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JP6358882B2 - 溶接装置および防錆被覆鉄筋 - Google Patents
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JP6358882B2 - 溶接装置および防錆被覆鉄筋 - Google Patents

溶接装置および防錆被覆鉄筋 Download PDF

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Description

この発明は、溶接装置の構造および防錆被覆鉄筋の構造に関する。
RC構造物(道路橋の伸縮継手、鋼床版橋の壁高欄、建築物基礎杭頭接合、耐震壁、柱のアンカープレート等)には多くの鉄筋が用いられ、これらの鉄筋は鋼板等に対して起立するように溶接(スタッド溶接)される。このように溶接される鉄筋は一般には、頭付スタッド(JISB1198)、異形スタッド、および、ねじ付きスタッド等が挙げられる。
また、これらの鉄筋を、腐食環境の厳しい地域および場所で用いる場合には、鉄筋の表面に防錆被覆が施された防錆被覆鉄筋が用いられる。特開2006−348670号公報(特許文献1)には、鉄筋コンクリートに用いる異形棒鋼および異形鉄筋の表面に、防錆被覆を施すことが開示されている。
特開2006−348670号公報
鉄筋の表面に防錆被覆が施された防錆被覆鉄筋を溶接する場合には、通常、防錆被覆鉄筋の両端部の被覆を剥がして鉄筋を露出し、露出した鉄筋の一端を被溶接部材に当接し、他端を溶接装置の電極で保持して、被溶接部材への溶接が行なわれる。溶接の後は、被覆を剥がした両端部に対して、再度、防錆被覆が施される。
特に、防錆被覆としてエポキシ樹脂塗装を用いた防錆被覆鉄筋の場合には、土木学会基準の品質規格(JSCE−E102−2003)を満足させる必要がある。そのために、溶接後に、鉄筋の防錆被覆を剥がした鉄筋の両端部に対して、手作業によりエポキシ樹脂塗装を施す必要があり、その作業工数は膨大となる。また、品質規格を満足させる必要が無い場合であっても、鉄筋の被覆を剥がした両端部に対して、手作業により被覆を行なうことは、膨大な作業となる。
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、防錆被覆が施された鉄筋を被溶接部材への溶接する際の作業工数を低減させることが可能な、溶接装置および防錆被覆鉄筋を提供することにある。
この発明に基づいた溶接装置においては、一端側のみにおいて内部の鉄筋が露出する給電部が設けられた防錆被覆鉄筋を軸方向に沿って起立させた状態で、上記防錆被覆鉄筋に電力を供給して被溶接部材に上記防錆被覆鉄筋を溶接する溶接装置であって、以下の構成を備える。
装置中心軸を有し、上記防錆被覆鉄筋に電力を供給する本体部と、上記本体部から上記装置中心軸に沿って延びる給電バーと、上記給電バーの上記本体部とは反対側の先端部に設けられ、上記防錆被覆鉄筋の上記給電部に当接することにより上記防錆被覆鉄筋に給電を行なう給電電極と、上記本体部から上記装置中心軸に沿って上記給電バーに対して平行に伸び、上記被溶接部材に対して上記本体部を支持する支持手段とを備える。
この発明に基づいた、防錆被覆鉄筋においては、上記溶接装置に装着して、被溶接部材に溶接される防錆被覆鉄筋であって、両端部および胴体部を有する円柱形状の鉄筋と、上記鉄筋の表面を被覆する防錆被覆とを備え、上記防錆被覆は、上記鉄筋の一端部、および、上記一端部に連続する胴体部の上記鉄筋が露出し、上記鉄筋の他端部、および、上記他端部に連続する胴体部が覆われるように、上記鉄筋を覆い、上記鉄筋の露出する領域は、上記給電電極が当接し上記支持部に支持される領域のみが露出している。
この発明に基づいた溶接装置および防錆被覆鉄筋によれば、防錆被覆が施された鉄筋を被溶接部材への溶接する際の作業工数を低減させることを可能とする。
