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JP6375615B2 - 印刷用凸版及び印刷物の製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、高精細パターンを印刷法により作製するための印刷用凸版、およびそれを用いて電子デバイスなどを作製するプリンテッドエレクトロニクスに係る印刷物の製造方法に関する。
一般に、プリンテッドエレクトロニクス(Printed Electronics)とは、プリンティング(印刷)技術を活用し、電子回路又はセンサー或いは素子などを製造することを意味している。これまでは「将来はプリンティング法で可能になるであろう」との観点から、プリンタブルエレクトロニクス(Printable Electronics)といわれていた。
しかし、最近では、「技術的には可能になっている」との観点から、プリンテッドエレクトロニクスといわれるようになっている。
現在、ほとんどの半導体及びディスプレイ並び電子製品は、フォトリソグラフィー技術を用いて、電子回路の微細パターンが作製(パターニング)されている。シリコン半導体では、価格競争力を高めるために、大面積シリコンウェハー上に多数の半導体チップを作り込む方法が採用されている。
しかし、この方法では安価な製品の製造に限界があり、しかも、大面積化を目指すエレクトロニクス製品の製造においては、フォトリソグラフィー技術を用いた作製法のままでは、製造コストを抑えることが困難になっている。
プリンテッドエレクトロニクス技術では、半導体及びディスプレイ並び電子製品をプリンティングにより生産することで、通常の半導体製造プロセスで用いられる露光及びエッチングなどを必要としないため、化学物質の使用量減少が期待でき、地球環境にやさしい製造プロセスとしても注目されている。
プリンテッドエレクトロニクスの一例として、以下に、有機EL素子の製造方法について説明する。
有機EL素子は、2つの対向する電極の間に有機発光材料からなる有機発光層を形成し、有機発光層に電流を流すことで発光させるものであるが、効率良く発光させるには発光層の膜厚が重要であり、100nm程度の薄膜にする必要がある。さらに、これをディスプレイ化するには高精細にパターニングする必要がある。
有機発光材料には、低分子材料と高分子材料があり、一般に低分子材料は抵抗加熱蒸着法等により薄膜形成し、このときに微細パターンのマスクを用いてパターニングするが、この方法では基板が大型化すればするほどパターニング精度が出にくいという問題がある。
そこで、最近では有機発光材料に高分子材料を用い、有機発光材料を溶剤に溶かして塗工液にし、これをウェットコーティング法で薄膜形成する方法が試みられるようになっている。薄膜形成するためのウェットコーティング法としては、スピンコート法、バーコート法、突出コート法、ディップコート法等があるが、高精細にパターニングしたり、RGB3色に塗り分けしたりするためには、これらのウェットコーティング法では難しく、塗り分けパターニングを得意とする印刷法による薄膜形成が最も有効であると考えられる。
さらに、各種印刷法の中でも、有機EL素子やディスプレイでは、基板としてガラス基
板を用いることが多いため、グラビア印刷法等のように金属製の印刷版等の硬い版を用いる方法は不向きであり、弾性を有するゴム版を用いたオフセット印刷法や、ゴムやその他の樹脂を主成分とした感光性樹脂版を用いる凸版印刷法が適正である。実際に、これらの印刷法の試みとして、オフセット印刷による方法(例えば、特許文献1参照)、凸版印刷による方法(例えば、特許文献2参照)などが提唱されている。
有機EL素子における有機発光層のパターンは、携帯電話などの小型ディスプレイの場合、例えば、対角2インチで主流のQVGA(320×240画素)では、画素ピッチは120μm、各色要素のサブピクセルの幅は40μmとなる。このような高精細なディスプレイの素子を凸版印刷法により形成しようとした場合、5μm以下という非常に高い印刷パターンの精度が要求される。
また、有機発光材料は、形成される層の膜厚や、印刷工程中の版材からの溶出物や、異物によって、電気及び光学特性が変わってしまうため、異物や溶出物の少ない版材が要求される。
しかし、例えば、上記QVGAの画素サイズのディスプレイを製作するためには、サブピクセル当たり約40μmピッチのラインとスペースが必要となる。そのため、製版直後の版表面の印刷パターンに異物が付着すると、パターンの欠陥が生じ、隣り合う有機発光層が混ざり、混色などの印刷不良や膜厚のバラツキなどの転写不良を発生させてしまう。さらに、一般的な製版方法では現像後に乾燥と後露光工程を行うので、異物が付着する可能性が高くなる。
このような高精度が要求される精細パターンの印刷用凸版では、従来の商用での印刷用凸版の製版方法では問題にならなかった異物サイズでも問題になるケースが出てきた。
また、有機発光材料をインキ化する際に、さまざまな有機溶剤を使用するため、耐溶剤性のある印刷版も求められるようになっている。
このような版の印刷パターン精度、転写不良等といった印刷不良の問題は、精細なパターン形成を必要とするプリンテッドエレクトロニクス、例えば、カラーフィルタ、回路基材、薄膜トランジスタ、マイクロレンズ、バイオチップ等においても同様である。
特開2001−093668号公報 特開2001−155858号公報
