JP6366277B2 - 調光装置、調光窓、及び調光装置用の光学積層体 - Google Patents
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Description
具体的には、パターニング偏光板は、ある方向に吸収軸を有する第1偏光領域と、前記第1偏光領域の吸収軸方向に直交する方向に吸収軸を有する第2偏光領域と、を有し、第1偏光領域と第2偏光領域が面内に交互に配設されている。そして、2枚の前記偏光板が対面するように並設することで調光装置を構成することができる。
調光装置は、2枚の偏光板を面方向にスライドさせることができる。そのため、2枚の偏光板の第1偏光領域同士及び第2偏光領域同士を重ならせ、或いは、一方の偏光板の第1偏光領域と他方の偏光板の第2偏光領域とを重ならせることにより、調光装置から出る光の明るさを調節できる。
他方、2枚の偏光板の第1偏光領域同士及び第2偏光領域同士が重なった状態(透光状態)では、吸収軸方向は互いに平行である。この場合、調光装置の反視認側から入射した光は、反視認側に位置する偏光板によって特定の直線偏光に変換され、この直線偏光は視認側に位置する偏光板を透過する。従って、調光装置の視認側に光が到達する。
この調光装置を、調光を必要とする透光板(例えば、窓ガラス)に適用することで調光窓を構成することができる。この調光窓は、調光装置を備えているため、透光状態と遮光状態を切り替えることができる。そのため、調光窓の視認側(例えば、室内)に入る光の量を適度に調整することができる。
また、好ましくは、前記位相差板は、前記第1及び第2のパターニング偏光板の外側に設けられている。
また、本発明の好ましい調光窓は、前記透光板が、光学的に等方性を有する。また、好ましくは、前記透光板が、窓ガラスである。また、好ましくは、前記透光板は、前記調光装置の位相差板よりも外側に配置されている。
また、本発明の調光装置用の光学積層体を用いることにより、前記調光装置を容易に形成することができる。
本明細書において、用語の前に、「第1」や「第2」などを付す場合があるが、この第1などは、用語を区別するために付加されたものであり、用語の優劣や順序などを意味しない。また、角度及びその関係(例えば、直交、平行、45°など)は、本発明の属する技術分野において許容される誤差範囲を含むものとする。例えば、平行などは、厳密な角度±5°の範囲内であることを意味し、好ましくは、±3°の範囲内である。
本明細書において、「PPP〜QQQ」という記載は、「PPP以上QQQ以下」を意味する。
図1に示すように、本発明の調光装置1Aは、第1のパターニング偏光板21と、第2のパターニング偏光板22と、位相差板3と、を有する。第1のパターニング偏光板21は、その面内に、吸収軸方向が異なる複数の偏光領域を有し、第2のパターニング偏光板22は第1のパターニング偏光板21と同じ偏光領域を有する。第1及び第2のパターニング偏光板21,22のうち少なくとも何れか一方を面方向にスライドさせることで、調光装置1Aの透光状態と遮光状態を切り替えることができる。
第1及び第2のパターニング偏光板21,22並びに位相差板3の位置関係は特に限定されず、透光・遮光対象となる光を発する光源の位置によって適宜変更することができる。もっとも、位相差板3は、第1及び第2のパターニング偏光板21,22の外側に配置されることが好ましい。つまり、位相差板3は、第1のパターニング偏光板21と第2のパターニング偏光板の間(第1及び第2のパターニング偏光板21,22の内側)に配置されていないことが好ましい。
図1に示す実施形態では、調光装置1Aの一方外側(視認側)から他方外側(反視認側)にかけて第1のパターニング偏光板21、第2のパターニング偏光板22、及び位相差板3がこの順に配置されている。
なお、反視認側とは、調光装置の遮光・透光対象となる光を発する光源が存在する側であり、視認側とは、調光装置1Aを隔てた反視認側とは反対の側である。
調光装置1Aを第1及び第2のパターニング偏光板21,22の両側から視認するのであれば(調光装置1Aの両側に光源があるのであれば)、両パターニング偏光板21,22の外側であって、第1のパターニング偏光板側(即ち、一方外側)及び第2のパターニング偏光板側(即ち、他方外側)の両方に位相差板3を設けることもできる。この場合、少なくとも2枚の位相差板3,3が使用される。2枚の位相差板3,3は、それぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。
