JP6400526B2 - 音声合成装置、その方法、およびプログラム - Google Patents
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Description
[概要]
実施形態の概要を説明する。実施形態では、入力された「テキスト」に応じて素片接続される音素の素片境界前後のスペクトル特徴量の距離に基づいて境界周波数を決定し、「テキスト」に応じた素片接続によって得られる第1合成音声のスペクトルの境界周波数に応じた高域側の成分と、「テキスト」に音声合成のための「音響モデル」を適用して得られる第2合成音声のスペクトルの境界周波数に応じた低域側の成分とを混合した混合スペクトルを得る。「音響モデル」の例はHMMなどの確率モデルである。境界周波数よりも高域の帯域が「境界周波数に応じた高域側」であり、それ以外の帯域が「境界周波数に応じた低域側」であってもよいし、境界周波数以上の高域が「境界周波数に応じた高域側」であり、それ以外の帯域が「境界周波数に応じた低域側」であってもよい。境界周波数よりも高域の帯域が「境界周波数に応じた高域側」であり、境界周波数よりも低域の帯域が「境界周波数に応じた低域側」であってもよい。境界周波数に定数または変数を加算または減算した周波数を境界として「境界周波数に応じた高域側」および「境界周波数に応じた低域側」が定められてもよい。「境界周波数に応じた高域側」の帯域と「境界周波数に応じた低域側」の帯域とが一部で重複してもよい。ここで、素片境界前後のスペクトル特徴量の距離に基づいて境界周波数を決定するため、境界周波数の設定を自動化できるとともに、音素の接続部での歪の大きさに応じ、合成音声に占める素片接続型音声合成方式によるスペクトルが含まれる帯域を調整できる。その結果、音素の接続部での歪に基づく異音発生と、素片接続型音声合成方式導入による自然感の向上との両方を考慮して合成音声の品質を向上させることができる。
第1実施形態を説明する。
<構成>
図1に例示するように、本形態の音声合成装置1は、入力部11、音声コーパス記憶部212、音声データベース(DB)記憶部122、音響モデル記憶部123、音声データベース(DB)構築部131、音響モデル生成部132、素片接続型音声合成部133、HMM音声合成部134、境界周波数決定部135、スペクトル混合処理部136、および波形生成処理部137を有する。図2Aに例示するように、本形態の境界周波数決定部135は決定部1352を含む。図2Bに例示するように、本形態のスペクトル混合処理部136は、ハイパスフィルタ1361、ローパスフィルタ1362、および混合部1363を有する。実施形態の音声合成装置は、例えば、CPU(central processing unit)等のプロセッサ(ハードウェア・プロセッサ)およびRAM(random-access memory)・ROM(read-only memory)等のメモリ等を備える汎用または専用のコンピュータが所定のプログラムを実行することで構成される装置である。このコンピュータは1個のプロセッサやメモリを備えていてもよいし、複数個のプロセッサやメモリを備えていてもよい。このプログラムはコンピュータにインストールされてもよいし、予めROM等に記録されていてもよい。また、CPUのようにプログラムが読み込まれることで機能構成を実現する電子回路(circuitry)ではなく、プログラムを用いることなく処理機能を実現する電子回路を用いて一部またはすべての処理部が構成されてもよい。また、1個の装置を構成する電子回路が複数のCPUを含んでいてもよい。
前処理として音声コーパス記憶部121に音声コーパスが格納される。音声DB構築部131は、音声コーパス記憶部121に格納された音声コーパスを用い、素片接続型音声合成方式による音声合成に利用可能な音声DBを生成する。例えば、音声DB構築部131は、特許2761552号公報、特許4430960号公報などに記載された公知の方法を用いて音声DBを生成できる。生成された音声DBは、音声DB記憶部122に格納される。音響モデル生成部132には、音声コーパス記憶部121に格納された音声コーパスを学習データとして用い、音声合成のための音響モデルを生成する。音響モデルの例は、HMM音声合成用の音響モデルであり、例えば非特許文献1などに記載された公知の方法を用いて生成できる。本形態の音響モデルは、HMMスペクトル(周波数スペクトル)および基本周波数等をモデル化したものである。生成された音響モデルは音響モデル記憶部123に格納される。