有機ELディスプレイを始めとした凸版印刷を用いるプリンテッドエレクトロニクスにおいて、膜厚が均一で高精細パターンを形成するために用いる凸版では、版表面のパターン上のどんなに小さな異物でも印刷不良や転写不良を引き起こす可能性がある。
そこで、本発明は、版表面に付着する異物による印刷欠陥と版材からの溶出とを防ぎ、版上インキの転写ムラを防ぐことにより、高精細パターンを膜厚が均一で高精細に印刷できることを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、印刷パターンに対応するドット状または、ストライプ状の周期的な凸部が形成された印刷用凸版であって、該凸版は基材の一方の面に接着層、耐溶剤層、感光性樹脂層を順次積層して構成され、該凸部の少なくとも頂面には、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体の芳香族アミンを含むポリマー、シロキサン架橋剤を含むポリビフェノール、ポリスチレンから選択される1種または2種以上を含む材料で構成された保護層が形成されていることを特徴とする印刷用凸版である。
本発明の請求項1に係る発明は、印刷パターンに対応するドット状または、ストライプ状の周期的な凸部が形成された印刷用凸版であって、該凸版は基材の一方の面に接着層、耐溶剤層、感光性樹脂層を順次積層して構成され、該凸部の少なくとも頂面には、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体の芳香族アミンを含むポリマー、シロキサン架橋剤を含むポリビフェノール、ポリスチレンから選択される1種または2種以上を含む材料で構成された保護層が形成されているので、使用する塗工インキの溶媒に対しての耐溶媒性、版材溶け込みによる特性劣化、版由来の異物の混入を防ぐことができる。さらには、印刷する塗工インキの中で、架橋性のある材料を成膜することによって、版由来の異物及び、インキ溶媒による版材の溶け込みを防ぎ、印刷する塗工インキとの親液性を高めることで、版上の根雪形成を安定させることが可能で、版上のインキの転写不良による膜厚バラツキや、発光ムラを低減できる。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記保護層は、塗工インキに対して、該保護層のない前記凸部の頂面よりも親和性があり、塗工インキの接触角が該保護層のない前記凸部の頂面よりも、5度以上小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の印刷用凸版である。
本発明の請求項3に係る発明は、前記保護層は、塗工インキに対して、該保護層のない前記凸部の頂面よりも親和性があり、塗工インキの接触角が該保護層のない前記凸部の頂面よりも、5度以上小さいので、インキ転移量がより一層均一なものになって、印刷で形成される層の厚さのバラツキをより著しく低減でき、このため、例えば、有機EL素子の異常発光画素数を激減できる。
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記保護層の層厚は、10nm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の印刷用凸版である。
本発明の請求項4に係る発明は、前記保護層の層厚は、10nm以上10μm以下であるので、凸部の頂面を完全に皮膜して、異物や衝撃による凸パターンのダメージ保護が行え、しかも、凸パターンの形状がボケることがない。
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記保護層の下の層は感光性樹脂層であり、該感光性樹脂層の厚みは、該保護層の厚みを含めて、20μm以上、100μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の印刷用凸版である。
本発明の請求項5に係る発明は、前記保護層の下の層は感光性樹脂層であり、該感光性樹脂層の厚みは、該保護層の厚みを含めて、20μm以上、100μm以下であるので、被印刷基材がガラスや金属といった硬度の高い素材のときでも、被印刷基材や被印刷基材上にあるパターンが傷つかず、しかも、また、印刷用凸版の基材と感光性樹脂層の界面近傍または感光性樹脂層において力学的な変形や破壊が発生することなく、また溶剤による感光性樹脂層の膨潤の度合いが小さい。
また、本発明の請求項6に係る発明は、請求項1から5までのいずれかに記載の印刷用凸版を用いる印刷機で製造することを特徴とする印刷物の製造方法である。
本発明の請求項6に係る発明は、請求項1から5までのいずれかに記載の印刷用凸版を用いる印刷機で製造するので、欠陥が極めて少ない高品質のプリンテッドエレクトロニクスを実現できる。
以上、本発明は、版表面に付着する異物による印刷欠陥と版材からの溶出とを防ぎ、版上インキの転写ムラを防ぐことにより、高精細パターンを膜厚が均一で高精細に印刷できるという効果がある。
