以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
図1は、本発明の一実施形態に係るウェアラブル装置1の外観を示す図である。図1に示すウェアラブル装置1は、ユーザの頭部に装着可能な装着部10と、装着部10に取付けられてユーザの眼前に配置される眼前部20と、装着部10に設けられる検出部41、赤外線センサ42、及び撮像部43と、を備える。眼前部20は、例えば、一般的な眼鏡に使用されるレンズであったり、ユーザが視認できるように画像を表示する表示部である。以後、本実施形態では、眼前部20が表示部20であるものとして説明を行うものとする。また、検出部41、赤外線センサ42及び撮像部43については、後述する。
ウェアラブル装置1は、図1に示すように、眼鏡形状(ゴーグル形状)である。ウェアラブル装置1の装着部10は、正面部11と、側面部12、13とからなる。ウェアラブル装置1の装着部10がユーザに装着されたとき、正面部11は、ユーザの眼前に配置され、側面部12、13は、ユーザの側頭部に沿って配置される。
正面部11は、上述したように、ユーザに装着された場合、ユーザの眼前に配置される部分である。正面部11は、ブリッジ111と、ブリッジ111を隔てて左右に設けられる二つの縁部112(リム)とが一体となって構成されている。ブリッジ111は、ウェアラブル装置1の装着時にユーザの鼻と接する部分であり、ユーザの鼻に沿って凹んだ形状である。縁部112は、表示部20を支持している。また、縁部112は、側面部12、13と連結している。
側面部12は、上述したようにユーザに装着された場合、ユーザの側頭部に沿って配置される部分(眼鏡の弦の部分)であり、一方の端部が正面部11の一方の端部と連結している。ここで、正面部11と連結される側面部12の端部(眼鏡の弦の根元部分)には、ユーザの使用感に合わせるための、圧力調整用のバネや角度を変更するアジャスタが配置されている。また、側面部12は、装着時にユーザの耳の上側の部分と接する側面支持部121が形成されている。なお、本実施形態の側面支持部121は、ユーザの側頭部と接する部分である。
側面部13は、上述したように、ユーザに装着された場合、ユーザの側頭部に沿って配置される部分(眼鏡の弦の部分)であり、一方の端部が正面部11の一方の端部と連結している。ここで、正面部11と連結される側面部13の端部(眼鏡の弦の根元部分)には、ユーザの使用感に合わせるための、圧力調整用のバネや角度を変更するアジャスタが配置されている。また、側面部13は、装着時にユーザの耳の上側の部分と接する側面支持部131が形成されている。なお、本実施形態の側面支持部131は、ユーザの側頭部と接する部分である。
装着部10は、例えば、純チタン、βチタン、ニッケルとチタンとの合金(NT合金)、アルミニウム、マグネシウム等の金属素材から成っていて良い。純チタンは、耐腐食性に優れ、アレルギー反応を生じさせ難いことから、例えば、ユーザの肌に触れるブリッジ111や側面部12、13に好適に使用できる。βチタンとNT合金は、純チタンと比較して、弾力性に優れるため、例えば、負荷の掛りやすい側面部12、13に好適に使用できる。アルミニウムとマグネシウムは、低密度で軽いため、装着時にユーザに負担を掛け難くすることができる。
装着部10は、上述した金属素材ではなく、例えば、セルロイド、アセテート、グリルアミド、ポリカーボネート等のプラスチック素材から成っていても良い。中でもアセテートは、セルロイドと比較して耐熱性に優れるため、後述する電力供給部32等による電力の供給の際に発火する可能性を低減できる。グリルアミドは、弾力性に優れるため、例えば、負荷の掛りやすい側面部12、13に効果的に使用でき、また、装着部10の内部に配設された電子部品等に対する外部からの衝撃を緩和しやすくできる。
表示部20は、ユーザの左右の目の眼前に設けられる一対の表示領域(第1表示領域20a、第2表示領域20b)を有している。表示部20は、該表示部20の第1表示領域20a、第2表示領域20bの周囲が、正面部11の縁部112によって囲われており、また、縁部112によって支持されている。
表示部20は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成された表示パネルを用いることができる。ここで、表示部20は、表示パネルを半透明または透明の板状部材で作製することが好ましい。表示部20の表示パネルを半透明または透明の板状部材で作製することで、ユーザが表示部20を介して景色を見ることができる。