例えば、位相差板3の反視認側には、公知の保護層や反射防止層などを設けてもよく、第1のパターニング偏光板21の視認側には、さらに別の位相差板などを設けてもよい。
以下、本発明の調光装置の各部材について説明する。
パターニング偏光板は、その面内に、吸収軸方向が異なる複数の偏光領域を有する部材である。複数の偏光領域は、パターニング偏光板の面内に、規則的に設けられていてもよいし、或いは、不規則に設けられていてもよいが、複数の偏光領域は、規則的に設けられていることが好ましい。また、好ましくは、複数の偏光領域は、一方向に並んで設けられる。
偏光領域は、自然光又は各種偏光を直線偏光に変換するという光学特性を有する領域である。つまり、偏光領域は、自然光又は各種偏光が当たった際に、特定の直線偏光を透過するという光学特性を有する領域である。
複数の偏光領域のそれぞれの単体透過率は、特に限定されないが、例えば、10%〜90%の範囲である。
例えば、図3に示すように、パターニング偏光板21(22)は、基材4と、基材4の表面に積層された配向層5と、配向層5の表面に積層されたパターニング偏光層6と、を有する。
基材は、例えば、平面視長方形状に形成されている。もっとも、基材の形状は、これに限定されず、長尺状(長手方向が非常に長い長方形状)、その他、任意の形状に形成されていてもよい。基材の厚みは、特に限定されないが、例えば、20μm〜200μmであり、好ましくは、30μm〜100μmである。
第1偏光領域61の厚みと第2偏光領域62の厚みは、異なっていてもよいが、好ましくは、図3に示すように同じである。第1偏光領域61及び第2偏光領域62の各厚みは、例えば、それぞれ独立して0.01μm〜10μmであり、好ましくは0.1μm〜5μmであり、特により好ましくは0.1μm〜1μmである。
第1偏光領域61及び第2偏光領域62は、それぞれ面内に吸収軸を有する。図2では、第1偏光領域61及び第2偏光領域62は、基材4の長手方向に交互に配置されている。第1偏光領域61及び第2偏光領域62は、何れも基材4の短手方向に延びる平面視帯状である。なお、基材4の短手方向は、基材4の面内において基材4の長手方向と直交する方向である。
もっとも、本発明のパターニング偏光板は、図2に示した実施形態に限定されず、図4に示すような形態であってもよい。図4では、第1偏光領域61及び第2偏光領域62は、基材4の短手方向に交互に配置されている。第1偏光領域61及び第2偏光領域62は、何れも基材の長手方向に延びる平面視帯状である。
なお、各平面図中の太白矢印は、各偏光領域の吸収軸の方向を表す(以下、同様)。また、各偏光領域の透過軸は、偏光領域の面内で前記吸収軸と直交する方向に生じる。
図3では、第1偏光領域61及び第2偏光領域62は、同じ材料で形成された単一層からなる。同じ材料から形成された第1偏光領域61及び第2偏光領域62は、吸収軸の方向が異なっていることを除いて、連続した1つの層からなる。前記連続した1つの層は、図3に示すように、複数の偏光領域61,62の境界に、構造上の界面が認められないことをいう。複数の偏光領域61,62が連続した1つの層から構成されていることにより、偏光領域間の境界に応力が生じないので、各偏光領域61,62の寸法安定性が向上する。
前記第1偏光領域61及び第2偏光領域62の幅は、図2の場合には、紙面を基準にして、それらの領域の縦方向の長さであり、図4の場合には、横方向の長さである。
第1配向層51は、偏光領域の形成材料を所定の方向に配向させ、上記吸収軸方向の第1偏光領域61を形成する機能を有し、第2配向層52は、偏光領域の形成材料を所定の方向に配向させ、上記吸収軸方向の第2偏光領域62を形成する機能を有する。
第1配向層51及び第2配向層52は、同じ材料で形成されていてもよいし、或いは、互いに異なる材料で形成されていてもよい。また、第1配向層51及び第2配向層52は、互いに厚みが異なっていてもよいし、或いは、同じ厚みでもよいが、同じ厚みであることが好ましい。前記第1配向層51及び第2配向層52の各厚みは、例えば、それぞれ独立して0.1μm〜10μmである。また、第1配向層51の幅と第2配向層52の幅は、同じである。
以下、パターニング偏光板の各部について詳述する。
