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JP6357063B2 - 無拡幅agf工法および同工法による地山改良構造ならびに同工法に用いる治具 - Google Patents
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JP6357063B2 - 無拡幅agf工法および同工法による地山改良構造ならびに同工法に用いる治具 - Google Patents

無拡幅agf工法および同工法による地山改良構造ならびに同工法に用いる治具 Download PDF

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この発明は、ドリフター等の回転打撃機構を搭載した重機(ドリルジャンボ等)により、トンネル切羽の周辺部からトンネル軸方向やや斜め上方の地山へ向けて多数の管材(主として鋼管)を放射状に打ち込み、当該管材内を通じて地山改良剤を注入して地山を改良した後、トンネルを掘削する無拡幅AGF工法および同工法による地山改良構造ならびに同工法に用いる治具(管押し込み治具、管引き抜き治具)の技術分野に属する。
トンネル掘削工事の補助工法の一種であるAGF工法(注入式長尺先受工法)には、トンネルの必要高さよりも拡幅して鋼管打ち込みスペースを設け、当該スペースから鋼管を打ち込む拡幅AGF工法と、前記拡幅することなく、トンネル切羽の周辺部から鋼管を打ち込む無拡幅AGF工法とがある。
前記拡幅AGF工法は、拡幅するための掘削作業が必要になり、事後的に拡幅部分を埋める作業も必要になる。よって、その分だけ余計に労力がかかり、コストが嵩み、工期が長期化する問題があった。
一方、無拡幅AGF工法は、拡幅部を設ける必要がないので前記問題は生じない。しかし、トンネル切羽の周辺部から鋼管を打ち込む工法であるが故に、末端に設ける端末管は、その後端部がトンネル内空断面側へ露出していた。そのため、トンネル切羽の掘削時に、端末管をブレーカーやバックホウで撤去することになるが、端末管との衝撃等によりブレーカーやバックホウが破損・損傷する虞がある上に、地山に緩みが生じ、抜け落ち等が発生する問題があった。また、撤去された端末管は、産業廃棄物として処理するほかない問題があった。
例えば、特許文献1には、無拡幅AGF工法で実施することを前提に、地山を補強してトンネルを掘削する際に利用される管同士の接続構造であって、互いに接続される複数本の管の内、一番手前に接続される基端側の端末管は、一旦埋設された後、その前端部の接続が解除されて取り外されて回収され、再使用可能とした発明が開示されている(請求項1参照)。
この特許文献1にかかる前記管同士の接続手段は、ネジ式で実施されている。特に、端末管とその前方の鋼管との接続部は、他の接続部と回転方向を逆向きにしたり、他の接続部よりも少ない回転、又は緩みやすい構造で着脱できるようにしたりする工夫が施されている(請求項3、4等参照)。
前記特許文献1によれば、ネジ式による管同士の接続構造に前記工夫を施したことにより、端末管を回収でき、回収した端末管を再利用できるので、産業廃棄物を出さずにすみ、材料費等のコストを削減することが可能になるとの記載が認められる(明細書の段落[0051]参照)。
特開2004−190270号公報
前記特許文献1は、管同士の接続構造に多少の工夫を施してはいるが、すべてネジ式で実施していることに変わりはない。よって、以下の問題があった。
1)ネジ式で実施しているので、管同士の接続部は、打ち込み時の振動により接続状態が解除されて管が抜ける可能性があった。地山中にある程度の長さ打ち込んだ段階で抜けた管は、再度ねじ込んで接続するのが至難であった。
もっとも、管同士を接続した後、接続部に打撃を加えてネジ山を潰すことで管を抜けないようにする工夫は適宜行われている。しかし、端末管は抜くことを前提に接続するためネジ山を潰すことはできない。よって、前記問題は依然として解消することができない。
2)ネジ式で実施しているので、所定の位置まで打ち込んだ端末管の接続状態を解除するには、必然的に、端末管を回転させる必要がある。しかも、正確に所定(右又は左)の方向へ回転させる必要もある。
しかし、実際の施工現場においては、地山の周面摩擦力(地山と端末管との接触面で運動(回転)を阻止しようとする力)の影響により、端末管を回転させることに難渋していた。また、なんとか回転させることができたとしても、回転方向を間違えると逆効果となり、さらに接続状態を解除することが至難となる問題もあった。
このように、端末管の接続をネジ式で実施する場合、現場作業において、打ち込み時、および撤去時に種々の問題があり、解決すべき課題となっている。
本発明は、上述した背景技術の問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、端末管をその前方の管材の後端部へソケット式又はバヨネット式で抜き差し可能に接続して実施することにより、端末管を確実かつ迅速に引き抜いて撤去することができる、作業性(施工性)に優れた無拡幅AGF工法および同工法による地山改良構造ならびに同工法に用いる治具を提供することにある。
また、端末管を確実に撤去できるとともに、再利用することにより、産業廃棄物の発生を極力抑制できる、地球環境性に優れた無拡幅AGF工法および同工法による地山改良構造ならびに同工法に用いる治具を提供することにある。
上記背景技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る無拡幅AGF工法は、ドリフター等の回転打撃機構を搭載した重機により、トンネル切羽の周辺部からトンネル軸方向やや斜め上方の地山へ向けて多数の管材を打ち込み、当該管材内を通じて地山改良剤を注入して地山を改良した後、トンネルを掘削する無拡幅AGF工法において、
前記管材は、複数本の管材を順次接続して打ち込む構成とし、末端に設ける端末管は、その前方の管材の後端部へソケット式で回転可能および抜き差し可能に、又はバヨネット式で抜き差し可能に接続し、前端部と後端部とその間の圧縮バネ又は筒状の硬質ゴムとを一体化してなり、前端部は前記端末管の後端部に抜き差し可能に接続する筒状に形成され、後端部は筒状に形成された管押し込み治具を介して前記回転打撃機構により所定の位置まで打ち込むこと、