図2は、本発明の一実施形態に係るウェアラブル装置1の内部構造を示す図である。図2では、装着部10が破線で示されている。図2に示すウェアラブル装置1において、装着部10の内部には、制御部31と、電力供給部32a及び電線32bから成る加熱部32と、が配置されている。
制御部31は、例えば、側面部13の内部に設けられている。また、電力供給部32aは、例えば、正面部11の縁部112の内部における、側面部12と連結される箇所の近傍に配置されている。電線32bは、一端が電力供給部32aに接続されると共に、装着部10の縁部112の内部において、表示部20の第1表示領域20aの周囲で巻かれて第1のコイルを形成している。また、電線32bは、第1表示領域20aの周囲からブリッジ111を介して、第2表示領域20bの周囲へと延設され、第2表示領域20bの周囲で巻かれて第2のコイルを形成している。尚、制御部31と加熱部32(電力供給部32a及び電線32b)とを配置する箇所はこれに限定されない。
次に、図3を用いて、本発明に係るウェアラブル装置1の機能について説明する。図3は、本発明の一実施形態に係るウェアラブル装置1の機能ブロックを示す図である。ウェアラブル装置1は、表示部20、表示制御部21、制御部31、加熱部32、検出部41、赤外線センサ42、撮像部43を有する。
また、本発明に係るウェアラブル装置1は、他にも、操作部44、マイク45、筋電センサ46を備えていても良い。
表示部20は、表示制御部21による制御に基づいて映像や画像を表示させる。なお、表示部20は、ユーザが視認できる画像を表示させることができれば、つまりユーザに画像を見せることができればよく、種々の構成を用いることができる。例えば、表示部20としては、プロジェクタのように表示パネル(スクリーン)に画像を投影する構成としても良い。なお、画像を投影させる場合、レーザ光を走査させて画像を投影する構成としても良いし、液晶パネルに光を透過させて画像を投影する構成としても良い。また、表示部20からユーザに向けて直接レーザ光を照射することでユーザに対して画像を表示させる構成としても良い。
表示制御部21は、制御部31から供給される画像信号に基づいて表示部20の動作を制御する。例えば、表示部20が液晶ディスプレイの場合、印加する電圧を制御し各液晶素子のオンとオフの切り替えを制御する。表示制御部21は、図示しないが、例えば、制御部31とは別体となって、正面部11のブリッジ111の内部に配置されている。しかしながら、表示制御部21を配置する位置はこれに限定されない。さらには、表示制御部21は、制御部31の一部を構成し、制御部31と一体となっていても良い。
制御部31は、例えば、マイクロプロセッサユニット(MPU:Micro Processing Unit)で構成され、ソフトウェアで指示された手順にしたがって上述したウェアラブル装置1の各種の処理を実行する。すなわち、制御部31は、オペレーティングシステムプログラムやアプリケーションのプログラム等から命令コードを順次読み込んで処理を実行する。このように、制御部31は、各部の動作を制御し、各部に必要なデータ、例えば、表示制御部21に画像の信号を出力する。
また、制御部31は、各機能部から出力される所定の信号に基づいて、表示部20が曇ったか否か、或いは表示部20が曇り易い状態であるか否かを判定する。制御部31は、表示部20が曇った、或いは表示部20が曇り易い状態である、と見なすための所定の条件(曇り条件)を設定し、曇り条件を満たした場合に表示部20が曇ったと判定する。制御部31は、曇り条件を満たしたと判定したときに、表示部20が曇らないようにするための動作(曇り軽減動作)を所定の機能部として、例えば、加熱部32に実行させる。
また、制御部31は、各種プログラムを記憶する記憶部を備えている。記憶部は、例えば、不揮発性の記憶デバイス(ROM:Read Only Memory等の不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置等)や、読み書き可能な記憶デバイス(例えば、SRAM:Static Random Access Memory、DRAM:Dynamic Random Access Memory)等で構成される。
