JP6369425B2 - 積層型電子写真感光体 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態は、積層型電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある)に関する。本実施形態に係る感光体は、感光層を備える。感光体は、感光層として、電荷発生層と電荷輸送層とを備える。
導電性基体は、感光体の導電性基体として用いられる限り、特に限定されない。導電性基体は、少なくとも表面部が導電性を有する材料で形成されていればよい。導電性基体の一例は、導電性を有する材料で形成される導電性基体である。導電性基体の別の例は、導電性を有する材料で被覆される導電性基体である。導電性を有する材料で被覆される導電性基体として具体的には、導電性を有する材料が蒸着又はラミネートされたプラスチック又はガラスが挙げられる。導電性を有する材料としては、例えば、鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮、ヨウ化アルミニウム、アルマイト、酸化スズ又は酸化インジウムが挙げられる。これらの導電性を有する材料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて(例えば、合金として)用いてもよい。
電荷発生層は、電荷発生剤を含有する。電荷発生層は、必要に応じて、電荷発生層用バインダー樹脂(以下、ベース樹脂と記載することがある)及び各種添加剤を含有してもよい。電荷発生層の厚さは、電荷発生層として十分に作用する限り、特に限定されない。電荷発生層の厚さは、具体的には、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましい。
電荷発生剤は、感光体用の電荷発生剤である限り、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、無機光導電材料(例えば、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム又はアモルファスシリコン)の粉末、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料又はキナクリドン系顔料が挙げられる。
CuKα特性X線回折スペクトルの測定方法の一例について説明する。試料(チタニルフタロシアニン)をX線回折装置(例えば、株式会社リガク製「RINT(登録商標)1100」)のサンプルホルダーに充填して、X線管球Cu、管電圧40kV、管電流30mA、かつCuKα特性X線の波長1.542Åの条件で、X線回折スペクトルを測定する。測定範囲(2θ)は、例えば3°以上40°以下(スタート角3°、ストップ角40°)であり、走査速度は、例えば10°/分である。
ベース樹脂は、電荷発生層用の樹脂である限り、特に限定されない。ベース樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂又はポリエステル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂又はその他架橋性の熱硬化性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシアクリレート(エポキシ化合物のアクリル酸付加物)又はウレタン−アクリレート(ウレタン化合物のアクリル酸付加物)が挙げられる。ベース樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂が好適に使用される。ベース樹脂は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
電荷輸送層は、ビフェニル誘導体及びフェナントレン誘導体の何れかと、電荷輸送剤としての正孔輸送剤と、シリカ粒子と、バインダー樹脂とを含有する。電荷輸送層は、必要に応じて、電子アクセプター化合物及び各種添加剤を含有してもよい。電荷輸送層の膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましい。
電荷輸送層は、例えば添加剤として、ビフェニル誘導体及びフェナントレン誘導体の何れかを含有する。ビフェニル誘導体及びフェナントレン誘導体の何れかを含有することにより、感光体の耐オイルクラック性を向上させることができる。また、ビフェニル誘導体及びフェナントレン誘導体の何れかと、後述するシリカ粒子とを併用することにより、製造されてから時間が経過した感光層用塗布液を用いて製造された感光体の耐摩耗性を向上させることができる。その理由は、ビフェニル誘導体又はフェナントレン誘導体が感光層用塗布液中でのシリカ粒子の分散を助け、シリカ粒子の凝集を抑制するためと推測される。
電荷輸送剤としての正孔輸送剤は、アリールアミン構造を有する化合物であることが好ましい。正孔輸送剤の例としては、下記一般式(I)〜(IV)で表される化合物が挙げられる。以下、一般式(I)〜(IV)で表される化合物を化合物(I)〜(IV)と記載することがある。電荷輸送層に化合物(I)〜(IV)が含有されることにより、感光体の電気特性が向上する(特に、残留電位が抑制される)傾向がある。その理由は、次のように推測される。電荷輸送層に正孔輸送剤として化合物(I)〜(IV)が含有されると、正孔輸送剤と電荷発生剤との間における正孔の授受に必要なエネルギーギャップが小さくなる傾向がある。これにより、正孔の輸送効率が向上すると考えられる。特に、電荷発生層と電荷輸送層との界面における正孔の輸送効率を向上できると考えられる。また、正孔輸送剤として化合物(I)〜(IV)が含有されると、感光層を形成する際に使用される溶剤への正孔輸送剤の溶解性が向上すると考えられる。その結果、感光体の電気特性を向上させることができる。