次に、図3を用いて本形態の音声合成処理を説明する。入力部11には音声合成の対象となる文章を表すテキストが入力される。テキストは素片接続型音声合成部133およびHMM音声合成部134に入力される。HMM音声合成部134は、音響モデル記憶部123に格納された音響モデルにテキストを適用(例えば、テキストのテキスト解析結果を適用)してHMMスペクトルおよび基本周波数等を得て出力する。HMMスペクトルおよび基本周波数等はスペクトル混合処理部136に送られ、基本周波数はさらに素片接続型音声合成部133に送られる(ステップS134:HMM音声合成処理)。素片接続型音声合成部133は、テキストおよび基本周波数を入力とし、音声DB記憶部122に格納された音声DBを用いて当該テキストに応じた素片接続(素片接続型音声合成)を行い、素片スペクトル(当該テキストに応じた素片接続によって得られる第1合成音声のスペクトル)およびそれに対応する時間情報付の音素系列を得て出力する。「時間情報付の音素系列」は、素片接続された音素の系列であって各音素の時間情報が付与されたものである。音素の時間情報とは、例えば、所定の時刻(例えば、音素系列の先頭時刻)を基準とした音素の時間軸上の位置(例えば、音素の開始時刻または終了時刻)を表す情報である。素片スペクトルおよびそれに対応する時間情報付の音素系列は境界周波数決定部135に送られ、素片スペクトルはさらにスペクトル混合処理部136に送られる(ステップS133:素片接続型音声合成処理)。
図4Aおよび図4Bを用い、ステップS135の詳細を例示する。本形態では素片接続された音素ごとに境界周波数を決定する。本形態では、境界周波数を決定しようとする現音素(i番目の音素)と当該現音素の直前の先行音素(i−1番目の音素)との音素境界Tiの前後の計算区間長Tの時間区間における「所定の周波数区間」がN個(たとえば10個)の帯域(周波数帯域)b1,・・・,bNに区分される。ただし、Tは正値であり、例えば20msecである。Nは2以上の正整数であり、例えばT=10である。「所定の周波数区間」の上限値BNおよび下限値B0は予め定められている。上限値BNの例は母音の第2フォルマントの上限周波数(例えば3kHz)であり、下限値B0の例は母音の第1フォルマントの下限周波数(例えば200Hz)である。各帯域bnの上限値をBnと表記する。本形態ではnが大きな帯域bnほど周波数が高く、帯域bn’−1の上限値Bn’−1が帯域bn’の下限値と一致する。帯域b1,・・・,bNは「所定の周波数区間」をメル尺度(メル周波数)上で等間隔に区分したものであることが望ましいが、線形尺度(線形周波数)上で等間隔に区分したもの等、それ以外の基準で区分されたものであってもよい。
なお、スペクトル特徴量の例は、パワースペクトル、メルケプストラム係数、ケプストラム係数などである(ステップS1352b)。
本形態は第1実施形態の変形例である。本形態では、テキストに応じて素片接続される音素の種別に応じ、(a)スペクトル特徴量の距離に基づいて所定の周波数区間内の境界周波数を決定する第1方式、(b)周波数区間の上限値以上の周波数を境界周波数とする第2方式、または(c)周波数区間の下限値以下の周波数を境界周波数とする第3方式の何れかを選択する。以下では既に説明した事項との相違点を中心に説明し、説明済みの事項についてはそれまでに用いた参照番号を流用して説明を省略する。
図1に例示するように、本形態の音声合成装置2は、入力部11、音声コーパス記憶部212、音声DB記憶部122、音響モデル記憶部123、音声DB構築部131、音響モデル生成部132、素片接続型音声合成部133、HMM音声合成部134、境界周波数決定部235、スペクトル混合処理部136、および波形生成処理部137を有する。図2Aに例示するように、本形態の境界周波数決定部235は、決定方法選択部2351および決定部2352を含む。