加熱部32は、前述のように、電力供給部32aと電線32bとから成る。電力供給部32aは、電力を供給する供給源であり、ウェアラブル装置1の各機能部へ電力を供給する。なお、電力供給部32aは、充電可能な蓄電池(バッテリ)や交換可能で使い捨て可能な乾電池を供給源としても用いる。また、本実施形態において、電力供給部32aとして太陽電池や燃料電池等を装着部10に搭載しても良い。例えば、太陽電池を搭載した場合は、ウェアラブル装置1が常に頭部に装着されるため、日光を効率よく取得することができる。また、燃料電池を搭載した場合は、外気を効率よく取り込むことができ、また、発生する水蒸気も効率よく排出することができる。また、ウェアラブル装置1は、電力供給部32aによる電力供給のオン/オフを制御する電源スイッチを任意の位置に備えていても良い。電力供給部32aは、制御部31からの制御信号に応じた量の電力を電線32bに供給する。
電線32bは、電力供給部32aから電力の供給を受ける。電線32bは、電力供給部32aから電力の供給を受けて発熱することにより、表示部20の温度を上昇させる(表示部20を温める)。このとき、表示部20の温度の上昇量は、電力供給部32から供給される電力の量に依存する。即ち、表示部20の温度の上昇量は、制御部31によって制御される。
検出部41は、表示部20の温度と外気の温度と外気の湿度の内の少なくとも1つを検出する。ここで、「外気」とは、ウェアラブル装置1が曝されている(或いはユーザがいる)周囲の空間のことを意味するものとする。本実施形態において、検出部41は、温度センサ41aと湿度センサ41bとを備える。検出部41は、検出した結果に応じた信号を制御部31に出力する。制御部31は、検出部41から出力された検出結果が曇り条件を満たしていると判定したときに、曇り軽減動作を加熱部32に実行させる。
温度センサ41aは、ウェアラブル装置1の表示部20の温度と、外気の温度と、を検出する。温度センサ41aは、例えば、接触式の白金測温抵抗体、サーミスタ、熱電対等、又は非接触式の放射温度計等によって構成される。温度センサ41aは、検出した温度に応じた信号を制御部31に出力する。
湿度センサ41bは、外気の湿度を検出する。湿度センサ41bは、例えば、伸縮素材を用いた湿度計、バイメタル式の湿度計、半導体から成るセンサを使用した電気式湿度計等によって構成される。湿度センサ41bは、検出した湿度に応じた信号を制御部31に送る。
赤外線センサ42は、表示部20から放射される赤外線を受光して、受光した赤外線に応じた信号を生成して制御部31に出力する。尚、赤外線センサ42は、表示部20の所定の領域に赤外線を照射し、その領域から反射した赤外線を受光するようにしても良い。赤外線センサ42は、表示部20から放射(或いは反射)された赤外線を連続的に受光する。これにより、制御部31は、赤外線センサ41から出力される信号に基づいて、例えば、表示部20の表面の状態を監視することができる。
撮像部43は、撮像レンズ、絞り、ズームレンズ、及びフォーカスレンズ等により構成されるレンズ系、レンズ系に対してフォーカス動作やズーム動作を行わせる駆動系、レンズ系で得られる撮像光を光電変換して撮像信号を生成する固体撮像素子アレイ等を有する。固体撮像素子アレイは、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサアレイや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサアレイにより実現されても良い。撮像部43は、図1に示すように、撮像レンズが正面部11のブリッジ111に配置されるように設けられて良い。これにより、ユーザがウェアラブル装置1を装着した状態において、ユーザが視認する方向と撮像する被写体の方向とが略一致し、ユーザが表示部20を介して見える範囲(視界)を含む範囲を撮像することができるので使い勝手が良い。
操作部44は、ユーザの操作による入力を検出する。操作部44は、例えば、装着部10に設けられる単一または複数のボタンである。或いは、操作部44は、例えば、装着部10に設けられて、接触を検出するタッチ検出部である。タッチ検出部は、例えば、装着部10の側面部12(または13)に設けられて、ユーザによる所定のタッチジェスチャによって、所定の操作を行えるようになっている。なお、操作部44は、ウェアラブル装置1に設けても、別体として設けても良い。操作部44を別体として設ける場合は、後術する通信部との通信により操作を入力すれば良い。