従来の印刷用凸版について、(a)はパターニング前の版基材、(b)はパターニング後の従来の印刷用凸版の構成を示す断面概略図。 本発明の印刷用凸版について、(a)は凸部上のみに保護層が成膜された印刷用凸版、(b)は版全体に保護層が成膜された印刷用凸版の構成を示す断面概略図。 本発明の印刷用凸版を用いて印刷物を製造する印刷物製造装置(印刷機)の構成を概略的に示す斜視図。 本発明の印刷用凸版を用いて製造された有機EL素子の構成を模式的に示す断面概要図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は、ディスプレイの表示画面を製造するプリンテッドエレクトロニクスとして好適に利用できる。プリンテッドエレクトロニクスとしては、例えば、有機EL素子、有機トランジスタの製造を例示することができる。また、本発明の利用はこれらに限定されるものではない。
本発明の実施の形態に係る印刷用凸版は、図2(a)及び図2(b)に示すように、図1(b)に示す従来の印刷用凸版の少なくとも感光性樹脂層104上に保護層205を設けたものである。そこで、まず、従来の印刷用凸版について説明する。
図1は、従来の印刷用凸版と、この従来の印刷用凸版の版基材との構成を模式的に示すもので、図1(a)は製版(凸パターン形成)前の版基材の構成の断面概略図であり、図1(b)は製版後の従来の印刷用凸版の断面概略図を示す。図1(a)に示すように、従来の印刷用凸版の版基材は、基材101の一方の面に接着層102、耐溶剤層103、感光性樹脂層104を順次積層した構成からなる。そして図1(b)に示す従来の印刷用凸版は、感光性樹脂層104をフォトリソグラフィー法によりパターン形成して得られる。
前記基材101としては、金属や樹脂フィルムを用いることができる。金属を用いることにより、基材101全体が塗工液中の溶剤に対し膨潤することがないため、寸法安定性の良い版として好適に用いることができる。使用される金属としては、Fe、Ni、Cu、Znなどをあげることができる。また、ステンレスといったこれら金属の合金であってもよい。
樹脂フィルムを用いる場合は、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムを挙げることができる。
前記接着層102は、耐溶剤層103と基材101との接着性を高めることを目的とした層であるため、耐水性で金属との接着性が良い樹脂材であれば特に限定されないが、これらの条件を満たす樹脂としてエポキシ系、ポリエステルウレタン系の熱硬化性樹脂が好ましい。
前記耐溶剤層103は、接着層102を保護することを目的とした層であるため、耐溶剤性と接着性の両方を持ち合わせた樹脂材であれば特に限定されないが、これらの条件を満たす樹脂として、接着層102の樹脂材に感光性樹脂層104の主成分と同一のものを添加した樹脂が好ましい。耐溶剤性を持ちつつ感光性樹脂層104との界面の相溶性が向上して接着性を高めることができる。
前記感光性樹脂層104は、使用するインキに対する耐溶剤性があればよく、ニトリルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムなどのゴムの他に、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコールなどの合成樹脂やそれらの共重合体、セルロースなどの天然高分子などや、フッ素系エラストマーやポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ六フッ化ビニリデンやそれらの共重合体といったフッ素系樹脂から1種類以上を選択することができるが、加工の容易さといった点から、感光性樹脂を用いることが望ましい。
塗工液として有機溶剤を用いている場合には、水現像タイプの感光性樹脂が有機溶剤への耐性も高く好適である。水現像タイプの感光性樹脂としては公知のもので構わないが、例えば、親水性のポリマーと不飽和結合を含むモノマーと光重合開始材を構成要素とするタイプが挙げられる。このタイプでは親水性ポリマーとしてポリアミド、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体を用いることができる。
また、不飽和結合を含むモノマーとしては、例えば、ビニル結合を有するメタクリレート類を用いることができ、光重合開始剤としては、例えば、芳香族カルボニル化合物を用いることができる。中でも、印刷適性の面からポリアミド系の水現像タイプの感光性樹脂が適している。
また、感光性樹脂層104の厚みは、保護層205の厚みも含めて、20μm以上100μm以下であることが好ましい。厚みが20μm未満の場合、被印刷基材がガラスや金属といった硬度の高い素材のときに、被印刷基材や被印刷基材上にあるパターンが傷つくことがある。また、厚みが100μmを超える場合、基材101と感光性樹脂層104の界面近傍または感光性樹脂層104において力学的な変形や破壊が発生し、また溶剤による感光性樹脂層104の膨潤の度合いが大きくなってしまう。
図2は本発明の実施の形態に係る印刷用凸版の構成を模式的に示す説明図である。図2(a)はフォトリソグラフィー法により凸パターンを形成した直後に、保護層205を凸部上のみに設けた印刷用凸版の断面概略図を示す。また、図2(b)は、保護層205が版上全体に設けられた印刷用凸版の断面概略図を示す。インキ量が多く、版底(凹部)へのインキの流れこみが懸念される場合は、図2(a)のように凸部のみに保護層205が凸パターン化されるのが望ましいが、インキ量が版底(凹部)へのインキの流れこみの懸念がない場合は、作成工程も簡略化できる図2(b)のように、印刷用凸版を形成しても良い。
