ここで、プランジャ3の往復移動に伴って加圧室6の内容積が拡縮することで加圧された燃料は、加圧室6から吐出弁を介してコモンレールへ圧送供給される。
ポンプハウジング2には、燃料ギャラリ11内の燃料圧力が所定圧力以上に上昇した際に開弁するオーバーフローバルブ12が取り付けられている。このポンプハウジング2の内部には、図示上下方向に往復移動(上下動)するタペット16が配設されている。このタペット16の図示上端面には、プランジャ3の図示下端部が当接している。また、タペット16の図示下部には、カムローラ17が配設されている。
これにより、カムシャフト1の回転によりカム15が回転すると、カムローラ17を介して、タペット16が図示上下方向に往復移動(上下動)する。このようなタペット16の運動は、プランジャ3に伝えられ、プランジャ3がシリンダ5内を図示上下方向に往復移動(上下動)する。
プランジャ3の図示下端部の外周には、下部スプリングシートが組み付けられている。また、ポンプハウジング2の中間部またはシリンダボディ4の図示下端部の外周には、下部スプリングシートに対向するように上部スプリングシートが設置されている。
上部、下部スプリングシート間には、タペット16およびカムローラ17をカム15の外周面(プロフィール)に押圧する方向に付勢するプランジャスプリング19が設置されている。
燃料吐出流路は、加圧室6と連通する燃料吐出孔31、この燃料吐出孔31と連通する燃料吐出孔32〜35、および外部に向かって開口したアウトレットポート(吐出ポート)36等を有している。
吐出弁は、シリンダボディ4の収容凹部の底部と配管ジョイント13との間に挟み込まれている。この吐出弁は、燃料吐出孔32を開閉するバルブ14、このバルブ14を往復移動可能に支持する円筒状のバルブボディ37、およびバルブ14をバルブボディ37のバルブシート面(弁座)に押し当てる側に付勢するコイルスプリング38等を有している。バルブボディ37の内部には、燃料吐出孔31を介して加圧室6と連通する燃料吐出孔32が形成されている。
スプリングシート39の内部には、燃料吐出孔33と燃料吐出孔35とを連通する燃料吐出孔34が形成されている。
ここで、複数のプランジャ3の往復移動に伴って加圧室6の内容積が拡縮することで加圧された高圧燃料は、吐出ポート36から燃料配管を経由してコモンレールへ圧送される。
なお、シリンダボディ4の詳細は、後述する。
スプールバルブ7は、電磁弁の弁体であって、燃料ギャラリ11と加圧室6とを連通する燃料吸入流路(燃料吸入孔21→燃料吸入流路22→燃料吸入孔23→クリアランス24→バルブ収容室25に至るまでの燃料吸入経路)を開閉する。
バルブボディ8の内部には、燃料吸入孔23、クリアランス24およびバルブ収容室25が形成されている。また、バルブボディ8の中心軸線上には、スプールバルブ7を往復摺動可能に支持する軸方向孔43が形成されている。
クリアランス24は、電磁弁の開弁時に、バルブボディ8のバルブシート面41とスプールバルブ7の弁部42の外周との間に形成される燃料吸入流路である。
バルブ収容室25は、軸方向孔43の孔径よりも拡径されて設けられている。このバルブ収容室25は、弁体収容室であって、スプールバルブ7の弁部42を往復移動可能に収容している。
電磁弁のバルブリフト量(特に各スプールバルブ7のバルブ全開位置)は、ストッパ部材9の図示上端面に形成されるバルブストッパ面44により規制される。このストッパ部材9には、複数個の連通孔45および1個の貫通孔46が形成されている。
なお、ストッパ部材9の詳細は、後述する。
ソレノイドは、バルブボディ8の図示上端側に接続される筒状のハウジング47の内部にバルブボディ8の図示上端側と共に収容されている。このソレノイドは、外部接続用コネクタを備え、エンジン制御ユニット(電子制御装置:ECU)から印加されるポンプ駆動電流によって通電制御されるように構成されている。
コイルは、電力の供給を受けると(電圧印加または通電されると)、アーマチャをコイル内周側固定コアの磁極面に引き寄せる磁力を発生する。
ハウジング47の内部には、アーマチャを、スプールバルブ7の開弁方向に付勢するコイルスプリング(図示せず)が取り付けられている。このハウジング47の外周には、締結部10の内周に形成される雌螺子孔と螺合する雄螺子が設けられている。また、ハウジング47の外周には、電磁弁を締結部10に結合(接続)する際(締結作業)に使用される多角形状の工具係合部が設けられている。
