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JP6410459B2 - 画像検査方法、および画像検査装置 - Google Patents
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画像検査方法、および画像検査装置 Download PDF

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Description

被検査物の外観を撮像して得た画像データに対する画像処理を介して被検査物の欠陥判定を行う画像検査方法、および画像検査装置に関するものである。
従来より、各種工業製品の製造において、被検査物を撮像して取得した画像データに対する画像処理に基づき、欠陥判定(良否判定)を行う検査技術が知られている。
この種の画像検査(光学検査、外観検査などとも呼ばれる)における画像処理は、被検査物を撮像して取得した画像(濃淡画像)から欠陥(キズや変形)を抽出して良否判定を行う。例えば、被検査物の画像データ中の例えば画素の何らかの特性を表現する特徴量(輝度、濃淡値、エッジ強度など)を算出する一方、欠陥を弁別可能な特徴量に対応する閾値を作成しておき、この閾値を外れた特徴量を有する画素を欠陥部として抽出する。
しかし、実際に被検査物を撮像して取得した濃淡画像には、被検査物の外形や照明の写り込みなどの外乱情報が背景として存在する。このような外乱情報の誤抽出を抑制しつつ欠陥抽出感度を維持するには、例えば画素ごとに適切な閾値を設定することが重要となる。
この課題を解決する方法として、例えば、下記の特許文献1は、被検査物を撮像して得た濃淡値の統計量を利用して画素ごとの閾値を生成する技術を開示している。特許文献1では、まず、予め用意した複数の良品サンプルの濃淡画像から同一座標の画素ごとに濃淡値の平均値および標準偏差を算出し、算出した平均値および標準偏差をパラメータとして画素ごとの閾値を算出する。そして、検査の際は、被検査物の濃淡画像の濃淡値を画素ごとに閾値と比較し、閾値外となった画素を欠陥部として抽出する。特許文献1では、このような画像処理によって背景の濃淡値の統計的な挙動に即した閾値を設定しようとしている。
特許文献1に開示された技術を、濃淡値以外の特徴量を用いるものとし、一般化すると、次のような検査手法が考えられる。まず、複数の良品サンプルの濃淡画像から欠陥部を強調し検出することができる特徴量として、例えば輝度、エッジ強度などの特徴量を画素ごとに算出する。次に、同一座標の画素ごとに算出された特徴量に対して統計量演算を行い、所定の統計量(例えば上記の平均値や標準偏差)を算出する。次に、それら統計量をパラメータとして欠陥部を強調する特徴量に対する閾値を画素ごとに生成する。そして、生成した閾値を用いて実際の被検査物を撮像した画像の画素を検査し、欠陥部位を検出する。
このような画像処理によれば、背景の特徴量の統計的な挙動に即した閾値を画素ごとに設定することが可能となり、閾値精度が向上する。その結果、背景の誤抽出を抑制しつつ、その他の画素では欠陥抽出能力を維持することができ、検査精度を向上できる、と考えられる。
特開2005−265661号公報
しかしながら、実際には、特許文献1で開示された技術の実施には、以下のような困難がある。すなわち、個体差や位置合わせ公差の影響で、同一座標の画素であっても、良品サンプルの濃淡画像ごとに濃淡値は異なる値となり、また異なる空間分布を示す。また、同じ理由から、同一座標の画素から算出される特徴量も異なる値となる。つまり、欠陥部を強調する特徴量に関する統計量(ないしはこれに基づき生成される閾値)に信頼性を持たせるためには、十分多い数の良品サンプルを撮像した濃淡画像が必要となる。しかし、例えば被検査物を撮像した画像の全画素領域に対して信頼性の閾値を生成するためには極めて多数の良品サンプルの濃淡画像を準備しなければならない、という問題がある。
本発明の課題は、上記の問題を解決し、複数の良品サンプルから欠陥判定を行うための特徴量閾値を生成するに際して、大量の良品サンプルを必要とせず、比較的少量の良品サンプルのみを用いて特徴量閾値を生成できるようにすることにある。
上記課題を解決するため、本発明においては、被検査物の画像データを取得して前記被検査物の欠陥判定を行う画像検査方法において、複数の良品サンプルの画像データの同一座標の画素の画素値と、前記同一座標の画素の周囲に位置する複数の画素の画素値とに対する統計量演算によって取得した第1の特徴量に基づき、画素ごとの特徴量閾値を生成する閾値生成工程と、前記被検査物の画像データを取得し、画素ごとに取得した第2の特徴量に基づいて、前記閾値生成工程で画素ごとに生成された前記特徴量閾値を補正する補正工程と、前記被検査物の画像データから取得した第1の特徴量と、前記補正工程にて補正された前記特徴量閾値とを比較して閾値を超えた画素を欠陥部位として抽出する欠陥抽出工程と、前記欠陥抽出工程により抽出された画素が構成する欠陥部位の特性に基づき前記被検査物の欠陥の有無を判定する欠陥判定工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明においては、被検査物の画像データを取得して前記被検査物の欠陥判定を行う画像検査装置において、撮像対象物の画像データを取得する撮像手段と、前記撮像手段により撮像した複数の良品サンプルの画像データの同一座標の画素の画素値と、前記同一座標の画素の周囲に位置する複数の画素の画素値とに対する統計量演算によって取得した第1の特徴量に基づき、画素ごとの特徴量閾値を生成する制御装置と、前記特徴量閾値を記憶する記憶部と、を備え、前記制御装置は、前記撮像手段により撮像された被検査物の画像データより、画素ごとに取得した第2の特徴量に基づいて、前記記憶部に記憶された画素ごとの前記特徴量閾値を補正し、被検査物の画像データより取得した第1の特徴量と、前記補正された特徴量閾値とを比較して閾値を超えた画素を欠陥部位として抽出し、抽出された画素が構成する欠陥部位の特性に基づき前記被検査物の欠陥の有無を判定することを特徴とする。
上記構成によれば、欠陥判定に必要な特徴量閾値の算出に必要な第1の特徴量に関する統計量は、複数の良品サンプルの画像の同一座標の画素および位置合わせ公差内の画素から算出された第1の特徴量を用いて算出される。すなわち、特定の画素に対して用いられる特徴量閾値は、当該画素の他、位置合わせ公差内の画素の第1の特徴量を参照して算出される。その結果、1枚の良品サンプルの画像の特定画素についての第1の特徴量に関する統計量に、従来手法で複数の良品サンプルの画像から算出していた値と同程度の信頼性を確保できる。従って、従来と同程度の信頼性を得るに充分な特徴量閾値を生成するために必要な良品サンプルの画像数を著しく減少させることができ、必要とする良品サンプル数を低減できる。