実施の形態1における防錆被覆鉄筋の外観を示す正面図である。 実施の形態1における防錆被覆鉄筋の縦断面図である。 実施の形態1における防錆被覆の塗装方法を示す第1工程図である。 実施の形態1における防錆被覆の塗装方法を示す第2工程図である。 実施の形態1における防錆被覆の塗装方法を示す第3工程図である。 実施の形態2における防錆被覆鉄筋の外観を示す正面図である。 実施の形態2における防錆被覆鉄筋の縦断面図である。 実施の形態3における防錆被覆鉄筋の外観を示す正面図である。 実施の形態3における防錆被覆鉄筋の縦断面図である。 実施の形態4における防錆被覆鉄筋の外観を示す正面図である。 実施の形態4における防錆被覆鉄筋の縦断面図である。 実施の形態5における溶接装置の構成を示す正面図である。 実施の形態5における溶接装置の構成を示す側面図である。 実施の形態5における、防錆被覆鉄筋を装着した溶接装置の構成を示す正面図である。 実施の形態5における、防錆被覆鉄筋を装着した溶接装置の構成を示す側面図である。 図14中のXVI線矢視断面図である。 実施の形態5における溶接装置のスタッド溶接の溶接工程を示す第1工程図である。 実施の形態5における溶接装置のスタッド溶接の溶接工程を示す第2工程図である。 実施の形態5における溶接装置のスタッド溶接の溶接工程を示す第3工程図である。 実施の形態5における溶接装置のスタッド溶接の溶接工程を示す第4工程図である。 実施の形態6における溶接装置の構成を示す正面図である。 実施の形態6における、防錆被覆鉄筋を装着した溶接装置の構成を示す正面図である。 実施の形態7における溶接装置の構成を示す正面図である。 実施の形態7における溶接装置の構成を示す側面図である。 実施の形態7における、防錆被覆鉄筋を装着した溶接装置の構成を示す正面図である。 実施の形態7における、防錆被覆鉄筋を装着した溶接装置の構成を示す側面図である。
本発明に基づいた実施の形態における溶接装置および防錆被覆鉄筋について、以下、図を参照しながら説明する。以下に説明する各実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。各実施の形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
[実施の形態1:防錆被覆鉄筋10]
以下、図1および図2を参照しながら、本実施の形態における防錆被覆鉄筋10について説明する。図1は、防錆被覆鉄筋10の外観を示す正面図、図2は、防錆被覆鉄筋10の縦断面図である。
図1および図2を参照して、この防錆被覆鉄筋10は、一端側のみ内部の鉄筋11が露出する領域L11(以下、給電部L11と称する。)が設けられ、他の領域L12(以下、被覆領域L12と称する。)は防錆被覆12により覆われている。具体的には、両端面部および胴体部を有する円柱形状であり軸方向に延びる直線状の鉄筋11を有する。本実施の形態において鉄筋11には、異形鉄筋が用いられている。鉄筋11の表面は、防錆被覆12として、エポキシ樹脂塗装により被覆されている。
異形鉄筋には、たとえば、ベース径(公称直径:JISG3112)が、12.9mm(D13)、15.9mm(D16)、18.9mm(D19)、21.9mm(D22)、24.9mm(D25)等が用いられる。長さは、施工現場に要求される長さに応じて、適宜選択される。エポキシ樹脂塗装被覆の厚さは、土木学会の「エポキシ樹脂塗装鉄筋の品質規格(JSCE−E102−2003)」に適合した厚さである。たとえば、220μm±40μmの厚さである。
防錆被覆12は、鉄筋11の一端面11x(図示において下方)、および、一端面11xに連続する胴体部11zの鉄筋11が露出し、鉄筋11の他端面11y、および、他端面11yに連続する胴体部11zの鉄筋11が覆われている。鉄筋11の露出する領域は、後述する溶接装置100の給電電極150が当接するとともに支持部164(図12参照)に支持される給電部L11のみが露出し、その他の被覆領域L12は防錆被覆12により覆われている。鉄筋11の給電部L11に位置する一端面11xには、凸部11aが設けられている。
