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JP6400522B2 - 電気フィルタ - Google Patents
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JP6400522B2 - 電気フィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、電気フィルタに関する。
室内と室外との電磁環境を遮断する電磁シールド室では、電気機器から発生する微弱な不要輻射(ノイズ電磁波)の測定又はアンテナの性能測定などが行われる。電磁シールド室では、その使用目的に応じて、電磁シールド室の室内と室外との間で、電力を供給するための電源線又は信号を伝達するための信号線、すなわち電気線を施設する必要がある。このような電気線を通過する電気信号に含まれる高周波成分は、電磁シールド室の室内から室外又は室外から室内に漏れる電磁波ノイズの原因となる。このため、電気信号に含まれる高周波成分をカットする目的で、電気線に電気フィルタが挿入される。このような電気フィルタの一例が、例えば、特許文献1に開示されている。
電気フィルタは、電磁シールド室のシールド壁の一部を構成するフィルタパネルに設置される。フィルタパネルの表面には入力端子台とその入力端子台に接続された電気フィルタが実装され、裏面には出力端子台が実装される。電気フィルタと出力端子台との間には、電気線を通すための貫通管が設けられており、貫通管を通過する電気線(貫通ケーブル)を介して電気フィルタと出力端子台とが接続されている(図4参照)。この電気フィルタにより、電磁シールド室のシールド性能を維持したままで、電磁シールド室の室内と室外との間における電力供給又は信号送受信が可能になる。
実開平3−65298号公報
フィルタパネルでは、複数台の電気フィルタがまとめて設置されるのが一般的である。また、電気フィルタは、シールド性能、電流値、ケーブルの芯数等に応じて様々な種類のものがあり、大きさ、形状もばらばらである。とりわけ、電流値が200Aを超える電源用の電気フィルタ又は100芯以上の信号線用の電気フィルタでは、フィルタパネルにおけるフィルタの設置面積が大きくなり、設置される電気フィルタの数も多くなる。このため、複数台の電気フィルタをフィルタパネルに設置する場合には、電気フィルタの設置スペースの確保に苦労することが多い。
また、電気フィルタにはコンデンサが設けられているため、例えば設置から約15年で電気フィルタを新品と交換することが推奨されている。ところが、電磁シールド室が電磁波の漏洩を防止するための所謂テンペスト(Transient Electromagnetic Pulse Surveillance Technology)目的で施設されている場合、電気フィルタの交換作業には、交換中であってもシールド性能が劣化しないような工夫が要求される。例えば、貫通管全体をシールド布で覆い、隙間をシールドテープで完全に塞いで、貫通ケーブルを引き抜くという準備作業を行ってから、電気フィルタの交換作業を行うといった具合である。このような準備作業は、作業者の負担を増やすうえ、交換作業全体に要する時間を長くする。
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、フィルタの設置面積をより小さくし、シールド性能を低下させることなく効率的に交換作業を行うことができる電気フィルタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、この発明に係る電気フィルタは、電磁シールド室の内外を結ぶ電気線に挿入される電気フィルタであって、電磁シールド室のシールド壁の一方の面に設置され、一端がシールド壁の一方の面の側の電線に接続された第1のフィルタ回路と、シールド壁の他方の面に、第1のフィルタ回路と対向して設置され、一端がシールド壁の他方の面の側の電線に接続された第2のフィルタ回路と、第1のフィルタ回路の他端と第2のフィルタ回路の他端とをシールド壁を貫いて接続する貫通部と、を備える。