所定の位置まで打ち込んだ端末管を引き抜いて撤去した後、地山に残存する管材内を通じて地山に地山改良剤を注入することを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した無拡幅AGF工法において、前記所定の位置まで打ち込んだ端末管を引き抜いて撤去した後、地山に残存する管材内を通じて地山に地山改良剤を注入すると共に、引き抜いた端末管の跡の空間にも地盤改良剤を注入することを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した無拡幅AGF工法において、前記端末管の接続端部に電磁石を設け、その前方の管材の後端部へ着脱可能にオンオフ制御したことを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載した無拡幅AGF工法において、前記端末管の前方の管材の後端部は、当該後端部に、前端部をねじ切りし、後端部を筒状に形成した端部変換用継手を接続して形成することを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれか一に記載した無拡幅AGF工法において、前記端末管は、塩化ビニル管等の樹脂製若しくは金属製の一体物とすること、或いは、端末管本体とその前端部及び/又は後端部に設ける端部ソケットとからなる複合体であって、前記端末管本体は金属製又は樹脂製とし、前記端部ソケットは金属製又は樹脂製とすることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、請求項1〜5のいずれか一に記載した無拡幅AGF工法において、前記端末管の後端部は、径方向に一致する貫通孔を備えた筒状、又はねじが切られた筒状に形成していることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、請求項1〜6のいずれか一に記載した無拡幅AGF工法において、前記所定の位置まで打ち込んだ端末管は、管引き抜き治具により引き抜いて撤去することを特徴とする。
請求項8に記載した発明にかかる無拡幅AGF工法に用いる管押し込み治具は、前記請求項1〜7のいずれかの無拡幅AGF工法に用いる前記管押し込み治具であって、前記管押し込み治具は、前端部と後端部とその間の圧縮バネ又は筒状の硬質ゴムとを一体化してなり、前端部は、端末管の後端部に抜き差し可能に接続する筒状に形成され、後端部は、筒状に形成されていることを特徴とする。
請求項9に記載した発明にかかる無拡幅AGF工法に用いる管引き抜き治具は、前記請求項7にかかる無拡幅AGF工法に用いる前記管引き抜き治具であって、前記管引き抜き治具は、回転打撃機構に設けられた治具受け部へ接続可能なロッド部と、該ロッド部の前端部に設けた有底筒状部とからなり、該有底筒状部の接続端部には、端末管の後端部にねじ込み可能なねじが切られていることを特徴とする。
請求項10に記載した発明にかかる無拡幅AGF工法に用いる管引き抜き治具は、前記請求項にかかる無拡幅AGF工法に用いる前記管引き抜き治具であって、前記管引き抜き治具は、回転打撃機構に設けられた治具受け部へ接続可能なロッド部と、該ロッド部の前端部に設けた有底筒状部とからなり、該有底筒状部の接続端部には、端末管の後端部の貫通孔を通して径方向に貫通させたピンに掛け留め可能な略L字状のバヨネット溝が形成されていることを特徴とする。
請求項11に記載した発明にかかる無拡幅AGF工法は、ドリフター等の回転打撃機構を搭載した重機により、トンネル切羽の周辺部からトンネル軸方向やや斜め上方の地山へ向けて多数の管材を打ち込み、当該管材内を通じて地山改良剤を注入して地山を改良した後、トンネルを掘削する無拡幅AGF工法において、
前記管材は、複数本の管材を順次接続して打ち込む構成とし、末端に設ける端末管は、その前方の管材の後端部へソケット式で回転可能および抜き差し可能に、又はバヨネット式で回転可能に接続し、管押し込み治具を介して前記回転打撃機構により所定の位置まで打ち込むこと、
所定の位置まで打ち込んだ端末管を、回転打撃機構に設けられた治具受け部へ接続可能なロッド部と、該ロッド部の前端部に設けた軸受け部と、該軸受け部に同方向に回動可能に軸支した両腕部と、該両腕部を拘束する圧縮バネとからなり、該両腕部の先端部には、端末管の後端部に設けられた貫通孔に掛け留め可能な突起部を設けてなる管引き抜き治具を用いて引き抜いて撤去した後、地山に残存する管材内を通じて地山に地山改良剤を注入することを特徴とする。
請求項12に記載した発明にかかる無拡幅AGF工法に用いる管引き抜き治具は、前記請求項11にかかる無拡幅AGF工法に用いる前記管引き抜き治具であって、前記管引き抜き治具は、回転打撃機構に設けられた治具受け部へ接続可能なロッド部と、該ロッド部の前端部に設けた軸受け部と、該軸受け部に同方向に回動可能に軸支した両腕部と、該両腕部を拘束する圧縮バネとからなり、該両腕部の先端部には、端末管の後端部に設けられた貫通孔に掛け留め可能な突起部を設けていることを特徴とする。
請求項13に記載した発明は、請求項12に記載した無拡幅AGF工法に用いる管引き抜き治具において、前記両腕部には、その突起部を端末管の後端部に設けられた貫通孔に掛け留めた後に、当該両腕部間の間隔を保持するロック機構が設けられていることを特徴とする。
請求項14に記載した発明に係る無拡幅AGF工法による地山改良構造は、ドリフター等の回転打撃機構を搭載した重機により、トンネル切羽の周辺部からトンネル軸方向やや斜め上方の地山へ向けて多数の管材を打ち込み、当該管材内を通じて地山改良剤を注入して地山を改良した後、トンネルを掘削する無拡幅AGF工法による地山改良構造において、
前記管材は、複数本の管材を接続して打ち込む構成とされ、末端に設ける端末管は、その前方の管材の後端部にソケット式で回転可能および抜き差し可能に、又はバヨネット式で抜き差し可能に接続され、前端部と後端部とその間の圧縮バネ又は筒状の硬質ゴムとを一体化してなり、前端部は前記端末管の後端部に抜き差し可能に接続する筒状に形成され、後端部は筒状に形成された管押し込み治具を介してドリフターにより所定の位置まで打ち込まれた後に引き抜いて撤去されていること、