基材は、パターニング偏光層を支持できるものであれば特に限定されない。基材としては、例えば、柔軟性のあるポリマーフィルム、柔軟性のある金属薄板などが挙げられる。また、基材の表面に、コロナ処理などの親水化処理が施されていてもよい。
好ましくは、基材として、ポリマーフィルムが用いられ、好ましくは透明性に優れたポリマーフィルム(例えば、ヘイズ値3%以下)が用いられる。
上記ポリマーフィルムの材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系;トリアセチルセルロース等のセルロース系;ポリカーボネート系;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系;ポリスチレン等のスチレン系;ポリプロピレン、環状又はノルボルネン構造を有するポリオレフィン等のオレフィン系;などが挙げられる。前記二色性液晶化合物を良好に配向させるために、ノルボルネン系フィルムを用いることが好ましい。
基材の厚みは、特に限定されないが、例えば、ポリマーフィルムを用いる場合には、20μm〜100μmである。
図3に示す実施形態では、基材上に配向層を形成すること(上記(2)及び(3)の方法)によって基材に配向規制力が付与されている。
例えば、任意の方向に配向した第1配向層及びこれと直交する方向に配向した第2配向層を、それぞれ基材の表面に形成することにより、図2及び図4に示すような、吸収軸が互いに直交する方向に生じる2つの偏光領域を有するパターニング偏光層を基材上に形成できる。
配向層の形成方法は、特に限定されず、従来公知な方法を採用でき、例えば、光配向層の形成が好ましい。前記配向層の形成材料及び形成方法としては、特開2007−133184号及び特開2000−226448号などに詳しく開示されている。これらの公報の配向層の形成材料及び形成方法を本明細書に記載したものとして、それらの記載を省略するが、必要に応じて、配向層に関する記載をそのまま本明細書に取り込むことができるものとする。
パターニング偏光層の形成方法は、偏光領域を形成できるものであれば特に限定されない。偏光領域は、例えば、既存の偏光フィルム(例えば、PVAフィルムにヨウ素などの二色性色素を吸着させ、延伸したフィルム)を基材上に貼り合わすことでも形成できるし、基材上に形成材料が配向するように塗布・乾燥することでも形成できる。
本発明のパターニング偏光層の形成材料としては、例えば、アゾ系、アントラキノン系、ペリレン系、インダンスロン系、イミダゾール系、インジゴイド系、オキサジン系、フタロシアニン系、トリフェニルメタン系、ピラゾロン系、スチルベン系、ジフェニルメタン系、ナフトキノン系、メロシアニン系、キノフタロン系、キサンテン系、アリザリン系、アクリジン系、キノンイミン系、チアゾール系、メチン系、ニトロ系、及びニトロソ系の化合物等を例示できる。これらは1種単独で、又は2種以上を併用できる。
前記等方相は、巨視的な光学的性質が方向により異ならない(光学的異方性を示さない)状態の相である。
前記リオトロピック液晶性を有する化合物は、溶液状態で液晶相を示し、超分子を形成する性質を有する。前記超分子の構造は、特に限定されず、球状構造、柱状構造、管状構造のようなミセル構造;ラメラ構造;などが挙げられる。前記液晶相は、偏光顕微鏡で観察される光学模様によって、確認、識別できる。
前記置換若しくは無置換のアリール基は、隣接しない炭素原子の一部が窒素原子に置換されているアリール基を含む。前記置換若しくは無置換のアリーレン基も同様に、隣接しない炭素原子の一部が窒素原子に置換されているアリーレン基を含む。
なお、本明細書において、「置換若しくは無置換」とは、「置換基を有する又は置換基を有さない」という意味である。
前記Q1及びQ3で表されるアリール基が置換基を有する場合、前記置換基は、それぞれ1つでもよいし、それぞれ2つ以上でもよい。
前記Q3は、好ましくは置換若しくは無置換のナフチル基(隣接しない炭素原子の一部が窒素原子に置換されているナフチル基を含む)であり、より好ましくは置換基を有するナフチル基であり、特に好ましくは置換基として極性基を有するナフチル基である。前記極性基としては、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、炭素数1〜4のアシルアミノ基、ニトロ基、アセトアミド基、リン酸基、−OH基、−SO3M基、−COOM基、−NHR基、−CONHR基が挙げられる。前記極性基は、好ましくは−OH基、−SO3M基、及び−NHR基である。