電荷輸送層はシリカ粒子を含有する。電荷輸送層がシリカ粒子を含有することにより、感光体の耐摩耗性を向上させることができる。また、シリカ粒子には、表面処理が容易であり、製造コストに優れ、粒径の調製が容易であるという利点もある。更に、既に述べたように、ビフェニル誘導体及びフェナントレン誘導体の何れかと、シリカ粒子とを併用することにより、製造されてから時間が経過した感光層用塗布液を用いて製造された感光体の耐摩耗性を向上させることができる。
バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂の例としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂又はポリエーテル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂の例としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂又はメラミン樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂の例としては、エポキシアクリレート(エポキシ化合物のアクリル酸付加物)又はウレタン−アクリレート(ウレタン化合物のアクリル酸付加物)が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
電荷輸送層は、必要に応じて、電子アクセプター化合物を含有してもよい。電子アクセプター化合物としては、例えば、キノン誘導体、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、トリニトロチオキサントン誘導体、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体、ジニトロアントラセン誘導体、ジニトロアクリジン誘導体、ニトロアントラキノン誘導体、ジニトロアントラキノン誘導体、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、無水コハク酸、無水マレイン酸又はジブロモ無水マレイン酸が挙げられる。これらの電子アクセプター化合物は、1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
電荷発生層、電荷輸送層、及び中間層のうちの少なくとも一つは、必要に応じて、既に述べたビフェニル誘導体及びフェナントレン誘導体以外の別の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、劣化防止剤(例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、1重項クエンチャー、又は紫外線吸収剤)、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー、界面活性剤、又はレベリング剤が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、チオエーテル系化合物又はホスファイト系化合物が挙げられる。これらの酸化防止剤の中でも、ヒンダードフェノール系化合物又はヒンダードアミン系化合物が好ましい。
感光体は、中間層(例えば、下引き層)を有してもよい。感光体において、中間層は、導電性基体と電荷発生層との間に介在する。中間層は、例えば、無機粒子及び中間層に用いられる樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層を介在させると、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、電気抵抗の上昇を抑えることができる。
感光体の製造方法の一例について説明する。感光体の製造方法は、例えば、感光層形成工程を有する。感光層形成工程は、電荷発生層形成工程と電荷輸送層形成工程とを有する。
電荷発生層形成工程では、例えば、電荷発生層用塗布液を調製する。電荷発生層用塗布液を導電性基体上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した電荷発生層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷発生層を形成する。電荷発生層用塗布液は、電荷発生剤と、溶剤とを含む。電荷発生層用塗布液は、電荷発生剤を溶剤に溶解又は分散させることにより調製される。電荷発生層用塗布液には、必要に応じてベース樹脂又は各種添加剤を加えてもよい。