地山に残存する管材内を通じて地山に地山改良剤が注入されていることを特徴とする。
請求項15に記載した発明に係る無拡幅AGF工法による地山改良構造は、ドリフター等の回転打撃機構を搭載した重機により、トンネル切羽の周辺部からトンネル軸方向やや斜め上方の地山へ向けて多数の管材を打ち込み、当該管材内を通じて地山改良剤を注入して地山を改良した後、トンネルを掘削する無拡幅AGF工法による地山改良構造において、
前記管材は、複数本の管材を接続して打ち込む構成とされ、末端に設ける端末管は、その前方の管材の後端部にソケット式で回転可能および抜き差し可能に、又はバヨネット式で抜き差し可能に接続され、管押し込み治具を介してドリフターにより所定の位置まで打ち込まれた後に、回転打撃機構に設けられた治具受け部へ接続可能なロッド部と、該ロッド部の前端部に設けた軸受け部と、該軸受け部に同方向に回動可能に軸支した両腕部と、該両腕部を拘束する圧縮バネとからなり、該両腕部の先端部には、端末管の後端部に設けられた貫通孔に掛け留め可能な突起部を設けてなる管引き抜き治具を用いて引き抜いて撤去されていること、
地山に残存する管材内を通じて地山に地山改良剤が注入されていることを特徴とする。
請求項16に記載した発明は、請求項14又は15に記載した無拡幅AGF工法による地山改良構造において、前記地山に残存する管材内を通じて地山に地山改良剤が注入されると共に、引き抜いた端末管の跡の空間にも地盤改良剤が注入されていることを特徴とする。
本発明に係る無拡幅AGF工法および同工法による地山改良構造ならびに同工法に用いる治具によれば、以下の効果を奏する。
(1)端末管をその前方の管材の後端部へソケット式又はバヨネット式で抜き差し可能に接続して実施するので、端末管を確実かつ迅速に引き抜いて撤去することができる。よって、作業性(施工性)に優れている。
特に、端末管をその前方の管材の後端部へソケット式で接続する場合には、その他の接続部のねじ込み形態(右ネジであるのか、左ネジであるのか、ネジ込み寸法はどの程度の長さであるのか等)に一切左右されることなく、単に、端末管をその前方の管材の後端部に差し込む作業、又は引き抜く作業を行うだけで足り、端末管を回転させる向きを予め熟知しておく必要もない。
よって、至極合理的であり、作業性(施工性)に非常に優れている。
(2)重機による掘削時には、もはや端末管が存在しないので、ブレーカーやバックホウを損傷させる虞もない。また、端末管との衝撃等による地山の緩み、抜け落ち等が発生する虞もない。
(3)撤去した端末管は、次節の施工に再利用できるので、産業廃棄物の発生を極力抑制できる。また、端末管は、回転打撃機構(ドリフター)に直接接触させず、管押し込み治具を介して打ち込むなど、十分な保護ケアがなされているので、恒久的に再利用できる。よって、地球環境性に非常に優れている。
(4)もとより、地山に残存する管材(先導管、中間管)内に注入した地山改良剤は、管材内はもちろん、管材に形成された多数の貫通孔を通じて地山へ注入・拡散されるので、健全性に優れた地山改良構造を実現できる。ひいては、ドリルジャンボ(掘削重機)による掘削時の地山の崩落の虞を極力抑制し、良好な掘削工事を行うことができる。
(5)実施例2によれば、上記(1)〜(4)の効果に加え、さらに地山を補強して緩み範囲を抑えることができるので、掘削土量、抜け落ち量を抑制でき、より経済的で実効性が高い地山改良構造を実現できる。
本発明にかかる無拡幅AGF工法の施工状況を示した概略立面図である。 本発明にかかる無拡幅AGF工法の施工状況を示した概略斜視図である。 Aは、本発明にかかる管材の接続状態を示す概略全体図であり、Bは、先導管(先端管)を示す正面図であり、Cは、中間管を示す正面図であり、Dは、端末管を示す正面図である。 Aは、端部変換用継手(レデューサ)を示した概略断面図であり、Bは、端末管の前後に装着する端部ソケットを示した正面図である。 A〜Eは、図4のバリーションを示している。具体的に、Aは、端部変換用継手を示した正面図(一部破断)である。Bは、端末管の前後に装着する端部ソケットを示した正面図である。Cは、AのC−C線矢視断面図である。Dは、BのD−D線矢視断面図である。Eは、端部変換用継手と端末管の接続状態を示した正面図(一部破断)である。 また、Fは、端部変換用継手の更なるバリエーションを示した正面図であり、Gは、端末管の前後に装着する端部ソケットの更なるバリエーションを示した正面図である。 Aは、先導管とロストビットとの接続状態を示した概略断面図であり、Bは、同分解図である。 A〜Dは、本発明にかかる無拡幅AGF工法の施工手順を段階的に示した概略図である。 A〜Dは、図7に引き続き、本発明にかかる無拡幅AGF工法の施工手順を段階的に示した概略図である。 A〜Dは、図8に引き続き、本発明にかかる無拡幅AGF工法の施工手順を段階的に示した概略図である。 Aは、管押し込み治具を示した正面図であり、Bは、同右側面図であり、Cは、管押し込み治具のバリエーションを示した正面図であり、Dは、同右側面図である。 Aは、管引き抜き治具を示した正面図であり、Bは、同平面図であり、Cは、同左側面図である。 Aは、管引き抜き治具のバリエーションを示した正面図であり、Bは、同平面図であり、Cは、同左側面図である。 Aは、管引き抜き治具の更なるバリエーションを示した正面図(一部破断)であり、Bは、同平面図であり、Cは、同左側面図である。 Aは、管引き抜き治具の更なるバリエーションを示した正面図であり、Bは、同平面図であり、Cは、同左側面図である。なお、Bの矢印方向に図示した部材は端末管である。 Aは、管引き抜き治具の更なるバリエーションを示した正面図であり、Bは、同平面図であり、Cは、同左側面図である。なお、Bの矢印方向に図示した部材は端末管である。
以下、本発明に係る無拡幅AGF工法および同工法による地山改良構造ならびに同工法に用いる治具の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明にかかる無拡幅AGF工法の施工状況を概略的に示している。
