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JP6364777B2 - 画像データ取得システム及び画像データ取得方法 - Google Patents
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JP6364777B2 - 画像データ取得システム及び画像データ取得方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半透明物体表面の三次元形状、法線及び分光による内部散乱特性を取得する画像データ取得システム及び画像データ取得方法に関する。
近年、コンピュータシステムにおける演算速度の向上や画像処理のアルゴリズムの開発などにより、コンピュータ資源を用いた画像の作成を行うCG(computer graphics)が実用化されている。
たとえば、3次元CGは、3次元オブジェクトが所定の光源によって照らされたときの光学現象を数学モデルで表現している。また、この3次元CGは、数学モデルに基づいて、3次元オブジェクトの表面に陰影や濃淡を付け、さらに模様を貼り付けて、2次元画面に表示する3次元的な2次元画像を生成する。
この3次元CGを作成するためには、物質の3次元形状、分光、法線の画像データが必要となる。また、3次元CGで再現しようとする物体が半透明な物体(以下、半透明物体とする)である場合、物体の内部における散乱特性(BSSRDF:Bidirectional Subsurface Scattering Distribution Function、双方向散乱面反射率分布関数)を示す散乱データが必要となる。
現在、様々な計測装置が市販されているが、半透明物体に対応しているものはほとんどない。半透明物体に対するものは、未だ研究段階であり、かつ形状計測に特化したものである。このように、現時点において、半透明物体の3次元形状と法線と分光によって内部散乱特性を、単一システムで一括して計測できる計測装置はない。
半透明物体の形状のみを計測する手法としては、プロジェクタから正弦波パターン(パターン光)を、半透明物体に対して投影する位相シフト法により、反射光の直接反射成分(直接反射光)と間接反射成分(間接反射光)とを分離する手法(例えば、非特許文献1参照)がある。
また、位相シフト法に偏光板を組み合わせることにより、半透明物体からの散乱光の影響を軽減し、形状計測の精度を向上させる手法がある(例えば、非特許文献2、非特許文献3及び非特許文献4参照)。
また、物体の形状計測としては、コンピュータ断層撮影技術を用いた手法(例えば、特許文献4参照)や共焦点パターン投影法を用いて計測する手法がある(例えば、特許文献5参照)。
三次元形状計測手法は、パターン光を投影して計測する装置の場合、この投影するパターン光の解像度の形状情報の精度でしか、物体の三次元形状を計測することができない。
また、3次元形状における局所的な面の傾きである法線情報を取得する方法として、照度差ステレオ法が代表的である。照度差ステレオ法は、通常、3個以上の光源が必要である三次元形状計測手法であるが、2光源でも法線情報を取得できる手法がある(例えば、非特許文献5参照)が、物体の三次元形状を計測することができない。
また、特許文献1には、物体の三次元形状と対象表面の分光情報とを同時に取得する手法が記載されている。すなわち、分光されたパターンを計測する物体の表面に投射し、カメラの前に取り付けた音響光学チューナブルフィルターを制御し、物体の表面から反さされるスペクトルパターンを波長ごとに撮像する。そして、撮像したスペクトルパターンの画像から三角測量法により、物体の三次元形状を取得している。
特許文献1においては、計測する物体の表面に対して白色光を投射し、音響光学チューナブルフィルターの透過波長を制御し、物体面から反射されたスペクトルパターンを、一回あるいは複数回撮像する。そして、得られたスペクトルパターンの画像から、画像演算回路により物体の表面の分光情報を求める。
また、特許文献2には、スリット光投影法(光切断法)による三次元形状計測装置と、分光領域の異なる多数のフィルターを切り替えて撮影することによる分光情報計測器とを組み合わせた手法が記載されている。これにより、物体の三次元形状と対象表面の分光情報とを同時に取得することができる。
さらに、特許文献3には、絶対値としての分光反射率を取得する手法が記載されている。 しかしながら、上述した三次元物体の計測を行う手法は、全て拡散反射物体に限定され、半透明物体には適用できない。
また、半透明物体のCG画像を再現するため、この再現に用いる半透明物体の内部散乱特性の情報を測定して記録する手法としては以下の2つがある。
一つ目は、一般照明下において、光を半透明物体の表面に照射し、半透明物体からの光の反射光がぼける画像を撮影する。そして、反射光のぼけた度合いからBSSRDFと言われる内部散乱特性を記録する手法である(例えば、特許文献4、非特許文献6参照)。
二つ目は、黒のドットパターンを対象の半透明物体に投影し、明るいところから黒のドットパターンの領域内に散乱してくる光の割合から、BSSRDFを求める内部散乱特性を計測して記録する手法である(例えば、非特許文献7参照)。
また、CG画像を生成するためにはBSSRDFの近似モデルである、ダイポールモデルのパラメータを算出し、三次元形状、法線、分光の各々のデータ及びダイポールモデルのパラメータを用いたレンダリングを行うことができる(非特許文献8)。
特開2003−294424号公報 特開2000−009440号公報 特開2012−078221号公報 特表2012−502262号公報 特表2012−530267号公報
S. K. Nayer, G.Krishnan, M. D. Grossberg, R. Rasker, "Fast Separation of Direct and Global Components of a Scene using High Frequency Illumination", In (SIGGRAPH) (2006). 壮志傳田, 健大橋, 俊朗江島. 位相シフト法を用いた高速な3 次元計測手法の提案. 電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解, Vol. 99,No. 515, pp. 43-50, 19991217. M. Gupta, A. Agrawal, A. Veeraraghavan and S. Narasimhan: "Structured light 3d scanning under global illumination", Proc. of IEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR) (2011). T. Chen, H. P. A. Lensch, C. Fuchs and H. P. Seidel:"Polarization and phase-shifting for 3d scanning of translucent objects", Proc. of IEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR) (2007). Q. Zhang, M. Ye, R. Yang, Y. Matsushita, B. Wilburn and H. Yu:"Edge-Preserving Photometric Stereo via Depth Fusion", Proc. of IEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR) (2012). 向川康博、鈴木和哉、八木康史、一般照明下での表面下散乱の解析、画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2008). A. Ghosh, T. Hawkins, P. Peers, S. Frederiksen, and P. Debevec"Practical Modeling and Acquisition of Layered Facial Reflectance", In (SIGGRAPH Asia) (2008). H. W. Jensen, S. R. Marschiner, M. Revoy, and P. Hanrahan: "A practical model for subsurface light transport", In (SIGGRAPH) (2001).
