JP6369292B2 - 電解質溶液の精製方法及び電解質溶液の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の第1の実施形態は、少なくともフッ化水素を不純物として含有する、非水溶媒に電解質が溶解した電解質溶液に、精製剤として塩化チオニルを添加し、前記不純物を前記精製剤と反応させる工程と、反応生成物である塩化水素、及びフッ化した前記精製剤と、未反応の前記精製剤と、を除去することにより前記不純物を除去する工程と、を備えることを特徴とする、電解質溶液の精製方法である。
SOCl2+2HF → SOF2+2HCl
また、フッ化チオニルの代わりに、以下の反応式により一塩化一フッ化チオニル(沸点約12℃)が生成する場合もあるが、一塩化一フッ化チオニルは、そのまま反応系の外に出るか、フッ化チオニルに変換されるため、反応生成物は速やかに反応系の外に出て、反応に関与できなくなる。
SOCl2+HF → SOClF+HCl
なお、請求項中のフッ化した精製剤とは、フッ化チオニルや一塩化一フッ化チオニルなどを指す。
SOCl2+(COOH)2 → 2HCl+SO2+CO+CO2
なお、請求項中の精製剤とシュウ酸の反応分解物とは、精製剤とシュウ酸の反応で生成した、二酸化硫黄、一酸化炭素、二酸化炭素などを指す。
(2a)A=Li、Na、K又は四級アルキルアンモニウム、M=P、Y=C、Z=C、p、q及びs=1、r=0
(2b)A=Li、Na、K又は四級アルキルアンモニウム、M=P、W=C(CF3)2、Z=C、p及びq=0、r、s=1
(2c)A=Li、Na、K又は四級アルキルアンモニウム、M=P、W=C(CF3)2、Z=C、p、q及びs=0、r=2
本発明の第2の実施形態は、少なくともフッ化水素を不純物として含有する、非水溶媒に電解質が溶解した電解質溶液に、カルボン酸塩化物、スルホン酸塩化物、スルフィン酸塩化物、ケイ素塩化物、カルボン酸無水物からなる群より選ばれる一つ又はこれらの混合物からなる精製剤を添加し、前記不純物を前記精製剤と、反応生成物を反応系の外に抜き出しながら反応させる工程と、反応生成物である塩化水素及びフッ化した前記精製剤と、未反応の前記精製剤と、を除去することにより前記不純物を除去する工程と、を備えることを特徴とする、電解質溶液の精製方法である。第2の実施形態で精製する電解質溶液としては、第1の実施形態と同様のものを使用できる。
これは、フッ化水素と精製剤との反応が可逆であるため、減圧や不活性ガス導入により、生成した塩化水素やフッ素化した精製剤が系内から連続して除去されることで、逆反応の進行が制限され、精製剤のフッ素化反応を加速させることができるためである。なお、シュウ酸と精製剤の反応は、一酸化炭素、二酸化炭素が発生し系外へ排出される不可逆的な反応であるが、減圧や不活性ガス導入により加速されることはあっても減速されることはない。
CH3COCl+HF → CH3COF+HCl
なお、精製剤として塩化アセチルを使用した場合、請求項中のフッ化した精製剤とは、フッ化アセチルなどを指す。
CH3COCl+(COOH)2 → HCl+CH3COOH+CO+CO2
なお、精製剤として塩化アセチルを使用した場合、請求項中の精製剤とシュウ酸の反応分解物とは、精製剤とシュウ酸の反応で生成した、酢酸、一酸化炭素、二酸化炭素などを指す。
本発明の第3の実施形態は、第1又は第2の実施形態の電解質溶液の精製方法を用いた精製工程を含むことを特徴とする電解質溶液の製造方法である。
Yは炭素原子又は硫黄原子である。Yが炭素原子である場合qは1である。Yが硫黄原子である場合qは1又は2である。
Wは炭素数1〜10のヘテロ原子やハロゲン原子を有していてもよい炭化水素基(炭素数が3以上の場合にあっては、分岐鎖又は環状構造のものも使用できる)、又は−N(R1)−を表す。このとき、R1は水素原子、アルカリ金属、炭素数1〜10のヘテロ原子やハロゲン原子を有していてもよい炭化水素基を表す。炭素数が3以上の場合にあっては、R1は分岐鎖又は環状構造をとることもできる。Zは炭素原子である。pは0又は1、qは0〜2の整数、rは0〜2の整数、sは0又は1をそれぞれ表し、p+r≧1である。
(a)M=P、Y=C、p、q、s=1、r=0 シュウ酸
(b)M=P、W=C(CF3)2、p、q=0、r、s=1 ヘキサフルオロヒドロキシイソ酪酸
(c)M=P、W=C(CF3)2、p、q、s=0、r=2 パーフルオロピナコール
以下の手順にて、少なくともフッ化水素を不純物として含有する、電解質が溶解した溶液として、表1に示した脱遊離酸処理試験に用いる試験液の調製を行った。なお、遊離酸値は酸のモル濃度をHFの質量に換算し、塩(例えば、試験液Aでは(2a−Li))を基準とした値で示した。
