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JP6413638B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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JP6413638B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
電子写真法等、画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法においては、帯電及び静電荷像形成により、像保持体の表面に画像情報として静電荷像を形成する。そして、トナーを含む現像剤により、像保持体の表面にトナー画像を形成し、このトナー画像を記録媒体に転写した後、トナー画像を記録媒体に定着する。これら工程を経て、画像情報を画像として可視化する。
例えば、特許文献1には、「少なくとも樹脂とワックスを含む電子写真用トナーであって、樹脂が縮合系樹脂であり、ワックスがトナー粒子に内包されかつ粒子の表面近傍に局在化していることを特徴とする電子写真用トナー」が開示されている。
特開2002−006541号公報
本発明の課題は、記録媒体としての厚紙に画像を形成するときに好適な静電荷像現像用トナーであって、耐折り曲げ性及び耐こすり性に優れた画像を形成しうる静電荷像現像用トナーを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
<1>に係る発明は、
結着樹脂を含む海部と離型剤を含む島部とを持つ海島構造を有し、下記式(1)で示される前記島部の偏在度Bの分布の極大値が少なくとも2つ存在するトナー粒子、を有する静電荷像現像用トナーである。
式(1): 偏在度B=2d/D
(式(1)中、Dはトナー粒子の断面観察におけるトナー粒子の円相当径(μm)を示す。dは、トナー粒子の断面観察におけるトナー粒子の重心から離型剤を含む島部の重心までの距離(μm)を示す。)
<2>に係る発明は、
前記トナー粒子における偏在度Bの分布の極大値が、全て0.35以上1.00以下の範囲に存在する<1>に記載の静電荷像現像用トナーである。
<3>に係る発明は、
前記トナー粒子における偏在度Bの分布の極大値のうち頻度が大きいものから2つが、0.35以上0.65以下の範囲に存在する極大値a及び0.75以上1.00以下の範囲に存在する極大値bであり、且つ、前記極大値aにおける頻度及び前記極大値bにおける頻度が下記式(2)の関係を満たす<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用トナーである。
式(2): 極大値aにおける頻度/極大値bにおける頻度=0.2以上0.5以下
<4>に係る発明は、
極大値aを有するピークを構成する島部が第1の離型剤を含み、前記極大値bを有するピークを構成する島部が第2の離型剤を含むとき、第1の離型剤の融解温度が第2の離型剤の融解温度よりも高い<3>に記載の静電荷像現像用トナーである。
<5>に係る発明は、
<1><4>のいずれか1に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤である。
<6>に係る発明は、
<1><4>のいずれか1に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。
<7>に係る発明は、
<5>に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
<8>に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
<5>に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置である。
<9>に係る発明は、
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
<5>に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法である。
<1>に係る発明によれば、偏在度Bの分布の極大値が1つのみ存在する場合に比べて、記録媒体としての厚紙に画像を形成するときであっても、耐折り曲げ性及び耐こすり性に優れた画像を形成しうる静電荷像現像用トナーが提供される。
<2>に係る発明によれば、偏在度Bの分布の極大値の少なくとも1つが0.35未満に存在する場合に比べ、耐折り曲げ性及び耐こすり性に優れた画像を形成しうる静電荷像現像用トナーが提供される。