しかしながら、上述した手法によっては、レンダリングを行うダイポールモデルを正確に算出する精度で、空間的に密な散乱特性を取得することができない。
また、三次元形状、法線及び分光に基づいて、半透明物体の内部散乱特性を求めるためには、三次元形状、法線及び分光の各々の計測に特化したパターンを、半透明物体に対して投影する必要がある。
また、照度差ステレオ法によって、半透明物体の三次元形状における法線推定手法は考慮されておらず、三次元形状と法線の推定とは一括して行うことができない。このため、上述した手法は、半透明物体の形状、法線及び分光とを個別に計測し、これらの計測結果を基に、半透明物体の内部散乱特性を個別に計測することに特化した手法である。したがって、これら半透明物体の形状、法線、分光及び内部散乱特性の全てを同時かつ単一システムで計測することができない。
このため、半透明物体のCG画像をレンダリングにより生成する際に用いる、半透明物体の三次元形状、法線及び分光の各々を計測する際、それぞれの装置が必要となり、測定装置に多大の費用がかかる。また、複数の計測装置により、透明物体の形状、法線及び分光の各々を求めるために何度かの測定を行った後、半透明物体の内部散乱特性を求めるために多くの時間がかかる。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、レンダリングを行い、半透明物体のCG画像を生成する際に用いる半透明物体の形状、法線、分光及び内部散乱特性の全てのデータを、単一システムで単一シーケンスのパターンのみを照射することで一括して求める画像データ取得システム及び画像データ取得方法を提供する。
上述した課題を解決するために、本発明の画像データ取得システムは、半透明物体の表面の三次元形状情報と、表面の法線情報と、陰影の除去された1次散乱特性と、多重散乱特性とを取得する画像データ取得システムであり、2種類以上の異なる位相のパターン光を前記半透明物体に対して照射するパターン光照射部と、パターン光が照射された前記半透明物体の表面からの反射光を分光し、所定の波長毎の分光撮像データを取得する撮像部と、波長毎の前記分光撮像データから、所定の演算式により、位相成分前記法線情報及び前記1次散乱特性を求めるための1次散乱反射成分と、前記多重散乱特性を求めるための多重散乱反射成分の各々を分離し、位相画像、1次散乱反射成分画像、多重散乱反射成分画像の各々とを生成する撮像データ解析部と、前記位相画像に基づき、位相シフト法により前記半透明物体の表面の三次元形状情報を求める形状演算部と、2箇所以上の場所の異なるプロジェクタによる前記1次散乱反射成分画像から前記法線情報を求める法線演算部と、前記多重散乱反射成分画像から、所定の関数で表される多重散乱特性を求める散乱演算部とを備えることを特徴とする。
本発明の画像データ取得システムは、前記散乱演算部が、前記多重散乱反射成分画像から画素毎の多重散乱特性を示す前記所定の関数を求めることを特徴とする。
本発明の画像データ取得システムは、前記法線演算部が、2箇所以上の場所の異なるプロジェクタによる2種以上の前記パターン光の各々から求めた前記1次散乱反射成分画像と、各々のプロジェクタ画素から物体表面への方向を表す光線画像とにより、前記半透明物体の陰影情報を求め、当該陰影情報から前記半透明物体の法線と、画像アルベドの1次散乱特性とを求めることを特徴とする。
本発明の画像データ取得システムは、前記形状演算部が、2種以上の前記パターン光毎の位相が各々異なる前記位相画像の各画素と、前記プロジェクタから投影された前記パターン光の各画素との対応を取り、三角測量法によって前記半透明物体の三次元形状を推定することを特徴とする。
本発明の画像データ取得方法は、半透明物体の表面の三次元形状情報と、表面の法線情報と、陰影の除去された1次散乱特性と、多重散乱特性とを取得する画像データ取得方法であり、2種類以上の異なる位相のパターン光を前記半透明物体に対して照射するパターン光照射過程と、パターン光が照射された前記半透明物体の表面からの反射光を分光し、所定の波長毎の分光撮像データを取得する撮像過程と、波長毎の前記分光撮像データから、所定の演算式により、位相成分前記法線情報及び前記1次散乱特性を求めるための1次散乱反射成分と、前記多重散乱特性を求めるための多重散乱反射成分の各々を分離し、位相画像、1次散乱反射成分画像、多重散乱反射成分画像の各々とを生成する撮像データ解析過程と、前記位相画像に基づき、位相シフト法により前記半透明物体の表面の三次元形状情報を求める形状演算過程と、2箇所以上の場所の異なるプロジェクタによる前記1次散乱反射成分画像から前記法線情報を求める法線演算過程と、 前記多重散乱反射成分画像から、所定の関数で表される多重散乱特性を求める散乱演算過程とを含むことを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、画像データ取得システムは、レンダリングを行い、半透明物体のCG画像を生成する際に用いる半透明物体の形状、法線、分光及び内部散乱特性の全てのデータを、単一システムで単一シーケンスのパターンのみを照射することで一括して求めることができる。
本発明の本実施形態による画像データ取得システム1の構成例を示す図である。 半透明物体における反射光の説明を行う光学モデルを示す半透明物体の断面図である。 図1の画像データ取得システム1における計測処理部5の構成例を示すブロック図である。 光照射制御部101がパターン光照射部7のプロジェクタ3またはプロジェクタ4に対して出射させるパターン光の例である。 解析の対象となる半透明物体6の撮像画像、位相画像11、1次散乱反射画像19、多重散乱反射画像20を示す図である。 本実施形態における法線演算部105の法線(法線情報)を生成する処理を説明する図である。 BSSRDFの関数のグラフの一例を示す図である。 画像データ取得システム1による半透明物体6の分光撮像データを取得する動作例を示すフローチャートである。 画像データ取得システム1における半透明物体の画像解析処理の動作例を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の本実施形態による画像データ取得システム1の構成例を示す図である。本実施形態による画像データ取得システム1は、撮像部2と、計測処理部5と、パターン光照射部7とを備えている。パターン光照射部7は、パターンを投影する2台以上のプロジェクタ、例えば本実施形態においてはプロジェクタ3及びプロジェクタ4の2台を備えている。