非特許文献2に開示された方法に従って、シュウ酸が3分子配位した6配位イオン性錯体であるトリスオキサラトリン酸リチウム(1a−Li)を得た。500mLフッ素樹脂製反応器に電解質として(1a−Li)(30g、99.4mmol)を加え、非水溶媒としてエチルメチルカーボネート(以下EMC)(120mL)を追加して溶解させた後、フッ素化剤としてフッ化水素(以下HF)(11.9g、596.2mmol、6.0モル当量)を添加した。25℃にて24時間攪拌させた後、減圧にて残留するHFの除去と濃縮を行った。析出したシュウ酸をろ過にて取り除いた後に、変換率と選択率をF、P−NMRにて、残留塩素濃度を硝酸銀滴定にて、残留遊離酸濃度を遊離酸滴定により求めた結果、目的とするシュウ酸が2分子配位したジフルオロイオン性錯体(2a−Li)への変換率は71.0%、選択率は95.4%であり、残留塩素濃度と残留遊離酸濃度は、ジフルオロイオン性錯体(2a−Li)を基準としてそれぞれ100質量ppm未満、2000質量ppmであった。
変換率[%] = 目的物モル%
選択率[%] = 変換率/(100−残留原料モル%) ×100
試験液Aを塩濃度約50質量%まで濃縮し、析出した固体をろ過で取り除いた。温度25℃にて攪拌しながら、得られた濃縮液の質量に対して6質量倍のクロロホルムを添加し固体を析出させた。析出した(2a−Li)をろ過にて回収した。ここで回収した(2a−Li)に含まれる遊離酸濃度は、(2a−Li)を基準として20質量ppm未満であった。この(2a−Li)をEMCに溶解させ、25質量%のEMC溶液を調製した。このEMC溶液100gに対してシュウ酸(0.11g、1.3mmol)を添加し、(2a−Li)を基準としてシュウ酸がHF換算で2000質量ppm含まれる試験液Bとした。
試験液Aを塩濃度約50質量%まで濃縮し、析出した固体をろ過で取り除いた。温度25℃にて攪拌しながら、得られた濃縮液の質量に対して6質量倍のクロロホルムを添加し固体を析出させた。析出した(2a−Li)をろ過にて回収した。ここで回収した(2a−Li)に含まれる遊離酸濃度は、(2a−Li)を基準として20質量ppm未満であった。この(2a−Li)をEMCに溶解させ、25質量%のEMC溶液を調製した。このEMC溶液100gに対してHF(0.05g、2.5mmol)を添加し、(2a−Li)を基準としてHFが2000質量ppm含まれる試験液Cとした。
試験液A(100g)を減圧濃縮(50℃、1.3kPa)し、EMCを除去した。残った固体残渣(30g)にジメチルカーボネート(以下DMC)(70g)を添加して塩濃度約25質量%の(2a−Li)/DMC溶液を調製し、遊離酸濃度を測定すると(2a−Li)を基準として1750質量ppmであった。この遊離酸(アニオン側)の内訳をイオンクロマトグラフィーにて測定した結果、フッ化物アニオンとシュウ酸アニオンのモル比は1:3であった。このことから、1750質量ppmの遊離酸は、HF由来が250質量ppm、シュウ酸由来が1500質量ppm(HFに換算)であることが分かった。この(2a−Li)/DMC溶液にHF(0.006g)を添加し、(2a−Li)を基準としてHFが500質量ppm、シュウ酸がHF換算で1500質量ppm含まれる試験液Dとした。
前述の試験液Cの調製手順にて、EMCをDMCに変更することで(2a−Li)を基準としてHFが2000質量ppm含まれる試験液Eを得た。
前述の試験液Dの調製手順にて、DMCをジエチルカーボネート(以下DEC)に変更することで(2a−Li)を基準としてHFが500質量ppm、シュウ酸がHF換算で1500質量ppm含まれる試験液Fを得た。
前述の試験液Cの調製手順にて、EMCをDECに変更することで(2a−Li)を基準としてHFが2000質量ppm含まれる試験液Gを得た。
前述の試験液Dの調製手順にて、DMCをテトラヒドロフラン(以下THF)に変更することで(2a−Li)を基準としてHFが500質量ppm、シュウ酸がHF換算で1500質量ppm含まれる試験液Hを得た。
前述の試験液Cの調製手順にて、EMCをTHFに変更することで(2a−Li)を基準としてHFが2000質量ppm含まれる試験液Iを得た。
前述の試験液Dの調製手順にて、DMCを酢酸エチル(以下AcOEt)に変更することで(2a−Li)を基準としてHFが500質量ppm、シュウ酸がHF換算で1500質量ppm含まれる試験液Jを得た。
前述の試験液Cの調製手順にて、EMCをAcOEtに変更することで(2a−Li)を基準としてHFが2000質量ppm含まれる試験液Kを得た。
前述の試験液Dの調製手順にて、DMCをアセトニトリル(以下CH3CN)に変更することで(2a−Li)を基準としてHFが500質量ppm、シュウ酸がHF換算で1500質量ppm含まれる試験液Lを得た。
前述の試験液Cの調製手順にて、EMCをCH3CNに変更することで(2a−Li)を基準としてHFが2000質量ppm含まれる試験液Mを得た。