この発明によれば、第1のフィルタ回路が、電磁シールド室のシールド壁の一方の面に設置され、一端がシールド壁の一方の面の側の電線に接続されており、第2のフィルタ回路が、シールド壁の他方の面に、第1のフィルタ回路と対向して設置され、一端がシールド壁の他方の面の側の電線に接続されている。このため、第1、第2のフィルタ回路の両方を、電磁シールド室のシールド壁の一方の側に設ける必要がなくなるので、フィルタの設置面積をより小さくすることができる。また、一方のフィルタ回路を交換中であっても、壁面を通過した電磁波ノイズを、他方のフィルタ回路で減衰させることができるので、電磁波の漏洩を防止するための準備作業が不要となる。この結果、シールド性能を低下させることなく効率的にフィルタを交換することができる。
この発明の実施の形態1に係る電気シールド室の一部の断面図である。 実施の形態1に係る電気フィルタの構成を示す断面図である。 実施の形態1に係る電気フィルタの等価回路である。 従来の電気フィルタの構成を示す断面図である。 図5(A)及び図5(B)は、従来の電気フィルタが実装されたフィルタパネルの表面図及び裏面図である。 図6(A)及び図6(B)は、実施の形態1に係る電気フィルタが実装されたフィルタパネルの表面図及び裏面図である。 図7(A)及び図7(B)は、従来の電気フィルタにおける部品交換作業を示す図である。 実施の形態1に係る電気フィルタにおける部品交換作業を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る電気フィルタの構成を示す断面図である。 実施の形態2に係る電気フィルタの等価回路である。
この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面においては、同一または同等の部分に同一の符号を付している。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る電気シールド室の一部の断面図である。図1に示すように、この発明の実施の形態1に係る電気フィルタ100は、電磁シールド室200の室内と室外との間に施設され、電磁シールド室200の内外を結ぶ電線に挿入される。電磁シールド室200は、例えば1.6mmの厚みを有するシールド壁50によって形成されている。シールド壁50は、導電性の材料(金属製の薄板、金属製の網(ネット)又は導電性を有する繊維布等)を含む素材で構成されており、接地されている。これにより、シールド壁50には、その壁面を横切る電磁波を透過させない性質が与えられている。
図1では、シールド壁50の一部しか示されていないが、実際には、シールド壁50は、電気フィルタ100が設置されるフィルタパネル20とともに閉じた空間を形成する。このシールド壁50によって、室内で放射される電磁波を外部に伝播させず、外部の電磁波を内部に伝播させない、すなわち、室内と室外との電磁環境を遮断する電磁シールド室200が形成される。
実際には、シールド壁50の一部には、開口60が設けられている。フィルタパネル20は、開口60を塞ぐ形で、ボルトナット止めにより、シールド壁50に取り付けられている。フィルタパネル20も、シールド壁50と同様に、導電性の材料が用いられており、接地されている。したがって、フィルタパネル20は、パネル面を横切る電磁波を遮断する電磁シールド室200のシールド壁の一部を構成する。フィルタパネル20の厚みは、例えば3.2mmであり、シールド壁50の倍となっている。これにより、フィルタパネル20には、電気フィルタ100を十分に支えることができる強度が与えられている。
フィルタパネル20には、複数台の電気フィルタ100が設置されている。各電気フィルタ100は、大きさは様々であるが、構成は同一である。各電気フィルタ100は、前述のように、フィルタパネル20の表側(電磁シールド室200の室内側)、すなわち電磁シールド室200のシールド壁を構成するフィルタパネル20の一方の面に設置される表側フィルタ部100Aと、フィルタパネル20の裏側(電磁シールド室200の室外側)、すなわち電磁シールド室200のシールド壁を構成するフィルタパネル20の他方の面に設置される裏側フィルタ部100Bと、を備える。表側フィルタ部100A及び裏側フィルタ部100Bは、フィルタパネル20を挟んで、互いに対向する位置に設けられている。この実施の形態では、表側フィルタ部100Aが第1のフィルタ回路に対応し、裏側フィルタ部100Bが第2のフィルタ回路に対応する。
フィルタパネル20の室内側には、入力端子台1が設置されている。入力端子台1は、電磁シールド室200の外部に設けられた送信装置70に接続されたケーブル71と接続されている。入力端子台1には、送信装置70からケーブル71を介して電気信号が供給される。入力端子台1には、フィルタパネル20の一方の面の側(表側)の電線である入力ケーブル2が接続されている。入力ケーブル2は、表側フィルタ部100Aの一端に接続されている。入力ケーブル2は、入力端子台1に供給された電気信号は、入力ケーブル2を介して表側フィルタ部100Aに送られる。
