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JP6379066B2 - バンパの塗装方法 - Google Patents
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Description

本発明は、自動車などの車両の構成部品であるバンパの塗装方法に関する。
車両用のバンパは、たとえば特許文献1に記載されているように、塗装ロボットを利用して塗装されているのが通例である。一方、図2(a)に示すように、バンパBは、横幅方向に比較的長く延びた正面板部1の両端に、後方側へ延びた一対の側面板部2(2a,2b)が湾曲状または屈曲状に繋がった形態を有している。このため、従来においては、バンパBを塗装する際には、図2(a)の矢印線Daで示す軌跡で塗装を施し、パスの方向をバンパBの長手方向としている。このような手段によれば、1回のパスにおける塗装ガン4の移動ストロークを長くとり、折り返し回数を少なくすることができるため、作業効率がよい。
しかしながら、前記従来の手段においては、次に述べるような不具合があった。
第1に、バンパBの各部の塗装順序は、たとえば往き工程のパスでは、右側の側面板部2a、正面板部1、左側の側面板部2bの順序となり、その後の戻り工程のパスでは、左側の側面板部2b、正面板部1、右側の側面板部2aの順序となる。したがって、往き工程パスと戻り工程パス間の時間差が大きく、側面板部2a,2bのそれぞれの塗装時期には比較的大きな時間差が生じる。このような時間差は、塗装膜の乾燥の仕方などの差を生じさせるため、それら一対の側面板部2a,2bの塗装の発色に違いを生じる虞がある。バンパBの側面板部2a,2bは、フェンダパネルに繋がるように設けられるのが一般的であるため、バンパBの側面板部2a,2bのいずれか一方でも、予定された発色とは異なった発色の塗装状態になると、フェンダパネルとの色差が目立ち易くなる。
第2に、塗装の品質をよくするには、塗装ガン4を常に塗装対象部位に対して垂直な姿勢に制御する必要がある。これに対し、従来では、図2(b)に示すように、側面板部2と正面板部1との境界領域3の外面が湾曲面30となっており、この湾曲面30の稜線を跨ぐように塗装ガン4が移動される。したがって、湾曲面30に対して塗装ガン4を垂直な姿勢に設定するための制御が煩雑であるばかりか、その姿勢制御にはズレを生じ易い。このようなズレを生じたのでは、塗装ムラが発生し、塗装の品質が低下する。これを解消すべく、塗装ロボットの性能を向上させると、設備コストが高価となる。
バンパBの塗装としては、プライマ層、ベース層、クリア層の3層の塗装膜を積層させる一般的なメタリック塗装に代えて、たとえばベース層を2層構造とした有彩パール色の高意匠塗装を施したい場合がある。ただし、このような高意匠塗装は、前記した一般的なメタリック塗装と比較すると、塗装の発色の違いや塗装ムラがかなり目立ち易く、上述した不具合は一層顕著となる。
特開2003−299995号公報
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、バンパの一対の側面板部に発色の違いが生じたり、側面板部と正面板部との境界領域の湾曲面に塗装ムラを生じるといった不具合を、低コストで適切に解消することが可能なバンパの塗装方法を提供
することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明により提供されるバンパの塗装方法は、正面板部およびその長手方向両端に繋がった一対の側面板部を有し、かつこれら一対の側面板部と前記正面板部との境界領域の外面が湾曲面とされているバンパに、塗装ロボットの塗装ガンから塗料を吹き付けて塗装を施す、バンパの塗装方法であって、前記バンパへの塗装順序は、前記一対の側面板部の双方の塗装を終えた後に、前記正面板部に塗装を行なう順序とし、前記一対の側面板部および前記湾曲面の塗装は、パスの方向を前記湾曲面の稜線が延びる方向と略同一方向として行ない、前記正面板部の塗装は、パスの方向を前記正面板部の長手方向と略同一方向として行なうことを特徴としている。
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
第1に、バンパの一対の側面板部のそれぞれの塗装時期に大きな時間差が生じないようにすることができるため、それら一対の側面板部のそれぞれの塗装膜の乾燥の仕方や、その他の種々の塗装条件にも大きな差を生じないようにすることができる。その結果、一対の側面板部のそれぞれに施された塗装の発色の違いを抑え、意匠性を向上させることができる。一対の側面板部の両者を、フェンダパネルとの色差が目立ち難い状態に仕上げる上でも好ましいものとなる。また、一対の側面板部は、正面板部に先立って塗装されるため、一対の側面板部上に塗料が十分に馴染む時間を確保し、それら側面板部の塗装の品質を高める効果も期待できる。
第2に、側面板部と正面板部との境界領域の湾曲面の塗装を行なう際に、塗装ガンを前記湾曲面の稜線を跨ぐように移動させる必要がなく、塗装ガンを塗装対象部位に対して垂直な姿勢に維持する制御が容易となる。したがって、塗装ロボットとしてさほど高精度かつ高価なものを用いる必要をなくし、設備コストを廉価にすることができる。加えて、塗装ガンの姿勢制御ミスに起因する塗装ムラの発生を抑制し、塗装の品質を高めることも可能となる。
第3に、側面板部の塗装と、前記した湾曲面の塗装とは、パスの方向が同一であるため、これら両者間に塗装ムラなどが生じるようなことも解消することができる。