前記Q2で表されるアリール基が置換基を有する場合、前記置換基は、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
前記Q2は、好ましくは置換若しくは無置換のナフチレン基(隣接しない炭素原子の一部が窒素原子に置換されているナフチレン基を含む)であり、より好ましくは極性基を有するナフチレン基であり、特に好ましくは−SO3M基を有するナフチレン基である。
ただし、m及びnのうち少なくとも何れか一方は、1以上の整数である。l、m及びnが2以上である場合、それぞれ置換基は同一でもよいし、又は異なっていてもよい。
例えば、置換基を有するアニリン化合物をジアゾニウム塩化し、これをアミノナフタレンスルホン酸化合物とカップリング反応させることにより、モノアゾアニリン化合物を得る。このモノアゾアニリン化合物を、ジアゾニウム塩化した後、これをアニリノ−ヒドロキシナフタレンジスルホン酸と弱アルカリ性下においてカップリング反応させることにより、上記ジスアゾ化合物を得ることができる。
また、前記パターニング偏光層には、二色性液晶化合物以外に、他の成分が含まれていてもよい。前記他の成分としては、二色性を有さない液晶化合物、ポリマー、及び添加剤などが挙げられる。前記添加剤としては、相溶化剤、界面活性剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、抗酸化剤、難燃剤、帯電防止剤などが挙げられる。
前記他の成分の含有量は、特に限定されないが、例えば、0質量%を超え50質量%以下であり、好ましくは0質量%を超え20質量%以下である。
本発明のパターニング偏光板の製造方法の一例について説明する。本製造方法は、上記二色性液晶化合物と溶媒とを含む塗布液を基材の上に塗布する工程を有する。ここで、塗布とは、塗布液を基材の表面に付着させて塗膜を形成することを意味する。
本発明のパターニング偏光板の製造方法は、前記塗布工程以外の工程を有していてもよい。例えば、前記製造方法は、前記塗布工程によって得られた塗膜を乾燥する工程を有していてもよい。前記基材は、上述のように配向規制力が付与された基材である。
前記塗布液は、二色性液晶化合物と、その二色性液晶化合物を溶解又は分散させる溶媒と、を含む。使用する二色性液晶化合物は、上述した中から選ばれる1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
塗布液は、水系溶媒などの溶媒に、前記二色性液晶化合物を溶解又は分散させることによって得られる。なお、必要に応じて、前記二色性液晶化合物以外に、上述した他の成分を前記溶媒に添加してもよい。
塗布液中における二色性液晶化合物の濃度は、特に限定されないが、二色性液晶化合物が析出しない濃度であることが好ましい。また、前記液中において二色性液晶化合物が液晶相を示す濃度でもよいし、液晶相を示さない濃度であってもよい。前記塗布液中における二色性液晶化合物の濃度は、好ましくは0.05質量%〜50質量%であり、より好ましくは0.5質量%〜40質量%であり、特に好ましくは2質量%〜30質量%である。
さらに、前記塗布液の温度は、好ましくは10℃〜40℃、より好ましくは15℃〜30℃に調整される。
前記塗布液は、適切な粘度に調整される。塗布液の粘度(23℃)は、好ましくは1mPa・s〜500mPa・sである。
上記塗布液を、配向層などの配向処理が成された基材上に塗布し、塗膜を形成する。
塗布液は、各種のコーターを用いて塗布できる。前記コーターとしては、特に限定されず、例えば、バーコーター、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなどが挙げられる。
また、基材の平面形状は、枚葉状でもよいし、長尺状でもよい。長尺状の基材を用いることにより、ロールツーロール方式で、パターニング偏光板を連続的に製造することもできる。
塗布液を配向層の表面に塗布すると、配向層の配向規制力の方向に従い、塗膜中の二色性液晶化合物が配向する。
なお、二色性液晶化合物の配向を高めるため、必要に応じて、前記塗膜を形成した後、磁場又は電場などを印加してもよい。
塗布後の塗膜(未硬化の塗膜)を乾燥することにより、配向された二色性液晶化合物が固定される。このようにして、基材上にパターニング偏光層が形成された、パターニング偏光板が得られる(硬化後の塗膜が、パターニング偏光層となる)。