第1実施形態と同じである。
第1実施形態との相違点は、境界周波数決定部135がステップS135の境界周波数決定処理を行うことに代えて、境界周波数決定部235がステップS235の境界周波数決定処理を行うことである。その他は第1実施形態で説明した通りである。以下では、ステップS235の境界周波数決定処理のみを説明する。
境界周波数決定部235は、素片スペクトルおよび時間情報付の音素系列を入力とし、前述のようにテキストに応じて素片接続された音素の素片境界前後のスペクトル特徴量の距離に基づいて境界周波数Bを決定して出力する(ステップS235:境界周波数決定処理)。図6を用いて本形態のステップS235の処理を説明する。
方式の選択方法を例示する。
(a)決定方法選択部2351は、「現音素」と「現音素」の直前の「先行音素」との間の歪みが音質に与える影響が大きく、かつ、「現音素」と「現音素」の直後の「後続音素」との間の歪みが音質に与える影響が小さい場合に、「現音素」に対して方式aを選択する。
(b)決定方法選択部2351は、「現音素」と「現音素」の直後の「後続音素」との間の歪みが音質に与える影響が大きい場合に、「現音素」に対して方式bを選択する。
(c)決定方法選択部2351は、「現音素」と「現音素」の直前の「先行音素」との間の歪みが音質に与える影響が小さく、かつ、「現音素」と「現音素」の直後の「後続音素」との間の歪みが音質に与える影響が小さい場合に、「現音素」に対して方式cを選択する。
より具体的な方式の選択方法を例示する(図7A)。
(a)決定方法選択部2351は、「現音素」が母音または有声子音を表し、「現音素」の直前の「先行音素」が母音または有声子音を表し、「現音素」の直後の「後続音素」が無声子音を表す場合に、「現音素」に対して方式aを選択する。
(b)決定方法選択部2351は、「現音素」が母音または有声子音を表し、「現音素」の直後の「後続音素」が母音または有声子音を表す場合に、「現音素」に対して方式bを選択する。
(c)決定方法選択部2351は、「現音素」が母音または有声子音を表し、「現音素」の直前の「先行音素」および直後の「後続音素」が無声子音を表す場合、および/または、「現音素」が無声子音を表す場合に、「現音素」に対して方式cを選択する。
本形態は第2実施形態の変形例である。本形態では、方式b(第2方式)および方式c(第3方式)は、テキストに応じて素片接続される音素の基本周波数に対する、「第1合成音声」の基本周波数の変更度合いに基づいて境界周波数Bを決定する。
図1に例示するように、本形態の音声合成装置3は、入力部11、音声コーパス記憶部212、音声DB記憶部122、音響モデル記憶部123、音声DB構築部131、音響モデル生成部132、素片接続型音声合成部133、HMM音声合成部134、境界周波数決定部335、スペクトル混合処理部136、および波形生成処理部137を有する。図2Aに例示するように、本形態の境界周波数決定部335は、決定方法選択部2351および決定部3352を含む。
第1実施形態と同じである。
第2実施形態との相違点は、境界周波数決定部235がステップS235の境界周波数決定処理を行うことに代えて、境界周波数決定部335がステップS335の境界周波数決定処理を行うことである。ステップS335のステップS235との相違点は、決定部2352に代えて決定部3352が以下の処理を行うことである。その他は第1,2実施形態で説明した通りである。以下では決定部3352の処理のみを説明する。
第3実施形態では、方式bが選択され、かつ、比率F0org/F0synが予め定めた値の範囲内の場合にB=BNとし、方式bが選択され、かつ、比率F0org/F0synが予め定めた値の範囲内でない場合にナイキスト周波数をBとした。しかしながら、方式bが選択された場合に、その他の基準に則って、比率F0org/F0synに応じてBN以上ナイキスト周波数以下の周波数がBとされてもよい。例えば、BN以上ナイキスト周波数以下の範囲で、比率F0org/F0synが予め定められた値(例えば1)に近いほど、BNに近い周波数がBとされてもよい。
