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JP6400890B2 - マルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボール - Google Patents
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JP6400890B2 - マルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボール - Google Patents

マルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボール Download PDF

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Description

本発明は、マルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボールに関する。
パークゴルフ用ボール、グランドゴルフ用ボールとしては、従来から種々のものが提案されている。このようなボールの例として、球状コアとこのコアを覆う外層とを含む少なくとも2層構造を有するボールが知られており、その具体的な構造として、球状コアとこのコアを覆う内層とこの内層を覆う外層とを含む重層構造が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
ボールを形成する内層や外層等は、耐傷性や耐久性、反発性、飛距離性能などの諸特性の観点から、熱可塑性樹脂やアイオノマーなどの樹脂が広く用いられている。
特開2006−167009号公報 特開2009−213710号公報 特開2002−78829号公報 特許第3956068号公報
しかしながら、上記したようなゴルフボールは、特性制御などの理由から、例えば内層と外層とで用いる材料が異なる場合がある。例えば、熱可塑性エラストマーを用いた層とアイオノマーを用いた層と、を積層した構造とする場合がある。この場合、両層は互いに接着し難い関係にあるため、使用時に層間で剥離等を起こし、結果、ボールの反発性、耐久性が著しく損なわれる場合がある。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、層間接着性に優れた耐久性の高いマルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボールを提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> α,β−不飽和カルボン酸に由来の構成単位を含むアイオノマー樹脂を、層の全質量に対して50質量%以上含有する第1の層と、ポリエチレンに有機酸をグラフト共重合させた有機酸グラフト変性物及びエチレン・α−オレフィン共重合体に有機酸をグラフト共重合させた有機酸グラフト変性物を、層の全質量に対して合計で50質量%以上含有し、かつ、エチレン・α−オレフィン共重合体に有機酸をグラフト共重合させた有機酸グラフト変性物の含有量に対する、ポリエチレンに有機酸をグラフト共重合させた有機酸グラフト変性物の含有量の比が、10/90〜90/10である接着剤層と、熱可塑性エラストマー(但し、アイオノマー樹脂を含まない)を、層の全質量に対して50質量%以上含有する第2の層と、をこの順に含む重層構造を有するマルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボールである。
<2> 前記第2の層における前記熱可塑性エラストマーは、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、及びポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも一種である前記<1>に記載のマルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボールである。
<3> 前記第2の層における前記熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ポリエーテル系ポリウレタンエラストマーである前記<1>又は前記<2>に記載のマルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボールである。
<4> 前記アイオノマー樹脂におけるα,β−不飽和カルボン酸に由来の構成単位の、全構成単位に対する比率が、5質量%以上である前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載のマルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボールである。
<5> 前記有機酸が、無水マレイン酸である前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載のマルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボールである。