非特許文献2に開示された方法に従って、シュウ酸が3分子配位した6配位イオン性錯体であるトリスオキサラトリン酸リチウム(1a−Li)を得た。ダウケミカル製強酸性陽イオン交換樹脂252(以後、イオン交換樹脂)を500g量り取り、0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液(2.5kg)に浸漬させ、25℃で6時間攪拌を行った。ろ過でイオン交換樹脂を回収し、洗液のpHが8以下になるまで純水で充分に洗浄した。その後、12時間の減圧乾燥(120℃、1.3kPa)にて水分を除去した。(1a−Li)(30g、99.4mmol)をEMC(270mL)に溶解させ、そこに150gの乾燥済み前記イオン交換樹脂を加え、25℃にて6時間攪拌を行った。その後、ろ過にてイオン交換樹脂を取り除くことで、カチオンがLi+からNa+へ交換された(1a−Na)/EMC溶液が得られた。イオンクロマトグラフィーにてカチオンの定量を行うと、Na+/Li+の比率は99.4であった。
(1a−Na)/EMC溶液の塩濃度が約20質量%となるまで、減圧濃縮を行った。その後、HF(4.0g、198.7mmol、2.0モル当量)と、トリフルオロメタンスルホン酸(以下TfOH)(0.03g、0.2mmol、0.002モル当量)を添加した。温度25℃にて72時間攪拌させた後、減圧にて残留するHFと添加した酸の除去と濃縮を行った。析出したシュウ酸をろ過にて取り除いた後に、変換率と選択率をF、P−NMRにて、残留塩素濃度を硝酸銀滴定にて、残留遊離酸濃度を遊離酸滴定により求めた結果、目的とするジフルオロイオン性錯体(2a−Na)への変換率は94.8%、選択率は96.0%であり、残留塩素濃度と残留遊離酸濃度は、ジフルオロイオン性錯体(2a−Na)を基準としてそれぞれ100質量ppm未満、2000質量ppmであった。
イオン交換樹脂を500g量り取り、0.1規定の水酸化ナトリウム水溶液(2.5kg)に浸漬させ、25℃で6時間攪拌を行った。ろ過でイオン交換樹脂を回収し、洗液のpHが8以下になるまで純水で充分に洗浄した。その後、12時間の減圧乾燥(120℃、1.3kPa)にて水分を除去した。
試験液Aを塩濃度約50質量%まで濃縮し、析出した固体をろ過で取り除いた。温度25℃にて攪拌しながら、得られた濃縮液の質量に対して6質量倍のクロロホルムを添加し固体を析出させた。析出した(2a−Li)をろ過にて回収した。ここで回収した(2a−Li)に含まれる遊離酸濃度は、(2a−Li)を基準として20質量ppm未満であった。この(2a−Li)(25g、99.4mmol)をEMC(275mL)に溶解させ、そこに150gの乾燥済み前記イオン交換樹脂を加え、25℃にて6時間攪拌を行った。その後、ろ過にてイオン交換樹脂を取り除くことで、カチオンがLi+からNa+へ交換された(2a−Na)/EMC溶液が得られた。イオンクロマトグラフィーにてカチオンの定量を行うと、Na+/Li+の比率は99.3であった。塩濃度約25質量%に調製した後、このEMC溶液100gに対してHF(0.05g、2.5mmol)を添加し、(2a−Na)を基準としてHFが2000質量ppm含まれる試験液Oを得た。
LiPF6(25g)をEMC(75g)に溶解させた後、HF(0.05g、2.5mmol)を添加し、LiPF6を基準としてHFが2000質量ppm含まれる試験液Pとした。
NaPF6(25g)をEMC(75g)に溶解させた後、HF(0.05g、2.5mmol)を添加し、NaPF6を基準としてHFが2000質量ppm含まれる試験液Qとした。
LiBF4(25g)をEMC(75g)に溶解させた後、HF(0.05g、2.5mmol)を添加し、LiBF4を基準としてHFが2000質量ppm含まれる試験液Rとした。
LiFSI(25g)をEMC(75g)に溶解させた後、HF(0.05g、2.5mmol)を添加し、LiFSIを基準としてHFが2000質量ppm含まれる試験液Sとした。
LiDFPI(25g)をEMC(75g)に溶解させた後、HF(0.05g、2.5mmol)を添加し、LiDFPIを基準としてHFが2000質量ppm含まれる試験液Tとした。
通常は、電解液中の遊離酸濃度がフッ化水素換算で200質量ppm程度以下の品質のものが求められている。電解液中にイオン性錯体を数%〜十数%含むことが多いため、このようなフッ化水素濃度を達成するためには、イオン性錯体を含む各試験液は、イオン性錯体を基準にしたフッ化水素濃度で1000質量ppm程度以下にすることが必要である。
試験液A(100g)に対して精製剤として塩化チオニル(0.36g、3.0mmol、HF換算遊離酸2000質量ppmに対して1.2eq.)を添加し、温度25℃にて6時間攪拌を行った。これにより、フッ化水素と塩化チオニルは、反応により揮発性の高い塩化水素、フッ化チオニルに変換された。その後、温度20〜40℃、絶対圧で圧力50〜80kPaにて減圧して反応生成物を除去すると同時に、EMC25gを留去してイオン性錯体を濃縮した。遊離酸濃度を測定した結果、(2a−Li)を基準としたHF換算での値は200質量ppmとなった。