電荷輸送層形成工程では、電荷輸送層用塗布液を調製する。電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した電荷輸送層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷輸送層を形成する。電荷輸送層用塗布液は、ビフェニル誘導体及びフェナントレン誘導体の何れかと、シリカ粒子と、電荷輸送剤としての正孔輸送剤と、バインダー樹脂と、溶剤とを含む。電荷輸送層用塗布液は、ビフェニル誘導体及びフェナントレン誘導体の何れかと、シリカ粒子と、電荷輸送剤としての正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを、溶剤に溶解又は分散させることにより調製される。電荷輸送層形成用塗布液には、必要に応じて電子アクセプター化合物又は各種添加剤を加えてもよい。
積層型感光体の電荷発生層及び電荷輸送層を形成するための材料として、以下の電荷発生剤、電荷輸送剤(正孔輸送剤)、バインダー樹脂、添加剤及びシリカ粒子を準備した。
電荷発生剤として、化合物(CGM−2Y)を準備した。化合物(CGM−2Y)は実施形態で述べた化学式(CGM−2)で表されるチタニルフタロシアニンであった。更に化合物(CGM−2Y)は、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°の27.2°に1つのピークを有していた。
電荷輸送剤(正孔輸送剤)として、実施形態で述べた化合物(CTM−1)〜(CTM−12)を準備した。
バインダー樹脂として、ポリカーボネート樹脂(Resin−1a)、(Resin−1b)、(Resin−1c)、(Resin−2a)及び(Resin−3a)を準備した。ポリカーボネート樹脂(Resin−1a)は、実施形態で述べた化学式(Resin−1)で表される繰り返し単位から形成され、粘度平均分子量は51,000であった。ポリカーボネート樹脂(Resin−1b)は、実施形態で述べた化学式(Resin−1)で表される繰り返し単位から形成され、粘度平均分子量は40,000であった。ポリカーボネート樹脂(Resin−1c)は、実施形態で述べた化学式(Resin−1)で表される繰り返し単位から形成され、粘度平均分子量は32,500であった。ポリカーボネート樹脂(Resin−2a)は、実施形態で述べた化学式(Resin−2)で表される繰り返し単位から形成され、粘度平均分子量は50,500であった。ポリカーボネート樹脂(Resin−3a)は、実施形態で述べた化学式(Resin−3)で表される樹脂であり、粘度平均分子量は50,000であった。
添加剤として、実施形態で述べた化合物(ADD−1)〜(ADD−8)を準備した。また、下記化学式(ADD−9)〜(ADD−11)で表される化合物(以下、化合物(ADD−9)〜(ADD−11)と記載することがある)も準備した。
シリカ粒子として、下記のシリカ粒子S1〜S7を準備した。シリカ粒子S1〜S7の平均一次粒径は、実施形態で述べたN2吸着等温線を測定する方法により測定した。
シリカ粒子S1:ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理されたシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「VP RX40S」、平均一次粒径80nm)。
シリカ粒子S2:ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理されたシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)NAX50」、平均一次粒径50nm)。
シリカ粒子S3:ジメチルジクロロシラン(DMDCS)で表面処理されたシリカ粒子(試作品、平均一次粒径80nm)。
シリカ粒子S4:ポリジメチルシロキサン(PDMS)で表面処理されたシリカ粒子(試作品、平均一次粒径80nm)。
シリカ粒子S5:ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理されたシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「アエロジル(登録商標)RX300」、平均一次粒径7nm)
シリカ粒子S6:ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理されたシリカ粒子(試作品、平均一次粒径170nm)。
シリカ粒子S7:ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理されたシリカ粒子(試作品、平均一次粒径145nm)。
以下のようにして、感光体A−1〜A−31及びB−1〜B−10を製造した。
始めに、表面処理された酸化チタン(テイカ株式会社製「試作品SMT−A」、数平均一次粒径10nm)を準備した。この表面処理された酸化チタンは、以下のように調製された。酸化チタンをアルミナとシリカとを用いて表面処理した。アルミナとシリカとで表面処理された酸化チタンを、湿式分散しながらメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いて更に表面処理した。
以下の点を変更した以外は、感光体A−1の製造と同様の方法で、感光体A−2〜A−31及びB−1〜B−10を各々製造した。感光体A−1の製造に用いた電荷輸送剤としての化合物(CTM−1)を、表1〜表3に示す種類の電荷輸送剤に変更した。感光体A−1の製造に用いたバインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(Resin−1a)を、表1〜表3に示す種類のバインダー樹脂に変更した。感光体A−1の製造に用いた添加剤としての化合物(ADD−1)を、表1〜表3に示す種類の添加剤に変更した。感光体A−1の製造に用いたシリカ粒子(S1)を、表1〜表3に示す種類のシリカ粒子に変更した。シリカ粒子の含有量(添加量)を、感光体A−1の製造における5質量部から、表1〜表3に示す含有量に変更した。