プロジェクタ3及びプロジェクタ4の各々は、それぞれが異なる位相(位相シフト法におけるパターン光の位相)のパターンの光(例えば、後述する正弦波パターン光)を、対象物の半透明物体6に対して照射する。なお、図1に示す光照射部7は、プロジェクタ3及びプロジェクタ4の2台を組合わせた構成としているが、2個以上の光源を組合わせた1つのプロジェクタとして構成しても良い。
すなわち、プロジェクタ3は、正弦波パターンLT1を半透明物体6に対して照射する。プロジェクタ4は、正弦波パターンLT1と異なる時間帯に正弦波パターンLT2を半透明物体6に対して照射する。撮像部2は、プロジェクタ3及びプロジェクタ4の各々から照射される正弦波パターン光LT1、正弦波パターン光LT2それぞれが半透明物体で反射された反射光RLT1、反射光RLT2を撮像する。
図1に戻り、計測処理部5は、後述するように、撮像部2が撮像した半透明物体からの反射光の波長毎の撮像データにより、半透明物体6の三次元形状、法線及び分光による散乱特性を計測する。
図2は、半透明物体における反射光の説明を行う光学モデルを示す半透明物体の断面図である。図2の断面図に示すように、図1の半透明物体6は、パターン光照射部7から照射された正弦波パターン光(正弦波パターン光LT1及び正弦波パターン光LT2)を反射して反射光として出射する。正弦波パターン光は、半透明物体6において、鏡面反射成分8と、1次散乱反射成分9と、多重散乱反射成分10との各々の複数の成分に分離される。
ここで、鏡面反射成分8は、半透明物体6の表面60で鏡面反射して、表面60から直接に反射される正弦波パターン光の成分光である。
また、1次散乱反射成分9は、半透明物体6の表面60近傍の内部反射点61で1回程度反射して半透明物体6から放射される正弦波パターン光の成分光である。
多重散乱反射成分10は、半透明物体6内部の複数の内部反射点61間で相互に反射、すなわち複数の内部反射点61により多重散乱した後に半透明物体6から放射される正弦波パターン光の成分光である。
この表面下で乱反射(表面下散乱)により、半透明物体6の反射光(反射光RLT1及び反射光RLT2)を撮像した撮像画像はぼけた画像となる。
すなわち、この表面下散乱により、半透明物体6の内部の内部反射点61において、図2に示すように、鏡面反射成分8あるいは1次散乱反射成分9とは異なり、多重散乱反射成分10は、正弦波パターン光の入射点と、反射光が出射される出射点とが一致しない。この表面下散乱のため、正弦波パターン光が入射しない場所からも反射光が観測されるため、 撮像画像はぼけた画像となる。本実施形態による画像データ取得システム1は、半透明物体6の表面に対し、正弦波パターン光を照射し、撮像部2において取得される反射光の波長毎の撮像データ(後述する分光撮像データ)により、半透明物体6の三次元形状、法線及び分光による散乱特性を計測する。
図3は、図1の画像データ取得システム1における計測処理部5の構成例を示すブロック図である。図3において、計測処理部5は、制御部100と、操作部107と、表示部108と、外部インターフェィス109と、記憶部110とを備えている。
制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)である。制御部100は、計測処理部5内の各部の動作を司る機能部であり、予め自身内部の内部記憶部に書き込まれているプログラム(例えば、所定の半透明物体計測用のアプリケーションプログラム)を実行することにより、各機能部の制御処理を行う。
操作部107は、例えば、不図示のキーボード、マウス、タッチパネルなどから構成されており、画像データ取得システム1に対する操作及び処理の命令やデータを含む情報の入力を受け付け、制御部100に対して出力する。
表示部108は、例えば、液晶ディスプレイなどであって、制御部100の制御により、上記操作部107によるオペレータの情報の入力を促す画像、あるいは後述する各演算処理による演算結果及び計測データを示す画像を表示する。
外部インターフェイス109は、撮像部2及びパターン光照射部7の各々との間でデータの送受信を行う接続インターフェイスである。すなわち、制御部100は、撮像部2からの分光撮像データの受信、あるいはパターン光照射部7に対する正弦波パターン光の出射を制御する制御情報の送信などのデータの送受信を、外部インターフェイス109を介して行う。
記憶部110は、撮像部2が撮像した反射光の波長毎の撮像データなどの情報が制御部100により書き込まれて記憶される記憶領域である。記憶部110は、一般的な記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの大容量記憶デバイスにより構成されている。
計測処理部5は、上述した制御部100、操作部107、表示部108、外部インターフェイス109及び記憶部110を備える汎用のPC(Personal Computer)であっても良い。
制御部100は、光照射制御部101、撮像制御部102、撮像データ解析部103、形状演算部104、法線演算部105、散乱演算部106の各々を備えている。
光照射制御部101は、図1のパターン光照射部7におけるプロジェクタ3及びプロジェクタ4のいずれからパターン光を照射するかの制御を行う。
図4は、光照射制御部101がパターン光照射部7のプロジェクタ3またはプロジェクタ4に対して出射させるパターン光の例である。図4は、正弦波パターン光が照射された面を示し、光強度が正弦波状に変化しているので明の部分と暗の部分とに強度変化が見られる。パターン光の位相がずれているとは、例えば、光強度において最も高い部分の位置が異なっている、すなわち正弦波状に変化する強度の位置が異なっていることを言う。
図3に戻り、光照射制御部101は、パターン光照射部7に対して制御信号を出力し、パターン光照射部7におけるプロジェクタ3またはプロジェクタ4から、数十種類の正弦波パターン光を半透明物体6に対して照射させる。具体的には、光照射制御部101は、複数のプロジェクタ、本実施形態においてプロジェクタ3及びプロジェクタ3の各々に対し、正弦波パターン光LT1、正弦波パターン光LT2のそれぞれを互い違いに時系列に、半透明物体6に対して照射させる。すなわち、光照射制御部101は、正弦波パターン光LT1、正弦波パターン光LT2の各々を、半透明物体6に対して同一タイミングでは照射させず、いずれか一方のみを照射させる。