前記未硬化の塗膜の乾燥は、自然乾燥、又は強制的な乾燥などで実施できる。強制的な乾燥としては、減圧乾燥、加熱乾燥、減圧加熱乾燥などが挙げられる。
なお、上記硬化後の塗膜の表面に、公知の耐水化処理を行ってもよい。
位相差板を設けることにより、視認側における調光装置の面内に色むらが発生することを効果的に抑制できる。位相差板の配置は、調光装置を第1のパターニング偏光板側から視認するのか、第2のパターニング偏光板側から視認するのかによって適宜変更できる。即ち、透光・遮光対象となる光を発する光源の位置によって位相差板の配置を適宜変更することができる。例えば、調光装置を第2のパターニング偏光板側から視認するのであれば、位相差板は調光装置の一方外側(第1のパターニング偏光板側)に設けられることが好ましい。また、調光装置を第1のパターニング偏光板側から視認するのであれば、位相差板は調光装置の他方外側(第2のパターニング偏光板側)に設けられることが好ましい。
さらに、調光装置を第1及び第2のパターニング偏光板の両側から視認するのであれば(調光装置の両側に光源があるのであれば)、調光装置の一方外側及び他方外側の両方に位相差板を設けることもできる。この場合、少なくとも2枚の位相差板が使用される。
つまり、調光装置に入射する光(自然光など)は、偏光板へ入射する光の入射面に対し法線方向に光の電場が振動している偏光成分(s波成分)と、s波成分の電場振動方向と直交する方向に電場が振動している偏光成分(p波成分)と、を有している。
s波成分が、パターニング偏光板の第1偏光領域を透過する成分である場合、s波成分は第2偏光領域(第1偏光領域の吸収軸と直交する方向に吸収軸を有する)を透過しない。この場合、p波成分は、パターニング偏光板の第2偏光領域を透過するが第1偏光領域を透過しない。
ここで、入射光のs波成分とp波成分が等量で、且つ、s波成分とp波成分の光学的性質(振動方向を除く)が同じであれば、第1偏光領域の透過率と第2偏光領域の透過率は等しくなるため、両領域間に透過率差が発生せず、色むらも発生しないと言える。
しかしながら、光は、その性質上、反射などによりs波成分の方がp波成分に比して多くなる。そのため、調光装置に入射する光(例えば、自然光)のs波成分とp波成分の量を比較すると、s波成分の方が多い。また、浅い角度で光が偏光板へ入射した際、s波成分の方がp波成分に比して偏光板を透過し難い(即ち、反射し易い)という光学的特性がある。
そのため、s波成分とp波成分の量及び光学的性質の違いに起因して、第1偏光領域と第2偏光領域との間に透過率差が発生し、その結果、色むらが生じると考えられる。特に、s波成分とp波成分の量の相違が、色むらの発生に大きな影響を与えていると考えられる。
そこで、入射光がパターニング偏光板に入射する前に、位相差板を用い、調光装置に対する入射光の偏光状態を乱すことで、パターニング偏光板に入射するs波成分及びp波成分は略等量になると考えられる。従って、パターニング偏光板の第1及び第2偏光領域の透過率差が小さくなり、その結果、色むらの発生を抑制することができると考えられる。
好ましくは、位相差板は、第2のパターニング偏光板に直接的に貼り合わされている。
なお、面内位相差値(Re[590])とは、23℃で波長590nmにおける面内位相差値をいう。Re[590]は、測定対象の厚みをd(nm)としたとき、Re[590]=(nx−ny)×dによって求めることができる。ここで、「nx」は、測定対象(ここでは、位相差板)の面内において屈折率が最大となる方向(通常、X軸方向という)の屈折率を示し、nyは、面内において前記X軸方向と直交する方向(通常、Y軸方向という)の屈折率を示す。
これらの位相差板を用いることで、パターニング偏光板の複数の偏光領域間の透過率差をより小さくすることができ、色むらの発生をより効果的に防止することができる。
図5は、本発明の一実施形態に係る調光装置1Aを模式的に表した斜視図であるが、便宜上、第1のパターニング偏光板21を省略している。また、図5中の太黒矢印は、位相差板3の遅相軸の方向を表す。