本発明に係る画像処理を実施可能な画像検査装置の構成例を示したブロック図である。 本発明による画像処理の第1実施形態を機能ブロック構成で示した説明図である。 本発明による画像処理の第1実施形態における特徴量閾値生成の流れを示したフローチャート図である。 本発明による画像処理の第1実施形態における画像検査手順を示したフローチャート図である。 本発明による画像処理の第1実施形態において処理される画像データを示した説明図である。 本発明による画像処理の第1実施形態において処理される画像データで、特に背景近傍における濃淡値を示した説明図である。 本発明による画像処理の第2実施形態における特徴量閾値生成の流れを示したフローチャート図である。 本発明による画像処理の第3実施形態を機能ブロック構成で示した説明図である。 本発明による画像処理の第3実施形態における画像検査手順を示したフローチャート図である。 本発明による画像処理の第3実施形態において処理される画像データを示した説明図である。 本発明による画像処理の特徴量閾値生成の流れを詳細に示したフローチャート図である。 本発明による画像処理の特徴量閾値生成の様子を詳細に示した説明図である。 本発明による画像処理の特徴量閾値生成の様子を詳細に示した説明図である。 本発明による画像処理の特徴量閾値生成の様子を詳細に示した説明図である。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するに好適な実施の形態につき説明する。
[第1実施形態]
<全体構成>
図1は、本発明を採用した画像処理を実施可能な画像検査装置の構成例を示している。画像処理を実行する演算部の後述の機能ブロック(図2)は、それぞれ専用のハードウェアで構成してもよいが、例えば図1に示すようにCPU(中央演算処理装置)などの演算制御手段で画像処理装置の各ハードウェアを構成することができる。図1の画像処理装置は、例えばPC(パーソナルコンピュータ)の構成を利用して構成することができ、全体として演算部1300(図2)のハードウェア構成に相当する。
図1の画像処理装置は、内部バス2000を介して接続されたCPU2100、メモリ2200を含む。メモリ2200は、CPU2100のワークエリアなどとして用いられるRAM、ファームウェア、ブートローダや基本IOプログラムなどを格納したROMなどの記憶領域を含む。
図1では、特に記憶装置2300を図示してあるが、この記憶装置2300は後述の記憶部1400(図2)のハードウェア構成に相当する。記憶装置2300の記憶領域は、例えば後述の取得された画像データを記憶する画像データ記憶部1401、算出した特徴量閾値を記憶する特徴量閾値記憶部1402、閾値を記憶する良否判定基準記憶部1403を構成する。また、記憶装置2300には、後述の画像検査(画像処理)プログラムをCPU2100が実行可能なデータ形式によって格納しておくことができる。記憶装置2300は、例えばHDD、SSDのようないわゆる外部記憶装置(内蔵式か着脱式かを問わない)や、各種フラッシュメモリデバイス、あるいはこの種の記憶デバイスの任意の組合せによって構成することができる。
後述の画像検査プログラムは、CPU2100が実行可能なデータ形式で構成し、例えば記憶装置2300に記憶しておき、必要に応じてメモリ2200にロードし、CPU2100で実行される。これによって後述の演算部1300(図2)の画像処理が実行される。
また、図1の画像処理装置は、外部通信ポート2400、を介して接続された外部接続機器2500を含む。外部接続機器2500には、例えば後述の被検査物を濃淡画像として撮像するカメラ1200(図2)、被検査物の位置を調整する位置調整機構1100(同)が含まれる。外部通信ポート2400は、例えばUSBインターフェースやGPIBインターフェースなど、外部接続機器2500の接続に必要な任意の汎用インターフェースから構成される。
外部接続機器2500のうち、カメラ1200は、たとえばデジタルカメラ構成であり、画像検査を受ける被検査物の画像、また、画像検査のための閾値生成のために用いられる良品サンプルの画像を撮像するために用いられる。位置調整機構1100は、たとえばコンベヤベルトやロボットアームのような任意の搬送機構から構成され、カメラ1200前方の撮像可能領域中の所定位置に被検査物を位置決めすることができるよう構成される。
なお、図1の画像処理装置ハードウェアは、後述の第2および第3実施形態においても用いられる。特に、第2実施形態において、位置調整機構1100はカメラ1200前方の撮像可能領域中で同一の被検査物を摂動させて例えば同一の良品サンプルに対して異なる撮影条件で複数回の撮像を行うために利用される。
また、本実施形態(後述の第2、第3実施例においても同様)において、良品サンプルとは、被検査物と同じ物品を被検査物と同じように製造ないし組み上げ、目視検査などを経て良品と判定されたものを指す。また、ここでいう良品サンプルは、撮影した時に治具や原器などのように被検査物と同じ光学的特徴を有するが、材質や工作精度などが必ずしも被検査物と一致しないものも含む。本実施形態(後述の第2、第3実施例においても同様)の画像検査は上記のような良品サンプルのいずれにおいても好適に実施することができる。なお、以下では、簡略化のため上記の「良品サンプル」を指すものとして「良品」の略称も用いるものとする。また、「良品を撮像した濃淡画像」を指すものとして「良品画像」の略称も用いるものとする。
また、図1の画像処理装置には、表示部1500、およびキーボードや任意のポインティングデバイスなどから構成された入力部1600が設けられる。表示部1500はLCDパネルなどから構成されたディスプレイデバイスなどから構成される。これら表示部1500、および入力部1600は作業者(検査者)のためのユーザーインターフェース手段を構成する。
図2は、図1に示した画像処理装置ハードウェアを用いて画像検査(外観検査、光学検査)を行う場合の演算機能をブロック構成で示したものである。図2の構成は図1のハードウェアを用いた画像検査(外観検査、光学検査)装置の構成を示すものと考えてよい。また、図2の構成は図1のハードウェアを用いて実施される画像検査(外観検査、光学検査)方法の構成をブロック構成で示したものと考えてもよい。図2中では、既に図1において説明した部材(主にハードウェア)も図示してあるが、それらについては同一の参照符号を付してある。
図2の機能構成は、被検査物1900の位置を調整する位置調整機構1100と、被検査物を濃淡画像として撮像するカメラ1200を含む。また、図2の機能構成は、画像データを演算処理する演算部1300と、画像データないし制御データを記憶する記憶部1400から構成される。演算部1300と記憶部1400は、ハードウェア的には前述の図1の構成により実現される。
本実施形態では、演算部1300と記憶部1400には、次のような演算処理ブロックが含まれる。画像データ取得部1301は、カメラ1200で撮像された濃淡画像を画像データとして取得する。具体的には、画像データ取得部1301は、カメラ1200から入力した所定形式の画像データを画像データ記憶部1401に転送する処理を行う。画像データ記憶部1401は画像データ取得部1301を介して取得した画像データを記憶する。