また、プロジェクタ3及びプロジェクタ4の各々は、分光分布の特性(分光分布特性)が平坦な白色光に対応した波長の正弦波パターン光LT1、正弦波パターン光LT2をそれぞれ出射する。プロジェクタ3及びプロジェクタ4の各々は、例えば、分光光度計用の校正用標準板である標準白色板等を用いて、分光分布特性の分光分布特性における分光分布が平坦となる波長で正弦波パターン光LT1、正弦波パターン光LT2をそれぞれ出射するように校正されている。
撮像部2は、パターン光照射部7におけるプロジェクタ3またはプロジェクタ4の各々から放射された正弦波パターン光LT1、正弦波パターン光LT2が、半透明物体6で反射したそれぞれの反射光RLT1、反射光RLT2を集光して受光する。ここで、撮像部2は、内部に入射光の分光機能(例えば、図示しない分光器)を有しており、入射される反射光RLT1及び反射光RLT2の各々を時系列に分光し、分光するごとに半透明物体6の色を表す撮像データ(以下、分光撮像データ)を順次受光する。
すなわち、撮像部2は、受光される白色光である正弦波パターン光LT1及び正弦波パターン光LT2の各々の反射光RLT1及び反射光RLT2それぞれを、異なる3つ以上の波長λ1、λ2、λ3、…、λn(nは3以上の整数)の波長成分の光に分光する(後分光方式)。
そして、撮像部2は、反射光RLT1及び反射光RLT2毎に分光処理を行い、分光した波長成分である波長λ1、λ2、λ3、…、λnの各々の撮像データ、すなわち分光した波長毎の分光撮像データを撮像する。
撮像制御部102は、撮像部2が撮像した分光撮像データを外部インターフェイス109を介して入力する。
そして、撮像制御部102は、反射光RLT1及び反射光RLT2の各々の単位で、分光した波長成分である波長λ1、λ2、λ3、…、λn毎に、記憶部110に対して書き込んで記憶させる。本実施形態において、「色」とは3つ以上の波長、すなわち波長λ1、λ2、λ3、…、λnの各々の分光反射率を示している。このため、以下、本実施形態においては分光反射率を「色」として示す。
また、本実施形態においては、撮像部2の内部に分光器が設けられており、入射する正弦波パターン光を分光する構成として説明する。しかしながら、他の実施形態における構成としては、撮像部2ではなく、パターン光照射部7の内部に分光器を設ける構成としても良い。すなわち、パターン光照射部7内部の分光器が、プロジェクタ3またはプロジェクタ4の各々から放射された正弦波パターン光LT1、正弦波パターン光LT2をそれぞれ分光し、波長λ1、λ2、λ3、…、λn毎の正弦波パターン光を、半透明物体6に対して照射する構成(前分光方式の構成)としても良い。
この場合、撮像部2は、パターン光照射部7がいずれの波長の正弦波パターン光を照射しているかの情報を、パターン光照射部7から分光する波長毎に供給される。また、撮像部2は、上記情報により白黒の画像として波長λ1、λ2、λ3、…、λn毎の分光された撮像画像である分光撮像データを撮像する。そして、撮像制御部102は、撮像部2から供給される、パターン光照射部7から受信するいずれの波長の正弦波パターン光を照射しているかの情報を入力する。撮像制御部102は、上記情報に基づき、撮像した分光撮像データを、反射光RLT1及び反射光RLT2の各々の単位で、分光した波長成分である波長λ1、λ2、λ3、…、λn毎に、記憶部110に対して書き込んで記憶させる。
撮像データ解析部103は、撮像制御部102が記憶させた分光画像データを、波長毎に記憶部110から読み出し、後述する各種画像解析を行う。
撮像データ解析部103は、位相シフト法によって正弦波パターンの照射された半透明物体6の波長毎の分光撮像データから、位相画像(後述する位相画像11)、1次散乱反射画像(後述する1次散乱反射画像19)及び多重散乱反射画像(後述する多重散乱反射画像20)の各々を分離する処理を行う。
すでに説明したように、撮像部2は、半透明物体6を撮像する際、パターン光照射部7が半透明物体6へ照射し、半透明物体6で反射された反射光を集光し、かつ分光して分光撮像データとして撮像している。この撮像部2に取得された分光撮像データの各々は、一般的な画像データと同様に、マトリクス状に配置される画素の集合により構成されている。しかしながら、分光撮像データが波長毎に撮像されているため、分光撮像データにおける各画素は、それぞれの分光撮像データが対応する波長(色)における光の強度のデータを有している。
そして、全ての波長の分光撮像データを、各画素の強度を波長に対応する色の強度とし、画素の位置を一致させて重ね合わせて合成することにより、全体として一つのカラー画像を形成することになる。
なお、撮像部2が分光撮像データを撮像し、撮像制御部102がこの分光撮像データを受信した時点においては、半透明物体6の三次元形状、法線及び分光による散乱特性は未知の状態である。
以下の説明において、プロジェクタ3及びプロジェクタ4の各々は、光照射制御部101の制御により、それぞれ3つの異なる位相の初期位相パターン画像として、以下の(1)式に示す輝度値の正弦波パターン光LT1、正弦波パターン光LT2を半透明物体6に対して照射する。そして、撮像データ解析部103は、得られた反射光(反射光RTL1及び反射光RTL2)の画素のデータを用いて、以下の(2)式の演算を行うことにより、位相画像、1次散乱反射画像及び多重散乱反射画像を生成する位相値Φ(x,y)、直接反射成分L、間接反射成分Lの各々を求める。
上記(1)式において、R(x,y)は、初期位相δにおけるプロジェクタ3あるいはプロジェクタ4の放射面(x軸及びy軸より形成される2次元平面)における各座標(x軸座標x及びy軸座標y)における入力輝度値(光照射制御部101が制御する正弦波パターン光における各座標の輝度値)である(ここで、iは位相の番号)。また、xは正弦波の1周期に対応するピクセル(画素)数である。Rmaxは、正弦波パターン光における最大入力輝度値を示している。
これにより、半透明物体6から反射される反射光を撮像した際、撮像部2が撮像した分光撮像データの各画素の輝度値I(x,y)は、以下の(2)式で表される(ここで、iは位相の番号)。
上記(2)式において、Φ(x,y)は、撮像部2における撮像素子の受光平面(x軸及びy軸から構成される2次元座標)において、コーディングされた位相値である。L(x,y)は、正弦波パターン光の直接反射成分である。また、Lは、正弦波パターン光の間接反射成分である。iが3以上であれば、すなわち3つの位相の異なる座標があれば、位相値Φ(x,y)、直接反射成分L、間接反射成分Lの各々を推定することができる。
上述した計算は、正弦波パターン光LT1及び正弦波パターン光LT2の各々の種類の単位で、波長毎の分光撮像データを用いて、波長毎に(2)式により、直接反射成分L及び間接反射成分Lを求める。