前記保護層205は、凸版印刷法で架橋性基を含む架橋性の膜を形成する前に、耐溶剤層103よりも上の層に、この膜を成膜するのに用いられる塗工インキと同じ有機材料で成膜するため、保護層205より下の層の熱の影響を考慮すると、光架橋性が望ましいが、これに限定しない。
また、ここに記す架橋性基とは、公知の不飽和二重結合やエポキシ基、オキタセン等の熱、光、酸、電子線等により「架橋性能を有する部分」を有する基を意味する。
保護層205に用いる材料としては、高分子有機EL素子を印刷する場合は、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などの、芳香族アミンを含むポリマーなどが挙げられる。
有機TFTのゲート絶縁膜を印刷する場合は、シロキサン架橋剤を含むポリビフェノールや、ポリスチレンなどが挙げられるが、これに限定しない。
この保護層205は、現像工程後から印刷で版を使用開始するまでの間で発生し、付着する異物や衝撃による凸パターンのダメージ保護を目的のひとつとしているため、保護層の膜厚は10nm以上10μm以下が好ましい。10nm以下の場合は、感光性樹脂層104の表面粗さが10nm程度であるため、完全に被覆しきれない。異物などによる傷付きを保護することができず、また、10μm以上では凸パターンを十分保護することができるが、凸パターンの形状がボケ、高精細度の印刷においては、線幅の太りの影響や、一度の成膜で薄膜しか形成できない場合は、複数回成膜が必要となるためコストも時間もかかる。
また、保護層205は、塗工インキとの親和性を高め、版上のインキ転移量を均一にすることを目的としているため、保護層上の接触角は、保護層なしに比べて、接触角が5度以上小さいことが好ましい。差が5度以下の場合は、親和性の差がほとんど現れないため、インキ転移量を均一にする効果が期待できない。
本発明の実施の形態に係る印刷用凸版の作成方法としては、フォトマスクを用いて樹脂版材の感光性樹脂層をパターン露光し樹脂を硬化させ、未硬化部分の樹脂を洗い流し現像する。現像後に乾燥、後露光を行い、所定パターンのレリーフを形成するフォトリソグラフィー法や、レーザーアブレーションや切削加工で形成するといった、公知の方法を用いることができるが、その方法の容易さから、感光性樹脂によるフォトリソグラフィー法を用いることが望ましい。
また、本発明の実施の形態に係る印刷用凸版の作成方法では、現像工程後に、保護層205を形成した。
凸部に保護層205を形成する場合は、凸版印刷法により凸部のみに成膜し、熱架橋あるいは、光架橋する方法や、スピンコート法、スプレー法、また直接塗工としてダイコート法、といった塗工法で均一に膜を形成したのち、フォトリソグラフィー法や、レーザーアブレーションや切削加工で、選択的に形成することができる。
次に、本発明の実施の形態に係る印刷用凸版を用いた印刷物の製造方法について説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係る印刷用凸版を用いた印刷物製造装置(印刷機)の構成を概略的に示すものである。例えば、図3のように、インキ補充装置306から通液部307を通過して印刷用凸版301へのインキング装置であるアニロックスロール303へ塗工液の補充を行い、アニロックスロール303に補充された塗工液のうち余剰なものはドクタ装置(図示せず)により除去する。
なお、インキ補充装置306には、滴下型の補充装置の他に、ファウンテンロールやス
リットコーター、ダイコータ、キャップコータなどのコータやそれらを組み合わせたものなどを用いることもできる。ドクタ装置には、ドクターロールの他にドクターブレードを用いることもできる。
ドクタ装置により余剰な塗工液が除去された後、本発明の実施の形態に係る印刷用凸版301へのインキングを行う。版胴302の側面部分に取付けられた状態の印刷用凸版301へインキングされた塗工液は、定盤304上の被印刷基材305へ印刷される。なお、被印刷基材305の材質は問わないが、例えば、紙、プラスチックフィルム、ガラス、金属等を挙げることができる。被印刷基材305へ印刷された塗工液は必要に応じて乾燥することにより印刷物を形成する。
次に、本発明の実施の形態に係る印刷用凸版を用いた印刷物の製造方法の一例として、有機EL素子の製造方法について説明するが、本発明はこれに限るものではない。
まず、図4の有機EL素子の断面概要図を用いて、有機EL素子の構成の説明をする。なお、有機EL素子の駆動方法としては、パッシブマトリックス方式とアクティブマトリックス方式があるが、本発明の実施の形態に係る印刷用凸版を用いる製造方法では、パッシブマトリックス方式およびアクティブマトリックス方式のどちらにも適用可能である。
パッシブマトリックス方式とはストライプ状の電極を直交させるように対向させ、その交点を発光させる方式であるのに対し、アクティブマトリックス方式は画素毎にトランジスタを形成した、いわゆる薄膜トランジスタ(TFT)基板を用いることにより、画素毎に独立して発光する方式である。
図4に示すように、本発明により製造される有機EL素子は、基板401の上に、陽極としてストライプ状に第一電極402を有している。隔壁403は第一電極間に設けられ、第一電極端部のバリ等によるショートを防ぐことを目的として第一電極402端部を覆うことが好ましい。
