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JP6380983B2 - 位相差顕微鏡 - Google Patents
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JP6380983B2 - 位相差顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、液体中の観察対象を位相差計測する位相差顕微鏡に関するものである。
近年、幹細胞などの培養された透明な細胞を非染色に観察する方法として位相差計測が広く使われ始めている。そして、このような位相差計測を行うものとして位相差顕微鏡が使用されている。
一般的な位相差顕微鏡においては、リング状の照明光が観察対象に照射され、観察対象を通過した直接光と回折光が位相板に入射される。そして、直接光は位相板のリング部分によって減光され、回折光は位相板の透明な部分を通過し、この直接光と回折光とが結像されることによって明暗のコントラストのついた像を撮像することができる。
ここで、たとえば位相差顕微鏡によって培養液中の細胞などを観察する場合、培養液の表面張力の影響によって培養液の液面にメニスカスが形成される。そして、このメニスカスのレンズ作用によってリング状の照明光の光軸がシフトし、位相板に入射される直接光と回折光とに影響を及ぼして明瞭な位相差像が得られない問題がある。
図10は、従来の位相差顕微鏡を用いて培養液中の細胞を撮像した画像の一例を示すものである。図10Iは全体像であり、図10IIは、図10Iに示す全体像の一部を拡大した像である。図10に示すように、メニスカスの影響によって画像の中央にアーチファクトを生じ、細胞像のコントラストも低いことが分かる。
一方、図11は、従来の位相差顕微鏡を用いて培養液がない状態で細胞を撮像した画像の一例を示すものである。図11Iは全体像であり、図11IIは、図11Iに示す全体像の一部を拡大した像である。図11に示すように、培養液が存在しない場合、高コントラストな細胞像を得ることができるが、培養液がない状態では細胞の培養を継続することができない。
上述したような培養液のメニスカスの影響を抑制するため、種々の方法が提案されている。たとえば、特許文献1においては、対物レンズの瞳位置のリング状の位相膜の形状と、光学素子によって形成されるリング状の照明光の形状とを瞳像検出器によって検出し、その検出された座標データに基づいて、光学素子のリング状開口の形状を制御することが提案されている。
また、特許文献2においては、メニスカスによる照明光の屈折を補正する屈折力が可変な補正レンズと、リング状の開口を有し、位相板を通過して上記開口を通過した光の強度を検出する光量検出センサとを設け、光量検出センサによって検出された光の強度に基づいて、補正レンズの屈折力を制御することが提案されている。また、特許文献3にも、特許文献2と同様に、補正レンズを設け、たとえば複数の補正レンズを切り替えて使用することによって屈折力を制御することが提案されている。
特開2010−271537号公報 特開2006−91506号公報 特開平8−5929号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、瞳像検出器を新たに設ける必要があり、コストアップになり、装置も大きくなってしまう。
また、特許文献2に記載の方法でも、光量検出センサを新たに設ける必要があり、さらに光量検出センサによって検出された光の強度のみによって補正レンズの屈折力を制御した場合、高精度な調整を行うことができない。
また、特許文献3には、上述したように複数の補正レンズを切り替えて使用することによって屈折力を制御することが提案されているが、複数の補正レンズを自動的に切り替える方法については何も提案されていない。
本発明は、上記の問題に鑑み、コストアップや装置の大型化を招くことなく、メニスカスに起因する照明光の屈折を高精度に自動調整することができる位相差顕微鏡を提供することを目的とする。
本発明の位相差顕微鏡は、位相差計測のための照明光を容器内に設置された観察対象に照射する照明光学系と、照明光学系と観察対象との間に設けられ、少なくとも1つの光学素子を有し、容器内の液体の液面形状に起因する照明光の屈折を調整する調整光学系と、照明光を照射した観察対象を撮像する撮像部と、撮像部によって撮像された画像の濃度の均一性および濃度コントラストに基づいて、調整光学系の光学特性を調整する調整光学系制御部とを備えたことを特徴とする。
また、上記本発明の位相差顕微鏡において、調整光学系は、屈折力を有する光学素子を備えることができる。
また、光学素子は、屈折力を調整可能であることが好ましい。