以上のように各実施形態では、隣接する音素間の連続性に基づく定量的な尺度、音素の種別、基本周波数の変更度合等に応じて適切に境界周波数を設定できる。これにより、HMM音声合成方式および素片接続型音声合成方式それぞれの長所を生かし、音素の接続部における異音の発生を抑制しつつ、音素のスペクトルの有する肉声感を導入した合成音声を生成できる。
上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
Claims (8)
- テキストに応じて素片接続される音素の素片境界前後のスペクトル特徴量の距離に基づいて境界周波数を決定する境界周波数決定部と、
前記テキストに応じた素片接続によって得られる第1合成音声のスペクトルの前記境界周波数に応じた高域側の成分と、前記テキストに音声合成のための音響モデルを適用して得られる第2合成音声のスペクトルの前記境界周波数に応じた低域側の成分とを混合した混合スペクトルを得るスペクトル混合処理部と、
を有する音声合成装置。 - 請求項1の音声合成装置であって、
前記境界周波数決定部は、
前記テキストに応じて素片接続される音素の種別に応じ、(a)前記スペクトル特徴量の距離に基づいて所定の周波数区間内の前記境界周波数を決定する第1方式、(b)前記周波数区間の上限値以上の周波数を前記境界周波数とする第2方式、または(c)前記周波数区間の下限値以下の周波数を前記境界周波数とする第3方式の何れかを選択する、音声合成装置。 - 請求項2の音声合成装置であって、
前記第2方式および前記第3方式は、前記テキストに応じて素片接続される音素の基本周波数に対する、前記テキストに前記音響モデルを適用して得られる基本周波数の変更度合いに基づいて前記境界周波数を決定する、音声合成装置。 - 請求項2または3の音声合成装置であって、
前記第1方式は、前記テキストに応じて素片接続される音素のそれぞれである現音素と前記現音素の直前の先行音素との前記スペクトル特徴量の距離に基づいて前記現音素に対する前記境界周波数を決定し、
前記境界周波数決定部は、
前記現音素と前記現音素の直前の先行音素との間の歪みが音質に与える影響が大きく、かつ、前記現音素と前記現音素の直後の後続音素との間の歪みが音質に与える影響が小さい場合に、前記現音素に対して前記第1方式を選択し、
前記現音素と前記現音素の直後の後続音素との間の歪みが音質に与える影響が大きい場合に、前記現音素に対して前記第2方式を選択し、
前記現音素と前記現音素の直前の先行音素との間の歪みが音質に与える影響が小さく、かつ、前記現音素と前記現音素の直後の後続音素との間の歪みが音質に与える影響が小さい場合に、前記現音素に対して前記第3方式を選択する、音声合成装置。 - 請求項1から4の何れかの音声合成装置であって、
前記境界周波数決定部は、
所定の周波数区間の一部の帯域である第1判定帯域での前記スペクトル特徴量の距離を得、前記第1判定帯域での前記スペクトル特徴量の距離が許容限界値未満であれば、前記第1判定帯域に応じた周波数を前記境界周波数とし、前記第1判定帯域での前記スペクトル特徴量の距離が前記許容限界値未満でなければ、前記第1判定帯域よりも周波数の高い帯域を第2判定帯域とし、前記第2判定帯域を前記第1判定帯域とした処理を行う、音声合成装置。 - 請求項5の音声合成装置であって、
前記許容限界値は、前記第1判定帯域に応じた周波数に対して広義単調増加する関係にある、音声合成装置。 - テキストに応じて素片接続される音素の素片境界前後のスペクトル特徴量の距離に基づいて境界周波数を決定する境界周波数決定ステップと、
前記テキストに応じた素片接続によって得られる第1合成音声のスペクトルの前記境界周波数に応じた高域側の成分と、前記テキストに音声合成のための音響モデルを適用して得られる第2合成音声のスペクトルの前記境界周波数に応じた低域側の成分とを混合した混合スペクトルを得るスペクトル混合処理ステップと、
を有する音声合成方法。 - 請求項1から6の何れかの音声合成装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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