マイク45は、ウェアラブル装置1の周囲の音声を集音する。集音された音声は、増幅等の処理、AD変換(Analog Digital変換)が施され、制御部31によって音声認識される。制御部31は、認識した音声に基づいて、所定の処理を行うことができる。これにより、ユーザは、例えば、「再生」と発声することで動画の再生指示等を行うことができる。
筋電センサ46は、ユーザの目の周辺に接触可能な位置に電極を設け、ユーザの目の動作(まばたきや視線移動)に伴って生じる筋電位を検出する。ここで、筋電位を測定するための測定電極として、ユーザの鼻の左右側部のそれぞれに接触可能な第1電極と第2電極とが、装着部10のブリッジ111から延設される不図示のノーズパッドに設けられる。また、基準電極として、ユーザの鼻の中央部に接触可能な第3電極がブリッジ111に設けられる。このような構成とすることにより、筋電センサ46は、例えば、ユーザが視線を所定の方向に移動させた(或いは、まばたきを行った)ときに、第3電極を基準とした第1電極及び第2電極の電位の変化を検出する。筋電センサ46は、検出された電位変化の情報(筋電位に応じた信号)を制御部31に出力する。制御部31は、筋電センサ46から出力された電位変化の情報に基づいて、ユーザの視線が移動した(或いは、まばたきを行った)ことを検出する。従って、ユーザは、目の所定の動作を意図的に行うことで、ウェアラブル装置1に対する所定の操作を行うことができる。
筋電センサ46に用いられる基準電極としての第3電極は、ブリッジ111とは異なる位置に設けられていても良い。例えば、第3電極は、側面部12(或いは13)における側面支持部121(或いは131)に設けても良い。
以上、本発明に係るウェアラブル装置の機能について説明してきた。なお、ウェアラブル装置1は、上記の各種構成以外にも他の構成を備えていても良い。ウェアラブル装置1は、例えば、通信部、イヤホン等を備える。
通信部は、アンテナと、RF回路部とを備える。通信部は、例えば、外部の他の装置と無線または有線で通信を行う。通信部は、他の装置と通信を行うことで各種情報を送受信する。ここで、無線接続の場合は、例えば、Wifi、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(IEEE802.11)、ZigBee(登録商標)、赤外線通信、可視光通信、NFC(Near Field Communication)等の方式を採用しても良い。通信部が通信を行う為にサポートする通信方式は1つである必要はなく、複数の無線通信方式をサポートしても良い。また、無線接続を行う場合に用いるアンテナはウェアラブル装置1における任意の位置にあっても良い。例えば、装着部10に前述の金属素材を使用する場合には、装着部10の一部をアンテナとして機能させても良い。有線接続の場合は、例えば、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)、MHL(Mobile High−definition Link)、ライトピーク(サンダーボルト)、イヤホンマイクコネクタ端子を用いた伝送などの規格を採用しても良い。また、有線接続を行う場合は、電源の供給をワイヤから可能としても良い。この場合、ワイヤは、ウェアラブル装置1における任意の位置にあっても良い。
なお、通信部は、公衆回線ネットワークを介して通信を行うための2G、3G、4G等の通信方式を用いて通信を行っても良い。公衆回線ネットワークを介して通信を行うための通信規格には、例えば、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、PHS(Personal Handy−phone System)等が含まれる。通信部が通信に用いる通信方式には、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)のように公衆回線ネットワークを介してデータ通信を行うための通信方式を含んで良い。通信部がデータ通信を行うための通信方式を用いる場合、データ伝送の技術と、VoIP(Voice over Internet Protocol)等の音声をデータとして伝送する技術とを組み合わせることによって、通話が実現される。通信部が通信を行う為にサポートする通信方式は1つである必要はなく、公衆回線ネットワークを介して通信を行うための複数の通信方式をサポートしても良い。
イヤホンを備えた場合には、制御部31は、音声データ生成し、該音声データに対して復号化、DA変換(Digital Analog変換)、増幅等の処理を施してアナログの音声信号に変換してから、イヤホンへ出力する。