また、光学素子は、照明光の入射面および出射面のうちの少なくとも一方に曲率を有することが好ましい。
また、光学素子は、上記曲率を調整可能であることが好ましい。
また、調整光学系は、観察対象の設置面の面内方向および設置面に直交する方向のうちの少なくとも1つの方向について移動する光学素子を備えることができる。
また、調整光学系は、光軸が回転調整される光学素子を備えることができる。
また、調整光学系は、複数の光学素子を備えることができる。
また、調整光学系制御部は、複数の光学素子の組み合わせを変更することによって調整光学系の光学特性を調整することができる。
また、調整光学系制御部は、複数の光学素子を切り替えることによって調整光学系の光学特性を調整することができる。
また、調整光学系制御部は、調整光学系の調整条件を取得し、その調整条件に基づいて調整光学系の光学特性の調整を行うことができる。
また、調整条件は、観察対象の画像を結像する結像光学系の光学倍率、容器の種類、観察対象の種類、観察対象の数、液体の種類、液体の量、環境温度、環境湿度、容器内の撮像位置および観察対象の画像の撮像視野の大きさの少なくとも1つに基づいて決定されることが好ましい。
また、液体の液面形状を計測する液面形状計測部を備え、液面形状計測部によって計測された液体の液面形状の情報に基づいて、調整光学系の調整条件を取得し、その調整条件に基づいて調整光学系の光学特性の調整を行うことができる。
また、液面形状計測部は、容器の種類、観察対象の種類、観察対象の数、液体の種類、液体の量、環境温度および環境湿度の少なくとも1つに基づいて、液面形状の計測条件を取得し、その取得した計測条件に基づいて、液面形状の計測を行うことができる。
また、液体の量の重量を計測する重量計測部を備え、重量計測部によって計測された液体の重量の情報に基づいて、調整光学系の調整条件を取得し、その調整条件に基づいて調整光学系の光学特性を調整することができる。
また、照明光学系は、光源およびその光源から出射された光を通過させるスリットが設けられたスリット板を有し、そのスリット板を通過した光を照明光として観察対象に照射することができる。
本発明の位相差顕微鏡によれば、照明光学系と観察対象との間に、容器内の液体の液面形状に起因する照明光の屈折を調整する調整光学系を設け、撮像部によって撮像された画像の濃度の均一性および濃度コントラストに基づいて、調整光学系の光学特性を調整するようにしたので、コストアップや装置の大型化を招くことなく、液面形状に起因する照明光の屈折を高精度に自動調整することができる。
本発明の位相差顕微鏡の一実施形態を用いた顕微鏡システムの概略構成を示す図 スリット板の構成の一例を示す図 光学素子の位置、光軸の回転および屈折力の調整を模式的に示す図である。 位相板の構成の一例を示す図 本発明の位相差顕微鏡の一実施形態を用いた顕微鏡システムの作用を説明するためのフローチャート 撮像位置が培養容器の中央位置からずれた場合の光学素子の調整を説明するための図 調整光学系を複数のレンズから構成する場合の各レンズの模式図 液面形状計測部によって計測された液面形状に基づいて、光学素子の調整条件を取得する実施形態の概略構成を示す図 重量計測部によって計測された培養液の重量に基づいて、光学素子の調整条件を取得する実施形態の概略構成を示す図 培養液中の細胞を従来の位相差顕微鏡で撮像した画像の一例を示す図 培養液がない状態で細胞を従来の位相差顕微鏡で撮像した画像の一例を示す図
以下、本発明の位相差顕微鏡の一実施形態を用いた顕微鏡システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態の顕微鏡システムの概略構成を示す図である。
本実施形態の顕微鏡システムは、図1に示すように、照明光学系10と、調整光学系20と、結像光学系30と、撮像部40と、顕微鏡制御装置50と、入力装置54と、表示装置55とを備えている。調整光学系20と結像光学系30との間には、ステージ61が設けられており、このステージ61上に観察対象Sが収容された培養容器60が設置される。そして、本実施形態の顕微鏡システムは、互いに直交するX方向およびY方向にステージ61を移動させるステージ駆動部62を備えている。X方向およびY方向は、観察対象設置面Pに並行な面上において互いに直交する方向である。
本実施形態の顕微鏡システムにおいては、上述した照明光学系10、調整光学系20、結像光学系30、撮像部40、ステージ61およびステージ駆動部62から位相差顕微鏡本体が構成され、顕微鏡制御装置50は、この位相差顕微鏡本体を制御するものである。以下、位相差顕微鏡本体の具体的な構成を説明する。