この無拡幅AGF工法は、回転しながら打撃を加えるドリフター等の回転打撃機構を搭載したドリルジャンボ等の重機(図示略)により、トンネル切羽11の周辺部からトンネル軸方向やや斜め上方の地山10へ向けて多数の管材1を放射状に打ち込み(図2も参照)、当該管材1内を通じて地山改良剤(例えば、シリカレジン)12を注入して地山10を改良した後、トンネルを掘削する工法である。
本発明にかかる無拡幅AGF工法は、前記管材1を、複数本の管材2〜5(本実施例では、先導管2、中間管3、4、端末管5)を順次接続して打ち込む構成とし、末端に設ける端末管5は、その前方の管材4の後端部へソケット式で回転可能および抜き差し可能に接続することを特徴とする。
また、前記端末管5を、管押し込み治具7(図10参照)を介してドリフター(回転打撃機構)により所定の位置まで打ち込むことを特徴とする。
さらに、前記所定の位置まで打ち込んだ端末管5を引き抜いて撤去した後、地山10に残存する管材1内を通じて地山10に地山改良剤12を注入することを特徴とする。
すなわち、本発明にかかる無拡幅AGF工法は、端末管5とその前方の管材4との接続方法、端末管5を打ち込む手法、および、打ち込んだ端末管5を確実に引き抜くこと、を主な特徴としている。その余の構成(例えば、先導管2、中間管3、4、回転打撃機構、重機、及び地山改良剤12)は従来一般のものとほぼ同様である。以下、具体的に説明する。
本発明にかかる管材1の全長は、構造設計に応じて適宜設計変更可能であるが、本実施例では、13.5〜14.0m程度で実施している。
また、本実施例にかかる管材1は、図3A〜Dに示したように、先導管2、中間管3、中間管4、および端末管5の計4本の管材を一連に接続した構成で実施しているが、これに限定されず、3本で実施することもできるし、5本以上で実施することもできる。要するに、構造設計に基づく管材1の全長に応じて最も合理的、かつ経済的な本数が採択される。
ちなみに、本実施例にかかる先導管2、中間管3、4は、円筒形状の鋼管(金属管)を用い、端末管5は、円筒形状の樹脂管(硬質の塩化ビニル管)等を用いる。
また、前記先導管2、および中間管3、4の周壁には、内外を連通する貫通孔(本実施例では、φ12〜14mm)が、軸方向に所定のピッチ(本実施例では、50cm)で、周方向に所定の間隔をあけて列状(本実施例では、4列)に設けられている(図示略)。
なお、前記貫通孔の径、配置間隔、及び穿設数量は、これに限定されず、地山10へ地山改良剤12を効率よく注入・拡散できることを前提に、使用する管材2〜4の全長、径、および強度に応じて適宜設計変更可能である。また、図示は省略しているが、セントラライザーも適宜設けて実施している。
本発明にかかる管材1を構成する先導管(先端管)2は、一例として、全長4m程度、外径11.43cmの鋼管で、前端部は、ロストビット13を接続可能な構造とし、後端部は、その外周面に雄ネジが形成されている(図3B参照)。
次に、中間管3は、一例として、全長3m程度、外径11.43cmの鋼管で、前端部は、その内周面に、前記先導管2の雄ネジにねじ込み可能な雌ネジが形成され、後端部は、その外周面に、雄ネジが形成されている(図3C参照)。
次に、中間管4は、前記中間管3と同様に、一例として、全長3m程度、外径11.43cmの鋼管で、前端部は、その内周面に、前記中間管3の雄ネジにねじ込み可能な雌ネジが形成され、後端部は、その外周面に、雄ネジが形成されている(図3C参照)。
次に、中間管4と端末管5との間に介在させる端部変換用継手(レデューサ)6は、図4Aに示したように、全長18cm程度、外径11.43cmで、前半部は、その内周面に前記中間管4の雄ネジにねじ込み可能な雌ネジが形成され、後半部は、内径10.93cm、肉厚2.5mm、長さ10cmの筒状に形成されている。
次に、端末管5は、一例として、全長3.7m程度、外径11.43cmの鋼管で、前端部は、前記端部変換用継手6の筒状部に内嵌可能な外径10.83cmで、長さ10cmの筒状に形成され、後端部は、引き抜き用の貫通孔5’(φ15mm)が径方向に2箇所(又は作業効率性を考慮して4箇所)穿設された、内径10.65cmで、長さ10cmの筒状に形成されている。
ちなみに、本実施例にかかる端末管5は、経済性、及び施工に必要な強度・剛性を考慮し、市販の硬質の塩化ビニル管5の前後に、前記した形状の金属製の端部ソケット5a、5bを隙間なくきっちり差し込み(必要に応じて接着剤を用い)、一体化して実施している(図3D、図4B参照)。
なお、前記端末管5の形態はあくまでも一例にすぎず、塩化ビニル管等の樹脂製若しくは金属製の一体物で実施することもできる(例えば、図14Bの符号5V参照)。或いは、端末管本体とその前端部及び/又は後端部に設ける端部ソケット(5a及び/又は5b)とからなる複合体であって、前記端末管本体は金属製又は樹脂製とし、前記端部ソケットは金属製又は樹脂製で実施することもできる。すなわち、金属製の端末管本体の前端部にのみ樹脂製の端部ソケット5aを差し込んでなる端末管5でも実施できる等、種々のバリエーションで実施可能である。
次に、前記端末管5を打ち込む際に用いる管押し込み治具7は、図10A、Bに示したように、前端部7aと後端部7cとその間の圧縮バネ7bとを一体化してなり、前端部7aは、前記端末管5の後端部(の端部ソケット5b)の筒状部に、回転可能及び抜き差し可能に内嵌して接続する、外径10.05mで長さ10cm程度の筒状に形成され、後端部7cは、筒状に形成され、全長にわたり回転打撃機構30へ連結する端末ロッド20(図7D参照)を挿通可能な構成とされている。
なお、前記管材1を構成する先導管2、中間管3、4、端末管5、端部変換用継手6、端部ソケット5a、5b、及び管押し込み治具7の全長、外径等の前記寸法は、あくまでも一例に過ぎず、相手材と接続可能な構成とすることを前提に、構造設計に応じて適宜設計変更可能である。その他、前記中間管4と端末管5との重ね代は、本実施例では10cmに設定しているが、これに限定されず、4cm程度以上であればよい。