位置決め処理部1311は位置調整機構1100と連動して被検査物1900の位置調整を行う。位置決め処理部1311と位置調整機構1100は後述の第2実施形態で利用される被検査物1900の摂動制御も行えるよう構成される。この摂動制御の機能ブロックは図2では位置摂動部1312として示してある。
また、第1の特徴量選択受付部1321は、ユーザ(作業者ないし検査者)の選択操作を入力部1600を介して入力する。本実施形態に係る画像処理では、閾値生成ないし閾値比較による画像検査において用いられる画像データの特徴量としては濃淡値の他、輝度やエッジ強度、高周波(ないし低周波)成分、などが考えられる。本実施形態では、ユーザ(作業者ないし検査者)は、これらのうちいずれの特徴量を用いるかを特徴量選択受付部1321を介して指定できるよう構成してある。
特徴量閾値算出部1322は、複数の良品の濃淡画像から第1の特徴量選択受付部1321を介して指定された第1の特徴量に対する閾値を画素ごとに生成する。特徴量閾値算出部1322により生成された特徴量閾値は特徴量閾値記憶部1402に記憶される。
また、被検査物の画像検査において、第1の特徴量算出部1331は、カメラ1200で撮像し、画像データ取得部1301を介して画像データ記憶部1401に記憶された被検査物の濃淡画像から第1の特徴量を画素ごとに算出する。
そして、比較抽出部1332は、第1の特徴量算出部1331で被検査物の濃淡画像から算出された第1の特徴量と、複数の良品の濃淡画像の画像処理に基づき特徴量閾値記憶部1402に記憶された特徴量閾値を画素ごとに比較する。この特徴量閾値は、上記の通り、予め複数の良品の濃淡画像の画像処理に基づき特徴量閾値算出部1322で生成し、特徴量閾値記憶部1402に記憶させておく。これにより、比較抽出部1332は閾値外であった画素を欠陥部として抽出することができる。
欠陥特徴量算出部1333は、比較抽出部1332により抽出された欠陥部から欠陥特徴量を算出する。例えば、欠陥特徴量算出部1333はラベリング処理などを行って、比較抽出部1332により抽出された欠陥部に相当する画素群の連続性を解析する処理を行う。これにより、欠陥特徴量算出部1333は、例えば、1塊りの欠陥部として同定可能な欠陥候補画素群を単位として、その欠陥部を代表する欠陥特徴量を算出する。この特徴量は、基本的には、上述の特徴量閾値記憶部1402や比較抽出部1332などで記憶、ないし演算の対象とされた特徴量と同じ特徴量(濃淡値の他、輝度やエッジ強度など)が用いられる。
一方、良否判定基準記憶部1403には、欠陥特徴量算出部1333が算出した欠陥特徴量と比較可能な欠陥特徴量の種類とそれに対する閾値を記憶する。
そして、判定部1334は、特徴量閾値算出部1322が算出した欠陥特徴量と、良否判定基準記憶部1403に記憶されている対応する種類の欠陥特徴量閾値(良否判定基準)を比較する。これにより、判定部1334は被検査物1900の良否判定を行うことができる。この良否判定の結果は、例えば表示部1500などを用いて出力することができる。表示部1500における良否判定結果の表示フォーマットは任意である。例えば、表示部1500で、検出された欠陥部位を他の部分と異なる色や濃度によって可視表示したり、演算に係る閾値や画素(群)の特徴量を数値表示により出力したりすることが考えられる。
以下、上記のように構成された本実施形態の動作につき、説明する。なお、本実施形態において、以上までの説明では、第1の特徴量(ないし特徴量閾値)しか登場していないが、これは、第1の特徴量以外に第2の特徴量(ないし特徴量閾値)を用いるよう構成された後述の第3実施形態の構成と区別するためである。
図3は、画像検査の準備として、欠陥特徴量の検出に作用させる(第1の)特徴量閾値を生成する処理の流れを示している。
図3のステップS301では、まずカメラ1200によって複数の良品を撮像する。このとき、位置調整機構1100および位置決め処理部1311によって被検査物である良品は位置合わせ済みであるものとする。複数の良品の濃淡画像は画像データ取得部1301によって取得され、画像データ記憶部1401に記憶される。なお、このとき用いられる複数の良品は、例えば熟練検査者による目視検査などによって予め選定されているものとする。
ここで図5は、カメラ1200により撮像された画像を(例えばある走査線に沿って)1次元形式で表示したものである。図5において(A)、(C)は濃淡表示によりカメラ1200により撮像された画像を表示している。また、図5において(B)、(D)は(A)、(C)に対応するスケールで横軸を座標(空間)方向に取ってカメラ1200により撮像された画像を表示している(濃淡値断面図)。
そして、図5(A)、(B)は図3の(第1の)特徴量閾値の生成において撮像された良品の濃淡画像の一例である。また、後述の図5(C)、(D)は、画像検査において撮像された被検査物の濃淡画像の一例である。
図5(A)は、良品の濃淡画像の一例であり被検査物の外形や照明の写り込みなどの外乱情報である背景510aが存在している(以下、簡略化のため被検査物の外形や照明の写り込みなどの外乱情報を総称して単に「背景」という)。座標501の画素は、背景510aに位置する画素、また、座標502、503、504の画素は、背景510aの近傍に位置する画素である。また、座標505の画素は背景510aが存在しない画素である。図5(B)520は、図5(A)の濃淡値断面を表している。
次に、図3のステップS302において、第1の特徴量選択受付部1321は、欠陥部を強調する第1の特徴量としてユーザ(作業者ないし検査者)が入力部1600を通して入力した選択情報を受け付ける。ここで選択される第1の特徴量は、欠陥部の強調に適した特徴量を任意に設定してよい。例えばFIRフィルタを用いて算出される高周波成分でもよい。以下では、簡略化のため、第1の特徴量として濃淡値を選択した場合につき説明する。
次に、ステップS303では、予めステップS301において取得した複数の良品の濃淡画像から、特徴量閾値算出部1322は画像データ記憶部1401に記憶させる特徴量閾値を画素ごとに算出する。ここで算出された特徴量閾値は、特徴量閾値記憶部1402に記憶する。このステップS303における特徴量閾値を生成する画像処理については後で詳述する。
次に、ステップS304では、良否判定基準記憶部1403に、抽出された欠陥部が基準内か否かを判定するための欠陥特徴量の種類と閾値を設定、記憶する。ここで記憶させる欠陥特徴量の種類と閾値は例えば、面積が20画素以上の欠陥部は不良とするといったものであるが、これに限定するものではない。被検査物ごとに適したものを任意に設定してよい。以上で、画像検査開始の準備が終了する。
<ステップS303の詳細な説明>
図11は、図3のステップS303における特徴量閾値を生成する画像処理の流れを示している。
図11の画像処理においては、まずステップS3031において、複数の良品の濃淡画像から、第1の特徴量を画素ごとに算出する。ここでは、上記の通り、第1の特徴量として濃淡値を用いる。