照明光学系10は、培養容器60内に収容された観察対象Sに対して、いわゆる位相差計測のための照明光を照射するものであり、本実施形態では、その位相差計測用照明光としてリング状照明光を照射する。具体的には、本実施形態の照明光学系10は、白色光を出射する白色光源11(本発明の光源に相当する)と、リング形状のスリットを有し、白色光源11から出射された白色光が入射されてリング状照明光を出射するスリット板12と、スリット板12から射出されたリング状照明光が入射され、その入射されたリング状照明光を観察対象に対して照射する第1の対物レンズ13とを備えている。
図2は、スリット板12の具体的な構成を示す図である。図2に示すように、スリット板12は、白色光源11から出射された白色光を遮光する遮光板12bに対して白色光を透過するリング形状のスリット12aが設けられたものであり、白色光がスリット12aを通過することによってリング状照明光が形成される。
なお、本実施形態においては、上述したようにスリット板12を用いてリング状照明光を形成するようにしたが、リング状照明光を形成する方法としては、これに限らず、たとえば空間光変調素子などを用いてリング状照明光を形成するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、位相差計測用照明光としてリング状照明光を用いるようにしたが、リング状以外の構造を有する照明光でもよく、後述する位相板と共役な形状となっていれば三角形状や四角形状などその他の形状でもよい。
ステージ61上に設置された培養容器60は、その底面が観察対象設置面Pであり、観察対象設置面Pには観察対象Sとして細胞群などが配置される。そして、培養容器60内には液体の培養液Cが満たされており、この培養液Cの液面には、上述したように凹形状にメニスカスが形成される。培養容器60としては、シャーレおよび複数のウェルが配列されたウェルプレートなどがある。ウェルプレートの場合、各ウェルに観察対象Sおよび培養液Cが収容され、ウェル毎にメニスカスが形成される。
また、本実施形態においては、培養液Cおよび培養中の観察対象Sを培養容器60内に収容したものを観察対象としたが、観察対象としてはこのような培養中のものに限らず、水またはホルマリンと固定した細胞を容器内に収容したものを観察対象としてもよい。この場合も、容器内の水やホルマリンの液面にメニスカスが形成される。
調整光学系20は、照明光学系10と観察対象Sとの間に設けられたものである。調整光学系20は、上述したメニスカスの液面形状に起因する照明光の屈折を調整するものである。本実施形態の調整光学系20は、光学素子21と、調整光学系駆動部22とを備えている。
光学素子21は、屈折力を有するものであり、具体的には、電圧印加によって屈折力が変化する液晶レンズ、レンズの曲率半径を変更可能な液体レンズ、および焦点距離を変更可能な空間光変調器などを用いることができる。光学素子21として、レンズを用いる場合には、入射面または出射面に曲率を有する平凸面レンズを用いてもよいし、入射面および出射面の両方に曲率を有する両凸面レンズを用いるようにしてもよい。
調整光学系駆動部22は、光学素子21の屈折力を変更して焦点距離を調整するものである。具体的には、光学素子21として液晶レンズまたは空間光変調器を用いる場合には、液晶レンズまたは空間光変調器に対して所望の焦点距離に応じた電圧を印加するものである。また、光学素子21として液体レンズを用いる場合には、所望の焦点距離に応じて液体レンズ内の液体の量を調整し、これにより液体レンズの曲率半径を調整するものである。
また、調整光学系駆動部22は、光学素子21の位置および光学素子21の光軸方向を変更する機構を備えたものである。具体的には、調整光学系駆動部22は、X方向およびY方向と、X方向およびY方向に直交するZ方向とに光学素子21の位置を変更可能な機構を備えている。また、調整光学系駆動部22は、光学素子21の光軸を回転させる機構を備えたものである。図3Iは、X方向、Y方向およびZ方向への光学素子21の位置の変更を模式的に示す図である。また、図3IIは、光学素子21の光軸のX軸回り(θ)の回転調整、Y軸回り(φ)の回転調整およびZ軸回り(ρ)の回転調整を模式的に示す図である。また、図3IIIは、光学素子21の屈折力の調整を模式的に示すものである。なお、図3IIIでは、光学素子21の曲率半径を調整することによって屈折力を調整する例を示しているが、屈折力を調整する方法としては、これに限らず、たとえば、光学素子21として液晶レンズや空間光変調器を用いる場合には、印加電圧を調整することによって、屈折力を調整するようにすればよい。
