JP6379716B2 - 冷延鋼板及びその製造方法 - Google Patents
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C:0.06〜0.3%、Si:0.6〜2.5%、Mn:0.6〜3.5%、P:0.1%以下、S:0.05%以下、Ti:0〜0.08%、Nb:0〜0.04%、Ti及びNbの合計含有量:0〜0.10%、sol.Al:0〜1.0%、Cr:0〜1.0%、Mo:0〜0.3%、V:0〜0.3%、B:0〜0.005%、Ca:0〜0.003%、REM:0〜0.003%、残部:Fe及び不純物であり、
板厚の1/4深さ位置において、
ミクロ組織が、主相として焼戻しマルテンサイトとベイナイトが合計で50面積%以上、かつベイナイトが10面積%以上で、第2相として下記式(1)を満足するフェライトが5面積%以上で、さらに、
フェライトに対する他の組織のナノ硬さの比率が、2.5以下であり、
板厚の1/2深さ位置において、
集合組織が、{100}<011>から{211}<011>の方位群のX線強度の平均が、集合組織を持たないランダムな組織のX線強度の平均に対する比で6未満である、
冷延鋼板である。
dF≦4.0 ・・・ (1)
ただし、上記式(1)のdFは、傾角15°以上の大角粒界で規定されるフェライトの平均粒径(μm)である。
dAs≦1.5 ・・・ (2)
rAs≧50 ・・・ (3)
ただし、上記式(2)のdAsは、アスペクト比が5未満の残留オーステナイトの平均粒径(μm)であり、式(3)のrAsは、アスペクト比が5未満の残留オーステナイトの全残留オーステナイトに対する面積率(%)である。
dF≦4.0 ・・・ (1)
ただし、上記式(1)のdFは、傾角15°以上の大角粒界で規定されるフェライトの平均粒径(μm)である。
IC(T)=0.1−3×10-3×T+4×10-5×T2−5×10-7×T3+5×10-9×T4−7×10-11×T5、
Crate(T)は、冷却速度(℃/秒)で、正の値であり、
Tは、圧延完了温度をゼロとする相対温度(℃)、すなわち、T=〔冷却中の鋼板の温度(℃)−圧延完了温度(℃)〕で、負の値であり、
Crate(T)が零である温度がある場合、その温度での滞留時間(Δt)をIC(T)で除した値をその区間の積分として加算する。
C:0.06〜0.3%
Cは、鋼の強度を高める作用を有する。Cはまた、オーステナイト中に濃縮することによってオーステナイトを安定化させ、冷延鋼板中の残留γの面積率を高め、伸びを向上させる作用を有する。さらに、熱間圧延工程及び焼鈍工程においては、ミクロ組織を微細化する作用を有する。すなわち、Cは変態点を低下させる作用を有する。その結果、熱間圧延工程においては熱間圧延をより低温域で完了させて、熱延鋼板のミクロ組織を微細化することが可能となる。焼鈍工程においては、Cによる昇温過程におけるフェライトの再結晶抑制作用と相俟って、急速加熱によってフェライトの未再結晶率が高い状態を保ったまま〔Ac1点+10℃〕以上の温度域に到達させることが容易となり、これにより、冷延鋼板のミクロ組織を微細化することが可能となる。しかしながら、C含有量が0.06%未満では、上記作用による効果を得ることが困難である。一方、C含有量が0.3%を超えると、冷延鋼板の加工性や溶接性の低下が著しくなる。したがって、C含有量は0.06〜0.3%とする。Cの含有量は0.10%以上であることが好ましく、0.16%以上であることが一層好ましい。また、Cの含有量は0.25%以下であることが好ましい。
Siは、鋼の焼入れ性を向上させるため、本発明においては焼鈍後の冷却中にパーライトの生成を抑制することで、オーステナイトを低温まで保持することを可能とし、マルテンサイトやベイナイトの生成を促す効果がある。したがって、本発明に係る冷延鋼板の主相をなす焼戻しマルテンサイト及びベイナイトの生成を促進することによって、鋼を高強度化させる作用を有する。さらには、残留γの生成を促進し、鋼の伸びを向上させる作用を有する。しかしながら、Si含有量が0.6%未満では、冷却中に過度の量のパーライトとフェライトが生成するため、焼戻しマルテンサイトとベイナイトを合計で50面積%以上得ることができない。一方、Si含有量が2.5%を超えると、伸びフランジ性の低下が著しくなったり、めっき性が損なわれたりする場合がある。したがって、Si含有量は0.6〜2.5%とする。Siの含有量は0.8%以上であることが好ましく、1.0%以上であることが一層好ましい。また、Siの含有量は2.0%以下であることが好ましい。