感光体A−1〜A−31及びB−1〜B−10の各々に対して、電気特性を評価した。詳しくは、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、感光体の回転速度31rpmで、感光体の表面電位が−800Vになるように帯電させた。続けて、ハロゲンランプの光からバンドパスフィルターを用いて単色光(露光波長780nm、露光量1.0μJ/cm2)を取り出した。取り出された単色光を感光体の表面に照射した。単色光の照射後、50ミリ秒が経過した時の感光体の表面電位を測定した。測定された感光体の表面電位を残留電位(VL)とした。測定環境は、温度23℃、かつ湿度50%RHとした。測定された残留電位(VL)を、表1〜表3に示す。残留電位(VL)の絶対値が小さい程、感光体の電気特性が優れていることを示す。
感光体A−1〜A−31及びB−1〜B−10の各々に対して、耐オイルクラック性を評価した。詳しくは、感光体の表面に指を圧接し、指油を付着させた。指油を付着させた感光体を、温度23℃、湿度50%RHの環境下で48時間放置した。48時間経過後、感光体の表面の指油を付着させた部分を、肉眼で観察した。また、感光体の表面の指油を付着させた部分を、顕微鏡用デジタルカメラ(オリンパス株式会社製「DP20」)を備える光学顕微鏡(株式会社ニコン製)を用いて、倍率50倍で観察した。これにより、感光体の表面のオイルクラックの有無を確認した。確認結果に基づき、下記基準に従って、感光体の耐オイルクラック性を評価した。感光体の耐オイルクラック性の評価結果を表1〜表3に示す。評価A、B及びCである感光体を、感光体の耐オイルクラック性が良好であると評価した。
評価A:肉眼観察でも光学顕微鏡観察でもオイルクラックが確認されなかった。
評価B:肉眼観察ではオイルクラックが確認されなかった。しかし、光学顕微鏡観察ではオイルクラックが1ヶ所以上確認された。
評価C:肉眼観察でオイルクラックが1ヶ所以上5ヶ所以下確認された。
評価D:肉眼観察でオイルクラックが6ヶ所以上確認された。
感光体A−1〜A−31及びB−1〜B−10の各々に対して、耐摩耗性を評価した。詳しくは、各感光体の製造で使用した電荷輸送層用塗布液を、アルミパイプ(直径78mm)に巻きつけたポリプロピレンシート(厚さ0.3mm)に塗布した。ポリプロピレンシートに塗布された電荷輸送層用塗布液を、120℃で40分乾燥させた。これにより、ポリプロピレンシート上に評価用シート(厚さ30μm)が形成された。続けて、ポリプロピレンシートから評価用シートを剥離した。そして、剥離された評価用シートをウィール(テーバー社製「S−36」)に貼り付けて、試験片を得た。
感光体A−1〜A−31及びB−1〜B−10の各々に対して、製造されてから時間が経過した感光層用塗布液(電荷輸送層用塗布液)を用いて製造された感光体の耐摩耗性(以下、液ライフ後の感光体の耐摩耗性と記載することがある)を評価した。詳しくは、各感光体の製造で使用した電荷輸送層用塗布液を、ロールミルを用いて加速的に劣化させた。これにより、30日液ライフ後の評価用塗布液(製造されてから約30日経過した状態の評価用塗布液)を得た。液ライフ後の評価用塗布液を用いて、既に述べた耐摩耗性評価と同様の摩耗試験を行い、摩耗減量を測定した。測定環境は、温度23℃かつ湿度50%RHであった。得られた摩耗減量(液ライフ後)を表1〜表3に示す。液ライフ後の摩耗減量が7.0mg以下である感光体を、液ライフ後の感光体の耐摩耗性が良好であると評価した。
11 導電性基体
12 感光層
13 電荷発生層
14 電荷輸送層
15 中間層
Claims (5)
- 感光層を備える積層型電子写真感光体であって、
前記感光層として、電荷発生剤を含有する電荷発生層と、電荷輸送層とを備え、
前記電荷輸送層は一層であり、前記電荷輸送層は最表面層として配置され、
前記電荷輸送層は、ビフェニル誘導体及びフェナントレン誘導体の何れかと、シリカ粒子と、電荷輸送剤と、バインダー樹脂とを含有し、
前記シリカ粒子の含有量は、前記バインダー樹脂100質量部に対して0.5質量部以上15質量部以下であり、
前記シリカ粒子の平均一次粒径は、50nm以上150nm以下であり、
前記ビフェニル誘導体は、下記化学式(ADD−1)、(ADD−2)、(ADD−3)、(ADD−5)、(ADD−6)、(ADD−7)又は(ADD−8)で表される化合物であり、
前記フェナントレン誘導体は、下記化学式(ADD−4)で表される化合物であり、
前記電荷輸送剤は、下記化学式(CTM−2)、(CTM−3)、(CTM−4)又は(CTM−10)で表される化合物である、積層型電子写真感光体。
- 前記シリカ粒子の平均一次粒径は、50nm以上80nm以下である、請求項1に記載の積層型電子写真感光体。
- 前記シリカ粒子の表面は、ヘキサメチルジシラザンで処理されている、請求項1又は2に記載の積層型電子写真感光体。
- 前記バインダー樹脂の粘度平均分子量は、40000以上である、請求項1〜3の何れか1項に記載の積層型電子写真感光体。
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