図2は、この発明の実施の形態1に係る電気フィルタの構成を示す断面図である。図3は、この発明の実施の形態1に係る電気フィルタの等価回路である。図2及び図3に示すように、フィルタパネル20のパネル表面13に設けられた表側フィルタ部100Aは、電気信号を入力する入力部3と、電気信号にフィルタ処理を施すπ型フィルタ4と、フィルタ処理が施された電気信号を電磁シールド室200内に送るための入力側貫通部5とを備える。フィルタパネル20のパネル裏面14に設けられた裏側フィルタ部100Bは、入力側貫通部5から送られた電気信号をπ型フィルタ9に送るための出力側貫通部10と、出力側貫通部10から送られた電気信号にフィルタ処理を施すπ型フィルタ9と、π型フィルタ9を通過した電源信号を出力する出力部8と、を備える。
入力部3、π型フィルタ4及び入力側貫通部5は、それぞれ異なるシールドケース3A、4A、5Aに収容されており、出力側貫通部10、π型フィルタ9及び出力部8は、それぞれ異なるシールドケース10A、9A、8Aに収容されている。入力部3及びπ型フィルタ4の間、π型フィルタ4及び入力側貫通部5の間、出力側貫通部10及びπ型フィルタ9の間、π型フィルタ9及び出力部8の間は、シールドケース3A、4A、5A、10A、9A、8Aのシールド壁によって仕切られている。シールドケース3A、4A、5A、10A、9A、8Aは、上蓋によって開閉可能となっている。シールドケース3A、4A、5A、10A、9A、8Aは、導電性の素材から形成されており、フィルタパネル20を介して接地されている。すなわち、シールドケース3A、4A、5A、10A、9A、8Aには、ケース内外への電磁波の伝播を遮断するシールド処理が施されている。
入力部3は、入力ケーブル2を介して入力端子台1に接続されている。入力部3には、入力端子台1及び入力ケーブル2を介して電気信号が供給される。入力部3に供給された電気信号は、π型フィルタ4へ供給される。
π型フィルタ4は、2つの貫通コンデンサ15A、15Bと、2つのフィルムコンデンサ16A、16Bと、インダクタ17と、を備える。貫通コンデンサ15A、15Bは、2つの入出力端子と、1つのアース端子とを有する3端子コンデンサである。貫通コンデンサ15Aの入力側の入出力端子は、入力ケーブル2と接続されており、貫通コンデンサ15Aの出力側の入出力端子は、インダクタ17の入力側の入出力端子と接続されている。貫通コンデンサ15Aのアース端子は、シールドケース4A(グラウンド)に接続されている。
フィルムコンデンサ16Aは、2端子コンデンサであり、貫通コンデンサ15Aの出力側の入出力端子とシールドケース4A(グラウンド)との間に挿入されている。
インダクタ17は、両端に入出力端子を有するケーブルを、ダストコア(例えば鉄または、鉄合金の金属粉等を圧縮成型した後、金属粉及びその他の混合材料が溶解しない1000度以下の温度で焼成したもの)に複数回巻くことにより形成されている。これにより、電気信号に含まれる高周波成分の除去に必要な自己インダクタンスを得ることができる。
インダクタ17の出力側の入出力端子は、貫通コンデンサ15Bの入力側の入出力端子に接続されている。貫通コンデンサ15Bの出力側の入出力端子(すなわち表側フィルタ部100Aの他端)は、貫通ケーブル12と接続されている。貫通コンデンサ15Bのアース端子は、シールドケース4A(グラウンド)に接続されている。フィルムコンデンサ16Aは、貫通コンデンサ15Bの入力側の入出力端子とシールドケース4A(グラウンド)との間に挿入されている。
上述のような構成を有するπ型フィルタ4は、C−L−C構成のLC複合タイプのフィルタである。π型フィルタ4は、フィルタ内を流れる電力信号に含まれる高周波成分をカットし、低周波成分を通過させる所謂ローパスフィルタとして動作する。π型フィルタ4の両端に位置するコンデンサは、シールドケース4Aの仕切面を貫通するように配置する必要があるので、それらのコンデンサとして貫通コンデンサ15A、15Bが用いられる。貫通コンデンサ15A、15Bの静電容量はnFオーダと小さく、これだけでは必要な容量が得られないため、貫通コンデンサ15A、15Bには、静電容量がμFオーダであるフィルムコンデンサ16A、16Bがそれぞれ並列に接続されている。