温度を25℃から40℃へ変更した以外は実施例1−1と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度は100質量ppm未満となった。
温度を25℃から40℃へ、攪拌時間を6時間から3時間へ、攪拌中に乾燥窒素ガス(10mL/分)を継続して溶液に吹き込んだ以外は実施例1−1と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度は100質量ppm未満となった。
試験液A(100g)に対して塩化チオニル(0.36g、3.0mmol、HF換算遊離酸2000質量ppmに対して1.2eq.)を添加し、温度40℃、絶対圧で圧力50〜80kPaに減圧して3時間攪拌を行った。窒素にて大気圧に復圧し、EMC5gを加えて初期の試験液重量100gまで戻した。その後、温度20〜40℃、絶対圧で圧力50〜80kPaにて減圧濃縮を行い、EMC25gを留去した。遊離酸濃度を測定した結果、(2a−Li)を基準としたHF換算での値は100質量ppm未満となった。
試験液Bを使用し、攪拌時間を6時間から3時間へ変更した以外は実施例1−2と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度は100質量ppm未満となった。
試験液Cを使用し、攪拌時間を6時間から3時間へ変更した以外は実施例1−2と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度は600質量ppmとなった。
塩化チオニルの添加量を0.59g、5.0mmol(HF換算遊離酸2000質量ppmに対して2.0eq.)へ変更した以外は実施例1−6と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度は200質量ppmとなった。
試験液Cを使用し、塩化チオニルの添加量を0.59g、5.0mmolへ変更した以外は実施例1−4と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度は100質量ppm未満となった。
試験液A(100g)を温度40℃にて、乾燥窒素ガス(10mL/分)を継続して溶液に吹き込みながら3時間攪拌させた。その後、温度20〜40℃にて減圧濃縮を行い、EMC25gを留去した。遊離酸濃度を測定した結果、2000質量ppmであった。
試験液A(100g)を温度40℃にて、容器内の圧力を減圧(50〜80kPa)に保ち3時間攪拌させた。その後、温度20〜40℃にて減圧濃縮を行い、EMC25gを留去した。遊離酸濃度を測定した結果、(2a−Li)を基準としたHF換算での値は1900質量ppmとなった。
フッ化水素を含むがシュウ酸をほとんど含まない試験液C(100g)を温度40℃にて、容器内の圧力を減圧(50〜80kPa)に保ち3時間攪拌させた。その後、温度20〜40℃にて減圧濃縮を行い、EMC25gを留去した。遊離酸濃度を測定した結果、(2a−Li)を基準としたHF換算での値は1700質量ppmとなった。
塩化チオニルの替わりに塩化アセチル(0.24g、3.0mmol、遊離酸に対して1.2eq.)を使用した以外は実施例1−1と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は1300質量ppmとなった。
塩化チオニルの替わりに塩化アセチル(0.39g、5.0mmol、遊離酸に対して2.0eq.)を使用した以外は実施例1−6と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は1100質量ppmとなった。
試験液D(100g)に対して塩化チオニル(0.36g、3.0mmol、HF換算遊離酸2000質量ppmに対して1.2eq.)を添加し、温度40℃、圧力50〜80kPaに減圧して3時間攪拌を行った。窒素にて大気圧に復圧し、操作中に留去されて減少した重量分のDMCを添加して初期の試験液重量100gまで戻した。その後、温度20〜40℃にて減圧濃縮を行い、DMC25gを留去した。遊離酸濃度を測定した結果、(2a−Li)を基準としたHF換算での値は100質量ppm未満となった。
試験液E(100g)に対して塩化チオニル(0.59g、5.0mmol、HF換算遊離酸2000質量ppmに対して2.0eq.)を添加し、温度40℃、圧力50〜80kPaに減圧して3時間攪拌を行った。窒素にて大気圧に復圧し、操作中に留去されて減少した重量分のDMCを添加して初期の試験液重量100gまで戻した。その後、温度20〜40℃にて減圧濃縮を行い、DMC25gを留去した。遊離酸濃度を測定した結果、(2a−Li)を基準としたHF換算での値は100質量ppm未満となった。