本実施例では、第2のパターニング偏光板22は、その長手方向に亘って交互に形成された第1偏光領域61及び第2偏光領域62を有する。第1偏光領域61の吸収軸方向は第2のパターニング偏光板22の長手方向に対して平行であり、第2偏光領域62の吸収軸方向は第2のパターニング偏光板22の短手方向に対して平行(即ち、第1偏光領域61の吸収軸と直交する)である。そして、第2のパターニング偏光板22の反視認側に配置された位相差板3は、その遅相軸方向が第1偏光領域61の吸収軸方向及び第2偏光領域62の吸収軸方向と45°に交わるように配置されている。
このように、位相差板3の遅相軸方向とパターニング偏光板21(22)の全ての吸収軸方向が非平行であれば、効果的に色むらの発生を抑制することができる。
なお、位相差板3の遅相軸方向と、パターニング偏光板21(22)の吸収軸方向との成す角度は特に限定されないが、好ましくは10°〜80°の範囲内であり、より好ましくは20°〜70°の範囲内であり、特に好ましくは40°〜50°の範囲内である。
図5では、遅相軸方向と第1偏光領域61の吸収軸方向の成す角度と、遅相軸方向と第2偏光領域62の吸収軸方向の成す角度とは等しい(共に45°である)。しかし、必ずしも両角度が同じである必要はなく、それぞれの角度が上記範囲内にあればよい。
図6を参照しつつ本発明の調光装置の調光方法について説明する。図6は、本発明の一実施形態に係る調光装置1Aを模式的に表した斜視図であるが、便宜上、位相差板3を省略している。
本発明の調光装置1Aでは、第1のパターニング偏光板21及び第2のパターニング偏光板22のうち少なくとも何れか一方が面方向にスライド可能である。図6に示す例では、第1のパターニング偏光板21と第2のパターニング偏光板22は、共に、その長手方向に平行な吸収軸を有する第1偏光領域61と、第1偏光領域61の吸収軸と直交する方向に吸収軸を有する第2偏光領域62を有する。図6では、第1偏光領域61と第2偏光領域62は、パターニング偏光板21(22)の長手方向に交互に配設され、且つ、その短手方向に延びる帯状に設けられている。
他方、2枚のパターニング偏光板21(22)の何れか一方又は双方を長手方向他方側にスライドさせると、第1のパターニング偏光板21の第1偏光領域61が第2のパターニング偏光板22の第2偏光領域62に重なり、且つ、第1のパターニング偏光板21の第2偏光領域62が第2のパターニング偏光板22の第1偏光領域61に重なる。即ち、吸収軸方向が直交する偏光領域同士がパターニング偏光板21(22)のスライドによって重なり合う。この場合、第2のパターニング偏光板22を透過した直線偏光は、第1のパターニング偏光板21によって吸収され、第1のパターニング偏光板21の視認側へ透過しない。即ち、調光装置1Aが遮光状態となる。
例えば、図4に示すようなパターニング偏光板21(22)を2枚用いた調光装置の場合、パターニング偏光板21(22)をその短手方向にスライドさせることで透光状態と遮光状態を切り替えることが可能である。
本発明の調光装置の用途は特に限定されない。本発明の調光装置は、それ単独で用いることもできるが、調光を必要とする既存の部材に適用することも可能である。好ましくは、調光装置は調光窓の部材として用いられる。調光窓は、調光装置と、調光対象となる透光板と、を有する。つまり、透光板に本発明の調光装置を適用することで、透光板に調光機能が付与された調光窓を構成することができる。
なお、調光装置1Aの透光板7に対する取り付け位置は上記の実施形態に限定されない。例えば、透光板7が調光装置1Aの外側(視認側)に配置されていてもよく、透光板7が調光装置1Aの内側に配置されていてもよい。透光板7が調光装置1Aの内側に配置されているとは、例えば、透光板7が、位相差板3と第2のパターニング偏光板22の間に配置されている場合や、第2のパターニング偏光板22と第1のパターニング偏光板21の間に配置されている場合などである。
もっとも、透光板7が光学的異方性を有する場合、第1のパターニング偏光板21と第2のパターニング偏光板22の間に透光板7を配置しないことが好ましい。光学的異方性を有する透光板7によって第2のパターニング偏光板22を透過した直線偏光の方向性が乱され、調光装置1Aによって調光窓1Bの透光状態と遮光状態を切り替え難くなる虞があるためである。
また、当然に、透光板7が調光装置7の内側に配置されている場合も、透光板7を風雨から保護することができる。
本調光窓1Bでは、2枚の光学積層体が、そのパターニング偏光板21(22)同士が対面するように配置されている。そして、両光学積層体のうち少なくとも一方を面方向にスライドさせることにより調光が可能となる。
