JP6364780B2 - 重合トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、懸濁重合法では、まず、重合性単量体、並びに、着色剤、必要に応じ帯電制御剤、及び分子量調整剤等の添加物を混合して、重合性単量体組成物とし、それを、分散安定化剤を有する水系分散媒体中に分散する。次に、重合性単量体組成物が分散した水系分散媒体を、高速攪拌機等を用い、高いシェアをかけ、重合性単量体組成物の液滴を形成し、その後、重合開始剤の存在下に重合し、濾過、洗浄、及び乾燥を経て、乾燥した着色樹脂粒子を得る。さらに、この着色重合体粒子に、キャリア及び/又は無機微粒子等の外添剤を混合し、トナーとしている。
本発明により得られるトナーは、少なくとも、結着樹脂、及び着色剤を含有する。
以下、本発明に用いられる着色樹脂粒子の製造方法、当該製造方法により得られる着色樹脂粒子、当該着色樹脂粒子を用いた本発明のトナーの製造方法及び当該製造方法により得られるトナーについて、順に説明する。
本発明に用いられる着色樹脂粒子は、重合法、好適には懸濁重合法を採用して、以下のようなプロセスにより製造される。
まず、重合性単量体、及び着色剤、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤等のその他の添加物を混合し、重合性単量体組成物の調製を行う。重合性単量体組成物を調製する際の混合には、例えば、メディア式分散機を用いる。
本発明では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.1〜5質量部、好ましくは0.3〜2質量部の割合で用いることが望ましい。
ブラック着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、並びに酸化鉄亜鉛、及び酸化鉄ニッケル等の磁性粉等を用いることができる。
含金属有機顔料は、金属の酸化還元により望ましくない重合反応を触媒する結果、小粒径微粒子の発生を促進させる場合がある。本発明においては、後述するように重合開始剤として特定の有機過酸化物を用いるため、含金属有機顔料を使用した場合であっても小粒径微粒子の発生が抑制できる。
本発明において離型剤として好適に用いられるエステルワックスは、多官能エステルワックスがより好適であり、例えば、ペンタエリスリトールテトラパルミネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等のペンタエリスリトールエステル化合物;ヘキサグリセリンテトラベヘネートテトラパルミネート、ヘキサグリセリンオクタベヘネート、ペンタグリセリンヘプタベヘネート、テトラグリセリンヘキサベヘネート、トリグリセリンペンタベヘネート、ジグリセリンテトラベヘネート、グリセリントリベヘネート等のグリセリンエステル化合物;ジペンタエリスリトールヘキサミリステート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミネート等のジペンタエリスリトールエステル化合物;等が挙げられ、中でもジペンタエリスリトールエステル化合物が好ましく、また、ジペンタエリスリトールヘキサミリステートがより好ましい。
炭化水素系ワックスの数平均分子量は、300〜800であることが好ましく、400〜600であることがより好ましい。また、JIS K2235 5.4で測定される炭化水素系ワックスの針入度は、1〜10であることが好ましく、2〜7であることがより好ましい。
離型剤は、上述した1種又は2種以上のワックスを組み合わせて用いてもよい。
上記離型剤は、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部用いられ、更に好ましくは1〜20質量部用いられる。
帯電制御剤としては、一般にトナー用の帯電制御剤として用いられているものであれば、特に限定されないが、帯電制御剤の中でも、重合性単量体との相溶性が高く、安定した帯電性(帯電安定性)をトナー粒子に付与させることができることから、正帯電性又は負帯電性の帯電制御樹脂が好ましく、さらに、正帯電性トナーを得る観点からは、正帯電性の帯電制御樹脂がより好ましく用いられる。
正帯電性の帯電制御剤としては、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩、トリアミノトリフェニルメタン化合物及びイミダゾール化合物、並びに、好ましく用いられる帯電制御樹脂としてのポリアミン樹脂、並びに4級アンモニウム基含有共重合体、及び4級アンモニウム塩基含有共重合体等が挙げられる。