鉄筋11が露出する給電部L11の軸方向に沿った長さは、溶接装置100の給電電極150の当接および支持部164による保持が可能な長さが確保できればよく、また、溶接後にエポキシ樹脂塗装による被膜を形成する必要があることから、約60mm以下が好ましい。なお、給電電極150および支持部164の薄型化を図ることができれば、その大きさに合わせて、給電部L11の長さも短くすればよい。
[塗装方法]
次に、図3から図5を参照して、本実施の形態の防錆被覆鉄筋10の鉄筋11への防錆被覆12の塗装方法について説明する。図3から図5は、防錆被覆12の塗装方法を示す第1から第3の工程図である。
図3を参照して、鉄筋11の防錆被覆12から露出させる箇所である給電部L11に相当する領域を、予めマスキングテープTP1により覆い隠す。次に、図4参照して、鉄筋11の全表面に対して、防錆被覆12としてエポキシ樹脂塗装による被覆を施す。通常は、全自動塗装ラインを用いて鉄筋11の全表面に対してエポキシ樹脂塗装による被覆が行われる。
次に、図5を参照して、マスキングテープTP1を鉄筋11から剥がす。これにより、給電部L11に相当する領域のエポキシ樹脂塗装を剥がし、鉄筋11が露出する。また、給電部L11にエポキシ樹脂塗装が残存することもなく、給電部L11として用いた場合であっても、給電不良および溶接不良が発生することもない。
[実施の形態2:防錆被覆鉄筋20]
以下、図6および図7を参照しながら、本実施の形態における防錆被覆鉄筋20について説明する。図6は、防錆被覆鉄筋20の外観を示す正面図、図7は、防錆被覆鉄筋20の縦断面図である。
図6および図7を参照して、この防錆被覆鉄筋20の基本的構成は、上記実施の形態1の防錆被覆鉄筋10と同じであり、相違点は、途中領域で1ヶ所屈曲した鉄筋21を用いている点である。
一端側のみ内部の鉄筋21が露出する給電部L21が設けられ、他の被覆領域L22,23は防錆被覆22により覆われている。具体的には、両端部および胴体部を有する円柱形状であり、一カ所に屈曲箇所を有する略直線状の鉄筋21を有する。鉄筋21の表面は、実施の形態1と同様に、防錆被覆22として、エポキシ樹脂塗装により被覆されている。鉄筋21の屈曲角度(α°)は施工現場に応じて適宜設定される角度である。
異形鉄筋の種類、および、エポキシ樹脂塗装については、実施の形態1と同様であるので、重複する説明は繰り返さない。
防錆被覆22は、鉄筋21の一端面21x(図示において下方)、および、一端面21xに連続する胴体部21zの鉄筋21が露出し、鉄筋21の他端面21y、および、他端面21yに連続する胴体部21zの鉄筋21が覆われている。鉄筋21の給電部L21に位置する一端面21xには、凸部21aが設けられている。
鉄筋21が露出する給電部L21の軸方向に沿った長さは、実施の形態1の場合と同様の理由から、約60mm以下が好ましい。
本実施の形態における防錆被覆鉄筋20の防錆被覆22の塗装方法には、図3から図5に示した方法と同じである。
[実施の形態3:防錆被覆鉄筋30]
以下、図8および図9を参照しながら、本実施の形態における防錆被覆鉄筋30について説明する。図8は、防錆被覆鉄筋30の外観を示す正面図、図9は、防錆被覆鉄筋30の縦断面図である。
図8および図9を参照して、この防錆被覆鉄筋30の基本的構成は、上記実施の形態1の防錆被覆鉄筋10と同じであり、相違点は、途中領域で2ヶ所屈曲した鉄筋31を用いている点である。
一端側のみ内部の鉄筋31が露出する給電部L31が設けられ、他の被覆領域L32,33,34は防錆被覆32により覆われている。具体的には、両端部および胴体部を有する円柱形状であり、二カ所に屈曲箇所を有する略直線状の鉄筋31を有する。鉄筋31の表面は、実施の形態1と同様に、防錆被覆32として、エポキシ樹脂塗装により被覆されている。本実施の形態では、被覆領域L32と被覆領域L34とが略平行となるように折り曲げられている。
異形鉄筋の種類、および、エポキシ樹脂塗装については、実施の形態1と同様であるので、重複する説明は繰り返さない。