また、前記端末管5の接続端部に電磁石を設け、その前方の管材(本実施例では中間管4の後端部に設けた端部変換用継手6)の後端部に着脱可能にオンオフ制御することにより、当該中間管6に対する端末管5の接続作業、又は引き抜き作業をより確実に行い得るよう実施することもできる。
かくして、前記端末管5は、その前端部(の端部ソケット5a)を前記中間管4の後端部へ、ソケット式により回転可能及び抜き差し可能に内嵌(又は外嵌)して接続する構成で実施できるので、その他の接続部のねじ込み形態(右ネジであるのか、左ネジであるのか、ネジ込み寸法はどの程度の長さであるのか等)に一切左右されることなく、単に端末管5を中間管4の後端部に差し込む作業を行うだけで足りる。また、端末管5を撤去する際にも、単に引き抜くことを前提に作業を行えば足り、端末管5を回転させる向きを予め熟知しておく必要も一切ない。
次に、本発明にかかる無拡幅AGF工法の施工手順を、図7〜図9に基づいて、段階的に説明する。
なお、図示の便宜上、管材1の構成要素(先導管2、中間管3、4等)は水平に図示しているが、実際の施工では、図1に示すように、勾配(例えば、5〜10度程度)をつけて地山10に打ち込むことを念のため申し添える。
先ず、前記先導管2を地山10に打ち込むための準備(事前)段階として、先導管2の先端部にケーシングトップ15を装着し、このケーシングトップ15の先端部の内周に嵌め込んだロックリング14を介してロストビット(削孔ビット)13を回転自在に取り付ける(図6A、B参照)。続いて、前記ロストビット13に着脱可能に内接するインナービット16を先端部に装備した先導ロッド17を前記先導管2内に差し込む。かくして、ロストビット13はインナービット16の回転に追従して回転する構成となる。当該先導ロッド17の後端部はドリルジャンボのドリフター9に連結する(図7A参照)。
前記準備が整った段階で、トンネル切羽11の周辺部の所定位置に先導管2を位置決めし、図7Aに示すように、ドリフター9を作動させて先導管2を回転させつつ打撃力(推進力)を加え、当該先導管2をトンネル軸方向に対し、例えば5〜10度程度の角度で打ち込んでいく。
前記先導管2の後端部が地山10から露出する程度まで打ち込んだ後(図7A参照)、図7Bに示したように、先導管2に中間管3をねじ込んで接続するとともに、先導ロッド17に中間ロッド18を継ぎ足し、前記先導管2の場合と同様に、当該中間管3を地山10に打ち込んでいく。そして、中間管3の後端部が地山10から露出する程度まで打ち込んだ後、中間管3に中間管4をねじ込んで接続するとともに、中間ロッド18に中間ロッド19を継ぎ足し、前記中間管3の場合と同様に、当該中間管4を地山10に打ち込んでいく。
前記中間管4の後端部が地山10から露出する程度まで打ち込んだ後(図7B参照)、図7Cに示したように、中間管4の後端部(の端部変換用継手6)へ、前記端部ソケット5a、5bを装着した端末管5を、ソケット式により回転可能及び抜き差し可能に内嵌して接続するとともに(図4A、Bも参照)、中間ロッド19に端末ロッド20を継ぎ足す。
続いて、図7Dに示したように、端末管5の後端部に、管押し込み治具7を、回転可能及び抜き差し可能に内嵌して接続するとともに、当該管押し込み治具7の後端部から突き出した前記端末ロッド20をドリフター9へ連結する。
前記端末管5の後端部に前記管押し込み治具7をセットした後、図8Aに示したように、前記押し込み治具7を介して端末管5を地山10に所定の位置まで打ち込んでいく。
ドリフター9による打ち込み作業はここで終了する。
なお、端末管5にドリフター9を直接衝突させる構成とせず、前記管押し込み治具7を介在させて実施する意義は、端末管5は、主として樹脂製(硬質の塩化ビニル管)を用いるので、これを保護(破損・損傷を防止)するためである。具体的には、ドリフター9による振動を管押し込み治具7を介することにより吸収し、緩和させて端末管5へ伝達させるためである。また、管押し込み治具7の圧縮バネ7bによる原位置保持効果により、端末管5がドリフター9による振動により中間管4から抜け落ちることを防止するためでもある。同様の効果を奏する管押し込み治具7に、前記圧縮バネ7bの代わりに硬質ゴム7b’を用いたバリエーションもある(図10C、D)。
次に、図8Bに示したように、前記端末管5の後端部が地山10から露出する程度まで打ち込んだ後は、ロッド(先導ロッド17等)、管押し込み治具7を引き抜いて回収する。続いて、図8Cに示したように、管材1(端末管5)の後方からインサート管21を挿入して設置する作業を行う。
次に、図8Dに示したように、端末管5を引き抜く作業を行う。
本実施例では、図11に示したような管引き抜き治具8(全長は一例として35cm程度)を用いて端末管5を引き抜く。この管引き抜き治具8は、回転打撃機構(ドリフター9)に設けられた治具受け部(図示略)へねじ式等により接続可能なロッド部8eと、該ロッド部8eの前端部に設けた軸受け部8dと、該軸受け部8dに同方向に回動可能に軸支した両腕部8b、8bと、該両腕部8b、8bを拘束する圧縮バネ8aとからなり、該両腕部8b、8bの先端部には、それぞれ端末管5の後端部(の端部ソケット5b)に設けられた貫通孔5’、5’に掛け留め可能な突起部8c、8cが設けられている。
かくして、前記構成の管引き抜き治具8は、作業員の手指等により前記両腕部8b、8bを内側へ付勢して端末管5の後方へ挿入し、該端末管5の貫通孔5’、5’の位置を手がかりに前記突起部8c、8cの位置合わせを行うと、圧縮バネ8の弾性力により該突起部8c、8cが貫通孔5’、5’へ挿入されてロックされる。その後、重機を作動させることにより、端末管5は管引き抜き治具8に追従して後方に引き抜かれるのである。
なお、本実施例にかかる管引き抜き治具8のロッド部8eとドリフター9の治具受け部との接続態様について、本実施例では、前記ロッド部8eを、内周面に雌ねじを形成した筒状に形成する一方、ドリフター9の先端部に、外周面に雄ネジを形成した金属棒を突設させ、当該金属棒へ当該ロッド部8eを外嵌めする態様でねじ込み接続して実施している。ちなみに、この接続態様は一例にすぎず、ドリフター9の回転打撃力(この場合、ドリフター9は端末管5を引き抜く方向に作動させるので、正確には回転引き抜き力)を管引き抜き治具8、ひいては端末管5へ伝達可能な構成であれば種々のバリエーションで実施可能である。以下に説明する管引き抜き治具8’8V、8V’、8W(段落[0047]〜[0050]参照)についても同様の技術的思想とする。