<6> オレフィン系化合物に有機酸をグラフト共重合、ブロック共重合、又はランダム共重合させた重合体は、ポリエチレンに無水マレイン酸をグラフト共重合させた無水マレイン酸グラフト変性物、エチレン・オレフィン共重合体に無水マレイン酸をグラフト共重合させた無水マレイン酸グラフト変性物、及びエチレン・オレフィン・(メタ)アクリレート共重合体に無水マレイン酸をグラフト共重合させた無水マレイン酸グラフト変性物から選ばれる少なくとも一つである前記<1>〜前記<5>のいずれか1つに記載のマルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボールである。
> 前記第2の層は、最外層として有し、前記第1の層は、前記接着層の前記第2の層を有する側と反対側に有する前記<1>〜前記<>のいずれか1つに記載のマルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボールである。
> 前記重層構造は、α,β−不飽和カルボン酸に由来の構成単位を含むアイオノマー樹脂を除く高分子材料を用いた芯部と、前記芯部の少なくとも一部を覆う前記第1の層と、前記第1の層の少なくとも一部を覆う前記第2の層と、前記第1の層及び前記第2の層を接着する前記接着層と、を有する前記<1>〜前記<>のいずれか1つに記載のマルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボールである。
> 前記接着剤層の厚みが、10μm〜10mmである前記<1>〜前記<>のいずれか1つに記載のマルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボールである。
本発明によれば、層間接着性に優れた耐久性の高いマルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボールが提供される。
以下、本発明のマルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボールについて詳細に説明する。
本発明のマルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボール(以下、単に「ゴルフ用ボール」又は「パークゴルフ用又はグランドゴルフ用ボール」ともいう。)は、α,β−不飽和カルボン酸に由来の構成単位を含むアイオノマー樹脂の、第1の層の全質量に対する含有比率が50質量%以上である第1の層と、オレフィン系化合物に有機酸をグラフト共重合、ブロック共重合、又はランダム共重合させた重合体の、接着剤層の全質量に対する含有比率が50質量%以上である接着剤層と、熱可塑性エラストマー(但し、アイオノマー樹脂を含まない。)の、第2の層の全質量に対する含有比率が50質量%以上である第2の層と、をこの順に含む重層構造を設けて構成されている。また、本発明のゴルフ用ボールは、上記の層以外の他の層を有していてもよい。
本発明においては、アイオノマー樹脂を主材とする第1の層と、熱可塑性エラストマーを主材とする第2の層と、の間の接着を、オレフィン系化合物に有機酸をグラフト共重合、ブロック共重合、又はランダム共重合させた重合体を用いて行なうことで、互いに接着し難い第1の層及び第2の層の接着性が向上し、ひいては使用時の層間剥離などが防止され、耐久性の高いものとなる。これは特に、第2の層を特定のエラストマー(特に熱可塑性ポリエーテル系ポリウレタンエラストマー)を主材とした場合に顕著である。
また、本発明のパークゴルフ用又はグランドゴルフ用ボールは、前記第1の層と前記接着剤層と前記第2の層とをこの順に含む構造を有していれば、特に制限されるものではなく、任意に構成することができ、また、第1の層と第2の層とは、いずれの層がボールの芯部に近い側に配置されてもよい。具体的には、第1の層が、ボールの芯部から最も遠い最外層を構成し、接着材層を介して該接着材層の第1の層を有する側と反対側に第2の層を有する形態でもよいし、逆に第2の層が、ボールの芯部から最も遠い最外層を構成し、接着材層を介して該接着材層の第2の層を有する側と反対側(芯部に近い方)に第1の層を有する形態でもよい。
本発明のマルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボールを構成する重層構造は、(1)球状の芯部(コア)をなすコア部と、コア部の一部又は全部を覆う第1の層と、第1の層の一部又は全部を覆う接着剤層と、該接着剤層の一部又は全部を覆う第2の層と、を含む少なくとも4層からなる構造でもよいし、(2)前記コア部の材料が第1の層と同一であるときは、前記コア部を兼ねる第1の層と、第1の層の一部又は全部を覆う接着剤層と、該接着剤層の一部又は全部を覆う第2の層と、を含む少なくとも3層からなる構造でもよい。
コア部を有している場合、コア部を形成する材料は、コア部の一部又は全部を覆う第1の層に主成分として用いられるアイオノマー樹脂と異なる高分子材料が用いられる。ここでの高分子材料は、特に制限されるものではなく、従来公知の材料を適宜選択すればよい。
本発明においては、第2の層が、ボールの芯部から最も遠い最外層を構成し、接着材層を介して該接着材層の第2の層を有する側と反対側(ボールの芯部に近い側)に、第1の層を有していることが好ましい。具体的には、α,β−不飽和カルボン酸に由来の構成単位を含むアイオノマー樹脂を除く高分子材料を用いた芯部と、該芯部の少なくとも一部を覆う第1の層と、該第1の層の少なくとも一部を覆う第2の層と、第1の層及び第2の層を接着する接着材層と、を有する重層構造に構成されていることが好ましい。