次に、図4を参照して、結露が生じる現象について説明する。
図4は、空気の温度(気温)に対する飽和水蒸気量(空気1m3中に存在できる水蒸気の最大量)の関係を示した特性図である。同図に示されるように、飽和水蒸気量は、気温が低くなる程小さくなる。
同図に示されるように、例えば、湿度50%、気温25℃の空間において、空気1m3中には11.5gの水蒸気が存在している(点A)。この状態から、気温を降下させていくと、空気1m3中の水蒸気量は一定であるから、点Aから横軸に平行移動する。気温13℃にまで降下したとき(点B)、飽和水蒸気量は小さくなり、11.5g/m3となることから、点Aに示される水蒸気の量と一致する。これは、湿度が100%となっていることを意味する。さらに、気温を降下させて、8℃になったとすると(点C)、飽和水蒸気量は8.3g/m3となることから、点Aに示される水蒸気の量を下回る。このとき、元々空気1m3中に存在していた点B(或いは点A)に示される水蒸気量(11.5g/m3)から点Cに示される飽和水蒸気量(8.3g/m3)を差し引いた量の水蒸気(3.2g/m3)は、空気中に存在できなくなるため、液体となって露を結ぶ(結露する)ことになる。
上記の結露の発生原理によれば、ウェアラブル装置1の表示部20の表面近傍の空間が、その周りの空間(外気)よりも所定の温度だけ低くなると、表示部20が曇ることになる。例えば、上記の例を参照して、表示部20の表面近傍の空間の温度が8℃、外気の温度が25℃、外気の湿度が50%であるとすると、表示部20の表面近傍の空間の飽和水蒸気量は、外気中の水蒸気量を下回ることになり、上記と同様にして、3.2g/m3の水蒸気が結露し、表示部20の表面に付着することになる。
このような場合、表示部20を温めることで、結露を生じ難くすることができる。例えば、上記の例を参照して、表示部20が温められて、13℃以上になったとすると、表示部20の表面近傍の空間の飽和水蒸気量が、外気中の水蒸気量を上回ることから、結露が生じなくなる。
本発明に係るウェアラブル装置1は、表示部20を温める加熱部を備えている。従って、上記のように、表示部20の表面近傍の空間の飽和水蒸気量が、外気中の水蒸気量を上回るように該表示部20を温めることが可能であるため、外気の温度変化等により表示部20(眼前部)が曇ってしまう場合の対策が施されたウェアラブル装置1として提供することができる。
また、上記のように、表示部20の曇り易さには、表示部20の温度と外気の温度と外気の湿度が影響する。これに対し、本発明に係るウェアラブル装置1は、表示部20の温度と外気の温度と外気の湿度の内の少なくとも1つを検出可能な検出部41を備え、検出部41の検出結果が所定の条件(曇り条件)を満たしたときに、加熱部32によって、表示部20を温める。このような構成により、本発明に係るウェアラブル装置1は、表示部20の曇り易さに影響する要因に基づいて、自動で表示部20を温めることができるので、ユーザによる指示操作等を要することなく、表示部20の曇りを軽減することができる。
また、上記のように、外気の空間の湿度が100%となると表示部20は曇る。或いは、外気の空間の湿度が100%に近づくと、表示部20は曇り易くなる。このことから、曇り条件としては、外気の湿度が所定の値以上となることとしても良い。例えば、曇り条件としては、外気の湿度が80%以上となる場合として良い。即ち、制御部31が、検出部41の湿度センサ41bから出力される信号に基づいて、外気の湿度が80%以上であると認識したことを契機として、加熱部32に曇り軽減動作を実行させれば良い。
尚、曇り条件は、上記のものに限定されない。別の曇り条件としては、表示部20の温度が、所定時間内に、所定温度以上低下することが挙げられる。例えば、上記の例と同様に、外気の湿度が50%であり、表示部20の温度が25℃から8℃に低下する場合に曇り条件が成立したものと判定し、曇り軽減動作を実行させれば良い。この場合、表示部20の表面近傍の空間が8℃付近にまで冷やされ、該空間の飽和水蒸気量は8.3g/m3となる。一方で、外気は、表示部20の温度が低下する前の25℃と同等の気温であり、外気の水蒸気量は11.5g/m3となる。従って、表示部20の表面近傍の空間の飽和水蒸気量は、外気中の水蒸気量を下回ることになり、上記と同様にして、3.2g/m3の水蒸気が結露し、表示部20の表面に付着する(曇る)ことになる。