本実施形態では、調光窓の両側に透光・遮光対象となる光を発する光源がある場合でも、その両側で色むらが発生することを効果的に抑制できる。
ここで、「透光板が光学的等方性を有する」とは、透光板の屈折率楕円体が、nx=nz=nyである場合だけでなく、nx≒nz≒nyである場合を含む。具体的には、透光板の面内複屈折率Δnxy(nx−ny)の絶対値、及び厚み方向複屈折率Δnxz(nx−nz)の絶対値が、0.0005以下である場合を含み、好ましくは0.0001以下であり、より好ましくは0.00005以下である。
なお、「nx」及び「ny」の定義は、上記位相差板の欄で述べたものと同じである。また、「nz」は、測定対象(ここでは、透光板)を23℃で波長590nmで測定した際における厚み方向の屈折率(測定対象のX軸方向及びY軸方向に直交する方向)を表す。
また、透光板の厚みは特に限定されないが、好ましくは、1mm〜30mmであり、より好ましくは1mm〜15mmである。
調光窓は、屋内において一室と他室の間に設けられていてもよく、屋内と屋外との間に設けられていてもよい。前者の場合、調光窓に入射する光の大部分は、屋内に設置された蛍光灯などから発せられた光であり、後者の場合、調光窓に入射する光の大部分は、太陽から発せられた自然光である。どちらの場合でも、反視認側に光源が位置するように調光窓を設けることにより、視認側から調光窓を見た際に、その面内に色むらが観察され難くなる。
また、上述したパターニング偏光板に位相差板を積層することにより、調光装置用の光学積層体を形成することができる。この光学積層体を用いることで、調光装置の視認側において効果的に色むらの発生を抑制することができる。
(偏光フィルム片の用意)
まず、図9に示すような長方形状の偏光フィルム(日東電工(株)製、製品名「SEG1425DU」)を用意した。この偏光フィルムは、同図に示すように、吸収軸をフィルムの長手方向と平行な方向に有する。この、偏光フィルムを、その短手方向と平行な方向に切り取ることで、幅25mmの第1偏光フィルム片を複数得た。なお、図9において、破線部は偏光フィルム片の切り取り線である。
次に、同偏光フィルムを、その長手方向と平行な方向に切り取ることで、幅25mmの第2偏光フィルム片を複数得た。
厚み200μmの非晶性ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱樹脂(株)製、製品名「ノバクリアSG−007」)をテンター延伸機を用いて87℃で4.0倍延伸して位相差板を作製した。得られた位相差板の厚みは52μmであり、その面内位相差値(Re[590])は、4450nmであった。
次に、縦165mm×横65mm×厚み1.3mmの矩形状のガラス板(松浪硝子工業(株)社製、製品名「S200423」)を用意し、その表面に前記位相差板を粘着剤を用いて貼り合わせた。なお、位相差板は、その遅相軸が、後述する第1偏光領域の吸収軸方向と第2偏光領域の吸収軸方向と45°で交叉するように貼り合わされた。
次に、位相差板の表面に、第1偏光フィルム片及び第2偏光フィルム片を接着した。第1偏光フィルム片と第2偏光フィルム片は、ガラス板の縦方向(長手方向)に交互に配置するように接着された。
このようにして、ガラス板の長手方向に平行な吸収軸を有する第1偏光領域(第1偏光フィルム片が接着された領域)と、ガラス板の長手方向と直交する方向(短手方向)に平行な吸収軸を有する第2偏光領域(第2偏光フィルム片が接着された領域)を有するパターニング偏光板を得た。
次に、上記の工程で得られたパターニング偏光板を2枚用意し、互いのパターニング偏光層(偏光フィルム片)同士が対面するように重ね合わせることで光学積層体を得た。なお、パターニング偏光板の重ね合わせは、一方の偏光板の第1(2)偏光領域と他方の偏光板の第1(2)領域とが重なるように行った。
即ち、2枚のパターニング偏光板を積層し、光学積層体を形成することで、透光状態にある調光装置を再現した(図10参照)。
得られた光学積層体の第1偏光領域の波長550nmにおける透過率及び第2偏光領域の波長550nmにおける透過率を、分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製、製品名「M−2000VI」)を用いて測定した。なお、透過率は、波長550nmを基準にして測定し、透過率の測定は、極角0°(偏光領域(光学積層体の表面)に対して垂直な方向)から、極角90°(偏光領域(光学積層体の表面)に対して平行な方向)まで段階的に測定した(図10参照)。