負帯電性の帯電制御剤としては、Cr、Co、Al、及びFe等の金属を含有するアゾ染料、サリチル酸金属化合物及びアルキルサリチル酸金属化合物、並びに、好ましく用いられる帯電制御樹脂としてのスルホン酸基含有共重合体、スルホン酸塩基含有共重合体、カルボン酸基含有共重合体及びカルボン酸塩基含有共重合体等が挙げられる。
本発明では、帯電制御剤を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.01〜10質量部、好ましくは0.03〜8質量部の割合で用いることが望ましい。帯電制御剤の添加量が、0.01質量部未満の場合にはカブリが発生することがある。一方、帯電制御剤の添加量が10質量部を超える場合には印字汚れが発生することがある。
分子量調整剤としては、一般にトナー用の分子量調整剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、N,N’−ジオクタデシル−N,N’−ジイソプロピルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;等が挙げられる。これらの分子量調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、分子量調整剤を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部の割合で用いることが望ましい。
本発明では、少なくとも重合性単量体、及び着色剤を含む重合性単量体組成物を、好ましくは分散安定化剤を含む水系媒体中に分散させ、重合開始剤を添加した後、重合性単量体組成物の液滴形成を行うことが好ましい。液滴形成の方法は特に限定されないが、例えば、(インライン型)乳化分散機(太平洋機工社製、商品名:マイルダー)、高速乳化分散機(プライミクス株式会社製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いて行う。
本発明において、「小粒径微粒子抑制剤」とは、重合性単量体組成物の液滴を形成する過程で、水系分散媒体中(水相中)に存在(溶出)してしまう重合性単量体由来のラジカル、及び/又は重合開始剤由来のラジカルを捕捉して、重合時に副生する小粒径微粒子の発生を抑制する効果を有する化合物のことをいう。
小粒径微粒子抑制剤の添加量が、上記範囲未満である場合には、水系分散媒体中(水相中)に溶出(存在)している重合性単量体の重合反応を抑える(停止させる)ことができず、重合時に副生する小粒径微粒子の発生を十分に抑制できない場合がある。一方、小粒径微粒子抑制剤の添加量が、上記範囲を超える場合には、重合性単量体組成物の所望の重合反応が抑制されてしまい、重合性単量体が重合されずにトナー中に多量に残留する場合がある。
有機過酸化物の分子量が202を超える場合には、比較例3に示すように、トナー中に残留する有機過酸化物由来のエーテル化合物の量が多くなる。また、有機過酸化物の分子量が146未満である場合には、爆発のおそれがあるため取り扱い性が悪くなるおそれがある。
有機過酸化物の当該溶解度が0.04質量%を超える場合には、比較例1、2、及び4に示すように、重合中に有機過酸化物が水相へと比較的多く溶け出す結果、得られるトナー中に残留する小粒径微粒子の数が多くなるため、白筋が発生しやすくなる。
上記1−2のようにして、液滴形成を行い、得られた水系分散液を加熱し、重合を開始し、着色樹脂粒子の水系分散液を調製する。
重合性単量体組成物の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。
重合時に水溶性オキソ酸塩を添加することにより、粗大粒子及び微粉の発生を抑制し、粒径分布を特にシャープにすることができる。
着色樹脂粒子が分散している水系分散液中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤を添加し、重合することでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
重合により得られた着色樹脂粒子の水系分散液は、重合終了後に、公知の方法に従い、ろ過、分散安定化剤の除去を行う洗浄、脱水、及び乾燥の操作が、必要に応じて数回繰り返されることが好ましい。
なお、洗浄、濾過、脱水、及び乾燥の一連の操作の前に、着色樹脂粒子の水系分散液について、着色樹脂粒子から揮発性物質(主にエーテル成分、及びスチレン)を除去する目的で、ストリッピング処理工程を設けてもよい。