また、本実施形態においては、光学素子21をX方向、Y方向およびZ方向に移動させるようにしたが、この光学素子21の移動による光学的な作用と同等の作用を得られるのであれば、必ずしも光学素子21を移動させなくてもよい。たとえば、光学素子21として液晶レンズや空間光変調器を用いる場合には、印加電圧を調整することによって、光学素子21の移動よる光軸のシフトと同様の作用効果を得るようにしてもよい。また、光学素子21の光軸方向についても同様に、必ずしも光学素子21自体を回転させる必要はなく、印加電圧を調整することによって、光学素子21自体の回転による光軸の回転と同様の作用効果を得るようにしてもよい。
また、本実施形態においては、光学素子21をX方向およびY方向に移動するようにしたが、これに限らず、ステージ61をX方向およびY方向に移動させることによって、光学素子21と培養容器60内に形成されたメニスカスとのX方向およびY方向についての相対的な位置関係を変更するようにしてもよい。
結像光学系30は、第2の対物レンズ31と、位相板32と、結像レンズ33と、結像光学系駆動部34とを備えたものである。図4は、位相板32の具体的な構成を示す平面図である。図4に示すように、位相板32は、リング状照明光の波長に対して透明な透明板32bに対して位相リング32aを形成したものである。なお、上述したスリット12aの大きさは、この位相リング32aと共役な関係にある。
位相リング32aは、入射された光の位相を1/4波長ずらす位相膜と、入射された光を減光する減光フィルタとがリング状に形成されたものである。位相板32に入射された直接光は位相リング32aを通過することによって位相が1/4波長ずれるとともに、その明るさが弱められる。一方、観察対象Sによって回折された回折光は大部分が位相板32の透明板32bを通過し、その位相および明るさは変化しない。
第2の対物レンズ31は、結像光学系駆動部34によってZ方向に移動するものである。この第2の対物レンズ31のZ方向への移動によってオートフォーカス制御が行われ、撮像部40によって撮像される画像のコントラストが調整される。
結像レンズ33は、位相板32を通過した直接光および回折光が入射され、これらの光を撮像部40に結像するものである。
結像光学系駆動部34は、上述したように第2の対物レンズ31をZ方向に移動させる機構を備えたものである。
撮像部40は、結像レンズ33によって結像された位相差像を撮像する撮像素子を備えたものである。撮像素子としては、CCD(charge-coupled device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサなどが用いられる。
顕微鏡制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)やストレージデバイスを備えたコンピュータから構成されるものである。顕微鏡制御装置50は、上述したように位相差顕微鏡本体を制御するものであり、具体的には、上述した調整光学系駆動部22、ステージ駆動部62および結像光学系駆動部34の動作を制御するものである。
また、顕微鏡制御装置50は、撮像部40の撮像素子を駆動制御し、撮像素子から出力された画像信号を取得するものである。また、顕微鏡制御装置50は、位相差顕微鏡本体の光学倍率を自動的に変更可能な構成とした場合には、その光学倍率を制御するものである。なお、光学倍率を自動的に変更する方法としては、たとえば互いに異なる倍率を有する複数の対物レンズを結像光学系30に設け、この複数の対物レンズを自動的に切り替えるようにすればよい。この際、位相板32も対物レンズの変更に応じて変更される。位相差顕微鏡本体の光学倍率については、ユーザが結像光学系30における対物レンズを手動で交換することによって変更するようにしてもよい。
顕微鏡制御装置50は、具体的には、図1に示すように、調整光学系駆動部22を制御する調整光学系制御部51と、結像光学系駆動部34を制御する結像光学系制御部52と、ステージ駆動部62を制御するステージ制御部53とを備えている。
調整光学系制御部51および結像光学系制御部52は、撮像部40によって撮像された画像信号に基づいて調整光学系20および結像光学系30を制御するものである。その制御方法については、後で詳述する。
顕微鏡制御装置50には、入力装置54と表示装置55とが接続されている。入力装置54は、キーボードやマウスなどの入力デバイスを備えたものであり、ユーザによる設定入力を受け付けるものである。特に、本実施形態における入力装置54は、調整光学系20の光学特性を調整する際に用いられる調整条件を決定するための条件の設定入力を受け付けるものである。具体的には、結像光学系30の光学倍率、培養容器60の種類、観察対象Sの種類、観察対象Sの数、培養液Cの種類、培養液Cの量、培養容器60内の撮像位置および観察対象の画像の撮像視野の大きさなどの設定入力を受け付けるものである。なお、調整条件については、後で詳述する。