使用する試験液をFに、DMCをDECへ変更した以外は実施例2−1と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppm未満となった。
使用する試験液をGに、DMCをDECへ変更した以外は実施例2−2と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppm未満となった。
使用する試験液をHに、DMCをTHFへ変更した以外は実施例2−1と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppm未満となった。
使用する試験液をIに、DMCをTHFへ変更した以外は実施例2−2と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppm未満となった。
使用する試験液をJに、DMCをAcOEtへ変更した以外は実施例2−1と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppm未満となった。
使用する試験液をKに、DMCをAcOEtへ変更した以外は実施例2−2と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppm未満となった。
使用する試験液をLに、DMCをCH3CNへ変更した以外は実施例2−1と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppm未満となった。
使用する試験液をMに、DMCをCH3CNへ変更した以外は実施例2−2と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppmとなった。
使用する試験液をNに変更した以外は実施例1−4と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppm未満となった。
使用する試験液をOに変更した以外は実施例1−8と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppm未満となった。
使用する試験液をPに変更した以外は実施例1−8と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppm未満となった。
使用する試験液をQに変更した以外は実施例1−8と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppm未満となった。
使用する試験液をRに変更した以外は実施例1−8と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppm未満となった。
使用する試験液をSに変更した以外は実施例1−8と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppm未満となった。
使用する試験液をTに変更した以外は実施例1−8と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppm未満となった。
塩化チオニルの替わりに塩化アセチル(0.24g、3.0mmol、遊離酸に対して1.2eq.)を使用した以外は実施例1−4と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppm未満となった。
塩化チオニルの替わりに塩化アセチル(0.39g、5.0mmol、遊離酸に対して2.0eq.)を使用した以外は実施例1−8と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppm未満となった。
塩化チオニルの替わりに塩化オキサリル(0.38g、3.0mmol、遊離酸に対して1.2eq.)を使用した以外は実施例1−4と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppm未満となった。
塩化チオニルの替わりに塩化オキサリル(0.63g、5.0mmol、遊離酸に対して2.0eq.)を使用した以外は実施例1−8と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は150質量ppmとなった。
塩化チオニルの替わりにクロロ蟻酸メチル(0.28g、3.0mmol、遊離酸に対して1.2eq.)を使用した以外は実施例1−4と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppm未満となった。
塩化チオニルの替わりにクロロ蟻酸メチル(0.47g、5.0mmol、遊離酸に対して2.0eq.)を使用した以外は実施例1−8と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppmとなった。