次に、図9Aに示したように、端末管5を引き抜いた後は、インサート管21の位置調整を行う。
続いて、図9Bに示したように、管材(鋼管)1内に、逆止弁パッカー22を装着したインサートパッカーを挿入し、鋼管口元からの地山改良剤12のリークを防止するため、コーキング剤による口元コーキング23を行い、前記逆止弁パッカー22にシリカレジンを注入し、逆止弁パッカー22によって注入部と撤去した端末管5の非注入部とを区分する。
そして、図9Cに示したように、前記インサート管21を通じて管材1(先導管2、中間管3、4)内に地山改良剤12を注入する。地山改良剤12は、管材1内はもとより、管材1に形成された多数の貫通孔を通じて地山10へ注入(拡散)され、地山10を所定の強度・剛性に改良することができる。地山10を改良することで、ドリルジャンボ(掘削重機)による掘削時の地山10の崩落の虞を極力抑制し、良好な掘削工事を行うことができる。
なお、上記実施例1では、図9Cの段階で無拡幅AGF工法を終了しているが、実施例2はこれに止まらず、さらに続いて図9Dに示したように、引き抜いた端末管5の跡の空間にも地盤改良剤12を注入して実施している。
すなわち、実施例2にかかる無拡幅AGF工法は、引き抜いた端末管5の跡の空間にも積極的に地山改良剤12を注入・拡散することにより、さらに地山10を補強している。
従来、端末管5を撤去する工法(上記特許文献1を含む。)では、端末管5の跡の空間には地山改良剤12を注入していなかった。それは、既に存在しない端末管5の跡に地山改良剤12を注入してもリークして良好な注入結果は得られないと予想されたこと、端末管5の跡に地山改良剤12を注入しなくても、その鉛直上方に位置する1つ前に先行したAGF工法の先導管2周辺の地山10(図1参照)が補強されているから特に必要ないと予想されたこと、等がその理由である。
しかし、実際の施工現場においては、掘削作業を進めるにあたり、直接掘削する部位にあたる端末管5を設けていた箇所は補強されていないため、掘削土量が大量に排出されていた。この大量の掘削土は、処分するのに費用がかかる。これに伴い、吹付け材料の費用もかかる。よって、掘削土はできるだけ低減する方が経済的で好ましい。また、地山10の緩み範囲を抑え、抜け落ち量を抑えることができる利点もある。
本出願人は、この点を勘案し、引き抜いた端末管5の跡の空間にも積極的に地山改良剤12を注入する実験を行った。その結果、地山改良剤12は、口元コーキング23からリークされることはほとんどなく、良好な注入作業を実施することができ、ひいてはより高品質の地山改良構造を実現できることがわかった。
したがって、上記実施例2によれば、上記実施例1と比し、地山10をさらに補強して緩み範囲を抑えることができるので、掘削土量、抜け落ち量を抑制でき、より経済的で実効性が高い地山改良構造を実現できる。また、上記実施例1と同時期に、又は連続して実施できるので、至極合理的である。
以上、実施例1、2を図面に基づいて説明したが、本発明はこの限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
例えば、図5A〜Eは、端末管5と、その前方の管材の後端部との接続形態のバリエーションを示している(図4と対比して参照)。
この接続形態は、図4にかかる接続形態がソケット式であるのに対し、バヨネット式で実施している点が相違する。具体的に、図5A〜Eにかかる接続形態は、端末管5の前端部と、その前方の管材(中間管4)の後端部(端部変換用継手6)とを、径の異なる筒状に形成し、かつ大径側の管材(図示例では端末管5の端部ソケット5a)の先端部に略L字形(鍵状)のバヨネット溝24を形成し、小径側の管材(図示例では中間管4の端部変換用継手6)には、前記バヨネット溝24内に進入して掛け留め可能な略L字形(鍵状)の突設部25を形成し、図5Eに示すように、端末管5を中間管4へ嵌合(外嵌)して突き合わせた後、一方向(図示例では右方向)に少し回転させて接続している。
逆に、図5F、Gに示したように、大径側の管材を中間管4の端部変換用継手6に設定し、その先端部に略L字形のバヨネット溝24を形成する一方、小径側の管材を端末管5の端部ソケット5aに設定し、該端部ソケット5aに前記略L字形の突設部25を形成しても同様に接続できる。
この接続形態によると、図4にかかる接続形態と比し、端末管5の抜け落ち防止効果を高めることができる。
次に、図12は、前記管引き抜き治具8(前記段落[0040]参照)のバリエーションを示している(図11と対比して参照)。この図12にかかる管引き抜き治具8’は、前記管引き抜き治具8の構成に加え、両腕部8b、8b間の間隔を保持するロック機構8fが設けられていることを特徴とする。その余の構成(両腕部8b、突起部8c、軸受け部8d)は、形態こそ相違するものの、機能は同じである。
図示例にかかるロック機構8fは、前記両腕部8b、8bの一側面に、一方(図示例では下方)には定着部を、他方(図示例では上方)にはボルト軸部を、平面方向からみてほぼ一致するように溶接等の接合手段で設けており、当該ボルト軸部には、内方から外方に向けて頭付きボルトを上下動可能(図12Aの矢印参照)にねじ込む構成で実施される。よって、通常時は、前記頭付きボルトを上方へねじ込んでおき、前記両腕部8b、8bの突起部8c、8cを端末管5側の貫通孔5’、5’に掛け留めた段階で、頭付きボルトを回して下動させ、当該頭部を前記定着部へ突き当てて当該両腕部8b、8bの間隔を保持させるのである。
なお、前記頭付きボルトをねじ込む方向は逆方向でも実施できる。また、この頭付きボルトを用いた間隔保持手段は一例にすぎず、要するに、端末管5側の貫通孔5’、5’に掛け留めた段階で、前記両腕部8b、8bの間隔を狭めることのない手段であれば種々のバリエーションで実施可能である。