表示装置55は、液晶ディスプレイなどの表示デバイスから構成されるものであり、撮像部40において撮像された画像などを表示するものである。なお、表示装置55をタッチパネルで構成し、その画面を押圧することにより設定入力可能とすることによって、表示装置55が入力装置を兼ねてもよい。
次に、本実施形態の顕微鏡システムの作用について、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、観察対象Sおよび培養液Cが収容された培養容器60がステージ61上に設置される。そして、調整光学系20の調整条件を決定するための条件が、調整光学系制御部51によって取得される(S10)。
ここで、調整条件とは、後述する調整光学系20の光学特性の調整の際に用いられる条件であり、具体的には、調整光学系20の初期設定値、変更調整量および変更上限回数などである。
そして、この調整条件を決定するための条件としては、結像光学系30の光学倍率、培養容器60の種類、観察対象Sの種類、観察対象Sの数、培養液Cの種類、培養液Cの量、環境温度、環境湿度、培養容器60内の撮像位置および観察対象Sの画像の撮像視野の大きさなどがあり、これらの少なくとも1つの条件が調整光学系制御部51によって取得される。
上述した条件は、培養液Cの液面に形成されるメニスカスの形状やそのメニスカスに起因して屈折した光の焦点距離に影響を及ぼす条件である。たとえば、培養容器60の種類については、培養容器60の径の大きさや深さなどによってメニスカスの形状が異なり、また、培養液Cの種類によってもその粘度などによってメニスカスの形状が異なる。また、培養液Cの量によってもメニスカスの形状が異なる。また、環境温度や環境湿度によっても培養液Cの粘度などが変化し、メニスカスの形状が異なる。また、観察対象Sである細胞の種類(大きさ)や数によっても培養液Cの液面の状態が変化し、メニスカスの形状が異なる。
また、培養容器60内の撮像位置が、図1に示すように培養容器60の中央位置の場合と、図6に示すように中央位置からずれた位置である場合とでは、その撮像位置におけるメニスカスの形状が異なる。また、結像光学系30の光学倍率や撮像視野の大きさによって、メニスカスに起因して屈折した光の焦点距離が異なる。
したがって、まず、調整光学系制御部51によって上述したような条件が取得され、調整光学系制御部51は、取得した条件に基づいて、調整光学系20の調整条件(初期設定値、変更調整量および変更上限回数)を取得する(S12)。
具体的には、調整光学系制御部51は、調整光学系20の初期設定値として、光学素子21のX方向、Y方向およびZ方向の位置を調整する際の初期設定値、光学素子21の光軸の回転角度(θ,φ,ρ)を調整する際の初期設定値と、光学素子21の屈折力を調整する際の初期設定値とを取得する。光学素子21の屈折力を調整する際の初期設定値としては、液晶レンズや空間光変調器に印加する電圧の初期設定値や、液体レンズ内に注入される液体の量の初期設定値などがある。
また、調整光学系制御部51は、光学素子21のX方向、Y方向およびZ方向の位置を調整する際における1回当たりの変更調整量および変更上限回数と、光学素子21の光軸の回転角度(θ,φ,ρ)を調整する際における1回当たりの変更調整量および変更上限回数と、光学素子21の屈折力を調整する際における1回当たりの変更調整量および変更上限回数とを取得する。
上述したような調整光学系20の調整条件は、調整条件を決定するための条件と調整条件とを対応づけたテーブルを調整光学系制御部51に予め記憶しておき、このテーブルを参照することによって取得するようにすればよい。
このように各条件に応じた調整条件を取得し、調整光学系20の光学特性を調整する際の調整稼働範囲を限定することによって、後述する調整光学系20の光学特性の調整時間を短縮することができ、また調整稼働範囲を狭くすることができるので、小型化を図ることができる。
次に、結像光学系制御部52から結像光学系駆動部34に制御信号が出力され、結像光学系駆動部34は、入力された制御信号に基づいて、結像光学系30の第2の対物レンズ31をZ方向に移動させる。そして、その第2の対物レンズ31のZ方向の移動に伴って撮像部40によって順次撮像された画像信号が結像光学系制御部52に順次入力され、結像光学系制御部52は、その入力された画像信号に基づいてオートフォーカス制御を行う(S14)。具体的には、結像光学系制御部52は、入力された画像信号のコントラストが最大となる第2の対物レンズ31の位置を特定し、第2の対物レンズ31の位置をその特定した位置に設定する。