入力側貫通部5と出力側貫通部10とで貫通部が構成されている。入力側貫通部5と出力側貫通部10との間のフィルタパネル20には、貫通管11が設けられている。貫通管11は、シールドケース5A、フィルタパネル20、シールドケース10Aを貫通している。貫通ケーブル12は、貫通管11に挿通され、入力側貫通部5から出力側貫通部10へ延びている。貫通管11は、導電性の素材から形成されており、フィルタパネル20を介して接地されている。すなわち、貫通管11にも、シールドケース5A、10Aと同様に、シールド処理が施されている。貫通ケーブル12は、例えば絶縁性の材料で被覆されており、貫通管11から絶縁されている。
出力側貫通部10に延びる貫通ケーブル12は、π型フィルタ9の貫通コンデンサ15Aの入力側の入出力端子(すなわち裏側フィルタ部100Bの他端)に接続されている。このように、入力側貫通部5と出力側貫通部10は、表側フィルタ部100Aの他端と、裏側フィルタ部100Bの他端とを、フィルタパネル20を貫いて接続する。
π型フィルタ9の構成は、π型フィルタ4の構成と同じである。すなわち、π型フィルタ9は、貫通コンデンサ15A、15B、フィルムコンデンサ16A、16B及びインダクタ17を有するC−L−C構成のLC複合タイプのフィルタである。π型フィルタ9は、フィルタ内を流れる電源信号に含まれる高周波成分をカットし、低周波成分を通過させる所謂ローパスフィルタとして動作する。
π型フィルタ9の貫通コンデンサ15Bの出力側の入出力端子は、出力部8内で、出力ケーブル7に接続されている。フィルタパネル20のパネル裏面14には、出力端子台6が設けられている。π型フィルタ9から出力された電気信号は、フィルタパネル20の他方の面の側(裏側)の電線である出力ケーブル7を介して出力端子台6に出力される。出力ケーブル7は、裏側フィルタ部100Bの一端に接続され、他端が出力端子台6に接続されている。裏側フィルタ部100Bは、出力ケーブル7を介して出力端子台6に電気信号を供給する。
図1に示すように、出力端子台6は、電磁シールド室200の内部に設けられた処理装置73に接続されたケーブル72に接続されている。出力ケーブル7から出力端子台6へ出力された電気信号は、ケーブル72を介して処理装置73へ供給される。
次に、この実施の形態に係る電気フィルタ100における電気信号に含まれる高周波成分の除去動作について説明する。
π型フィルタ4では、低周波の入力信号に対しては、インダクタ17のインピーダンスが低くなり、貫通コンデンサ15A、15B、フィルムコンデンサ16A、16Bのインピーダンスが高くなる。このため、電気信号の低周波成分は、インダクタ17を介して貫通ケーブル12の方に流れる。
一方、π型フィルタ4では、高周波の入力信号に対しては、インダクタ17のインピーダンスが高くなり、貫通コンデンサ15A、15B、フィルムコンデンサ16A、16Bのインピーダンスが低くなる。このため、電気信号の高周波成分は、貫通コンデンサ15A、15B、フィルムコンデンサ16A、16Bを介してシールドケース4A(グラウンド)の方に流れる。以上の動作により、π型フィルタ4から出力される電気信号から、高周波成分が除去される。
高周波成分が除去された電気信号は、貫通ケーブル12を介してπ型フィルタ9に入力される。π型フィルタ9では、低周波な入力信号に対しては、インダクタ17のインピーダンスが低くなり、貫通コンデンサ15A、15B、フィルムコンデンサ16A、16Bのインピーダンスが高くなる。このため、電気信号の低周波成分は、インダクタ17を介して出力ケーブル7の方に流れる。
一方、π型フィルタ9では、高周波な電気信号に対しては、インダクタ17のインピーダンスが高く、貫通コンデンサ15A、15B、フィルムコンデンサ16A、16Bのインピーダンスが低くなる。このため、電気信号の高周波成分は、貫通コンデンサ15A、15B、フィルムコンデンサ16A、16Bを介して、シールドケース9A(グラウンド)の方に流れる。これにより、π型フィルタ9から出力される電気信号から高周波成分が除去される。
このように、この実施の形態に係る電気フィルタ100では、π型フィルタ4、9が直列に接続された2段構成となっている。π型フィルタを2段構成とすれば、1段構成とするよりも、シールド性能を向上することができる。仮に、π型フィルタ4の1段構成(すなわちπ型フィルタ9がない状態)では、高周波成分の減衰量は、60dB以下(電圧比1/1000)になるのに対し、π型フィルタ4、9の2段構成を採用した場合には、高周波成分の減衰量は、80dB以上(電圧比1/10000)となる。