さらに別の曇り条件として、外気の温度が、所定時間内に、所定温度以上上昇することが挙げられる。例えば、上記の例と同様に、外気の湿度が50%であり、外気の温度が8℃から25℃に上昇する場合に曇り条件が成立したものと判定し、曇り軽減動作を実行させれば良い。この場合、表示部20の温度は、暫くの間(所定時間の間)、外気の温度が上昇する前の8℃に維持される。従って、表示部20の表面近傍の空間が8℃付近にまで冷やされ、該空間の飽和水蒸気量は8.3g/m3となる。一方で、外気の温度は25℃であり、外気の水蒸気量は11.5g/m3となることから、表示部20の表面近傍の空間の飽和水蒸気量は、外気中の水蒸気量を下回ることになり、上記と同様にして、3.2g/m3の水蒸気が結露し、表示部20の表面に付着する(曇る)ことになる。
さらに別の曇り条件として、表示部20の温度と外気の温度とを比較し、表示部20の温度が外気の温度よりも所定の温度以上低い場合が挙げられる。例えば、上記の例と同様に、外気の温度が25℃であり、表示部20の温度が8℃である場合に曇り条件が成立したものと判定し、曇り軽減動作を実行させれば良い。この場合、表示部20の表面近傍の空間が8℃付近にまで冷やされ、該空間の飽和水蒸気量は8.3g/m3となる。一方で、外気の温度は25℃であり、外気の水蒸気量は11.5g/m3となることから、表示部20の表面近傍の空間の飽和水蒸気量は、外気中の水蒸気量を下回ることになり、上記と同様にして、3.2g/m3の水蒸気が結露し、表示部20の表面に付着する(曇る)ことになる。
また、曇り軽減動作を実行するための条件(曇り条件)は、上記のものに限定されない。図5は、本発明の実施形態の第1の変形例を説明するための図である。図5では、ウェアラブル装置1において、表示部20と赤外線センサ42のみを抽出して示している。赤外線センサ42は、例えば、表示部20側に赤外線を照射可能なように、装着部10の正面部11に設けられている。
赤外線センサ42は、表示部20から放射される赤外線を受光する。或いは、赤外線センサ42は、表示部20に赤外線を照射し、表示部20から反射した赤外線を受光する。赤外線センサ42は、受光した赤外線に応じた信号を制御部31に出力する。赤外線センサ42は、赤外線の照射対象である表示部20に結露が発生した場合は、それまでは存在しなかった結露による水滴から放射(反射)される赤外線を受光するため、急激な出力変化を示す。
制御部31は、赤外線センサ42が受光した赤外線に応じた信号が所定の値以上変化したことを契機に、曇り条件が成立したと判定する。即ち、制御部31は、赤外線センサ42からの信号の出力を監視して、表示部20に結露が発生したと判断し得る急激な出力変化を検出したことを契機に、曇り条件が成立したと判定する。
このような構成とすれば、表示部20の表面上で実際に曇り(結露)が発生することを契機に曇り条件が成立したと判定することができるので、不必要に曇り軽減動作を行ってしまう等の誤動作を生じ難くすることができる。
また、本変形例において、赤外線センサ42は、より精度よく曇り条件の判定を行う観点から、水の赤外線吸収波長域の感度を高感度とさせておくようにしても良い。
また、赤外線センサ42を使用して、曇り条件を判定する手段は、上記のものに限定されない。以下に、本発明の実施形態の第2の変形例を説明する。
第2の変形例において、赤外線センサ42は、例えば、装着部10の正面部11における、ユーザの顔面に対面する面に設けられる。赤外線センサ42は、ユーザの顔面の所定の領域に赤外線を照射し、該領域から反射した赤外線を受光する。赤外線センサ42は、受光した赤外線に応じた信号を制御部31に出力する。ここで、表示部20が結露して視界が遮られると、ユーザの顔面が反射的に所定の動作を行う場合がある。ユーザの顔面が所定の動作を行った場合には、その動作に応じた信号を制御部31に出力する。
制御部31は、赤外線センサ42から出力された信号が所定の値以上変化したことを契機に、曇り条件が成立したと判定する。即ち、制御部31は、赤外線センサ42からの信号の出力を監視して、ユーザの顔面が所定の動作を行ったと判断し得る出力変化を検出したことを契機に、曇り条件が成立したと判定する。また、制御部31は、ユーザの視界が急に遮られた際に行ってしまう反射的な動作に特徴づけられた信号パターンを予め記憶しておき、赤外線センサ42から出力された信号パターンがこれに一致するときに、曇り条件が成立したものと判定するようにしても良い。