ストリッピング処理には、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガスを用いることが好ましい。不活性ガスの流量は、0.2〜1.0m3/(hr・kg)とすることが好ましい。当該流量が少なすぎる場合には、十分なストリッピング効果が得られず、分散安定化剤や重合性単量体等がトナーに残るおそれがある。当該流量が多すぎる場合には、水系分散液中の水が蒸発し過ぎ、後の処理が困難となるおそれがある。
ストリッピング処理時間は、1〜24時間とすることが好ましい。
上述した重合法により、着色樹脂粒子が得られる。
以下、トナーを構成する着色樹脂粒子について述べる。なお、以下で述べる着色樹脂粒子は、コアシェル型のものとそうでないもの両方を含む。
上記着色樹脂粒子の平均円形度が0.96未満の場合、印字の細線再現性が悪くなるおそれがある。
上述した着色樹脂粒子は、外添剤と共に混合攪拌することにより、着色樹脂粒子の表面に、外添剤を均一かつ好適に付着添加(外添)させることができる。なお、1成分トナーは、さらにキャリア粒子と共に混合攪拌して2成分トナーとしてもよい。
なお、これらの外添剤は、それぞれ単独で用いることもできるが、2種以上を併用して用いることができる。中でも粒径の異なる2種以上のシリカを併用することが好ましい。
本実施例及び比較例において行った試験方法は以下のとおりである。
[実施例1]
スチレン75部及びn−ブチルアクリレート25部からなるコア用重合性単量体と、シアン着色剤として銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)6部と、帯電制御剤(4級アンモニウム塩基含有スチレン/アクリル樹脂、藤倉化成株式会社製)1部と、マクロモノマーとしてポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名:AA6、Tg=94℃)0.25部とを、通常の攪拌装置で攪拌及び混合した後、メディア型分散機により、均一分散した。ここに、離型剤としてジペンタエリスリトールヘキサミリステート(溶解度:10g/100gスチレン以上、吸熱ピーク:65℃、分子量:1,514)5部を添加、混合、及び溶解して、コア用重合性単量体組成物を得た。重合性単量体組成物の調製はすべて室温で行った。
上記コア用重合性単量体組成物の液滴形成後の懸濁液中に、小粒径微粒子抑制剤としてピロガロール0.05部を添加し、さらに攪拌した。
次いで、得られた水分散液25℃で、攪拌しながら、硫酸により系のpHを6.5以下にして酸洗浄を行い、濾過により水を分離した後、新たにイオン交換水500部を加えて再スラリー化し水洗浄を行った。その後、再度、脱水と水洗浄を、数回繰り返し行って、固形分を濾過分離した後、乾燥機に入れ、温度40℃で12時間乾燥した。
重合開始剤の種類及び量と、小粒径微粒子抑制剤の量を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして、トナーを作製した。試験結果を表1に示す。なお、比較例1の重合開始剤であるt−ブチルパーオキシ−2−メチルブタノエート、及び比較例2の重合開始剤であるt−ブチルパーオキシイソブチレートは、いずれもトルエンにより表1記載の濃度に希釈されたものを用いた。
上記実施例1、及び比較例1〜比較例5の重合トナー及びその材料について物性を調べた。詳細は以下の通りである。
蒸留水に重合開始剤を0.5%添加し、25℃で24時間攪拌を行った。攪拌終了後、5時間静置して未溶解の重合開始剤をすべて沈降させ、上澄の溶解部分を分取した。この上澄部分に存在する重合開始剤の濃度をガスクロマトグラフィーにて定量し、水への溶解度(wt%)とした。
(測定条件)
装置:GC−2010(株式会社島津製作所製)
カラム:TC−WAX(ジーエルサイエンス株式会社製、df=0.5μm 0.25mmI.D.×60m)
検出器:FID
キャリアーガス:ヘリウム(線速度 21.3cm/sec)
注入口温度:200℃
検出器温度:200℃
オーブン温度:100℃で2分保持後、5℃/分の速度で150℃まで温度上昇させ、150℃で6分保持
サンプリング量:2μL
重合工程後の着色樹脂粒子を含む水分散液3mLに、10%H2SO4 1mLを添加し、分散安定化剤を完全に溶解させた。この溶液を濾紙(アドバンテック東洋社製、商品名:No.2)に2mL滴下して濾過し、風乾して走査電子顕微鏡(SEM)用のサンプルを調製した。