ここで、この実施の形態に係る電気フィルタ100を、従来の電気フィルタと比較する。まず、従来の電気フィルタの構成について説明する。図4は、従来の電気フィルタの構成を示す断面図である。図4に示すように、π型フィルタ4、9の2段構成による従来の電気フィルタ101は、入力部3、π型フィルタ4、π型フィルタ9及び出力側貫通部10を備える。入力部3、π型フィルタ4、π型フィルタ9、出力側貫通部10は、フィルタパネル20のパネル表面13に設置され、シールドケース3A、4A、9A、10Aによって仕切られている。出力側貫通部10には、フィルタパネル20及びシールドケース10Aを貫通する貫通管11が設けられている。
π型フィルタ4は、貫通コンデンサ15A、15、フィルムコンデンサ16A、16B、インダクタ17を有する。また、π型フィルタ9は、貫通コンデンサ15、15B、フィルムコンデンサ16A、16B、インダクタ17を有する。貫通コンデンサ15は、π型フィルタ4、9で共通である。π型フィルタ4、9は、C−L−C構成のLC複合タイプのフィルタである。
入力ケーブル2は、入力端子台1から入力部3を介して、π型フィルタ4の貫通コンデンサ15Aの入力側の入出力端子まで延びている。出力ケーブル7は、π型フィルタ9の貫通コンデンサ15Bの出力側の入出力端子から、貫通管11を通って、出力端子台6まで延びている。
入力端子台1に入力された電気信号は、入力部3を経て、π型フィルタ4、9に入力され、その高周波成分が除去された状態で、出力ケーブル7に出力され、出力端子台6へと送られる。
図5(A)は、従来の電気フィルタが実装されたフィルタパネルの表面図である。図5(B)は、従来の電気フィルタが実装されたフィルタパネルの裏面図である。フィルタパネル20のパネル表面13に、従来の電気フィルタ101を並べて設置する場合、図5(A)に示すように、フィルタパネル20のパネル表面13に電気フィルタ101が密集配置される。この場合、フィルタパネル20のパネル裏面14では、図5(B)に示すように、設置されるのは出力端子台6、貫通管11、出力ケーブル7のみとなる。このため、フィルタパネル20のパネル表面13は、あまり空きスペースのない状態となる一方、フィルタパネル20のパネル裏面14の大部分は、空きスペースとなる。
しかしながら、フィルタパネル20のパネル裏面14に電気フィルタ101を設置しようとすると、パネル表面13とパネル裏面14とで、電気フィルタ101に接続するケーブルが錯綜するため、パネル裏面14の空きスペースに電気フィルタ101を設置するのは困難である。したがって、電磁シールド室200の室内の設備が変更となり、電気フィルタ101を電磁シールド室200に追加する場合には、電気フィルタ101を設置するための別の空きスペースを探す必要がある。
図6(A)は、この発明の実施の形態1に係る電気フィルタが実装されたフィルタパネルの表面図である。図6(B)は、この発明の実施の形態1に係る電気フィルタが実装されたフィルタパネルの裏面図である。図6(A)及び図6(B)に示すように、この実施の形態に係る複数台の電気フィルタ100を、フィルタパネル20に密集配置しても、電気フィルタ100の設置面積は、従来の電気フィルタ101の設置面積よりも小さいため、新たに電気フィルタ100を設置することができる空きスペースSA、SBを確保することができる。このため、より多くの電気フィルタ100をフィルタパネル20に設置することができる。
次に、電気フィルタ100を交換する場合について説明する。
図7(A)及び図7(B)は、従来の電気フィルタにおける部品交換作業を示す図である。従来の電気フィルタ101を取り外す場合には、図7(A)に示すように、まず、始めにネジ止めされた出力側貫通部10の上蓋を外してから、出力ケーブル7を貫通コンデンサ15Bから切り離す必要がある。しかしながら、従来の電気フィルタ101では、上蓋を外した瞬間に、シールドケース10Aの上蓋を外した部分から進入する電磁波(矢印E)により、高周波の電磁波が出力ケーブル7に誘起され、出力ケーブル7を伝わってフィルタパネル20の反対側へ漏れてしまい、電磁シールド室200のシールド性能が一時的に劣化する。
このような一時的なシールド性能の劣化を防止するためには、図7(B)に示すように、出力端子台6に接続された出力ケーブル7の方を切り離し、貫通管11内または出力側貫通部10内に出力ケーブル7を閉じ込めてしまう必要がある。しかしながら、出力ケーブル7は10m以上となる場合も多く、出力ケーブル7の節々が結束されていることもあるため、出力ケーブル7を閉じ込める作業は容易ではない。このため、通常は、大きな金属メッシュが形成された電磁シールド布を用いて、フィルタパネル20のパネル裏面14の方から出力ケーブル7全体を覆い隠す準備作業を行って、シールド性能の劣化を防ぎつつ、フィルタの交換作業が行われている。