−第1の層−
本発明における第1の層は、α,β−不飽和カルボン酸に由来の構成単位を含むアイオノマー樹脂(以下、単に「アイオノマー樹脂」又は「アイオノマー」ともいう。)の少なくとも一種を含有する。第1の層は、他のアイオノマー樹脂や、アイオノマー以外の樹脂、あるいは添加剤等の他の成分を用いて構成されてもよい。
アイオノマー樹脂の、第1の層の全質量に対する含有比率は、50質量%以上である。
第1の層の全質量に対する含有比率が「50質量%以上」とは、α,β−不飽和カルボン酸に由来の構成単位を含むアイオノマー樹脂が、第1の層を構成する成分中の主材として含有されていることを示す。α,β−不飽和カルボン酸に由来の構成単位を含むアイオノマー樹脂の第1の層中における含有量は、本発明の効果の点でより多いことが望ましく、具体的には、第1の層の全質量に対して70質量%以上が好ましく、80質量%〜100質量%がより好ましい。
α,β−不飽和カルボン酸に由来の構成単位を含むアイオノマー樹脂は、α,β−不飽和カルボン酸に由来の構成単位を有する重合体の、酸基の少なくとも一部が金属で中和された樹脂である。α,β−不飽和カルボン酸に由来の構成単位を含むアイオノマー樹脂としては、α,β−不飽和カルボン酸に由来の構成単位と、エチレンに由来の構成単位と、を少なくとも有するエチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーが好ましい。
酸基の中和に適用される金属又は金属化合物の金属種としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)等を挙げることができる。これらの中でも、工業化製品を容易に入手可能な点で、亜鉛、マグネシウム、リチウム、及びナトリウムが好ましい。
前記α,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノエステルなどが挙げられ、特に、アクリル酸又はメタクリル酸が好ましい。
アイオノマー樹脂において、ベースポリマーである重合体(例えばエチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体)中に占めるα,β−不飽和カルボン酸に由来の構成単位の含有比率は、5質量%以上が好ましく、5質量%〜35質量%が好ましく、より好ましくは8質量%〜20質量%である。α,β−不飽和カルボン酸に由来の構成単位の含有比率が8質量%以上であることで、パークゴルフ用又はグランドゴルフ用ボールの反発性に優れたものとなる。
また、アイオノマー樹脂のベースポリマーがエチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体である場合、エチレンから導かれる構成単位の含有割合は、65質量%〜95質量%が好ましく、より好ましくは80質量%〜92質量%である。
本発明におけるアイオノマー樹脂が、エチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーである場合、その共重合体は、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体のみならず、これらとさらに他の任意の単量体とがランダム共重合された3元以上の共重合体であってもよい。
本発明におけるアイオノマー樹脂は、入手のしやすさの点から、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体のZn、Na、Li又はMgアイオノマーが好ましい。具体的には、エチレン・アクリル酸共重合体のNaアイオノマー、エチレン・メタクリル酸共重合体のNaアイオノマー、エチレン・アクリル酸共重合体のZnアイオノマー、エチレン・メタクリル酸共重合体のZnアイオノマー、エチレン・アクリル酸共重合体のLiアイオノマー、エチレン・メタクリル酸共重合体のLiアイオノマー、エチレン・アクリル酸共重合体のMgアイオノマー、エチレン・メタクリル酸共重合体のMgアイオノマーを特に好ましい例として挙げることができる。
本発明におけるアイオノマー樹脂は、α,β−不飽和カルボン酸及びエチレンのほか、更に他の単量体が共重合された多元共重合体であってもよい。
共重合されてもよい他の単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸nブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等のα・β−不飽和カルボン酸エステル、一酸化炭素などを例示することができる。
これらの単量体は、アイオノマー樹脂の全質量に対して、例えば、0質量%超えて30質量%以下、好ましくは0質量%超えて20質量%以下、更に好ましくは、0質量%超えて10質量%以下の範囲で共重合されていてもよい。
