JP6366992B2 - 建築構造物 - Google Patents
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Description
また、加振床を支持する梁を補強する補強手段を設けるので、加振床の固有振動数と対象床の固有振動数とを極めて簡素な構成により異ならせることが可能となる。
また、補強手段は加振床を支持する梁のうち最も長い梁を補強するので、加振床の固有振動数と対象床の固有振動数とを効率的に異ならせることができる。
また、最も長い梁、すなわち加振床の荷重を受ける割合の大きい梁を補強することにより、効率的に加振床を補強する事が可能となる。
まずは、本実施の形態の基本的概念について説明する。本実施の形態は、概略的に、多数建ての建築構造物であって、対象階に存する対象床で発生する振動を低減する建築構造物に関するものである。なお、この建築構造物の利用目的等は任意であるが、本実施の形態においては、様々な用途の施設が混在して各階に配置された複合型の施設であるものとして説明する。
次に、本実施の形態の具体的内容について説明する。
最初に、本実施の形態に係る建築構造物1の構成を説明する。図1は、本実施の形態に係る建築構造物1を概略的に示す側面図、図2は、図1のA−A矢視断面図である。これら図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る建築構造物1は、地上5階建ての建物として形成されているが、このような構造に限らず、例えば6階以上の階や5階未満の階の建物として形成されていても良く、地下階を有する建物であっても良い。そして、当該建築構造物1はそれぞれ概略的に柱、梁、壁、及び床を備えて構成されているが、このような建物の構造については特記する場合を除いて公知であるため、その詳細な説明を省略する。
補強部10は、加振床の固有振動数と、対象床の固有振動数とを相互に異ならせる振動数可変手段であって、特に、加振床を支持する梁を補強する補強手段である。図3は、補強部10が適用された対象階を概略的に示す斜視図である。なお、この図3においては、図示の便宜上、2階壁2Wの一部及び3階壁3Wの一部を切り欠いて図示している。この図3に示すように、この補強部10は、具体的には、2階柱2P、3階梁3L、及び2階床2Fにより囲繞された領域に設置されたブレースであって、2階柱2Pの柱脚と3階梁3Lの長手方向の中間部との相互間に介在されることにより、2階柱2Pや3階梁3Lの変形を防止する公知のブレースである。この補強部10の素材等は任意であるが、本実施の形態に係る補強部10は鉄骨等により形成されている。なお、このような補強部10の具体的な構成については任意であるため、その具体的な構成の説明については省略する。
絶縁部20は、加振床の振動が、加振床と対象床との相互間に位置する壁を介して対象床へと伝達することを防止する伝達防止手段であって、特に、加振床と、加振床と対象床との相互間に位置する壁とを少なくとも鉛直方向に沿って相互に摺動可能に接続する摺動手段である。図4は、絶縁部20を示す平面図である。図5は、絶縁部20を示す側面図である。この図4及び図5に示すように、絶縁部20は、概略的には梁と壁とを接続するファスナーであって、特に、振動の伝達を防止する機能を備えたファスナーとして構成されている。
続いて、本発明の実施例について説明する。この実施例においては、(株)構造計画研究所から市販されている建設用構造解析システムMIDAS/Gen(Ver.800)を用いて解析を行った。
このように本実施の形態によれば、絶縁部20を備えることにより壁を介して加振床の振動が対象床へと伝達することを防止できると共に、補強部10を備えることにより柱を介して加振床の振動が対象床へと伝達することに伴う対象床の共振を抑止できるので、加振床から対象床への振動の伝達を従来よりも一層低減することが可能となる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。例えば、本実施の形態に係る建築構造物1によって加振床から対象床へと伝達する振動を低減できていない場合であっても、当該振動の伝達を従来と異なる技術により達成できている場合には、本願発明の課題が解決されている。
発明の詳細な説明や図面で説明した建築構造物1の各部の寸法、形状、比率等は、あくまで例示であり、その他の任意の寸法、形状、比率等とすることができる。