また、本変形例において、表示部20が曇もって視界が遮られると、顔面の内、特に目が反射的に動くことから、赤外線センサ42が検出する動作としては、まばたき或いは視線移動とすれば良い。
また、ウェアラブル装置1は、ユーザの反射的な動作を検出することで、曇り条件が成立したと判定するようにしたが、これに限定されず、ユーザの意図的な動作を検出することで、曇り条件が成立したと判定するようにしても良い。例えば、表示部20が結露して視界が遮られたことをユーザが視認した場合に、ユーザは、ウェアラブル装置1への所定の指示操作として、所定の動作を行う。ウェアラブル装置1は、ユーザの所定の動作を検出したことを契機に、曇り条件が成立したと判定する。このときの、ユーザの意図的な動作は、例えば、所定回数のまばたきであったり、所定方向への視線移動であって良い。
また、曇り条件の成否の判定には、さらに別の手段を用いても良い。以下に、本発明の実施形態の第3の変形例を説明する。
第3の変形例において、ウェアラブル装置1は、前述の筋電センサ46を備える。筋電センサ46は、ユーザの顔面の動作に伴って生じる筋電位を検出し、検出した筋電位に応じた信号を制御部31に出力する。ここで、表示部20が結露して視界が遮られると、ユーザの顔面が反射的に所定の動作を行う場合がある。ユーザの顔面が所定の動作を行った場合には、その動作に応じた信号を制御部31に出力する。
制御部31は、筋電センサ46から出力された信号が所定の値以上変化したことを契機に、曇り条件が成立したと判定する。即ち、制御部31は、筋電センサ46からの信号の出力を監視して、ユーザの顔面が所定の動作を行ったと判断し得る出力変化を検出したことを契機に、曇り条件が成立したと判定する。また、制御部31は、ユーザの視界が急に遮られた際に行ってしまう反射的な動作に特徴づけられた信号パターンを予め記憶しておき、筋電センサ42から出力された信号パターンがこれに一致するときに、曇り条件が成立したものと判定するようにしても良い。
このような構成とすれば、前述したように、顔面の動きによって、ウェアラブル装置1に対する所定の操作を行うための筋電センサ46を、曇り条件の成否の判定にも併用することができる。
また、本変形例において、表示部20が曇って視界が遮られると、顔面の内、特に目が反射的に動くことから、筋電センサ46が検出する動作としては、まばたき或いは視線移動とすれば良い。
また、ウェアラブル装置1は、ユーザの反射的な動作を検出することで、曇り条件が成立したと判定するようにしたが、これに限定されず、ユーザの意図的な動作を検出することで、曇り条件が成立したと判定するようにしても良い。例えば、表示部20が結露して視界が遮られたことをユーザが視認した場合に、ユーザは、ウェアラブル装置1への所定の指示操作として、所定の動作を行う。ウェアラブル装置1は、ユーザの所定の動作を検出したことを契機に、曇り条件が成立したと判定する。このときの、ユーザの意図的な動作は、例えば、所定回数のまばたきであったり、所定方向への視線移動であって良い。
また、曇り条件の成否の判定には、さらに別の手段を用いても良い。以下に、本発明の実施形態の第4の変形例を説明する。
第4の変形例において、ウェアラブル装置1は、前述の撮像部43を備える。制御部31は、撮像部43により撮影される画像を解析するとともに、解析の結果に応じて、表示部20が曇ったか否かを判定する。制御部31は、例えば、撮像部43が撮影する画像の色情報に基づいて、表示部20が曇ったか否かを判定する。即ち、制御部31は、撮像部43が撮影する画像の全領域の内、所定の割合以上の領域が同色となる場合に、撮像レンズが曇っていると判定し、また同時に、表示部20も曇っているものと判定する。例えば、制御部31は、画像の全領域の6割以上の領域が同色となる場合に、撮像レンズが曇っていると判定する。
また、上記の実施例形態において、曇り条件が成立したときに、ウェアラブル装置1が眼前部としての表示部20を温める構成を示したが、これに限定されず、ウェアラブル装置1は、曇り条件が成立したときに、撮像レンズを温めるようにしても良い。
また、曇り軽減動作を実行するための条件は上記のものに限定されない。例えば、ユーザの指示操作によって、表示部20を温める構成としても良い。指示操作としては、例えば、前述の操作部44に対する操作であったり、前述のマイク45に対する音声指示であって良い。