そして、結像光学系制御部52によってオートフォーカス制御が行われた後、撮像部40によって、調整光学系20の光学特性を調整するための調整用画像が撮像される(S16)。撮像部40によって撮像された調整用画像は、調整光学系制御部51に入力される。
調整光学系制御部51は、入力された調整用画像の濃度の均一性を表す特徴量を取得する(S18)。そして、調整光学系制御部51は、調整用画像の濃度の均一性が適切な状態でない場合には、調整光学系駆動部22に制御信号を出力する。
ここで、調整用画像の濃度の均一性が適切な状態とは、たとえば調整用画像内に現れるリング状の像がほぼ回転対称な形状となった状態である。なお、この際、必ずしもリング状の像が回転対称な形状にならなくてもよく、回転対称な形状に最も近づけるように調整するようにすればよい。
また、この際に取得される調整用画像の特徴量としては、たとえば調整用画像の背景情報があり、具体的には、調整用画像に対してローパスフィルタ処理を施すことによって低周波成分の画像が取得される。そして、この低周波成分の画像からリング状の画像を抽出し、たとえばパターンマッチングなどを行うことによって回転対称からのずれ量を算出し、そのずれ量が所定の閾値よりも大きい場合に、調整光学系駆動部22に制御信号が出力される。
そして、調整光学系駆動部22は、入力された制御信号に基づいて、光学素子21のX方向およびY方向の位置と、光学素子21の光軸の回転を、上述した変更調整量だけ調整する(S20)。
そして、再び、撮像部40によって調整用画像が取得され、調整光学系制御部51に入力される。調整光学系制御部51は、入力された調整用画像の濃度の均一性を表す特徴量を再び取得し、調整用画像の濃度の均一性が適切な状態でない場合には、調整光学系駆動部22に再び制御信号を出力する。調整光学系駆動部22は、入力された制御信号に基づいて、再び光学素子21のX方向およびY方向の位置と、光学素子21の光軸の回転を、上述した変更調整量だけ調整する。
このように調整用画像の撮像と、その調整用画像の濃度の均一性を表す特徴量に基づく光学素子21のX−Y方向の位置および光軸の回転の調整とが、上述した変更上限回数を上限として繰り返して行われ、調整用画像の濃度の均一性が適切な状態となるように光学素子21のX−Y方向の位置および光軸の回転が調整される。
そして、上記のようにして光学素子21のX−Y方向の位置および光軸の回転の調整が終了した後、次に、調整光学系制御部51は、調整用画像のコントラストを表す特徴量を取得する(S22)。そして、調整光学系制御部51は、調整用画像のコントラストが適切な状態でない場合には、調整光学系駆動部22に制御信号を出力し、調整光学系駆動部22は、入力された制御信号に基づいて、光学素子21のZ方向の位置および光学素子21の屈折力を、上述した変更調整量だけ調整する。
調整用画像のコントラストを表す特徴量としては、たとえば調整用画像に対してハイパスフィルタ処理を施すことによって高周波成分の画像が取得される。そして、この高周波成分の画像からコントラストを算出し、そのコントラストが所定の閾値以下である場合に、調整光学系駆動部22に制御信号が出力される。
そして、再び、撮像部40によって調整用画像が取得され、調整光学系制御部51に入力される。調整光学系制御部51は、入力された調整用画像のコントラストを表す特徴量を再び取得し、調整用画像のコントラストが適切な状態でない場合には、調整光学系駆動部22に再び制御信号を出力する。調整光学系駆動部22は、入力された制御信号に基づいて、再び光学素子21のZ方向の位置および光学素子21の屈折力を、上述した変更調整量だけ調整する。
このように調整用画像の撮像と、その調整用画像のコントラストを表す特徴量に基づく光学素子21のZ方向の位置および屈折力の調整とが、上述した変更上限回数を上限として繰り返して行われ、調整用画像のコントラストが最大となるように光学素子21のZ方向の位置および屈折力が調整される(S24)。
そして、光学素子21のZ方向の位置および屈折力の調整が行われた後、撮像部40によって観察用画像が撮像される(S26)。
撮像部40によって撮像された観察用画像は顕微鏡制御装置50に入力され、顕微鏡制御装置50は、入力された観察用画像を表示装置55に表示させる(S28)。
上記実施形態の顕微鏡システムによれば、照明光学系10と観察対象Sとの間に、培養容器60内の培養液Cのメニスカスに起因する照明光の屈折を調整する調整光学系20を設け、撮像部40によって撮像された画像の濃度の均一性および濃度コントラストに基づいて、調整光学系20の光学特性を制御するようにしたので、コストアップや装置の大型化を招くことなく、メニスカスに起因する照明光の屈折を高精度に自動調整することができる。