風乾させた着色樹脂粒子に白金蒸着を行って、電界放射型走査電子顕微鏡(日立製作所社製、商品名:S−4700)を用い、加速電圧を5kVにし、5,000倍に拡大して走査電子顕微鏡(SEM)観察した。
各サンプルについて、ランダムに5視野の画像撮影を行い、各画像において無作為に5個の着色樹脂粒子を選択し、これら25個の着色樹脂粒子表面に観察される小粒径微粒子の個数を数えた。これより、着色樹脂粒子1個あたりの小粒径微粒子の平均個数を算出した。
トナー3gを1mg単位まで精秤した。精秤したトナー3gに酢酸エチル27gを加えて30分間攪拌した後、メタノール13gを加えて更に10分間攪拌した。得られた溶液を静置して、不溶分を沈殿させた。当該溶液の上澄み液を測定用試料とし採取し、2μLをガスクロマトグラフに注入して残留エーテル化合物量及び残留スチレン量を定量した。結果を表1に示す。なお、ガスクロマトグラフィーによる測定条件は以下の通りである。
カラム:TC−WAX(0.25mm×30m)
カラム温度:80℃
インジェクション温度:200℃
FID検出側温度:200℃
市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(印刷速度:20枚/分)、及び評価対象のトナーを、温度23℃、湿度50%の高温高湿(H/H)環境下に一昼夜放置した後、カブリを測定した。
カブリ測定法は以下の通りである。まず、印字に使用していない紙の色相を測定し、この色相を基準値(E0)とした。次に、測定対象トナーを用いて上記プリンターにより白ベタを印字し、その白ベタの任意の6箇所の色相(E1〜E6)を測定した。色相(E1〜E6)と、基準値(E0)との差(ΔE)をそれぞれ算出し、最も大きいΔEを、そのトナーのカブリ値とした。カブリ値が小さければ小さいほど、カブリが少なく、印字が良好であることを示す。また、今回の評価においては、このカブリ値が1.0以下である場合に、トナーとして良好に使用できることとした。
以上の色相の測定には、分光光度計(グレダグマクベス社製、商品名:スペクトロアイ)を用いた。
カブリ測定と同じプリンターを用い、現像装置のトナーカートリッジに、トナーを充填した後、印字用紙をセットした。
常温常湿(N/N)環境下(温度:23℃、湿度:50%)で、24時間放置した後、同環境下にて、5%印字濃度で印字試験を行い、1,000枚毎に黒ベタ印字(印字濃度100%)をして、白色の縦筋(白筋)の発生の有無を確認した。黒ベタ画像に白色の縦筋が初めて確認されたときの枚数(白筋発生枚数)をカウントし、最多で20,000枚まで印字試験を行った。
なお、表1中、「20000<」と記載されているものは、20,000枚の時点で、白色の縦筋(白筋)が発生しなかったことを示す。
実施例1、及び比較例1〜比較例5のトナーの評価結果を、重合開始剤の種類と併せて表1に示す。
以下、表1を参照しながら、トナーの評価結果について検討する。
比較例1のトナーは、濃度80%のt−ブチルパーオキシ−2−メチルブタノエート(日油製、商品名:パーブチルMB、トルエンにより希釈)を重合開始剤として用いて製造したトナーである。表1より、比較例1のトナーは、残留エーテル化合物量が6ppm、残留スチレン量が5ppmであり、これら残留物の量に問題は見られない。
しかし、表1より、比較例1のトナーは、小粒径微粒子数が56.2個と多く、印字試験におけるカブリ値が0.7と高く、白筋発生の評価枚数が10,000枚と少ない。したがって、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−メチルブタノエートを用いた比較例1のトナーは、トナー中の小粒径微粒子の数が多いため、酸洗浄後の濾過において小粒径微粒子が濾材に詰まり、濾材を交換し続ける必要があり、生産性が悪い。このような生産性の悪さは、t−ブチルパーオキシ−2−メチルブタノエートの水溶性が比較的高いために、小粒径微粒子が副生し易いことに由来すると推測される。また、比較例1のトナーは、トナー中の小粒径微粒子の多さに起因して、白筋が多く発生すると考えられる。
しかし、表1より、比較例2のトナーは、小粒径微粒子の数が100個を超え、印字試験におけるカブリ値が0.6と高く、白筋発生の評価枚数が8,000枚と少ない。特に、比較例2のトナー中の小粒径微粒子の数は、測定したトナー中、最も多い。また、比較例2の白筋発生の評価枚数は、測定したトナー中、最も少ない。したがって、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシイソブチレートを用いた比較例2のトナーは、トナー中の小粒径微粒子の数が特に多いため、比較例1のトナーと同様の理由により生産性が悪い。また、比較例2のトナーは、トナー中の小粒径微粒子の多さに起因して、白筋が多く発生すると考えられる。