防錆被覆32は、鉄筋31の一端面31x(図示において下方)、および、一端面31xに連続する胴体部31zの鉄筋が露出し、鉄筋31の他端面31y、および、他端面31yに連続する胴体部31zの鉄筋31が覆われている。鉄筋31の給電部L31に位置する端面には、凸部31aが設けられている。
鉄筋31が露出する給電部L31の軸方向に沿った長さは、実施の形態1の場合と同様の理由から、約60mm以下が好ましい。
本実施の形態における防錆被覆鉄筋30の防錆被覆32の塗装方法には、図3から図5に示した方法と同じである。
[実施の形態4:防錆被覆鉄筋40]
以下、図10および図11を参照しながら、本実施の形態における防錆被覆鉄筋40について説明する。図10は、防錆被覆鉄筋40の外観を示す正面図、図11は、防錆被覆鉄筋40の縦断面図である。
図10および図11を参照して、この防錆被覆鉄筋40は、一端側のみ内部の鉄筋41が露出する給電部L41が設けられ、他の被覆領域L42は防錆被覆42により覆われている。具体的には、鉄筋41として、頭付スタッドが用いられている。鉄筋41の表面は、防錆被覆42として、ジンクリッチ塗装が施されている。ジンクリッチ塗装とは、多量の亜鉛(zinc)を含む塗料のことで、金属亜鉛末(ジンクダスト)を塗膜中に80%〜90%程度含有し配合された、高濃度および高純度の亜鉛末塗料である。優れた防錆力を有する。
頭付スタッドには、たとえば、軸径(公称直径:JISB1198)が、10mm(10)、13mm(13)、16mm(16)、19mm(19)、22mm(22)、25mm(25)等が用いられる。長さは、10〜22(公称直径)においては、50mm以上10mm単位で予め規格品が準備されており、25(公称直径)においては、100mm以上10mm単位で予め規格品が準備されている。
防錆被覆42は、鉄筋41の一端面41x(図示において下方)、および、一端面41xに連続する胴体部41zの鉄筋が露出41し、鉄筋41の他端面41y(頭側)、および、他端面41yに連続する胴体部41zの鉄筋41が覆われている。鉄筋41の給電部L41に位置する一端面41xには、凸部41aが設けられている。
鉄筋41が露出する給電部L41の軸方向に沿った長さは、実施の形態1の場合と同様の理由から、約60mm以下が好ましい。
本実施の形態における防錆被覆鉄筋40の防錆被覆42の塗装方法も、図3から図5に示した方法と同じである。
[実施の形態5:溶接装置100(オフセット型)]
次に、図12から図16を参照して、実施の形態2に示した防錆被覆鉄筋20を、軸方向に沿って起立させた状態で、防錆被覆鉄筋20に電力を供給して被溶接部材に防錆被覆鉄筋20をスタッド溶接する溶接装置100について説明する。図12は、本実施の形態における溶接装置100の構成を示す正面図、図13は、本実施の形態における溶接装置100の構成を示す側面図、図14は、防錆被覆鉄筋20を装着した溶接装置100の構成を示す正面図、図15は、防錆被覆鉄筋20を装着した溶接装置100の構成を示す側面図、図16は、図14中のXVI線矢視断面図である。
まず、図12および図13を参照して、本実施の形態における溶接装置100の構成について説明する。この溶接装置100では、上記実施の形態2における防錆被覆鉄筋20を軸方向に沿って起立させた状態で、防錆被覆鉄筋20に電力を供給して被溶接部材に防錆被覆鉄筋20をスタッド溶接する。
この溶接装置100は、装置中心軸CL1を有し、防錆被覆鉄筋20に電力を供給する本体部110を有する。装置中心軸CL1とは、内部に設けられた駆動装置により、溶接時に防錆被覆鉄筋20を保持した状態で上下動させる場合の上下移動中心軸を意味する。本体部110には、外部に設けられた制御ユニットに連結されるパワーケーブル170および制御ケーブル180が接続されている。
本体部110には、装置中心軸CL1に沿ってインシュレータ120およびスタッドチャック130が設けられ、このスタッドチャック130には、本体部110から装置中心軸CL1に沿って延びる給電バー140が装着されている。給電バー140の本体部110とは反対側の先端部には、防錆被覆鉄筋20の給電部L21に当接することにより防錆被覆鉄筋20に給電を行なう給電電極150が設けられている。