シリンダボディ4は、円筒状のシリンダ5および円環状の第1シール面51を有し、プランジャ3を往復摺動可能に支持している。このシリンダボディ4には、内部に電磁弁を収容する円筒状の締結部10が設けられている。この締結部10の内周には、電磁弁の外周に形成される雄螺子と螺合する雌螺子孔が設けられている。
また、シリンダボディ4は、シリンダ5の開口側の内周角部を面取りした環状の傾斜面を備えている。
第1シール面51は、シリンダ5の一方側の開口端からその周囲の半径方向外側に放射状に延びる平坦な開口端面である。この第1シール面51は、ストッパ部材9の外周縁部(以下フランジ)52が密着して取り付けられる。
カバー53には、連通孔45および貫通孔46が形成されている。
連通孔45は、カバー53における同一円周上に所定の間隔(例えば等間隔)で複数(本例では8個)設けられている。これらの連通孔45は、バルブ収容室25と加圧室6とを連通する流路孔である。また、複数の連通孔45は、カバー53の板厚方向の両端面(上端面55、下端面56)を連通するようにカバー53の板厚方向に貫通形成されている。また、複数の連通孔45の入口開口は、ストッパ部材9の上端面55で開口している。 貫通孔46は、カバー53の中央部をカバー53の板厚方向に貫通形成されている。この貫通孔46は、スプールバルブ7の弁部42がバルブストッパ面44に吸着するのを防止するために設けられる。貫通孔46の一端側開口は、ストッパ部材9のバルブストッパ面44で開口している。また、貫通孔46の他端側開口は、ストッパ部材9の下端面56で開口している。
フランジ52の図示上端面には、バルブボディ8の第3シール面58に密着してシールする円環状の第4シール面59が設けられている。この第4シール面59は、プランジャ3の移動方向に対して直交する半径方向に延びる平坦な対向端面である。これにより、電磁弁の閉弁時における、バルブ収容室25から燃料吸入流路22への燃料漏れを防止できる。
このため、シリンダ5の内径面と第1シール面51とが垂直に交わる内周角部にバリが残る可能性がある。
そして、仮に第1シール面51と第2シール面57との間にバリが入り込んでしまうと、第1シール面51と第2シール面57との間の高圧シール性が低下するという問題が発生する。
これにより、図13に示したように、第1シール面51と第2シール面57との間に形成される境界部分aよりも半径方向内側に傾斜溝61が形成される。
傾斜溝61は、シリンダ5の内径面で開口し、この開口側から半径方向外側に向かう程、溝幅が狭くなる断面微小楔形状を呈する。
また、フランジ52は、シリンダ5の傾斜面との間に環状の傾斜溝61を形成する円環状の傾斜溝壁面を有している。
なお、シリンダ5の傾斜面は、第2シール面57とシリンダ5の内径面(以下シリンダ内径面)とが垂直に交わる角部を面取りした面取り部である。この面取り部は、第2シール面57およびシリンダ内径面に対して傾斜した円錐面で構成されている。
凹溝62は、特許請求の範囲における、「流れ阻害部」に相当する。これにより、プランジャ3の移動方向が燃料加圧方向における、加圧室6内の燃料流れの中で、第1シール面51と第2シール面57との間に形成される境界部分a、つまり傾斜溝61の奥側に向かう半径方向外側への燃料流れが阻害される。
なお、凹溝62の凹溝底面64は、シリンダ5の開口端を閉塞してプランジャ3との間に加圧室6を形成する円環状のプランジャ側端面を構成している。
凹溝62の内周側には、ストッパ部材9の円周方向に延びる円筒状の周壁66が設けられている。この周壁66は、凹溝62の内周側に設けられて、内壁65との間に凹溝底面64が形成されている。
また、内壁65よりも内周側には、凹溝底面64よりもプランジャ3の移動方向(燃料吸入方向)に突出した中央突出壁63が設けられている。貫通孔46の孔開口は、中央突出壁63の下端面56で開口している。
凹溝底面64、内壁65および周壁69は、複数の連通孔45のうちの1つの連通孔45に向かう円周方向の両側への燃料流れを許容する流れ許容部を構成している。