このロック機構によると、前記両腕部8b、8bの間隔を強固に保持できるので、ドリフター9による過大な振動が作用しても前記両腕部8b、8bの突起部8c、8cが端末管5側の貫通孔5’、5’から突発的に抜け外れる虞が一切なく、良好な端末管5の引き抜き作業を行うことができる。
次に、図13は、前記管引き抜き治具8、8’の更なるバリエーションを示している。この図13にかかる管引き抜き治具8V(全長は一例として30cm程度)は、回転打撃機構に設けられた治具受け部へ接続可能なロッド8e部と、該ロッド部8eの前端部に設けた有底筒状部8gとからなり、該有底筒状部8の接続端部には、所定の長さ範囲にわたり、端末管5の後端部にねじ込み可能なねじが切られている。よって、この管引き抜き治具8Vを用いる前提として、後端部にねじが切られた端末管5を使用する。
この管引き抜き治具8Vによると、端末管5の後端部にねじ込んで接続できるので、ドリフター9による過大な振動が作用しても端末管5から抜け外れる虞が一切なく、良好な端末管5の引き抜き作業を行うことができる。
なお、図示例にかかる管引き抜き治具8Vは、接続端部の内周面にねじを形成し、端末管5に対して外嵌めする構成で実施しているが、外周面にねじを形成し、端末管5に対して内嵌めする構成で実施することも勿論できる。
ちなみに、この管引き抜き治具8Vを用いる場合、ドリフター9は前記ねじを締める方向に作動させて引き抜くことに留意する。
次に、図14は、前記管引き抜き治具8等の更なるバリエーションを示している。この図14にかかる管引き抜き治具8V’(全長は一例として35cm程度)は、回転打撃機構に設けられた治具受け部へ接続可能なロッド部8eと、該ロッド部8eの前端部に設けた有底筒状部8gとからなり、該有底筒状部8eの接続端部には、端末管5Vの後端部の貫通孔を通して径方向に貫通させたピン26に掛け留め可能な略L字状のバヨネット溝28が径方向(筒心を中心に点対称配置)に2箇所形成されている。ちなみに符号27は、ピン止めを示している。
この管引き抜き治具8V’は、前記端末管5V内へ挿入しつつ、前記ピン26をバヨネット溝28の縦溝へ案内し、該ピン26が縦溝の奥端縁に突き当たると回転させて横溝の奥端縁に突き当たる手法により端末管5Vに掛け留められる。ドリフター9は、前記ピン26がバヨネット溝28の横溝の奥端縁に常時突き当たる方向に作動させる。
この管引き抜き治具8V’によると、ドリフター9による過大な振動が作用しても端末管5から抜け外れる虞が一切なく、良好な端末管5Vの引き抜き作業を行うことができる。
最後に、図15は、前記管引き抜き治具8等の更なるバリエーションを示している。この図15にかかる管引き抜き治具8W(全長は一例として34cm程度)は、前記図14にかかる管引き抜き治具8V’と比し、ロッド部8eの形態のほか、有底筒状部8eの接続端部に形成するバヨネット溝28を軸方向へ延長(拡大)させたことが主に相違する。
前記バヨネット溝28を軸線方向へ延長させたことにより、前記管引き抜き治具8Wは、端末管5Vに貫通させたピン26に対し、軸方向に相対移動(揺動)可能な所謂遊びの部分を設けた構成となり、ドリフター9の高速振動に起因するバヨネット溝28(特には前記横溝)の破損を抑制する効果が期待できる。
この管引き抜き治具8Wでも、管引き抜き治具8V’と同様に、ドリフター9による過大な振動が作用しても端末管5から抜け外れる虞が一切なく、良好な端末管5Vの引き抜き作業を行うことができる。
1 管材
2 先導管
3、4 中間管
5 端末管
5’ 貫通孔
5a、5b 端部ソケット
6 端部変換用継手(レデューサ)
7 管押し込み治具
8 管引き抜き治具
8’ 管引き抜き治具
8V 管引き抜き治具
8V’管引き抜き治具
8W 管引き抜き治具
9 ドリフター
10 地山
11 トンネル切羽
12 地山改良剤
13 ロストビット(削孔ビット)
14 ロックリング
15 ケーシングトップ
16 インナービット
17 先導ロッド
18、19 中間ロッド
20 端末ロッド
21 インサート管
22 逆止弁パッカー
23 口元コーキング
24 バヨネット溝(切欠き部)
25 突設部
26 ピン
27 ピン止め
28 バヨネット溝(切欠き部)

Claims (16)

  1. ドリフター等の回転打撃機構を搭載した重機により、トンネル切羽の周辺部からトンネル軸方向やや斜め上方の地山へ向けて多数の管材を打ち込み、当該管材内を通じて地山改良剤を注入して地山を改良した後、トンネルを掘削する無拡幅AGF工法において、
    前記管材は、複数本の管材を順次接続して打ち込む構成とし、末端に設ける端末管は、その前方の管材の後端部へソケット式で回転可能および抜き差し可能に、又はバヨネット式で抜き差し可能に接続し、前端部と後端部とその間の圧縮バネ又は筒状の硬質ゴムとを一体化してなり、前端部は前記端末管の後端部に抜き差し可能に接続する筒状に形成され、後端部は筒状に形成された管押し込み治具を介して前記回転打撃機構により所定の位置まで打ち込むこと、
    所定の位置まで打ち込んだ端末管を引き抜いて撤去した後、地山に残存する管材内を通じて地山に地山改良剤を注入することを特徴とする、無拡幅AGF工法。
  2. 前記所定の位置まで打ち込んだ端末管を引き抜いて撤去した後、地山に残存する管材内を通じて地山に地山改良剤を注入すると共に、引き抜いた端末管の跡の空間にも地盤改良剤を注入することを特徴とする、請求項に記載した無拡幅AGF工法。
  3. 前記端末管の接続端部に電磁石を設け、その前方の管材の後端部へ着脱可能にオンオフ制御したことを特徴とする、請求項1又は2に記載した無拡幅AGF工法。
  4. 前記端末管の前方の管材の後端部は、当該後端部に、前端部をねじ切りし、後端部を筒状に形成した端部変換用継手を接続して形成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した無拡幅AGF工法。
  5. 前記端末管は、塩化ビニル管等の樹脂製若しくは金属製の一体物とすること、或いは、端末管本体とその前端部及び/又は後端部に設ける端部ソケットとからなる複合体であって、前記端末管本体は金属製又は樹脂製とし、前記端部ソケットは金属製又は樹脂製とすることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載した無拡幅AGF工法。