本実施の形態の給電電極150は、給電バー140から見て装置中心軸CL1とは反対の方向に延びるように設けられ、給電電極150の軸中心CL2は、装置中心軸CL1とは平行となるが、装置中心軸CL1からは外側にずれた(オフセットされた)位置となる。
給電バー140には、この先端部とは反対方向に延び、防錆被覆鉄筋20の給電部L21とは反対側の端部に当接する鉄筋位置決め治具190が設けられている。鉄筋位置決め治具190は、防錆被覆鉄筋20の端部に当接する当接バー191と、給電バー140に沿ってスライド移動が可能なスライドバー192とを有している。防錆被覆鉄筋20の長さに応じて、スライドバー192を上下方向にスライドさせることにより、防錆被覆鉄筋20の端部に当接バー191を当接させることで、防錆被覆鉄筋20を安定的に保持する。
また、本体部110から装置中心軸CL1に沿って給電バー140に対して平行に伸び、被溶接部材に対して本体部110を支持する支持手段160が設けられている。この支持棒160は、本体部110から装置中心軸C1に沿って給電バー140に対して平行に伸びる支持棒を有する。この支持棒は、本体部110から延びる脚部161と、この脚部161の下端に設けられる絶縁板162と、絶縁板162から下方に延びる延長バー163とにより構成される。
支持棒である延長バー163の先端部には、給電電極150に保持された防錆被覆鉄筋11の給電部L11の先端側を支持する支持部164と、支持部164の本体部110とは反対側に設けられる絶縁部材からなるスペーサ部165とを含む。
この支持部164には、後述の図16に示すように、防錆被覆鉄筋20の給電部L21の先端を保持する保持ガイド孔164aが設けられている。支持部164の下面側(本体部110とは反対側)に設けられるスペーサ部材165の高さは、後述する溶接時に用いられる、円環状のはめ輪(フェルール)と略同じ高さに設けられている。なお、スペーサ部材165の位置は、給電電極150の軸中心CL2上に設けるとよい。これにより、本体部110から受ける力をスペーサ部材165で受けることができるため、防錆被覆鉄筋20の溶接時に溶接装置100を安定させることができる。
次に、図14および図15に、上記構成を有する溶接装置100に、防錆被覆鉄筋20を装着した状態を示す。防錆被覆鉄筋20の一端(下端)側に設けられた給電部L21の先端は、被溶接部材である鋼板Bに当接している。具体的には、防錆被覆鉄筋20の先端に設けられた凸部21aが、鋼板Bに当接している(後述の図17参照)。さらに、給電部L21が給電電極150に保持されるとともに、給電部L21の先端側が支持部164に保持されている。さらに、支持部164と鋼板Bとの間において、給電部L21には、円環状のセラミック製のはめ輪(フェルール)500が装着されている。
一方、防錆被覆鉄筋20の他端面(上端)側においては、鉄筋位置決め治具190の当接バー191が当接されている。
防錆被覆鉄筋20は、屈曲部を有するが、本実施の形態の溶接装置100においては、給電電極150の軸中心CL2は、装置中心軸CL1からは外側にオフセットされていることから、防錆被覆鉄筋20を保持し、防錆被覆鉄筋20のスタッド溶接を可能とする。なお、防錆被覆鉄筋20をより安定的に保持するために、防錆被覆鉄筋20を給電バー140に対してクランプ治具等を用いて固定してもよい。
[スタッド溶接の溶接工程]
次に、図17から図20を参照して、スタッド溶接の溶接工程について説明する。図17から図20は、スタッド溶接の溶接工程を示す第1から第4工程図である。
まず、図17を参照して、防錆被覆鉄筋20の給電部L21が、給電電極150に保持されるとともに、給電部L21の先端側が支持部164に保持された状態で、防錆被覆鉄筋20の先端に設けられた凸部21aが、鋼板B(母材)に当接されている。支持部164から下方に位置する給電部L21には、はめ輪(フェルール)500が装着されている。
次に、図18を参照して、通電状態を開始し本体部110に設けられた引き上げ装置により、装置中心軸CL1に沿って防錆被覆鉄筋20を引き上げる。これにより、はめ輪(フェルール)500の内部においてアークが発生する。