Mnは、鋼の強度を高める作用を有する。また、Mnは、変態温度を低下させる作用を有するので、焼鈍工程において、急速加熱によりフェライトの未再結晶率が高い状態を保ったまま〔Ac1点+10℃〕以上の温度域とすることが容易となり、これにより、冷延鋼板のミクロ組織を微細化することが可能となる。しかしながら、Mn含有量が0.6%未満では上記作用による効果を得ることが困難である。一方、Mn含有量が3.5%を超えると、鋼が過度に高強度化され、伸びが著しく損なわれる場合がある。したがって、Mn含有量は0.6〜3.5%とする。Mnの含有量は0.8%以上であることが好ましく、1.0%以上であることが一層好ましい。また、Mnの含有量は3.0%以下であることが好ましい。
Pは、不純物として含有され、粒界に偏析して材料を脆化させ、その量が0.1%を超えると、脆化が著しくなる。したがって、Pの含有量に上限を設けて0.1%以下とする。P含有量は好ましくは0.06%以下である。なお、P含有量は低い程好ましいので下限を設ける必要はないが、極端な低減は製造コストの上昇を招く。そのため、P含有量の望ましい下限は0.001%である。
Sは、不純物として含有され、鋼中に硫化物系介在物を形成して加工性を低下させ、その量が0.05%を超えると、加工性の低下が著しくなる場合がある。したがって、Sの含有量に上限を設けて0.05%以下とする。S含有量は好ましくは0.008%以下、さらに好ましくは0.003%以下である。なお、S含有量は低い程好ましいので下限を設ける必要はないが、極端な低減は製造コストの上昇を招く。そのため、S含有量の望ましい下限は0.001%である。
Ti及びNbは、炭化物や窒化物として鋼中に析出し、焼鈍工程におけるオーステナイトの粒成長を抑制することによって、鋼の組織の微細化を促進する作用を有する。したがって、必要に応じてTi及びNbの1種以上を含有させてもよい。しかし、Ti及びNbの含有量がそれぞれ、0.08%及び0.04%を超えたり、それらの合計含有量が0.10%を超えると、加工性の低下が著しくなる場合がある。したがって、含有させる場合のTi、Nb及びそれらの合計量の上限はそれぞれ、0.08%、0.04%及び0.10%とする。ここで、Ti含有量は0.05%以下とすることが好ましく、0.03%以下とすることがさらに好ましい。また、Nb含有量は0.02%以下とすることが好ましい。
Alは、伸びを高める作用を有する。したがって、必要に応じてAlを含有させてもよい。しかし、Alは変態点を上昇させるので、Alの含有量が高くなって、特にsol.Al(「酸可溶Al」)での含有量で1.0%を超えると、熱間圧延をより高温域で完了する必要が生じる。その結果、熱延鋼板の組織を微細化することが困難となり、冷延鋼板の組織を微細化することも困難となる。したがって、含有させる場合のsol.Al量は1.0%以下とする。なお、sol.Al含有量は0.7%以下とすることが好ましく、0.5%以下とすることが一層好ましい。一方、Alの前記した効果を安定して得るためには、sol.Al含有量は0.1%以上とすることが好ましい。
Cr、Mo及びVは、いずれも鋼の強度を高める作用を有する。また、Moは結晶粒の粒成長を抑制し、組織を細粒化する作用を、Vはフェライトへの変態を促進し、鋼板の加工性を向上させる作用も有する。したがって、必要に応じてCr、Mo及びVの1種以上を含有させてもよい。しかし、Cr含有量が1.0%を超えると、フェライト変態が過度に抑制されて、目的とする組織を確保できない場合がある。また、Mo含有量が0.3%を超えたり、V含有量が0.3%を超えたりすると、炭化物として多量に析出し、鋼の加工性が低下する場合がある。したがって、含有させる場合のCr、Mo及びV量の上限はそれぞれ、1.0%、0.3%及び0.3%とする。なお、Cr、Mo及びVの含有量はそれぞれ、0.8%以下、0.25%以下及び0.25%以下とすることが好ましい。