次に、本実施例のサプライポンプの作用を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。 サプライポンプのカムシャフト1がエンジンのクランクシャフトにより回転駆動されると、シリンダボディ4のシリンダ5内をプランジャ3がその移動方向に往復摺動する。
このとき、フィードポンプより吐出された燃料が、サプライポンプの吸入ポートから燃料ギャラリ11内に供給される。
そして、燃料吸入孔21に吸い込まれた燃料は、燃料吸入流路22→燃料吸入孔23→クリアランス24→バルブ収容室25→複数の連通孔45を通って加圧室6に吸入される。
そして、プランジャ3が下死点に達し、プランジャ3の移動方向が燃料加圧方向に反転した場合、所定のタイミングで電磁弁が閉弁すると、加圧室6内の燃料圧力が昇圧される。
そして、プランジャ3が燃料加圧方向に更に移動し、加圧室6内の燃料圧力が吐出弁の開弁圧以上に上昇すると、吐出弁が開弁して、加圧室6から燃料吐出孔31〜35→吐出ポート36を経てコモンレールへ高圧燃料が圧送供給される。
そして、コモンレール内に蓄圧された高圧燃料は、複数のインジェクタを任意の噴射時期に開弁駆動することで、所定のタイミングで、エンジンの各気筒内へ噴射供給される。
そして、燃料ギャラリ11への燃料の排出は、電磁弁の閉弁時点で停止し、このとき残留した加圧室6内の燃料量で燃料吐出量(ポンプ吐出量またはポンプ圧送量)が規定される。
なお、圧送開始時期である電磁弁の閉弁時期をプランジャ3の下死点側に進角させ、ポンプ圧送期間を長くする程、ポンプ吐出量が多くなる。また、電磁弁の閉弁時期がプランジャ3の略下死点の時が最大のポンプ吐出量となる(全量圧送)。
また、複数のプランジャ3が下死点から上死点に至る期間が、複数の加圧室6から燃料吐出流路(31〜36)を経てコモンレール側へ燃料が圧送される燃料圧送期間(ポンプ圧送期間)となる。
なお、ポンプ圧送期間は、複数の電磁弁の閉弁時期で変わることになるのは言うまでもない。
以上のように、本実施例のサプライポンプにおいては、シリンダボディ4の締結部10に電磁弁を螺子締結により結合(接続)する際に発生する螺子締結軸力によってストッパ部材9が、シリンダボディ4の第1シール面51とバルブボディ8の第3シール面58との間に挟み込まれた状態で保持固定されている。
これにより、ストッパ部材9には、シリンダボディ4の第1シール面51とストッパ部材9の第2シール面57との間を高圧シールする機能と、バルブボディ8の第3シール面58とストッパ部材9の第4シール面59との間を高圧シールする機能とが備わる。
また、ストッパ部材9の各連通孔45には、サプライポンプの吸入行程において、燃料ギャラリ11から加圧室6に燃料を流入させる流路としての機能が備わる。
また、ストッパ部材9の各連通孔45には、上記のプリストローク期間中、加圧室6に流入した燃料を燃料吸入流路を介して燃料ギャラリ11に戻す流路としての機能が備わる。
加圧室108内の燃料流れの中で、主にストッパ部材107の各連通孔115に向かう軸線方向の一方側(図示上方側)への燃料流れは、図11(a)に示したように、連通孔115を通り抜けた後、バルブ収容室116→燃料吸入孔117→燃料吸入流路118を通って燃料ギャラリへと流れていく。
一方、加圧室108内の燃料流れの中で、主にストッパ部材107の下面114に沿って半径方向外側への燃料流れは、図12に示したように、下面114に沿ってシリンダ内径面に到達する。
そして、傾斜溝113に入り込んだ気泡を含んだ燃料は、傾斜溝113の奥側、つまり第1シール面111と第2シール面112との間に形成される境界部分aに集中する。
そして、気泡が崩壊すると、境界部分aでキャビテーションエロージョン(壊食)が発生する(図11に二点鎖線で示す)。このエロージョンが進行すると、電磁弁の閉弁時でも、加圧室108内の燃料が燃料ギャラリ側に流出してしまう。
その結果、サプライポンプは、燃料を加圧することができなくなり、エンジンの気筒内に燃料を供給できず、エンジンストールを誘発するという問題が発生する。
この凹溝62の凹溝底面64は、境界部分aと同一平面上に設けられず、境界部分aと所定の段差を介して接続されている。