前記α,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、不飽和カルボン酸の炭素原子数1〜8のアルキルエステル、例えばアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、エタクリル酸アルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、フマル酸アルキルエステル、マレイン酸アルキルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、無水マレイン酸アルキルエステル、イタコン酸アルキルエステル及び無水イタコン酸アルキルエステルが挙げられる。これらのα,β−不飽和カルボン酸エステルから導かれる構成単位を含むと、エチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体の柔軟性が向上するので好ましい。
前記アルキルエステルのアルキル部位としては、炭素原子数1〜12のものを挙げることができ、より具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、セカンダリーブチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル等のアルキル基を例示することができる。中でも、アルキル部位の炭素原子数が1〜8のアルキルエステルが好ましい。
前記α,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、特に、アクリル酸又はメタクリル酸のメチルエステル、エチルエステル、ノルマルブチルエステル、イソブチルエステルが好ましい。
本発明において、特に好ましいエチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体としては、エチレン・(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合体であり、とりわけエチレン・(メタ)アクリル酸・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸・アクリル酸ノルマルブチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸・アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸・メタクリル酸エチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸・メタクリル酸ノルマルブチル共重合体、エチレン・メタアクリル酸イソブチル共重合体が挙げられる。
アイオノマー樹脂における中和度は、15%〜85%が好ましい。中和度が15%以上であることで、硬度、反発弾性、耐傷つき性に優れており、85%以下であることで、過度の溶融粘度上昇を抑制し、加工性や成形性に優れる。中和度は、さらに、17%〜82%がより好ましい。
中和度は、エチレン・α,β−不飽和カルボン酸系共重合体が有する酸基、特にカルボキシ基のモル数に対する、金属又は金属化合物の配合比率(モル%)である。
アイオノマーのメルトフローレート(MFR)としては、0.2g/10分〜20.0g/10分の範囲が好ましく、0.5g/10分〜20.0g/10分がより好ましく、更には0.7g/10分〜18.0g/10分が好ましい。メルトフローレートが前記範囲内であると、成形する際に有利である。
なお、MFRは、JIS K7210−1999に準拠した方法により190℃、荷重2160gにて測定される値である。
本発明におけるアイオノマー樹脂は、ベースポリマーとして例えばエチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体を含むものでもよい。ベースポリマーは、各重合成分を高温、高圧下にラジカル共重合することによって得ることができる。
アイオノマー樹脂は、α,β−不飽和カルボン酸から導かれる構成単位の含有割合が異なるものや中和度の異なるものを複数併用してもよく、更には金属種の異なるもの、即ちナトリウム、亜鉛、リチウムとマグネシウムのうちの2種以上を併用しても構わない。また別には、本発明の目的を損なわない範囲で、金属種の異なる複数種のアイオノマーを併用してもよい。
第1の層には、上記したアイオノマー樹脂のほか、本発明の目的を損なわない範囲で、架橋剤や架橋助剤、他の重合体、各種添加剤を用いてもよい。
前記他の重合体としては、アイオノマー以外の重合体であれば特に制限はない。他の重合体を配合する場合、他の重合体の配合量は、アイオノマー100質量部に対して、例えば20質量部以下とすることができる。
また、前記添加剤の例としては、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防黴剤、抗菌剤、難燃剤、難燃助剤、架橋剤、架橋助剤、発泡剤、発泡助剤、無機充填剤、繊維強化材などが挙げられる。
第1の層の厚みは、0.1μm〜100μmが好ましく、0.5μm〜100μmがより好ましい。
−第2の層−
本発明における第2の層は、熱可塑性エラストマーの少なくとも一種を含有する。第2の層は、アイオノマー樹脂を含まない層として形成されるが、熱可塑性エラストマーのほか、添加剤等の他の成分を用いて構成されてもよい。
熱可塑性エラストマーの、第2の層の全質量に対する含有比率は、50質量%以上である。