  6. 前記端末管の後端部は、径方向に一致する貫通孔を備えた筒状、又はねじが切られた筒状に形成していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載した無拡幅AGF工法。
  7. 前記所定の位置まで打ち込んだ端末管は、管引き抜き治具により引き抜いて撤去することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一に記載した無拡幅AGF工法。
  8. 前記請求項1〜7のいずれかの無拡幅AGF工法に用いる前記管押し込み治具であって、前記管押し込み治具は、前端部と後端部とその間の圧縮バネ又は筒状の硬質ゴムとを一体化してなり、前端部は、端末管の後端部に抜き差し可能に接続する筒状に形成され、後端部は、筒状に形成されていることを特徴とする、無拡幅AGF工法に用いる管押し込み治具。
  9. 前記請求項にかかる無拡幅AGF工法に用いる前記管引き抜き治具であって、
    前記管引き抜き治具は、回転打撃機構に設けられた治具受け部へ接続可能なロッド部と、該ロッド部の前端部に設けた有底筒状部とからなり、該有底筒状部の接続端部には、端末管の後端部にねじ込み可能なねじが切られていることを特徴とする、無拡幅AGF工法に用いる管引き抜き治具。
  10. 前記請求項にかかる無拡幅AGF工法に用いる前記管引き抜き治具であって、
    前記管引き抜き治具は、回転打撃機構に設けられた治具受け部へ接続可能なロッド部と、該ロッド部の前端部に設けた有底筒状部とからなり、該有底筒状部の接続端部には、端末管の後端部の貫通孔を通して径方向に貫通させたピンに掛け留め可能な略L字状のバヨネット溝が形成されていることを特徴とする、無拡幅AGF工法に用いる管引き抜き治具。
  11. ドリフター等の回転打撃機構を搭載した重機により、トンネル切羽の周辺部からトンネル軸方向やや斜め上方の地山へ向けて多数の管材を打ち込み、当該管材内を通じて地山改良剤を注入して地山を改良した後、トンネルを掘削する無拡幅AGF工法において、
    前記管材は、複数本の管材を順次接続して打ち込む構成とし、末端に設ける端末管は、その前方の管材の後端部へソケット式で回転可能および抜き差し可能に、又はバヨネット式で回転可能に接続し、管押し込み治具を介して前記回転打撃機構により所定の位置まで打ち込むこと、
    所定の位置まで打ち込んだ端末管を、回転打撃機構に設けられた治具受け部へ接続可能なロッド部と、該ロッド部の前端部に設けた軸受け部と、該軸受け部に同方向に回動可能に軸支した両腕部と、該両腕部を拘束する圧縮バネとからなり、該両腕部の先端部には、端末管の後端部に設けられた貫通孔に掛け留め可能な突起部を設けてなる管引き抜き治具を用いて引き抜いて撤去した後、地山に残存する管材内を通じて地山に地山改良剤を注入することを特徴とする、無拡幅AGF工法。
  12. 前記請求項11にかかる無拡幅AGF工法に用いる前記管引き抜き治具であって、
    前記管引き抜き治具は、回転打撃機構に設けられた治具受け部へ接続可能なロッド部と、該ロッド部の前端部に設けた軸受け部と、該軸受け部に同方向に回動可能に軸支した両腕部と、該両腕部を拘束する圧縮バネとからなり、該両腕部の先端部には、端末管の後端部に設けられた貫通孔に掛け留め可能な突起部を設けていることを特徴とする、無拡幅AGF工法に用いる管引き抜き治具。
  13. 前記両腕部には、その突起部を端末管の後端部に設けられた貫通孔に掛け留めた後に、当該両腕部間の間隔を保持するロック機構が設けられていることを特徴とする、請求項12に記載した無拡幅AGF工法に用いる管引き抜き治具。
  14. ドリフター等の回転打撃機構を搭載した重機により、トンネル切羽の周辺部からトンネル軸方向やや斜め上方の地山へ向けて多数の管材を打ち込み、当該管材内を通じて地山改良剤を注入して地山を改良した後、トンネルを掘削する無拡幅AGF工法による地山改良構造において、
    前記管材は、複数本の管材を接続して打ち込む構成とされ、末端に設ける端末管は、その前方の管材の後端部にソケット式で回転可能および抜き差し可能に、又はバヨネット式で抜き差し可能に接続され、前端部と後端部とその間の圧縮バネ又は筒状の硬質ゴムとを一体化してなり、前端部は前記端末管の後端部に抜き差し可能に接続する筒状に形成され、後端部は筒状に形成された管押し込み治具を介してドリフターにより所定の位置まで打ち込まれた後に引き抜いて撤去されていること、
    地山に残存する管材内を通じて地山に地山改良剤が注入されていることを特徴とする、無拡幅AGF工法による地山改良構造。
  15. ドリフター等の回転打撃機構を搭載した重機により、トンネル切羽の周辺部からトンネル軸方向やや斜め上方の地山へ向けて多数の管材を打ち込み、当該管材内を通じて地山改良剤を注入して地山を改良した後、トンネルを掘削する無拡幅AGF工法による地山改良構造において、
    前記管材は、複数本の管材を接続して打ち込む構成とされ、末端に設ける端末管は、その前方の管材の後端部にソケット式で回転可能および抜き差し可能に、又はバヨネット式で抜き差し可能に接続され、管押し込み治具を介してドリフターにより所定の位置まで打ち込まれた後に、回転打撃機構に設けられた治具受け部へ接続可能なロッド部と、該ロッド部の前端部に設けた軸受け部と、該軸受け部に同方向に回動可能に軸支した両腕部と、該両腕部を拘束する圧縮バネとからなり、該両腕部の先端部には、端末管の後端部に設けられた貫通孔に掛け留め可能な突起部を設けてなる管引き抜き治具を用いて引き抜いて撤去されていること、
    地山に残存する管材内を通じて地山に地山改良剤が注入されていることを特徴とする、無拡幅AGF工法による地山改良構造。
  16. 前記地山に残存する管材内を通じて地山に地山改良剤が注入されると共に、引き抜いた端末管の跡の空間にも地盤改良剤が注入されていることを特徴とする、請求項14又は15に記載した無拡幅AGF工法による地山改良構造。
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