なお、上記実施形態の顕微鏡システムにおいては、光学素子21への印加電圧や注入する液量を調整することによって光学素子21の屈折力を調整するようにしたが、これに限らず、たとえば調整光学系20として、図7I〜IIIに示すような互いに曲率半径の異なる複数のレンズを設け、これらのレンズを自動的に切り替えることによって屈折力を調整するようにしてもよい。また、光学素子21の光軸を回転させる方法としては、たとえば図7IV〜図7Vに示すような、光の出射角度が互いに異なる複数のレンズを設け、これらのレンズを自動的に切り替えることによって光学素子21の光軸方向を調整するようにしてもよい。また、図7I〜Vに示すような複数種類のレンズを組み合わせて使用することによって、光学素子21の屈折力および光軸の回転を調整するようにしてもよい。
また、上記実施形態の顕微鏡システムにおいては、調整光学系20の屈折力を調整するようにしたが、屈折力の調整は行わずに、光学素子21のX方向、Y方向およびZ方向の位置調整および光学素子21の光軸の回転調整だけを行うようにしてもよい。
また、上記実施形態の顕微鏡システムにおいては、ユーザによって入力された光学倍率や培養容器60の種類などの条件に基づいて、調整光学系20の調整条件を取得するようにしたが、これに限らず、培養液Cの液面に形成されるメニスカスの形状(液面の形状)を計測し、その計測結果に基づいて、調整条件を取得するようにしてもよい。
具体的には、たとえば図8に示すように、培養液Cの液面の形状を計測する液面形状計測部70を設け、調整光学系制御部51が、液面形状計測部70による計測情報に基づいて、液面の曲率、高さおよび角度などを算出し、これらを用いて調整条件を取得するようにしてもよい。なお、上記液面の曲率、高さおよび角度としては、調整用画像の撮像領域内の液面の平均曲率、平均高さおよび平均角度を算出することができる。また、液面形状計測部70としては、たとえば、レーザ変位計を用いることができ、連続的に液面の表面を計測することによって、表面形状を計測することができる。また、調整条件を取得する方法としては、たとえば液面の曲率、高さおよび角度と調整条件とを対応付けたテーブルを予め記憶しておくようにしてもよいし、液面の曲率、高さおよび角度を入力として調整条件を出力する関数などを予め設定しておくようにしてもよい。
また、液面形状計測部70によって液面の形状を計測する際、培養容器60のZ方向の全幅について液面を探索して計測するようにしたのでは、非効率であり、また、液面形状計測部70も大型化してしまう。
そこで、たとえば、液面形状計測部70が、培養容器60の種類、観察対象Sの種類、観察対象Sの数、培養液Cの種類、培養液Cの量、環境温度および環境湿度の少なくとも1つに基づいて、培養液Cの液面形状の計測条件を取得し、その取得した計測条件に基づいて、液面形状の計測を行うようにしてもよい。上述した培養容器60の種類などの情報は、培養液Cの液面の形状に影響を及ぼす情報であり、これらの情報は、ユーザによって入力装置54を用いて設定入力される。
計測条件としては、計測範囲、計測中心値および計測ステップ数などがあり、上述し培養容器60の種類などの情報と計測条件とを対応づけたテーブルが予め記憶されているものとする。たとえば培養容器60のウェルが小さい場合やメニスカスが起きやすい液体を使用する場合には、液面の曲率半径が小さくなることが想定されるため、計測範囲を小さくし、計測ステップ数を増やすことによって高分解能に計測する。一方、培養容器60のウェルが大きい場合やメニスカスが起きにくい液体を使用する場合には、液面の曲率半径が大きくなることが想定されるため、計測範囲を大きくし、計測ステップ数を減らすことによって低分解能に計測する。
また、たとえばステージ61をX−Y方向に移動させながら、観察対象Sを2次元的に走査して複数の観察画像を撮像する場合には、X−Y方向の各位置で液面の形状が計測され、その計測情報に基づいて調整条件が取得される。そして、このようにX−Y方向の各位置で液面の形状を計測する場合には、最初の位置で液面の形状を計測する場合についてのみ、上述した培養容器60の種類などの情報に基づいて計測条件を取得し、それ以外の位置における2回目以降の計測については、前回計測した計測結果(液面の曲率、高さおよび角度)に基づいて、計測条件を取得するようにすればよい。
また、上述したように培養液Cの液面の形状を計測するのではなく、培養液Cの重量を計測し、その培養液Cの重量の情報に基づいて、調整光学系20の調整条件を取得するようにしてもよい。具体的には、たとえば図9に示すようにステージ61の下面に重量を計測する重量計測部80を設け、調整光学系制御部51が、重量計測部80によって計測された重量の情報に基づいて、培養液Cの量を算出し、その算出した培養液Cの量に基づいて光学素子21の調整条件を取得するようにしてもよい。重量計測部80としては、ロードセル式、電磁式または音叉式の重量センサを用いることができる。なお、この場合も、培養液Cの量と調整条件とを対応付けたテーブルを予め記憶しておくようにしてもよいし、培養液Cの量を入力として調整条件を出力する関数などを予め設定しておくようにしてもよい。