本実施の形態においては、振動階の全領域に渡ってスタジオが設けられているものとして説明したが、これに限られない。例えば、振動階を構成する複数の部屋のうち一部の部屋にスタジオが設けられている場合であっても、当該振動階の床以外の床を対象階として、上記実施の形態と同様の構成を採用することができる。
本実施の形態では、振動数可変手段は、加振床を支持する梁を補強する補強部10であるものとして説明したが、加振床の固有振動数と、対象床の固有振動数とを相互に異ならせることが可能である限りにおいて、これに限定されない。例えば本実施の形態では、加振床にのみ補強部10を設置するものとして説明したが、加振床と対象床の両方に補強部10を設けても良く、具体的には、補強部10によって対象床の固有振動数が9Hzとなるように補強すると共に、補強部10によって加振床の固有振動数が10Hzとなるように補強しても良い。また、補強部10の設置費用は増大する可能性があるが、加振床には補強部10を設けず、加振床以外の床全てに補強部10を設けることによって、加振床の固有振動数と対象床の固有振動数とを相互に異ならせても良い。また、補強部10を設けることなく、加振床を支持する梁のせいを大きくして加振床の固有振動数を大きくすることにより、加振床の固有振動数と対象床の固有振動数とを相互に異ならせても良い。
本実施の形態では、絶縁部20は、加振床と対象床との相互間に上下に連続して介在する一構面分を構成する壁にのみ設けるものとして説明したが、これに限らない。例えば、絶縁部20を、加振床と対象床との相互間に介在する複数構面分を構成する壁に設けても構わない。具体的には、例えば、全ての2階壁2Wと3階梁3Lとの間に絶縁部20を設けても構わない。このような構成によれば、加振床の振動が対象床に伝達する事を一層防止でき、対象床の振動を一層防止することが可能となる。
本実施の形態では、振動階が1つの階(3階)であるものとして説明したが、複数の階に渡って振動階が形成されている場合においても、本実施の形態と同様に対象階の振動を低減することが可能である。この際に各振動階の加振床の固有振動数が相互に異なる値となるように補強部10を設けることにより、加振床同士の共振を防止することも可能である。
付記1の建築構造物は、振動階に存する加振床が振動源により加振されて振動を励起するに伴い、前記振動階と同一建屋の対象階に存する対象床で発生する振動を低減する建築構造物であって、前記加振床の振動が、前記加振床と前記対象床との相互間に位置する壁を介して前記対象床へと伝達することを防止する伝達防止手段と、前記加振床の固有振動数と、前記対象床の固有振動数とを相互に異ならせる振動数可変手段と、を備える。
付記1に記載の建築構造物によれば、伝達防止手段を備えることにより加振床の振動が壁を介して対象床へと伝達することを防止できると共に、振動数可変手段を備えることにより加振床と対象床とが共振することを抑止できるので、対象床の振動を一層低減することが可能となる。
1P〜5P 1階柱〜5階柱
1L〜5L 1階梁〜5階梁
1W〜5W 1階壁〜5階壁
1F〜5F 1階床〜5階床
6L 天井梁
10 補強部
20 絶縁部
21 アングル
21a 水平片
21b 鉛直片
22 アングル
22a 平行片
22b 直交片
23 接続ボルト
23a ワッシャー
23b ナット
24 研磨ステンレス板
25 研磨ステンレス板
26 研磨ステンレス板
30 梁接続部
41 低摩擦材
42 低摩擦材
Claims (2)
- 振動階に存する加振床が振動源により加振されて振動を励起するに伴い、前記振動階と同一建屋の対象階に存する対象床で発生する振動を低減する建築構造物であって、
前記加振床の振動が、前記加振床と前記対象床との相互間に位置する壁を介して前記対象床へと伝達することを防止する伝達防止手段と、
前記加振床の固有振動数と、前記対象床の固有振動数とを相互に異ならせる振動数可変手段と、を備え、
前記振動数可変手段は、前記加振床を支持する梁を補強する補強手段であり、
前記補強手段は、前記加振床を支持する梁のうち最も長い梁を補強する手段であり、
前記最も長い梁と、前記壁のうち前記最も長い梁に隣接する壁との相互間における、前記最も長い梁の長手方向に沿った複数の位置に、伝達防止手段を設けた、
建築構造物。 - 前記伝達防止手段は、前記加振床と、前記加振床と前記対象床との相互間に位置する壁とを少なくとも鉛直方向に沿って相互に摺動可能に接続する摺動手段である、
請求項1に記載の建築構造物。
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