次に、ステップS3032において、複数の良品画像から算出された第1の特徴量から、特徴量閾値の算出時に使用するパラメータを画素ごとに取得する。このとき、複数の良品画像において、注目画素と同一座標の画素から算出された第1の特徴量だけでなく、その周囲に存在する位置合わせ範囲内の画素から算出された第1の特徴量も考慮する。この位置合わせ範囲は、装置の位置決め精度やカメラの分解能に応じて設定される。
次に、ステップS3032において画素ごとに取得したパラメータを用いて予め設定された計算式に基づき統計量演算を行ない、特徴量閾値を画素ごとに算出する(ステップS3033)。
以上のようにして、良品サンプルの画像データの同一座標の画素の画素値と、同一座標の画素の位置決めの公差範囲内の画素の画素値とに対する統計量演算によって画素ごとに取得した第1の特徴量の統計量に基づき特徴量閾値を画素ごとに生成する。以下、上記のステップS3033において、特徴量閾値を生成するための統計量演算に用いる計算式の例をいくつか例示する。
<特徴量閾値を算出する計算式の例1>
特徴量閾値Pは、例えばパラメータに平均値Mと標準偏差σを用い、次式(1)によって算出することができる。
Figure 0006410459
式(1)の演算によって、画素ごとの第1の特徴量に対する上限閾値を設定することができる。このときkは0以上の整数であれば適当な数でよいが、統計上、k≧3とすることが望ましい。
以上の演算により、例えば図5(A)の画像から、画素ごとに図5(B)に示すような閾値530を取得することができる。この計算を以下の具体例1で説明する。
<具体例1>
図12は、具体的な計算例を説明する。図12(A)は、良品(A)の画像例、また図12(B)は、別の良品(B)の画像例で、いずれも第1の特徴量に対応する画素値(例えば濃淡値)を1桝を1画素に対応させた方眼の形式で示している。以下では、簡略化のため、図12(A)、図12(B)の2枚の良品画像から特徴量閾値Pを画素ごとに算出する例を示す。ここでは、第1の特徴量は画素値(例えば濃淡値)である。また、被検査物の位置合わせ範囲は、例えば注目画素からチェス盤距離で1画素の範囲とする。なお、このチェス盤距離で1画素の範囲は、図中の方眼において注目画素を距離1画素で取り囲む範囲で、斜め方向の距離1画素も含む全部で9画素の範囲である。
閾値Pを算出する計算式としては、例えば平均値Mのみをパラメータとして用いた下記の式(2)を用いることが考えられる。
Figure 0006410459
図12(A)、(B)では、注目する画素が左上から4行5列目の注目画素131a、131bである場合につき、閾値Pを算出する計算を考える。
図12(A)において、注目画素131aと、それを囲む位置合わせ範囲内の画素132aの9個の画素値は、左から右に、また上から下の順で(0,1,1,1,2,2,2,3,3)となっている。
また、図12(B)において、注目画素131bと位置合わせ範囲内の画素132bの画素値は、左上から順に(2,2,1,3,3,2,3,3,2)となっている。
図12(A)、(B)の18画素の画素値の平均値は2であるので、式(2)より注目画素131cの閾値Pは2となる。この操作を全画素について行った結果は図12(C)のようになる。図12(C)は、上記の式(2)により、各画素ごとに算出した特徴量閾値Pの値を示している。
<特徴量閾値を算出する計算式の例2>
なお、特徴量閾値Pを算出する式は、上記の式(1)、(2)に限定されるものではない。例えば、パラメータとして平均値Mと標準偏差σを用い、次式(3)によって算出してもよい。
Figure 0006410459
この式(3)によれば、画素ごとの第1の特徴量に対する上下限閾値を設定することができる。
<特徴量閾値を算出する計算式の例3>
あるいは、特徴量閾値Pは、例えば最大値をパラメータとして次式(4)のようにして算出してもよい。
Figure 0006410459
この式(4)において、Aは、位置合わせ範囲内の画素から算出された第1の特徴量の集合である。これは式(1)においてkを大きくした場合は最大値で近似できる性質を利用したものであり、暗視野検査など上限閾値のみを設定する場合に有効である。
<具体例2>
図13を用いて、上記の式(4)を用いて特徴量閾値Pを生成した場合の具体的な計算例を説明する。図13(A)は、良品Aの画像例、また図13(B)は、別の良品Bの画像例で、いずれも第1の特徴量に対応する画素値(例えば濃淡値)を1桝を1画素に対応させた方眼の形式で示している。以下では、簡略化のため、図13(A)、図13(B)の2枚の良品画像から第1の特徴量閾値Pを画素ごとに算出する例を示す。ここでは、第1の特徴量は画素値(例えば濃淡値)である。また、被検査物の位置合わせ範囲は、例えば注目画素から市街地距離で1画素の範囲とする。なお、この市街地距離で1画素の範囲は、図中の方眼において注目画素を1画素の距離で取り囲む範囲で、斜め方向の1画素は含まない十字型の5画素の範囲である。
図13では、注目する画素が左上から4行5列目の注目画素141aである場合につき、閾値Pを算出する計算を考える。
図13(A)において、注目画素141aと位置合わせ範囲内画素142aの画素値は、上から下に、また左から右の順で(1,1,2,2,3)となっている。
また、図12(B)において、注目画素141bと位置合わせ範囲内画素142bの画素値は、上から下に、また左から右の順で(0,0,0,1,1)となっている。
図13(A)、(B)の10画素の画素値の最大値は3であるので、式(4)より注目画素141cの閾値Pは3となる。この操作を全画素について行った結果は図13(C)のようになる。
<特徴量閾値を算出する計算式の例3の別形態>
特徴量閾値Pを、式(4)により第1の特徴量の最大値とする場合は、画素ごとの最大値合成処理とモルフォロジ処理で算出することができる。最大値合成処理とは、複数の画像間で同一座標の画素値を比較し、その最大値を出力する処理である。
また、モルフォロジ処理とは、注目画素とその近傍にある比較対象の画素に基づいた値が出力される画像処理方法の一つである。この注目画素とその近傍にある比較対象画素の位置関係を構造化要素と呼ぶ。例えば、構造化要素内の最大値を出力すれば多値膨張処理となり、最小値を出力すれば多値収縮処理となる。このような画素値の処理によって、小さな計算コスト(ないし計算資源)により式(4)の計算を実現することができる。
<具体例3>
図14は、図13(A)、(B)の場合と同じ2枚の良品画像(図14(A)、(B))を用い、画素ごとの最大値合成処理とモルフォロジ処理により特徴量閾値Pを生成した場合の具体的な計算例を説明する。図13(A)は、良品Aの画像例、また図13(B)は、別の良品Bの画像例で、いずれも第1の特徴量に対応する画素値(例えば濃淡値)を1桝を1画素に対応させた方眼の形式で示している。ここでは、図13の場合と同様に図14(A)、図14(B)の2枚の良品画像(図13(A)、(B)のものと同じ)から第1の特徴量閾値Pを画素ごとに算出する例を示す。ここでは、第1の特徴量は画素値(例えば濃淡値)である。また、位置合わせ範囲は、図13の場合と同様、注目画素から市街地距離で1画素の範囲とし、閾値Pを算出する計算式は上記の式(4)とする。