次に、図19を参照して、一定時間アークが発生した後、鋼板B(母材)には溶融池が形成される。その後、装置中心軸CL1に沿って防錆被覆鉄筋20を素早く下降させ、防錆被覆鉄筋20の先端部を溶融池に押し付ける。その後、電流が遮断されることにより、溶融金属がはめ輪(フェルール)500の内部において緩やかに冷却され、カラー21bが形成される。
次に、図20を参照して、完全に溶融金属が冷却した後、はめ輪(フェルール)500を除去することで、スタッド溶接が完了する。その後、鉄筋21が露出した給電部L21およびカラー21bの表面に対して、エポキシ樹脂塗装による補修作業が行なわれる。
このように、本実施の形態における防錆被覆鉄筋20を用いた溶接装置100によるスタッド溶接においては、防錆被覆鉄筋20の一端側にのみ設けられた給電部L21を用いてスタッド溶接を行なうことができる。その結果、溶接後の防錆被覆鉄筋20の補修作業は、1本の防錆被覆鉄筋20につき1ヶ所で良いため、従来、1本の防錆被覆鉄筋に対して上下2ヶ所の補修作業を行なう場合に比べて、防錆被覆鉄筋20を鋼板B(母材)への溶接する際の作業工数を大幅に低減させることが可能となる。
[実施の形態6:溶接装置100A(オフセット型)]
次に、図21および図22を参照して、上記実施の形態3に示した防錆被覆鉄筋30を、軸方向に沿って起立させた状態で、防錆被覆鉄筋30に電力を供給して被溶接部材に防錆被覆鉄筋30をスタッド溶接する溶接装置100Aについて説明する。図21は、本実施の形態における溶接装置100Aの構成を示す正面図、図22は、防錆被覆鉄筋30を装着した溶接装置100Aの構成を示す正面図である。
図21を参照して、本実施の形態における溶接装置100Aの基本的構成は、上記実施の形態5における溶接装置100と同じであり相違点は、鉄筋位置決め治具197の形状の相違にある。よってここでは、鉄筋位置決め治具197の構造についてのみ説明する。
鉄筋位置決め治具197は、給電バー140の下方に一端が固定され、上方に向かうに従って徐々に装置中心軸CL1から遠ざかるように傾斜する傾斜バー195と、この傾斜バー195の上部と給電バー140とを連結する連結バー196とを有している。傾斜バー195の傾斜角度は、防錆被覆鉄筋30の被覆領域L33(図8参照)の傾斜角度に適合した角度が選択される。
図22に、鉄筋位置決め治具197を用いて、防錆被覆鉄筋30の位置決めを行なう場合について説明する。防錆被覆鉄筋30の被覆領域L33を傾斜バー195の下面に沿って位置決めする。
この溶接装置100Aによれば、上記溶接装置100と同様の作用効果が得られるとともに、大きな折り曲げによる傾斜を有する防錆被覆鉄筋30であっても、容易に防錆被覆鉄筋30の給電部L31を、給電電極150の軸中心CL2に位置合わせすることができる。なお、防錆被覆鉄筋30をより安定的に保持するために、防錆被覆鉄筋30を給電バー140に対してクランプ治具等を用いて固定してもよい。
[実施の形態7:溶接装置200(中心一致型)]
次に、図23および図24を参照して、装置中心軸CL1と給電電極150の軸中心CL2とが一致した溶接装置200の構造について説明する。図23は、溶接装置200の構成を示す正面図、図24は、溶接装置200の構成を示す側面図、図25は、防錆被覆鉄筋10を装着した溶接装置200の構成を示す正面図、図26は、防錆被覆鉄筋10を装着した溶接装置200の構成を示す側面図である。
図23および図24を参照して、本実施の形態における溶接装置200の基本的構成は、上記実施の形態5における溶接装置100と同じであり相違点は、給電バー140の下端に設けられる給電電極150Aの形状にある。本実施の形態における給電電極150Aは、給電バー140から見て装置中心軸CL1の方向に延びるように設けられ、給電電極150の軸中心CL2は、装置中心軸CL1と一致する。