Bは、鋼の焼入れ性を高め、マルテンサイトやベイナイトの生成を促進することによって、鋼の強度を高める作用を有する。したがって、必要に応じてBを含有させてもよい。しかし、B含有量が0.005%を超えると、鋼が過度に硬質化して、伸びの低下が著しくなる場合がある。したがって、含有させる場合のB量の上限は0.005%とする。なお、B含有量は0.003%以下とすることが好ましい。一方、前記したBの効果を安定して得るためには、B含有量は0.0003%以上とすることが好ましい。
Ca及びREMは、溶鋼の凝固過程において析出する酸化物や窒化物を微細化して、鋳片の健全性を高める作用を有する。したがって、必要に応じてCa及びREMの1種以上を含有させてもよい。しかし、いずれも高価な元素であるため、含有させる場合のCa及びREMの量の上限はいずれも0.003%とする。なお、Ca及びREMの含有量はそれぞれ、0.002%以下及び0.002%以下とすることが好ましい。
2−1:ミクロ組織
本発明に係る冷延鋼板は、板厚の1/4深さ位置において、主相として焼戻しマルテンサイトとベイナイトが合計で50面積%以上、かつベイナイトが10面積%以上で、第2相として下記の式(1)を満足するフェライトが5面積%以上であるミクロ組織を呈する。
dF≦4.0 ・・・ (1)
ただし、上記式(1)のdFは、傾角15°以上の大角粒界で規定されるフェライトの平均粒径(μm)である。
ミクロ組織中に、高い分率で焼戻しマルテンサイト及びベイナイトを含めることによって、冷延鋼板の強度を高めつつ、均質なミクロ組織が得られるため、微小クラックが生じにくくなり、冷延鋼板の伸びフランジ性を高めることができる。
次に、ミクロ組織は、第2相として前記の式(1)を満足するフェライト、具体的には傾角15°以上の大角粒界で規定される平均粒径dFが4.0μm以下のフェライトが、5面積%以上存在するものでなければならない。ミクロ組織に第2相として上記のフェライトを含めることで、冷延鋼板の伸びを高めることができる。
本発明に係る冷延鋼板は、板厚の1/4深さ位置において、フェライトに対する他の組織のナノ硬さの比率が、2.5以下である。上記の条件を満たす場合、ミクロ組織中の硬度差が低減されるため、冷延鋼板が加工された際に微細なクラックが発生しにくくなるので、伸びフランジ性へ大きな悪影響を与えることなく、冷延鋼板の強度を高めることができる。
本発明に係る冷延鋼板は、板厚の1/2深さ位置の集合組織について、方位分布関数(以下、「ODF」という。)の45°断面における{100}<011>から{211}<011>の方位群のX線強度の平均が、集合組織を持たないランダムな組織のX線強度の平均に対する比で6未満である。
上述した冷延鋼板の表面に耐食性の向上等を目的としてめっき層を設けて表面処理鋼板としてもよい。めっき層は電気めっき層であってもよく、また、溶融めっき層であってもよい。電気めっき層としては、電気亜鉛めっき、電気Zn−Ni合金めっき等が例示される。溶融めっき層としては、溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっき、溶融アルミニウムめっき、溶融Zn−Al合金めっき、溶融Zn−Al−Mg合金めっき、溶融Zn−Al−Mg−Si合金めっき等が例示される。
3−1:熱延鋼板製造の熱間圧延と圧延後の冷却
本発明では、後述する焼鈍により冷延鋼板の組織を微細化するので、冷間圧延に供する熱延鋼板は常法により製造したものを用いてもよい。しかしながら、冷延鋼板の組織をより微細化するために、冷間圧延に供する熱延鋼板の組織を微細化することが好ましい。具体的には、傾角15°以上の大角粒界で囲まれる粒の微細化、及びセメンタイトやマルテンサイトなどの第2相を微細分散させることが好ましい。これは、冷延鋼板の焼鈍におけるオーステナイト変態の核生成サイト数を増加させることができるためである。
IC(T)=0.1−3×10-3×T+4×10-5×T2−5×10-7×T3+5×10-9×T4−7×10-11×T5、