また、本実施例のサプライポンプにおいては、ストッパ部材9をその板厚方向に貫通する複数の連通孔45のうちの1つの連通孔45に向かう円周方向両側への燃料流れを許容する流れ許容部として、円環状の凹溝底面64、円筒状の内壁65および円筒状の周壁69を設けている。
加圧室6内の燃料流れの中で、主にストッパ部材9の各連通孔45に向かう軸線方向の一方側(図示上方側)への燃料流れは、図3に示したように、連通孔45を通り抜けた後、燃料吸入流路を通って燃料ギャラリ11へと流れていく。
一方、加圧室6内の燃料流れの中で、主にストッパ部材9の中央突出壁63の下端面56に沿って半径方向外側への燃料流れは、図3に示したように、傾斜溝61に入り込むことなく、ストッパ部材9の凹溝62内に入り込む。
したがって、境界部分aにおけるキャビテーションエロージョンの発生を低減できるので、電磁弁の閉弁時において加圧室6内の燃料が燃料ギャラリ側へ漏れ出すのを防止することができる。これにより、プランジャ3の移動方向が燃料加圧方向の場合、加圧室6内に吸入した燃料を加圧して高圧化し、この高圧燃料をコモンレール側へ吐出することができる。
この結果、エンジンの各気筒に高圧化した燃料を供給できるので、エンジンストールの誘発を防止することができる。なお、中央突出壁63の下端面56および第2シール面57よりもプランジャ3の移動方向(燃料加圧方向)に凹んだ凹溝62の溝深さが深い程、境界部分aに向かう半径方向外側への燃料流れを阻害する効果を高めることができる。
これに対し、本実施例のサプライポンプは、ディーゼルエンジン用の超高圧燃料ポンプに使用されるものである。このような超高圧燃料ポンプの場合、シール部材として比較的に柔らかい材質のガスケットを使用すると、加圧室内の圧力によってガスケットが変形したり、破損したりするという問題が生じる。
このため、ディーゼルエンジン用の超高圧燃料ポンプの場合には、シリンダボディ4とストッパ部材9との間にシール部材を介することなく、電磁弁の螺子締結軸力によってストッパ部材9を直接シリンダボディ4の第1シール面51に密着させている。
図4および図5は、本発明の高圧燃料ポンプを適用したサプライポンプ(実施例2)を示したものである。
ここで、実施例1と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
また、流れ阻害部としての凹溝62は、実施例1と同様に、ストッパ部材9の円周方向に延びる円筒状の内壁65を備えている。この内壁65は、シリンダ5の内径と同一の内径を有している。また、凹溝62は、第2シール面57と所定の筒状段差を介して接続される円形状の凹溝底面64を有している。
なお、凹溝62の凹溝底面64は、シリンダ5の開口端を閉塞してプランジャ3との間に加圧室6を形成する円形状のプランジャ側端面を構成している。すなわち、上記の流れ阻害部とは、第1シール面51と第2シール面57との境界部aと、凹溝62の凹溝底面64とが同一平面上に設けられていない構造のことである。
凹溝底面64および内壁65は、特許請求の範囲における、「流れ許容部」としての機能を備える。
以上のように、本実施例のサプライポンプにおいては、実施例1と同様な効果を奏する。なお、第2シール面57よりもプランジャ3の移動方向(燃料加圧方向)に凹んだ凹溝62の溝深さが深い程、境界部分aに向かう半径方向外側への燃料流れを阻害する効果を高めることができる。
図6および図7は、本発明の高圧燃料ポンプを適用したサプライポンプ(実施例3)を示したものである。
ここで、実施例1及び2と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
フランジ52の図示下端面には、シリンダボディ4の第1シール面51に密着して加圧室6をシールする円環状の第2シール面57が設けられている。また、フランジ52の図示上端面には、バルブボディ8の第3シール面58に密着してシールする円環状の第4シール面59が設けられている。
突出壁71は、第2シール面57と所定の筒状段差(外壁74)を介して接続される円形状の突出端面72を備えている。この突出端面72は、プランジャ3との間に加圧室6を形成するプランジャ側端面である。また、突出端面72は、第2シール面57と同一平面上に設けられていない。そして、複数の連通孔45の出口開口および貫通孔46の他端側開口は、突出端面72で開口している。