図25および図26を参照して、上記構成を有する溶接装置200に、防錆被覆鉄筋10を装着した状態を示す。防錆被覆鉄筋10の一端(下端)側に設けられた給電部L11の先端は、被溶接部材である鋼板Bに当接し、支持部164と鋼板Bとの間において、給電部L11には、円環状のセラミック製のはめ輪(フェルール)500が装着されている。
この溶接装置200によれば、上記溶接装置100と同様の作用効果が得られるとともに、給電電極150の軸中心CL2と装置中心軸CL1とが一致していることから、防錆被覆鉄筋10の溶接による軸ずれの発生が生じにくい。なお、防錆被覆鉄筋10をより安定的に保持するために、防錆被覆鉄筋10を給電バー140に対してクランプ治具等を用いて固定してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10,20,30,40 防錆被覆鉄筋、11,21,31,41 鉄筋、11a,21a,31a,41a 凸部、12,22,32,42 防錆被覆、21b カラー、23,33,34,L12,L22,L32,L33,L34,L42 被覆領域、100,100A,200 溶接装置、110 本体部、120 インシュレータ、130 スタッドチャック、140 給電バー、150,150A 給電電極、160 支持手段、161 脚部、162 絶縁板、163 延長バー、164 支持部、164a 保持ガイド孔、165 スペーサ部材、170 パワーケーブル、180 制御ケーブル、190,197 鉄筋位置決め治具、191 当接バー、192 スライドバー、195 傾斜バー、196 連結バー、B 鋼板、CL1 装置中心軸、CL2 軸中心、L11 領域、L11,L21,L31,L41 給電部、TP1 マスキングテープ。

Claims (5)

  1. 一端側のみに内部の鉄筋が露出する給電部が設けられた防錆被覆鉄筋を軸方向に沿って起立させた状態で、前記防錆被覆鉄筋に電力を供給して被溶接部材に前記防錆被覆鉄筋を溶接する溶接装置であって、
    装置中心軸を有し、前記防錆被覆鉄筋に電力を供給する本体部と、
    前記本体部から前記装置中心軸に沿って延びる給電バーと、
    前記給電バーの前記本体部とは反対側の先端部に設けられ、前記防錆被覆鉄筋の前記給電部に当接することにより前記防錆被覆鉄筋に給電を行なう給電電極と、
    前記本体部から前記装置中心軸に沿って前記給電バーに対して平行に伸び、前記被溶接部材に対して前記本体部を支持する支持手段と、
    を備える、溶接装置。
  2. 前記防錆被覆鉄筋を被覆する際には、前記防錆被覆鉄筋の一端側は、円環状のはめ輪に覆われ、
    前記給電電極は、前記給電バーから見て前記装置中心軸とは反対の方向に延びるように設けられ、
    前記支持手段は、
    上記本体部から上記装置中心軸に沿って上記給電バーに対して平行に伸びる支持棒と、
    前記支持棒の前記本体部とは反対側の先端部に設けられ、前記給電電極に保持された前記防錆被覆鉄筋の前記給電部の先端側を支持する支持部と、
    前記支持部の前記本体部とは反対側に設けられ、前記はめ輪と同じ高さのスペーサ部材と、を含み、
    前記支持部は、前記給電電極と同じ方向に延びるように設けられている、請求項1に記載の溶接装置。
  3. 請求項2に記載の溶接装置に装着して、被溶接部材に溶接される防錆被覆鉄筋であって、
    両端面部および胴体部を有する円柱形状の鉄筋と、
    前記鉄筋の表面を被覆する防錆被覆と、を備え、
    前記防錆被覆は、前記鉄筋の一端面、および、前記一端面に連続する胴体部の前記鉄筋が露出し、前記鉄筋の他端面、および、前記他端面に連続する胴体部が覆われるように、前記鉄筋を覆い、
    前記鉄筋の露出する領域は、前記給電電極が当接し前記支持部に支持される領域のみが露出している、防錆被覆鉄筋。
  4. 前記鉄筋は、途中領域で屈曲した形状を有する、請求項に記載の防錆被覆鉄筋。
  5. 前記鉄筋は異形鉄筋であり、
    前記防錆被覆は、エポキシ樹脂塗装被覆である、
    請求項または請求項に記載の防錆被覆鉄筋。
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