Crate(T)は、冷却速度(℃/秒)で、正の値であり、
Tは、圧延完了温度をゼロとする相対温度(℃)、すなわち、T=〔冷却中の鋼板の温度(℃)−圧延完了温度(℃)〕で、負の値であり、
Crate(T)が零である温度がある場合、その温度での滞留時間(Δt)をIC(T)で除した値をその区間の積分として加算する。
上記の熱延鋼板に500〜700℃の温度で熱処理を行ってもよい。この熱処理は、特に300℃以下で巻き取った熱延鋼板に適している。
上記の方法で作製した熱延鋼板を酸洗後、冷間圧延を行う。これらは常法により実施すればよい。冷間圧延は潤滑油を用いて行うことができる。冷間圧延率は特に規定する必要はないが、通常は20%以上である。冷間圧延率が85%を超えると、冷間圧延設備への負担が大きくなるため、冷間圧延率は85%以下とすることが好ましい。
上記の冷間圧延で得られた鋼板の焼鈍は、〔Ac1点+10℃〕までの温度域を15℃/秒以上の平均加熱速度で加熱する。この処理によって、〔Ac1点+10℃〕に到達した時点におけるオーステナイト変態していない領域に占める未再結晶率が30%以上となる。上記割合の未再結晶組織を残したまま〔Ac1点+10℃〕まで加熱することによって、熱延鋼板の大角粒界や第2相を核生成サイトとして微細なオーステナイトを多数核生成させることができる。このとき熱延鋼板の組織が微細であると、より多数の核生成を得ることができるので好ましい。オーステナイトの核生成数を増加させることによって、焼鈍中のオーステナイト粒を顕著に細粒化させることができ、その後に生成するフェライト、マルテンサイトやベイナイトの下部組織、さらには残留γを微細化させることができる。また、オーステナイト粒を細粒化させることによって、焼鈍後の冷却中に生成するフェライトの核生成数が増加するため、フェライトの面積率が高まる。これにより、鋼板の伸びが顕著に向上する。
1)圧延完了直後に100℃を超える温度降下量で1次冷却のみを行う;
2)圧延完了温度(FT)で所定時間放冷した後、100℃を超える温度降下量で1次冷却のみを行う;又は
3)圧延完了直後に1次冷却を行い、圧延完了温度(FT)から80℃冷却した段階で1次冷却を停止し、その温度で所定時間放冷した後、2次冷却を行う。
A:400℃で330秒保持する過時効処理。
B:425℃で330秒保持する過時効処理。
C:400℃で60秒保持する過時効処理後、460℃まで加熱して溶融亜鉛めっき浴浸漬を模擬し、さらに500℃に加熱した合金化処理を模擬した熱処理。
D:425℃で60秒保持する過時効処理後、460℃まで加熱して溶融亜鉛めっき浴浸漬を模擬し、さらに500℃に加熱して合金化処理を模擬した熱処理。
TS×EL>19000 ・・・ (6)、
TS×λ>40000 ・・・ (7)、
5.45×(TS×EL)+(TS×λ)>172000 ・・・ (8)。
Claims (13)
- 化学組成が、質量%で、
C:0.06〜0.3%、Si:0.6〜2.5%、Mn:0.6〜3.5%、P:0.1%以下、S:0.05%以下、Ti:0〜0.08%、Nb:0〜0.04%、Ti及びNbの合計含有量:0〜0.10%、sol.Al:0〜1.0%、Cr:0〜1.0%、Mo:0〜0.3%、V:0〜0.3%、B:0〜0.005%、Ca:0〜0.003%、REM:0〜0.003%、残部:Fe及び不純物であり、
板厚の1/4深さ位置において、
ミクロ組織が、主相として焼戻しマルテンサイトとベイナイトが合計で50面積%以上、かつベイナイトが10面積%以上で、第2相として下記式(1)を満足するフェライトが5面積%以上で、さらに、
フェライトに対する他の組織のナノ硬さの比率が、2.5以下であり、
板厚の1/2深さ位置において、
集合組織が、{100}<011>から{211}<011>の方位群のX線強度の平均が、集合組織を持たないランダムな組織のX線強度の平均に対する比で6未満である、
冷延鋼板。
dF≦4.0 ・・・ (1)
ただし、上記式(1)のdFは、傾角15°以上の大角粒界で規定されるフェライトの平均粒径(μm)である。 - 前記ミクロ組織が、第2相として残留オーステナイトを3面積%以上含有する、請求項1に記載の冷延鋼板。