また、前述のように、本発明の一実施形態に係るウェアラブル装置1は、電力供給部32aと、電線32bと、を備え、電線32bが、電力供給部32aから電力の供給を受けて発熱することにより、表示部20が温められる構成を有している。このとき、電線32bは、表示部20の周囲に巻かれて配置される。このような構成により、表示部20には電線32bからの熱が、周囲から万遍なく加えられ、ムラなく曇りを取り除き易くできる。
また、本発明の一実施形態に係るウェアラブル装置1では、図2に示したように、電線32bがブリッジ111と、縁部112と、に渡って一体に配設されていても良い。このような構成により、ブリッジ111を隔てて設けられる一対の表示部20に対して、一つの電力供給部32aのみで、表示部20を温めることができる。
また、本発明の一実施形態に係るウェアラブル装置1では、電線32bが側面部12と、側面部13と、の少なくとも一方に延設されていても良い。このような構成により、例えば、冬場に、側頭部や耳が冷えてユーザが痛みを感じる場合に、第1側面部12または第2側面部13を温度調整(加熱)することで、痛みを和らげることができる。また、電線32bは、ユーザの側頭部を接触する側面支持部121、131の内部にまで、延設されていることが望ましい。
また、本発明の一実施形態に係るウェアラブル装置1では、電線32bは、近距離無線通信に関する無線信号を送信または受信するように構成されたアンテナコイルとして併用されても良い。このような構成では、制御部31の記憶部にユーザの個人情報(例えば、現在ユーザが使用しているレンズの度数や乱視情報等)を記憶させておき、適宜、外部の装置にその情報を送信できるようにすることができる。
また、本発明の一実施形態に係るウェアラブル装置1では、電線32bは、外部の送電コイルから電力の供給を非接触で受電する受電コイルとして併用されても良い。ウェアラブル装置1は、日中は常にユーザによって着用されるため、充電するタイミングに限りがある。従って、例えば、就寝時に、送電コイルを備えた充電台(眼鏡置き)に載置して充電が行われるようにする。
本発明を諸図面や実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。さらに、本明細書において開示される全ての技術的事項は、矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
上記の実施形態では、ウェアラブル装置1が、眼鏡形状(ゴーグル形状)のような形状を有する例を示してきたが、ウェアラブル装置1の形状はこれに限定されない。例えば、ウェアラブル装置1は、図6に示すウェアラブル装置2のように、ユーザの頭部のほぼ上半分を覆うようなヘルメットタイプの形状を有していても良い。或いは、ウェアラブル装置1は、図7に示すウェアラブル装置3のように、ユーザの顔面のほぼ全体を覆うようなマスクタイプの形状を有していても良い。図6、図7に示すように、本発明に係るウェアラブル装置は、正面の左右2箇所に撮像部を備える構成であっても良い。
また、上記の実施形態では、表示部20がユーザの左右の目の前に設けられる一対の表示領域(第1表示領域20a、第2表示領域20b)を有している構成を例示してきたが、これに限定されず、表示部20は、ユーザの左右の目の内の一方の前に設けられる一つの表示領域を有している構成であっても良い。或いは、表示部20は、ユーザの左右の目の前に配置される一つの表示領域を有し、左右の目の双方に画像を表示できる形状を有していても良い。
また、上記の実施形態では、正面部11の縁部112が、表示部20の表示領域の縁の全周を囲っている構成を例示してきたが、これに限定されず、表示部20の表示領域の縁の一部のみを囲っている構成であっても良い。
また、上記の実施形態では、電線32bが表示部20の表示領域の周囲で巻かれてコイルを形成する構成を示してきたが、これに限定されず、電線33は、コイルを形成せずに、表示部20の表示領域の周囲の一部に配置される構成であっても良い。
また、上記の実施形態では、加熱部32は、電力供給部32aと、電線32bと、を有し、電線32bが、電力供給部32aから電力の供給を受けて発熱することにより、表示部20を温める構成を示してきたがこれに限定されず、加熱部は、電力供給部と、表示部20の内部あるいは表面に設けられた電極と、を有し、電極が、電力供給部から電力の供給を受けて発熱することにより、表示部の温度を調整する構成としても良い。このような構成により、表示部20の周囲に電線を設けることなく、表示部20を温めることができる。