塩化チオニルの替わりに塩化トリフルオロメタンスルホン酸(0.51g、3.0mmol、遊離酸に対して1.2eq.)を使用した以外は実施例1−4と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppm未満となった。
塩化チオニルの替わりに塩化トリフルオロメタンスルホン酸(0.84g、5.0mmol、遊離酸に対して2.0eq.)を使用した以外は実施例1−8と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppmとなった。
塩化チオニルの替わりに塩化メタンスルホン酸(0.34g、3.0mmol、遊離酸に対して1.2eq.)を使用した以外は実施例1−4と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppm未満となった。
塩化チオニルの替わりに塩化メタンスルホン酸(0.57g、5.0mmol、遊離酸に対して2.0eq.)を使用した以外は実施例1−8と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppmとなった。
塩化チオニルの替わりに塩化トリメチルシリル(0.33g、3.0mmol、遊離酸に対して1.2eq.)を使用した以外は実施例1−4と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は1000質量ppmとなった。
塩化チオニルの替わりに塩化トリメチルシリル(0.54g、5.0mmol、遊離酸に対して2.0eq.)を使用した以外は実施例1−8と同じ手順にて処理を行った結果、遊離酸濃度(上記同様のHF換算値)は100質量ppmとなった。
以上の精製剤を塩化チオニルから変更させた検討において、シュウ酸が遊離酸の主成分となる系では、TMSCl以外の精製剤を使用した場合においては残留遊離酸濃度は100質量ppm未満にまで低減できた。(実施例4−1、4−3、4−5、4−7、4−9)それに対して、精製剤がTMSClである実施例4−11の場合は、処理後の遊離酸濃度は1000質量ppmであった。これはTMSClとシュウ酸との反応速度が遅いためである。遊離酸がHFのみからなる場合、AcCl使用では処理後の遊離酸濃度100質量ppm未満を達成できたのに対し、(COCl)2やClCO2Me、TfCl、MsCl、TMSCl使用では100〜150質量ppmとなり、若干ではあるが効果の低下が確認された。
Claims (14)
- 少なくともフッ化水素とシュウ酸を不純物として含有する、非水溶媒に電解質が溶解した電解質溶液に、塩化オキサリル、クロロ蟻酸メチル、クロロ蟻酸エチル、塩化アセチル、トリフルオロ酢酸クロリド、塩化トリフルオロメタンスルホン酸、塩化メタンスルホン酸、塩化チオニルからなる群より選ばれる一つ又はこれらの混合物からなる精製剤を添加し、前記不純物を前記精製剤と反応させる工程と、
反応生成物である塩化水素、フッ化した前記精製剤、及び前記精製剤とシュウ酸の反応分解物と、未反応の前記精製剤と、を除去することにより前記不純物を除去する工程と、
を備えることを特徴とする、電解質溶液の精製方法。 - 少なくともフッ化水素とシュウ酸を不純物として含有する、非水溶媒に電解質が溶解した電解質溶液に、塩化オキサリル、クロロ蟻酸メチル、クロロ蟻酸エチル、塩化アセチル、トリフルオロ酢酸クロリド、塩化トリフルオロメタンスルホン酸、塩化メタンスルホン酸、塩化チオニルからなる群より選ばれる一つ又はこれらの混合物からなる精製剤を添加し、前記不純物を前記精製剤と、反応生成物を反応系の外に抜き出しながら反応させる工程と、
反応生成物である塩化水素、フッ化した前記精製剤、及び前記精製剤とシュウ酸の反応分解物と、未反応の前記精製剤と、を除去することにより前記不純物を除去する工程と、
を備えることを特徴とする、電解質溶液の精製方法。 - 前記反応生成物を反応系の外に抜き出す方法が減圧、又は溶液中への不活性ガス導入であることを特徴とする請求項2に記載の電解質溶液の精製方法。
- 前記反応生成物と、未反応の前記精製剤と、を除去する方法が、減圧、又は溶液中への不活性ガス導入であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解質溶液の精製方法。
- 前記電解質が塩であり、
前記塩のカチオンがリチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、四級アルキルアンモニウムカチオンからなる群より選ばれる一つ又はこれらの混合物からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解質溶液の精製方法。 - 前記電解質が塩であり、