10 照明光学系
11 白色光源
12 スリット板
12a スリット
12b 遮光板
13 第1の対物レンズ
20 調整光学系
21 光学素子
22 調整光学系駆動部
30 結像光学系
31 第2の対物レンズ
32 位相板
32a 位相リング
32b 透明板
33 結像レンズ
34 結像光学系駆動部
40 撮像部
50 顕微鏡制御装置
51 調整光学系制御部
52 結像光学系制御部
53 ステージ制御部
54 入力装置
55 表示装置
60 培養容器
62 ステージ駆動部
70 液面形状計測部
80 重量計測部

Claims (16)

  1. 位相差計測のための照明光を容器内に設置された観察対象に照射する照明光学系と、
    該照明光学系と前記観察対象との間に設けられ、少なくとも1つの光学素子を有し、前記容器内の液体の液面形状に起因する前記照明光の屈折を調整する調整光学系と、
    前記照明光を照射した前記観察対象を撮像する撮像部と、
    該撮像部によって撮像された画像の濃度の均一性および濃度コントラストに基づいて、前記調整光学系の光学特性を調整する調整光学系制御部とを備えたことを特徴とする位相差顕微鏡。
  2. 前記調整光学系が、屈折力を有する前記光学素子を備えた請求項1記載の位相差顕微鏡。
  3. 前記光学素子が、前記屈折力を調整可能である請求項2記載の位相差顕微鏡。
  4. 前記光学素子が、前記照明光の入射面および出射面のうちの少なくとも一方に曲率を有する請求項2または3記載の位相差顕微鏡。
  5. 前記光学素子が、前記曲率を調整可能である請求項4記載の位相差顕微鏡。
  6. 前記調整光学系が、前記観察対象の設置面の面内方向および前記設置面に直交する方向のうちの少なくとも1つの方向について移動する前記光学素子を備えた請求項1から5いずれか1項記載の位相差顕微鏡。
  7. 前記調整光学系が、光軸が回転調整される前記光学素子を備えた請求項1から6いずれか1項記載の位相差顕微鏡。
  8. 前記調整光学系が、複数の前記光学素子を備えた請求項1から7いずれか1項記載の位相差顕微鏡。
  9. 前記調整光学系制御部が、前記複数の光学素子の組み合わせを変更することによって前記調整光学系の光学特性を調整する請求項8記載の位相差顕微鏡。
  10. 前記調整光学系制御部が、前記複数の光学素子を切り替えることによって前記調整光学系の光学特性を調整する請求項8または9記載の位相差顕微鏡。
  11. 前記調整光学系制御部が、前記調整光学系の調整条件を取得し、該調整条件に基づいて前記調整光学系の光学特性の調整を行う請求項1から10いずれか1項記載の位相差顕微鏡。
  12. 前記調整条件が、前記観察対象の画像を結像する結像光学系の光学倍率、前記容器の種類、前記観察対象の種類、前記観察対象の数、前記液体の種類、前記液体の量、環境温度、環境湿度、前記容器内の撮像位置および前記観察対象の画像の撮像視野の大きさの少なくとも1つに基づいて決定される請求項11記載の位相差顕微鏡。
  13. 前記液体の液面形状を計測する液面形状計測部を備え、
    前記調整光学系制御部が、前記液面形状計測部によって計測された前記液体の液面形状の情報に基づいて、前記調整光学系の調整条件を取得し、該調整条件に基づいて前記調整光学系の光学特性を調整する請求項1から10いずれか1項記載の位相差顕微鏡。
  14. 前記液面形状計測部が、前記容器の種類、前記観察対象の種類、前記観察対象の数、前記液体の種類、前記液体の量、環境温度および環境湿度の少なくとも1つに基づいて、前記液面形状の計測条件を取得し、該取得した計測条件に基づいて、前記液面形状の計測を行う請求項13記載の位相差顕微鏡。
  15. 前記液体の量の重量を計測する重量計測部を備え、
    前記調整光学系制御部が、前記重量計測部によって計測された前記液体の重量の情報に基づいて、前記調整光学系の調整条件を取得し、該調整条件に基づいて前記調整光学系の光学特性を調整する請求項1から10いずれか1項記載の位相差顕微鏡。
  16. 前記照明光学系が、光源および該光源から出射された光を通過させるスリットが設けられたスリット板を有し、該スリット板を通過した光を前記照明光として前記観察対象に照射する請求項1から15いずれか1項記載の位相差顕微鏡。
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