ここでは、まず良品画像(A)と良品画像(B)を画素ごとに最大値合成した図14(C)の画像を作成する。例えば左上から4行5列目の画素に注目した場合は、画素151aと151bの画素値の最大値は2であるため、画素151cの画素値として2が出力されている。
次に、最大値合成した図14(C)の画像にモルフォロジ処理を行う。このときの構造化要素は位置合わせ範囲にあわせて設定される。この場合は図14(E)のように、注目画素153eに対して比較対象画素154eを設定する。比較対象画素154eは、注目画素153eに対して市街地距離で1画素の範囲にある4つの画素である。ここで、例えば画素151cを構造化要素の注目画素とした場合は、その周囲の範囲152cが比較対象の画素となる。この構造化要素を用いてモルフォロジ処理を行い最大値を出力すると図14(D)のような閾値分布が得られ、画素151dには閾値「3」が出力される。この図14(D)の演算結果は図13(C)と等価である。
なお、以上では、簡略化のため1つの構造化要素を用いて1段階のモルフォロジ処理を行う例を示したが、モルフォロジ処理の中身は単独の多値膨張処理である必要はない。また、位置合わせ範囲に応じて複数の構造化要素と複数の条件の異なるモルフォロジ処理を組み合わせるようにしてもよい。
<特徴量閾値生成に必要な良品画像数の低減>
さて、位置合わせ範囲内の画素から算出される第1の特徴量は、別の良品画像の同一座標の画素から算出される第1の特徴量の近似値として考えることができる。このことを図6を用いて説明する。以下では、簡略化のため位置合わせ範囲を±1画素とする。
図6(A)は、例えば1走査線上の1次元形式を空間方向(横軸)に取り、ある良品の画像の濃淡値断面を示している。ここでは、横軸の中央付近にある座標503とその近傍画素の位置に相当する座標502、504を示してある。また、図6(B)は、図6(A)を右方向に1画素変位させた濃淡値断面、図6(C)は、図6(A)を左方向に1画素変位させた濃淡値断面である。ここで、座標503の位置合わせ公差内に位置する座標502および504の画素から算出される濃淡値は、また別の良品濃淡画像で座標503の画素から算出される濃淡値の近似値と考えることができる。
なぜなら図6(A)の良品は、位置合わせ公差に起因して、図6(B)または図6(C)のように撮像される可能性があるためである。つまり、位置合わせ公差内の画素から算出される第1の特徴量を近似値として利用することで、1枚の良品画像からある画素から算出され得る第1の特徴量として複数の値を取得することができる。これにより、第1の特徴量に関する画素ごとの統計量に従来と同程度の信頼性を持たせることができ、例えば画素ごとの閾値生成のために読み取らなければならない濃淡画像数を従来方式よりも著しく減少させることができる。
図4は、上記のようにして生成した特徴量閾値を用いた画像検査の制御手順の流れを示している。図4の処理では、予め図3、図11〜図14で説明した生成処理により生成した特徴量閾値が特徴量閾値記憶部1402が格納されているものとする。
図4のステップS401では、位置合わせの後、カメラ1200で被検査物を撮像し、画像データ取得部1301を介してその被検査物の濃淡画像を取得する。ステップS402では、第1の特徴量算出部1331によって、被検査物の濃淡画像から第1の特徴量を画素ごとに算出する。
次にステップS403では、比較抽出部1332で特徴量閾値記憶部1402に格納されている閾値と、第1の特徴量算出部1331で算出された被検査物の第1の特徴量を画素ごとに比較する。これにより、閾値外であった画素を欠陥部(欠陥画素)として抽出する。
ここで、図5(C)は被検査物の濃淡画像の一例を示している。この画像では、背景510cと欠陥部511cが存在している。また、図5(D)は図5(C)は被検査物の濃淡値断面を1次元的に示している。
この図5(C)、(D)は、図4のステップS402で第1の特徴量として画素ごとに算出された濃淡値の断面540に対して、ステップS303で算出された特徴量閾値530(破線で表示)を重ねて表示したもの、と考えてよい。この例では、図5(D)の背景510dの部位は閾値内であるため抽出されないが、欠陥部511dは閾値外となっており、欠陥部位として抽出することができる。具体的には、欠陥部511dに相当する座標505の画素は、その特徴量、および特徴量閾値530の比較(ステップS403)によって、欠陥画素であると判定される。
図4のステップS404以降では、上記のようにして抽出される欠陥部位を予め良否判定基準記憶部1403に記憶させておいた良否判定基準を用いて解析し、その被検査物(全体)を良品または不良品のいずれであるかを判定する。
ステップS404では、欠陥特徴量算出部1333によって、比較抽出部1332で抽出された各欠陥部について、良否判定基準記憶部1403に記憶された種類の欠陥特徴量を算出する。例えば、欠陥部位は欠陥部位と判定された画素の集合と考えることができ、その欠陥部位を代表する欠陥特徴量を求め、良否判定基準との比較に用いることができる。欠陥特徴量としては、例えば欠陥部の面積を用いることができる。この欠陥部の面積は、例えば閾値判定により欠陥画素と判定された画素に対してラベリング処理などを行い、空間的に連続する欠陥部位を識別し、その欠陥部位の画素の数などを単位として求めることができる。
ステップS405では、判定部1334によって、各欠陥部について欠陥特徴量算出部1333で算出した欠陥特徴量を良否判定基準記憶部1403に記憶された基準と比較し、致命的な欠陥の有無を判定する。そして、基準内であればその被検査物を良品と判定し(ステップS406a)、基準外の欠陥部が存在すれば不良品と判定する(ステップS406b)。
画像検査結果は例えば表示部1500(あるいは不図示のプリンタなど)を用いて表示(印刷)出力することができる。その場合、例えばステップS405、S406a、S406bの判定結果に応じ、被検査物が良品または不良品のいずれかである旨の情報を出力する。また、ステップS403などにおいて検出した欠陥部位も同様に例えば表示部1500(あるいは不図示のプリンタなど)を用いて表示(印刷)出力することができる。その場合、欠陥部位(の画素)を他の部分と異なる色や濃度によって可視表示したり、演算に係る閾値や画素(群)の特徴量を数値表示により出力したりする手法を用いることができる。
以上のように、本実施形態によれば同一の良品画像の位置合わせ公差内の画素から算出される第1の特徴量を、例えば別の良品画像の同一座標の画素から算出される第1の特徴量の近似値として利用して、第1の特徴量に関する統計量を画素ごとに算出する。そして、この第1の特徴量に関する統計量を用いて、実際の被検査物から求めた第1の特徴量と比較するための特徴量閾値を生成することができる。つまり、第1の特徴量について当該画素から算出され得る値を、1枚の良品画像から複数取得し、それに基づいて特徴量閾値を生成することができる。