図8は、この発明の実施の形態1に係る電気フィルタにおける部品交換作業を示す図である。この実施の形態1に係る電気フィルタ100によれば、図8に示すように、裏側フィルタ部100Bの出力側貫通部10において、シールドケース10Aの上蓋を外し、貫通ケーブル12をπ型フィルタ9の貫通コンデンサ15Aから切り離しても、表側フィルタ部100Aは、そのまま動作しているので、貫通ケーブル12に混入した電磁波ノイズは、表側フィルタ部100Aによって除去される。このため、フィルタ交換中のシールド性能の劣化を回避することが可能になる。
以上詳細に説明したように、この実施の形態によれば、表側フィルタ部100Aが、電磁シールド室200のシールド壁(フィルタパネル20)の一方の面に設置され、一端がシールド壁の一方の面の側の電線に接続されており、裏側フィルタ部100Bが、シールド壁(フィルタパネル20)の他方の面に、表側フィルタ部100Aと対向して設置され、一端がシールド壁の他方の面の側の電線に接続されている。このため、表側フィルタ部100A、裏側フィルタ部100Bの両方を、電磁シールド室200のシールド壁(フィルタパネル20)の一方の側に設ける必要がなくなるので、フィルタの設置面積をより小さくすることができる。また、一方のフィルタ部を交換中であっても、壁面を通過した電磁波ノイズを、他方のフィルタ部で減衰させることができるので、電磁波の漏洩を防止するための準備作業が不要となる。この結果、シールド性能を低下させることなく効率的にフィルタを交換することができる。
また、一方側のπ型フィルタの部品を交換中であっても、貫通管11を介してフィルタパネル20の他方側に漏れた電磁波ノイズを、他方側のπ型フィルタで減衰させることができるので、電磁波の漏洩を防止するための準備作業が不要となる。この結果、シールド性能を低下させることなく効率的にフィルタの部品交換を行うことができる。
実施の形態2.
図9は、この発明の実施の形態2に係る電気フィルタの構成を示す断面図である。図10は、この発明の実施の形態2に係る電気フィルタの等価回路である。図9及び図10に示すように、この発明の実施の形態2に係る電気フィルタ100では、表側フィルタ部100Aの他端と裏側フィルタ部100Bの他端とを接続するのに、貫通部を構成する貫通管11(図2参照)の代わりに貫通コンデンサ15が用いられる。貫通コンデンサ15は、シールド壁(フィルタパネル20)及びシールドケース4A、9Aを貫通する。貫通コンデンサ15は、π型フィルタ4の出力側の貫通コンデンサとして機能するとともに、π型フィルタ9の入力側の貫通コンデンサとしても機能する。
フィルタパネル20のパネル表面13側に設置された貫通コンデンサ15の入力側の入出力端子とシールドケース4A(グラウンド)との間には、フィルムコンデンサ16Bが挿入されている。また、フィルタパネル20のパネル裏面14側に設置された貫通コンデンサ15の出力側の入出力端子とシールドケース9A(グラウンド)との間には、フィルムコンデンサ16Aが挿入されている。フィルムコンデンサ16Bは、上記実施の形態におけるπ型フィルタ4のフィルムコンデンサ16Bと同じ役割を果たす。また、フィルムコンデンサ16Aは、上記実施の形態におけるπ型フィルタ9のフィルムコンデンサ16Aと同じ役割を果たす。
この実施の形態に係る電気フィルタ100では、入力側貫通部5、出力側貫通部10、貫通ケーブル12が設けられていない。このため、フィルタの構成をより簡素化することができる。また、上記実施の形態1に係る電気フィルタ100よりも、さらに小型化が可能である。この結果、フィルタパネル20の空きスペースをより大きくして、その空きスペースを有効活用することが可能になる。
また、この実施の形態2に係る電気フィルタ100によれば、裏側フィルタ部100Bの部品交換の際に、シールドケース9Aの上蓋を外し、貫通コンデンサ15から切り離しても、表側フィルタ部100Aは、そのまま動作しているので、貫通コンデンサ15を経由してフィルタパネル20の反対側へ漏れた電磁波ノイズは、表側フィルタ部100Aによって除去される。このため、フィルタ交換中のシールド性能の劣化を回避することが可能になる。