なお、突出端面72は、シリンダ5の開口端を閉塞してプランジャ3との間に加圧室6を形成する円形状のプランジャ側端面を構成している。すなわち、上記の流れ阻害部とは、第1シール面51と第2シール面57との境界部aと、突出壁71の突出端面72とが同一平面上に設けられていない構造のことである。
以上のように、本実施例のサプライポンプにおいては、第1シール面51と第2シール面57との間に形成される境界部分aが絞り73を介して加圧室6と連通している。すなわち、シリンダ内径面と外壁74との隙間が絞られているので、加圧室6内の燃料流れが傾斜溝61の奥側、つまり境界部分aに殆ど届くことはない。
したがって、実施例1及び2と同様な効果を奏する。なお、第2シール面57よりもプランジャ3の移動方向(燃料吸入方向)に突出した突出壁71の突出量が大きい程、境界部分aに向かう半径方向外側への燃料流れを阻害する効果を高めることができる。
図8および図9は、本発明の高圧燃料ポンプを適用したサプライポンプ(実施例4)を示したものである。
ここで、実施例1〜3と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
プランジャポンプは、プランジャ3およびシリンダボディ4により構成されている。
プランジャ3は、カムシャフト1のエキセンカム83の周囲に装着されたカムリング84に、プランジャスプリング19の付勢力によって押し付けられている。
吸入弁は、スプールバルブ7、バルブボディ8およびリターンスプリング87を備えている。吸入弁のバルブボディ8は、特許請求の範囲における、「カバー部材」に相当する。このバルブボディ8は、シリンダボディ4の締結部10に締結体88を螺子締結により結合(接続)する際に発生する螺子締結軸力によって、シリンダボディ4の第1シール面51と締結体88の第3シール面58との間に挟み込まれた状態で保持固定されている。
バルブボディ8のフランジ52の図示下端面には、シリンダボディ4の第1シール面51に密着して加圧室6をシールする円環状の第2シール面57が設けられている。また、フランジ52の図示上端面には、締結体88の第3シール面58に密着してシールする円環状の第4シール面59が設けられている。
また、バルブボディ8には、スプールバルブ7の弁部42を往復移動可能に収容するバルブ収容室としての機能を有し、バルブボディ8の燃料吸入孔(流路)24とプランジャ3により燃料が加圧される加圧室6とを連通する連通孔45が形成されている。
凹溝62は、特許請求の範囲における、「流れ阻害部」に相当する。この凹溝62は、バルブボディ8の円周方向に延びる円筒状の内壁65を備えている。この内壁65は、シリンダ5の内径と同一の内径を有している。また、凹溝62は、第2シール面57と所定の筒状段差を介して接続される円環状の凹溝底面64を有している。
なお、凹溝62の凹溝底面64は、シリンダ5の開口端を閉塞してプランジャ3との間に加圧室6を形成する円環状のプランジャ側端面を構成している。
また、凹溝底面64および内壁65は、特許請求の範囲における、「流れ許容部」としての機能を備える。
以上のように、本実施例のサプライポンプにおいては、実施例1〜3と同様な効果を奏する。なお、第2シール面57よりもプランジャ3の移動方向(燃料加圧方向)に凹んだ凹溝62の溝深さが深い程、境界部分aに向かう半径方向外側への燃料流れを阻害する効果を高めることができる。
本実施例では、本発明の高圧燃料ポンプを、コモンレール式燃料噴射システムに使用されるサプライポンプに適用した例を説明したが、本発明の高圧燃料ポンプを、コモンレールを備えない燃料噴射装置に使用される分配型燃料噴射ポンプまたは列型燃料噴射ポンプに適用しても良い。
また、内燃機関に供給する燃料として、ディーゼル油(軽油)やガソリン油を用いても良い。
また、実施例4のバルブボディ8に、第2シール面57よりもプランジャ3の移動方向(燃料吸入方向)に突出した突出壁71を設けても良い。
4 シリンダボディ(シリンダ部材)
5 シリンダ
6 加圧室
8 バルブボディ(カバー部材)
9 ストッパ部材(カバー部材)
51 第1シール面
57 第2シール面
62 凹溝(流れ阻害部)
71 凹溝(流れ阻害部)
Claims (6)
- (a)往復移動可能なプランジャ(3)と、