例えば、ある画素について生成すべき特徴量閾値を生成する場合、特許文献1のような従来技術では複数枚の良品画像の統計量を用いる必要があった。これに対して、本実施形態では、位置合わせ公差内の画素から算出される第1の特徴量を用いることにより、複数枚の良品画像の統計量を集めたのと同じ効果が得られる。すなわち、本実施形態によれば、位置合わせ公差内の画素から算出される第1の特徴量を用いることにより、ある画素の第1の特徴量、ないしはそれに基づき生成する特徴量閾値に従来と同程度の信頼性を付与することができる。
このため、従来と同程度の信頼性を有する画素ごとの特徴量閾値を生成するのに必要な良品の濃淡画像数を著しく減少させることができる。すなわち、本実施形態によれば、画像検査のため複数の良品サンプルから画素ごとに欠陥判定を行うための閾値を生成するに際して、大量の良品サンプルを必要とせず、比較的少量の良品サンプルのみを用いて閾値生成を行うことができる。
なお、本実施形態ないし後述の各実施形態の画像検査方法は、例えば工業製品などの生産ライン中において実施することができる。例えば、本実施形態ないし後述の各実施形態の画像検査方法を実施する装置は工業製品などの生産ラインの途中ないし終端に配置することができる。そして、本実施形態ないし後述の各実施形態の画像検査方法により欠陥なしと判定された被検査物のみを後流の組み立て工程ないし出荷工程に送るよう生産ラインを制御することができる。
[第2実施形態]
上記の第1実施形態では、例えば複数(例えばn個)の良品からそれぞれ良品画像を(n枚)取得し、取得した複数(n枚)の画像から特徴量閾値を生成する。しかしながら、特徴量閾値の生成のために必要な複数(n枚)の画像は、同一の良品から取得することも考えられる。本実施形態では、位置摂動部1312による摂動制御を介して同一の良品から複数(n枚)の良品画像を取得することにより、画像検査のために用意すべき良品の数を減少させる構成例につき説明する。
本実施形態のハードウェアは、第1実施形態で示した図1と同じでよい。また、本実施形態において、図1に示した画像処理装置ハードウェアを用いて画像検査(外観検査、光学検査)を行う場合の演算機能をブロック構成は、第1実施形態で示した図2と同じでよい。
ただし、本実施形態では、第1実施形態では用いなかった位置摂動部1312によって被検査物の位置摂動を行い、画素ごとの閾値生成を行う。第1実施形態と異なるのは、被検査物1900の位置合わせ後に、公差範囲内の任意位置に被検査物1900を変位させながらカメラ1200による撮像を行う点である。
図7は、本実施形態において、画像検査の準備として、欠陥特徴量の検出に作用させる(第1の)特徴量閾値を生成する処理の流れを示している。図7の特徴量閾値生成処理は、第1実施形態の図3に対応するものである。
第1実施形態の図3の処理との違いは、画像検査準備において複数の良品画像データを取得する際、実際に複数の異なる良品を用意して読み取るのではなく、同一の良品を1度ないし数度摂動させて、その同一の良品から2枚以上の画像を撮像する点にある。
すなわち、図7のステップS311では、同一の良品を位置摂動部1312によって位置合わせ公差内の任意位置に1度ないし数度摂動、変位させ、その都度、同一の良品をカメラ1200で撮像し、濃淡画像を取得する。例えば、位置合わせ公差内を1画素(ないし数画素)の範囲内とする。そして、最初の位置合わせおよび撮像の後、その範囲内で直交座標軸に沿って上下左右(東西南北)に適当な距離(1ないし数画素数分)、位置摂動部1312で摂動させれば、同じ良品からさらに4枚の画像を取得できる。
図7のステップS311を除く処理ステップは、図3と同一のステップ番号で示しているように図3の場合と同様に実施することができる。例えば、特にステップS303の特徴量閾値生成においては、第1実施形態において式(1)〜(4)および図11〜図14で説明した全ての演算手法を用いることができる。その場合、上記のようにして位置摂動部1312の摂動制御を介して同じ良品から取得した複数(n枚)の画像を第1実施形態において説明した(それぞれ別の良品から取得した)複数の良品画像の代りに用いて上述の演算手法を用いればよい。そして、実際の被検査物の画像検査は、図4のフローチャートに示した処理手順を用いれば良い。
本実施形態によれば、同一の良品から、位置摂動部1312の摂動制御を介して複数の良品画像を取得し、欠陥特徴量の検出に作用させる(第1の)特徴量閾値を生成することができる。特徴量閾値の生成処理は、第1実施形態において説明した手法のいずれかを用いることができる。
例えば、本実施形態では、特徴量閾値のために位置摂動部1312による摂動制御を介して同一の良品から例えばn枚の良品画像を取得することができる。一方、第1実施形態の演算処理がn枚の良品画像のためにn個の良品を用意することを前提とするなら、本実施形態によれば、1/nの個数の良品を用意するだけで第1実施形態とほぼ同等の信頼性を有する特徴量閾値を生成することができる。
また、本実施形態では、位置摂動部1312による摂動制御を介して、位置合わせ公差内で被検査物を実際に摂動させて、その位置の被検査物から画像を取得する。このため、同一の良品を用いた場合でも、実際に被検査物の位置が変位した場合に生じる照明方向やカメラとの位置関係の変化が反映した複数の良品画像を取得し、欠陥特徴量の検出に作用させる(第1の)特徴量閾値を生成することができる。
このため、本実施形態によれば、撮像位置の変位に起因して同一座標の画素から算出される第1の特徴量の変化の影響も含めた統計量を画素ごとに算出することができる。その結果、撮像位置の変位に対応した特徴量閾値が設定可能となり、閾値設定精度が向上するという効果を得ることができる。
例えば、本実施形態の制御は、被検査物の変位によって生じる照明方向やカメラとの位置関係の変化の影響を受けやすい(例えば深い凹凸を多数、撮像される面に有するなど)形状の被検査物の画像検査において好適に実施できる可能性がある。
[第3実施形態]
第1および第2実施例では、複数の良品画像から第1の特徴量を取得し、取得した第1の特徴量を用いた演算により画素ごとに特徴量閾値を生成する。この特徴量閾値は、被検査物の画像データから別途、第2の特徴量を取得し、この第2の特徴量を用いて、画像検査の目的に沿うより適切な値に補正することも考えられる。本実施形態では、このような特徴量閾値の補正技術につき説明する。
本実施形態のハードウェアは、第1実施形態で示した図1と同じでよい。また、図8は、本実施形態において、図1に示した画像処理装置ハードウェアを用いて画像検査(外観検査、光学検査)を行う場合の演算機能をブロック構成を示している。ただし、図8では形式上、第1実施形態の図2と同様に第2実施形態で用いた位置摂動部1312を図示しているが、本実施形態では、説明を容易にするため、この位置摂動部1312による摂動制御は利用することなく実施する画像検査制御につき説明する。