すなわち、正弦波パターン光LT1及び正弦波パターン光LT2の双方において、それぞれ上記(2)式により、正弦波パターンの種類毎に位相値Φ(x,y)、直接反射成分L、間接反射成分Lの各々を推定する。
撮像部2の受光部には、偏光フィルタが設けられており、撮像部2には鏡面反射成分8が入射されず、入射されるのは1次散乱反射成分9及び多重散乱反射成分10である。
ここで、本実施形態においては、半透明物体6の表面下の浅い部分(表面近傍)で1回程度反射する直接反射成分Lを1次反射成分9とし、表面下において何度も反射して表面下散乱となる間接反射成分Lを多重散乱反射成分10としている。
本実施形態の画像データ取得システム1においては、位相シフト法によって、正弦波パターン光LT1及び正弦波パターン光LT2を照射して、半透明物体6の表面に投影する。そして、画像データ取得システム1は、その反射光を撮像することにより、位相画像11、1次散乱反射成分9からなる1次散乱反射画像19及び多重散乱反射成分10からなる多重散乱反射画像20を求めることができる。
図5は、解析の対象となる半透明物体6の撮像画像、位相画像11、1次散乱反射画像19、多重散乱反射画像20を示す図である。図5(a)は、撮像画像21であり、例えば、正弦波パターン光LT1のみを照射光として撮像した分光撮像データを、全位相かつ全波長にわたって合成して生成した画像である。図5(b)は、位相画像11であり、半透明物体の表面に対し、正弦波パターン光(正弦波パターン光LT1及び正弦波パターン光LT2)を投影し、位相シフト法により得られる位相値Φ(x,y)に基づいて得られる反射光(反射光RTL1あるいは反射光RTL2)の画像である。
図5(c)は、1次散乱反射画像19であり、位相シフト法により得られる直接反射成分Lに基づいて得られる画像である。図5(d)は、多重散乱反射画像20であり、位相シフト法により得られる間接反射成分Lに基づいて得られる画像である。
図3に戻り、形状演算部104は、撮像データ解析部103が算出した位相値Φ(x,y)の位相画像11を、同一のプロジェクタ(プロジェクタ3あるいはプロジェクタ4)における異なる位相毎に生成する。ここで、形状演算部104は、半透明物体6に対して正弦波パターン光(弦波パターン光LT1及び正弦波パターン光LT2)を投影した際、反射光の画素と正弦波パターン光の画素との対応を判定する。このとき、正弦波パターン光においては正弦波の一周期の繰り返しにおける曖昧性がある(対応させる精度が低い)。
このため、形状演算部104は、反射光RTL1及び反射光RTL2毎に、2種類の位相が異なる正弦波パターン光による位相画像11を用い、異なる位相の位相画像11を接続する。
そして、形状演算部104は、反射光RTL1及び反射光RTL2毎に、反射光の画素と正弦波パターン光の画素との対応を判定し、対応する画素を示す対応情報を出力する。
また、形状演算部104は、各画素の対応情報を用い三角測量法により、半透明物体6の三次元形状(三次元形状の情報)を求める。すなわち、形状演算部104は、2種類の位相が異なる正弦波パターン光において、各位相を接続して、プロジェクタから投影された各画素と、撮像部2で撮像される画素の対応を取る。そして、形状演算部104は、プロジェクタから投影された各画素と、反射光RTL1及び反射光RTL2の各々の各画素との対応情報から三角測量法を用いて、半透明物体6の三次元形状を得る。
図6は、本実施形態における法線演算部105の法線を生成する処理を説明する図である。図6(a)には、プロジェクタ3が撮像した分光撮像データから求めた1次散乱反射画像19_1と、光線画像13_1とが示されている。図6(b)には、プロジェクタ4が撮像した分光撮像データから求めた1次散乱反射画像19_2と、光線画像13_2とが示されている。図6(c)は、三台設けられた場合のプロジェクタ5(不図示)の1次散乱反射画像19_1とプロジェクタ4の1次散乱反射画像19_3と光線画像13_3である。
図6(d)は、1次散乱反射画像19_1及び1次散乱反射画像19_2及び1次散乱反射画像19_3の各々の陰影情報から計算した半透明物体6の法線を示す法線画像40である。ここで、光線画像13_1及び光線画像13_2及び光線画像13_3の各々は、予めプロジェクタの幾何学キャリブレーションから求められた画素単位の光線ベクトルであり、例えばRGB値に方向ベクトルが格納されている。ここで、光線画像は、撮像画像の各画素に対して、どの方向からプロジェクタの各画像が照射されているかを示す画像である。すなわち、この光線画像のデータ構成は、画像における各画素の光線ベクトルの方向を示すXYZ値が、画像における各画素のRGB値の代わりに、画像のデータして各画素に対応付けられた構成となっている。
図3に戻り、法線演算部105は、光線画像13_1及び光線画像13_2の各々を参照し、異なる陰影を有する1次散乱反射画像19_1及び1次散乱反射画像19_2の各々の画素と、光線画像13_1及び光線画像13_2の各々の画素との位置関係を特定する。
そして、法線演算部105は、1次散乱反射画像19_1及び1次散乱反射画像19_2の各々の画素の陰影情報から、照度差ステレオ法により半透明物体の法線を求めることができる。照度差ステレオ法においては、配置場所が2箇所以上のプロジェクタを用い、異なる陰影を有する2枚以上の撮像データを用いる。そのため、本実施形態においては、配置場所の異なるプロジェクタ3とプロジェクタ4とを用い、異なる陰影を有する1次散乱反射画像19_1及び1次散乱反射画像19_2の各々を用いて法線を求める。
照度差ステレオ法は、拡散反射物体あるいは鏡面反射物体を仮定した方法であるため、通常の反射光の撮像データからでは半透明物体の法線を求めることは不可能である。
そのため、本実施形態においては、反射光を撮像した分光撮像データから、(2)式により求めた1次散乱反射画像19を用いることで、法線の推定を可能としている。
すなわち、本実施形態において用いる1次散乱反射画像19は、すでに述べたように、物体の浅い部分で反射する反射光である。このため、入射光の入射位置と反射光の出射位置とのずれが無視できる程度に小さく、照度差ステレオ法で用いられる拡散反射物体からの反射光における拡散反射成分と同様とみなすことができる。
また、多重散乱反射画像20は、半透明物体からの反射成分における間接反射成分の画像と見なすことができる。しかし、この間接反射の画像は、物体表面の各点に照射された光が多重散乱し、畳み込まれた状態の画像である。