そして、本発明により製造される有機EL素子は、第一電極402上であって、隔壁403で区画された領域(発光領域L、画素部)に有機発光層及び発光補助層からなる有機EL層を有している。電極間に挟まれる有機EL層は、有機発光層単独から構成されたものであってもよいし、有機発光層と発光補助層との積層構造から構成されたものでもよい。発光補助層としては正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層、電荷発生層が挙げられる。図4では、有機EL層として、発光補助層である正孔注入層404、インターレイヤー405と有機発光層406との積層構造からなる構成を示している。
次に、有機発光層406上に陽極である第一電極402と対向するように陰極として第二電極407が配置される。パッシブマトリックス方式の場合、ストライプ状を有する第一電極と直交する形で第二電極はストライプ状に設けられる。アクティブマトリックス方式の場合、第二電極は、有機EL素子全面に形成される。更に、環境中の水分、酸素の第一電極、有機発光層、発光補助層、第二電極への侵入を防ぐために有効画素全面に対してガラスキャップ等による封止体408が設けられ、接着剤409を介して基板401と貼りあわされる。
本発明により製造される有機EL素子は、少なくとも基板と、当該基板に支持されたパターン状の第一電極と、有機発光層と、第二電極を具備する。本発明の有機EL素子は、図4とは逆に、第一電極を陰極、第二電極を陽極とする構造であっても良い。また、ガラスキャップ等の封止体の代わりに有機発光層や電極を外部の酸素や水分の浸入から保護するためにパッシベーション層や外部応力から保護する保護層、あるいはその両方の機能備えた封止基材を備えてもよい。
次に、本発明の実施の形態に係る有機EL素子の製造方法を説明する。
有機EL素子の基板401としては、絶縁性を有する基板であればいかなる基板も使用することができる。この基板側から光を取り出すボトムエミッション方式の有機EL素子とする場合には、基板として透明なものを使用する必要がある。
例えば、基板401としてはガラス基板や石英基板が使用できる。また、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のプラスチックフィルムやシートであっても良い。これら、プラスチックフィルムやシートに、有機発光層への水分の侵入を防ぐことを目的として、金属酸化物薄膜、金属弗化物薄膜、金属窒化物薄膜、金属酸窒化膜薄膜、あるいは高分子樹脂膜を積層したものを基板401として利用してもよい。
また、これらの基板は、あらかじめ加熱処理を行うことにより、基板内部や表面に吸着した水分を極力低減することがより好ましい。また、基板上に積層される材料に応じて、密着性を向上させるために、超音波洗浄処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、UVオゾン処理などの表面処理を施してから使用することが好ましい。
また、これらに薄膜トランジスタ(TFT)を形成して、アクティブマトリックス方式の有機EL素子用の基板とすることが可能である。
また、隔壁形成材料が感光性材料の場合、形成材料溶液をスリットコート法や、スピンコート法により全面コーティングしたあと、露光、現像といったフォトリソグラフィー法によりパターニングがおこなわれる。スピンコート法の場合、隔壁403の高さは、スピンコートするときの回転数等の条件でコントロールできるが、1回のコーティングでは限界の高さがあり、それ以上高くするときは複数回スピンコートを繰り返す手法を用いる。
感光性材料を用いてフォトリソグラフィー法により隔壁403を形成する場合、その形状は露光条件や現像条件により制御可能である。例えば、ネガ型の感光性樹脂を塗布し、露光及び現像した後、ポストベークして、隔壁403を得るときに、隔壁403端部の形状を順テーパー形状としたい場合には、この現像条件である現像液の種類、濃度、温度、あるいは現像時間を制御すればよい。現像条件を、現像液を薄め、温度を室温程度、現像時間を長くすれば、隔壁403端部は順テーパー形状となり、現像条件を、現像液の濃度を高く、温度も高く、現像時間を短くすれば、隔壁403端部は逆テーパー形状となる。
また、隔壁形成材料がSiO、TiOの場合、スパッタリング法、CVD法といった乾式成膜法で形成可能である。この場合、隔壁のパターニングはマスクやフォトリソグラフィー法により行うことができる。
以上のようにして隔壁403を形成した後、次に正孔注入層404を形成する。正孔注入層404を形成する正孔注入材料としては、ポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVK)誘導体、ポリ(3,4―エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)等が挙げられる。これらの材料は溶媒に溶解または分散させ、正孔輸送材料インキとなり、本実施の形態による凸版印刷法を用いて形成される。
その場合、選択される正孔輸送材料は、発光材料との相性が重要で、前記正孔輸送材料は、発光材料とのイオン化ポテンシャル(IP)の差が0.2eV以下であることが重要である。
なお、形成される正孔注入層404の体積抵抗率は発光効率の点から1×10Ω・c
m以下のものが好ましい。