しかし、表1より、比較例3のトナーは、残留エーテル化合物量が1,900ppmと高く、印字試験におけるカブリ値が0.6と高い。比較例3のトナーの残留エーテル化合物量の値は、実施例1、及び比較例1〜5のトナー中、最も高い値である。したがって、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートを用いた比較例3のトナーは、重合開始剤由来の残留エーテル化合物が多いことが分かる。これは、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートに由来して副生するブチルヘプチルエーテルが、ストリッピング処理により完全に除去するのが困難であるためと推測される。
表1より、比較例4のトナーは、残留エーテル化合物量が8ppm、残留スチレン量が5ppmであり、これら残留物の量に問題は見られない。
しかし、表1より、比較例4のトナーは、小粒径微粒子数が21.3個と多く、印字試験におけるカブリ値が0.5と高く、白筋発生の評価枚数が13,000枚と少ない。したがって、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシジエチルアセテートを用いた比較例4のトナーは、トナー中の小粒径微粒子の数が多いため、比較例1のトナーと同様の理由により生産性が悪い。また、比較例4のトナーは、トナー中の小粒径微粒子の多さに起因して、白筋が多く発生すると考えられる。
なお、比較例5においては、比較例4の4倍の量の小粒径微粒子抑制剤を加えることにより、小粒径微粒子数を3.5個に抑えている。しかしその結果、印字試験におけるカブリ値が5.9と高くなった。比較例5のトナーのカブリ値は、実施例1、及び比較例1〜5のトナー中、最も高い値である。この結果は、従来の重合開始剤を用いる場合に、小粒径微粒子抑制剤(ピロガロール)の量を増やして小粒径の発生を抑えたとしても、トナー洗浄後でも、トナー表面や表面近傍にピロガロール及びその分解物がより多く残留し、帯電が低下することに起因してカブリが急増することを示す。
表1より、実施例1のトナーは、小粒径微粒子数が4.2個と少なく、残留エーテル化合物量が9ppmと低く、残留スチレン量が6ppmと低く、印字試験におけるカブリ値が0.4と低く、白筋発生の評価枚数が20,000枚を超える。
したがって、t−ヘキシルパーオキシイソブチレートを重合開始剤として用いて製造した実施例1のトナーは、印字を行った際に臭気等の原因となる残留低分子量成分の少ない重合トナーであることが分かる。また、実施例1においては、5時間という短いストリッピング時間で残留低分子量成分をほぼ完全に除去できており、生産性に優れることも分かる。さらに、実施例1のトナーは、小粒径微粒子の発生が抑制できるため白筋の発生が少なく、カブリも生じにくいトナーであることが分かる。
Claims (4)
- 水系分散媒体中で、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を、重合開始剤の存在下に重合することにより得られる着色樹脂粒子を含む重合トナーの製造方法であって、
前記重合開始剤が有機過酸化物であり、当該有機過酸化物の分子量が202以下であり、かつ25℃における水への溶解度が0.04質量%以下であり、
前記重合性単量体組成物を前記水系分散媒体中に分散した後、前記有機過酸化物を添加し、その後、得られた混合物を攪拌することにより前記重合性単量体組成物の液滴を造粒し、
前記重合を行う際に、小粒径微粒子抑制剤を、重合性単量体100質量部に対して0.01〜1質量部使用することを特徴とする重合トナーの製造方法。 - 前記重合開始剤がt−ヘキシルパーオキシイソブチレートであることを特徴とする請求項1に記載の重合トナーの製造方法。
- 前記着色剤が、含金属有機顔料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の重合トナーの製造方法。
- 前記重合後に、前記着色樹脂粒子を含む水系分散液の温度を60〜95℃、不活性ガス流量0.2〜1.0m3/(hr・kg)の条件下で、1〜24時間ストリッピング処理を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の重合トナーの製造方法。
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