さらに、極角0°〜80°の間における第1及び第2偏光領域の透過率の変化をグラフにプロットした。その結果を図11(a)に示す。また、極角60°における第1偏光領域と第2偏光領域の透過率差(ΔT)を算出した。その結果を、以下の表1に示す。
得られた光学積層体を、位相差板が積層された側とは反対側(視認側)から斜め方向(極角45°)に観察した。その結果、実用上気にならない程度の薄いパターン模様(ストライプ状模様)が観察された。
厚み100μmのシクロオレフィン系樹脂フィルム(日本ゼオン(株)製、製品名「ZF14−100」)をテンター延伸機を用いて、145℃で1.4倍に延伸して位相差板(1/4波長板)を作製した。この位相差板の厚みは88μmであり、その面内位相差値(Re[590])は、141nmであった。
このようにして得られた1/4波長板を位相差板として用いたこと以外は実施例1と同様に光学積層体を作製し、その透過率を測定した。その結果を、図11(b)及び表1に示す。
また、得られた光学積層体を実施例1と同様に観察した結果、実用上気にならない程度の薄いパターン模様(ストライプ状模様)が観察された。
位相差板の代わりに、厚み40μmで実質的に光学的等方性を有するトリアセチルセルロースフィルム(コニカミノルタ(株)社製、製品名「KC4UY」)を用いたこと以外は実施例1と同様に光学積層体を作製し、その透過率を測定した。その結果を、図11(c)及び表1に示す。
また、得られた光学積層体を実施例1と同様に観察した結果、明瞭なパターン模様(ストライプ状模様)が観察された。
図11から、位相差板を有する実施例1及び2の光学積層体は、極角0°〜80°に亘って、第1偏光領域の透過率と第2偏光領域の透過率の差(ΔT)が比較的小さい。他方、比較例1では、ΔTが極角0°〜80°に亘って比較的大きい。
このように、実施例1及び2は、比較例1に比してΔTが小さいため、色むらが観察され難く、特に斜め方向から観察した際の色むらが抑制されていることが分かる。
Claims (10)
- 吸収軸方向が異なる複数の偏光領域を有する第1のパターニング偏光板と、前記第1のパターニング偏光板と同じ偏光領域を有する第2のパターニング偏光板と、位相差板と、を有し、
前記第1及び第2のパターニング偏光板のうち少なくとも何れか一方が面方向にスライド可能に設けられており、
前記位相差板が、23℃で波長590nmにおける面内位相差値が100nm以上の1/4波長板若しくは3/4波長板、又は、23℃で波長590nmにおける面内位相差値が4000nm以上の超高位相差板である、調光装置。 - 前記第1及び第2のパターニング偏光板の各々が、少なくとも第1偏光領域と第2偏光領域を有し、
前記第1偏光領域の吸収軸方向と前記第2偏光領域の吸収軸方向が直交している請求項1に記載の調光装置。 - 前記位相差板が、前記第1及び第2のパターニング偏光板の外側に設けられている請求項1又は2に記載の調光装置。
- 前記位相差板の遅相軸方向が、前記第1及び第2のパターニング偏光板が有する複数の偏光領域の全ての吸収軸方向と非平行である請求項1〜3の何れか一項に記載の調光装置。
- 前記位相差板の遅相軸方向と前記複数の偏光領域の吸収軸方向との成す角度が、10°〜80°の範囲内にある請求項4に記載の調光装置。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載の調光装置と、前記調光装置の調光対象である透光板と、を有する調光窓。
- 前記透光板が、光学的に等方性を有する請求項6に記載の調光窓。
- 前記透光板が、窓ガラスである請求項6又は7に記載の調光窓。
- 前記透光板が、前記調光装置の外側に配置されている請求項6〜8の何れか一項に記載の調光窓。
- 吸収軸方向が異なる複数の偏光領域を有するパターニング偏光板と、位相差板と、を有し、
前記位相差板が、23℃で波長590nmにおける面内位相差値が100nm以上の1/4波長板若しくは3/4波長板、又は、23℃で波長590nmにおける面内位相差値が4000nm以上の超高位相差板である、調光装置用の光学積層体。
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