第2の層の全質量に対する含有比率が「50質量%以上」とは、熱可塑性エラストマーが、第1の層を構成する成分中の主材として含有されていることを示す。熱可塑性エラストマーの第2の層中における含有量は、本発明の効果の点でより多いことが望ましく、具体的には、第2の層の全質量に対して50質量%以上が好ましく、70質量%〜100質量%がより好ましい。
熱可塑性エラストマーとしては、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、及びポリアミドエラストマー等が挙げられ、接着性の観点から、ポリウレタンエラストマーが好ましく、熱可塑性ポリエーテル系ポリウレタンエラストマーが特に好ましい。熱可塑性ポリエーテル系ポリウレタンエラストマーは、ポリエーテルとイソシアナートとの反応により得られ、主鎖にポリエーテル構造を有するウレタンゴムである。
熱可塑性エラストマーは、上市されている市販品を用いてもよく、市販品の例として、BASF社製のエラストランシリーズ(熱可塑性ポリエーテル系ポリウレタンエラストマー;例えば、エラストラン(登録商標)1180A、同1190ATR、同1195ATR、同1198ATR等)などが挙げられる。
第2の層にも、既述の第1の層と同様に、本発明の目的を損なわない範囲で、熱可塑性エラストマー以外のポリマー、架橋剤、架橋助剤等の各種添加剤を用いてもよい。添加剤の詳細については、既述の通りである。
第2の層の厚みは、0.1μm〜100μmが好ましく、0.5μm〜100μmがより好ましい。
また、第1の層の厚み(d)と第2の層の厚み(d)との比(d/d)としては、1/1000〜1000/1が好ましい。
−接着剤層−
本発明における接着剤層は、オレフィン系化合物に有機酸をグラフト共重合、ブロック共重合、又はランダム共重合させた重合体(以下、特定重合体ともいう。)の少なくとも一種を含有する。接着剤層は、既述の第1の層及び第2の層の間に配置されることで、第1の層中のアイオノマー樹脂と第2の層の熱可塑性エラストマーとの接着強度が高められる。これにより、使用時の層間剥離が防止され、耐久性に優れたものとなる。
また、接着剤層は、特定重合体以外の他の重合体、あるいは添加剤等の他の成分を用いて構成されてもよい。
特定重合体の、接着剤層の全質量に対する含有比率は、50質量%以上である。
接着剤層の全質量に対する含有比率が「50質量%以上」とは、特定重合体が、接着剤層を構成する成分中の主材として含有されていることを示す。特定重合体の接着剤層中における含有量は、本発明の効果の点でより多いことが望ましく、具体的には、接着剤層の全質量に対して、70質量%以上が好ましく、80質量%〜100質量%がより好ましい。
オレフィン系化合物としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとα-オレフィンとの共重合体、プロピレンとα-オレフィンとの共重合体、エチレンとエチルアクリレート、メタアクリレート等との共重合体などが挙げられ、これらを組み合わせたものでもよい。
有機酸としては、無水マレイン酸、アクリル酸等が挙げられ、無水マレイン酸は好ましい例である。
特定重合体としては、例えば、ポリエチレンに無水マレイン酸をグラフト共重合させた無水マレイン酸グラフト変性物、ポリプロピレンに無水マレイン酸をグラフト共重合させた無水マレイン酸グラフト変性物、エチレン・α−オレフィン共重合体に無水マレイン酸をグラフト共重合させた無水マレイン酸グラフト変性物、プロピレン・α-オレフィン共重合体に無水マレイン酸をグラフト共重合させた無水マレイン酸グラフト変性物、エチレン・エチルアクリレート共重合体に無水マレイン酸をグラフト共重合させた無水マレイン酸グラフト変性物に代表されるエチレン・(メタ)アクリレート共重合体に無水マレイン酸をグラフト共重合させた無水マレイン酸グラフト変性物、等が挙げられる。
中でも、ポリエチレンに無水マレイン酸をグラフト共重合させた無水マレイン酸グラフト変性物、エチレン・α-オレフィン共重合体に無水マレイン酸をグラフト共重合させた無水マレイン酸グラフト変性物、エチレン・(メタ)アクリレート共重合体に無水マレイン酸をグラフト共重合させた無水マレイン酸グラフト変性物が好ましい。
また、特定重合体として上市されている市販品を用いてもよく、市販品の例として、AR−201(エチレン・エチルアクリレート共重合体に無水マレイン酸をグラフト共重合させた無水マレイン酸グラフト変性物、三井・デュポンポリケミカル社製)、タフマーMシリーズ(エチレン・α−オレフィン共重合体に無水マレイン酸をグラフト共重合させた無水マレイン酸グラフト変性物;例えば、タフマーMA8510、同MH7010、同MH7020等、三井化学社製)、アドマーシリーズ(ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)に無水マレイン酸をグラフト共重合させた無水マレイン酸グラフト変性物;例えば、アドマーNF528、同NF548、同NF558等、三井化学社製)、等を挙げることができる。
上記のうち、本発明では、接着強度により優れたものになる点から、特に、「ポリエチレンに無水マレイン酸をグラフト共重合させた無水マレイン酸グラフト変性物」(PEグラフト物)と、「エチレン・α−オレフィン共重合体に無水マレイン酸をグラフト共重合させた無水マレイン酸グラフト変性物」(EtOlグラフト物)と、を併用する態様が好ましい。