- 前記第2相としての残留オーステナイト中で、アスペクト比が5未満の残留オーステナイトが、下記の式(2)及び式(3)を満足する、請求項2に記載の冷延鋼板。
dAs≦1.5 ・・・ (2)
rAs≧50 ・・・ (3)
ただし、上記式(2)のdAsは、アスペクト比が5未満の残留オーステナイトの平均粒径(μm)であり、式(3)のrAsは、アスペクト比が5未満の残留オーステナイトの全残留オーステナイトに対する面積率(%)である。 - 前記化学組成が、質量%で、Ti:0.005〜0.08%及びNb:0.003〜0.04%から選択される1種以上を含有し、Ti及びNbの合計含有量が0.10%以下である、請求項1から3までのいずれかに記載の冷延鋼板。
- 前記化学組成が、質量%で、sol.Al:0.1〜1.0%を含有する、請求項1から4までのいずれかに記載の冷延鋼板。
- 前記化学組成が、質量%で、Cr:0.03〜1%、Mo:0.01〜0.3%及びV:0.01〜0.3%から選択される1種以上を含有する、請求項1から5までのいずれかに記載の冷延鋼板。
- 前記化学組成が、質量%で、B:0.0003〜0.005%を含有する、請求項1から6までのいずれかに記載の冷延鋼板。
- 前記化学組成が、質量%で、Ca:0.0005〜0.003%及びREM:0.0005〜0.003%から選択される1種以上を含有する、請求項1から7までのいずれかに記載の冷延鋼板。
- 鋼板表面にめっき層を有する、請求項1から8までのいずれかに記載の冷延鋼板。
- 請求項1及び請求項4から8までのいずれかに記載の化学組成を有する熱延鋼板に冷間圧延を施した後、〔Ac1点+10℃〕までの温度域を15℃/秒以上の平均加熱速度で加熱し、その後さらにAc3点以上で〔Ac3点+100℃〕以下の温度域の温度で10秒以上保持した後、10℃/秒以上の平均冷却速度で、Ms点以下、かつ〔Ms点−100℃〕を超える温度域の温度まで冷却し、さらに、Ms点を超えて、かつ350〜500℃の温度域の温度に再加熱し、その温度で10秒以上の保持を行う、板厚の1/4深さ位置において、ミクロ組織が、主相として焼戻しマルテンサイトとベイナイトが合計で50面積%以上、かつベイナイトが10面積%以上で、第2相として下記式(1)を満足するフェライトが5面積%以上で、さらに、フェライトに対する他の組織のナノ硬さの比率が、2.5以下であり、板厚の1/2深さ位置において、集合組織が、{100}<011>から{211}<011>の方位群のX線強度の平均が、集合組織を持たないランダムな組織のX線強度の平均に対する比で6未満である、冷延鋼板の製造方法。
dF≦4.0 ・・・ (1)
ただし、上記式(1)のdFは、傾角15°以上の大角粒界で規定されるフェライトの平均粒径(μm)である。
- 前記熱延鋼板が、熱間圧延完了後に300℃以下で巻き取り、その後、500〜700℃の温度域で熱処理を施すことにより得られたものである、請求項10に記載の冷延鋼板の製造方法。
- 前記熱延鋼板が、Ar3点以上で圧延を完了する熱間圧延完了後に、下記式(4)を満足する冷却速度Crate(T)で、圧延完了温度から〔圧延完了温度−100℃〕までの温度域を冷却する熱間圧延工程により得られた、傾角15°以上の大角粒界で規定されるBCC相の平均粒径が6μm以下のものである、請求項10又は11に記載の冷延鋼板の製造方法。
上記式(4)中、
IC(T)=0.1−3×10-3×T+4×10-5×T2−5×10-7×T3+5×10-9×T4−7×10-11×T5、
Crate(T)は、冷却速度(℃/秒)で、正の値であり、
Tは、圧延完了温度をゼロとする相対温度(℃)で、負の値であり、
Crate(T)が零である温度がある場合、その温度での滞留時間(Δt)をIC(T)で除した値をその区間の積分として加算する。 - 請求項10のMs点を超えて、かつ350〜500℃の温度域の温度に再加熱し、その温度で10秒以上の保持を行った後に、冷延鋼板にめっき処理を施す工程をさらに有する、請求項10から12までのいずれかに記載の冷延鋼板の製造方法。
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