したがって、この畳み込まれた状態の画像から、半透明物体の各点における散乱特性を推定するため、散乱を点像分布関数のような任意の関数(多重散乱関数)で表すことができると仮定する。そして、この仮定により、物体の各点における多重散乱関数を最適化手法により推定することで求めることができる。
法線演算部15は、照度差ステレオ法において、1次散乱反射画像19_1または1次散乱反射画像19_2と、これらに対応する光線画像13_1または光線画像13_2とから求めた陰影情報により、物体表面の陰影を除去した画像アルベドの1次散乱反射画像を計算する。ここで、画像アルベドとは、各画素における入射光の総量に対する反射光の総量の割合を示すデータである。
散乱演算部16は、撮像データ解析部103が算出した多重散乱反射画像20を用い、以下の示すように、多重散乱反射画像20の画素毎の散乱特性を示す関数を求める。
多重散乱反射画像20は、物体表面上におけるある任意の一点に対して光を照射した際、その点から散乱する光の強度を物体表面で空間的に畳み込んだ画像である。任意の一点に照射した正弦波パターン光の表面下における散乱特性を表すため、一般的にはBSSRDFといわれる関数で表すことができる。すなわち、散乱演算部16は、多重散乱反射画像20を再現することが可能な、画素毎の散乱関数を、数値計算により求める。
図7は、BSSRDFの関数のグラフの一例を示す図である。図7において、横軸は光の入射した画素からの散乱の伝搬距離(mm)を示し、縦軸は散乱強度R(d)を示している。
図7におけるBSSRDFの関数の曲線は、散乱による伝搬距離が大きくなるほど、散乱強度が低下していくことが判る。このBSSRDFの関数を推定することにより、半透明物体に光が入射した際のぼけ(物体中の光の滲み状態)を表現することができる。
図3に戻り、散乱演算部16は、以下に示す(3)式により、BSSRDFの関数を近似して、半透明物体に光が入射した際のぼけ(物体中の光の滲み状態)を表現する。以下の(3)式は、BSSRDFの関数を近似したダイポール近似モデル式である。
上記(3)式において、σは、物体固有のパラメータであり、散乱係数である。σは、物体固有のパラメータであり、吸収係数である。また、ηは、物体固有のパラメータであり、屈折率である。dは、光が入射した点(上述した任意の一点)からの距離である。gは、位相関数による散乱方向と光の伝搬方向の内積であるが、等方散乱の場合は「0」となる。
一般的な物体の場合、屈折率ηが既知であれば、この散乱係数及び吸収係数を推定することにより、多重散乱を計測できることになる。例えば、多重散乱における散乱強度の推定には、上記(3)式のダイポール近似モデル式を用いた最尤推定法などで推定することができる。
次に、図面を参照して、画像データ取得システム1における分光データの取得動作を説明する。図8は、画像データ取得システム1による半透明物体6の分光撮像データを取得する動作例を示すフローチャートである。以下の説明においては、パターン光照射部7におけるプロジェクタ3から正弦波パターン光LT1を、プロジェクタ4から正弦波パターン光LT2を、半透明物体6に投影する。
ステップS1:
光照射制御部101は、プロジェクタ3及びプロジェクタ4の各々に対し、それぞれ正弦波パターン光LT1、正弦波パターン光LT2の波長λを設定し、処理をステップS2へ進める。
ここで、光照射制御部101は、予め設定した「色」の分光撮像データを撮像するため、波長λ1、λ2、λ3、…、λnの各々を順番に設定する。例えば、各波長の大小関係は、λ1<λ2<λ3<…<λnである。光照射制御部101は、初回のフローにおいては波長λ1を、2回目のフローチャートにおいては波長λ2を、…と、波長の小さい方から順次大きい方に変更する。
ステップS2:
次に、光照射制御部101は、プロジェクタ3あるいはプロジェクタ4のいずれを用いるかの設定を行い、処理をステップS3へ進める。
本実施形態においては、例えば、画像データ取得システム1が動作した時点に、プロジェクタ3を最初に設定(初期設定)する。そして、以降のフローにおいては、プロジェクタ3であればプロジェクタ4に設定を変更し、一方、プロジェクタ4であればプロジェクタ4に設定を変更する。
ステップS3:
光照射制御部101は、設定したプロジェクタに対して、3つの異なる位相により正弦波パターンを順次照射させる。例えば、プロジェクタとしてプロジェクタ3が選択されていれば、光照射制御部101は、プロジェクタ3に対して異なる3つの位相によって正弦波パターンLT1を半透明物体6に投影させる。一方、プロジェクタとしてプロジェクタ4が選択されていれば、光照射制御部101は、プロジェクタ4に対して異なる3つの位相によって正弦波パターンLT2を半透明物体6に投影させる。
そして、プロジェクタ3が選択されている場合、プロジェクタ3は、所定の周期において順次位相(3つの異なる位相)を変更し、正弦波パターンLT1を半透明物体6に投影する。
一方、プロジェクタ4が選択されている場合、プロジェクタ4は、所定の周期において順次位相(3つの異なる位相)を変更し、正弦波パターンLT2を半透明物体6に投影する。
いずれの場合においても、光照射制御部101は、設定したプロジェクタに対して、3つの異なる位相により正弦波パターンを順次照射させる。
また、光照射制御部101は、各プロジェクタに正弦波パターンを照射させる際、照射させるプロジェクタの識別番号と、撮像した際の位相を示す位相情報と、分光する波長λを示す波長情報を付加し、この識別番号と位相情報と波長情報とを撮像部2に対して出力する。
撮像制御部102は、光照射制御部101から出力されるプロジェクタの照射制御信号及び位相を変更する位相制御信号により、半透明物体6からの反射光を、撮像部2に対して撮像させる。
ここで、プロジェクタ3が半透明物体6に正弦波パターンLT1を投影している場合、撮像制御部102は、半透明物体6からの反射光RTL1を撮像した分光撮像データを撮像部2から取得する。そして、撮像制御部102は、取得した分光撮像データに対し、プロジェクタ3の識別情報と、撮像した際の位相を示す位相情報と、波長情報とを付加し、記憶部110に書き込んで記憶させる。
一方、プロジェクタ3が半透明物体6に正弦波パターンLT2を投影している場合、撮像制御部102は、半透明物体6からの反射光RTL2を撮像した分光撮像データを撮像部2から取得する。そして、撮像制御部102は、取得した分光撮像データに対し、プロジェクタ4の識別情報と、撮像した際の位相を示す位相情報と、波長情報とを付加し、記憶部110に書き込んで記憶させる。
光照射制御部101は、プロジェクタに3つの異なる位相の正弦波パターンを照射させた後、処理をステップS4へ進める。
ステップS4:
光照射制御部101は、半透明物体6に対して正弦波パターン光を照射させるプロジェクタの変更を行うか否かの判定を行う。
このとき、光照射制御部101は、現在選択されているプロジェクタがプロジェクタ3である場合、プロジェクタの変更を行うために処理をステップS2へ進める。
一方、光照射制御部101は、現在選択されているプロジェクタがプロジェクタ4である場合、プロジェクタの変更を行わないので処理をステップS5へ進める。
ステップS5:
光照射制御部101は、半透明物体6に対して照射する正弦波パターン光の波長を変更するか否かの判定を行う。すなわち、光照射制御部101は、現在選択されている波長λが、波長λnであるか否かの判定を行い、波長λが波長λnである場合、全ての波長の変更が終了したとする。
このとき、光照射制御部101は、現在選択されている波長λが、波長λnでない場合、次に大きな波長λに変更するため、処理をステップS1へ進める。
一方、光照射制御部101は、現在選択されている波長λが、波長λnである場合、予め設定されている全ての波長λにおける撮像処理が終了したと判定して、処理をステップS1へ進める。
次に、図面を参照して、画像データ取得システム1における半透明物体の画像解析処理の動作を説明する。図9は、画像データ取得システム1における半透明物体の画像解析処理の動作例を示すフローチャートである。
ステップS11:
撮像データ解析部103は、記憶部110から読み出す分光データの波長λ(正弦波パターン光LT1あるいは正弦波パターン光LT2の波長)を設定し、処理をステップS12へ進める。
ここで、撮像データ解析部103は、予め設定した「色」の分光撮像データを読み出すため、波長λ1、λ2、λ3、…、λnの各々を順番に設定する。例えば、各波長の大小関係は、λ1<λ2<λ3<…<λnである。光照射制御部101は、初回のフローにおいては波長λ1を、2回目のフローチャートにおいては波長λ2を、…と、波長の小さい方から順次大きい方に変更する。
ステップS12:
次に、撮像データ解析部103は、プロジェクタ3あるいはプロジェクタ4のいずれの分光撮像データを、記憶部110から読み出すかの設定を行い、処理をステップS13へ進める。
本実施形態においては、例えば、画像データ取得システム1が動作した時点に、プロジェクタ3を最初に設定(初期設定)する。そして、以降のフローにおいては、プロジェクタ3であればプロジェクタ4に設定を変更し、一方、プロジェクタ4であればプロジェクタ4に設定を変更する。
ステップS13:
撮像データ解析部103は、ステップS11で設定した波長λの波長情報と、ステップS12で設定したプロジェクタ(プロジェクタ3、プロジェクタ4)の識別番号とに基づき、3つの位相が異なる分光撮像データをそれぞれの位相情報とともに、記憶部110から読み出す。
そして、撮像データ解析部103は、プロジェクタ3及びプロジェクタ4毎に読み出した分光撮像データを直接反射成分と間接反射成分とに、(2)式を用いて分離する。この際、撮像データ解析部103は、位相値Φ(x,y)も、直接反射成分(1次散乱反射成分9)と間接反射成分(多重散乱反射成分10)とともに算出し、処理をステップS14へ進める。
ここで、撮像データ解析部103は、位相値Φから位相画像を、直接反射成分(1次散乱反射成分9)から1次散乱反射画像19を、そして間接反射成分(多重散乱反射成分10)から多重散乱反射画像20を求める。
ステップS14:
形状演算部104は、撮像データ解析部103が算出した位相値Φ(x,y)の位相画像11を、同一のプロジェクタ(プロジェクタ3あるいはプロジェクタ4)における異なる位相毎に生成する。ここで、形状演算部104は、半透明物体6に対して正弦波パターン光(弦波パターン光LT1及び正弦波パターン光LT2)を投影した際、反射光の画素と正弦波パターン光の画素との対応を判定する。
次に、形状演算部104は、2種類の位相が重なる正弦波パターン光による位相画像11を用い、プロジェクタ単位で異なる位相の位相画像11を接続し、反射光の画素と正弦波パターン光の画素との対応を判定し、対応する画素を示す対応情報を出力する。
そして、形状演算部104は、各画素の対応情報を用い三角測量法により、半透明物体6の三次元形状を求める。
ステップS15:
法線演算部105は、予めカメラとプロジェクタの幾何学キャリブレーションを行い、物体上の光線方向を計算し、RGB値に格納することで、反射光RTL1、反射光RTL2のそれぞれの分光画像データに対応する光線画像13_1、光線画像13_2を生成する。
法線演算部105は、光線画像13_1及び光線画像13_2の各々を参照し、異なる陰影を有する1次散乱反射画像19_1及び1次散乱反射画像19_2の各々の画素と、光線画像13_1及び光線画像13_2の各々の画素との位置関係を特定する。
そして、法線演算部105は、1次散乱反射画像19_1及び1次散乱反射画像19_2の各々の画素の陰影情報から、照度差ステレオ法により半透明物体の法線を求める。
ステップS16:
撮像データ解析部103は、読み出す分光撮像データのプロジェクタの変更を行うか否かの判定を行う。
このとき、撮像データ解析部103は、現在選択されているプロジェクタがプロジェクタ3である場合、プロジェクタの変更を行うために処理をステップS12へ進める。
一方、撮像データ解析部103は、現在選択されているプロジェクタがプロジェクタ4である場合、プロジェクタの変更を行わないので処理をステップS17へ進める。
ステップS17:
撮像データ解析部103は、読み出す分光撮像データの波長の変更を行うか否かの判定を行う。すなわち、撮像データ解析部103は、現在選択されている波長λが、波長λnであるか否かの判定を行い、波長λが波長λnである場合、全ての波長の変更が終了したとする。
このとき、撮像データ解析部103は、現在選択されている波長λが、波長λnでない場合、次に大きな波長λに変更するため、処理をステップS11へ進める。
一方、撮像データ解析部103は、現在選択されている波長λが、波長λnである場合、予め設定されている全ての波長λにおける撮像処理が終了したと判定して、処理をステップS18へ進める。
ステップS18:
形状演算部104は、波長λ1、λ2、λ3、…、λnの全波長の3次元形状のデータを用い、例えば、最小二乗法により、改善された3次元形状を生成する。
そして、形状演算部104は、処理をステップS19へ進める。
ステップS19:
法線演算部105は、波長λ1、λ2、λ3、…、λnの全波長の法線のデータを用い、例えば、最小二乗法により、改善された法線のデータを生成する。