この場合、両者の比率(PEグラフト物:EtOlグラフト物)としては、10〜90:90〜10が好ましく、20〜80:80〜20がより好ましく、30〜70:70〜30が更に好ましい。
特定重合体は、液状、ペースト状、シート状等のいずれの形態で用いられてもよい。
また、接着剤層を形成する場合、インジェクション、型付け、ホットメルト等の公知の方法を用いてもよいし、シート状の接着剤を用いて被接着面を包み込むように配置して接着する方法等であってもよい。中でも、本発明では、インジェクションによる方法が好ましい。
接着剤層の厚みとしては、10μm〜10mmが好ましく、10μm〜5mmがより好ましい。厚みが上記範囲内にあることで、接着効果が高く、ボールの反発性を良好に発揮させるのに適している。
本発明のパークゴルフ用又はグランドゴルフ用ボールは、ソリッドボールであってもよく、3ピース、4ピースなどのマルチピースボールである。
本発明のパークゴルフ用又はグランドゴルフ用ボールの製造は、特に限定されるものではなく、射出成形や加圧成形などの方法を利用して常法により行なうことができる。例えば、予め製造しておいたソリッドコアを金型内に配置し、これに第1の層をなす内層、接着剤層、第2の層をなす外層を射出成形(インジェクション成形)する方法などであってもよい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(原材料)
以下に示す原材料を準備した。
−A.アイオノマー樹脂−
・IO−1:
エチレン・メタクリル酸共重合体〔エチレン単位含有量:85質量%、メタクリル酸単位含有量:15質量%、金属カチオン:亜鉛、中和度:23%、MFR(190℃、2160g荷重):5.0g/10分〕
・IO−2:
エチレン・メタクリル酸共重合体〔エチレン単位含有量:90質量%、メタクリル酸単位含有量:10質量%、金属カチオン:ナトリウム、中和度:50%、MFR(190℃、2160g荷重):1.3g/10分〕
・IO−3:
エチレン・メタクリル酸共重合体〔エチレン単位含有量:85質量%、メタクリル酸単位含有量:15質量%、金属カチオン:マグネシウム、中和度:37%、MFR(190℃、2160g荷重):5.0g/10分〕
−B.熱可塑性エラストマー−
・TPE−1:
エラストラン(登録商標)1198ATR(熱可塑性ポリエーテル系ポリウレタンエラストマー、BASF社製)
−C.接着樹脂(接着材)−
・AD−1:
タフマーMA8510(エチレン・α−オレフィン共重合体に無水マレイン酸をグラフト共重合させた無水マレイン酸グラフト変性物、三井化学社製)
・AD−2:
タフマーMH7010(エチレン・α−オレフィン共重合体に無水マレイン酸をグラフト共重合させた無水マレイン酸グラフト変性物、三井化学社製)
・AD−3:
アドマーNF528(ポリエチレンに無水マレイン酸をグラフト共重合させた無水マレイン酸グラフト変性物、三井化学社製)
・AD−4:
タフマーA4085S(エチレン・α−オレフィン共重合体、三井化学社製)
比較
−1.試験片の作製−
(1)第1の層及び接着材層間の接着評価用試験片
上記のアイオノマー樹脂IO−1を溶融押出機に投入し、溶融混練したアイオノマー樹脂を金型に注入し、冷却、固化させて、幅120×長さ120×厚み3.0mmサイズのアイオノマー角板(第1の層)をインジェクション成形した。
このときの成形条件は、樹脂温度:210℃、金型温度:17℃とした。
次いで、剥離試験の都合上、得られたアイオノマー角板の半分の面に、離型用の100μm厚のシリコーン層が塗布形成されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを載せた。これを金型内に配置し、そのアイオノマー角板の残りの半分の面とPETフィルムとの上に、溶融押出機で溶融混練した接着剤AD−1を注入し、冷却、固化させて、幅120×長さ120×厚み3.0mmサイズの接着材層をインサート成形した。
このときの成形条件は、樹脂温度:220℃、金型温度:17℃とした。
以上のようにして、アイオノマー角板上に接着材層が形成された積層物(幅120×長さ120の半分の面積にはPETフィルムが挟まれた状態にある。)である試験片1を5個作製した。
(2)第2の層及び接着剤層間の接着評価用試験片
上記の接着樹脂AD−1を溶融押出機に投入し、溶融混練した接着樹脂を金型に注入し、冷却、固化させて、幅120×長さ120×厚み2.5mmサイズの接着樹脂角板(接着材層)をインジェクション成形した。
このときの成形条件は、樹脂温度:210℃、金型温度:17℃とした。
次いで、剥離試験の都合上、得られた接着樹脂角板の半分の面に、離型用の100μm厚のシリコーン層が塗布形成されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを載せた。これを金型内に配置し、その接着樹脂角板の残りの半分の面とPETフィルムとの上に、溶融押出機で溶融混練した熱可塑性エラストマーTPE−1を注入し、冷却、固化させて、幅120×長さ120×厚み6.0mmサイズの熱可塑性層(第2の層)をインサート成形した。
このときの成形条件は、樹脂温度:210℃、金型温度:25℃とした。