また、正孔注入材料として無機材料を用いる場合、無機材料としては、CuO,Cr,Mn,FeOx(x≧0.1),NiO,CoO,Pr,AgO,MoO,Bi、ZnO,TiO,SnO,ThO,V,Nb,Ta,MoO,WO,MnOなどの無機材料を、蒸着法又は、スパッタリング法を用いて形成される。ただし材料はこれらに限定されるものではない。
また、正孔注入材料を溶解または分散させる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、乳酸エチル、エチレングリコールジエチルエーテル、1−プロパノール、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、水等の単独またはこれらの混合溶媒などが挙げられる。
また、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されていても良い。
また、印刷する際は、正孔注入層インキの粘度としては5〜200mPa・sであることが好ましい。
これは、本実施の形態で用いる凸版印刷法ではアニロックスから凸版上へのインキの転写が最初に行われるが、200mPa・s以上の粘度ではアニロックスから凸版上へインキが転写した後、凸版上で十分インキがレベリングせず、ムラの原因になる。
また、5mPa・s以下では、画素内ではじきムラが発生しやすく、ムラの原因になる。
また、正孔注入層インキの固形分濃度としては0.5〜4.0%であることが好ましい。これは、本実施の形態で用いる正孔輸送インキでは、4.0%以上の濃度ではインキの安定性が悪くなり、インキ凝集や正孔輸送層のムラの原因になる。
次に、以上のような正孔注入層404の形成後、インターレイヤー405を形成する。
インターレイヤー405に用いる材料として、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などの、芳香族アミンを含むポリマーなどが挙げられ、何れの材料も、上の有機発光層406を積層するため、架橋基を含んでいる。
これらのインターレイヤー材料は溶媒に溶解または安定に分散させインターレイヤーインキとし、まず印刷用凸版の凸部上に、スピンコート法、スプレー法、また直接塗工としてダイコート法、といった塗工法で均一に膜を形成したのち、ベークや、光照射焼結などにより架橋した保護層205が形成された印刷用凸版を用い、凸版印刷方法により形成される。
なお、インターレイヤー材料を溶解または分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の単独またはこれらの混合溶媒が挙げられる。中でも、トルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶剤が有機発光材料の溶解性の面から好適である。
次に、有機発光層406を形成する。有機発光層406は電流を通すことにより発光する層であり、有機発光層406を形成する有機発光材料は、例えば、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系
、イリジウム錯体系等の発光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリフルオレン系の高分子材料が挙げられる。
これらの有機発光材料は溶媒に溶解または安定に分散させ有機発光インキとなる。有機発光材料を溶解または分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の単独またはこれらの混合溶媒が挙げられる。中でも、トルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶剤が有機発光材料の溶解性の面から好適である。また、有機発光インキには、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されても良い。
有機発光層406の形成方法としては、上記インターレイヤー形成の際と同じ印刷版を用い凸版印刷法により形成する。
また、有機発光インキの粘度としては5〜100mPa・sであることが好ましい。
これは、本実施の形態で用いる凸版印刷法ではアニロックスから凸版上へのインキの転写が最初に行われるが、100mPa・s以上の粘度ではアニロックスから凸版上へインキが転写した後、凸版上で十分インキがレベリングせず、ムラの原因になる。
また、5mPa・s以下では、画素内ではじきムラが発生しやすく、ムラの原因になる。
次に、以上のような有機発光層406の形成後、陰極層407を画素電極402のラインパターンと直交するラインパターンで形成する。この陰極層407の材料としては、有機発光層405の発光特性に応じたものを使用でき、例えば、リチウム、マグネシウム、カルシウム、イッテルビウム、アルミニウムなどの金属単体やこれらと金、銀などの安定な金属との合金などが挙げられる。
また、インジウム、亜鉛、錫などの導電性酸化物を用いることもできる。陰極層の形成方法としてはマスクを用いた真空蒸着法による形成方法が挙げられる。
なお、本実施の形態の有機EL素子は、陽極である画素電極402と陰極層407の間に陽極層側から正孔注入層404、インターレイヤー405と有機発光層406を積層した構成であるが、陽極層と陰極層の間において正孔注入層404、有機発光層406以外に正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層といった層を必要に応じ選択した積層構造をとることができる。