第4に、正面板部は、側面板部と比較すると面積が大きいが、この正面板部の塗装は、パスの方向が正面板部の長手方向と略同一方向であるため、バンパ全体の塗装の所要時間を短くする上で有効である。正面板部の塗装は、他の領域の塗装とはパスの方向が相違するものの、側面板部とは異なり、フェンダパネルなどの他のパネル材と色彩を見比べられる虞は少ないなどの理由から、パスの方向の相違はさほど重要な問題にはならない。
第5に、本発明では、前記したように、塗装の発色の違いや塗装ムラを抑制することができるため、たとえば有彩パール色の高意匠塗装などにも適したものとなる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
本発明に係るバンパの塗装方法の一例を示す説明図であり、(a)は斜視図であり、(b)は左側面図であり、(c)は正面図であり、(d)は右側面図である。 従来技術の一例を示し、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1においては、理解の容易のため、図2で示した従来技術と同一の要素については、
図2と同一の符号を付している。
図1において、塗装対象となるバンパBは、図2に示したものと同様であり、横幅方向に延びた正面板部1の両端に、後方側へ延びた一対の側面板部2(2a,2b)が湾曲状または屈曲状に繋がった形態である。各側面板部2と正面板部1との境界領域3の外面は、湾曲面30である。
実際の塗装作業では、必ずしもバンパBが図1に示した姿勢で塗装される訳ではない。バンパBは、一般的には、適当な治具(不図示)により支持されて、たとえば正面板部1の外面が上向きとなる姿勢、あるいは斜め上向きとなる姿勢に設定された状態で、塗装が施される。塗装の種類は、塗装ロボットの塗装ガン4を利用した吹き付け塗装である。
バンパBに塗装を施すには、まず正面板部1の塗装に先立ち、一対の側面板部2の塗装を行なう。
より具体的には、たとえば一方の側面板部2aの外面をまず塗装する。その際、側面板部2aと正面板部1との境界領域3(3a)の湾曲面30も塗装する。この場合の塗装は、矢印線D1で示すような軌跡で行なう。この塗装では、パスの方向を湾曲面30の稜線が延びる方向(バンパBの短手方向に相当し、図1では上下方向である)と略同一方向として行なう。次いで、他方の側面板部2bの外面、およびこの側面板部2bと正面板部1との境界領域3(3b)の湾曲面30を塗装する。この場合の塗装は、矢印線D2で示すような軌跡で行なうが、この塗装の仕方(パスの方向)は、側面板部2aおよび境界領域3aの湾曲面30の塗装と同様である。
このように、一対の側面板部2(2a,2b)の塗装を連続して行なえば、これらの部分の塗装時期に大きな時間差が生じないこととなるため、側面板部2a,2bのそれぞれの塗装膜の乾燥の仕方や、その他の種々の塗装条件に大きな差を生じないようにし、塗装膜の発色の違いを抑えることが可能となる。側面板部2は、車両のフェンダパネルと繋がるように車両に装着されるが、本実施形態によれば、一対の側面板部2a,2bのいずれについてもフェンダパネルとの色差を目立ち難い状態に仕上げることが可能である。
また、前記した矢印線D1,D2の塗装軌跡にすれば、塗装ガン4が湾曲面30の稜線を跨ぐように移動しながら塗装を行なう場合とは異なり、塗装ガン4を塗装対象部位に対して垂直な姿勢に維持する制御が容易化する。また、塗装ガン4の姿勢制御ミスに起因する塗装ムラの発生を抑制し、塗装の品質を高めることもできる。各側面板部2の塗装と境界領域3の湾曲面30の塗装とは、パスの方向が同一であるため、これらの相互間に塗装ムラが生じるようなことも好適に解消することが可能である。このようなことから、本実施形態の塗装方法は、たとえば前述した有彩パール色の高意匠塗装などには最適なものとなる。
一対の側面板部2の塗装を終えた後には、正面板部1の塗装を行なうが、この場合の塗装は、矢印線D3で示すような軌跡で行なう。この塗装では、パスの方向を正面板部1の長手方向とする。このようにすれば、1回のパスの長さを長くとることができるため、面積が広い正面板部1を効率よく塗装し、バンパBの外面全域に対する塗装の所要時間を短くする上で好ましいものとなる。正面板部1の塗装は、側面板部2や曲面部30の塗装とは、パスの方向が相違するものの、既述したように、このこと自体はとくに問題を生じさせるものではない。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係るバンパの塗装方法の各作業工程の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において変更自在である。
塗装ガンを2つ用いる場合には、一対の側面板部を同時に塗装するといったことも可能
である。塗装ガンとしては、一般的なスプレイガンやベル型噴霧塗装装置などを用いることができるが、その具体的な構造や種類も限定されない。
B バンパ
1 正面板部
2 側面板部
3 境界領域
30 湾曲面
4 塗装ガン

Claims (1)

  1. 正面板部およびその長手方向両端に繋がった一対の側面板部を有し、かつこれら一対の側面板部と前記正面板部との境界領域の外面が湾曲面とされているバンパに、塗装ロボットの塗装ガンから塗料を吹き付けて塗装を施す、バンパの塗装方法であって、
    前記バンパへの塗装順序は、前記一対の側面板部の双方の塗装を終えた後に、前記正面板部に塗装を行なう順序とし、
    前記一対の側面板部および前記湾曲面の塗装は、パスの方向を前記湾曲面の稜線が延びる方向と略同一方向として行ない、
    前記正面板部の塗装は、パスの方向を前記正面板部の長手方向と略同一方向として行なうことを特徴とする、バンパの塗装方法。
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