図8において、第1および第2実施形態と異なる点は、被検査物の濃淡画像から第2の特徴量を画素ごとに算出する第2の特徴量算出部1323と、第2の特徴量を用いて特徴量閾値を補正する特徴量閾値補正部1324とを有する点である。その他の機能ブロックは同一の参照符号を用いている通り、図2に示したものと同様でよい。
以下、本実施形態の制御について、図9および図10を用いて説明する。図9は、図4と同様のフローチャート形式で、本実施形態における被検査物の画像検査手順を示している。また、図10は、本実施形態において処理される画像データの構造を模式的に示している。
図8の機能構成、および図9の制御手順において第1および第2実施形態の動作と異なる点は、第1に第2の特徴量算出部1323によって被検査物の濃淡画像から第2の特徴量を画素ごとに算出(ステップS411)する点にある。また、第2に、特徴量閾値補正部1324によって第1の特徴量閾値を第2の特徴量を用いて補正する(ステップS412)点にある。それ以外の処理ステップは、同一のステップ番号で示しているように図4の場合と同様に実施することができる。
第1および第2実施形態では、被検査物の外形や照明の写り込みなどの外乱情報である背景の誤抽出を防止するため、背景の近傍画素では特徴量閾値が過大に設定される傾向がある。その結果、背景の近傍画素では閾値の設定精度が低く、欠陥抽出感度が低くなる可能性がある。
例えば、図10(A)は被検査物の濃淡画像の一例を示しているが、同図の画像では背景110aと欠陥部111aが存在する。ここで、第1の特徴量としてエッジ強度が選択された場合に基づき、上記の欠陥抽出感度に関する問題につき考察する。
図10(B)は、図10(A)の画像からステップS402で算出されたエッジ強度の断面に対して、例えば第1実施形態のステップS303で算出された特徴量閾値130を重ねて表示したものである。なお、図10(B)において符号120は、被検査物から第1の特徴量として取得したエッジ強度信号の波形を示している。
図10(B)に示すように、特徴量閾値130の波形は、背景110aの近傍座標102、103、104の画素に関して背景110bのピークよりも高い閾値を有している。そのため、このような特徴量閾値130(の波形)では、背景110bの誤抽出は抑制できるが、欠陥部111bを抽出することは困難である。
一方、本実施形態によれば、まず被検査物の濃淡画像から第2の特徴量を画素ごとに算出する(図9のステップS411)。この第2の特徴量として、本実施形態では例えば空間周波数の低周波成分の情報を利用する。ただし、この第2の特徴量は、被検査物の画像データから取得可能であり、かつ背景が存在する画素は大きな値となり、欠陥部が存在する画素は小さな値となる性質の特徴量であれば、他の任意の特徴量を用いることができる。
本実施形態において、被検査物の濃淡画像から第2の特徴量として取得すべき低周波成分の情報は、例えば走査線方向の画素値(濃淡値、エッジ強度など)をローパスフィルタに通すことにより得られる。ローパスフィルタの通過特性は、被検査物、カメラ、照明系の特性により生じる背景の特性などに応じて予め適宜定めておけばよい。また、第2の特徴量として取得すべき低周波成分の情報は、ローパスフィルタ通過後の画像信号において、元の画素に対応する座標位置から画素ごとに取得することができる。
図10(C)は、図10(A)に示した被検査物の濃淡画像から算出された低周波成分の断面を示している。図10(A)において、欠陥部111aは背景110aより面積が小さい。このため背景110aの近傍に位置し、欠陥部111aが存在する座標104の画素は、図10(C)に示すように背景110aが存在する座標102および103の画素より低周波成分が小さくなる。
図10(C)のような低周波成分の情報を用いて、図10(B)の特徴量閾値130を図10(D)に示すような波形の特徴量閾値140に補正することができる。なお、図10(D)において符号120は、図10(B)と同様に被検査物から第1の特徴量として取得したエッジ強度信号の波形を示している。
図10(D)において、背景110dの2つのエッジ強度ピーク部分は補正された特徴量閾値140の波形以下にカバーされている。一方、欠陥部111dのエッジ強度ピーク部分では、低周波成分の情報により特徴量閾値140の値が図10(B)よりも低く補正されているため、この欠陥部111dを正しく欠陥として抽出することができる。
本実施形態の画像検査準備は、第1実施形態で説明した図3のように行う。図3の処理では、前述のようにステップS303において良品画像から画素ごとに特徴量閾値を取得し、特徴量閾値記憶部1402に記憶させておく。
一方、特徴量閾値を補正する第2の特徴量は、上記のごとく図10で説明した通り、実際に検査される被検査物の画像から取得する必要がある。従って、図9の画像検査処理では、ステップS411において被検査物の濃淡画像データから第2の特徴量として例えば低周波成分の情報を取得する。
そして、ステップS412において、特徴量閾値記憶部1402に画素ごとに記憶されている特徴量閾値を第2の特徴量を用いて補正する。この補正は、画素ごとに、記憶されている特徴量閾値に対して行うが、補正演算には例えば式(5)のような演算を用いることができる。
Figure 0006410459
式(5)において、Taは補正後の閾値、Tbは補正前の閾値、(L×s1)の部分がTbに乗算される補正量である。また、Lは上記のようにして取得した第2の特徴量で、本実施形態においてはその画素の低周波成分に対応する画素値である。また、s1は任意定数であり、本実施形態においては、低周波成分Lを0以上1以下にスケーリングするために濃淡画像の階調数の逆数を用いることが好適である。図9の他の処理ステップは、図4で説明した同一ステップ番号の処理ステップと同じであるから、ここでは詳細な説明は省略する。
以上のようにして、画像検査処理において、被検査物の画像データから第2の特徴量として例えば低周波成分の情報を取得し、その値により良品から画素ごとに取得し、記憶させておいた特徴量閾値を補正することができる。これにより被検査物の外形や照明の写り込みなどの外乱情報である背景の誤抽出を防止し、確実な欠陥(良否)判定を行うことができる。
図10(D)に示した通り、本実施形態の処理によって背景110dの2つのエッジ強度ピーク部分は補正された特徴量閾値140の波形以下にカバーされ、誤抽出されることなく良品の特徴部分として検出することができる。一方、欠陥部111dのエッジ強度ピーク部分では、特徴量閾値140の値が低く補正され、この欠陥部111dを正しく欠陥として抽出することができる。
以上のように本実施形態によれば、被検査物から算出される第2の特徴量を用いることで、背景近傍の画素に設定される特徴量閾値を、背景が存在する画素と異なる値に補正することができる。これにより、本実施形態によれば、背景近傍の画素における閾値設定精度が向上し、かつ欠陥抽出感度を向上させ、より的確な画像検査が可能になる。