また、これらの層を形成する際にも本発明の形成方法を使用できる。
最後に、これらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、ガラスキャップ408と接着剤409を用いて密閉封止し、有機EL素子を得ることができる。また、基板401が可撓性を有する場合には、封止材と可撓性フィルム(樹脂層)からなる封止体を用いて封止を行っても良い。
このとき封止材としては、水分や酸素の透過性が低い基材である必要がある。また、材料の一例として、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素等のセラミックス、無アルカリガラス、アルカリガラス等のガラス、石英、アルミニウムやステンレスなどの金属箔、耐湿性フィルムなどを挙げることができる。耐湿性フィルムの例として、プラスチック基材の両面にSiOxをCVD法で形成したフィルムや、透過性の小さいフィルムと吸水性のあるフィルムまたは吸水剤を塗布した重合体フィルムなどがあり、耐湿性フィルムの水蒸気透過率は、1×10−6g/m/day以下であることが好ましい。
樹脂層としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂などからなる光硬
化型接着性樹脂、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂や、エチレンエチルアクリレート(EA)ポリマー等のアクリル系樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)等のビニル系樹脂、ポリアミド、合成ゴム等の熱可塑性樹脂や、ポリエチレンやポリプロピレンの酸変性物などの熱可塑性接着性樹脂を挙げることができる。樹脂層を封止材の上に形成する方法の一例として、溶剤溶液法、押出ラミ法、溶融・ホットメルト法、カレンダー法、ノズル塗布法、スクリーン印刷法、真空ラミネート法、熱ロールラミネート法などを挙げることができる。必要に応じて吸湿性や吸酸素性を有する材料を含有させることもできる。封止材上に形成する樹脂層の厚みは、封止する有機EL素子の大きさや形状により任意に決定されるが、5〜500μm程度が望ましい。
第一電極402、有機発光層406、発光補助層、第二電極407が形成された基板と封止体の貼り合わせは封止室でおこなわれる。封止体を、封止材と樹脂層の2層構造とし、樹脂層に熱可塑性樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着のみ行うことが好ましい。熱硬化型接着樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着した後、さらに硬化温度で加熱硬化を行うことが好ましい。光硬化性接着樹脂を使用した場合は、ロールで圧着した後、さらに光を照射することで硬化を行うことができる。なお、ここでは封止材上に樹脂層を形成したが、基板上に樹脂層を形成して封止材と貼りあわせることも可能である。
封止体を用いて封止を行う前やその代わりに、例えばパッシベーション膜として、CVD法を用いて、窒化珪素膜を150nm成膜するなど、無機薄膜による封止体とすることも可能であり、また、これらを組み合わせることも可能である。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
[実施例1]
<印刷用凸版の形成方法>
基材101として0.3mm厚のスチール材を用い、ポリアミド系樹脂を主成分とする0.03mm厚の感光性樹脂層104と、感光性樹脂層104と基材101の中間に形成される0.03mm厚のエポキシ樹脂の接着層102と、0.03mm厚のエポキシ樹脂に10%のポリアミド系樹脂成分を含む熱硬化性の耐溶剤層103から構成される凸版印刷用の版基材を用意した。この版基材にネガパターンが形成されているフォトマスクを介して露光し、水現像を行い、後露光することで所望のパターンを有する印刷用凸版を作製した。凸パターンは中央の対角5インチの領域に線幅が60μm、スペースが46μmの106μmピッチで独立パターンとした。
その後、有機EL素子の作製に使用する、架橋性のあるインターレイヤー405材料であるポリビニルカルバゾール誘導体を濃度3%になるようにトルエンに溶解させたインキを、スリットコーターにより、対角5インチのパターニングされた領域に塗工したのち、フォトマスクを介して、キセノンパルス照射により凸パターン上のみを架橋させ、周辺をトルエンでリンスすることにより、凸パターン上のみに、保護層205を40nm形成した。
<有機EL素子作製方法>
基板401は、支持体上に設けられたスイッチング素子として機能する薄膜トランジスタを備えたアクティブマトリクス基板を用いた。基板のサイズは200mm×200mmで、その中に対角5インチ、画素数は240×320(QVGA相当)のディスプレイが中央に配置されており、画素開口は、80×318μm、隔壁高さは、3μmのである。
基板表面上に、正孔注入層504として、厚さ20nmの酸化モリブデン(MoOx)
を、スパッタリング法により成膜した。