(b)少なくとも一端が開口し、前記プランジャ(3)が嵌挿される筒状のシリンダ(5)、およびこのシリンダ(5)の開口端からその周囲の径方向外側に延びる環状の第1シール面(51)を有し、前記プランジャ(3)を往復摺動可能に支持するシリンダ部材(4)と、
(c)このシリンダ部材(4)の第1シール面(51)に密着してシールする環状の第2シール面(57)を有し、前記シリンダ(5)の開口端を閉塞して前記プランジャ(3)との間に加圧室(6)を形成するカバー部材(8、9)と
を備え、
前記プランジャ(3)の往復移動によって前記加圧室(6)に吸入した燃料を加圧する高圧燃料ポンプにおいて、
前記カバー部材(8、9)は、前記プランジャ(3)の移動方向が燃料加圧方向の場合における、前記加圧室(6)内の燃料流れの中で、前記第1シール面(51)と前記第2シール面(57)との間に形成される境界部(a)に向かう径方向外側への燃料流れを阻害する流れ阻害部(62、71)を有し、
この流れ阻害部(62、71)は、前記第2シール面(57)よりも前記プランジャ(3)の移動方向に凹んだ凹溝(62)を有し、
前記凹溝(62)は、前記第2シール面(57)と所定の段差(68)を介して接続される凹溝底面(64)を有し、
さらに、前記カバー部材(8、9)は1枚の金属板からなり、前記凹溝底面(64)は前記金属板に設けられていることを特徴とする高圧燃料ポンプ。 - 請求項1に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記凹溝(62)は、前記カバー部材(8、9)の周方向に延びる筒状の内壁(65)を有し、
前記内壁(65)は、前記シリンダ(5)の内径と略同一の内径を有していることを特徴とする高圧燃料ポンプ。 - (a)往復移動可能なプランジャ(3)と、
(b)少なくとも一端が開口し、前記プランジャ(3)が嵌挿される筒状のシリンダ(5)、およびこのシリンダ(5)の開口端からその周囲の径方向外側に延びる環状の第1シール面(51)を有し、前記プランジャ(3)を往復摺動可能に支持するシリンダ部材(4)と、
(c)このシリンダ部材(4)の第1シール面(51)に密着してシールする環状の第2シール面(57)を有し、前記シリンダ(5)の開口端を閉塞して前記プランジャ(3)との間に加圧室(6)を形成するカバー部材(8、9)と
を備え、
前記プランジャ(3)の往復移動によって前記加圧室(6)に吸入した燃料を加圧する高圧燃料ポンプにおいて、
前記カバー部材(8、9)は、前記プランジャ(3)の移動方向が燃料加圧方向の場合における、前記加圧室(6)内の燃料流れの中で、前記第1シール面(51)と前記第2シール面(57)との間に形成される境界部(a)に向かう径方向外側への燃料流れを阻害する流れ阻害部(62、71)を有し、
この流れ阻害部(62、71)は、前記第2シール面(57)よりも前記プランジャ(3)の移動方向に突出した突出壁(71)を有し、
前記突出壁(71)は、前記第2シール面(57)と所定の段差(74)を介して接続される突出端面(72)を有していることを特徴とする高圧燃料ポンプ。 - 請求項3に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記突出壁(71)は、前記シリンダ(5)の内径面との間に絞り(73)を形成する外壁(74)を有していることを特徴とする高圧燃料ポンプ。 - 請求項1ないし請求項4の内のいずれか1つに記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記加圧室(6)に燃料を供給する流路(21〜24)を開閉する弁体(7)を備え、
前記カバー部材(8、9)は、前記弁体(7)に接触して前記弁体(7)の移動範囲を規制するストッパ(41、44)、および前記流路(21〜24)または前記弁体(7)を移動可能に収容する弁体収容室(25)と前記加圧室(6)とを連通する連通孔(45)を有していることを特徴とする高圧燃料ポンプ。 - 請求項5に記載の高圧燃料ポンプにおいて、
前記カバー部材(8、9)は、前記連通孔(45)に向かう方向への燃料流れを許容する流れ許容部(64〜66)を有していることを特徴とする高圧燃料ポンプ。
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