そして、法線演算部105は、処理をステップS20へ進める。
ステップS20:
次に、法線演算部15は、例えば、プロジェクタ3及びプロジェクタ4の1次散乱反射画像19_1または1次散乱反射画像19_2とこれらに対応する光線画像13_1または光線画像13_2とから求めた陰影情報により、陰影のない(陰影が除去された)画像アルベドの1次散乱反射情報(画像アルベド1次散乱反射画像)を生成する。
ステップS21:
散乱演算部106は、例えば、プロジェクタ3及びプロジェクタ4の波長毎の多重散乱反射画像20の画素値の平均から、すでに説明した(3)式を用いて、波長毎のダイポール近似モデル式を生成する。ここで、波長毎のダイポール近似モデル式を生成することが、多重散乱特性の推定となる。
散乱演算部106は、生成したダイポール近似モデル式により、それぞれの波長の多重散乱反射画像20に対応する多重散乱分光画像を生成する。
以上説明したように、本実施形態によれば、解析対象が半透明物体であり、照射したパターン光の反射光に拡散反射(多重散乱反射)が含まれていても(混在していても)、この反射光を1次散乱反射成分9と多重散乱反射成分10とに分離する。この反射成分の分離を行うことにより、本実施形態によれば、半透明物体の多重散乱特性(BSSRDF)の推定を可能としている。
また、本実施形態によれば、正弦波パターン光が半透明物体から反射した反射光のみから、半透明物体の三次元形状、法線及び多重散乱特性(BSSRDF)の推定が行えるため、従来のように、複数の測定器を用いずとも容易に、半透明物体の解析を行うことができる。
また 、本実施形態によれば、レンダリングを行い、半透明物体のCG画像を生成する際に用いる半透明物体の形状、法線、分光による多重散乱特性の全てのデータを、単一システムで単一シーケンスのパターンのみを照射することで一括して求めることができる。
すなわち、本実施形態によれば、半透明物体であっても、それらの形状、法線情報、散乱特性を分光情報で簡素に計測できる。また、拡散反射物体と半透明物体が混在する場合においても、各反射成分の領域を判定すること両者の特性を計測することができる。さらにこれらを利用してCGで写実的な再現をすることができる。
なお、本発明における計測処理部5の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより半透明物体における光の散乱の解析処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
1 画像データ取得システム
2 撮像部
3,4 プロジェクタ
5 計測処理部
6 半透明物体
7 パターン光照射部
100 制御部
101 光照射制御部
102 撮像制御部
103 撮像データ解析部
104 形状演算部
105 法線演算部
106 散乱演算部
107 操作部
108 表示部
109 外部インターフェイス
110 記憶部

Claims (5)

  1. 半透明物体の表面の三次元形状情報と、表面の法線情報と、陰影の除去された1次散乱特性と、多重散乱特性とを取得する画像データ取得システムであり、
    2種類以上の異なる位相のパターン光を前記半透明物体に対して照射するパターン光照射部と、
    パターン光が照射された前記半透明物体の表面からの反射光を分光し、所定の波長毎の分光撮像データを取得する撮像部と、
    波長毎の前記分光撮像データから、所定の演算式により、位相成分前記法線情報及び前記1次散乱特性を求めるための1次散乱反射成分と、前記多重散乱特性を求めるための多重散乱反射成分の各々を分離し、位相画像、1次散乱反射成分画像、多重散乱反射成分画像の各々とを生成する撮像データ解析部と、
    前記位相画像に基づき、位相シフト法により前記半透明物体の表面の三次元形状情報を求める形状演算部と、
    2箇所以上の場所の異なるプロジェクタによる前記1次散乱反射成分画像から前記法線情報を求める法線演算部と、
    前記多重散乱反射成分画像から、所定の関数で表される多重散乱特性を求める散乱演算部と
    を備えることを特徴とする画像データ取得システム。
  2. 前記散乱演算部が、
    前記多重散乱反射成分画像から画素毎の多重散乱特性を示す前記所定の関数を求める
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像データ取得システム。
  3. 前記法線演算部が、
    2種以上の前記パターン光の各々から求めた前記1次散乱反射成分画像と、2箇所以上のプロジェクタ画素から物体表面への方向を表す光線画像とにより、前記半透明物体の陰影情報を求め、当該陰影情報から前記半透明物体の法線と、画像アルベドの1次散乱特性とを求める
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像データ取得システム。
  4. 前記形状演算部が、
    2種以上の前記パターン光毎の位相が各々異なる前記位相画像の各画素と、前記プロジェクタから投影された前記パターン光の各画素との対応を取り、三角測量法によって前記半透明物体の三次元形状を推定する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像データ取得システム。
  5. 半透明物体の表面の三次元形状情報と、表面の法線情報と、陰影の除去された1次散乱特性と、多重散乱特性とを取得する画像データ取得方法であり、
    2種類以上の異なる位相のパターン光を前記半透明物体に対して照射するパターン光照射過程と、
    パターン光が照射された前記半透明物体の表面からの反射光を分光し、所定の波長毎の分光撮像データを取得する撮像過程と、
    波長毎の前記分光撮像データから、所定の演算式により、位相成分前記法線情報及び前記1次散乱特性を求めるための1次散乱反射成分と、前記多重散乱特性を求めるための多重散乱反射成分の各々を分離し、位相画像、1次散乱反射成分画像、多重散乱反射成分画像の各々とを生成する撮像データ解析過程と、
    前記位相画像に基づき、位相シフト法により前記半透明物体の表面の三次元形状情報を求める形状演算過程と、
    2箇所以上の場所の異なるプロジェクタによる前記1次散乱反射成分画像から前記法線情報を求める法線演算過程と、 前記多重散乱反射成分画像から、所定の関数で表される多重散乱特性を求める散乱演算過程と
    を含むことを特徴とする画像データ取得方法。
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