次に、インターレイヤー405材料であるポリビニルカルバゾール誘導体を濃度0.5%になるようにトルエンに溶解させたインキを用いこの基板を印刷機にセッティングし、絶縁層区画された画素電極402の真上にそのラインパターンに合わせてインターレイヤーを凸版印刷法で印刷を行った。このとき、印刷版は、上記で作製した版を使用し、アニロックスロールは、300線/インチを使用した。印刷、乾燥後のインターレイヤー405の膜厚は30nmとなった。
次に、青の有機発光材料であるポリフェニレンビニレン誘導体を濃度1%になるようにトルエンに溶解させた有機発光インキを用い、この基板を印刷機にセッティングし、絶縁層に挟まれた画素電極402の真上に、そのラインパターンを合わせて青の有機発光層405を凸版印刷法で印刷を行った。このとき、印刷版は、インターレイヤー405印刷時と同じ版を使用し、アニロックスロールは、150線/インチを使用した。印刷、乾燥後の有機発光層405の膜厚は、60nmとなった。
次に、真空蒸着法により、電子注入層(図示せず)として、Ba膜を4nm、第二電極(陰極)407として、Al膜を200nm、画素全体覆うように、連続で成膜した。
その後、キャップガラス408と接着剤409を、発光領域をカバーするように載せ、約90℃で1時間接着剤を熱硬化して密閉封止し、アクティブマトリックス駆動型有機ELパネルを製作した。
[比較実施例1]
<印刷用凸版の形成方法>
基材として0.3mm厚のスチール材を用い、ポリアミド系樹脂を主成分とする0.03mm厚の感光性樹脂層104と、感光性樹脂層104と基材101の中間に形成される0.03mm厚のエポキシ樹脂の接着層102と、0.03mm厚のエポキシ樹脂に10%のポリアミド系樹脂成分を含む熱硬化性の耐溶剤層103から構成される凸版印刷用の版基材を用意した。この版基材にネガパターンが形成されているフォトマスクを介して露光し、水現像を行い、後露光することで所望のパターンを有する印刷用凸版を作製した。凸パターンは中央の対角5インチの領域に線幅が60μm、スペースが46μmの106μmピッチで独立パターンとした。
<有機EL素子作製方法>
使用する印刷用凸版が異なるだけで、作製方法は、実施例1と同じとした。
(実施例1及び比較実施例1に対する評価)
実施例1及び比較実施例1のように有機ELパネルを、10枚作製した後、顕微鏡観察により、異物数評価、表示状態での発光形状に異常がある画素や、輝度測定により、周辺の画素に対して、20%以上輝度差がある画素や、一番輝度の高い発光場所が画素の中心から外れているものは、異常発光画素とし、その1枚当たりの平均の数を比較した。その結果を表1に示し、段差計により、パネル10枚の膜厚測定を面内で数点測定したのち、面内の平均膜厚と、バラツキ3σを評価し、その結果を表2に示した。
表1に示したように、実施例1の異物数は、比較実施例1の約半分ほどで、異物起因によるショート画素数は、8分の1以下まで減っていることから、異物が低減していることが分かる。また、異常発光画素数も大幅に低下していることが分かる。異常発光の原因は、成膜された有機膜の膜厚のズレや、膜の寄りがほとんどで、異物による異常発光は少ないことがこれまでの知見から得られており、異常発光を確認した画素には、異物がなかったこと、表2の結果より実施例1の膜厚のバラツキが小さいことから、実施例1によりバラツキの少ない有機膜が形成されたことが、異常発光を低減させていると考えられる。
つまり、実施例1により、有機膜をバラツキの少なく形成することで、異常発光を抑えることが可能である。
101・・・・・基材
102・・・・・接着層
103・・・・・耐溶剤層
104・・・・・感光性樹脂層
205・・・・・保護層
301・・・・・印刷用凸版
302・・・・・版胴
303・・・・・アニロックスロール
304・・・・・定盤
305・・・・・被印刷基材
306・・・・・インキ補充装置(インキチャンバー)
307・・・・・通液部
401・・・・・基板(TFT付き基板)
402・・・・・画素電極(第一電極)
403・・・・・隔壁
404・・・・・正孔注入層
405・・・・・インターレイヤー
406・・・・・有機発光層
407・・・・・第二電極
408・・・・・ガラスキャップ
409・・・・・接着剤

Claims (4)

  1. 印刷パターンに対応するドット状または、ストライプ状の周期的な凸部が形成された印刷用凸版であって、該凸版は基材の一方の面に接着層、耐溶剤層、感光性樹脂層を順次積層して構成され、該凸部の少なくとも頂面には、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体の芳香族アミンを含むポリマー、シロキサン架橋剤を含むポリビフェノール、ポリスチレンから選択される1種または2種以上を含む材料で構成された保護層が形成されていることを特徴とする印刷用凸版。
  2. 前記保護層の層厚は、10nm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の印刷用凸版。
  3. 前記保護層の下の層は感光性樹脂層であり、該感光性樹脂層の厚みは、該保護層の厚みを含めて、20μm以上、100μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷用凸版。
  4. 請求項1から3までのいずれかに記載の印刷用凸版を用いる印刷機で製造することを特徴とする印刷物の製造方法。
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