上記実施の形態では、フィルタパネル20のパネル表面13にπ型フィルタ4を1段設け、パネル裏面14にπ型フィルタ9を1段設けたが、この発明はこれには限られない。例えば、フィルタパネル20の少なくとも片側にπ型フィルタを複数段に設けるようにしてもよい。このようにすれば、電気信号に含まれる高周波成分をより強めに除去することができる。
上記実施の形態では、ローパスフィルタとしてπ型フィルタを用いたが、本発明はこれには限られない。例えば、T型のフィルタを用いるようにしてもよいし、π型フィルタ、T型フィルタにコイル、コンデンサをさらに付加した他のフィルタを用いてもよい。しかしながら、T型フィルタは、コイルを2段構成で接続する必要があり、π型フィルタよりも大型となる。したがって、T型フィルタよりもπ型フィルタを採用した方が、フィルタ全体の設置面積をさらに小さくすることができる。
また、上記実施の形態では、表側フィルタ部100A,裏側フィルタ部100Bをローパスフィルタとしたが、これには限られない。例えば、バンドパスフィルタであってもよく、ハイパスフィルタであってもよい。
π型フィルタ4、9では、キャパシタ成分として、貫通コンデンサとフィルムコンデンサとが並列に接続されたものを用いたが、本発明はこれには限られない。貫通コンデンサが十分な容量を有していれば、貫通コンデンサだけ用いるようにしてもよい。
上記実施の形態では、電磁シールド室200の室内から室外へ電気信号を伝達する場合について説明したが、本発明はこれには限られない。電磁シールド室200の室外から室内へ電気信号を入力する場合にも、本発明を適用可能である。このような電気信号は、電源から供給される電力信号であってもよいし、データ信号であってもよい。
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
この発明は、電磁シールド室の室内と室外との間で電気線を通る電気信号に含まれる高周波成分を除去するのに適用される。
1 入力端子台、2 入力ケーブル、3 入力部、3A シールドケース、4 π型フィルタ、4A シールドケース、5 入力側貫通部、5A シールドケース、6 出力端子台、7 出力ケーブル、8 出力部、8A シールドケース、9 π型フィルタ、9A シールドケース、10 出力側貫通部、10A シールドケース、11 貫通管、12 貫通ケーブル、13 パネル表面、14 パネル裏面、15、15A、15B 貫通コンデンサ、16A、16B フィルムコンデンサ、17 インダクタ、20 フィルタパネル、50 シールド壁、60 開口、70 送信装置、71 ケーブル、72 ケーブル、73 処理装置、100 電気フィルタ、100A 表側フィルタ部、100B 裏側フィルタ部、101 電気フィルタ、200 電磁シールド室。

Claims (5)

  1. 電磁シールド室の内外を結ぶ電気線に挿入される電気フィルタであって、
    前記電磁シールド室のシールド壁の一方の面に設置され、一端が前記シールド壁の前記一方の面の側の電線に接続された第1のフィルタ回路と、
    前記シールド壁の他方の面に、前記第1のフィルタ回路と対向して設置され、一端が前記シールド壁の前記他方の面の側の電線に接続された第2のフィルタ回路と、
    前記第1のフィルタ回路の他端と前記第2のフィルタ回路の他端とを前記シールド壁を貫いて接続する貫通部と、を備えた
    電気フィルタ。
  2. 前記貫通部は、
    前記シールド壁を貫通し、接地された導電性の貫通管と、
    前記貫通管に挿通され、前記貫通管から絶縁され、前記第1のフィルタ回路の前記他端と前記第2のフィルタ回路の前記他端とを接続するケーブルと、を備えた
    請求項1に記載の電気フィルタ。
  3. 前記貫通部は、
    前記シールド壁を貫通し、前記第1のフィルタ回路の前記他端と前記第2のフィルタ回路の前記他端とを接続する貫通コンデンサを備えた
    請求項1に記載の電気フィルタ。
  4. 前記第1のフィルタ回路、前記第2のフィルタ回路、および、前記貫通部は、それぞれ、電磁波を遮断する異なるシールドケースに収容されている、
    請求項1または2に記載の電気フィルタ。
  5. 前記第1、第2のフィルタ回路は、
    π型のフィルタを構成する、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の電気フィルタ。
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