以上のようにして、接着樹脂角板上に熱可塑性層(第2の層)が形成された積層物(幅120×長さ120の半分の面積にはPETフィルムが挟まれた状態にある。)である試験片2を5個作製した。
−2.評価−
それぞれ5個の試験片1、2を用いて、下記の方法で接着強度を計測し、それぞれ5つの計測値を平均した平均接着強度を求め、接着性を評価した。
各試験片を10mm幅の短冊状にカットし、そのPETフィルムが挟まれた領域のアイオノマー角板又は接着樹脂角板の端部(長さ方向の一端)を、引張試験機の握持具に取り付けて握持し、剥離速度:50mm/分、剥離方向:角板面に対して90°の条件で引っ張り、剥離強度を測定した。
なお、シリコーン層が形成されたPETフィルムが挟まれた部分では、接着樹脂との間の剥離が容易に行え、測定を行ないやすくなっている。
評価は、下記の基準に基づいて行なった。
<基準>
AA:100≦平均接着強度
A:30≦平均接着強度<100
B:10≦平均接着強度<30
C:10>平均接着強度
(実施例4〜8、比較例1〜3、5〜7
比較において、アイオノマー樹脂、接着樹脂、及び熱可塑性エラストマーを下記表1に示すように変更したこと以外は、比較と同様にして、試験片を作製すると共に、評価した。

前記表1に示されるように、実施例では、第1の層及び第2の層間において、アイオノマー樹脂と熱可塑性エラストマーとの間の接着性を飛躍的に向上させることができた。これにより、第1の層及び第2の層の間での層間剥離が起きにくく、耐久性に優れるものとなった。

Claims (8)

  1. α,β−不飽和カルボン酸に由来の構成単位を含むアイオノマー樹脂を、層の全質量に対して50質量%以上含有する第1の層と、
    ポリエチレンに有機酸をグラフト共重合させた有機酸グラフト変性物及びエチレン・α−オレフィン共重合体に有機酸をグラフト共重合させた有機酸グラフト変性物を、層の全質量に対して合計で50質量%以上含有し、かつ、エチレン・α−オレフィン共重合体に有機酸をグラフト共重合させた有機酸グラフト変性物の含有量に対する、ポリエチレンに有機酸をグラフト共重合させた有機酸グラフト変性物の含有量の比が、10/90〜90/10である接着剤層と、
    熱可塑性エラストマー(但し、アイオノマー樹脂を含まない)を、層の全質量に対して50質量%以上含有する第2の層と、
    をこの順に含む重層構造を有するマルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボール。
  2. 前記第2の層における前記熱可塑性エラストマーは、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、及びポリアミドエラストマーから選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載のマルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボール。
  3. 前記第2の層における前記熱可塑性エラストマーは、熱可塑性ポリエーテル系ポリウレタンエラストマーである請求項1又は請求項2に記載のマルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボール。
  4. 前記アイオノマー樹脂におけるα,β−不飽和カルボン酸に由来の構成単位の、全構成単位に対する比率が、5質量%以上である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のマルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボール。
  5. 前記有機酸が、無水マレイン酸である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のマルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボール。
  6. 前記第2の層は、最外層として有し、前記第1の層は、前記接着剤層の前記第2の層を有する側と反対側に有する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のマルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボール。
  7. 前記重層構造は、α,β−不飽和カルボン酸に由来の構成単位を含むアイオノマー樹脂を除く高分子材料を用いた芯部と、前記芯部の少なくとも一部を覆う前記第1の層と、前記第1の層の少なくとも一部を覆う前記第2の層と、前記第1の層及び前記第2の層を接着する前記接着剤層と、を有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のマルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボール。
  8. 前記接着剤層の厚みが、10μm〜10mmである請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のマルチピースパークゴルフ用又はグランドゴルフ用のボール。
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