前記塩のアニオンがヘキサフルオロリン酸アニオン、テトラフルオロホウ酸アニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(ジフルオロホスホリル)イミドアニオンからなる群より選ばれる一つ又はこれらの混合物からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解質溶液の精製方法。 - 前記電解質が塩であり、
前記塩がヘキサフルオロリン酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸ナトリウム、ヘキサフルオロリン酸カリウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、テトラフルオロホウ酸カリウム、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム、ビス(フルオロスルホニル)イミドナトリウム、ビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウム、ビス(ジフルオロホスホリル)イミドリチウム、ビス(ジフルオロホスホリル)イミドナトリウム、ビス(ジフルオロホスホリル)イミドカリウム、一般式(2)で示されるジフルオロイオン性錯体(2a)、(2b)、(2c)からなる群より選ばれる一つ又はこれらの混合物からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解質溶液の精製方法。
なお、ジフルオロイオン性錯体(2a)、(2b)、(2c)は、構成する各元素がそれぞれ以下のとおりである一般式(2)で示されるジフルオロイオン性錯体である。
(2a)A=Li、Na、K又は四級アルキルアンモニウム、M=P、Y=C、Z=C、p、q及びs=1、r=0
(2b)A=Li、Na、K又は四級アルキルアンモニウム、M=P、W=C(CF3)2、Z=C、p及びq=0、r及びs=1
(2c)A=Li、Na、K又は四級アルキルアンモニウム、M=P、W=C(CF3)2、Z=C、p、q及びs=0、r=2 - フッ化水素及びシュウ酸と前記精製剤を反応させる温度が、−60℃以上、150℃以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電解質溶液の精製方法。
- 前記反応生成物と前記未反応精製剤を除去する際の温度が−20℃〜120℃であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電解質溶液の精製方法。
- 反応前の溶液中の遊離酸のモル数と前記精製剤のモル数が、1:0.1〜1:10の比の範囲であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の電解質溶液の精製方法。
- 請求項1〜10に記載の電解質溶液の精製方法を用いた精製工程を含むことを特徴とする電解質溶液の製造方法。
- 一般式(1)で示される6配位イオン性錯体(1)を非水溶媒中でフッ素化剤によりフッ素化して、一般式(2)で示されるジフルオロイオン性錯体(2)を製造する工程と、
請求項1又は2に記載の電解質溶液の精製方法を用いた精製工程と、
を含むことを特徴とする、一般式(2)で示されるジフルオロイオン性錯体(2)を含む電解質溶液の製造方法。
一般式(1)、(2)において、A+は金属イオン、プロトン及びオニウムイオンからなる群から選ばれるいずれか1つであり、MはP、As及びSbからなる群から選ばれるいずれか1つである。Fはフッ素原子である。Oは酸素原子である。
Yは炭素原子又は硫黄原子である。Yが炭素原子である場合qは1である。Yが硫黄原子である場合qは1又は2である。
Wは炭素数1〜10のヘテロ原子やハロゲン原子を有していてもよい炭化水素基(炭素数が3以上の場合にあっては、分岐鎖又は環状構造のものも使用できる)、又は−N(R1)−を表す。このとき、R1は水素原子、アルカリ金属、炭素数1〜10のヘテロ原子やハロゲン原子を有していてもよい炭化水素基を表す。炭素数が3以上の場合にあっては、R1は分岐鎖又は環状構造をとることもできる。Zは炭素原子である。pは0又は1、qは0〜2の整数、rは0〜2の整数、sは0又は1をそれぞれ表し、p+r≧1である。 - 前記フッ素化剤が、酸性フッ化カリウム、酸性フッ化ナトリウム、酸性フッ化アンモニウム、フッ化水素過剰の有機アミンフッ化水素塩、フッ化水素からなる群より選ばれる一つ以上であることを特徴とする請求項12に記載の電解質溶液の製造方法。
- フッ素化時に前記フッ素化剤以外の酸又はルイス酸を非水溶媒に添加し、
前記フッ素化剤がフッ化水素であり、前記フッ素化剤以外の酸がトリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸からなる群より選ばれる1つ以上であることを特徴とする請求項12に記載の電解質溶液の製造方法。
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