以上、3つの実施形態を示したが、本発明の画像検査技術は、例えば任意の工業製品を撮像し、撮像した画像から欠陥(良否)判定を行う画像検査方法として、任意の画像検査装置において実施することができる。なお、上記各実施形態の画像処理および欠陥判定を行う画像検査(処理)装置のCPU2100により実行される。従って上述した機能を実現するソフトウェアのプログラムを記録した記録媒体を画像検査装置に供給し、CPU2100が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによって達成されるよう構成することができる。この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、プログラム自体、ないしそのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
また、上記各実施形態では、コンピュータで読み取り可能な記録媒体が記憶装置2300、または他の不図示の外部記憶デバイスであるものとして説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。本発明を実施するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であれば、いかなる記録媒体に記録されていてもよい。例えば、プログラムを供給するための記録媒体としては、着脱式のHDDやSSD、光学ディスク、各種フラッシュメモリデバイスなど、任意の外部記憶デバイスを用いることができるのはいうまでもない。
1200…カメラ、1400…記憶部、1401…画像データ記憶部、1403…良否判定基準記憶部、1500…表示部、1600…入力部、1900…被検査物、2000…内部バス、2100…CPU、2200…メモリ、2300…記憶装置、2400…外部通信ポート、2500…外部接続機器

Claims (16)

  1. 被検査物の画像データを取得して前記被検査物の欠陥判定を行う画像検査方法において、
    複数の良品サンプルの画像データの同一座標の画素の画素値と、前記同一座標の画素の周囲に位置する複数の画素の画素値とに対する統計量演算によって取得した第1の特徴量に基づき、画素ごとの特徴量閾値を生成する閾値生成工程と、
    前記被検査物の画像データを取得し、画素ごとに取得した第2の特徴量に基づいて、前記閾値生成工程で画素ごとに生成された前記特徴量閾値を補正する補正工程と、
    前記被検査物の画像データから取得した第1の特徴量と、前記補正工程にて補正された前記特徴量閾値とを比較して閾値を超えた画素を欠陥部位として抽出する欠陥抽出工程と、
    前記欠陥抽出工程により抽出された画素が構成する欠陥部位の特性に基づき前記被検査物の欠陥の有無を判定する欠陥判定工程と、を含むことを特徴とする画像検査方法。
  2. 請求項1に記載の画像検査方法において、前記閾値生成工程では、同一の良品サンプルを前記画像データの取得の際の位置決めの公差範囲内で摂動させ、前記摂動の都度、取得した同一の良品サンプルの画像データを前記複数の良品サンプルの画像データとして用いることを特徴とする画像検査方法。
  3. 請求項1に記載の画像検査方法において、前記閾値生成工程における前記同一座標の画素の周囲に位置する複数の画素は、前記画像データの取得の際の位置決めの公差範囲内にある画素であることを特徴とする画像検査方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の画像検査方法において、検査者の選択操作に応じて選択された種類の特徴量を前記第1の特徴量として用いることを特徴とする画像検査方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の画像検査方法において、前記統計量演算が前記複数の良品サンプルの画像データの同一座標の画素の画素値、および前記同一座標の画素の周囲に位置する複数の画素の画素値に対する多値膨張処理または多値収縮処理であることを特徴とする画像検査方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の画像検査方法において、前記統計量演算が前記複数の良品サンプルの画像データの同一座標の画素の画素値、および前記同一座標の画素の周囲に位置する複数の画素の画素値に対する最大値合成処理、およびモルフォロジ処理であることを特徴とする画像検査方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の画像検査方法において、前記第1の特徴量が画素の濃淡値であることを特徴とする画像検査方法。
  8. 請求項1から6のいずれか1項に記載の画像検査方法において、前記第1の特徴量が画素ごとに算出されるエッジ強度の情報であることを特徴とする画像検査方法。
  9. 請求項1から6のいずれか1項に記載の画像検査方法において、前記第2の特徴量が画素ごとに算出される低周波成分の情報であることを特徴とする画像検査方法。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の画像検査方法の各工程を制御装置に実行させるための画像検査プログラム。
  11. 請求項10に記載の画像検査プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  12. 請求項1から9のいずれか1項に記載の画像検査方法により被検査物を検査する検査工程を備え、前記欠陥判定工程において欠陥なしと判定された被検査物を後流の組み立て工程または出荷工程に送ることを特徴とする生産方法。
  13. 被検査物の画像データを取得して前記被検査物の欠陥判定を行う画像検査装置において、
    撮像対象物の画像データを取得する撮像手段と、
    前記撮像手段により撮像した複数の良品サンプルの画像データの同一座標の画素の画素値と、前記同一座標の画素の周囲に位置する複数の画素の画素値とに対する統計量演算によって取得した第1の特徴量に基づき、画素ごとの特徴量閾値を生成する制御装置と、
    前記特徴量閾値を記憶する記憶部と、を備え、
    前記制御装置は、前記撮像手段により撮像された被検査物の画像データより、画素ごとに取得した第2の特徴量に基づいて、前記記憶部に記憶された画素ごとの前記特徴量閾値を補正し、被検査物の画像データより取得した第1の特徴量と、前記補正された特徴量閾値とを比較して閾値を超えた画素を欠陥部位として抽出し、抽出された画素が構成する欠陥部位の特性に基づき前記被検査物の欠陥の有無を判定することを特徴とする画像検査装置。
  14. 請求項13に記載の画像検査装置において、前記制御装置が前記第1の特徴量として画素の濃淡値を取得することを特徴とする画像検査装置。
  15. 請求項13に記載の画像検査装置において、前記制御装置が前記第1の特徴量として画素ごとに算出されるエッジ強度の情報を取得することを特徴とする画像検査装置。
  16. 請求項13から15のいずれか1項に記載の画像検装置において、前記制御装置が前記第2の特徴量として画素ごとに算出される低周波成分の情報を取得することを特徴とする画像検査装置。
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