<3>に係る発明によれば、偏在度Bの分布の極大値aが0.35未満である若しくは0.65を超える、又は偏在度Bの分布の極大値bが0.75未満である場合に比べ、耐折り曲げ性及び耐こすり性に優れた画像を形成しうる静電荷像現像用トナーが提供される。
<4>に係る発明によれば、第1の離型剤の融解温度が第2の離型剤の融解温度よりも低い場合に比べ、耐折り曲げ性及び耐こすり性に優れた画像を形成しうる静電荷像現像用トナーが提供される。
<5>、及びに係る発明によれば、偏在度Bの分布の極大値が1つのみ存在する静電荷像現像用トナーを用いた場合に比べて、記録媒体としての厚紙に画像を形成するときであっても、耐折り曲げ性及び耐こすり性に優れた画像を形成しうる静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。 パワーフィード添加法を説明するための模式図である。 実施例1で使用したパワーフィード添加法に用いる装置を説明するための模式図である。 本実施形態に係るトナーにおける離型剤ドメインの偏在度Bの分布の一例を示す模式図である。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
<静電荷像現像用トナー>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」と称する)は、結着樹脂を含む海部と離型剤を含む島部とを持つ海島構造を有するトナー粒子を含む。
そして、このトナー粒子の海島構造において、下記式(1)で示される島部の偏在度Bの分布の極大値が少なくとも2つ存在する。
式(1): 偏在度B=2d/D
(式(1)中、Dはトナー粒子の断面観察におけるトナー粒子の円相当径(μm)を示す。dは、トナー粒子の断面観察におけるトナー粒子の重心から離型剤を含む島部の重心までの距離(μm)を示す。)
本実施形態に係るトナーは、上記構成により、記録媒体として、例えば、梱包用厚紙に画像を形成する場合であっても、耐折り曲げ性及び耐こすり性に優れた画像を形成しうる。
その理由は定かではないが、以下に示す理由によると推測される。
従来、電子写真方式の画像形成(印刷とも称する)に用いるトナーには、トナー粒子に離型剤を含有させたものが知られている。このような従来のトナーを用いた場合には、定着時の加熱及び圧力によりトナー粒子内部から表面へ離型剤が染み出し、記録媒体の剥離性が発現することで良好な定着性能を得ている。
この剥離性を向上する目的で、トナー粒子の表面側に離型剤を偏在させる手法が知られている(例えば、前記特許文献1)。離型剤が表面側に偏在したトナー粒子は、定着時により離型剤が表面に染み出し易い性質を有している。このため、この性質を持つトナーは、剥離性が向上する。
また、離型剤がトナー粒子の内部に存在するトナー粒子の場合、その離型剤の存在により、定着時の温度にて溶融し易い性質を有している。しかしながら、内部に存在する離型剤は、定着時間内の加熱及び圧力では染み出し難く、結果として定着画像中に結着樹脂等と混在する形で残ることがある。そして、このように定着画像中に離型剤が残存すると、本来結着樹脂との相溶性の低い離型剤は定着画像の機械的強度を低下させてしまうことがある。
一方、菓子類などの商品の梱包・包装では、紙製外箱が一般的に用いられており、厚紙(厚紙コート紙)の一部又は全体に、カラー画像を配置した印刷を施し、立体に組み立てる手法が広く行われている。これらの印刷には、通常、オフセット印刷が利用されているが、近年、印刷業界では、高品質化だけでなくコストダウンや納期短縮が求められ、デザイン確定から印刷の開始に至るまで、デジタルデータの利用が進んでおり、電子写真方式による印刷市場への要求が増加している。
このような包装、梱包用の厚紙では、印刷された画像の機械的強度が低いと、外箱に組み立てた際の折り曲げ部分の画像割れ、及び、こすれによる画像剥がれが生じる場合がある。そのため、包装、梱包用の厚紙等に対し、電子写真方式での印刷を行う際には、優れた剥離性と共に、画像の耐折り曲げ性及び耐こすり性などの機械的強度の向上が求められる。
ここで、トナー粒子において、離型剤を含む島部(以下、「離型剤ドメイン」とも称する)の偏在度Bは、トナー粒子の重心から、離型剤ドメインの重心がどれだけ離れているかを示す指標である。この偏在度Bは、値が大きい程、離型剤ドメインがトナー粒子の表面近くに存在することを示し、値が小さい程、離型剤ドメインがトナー粒子の重心近くに存在することを示す。そして、偏在度Bの分布の極大値は、トナー粒子の径方向において、離型剤ドメインの分布にピークがあることを示している。
即ち、離型剤ドメインの偏在度Bの分布の極大値が少なくとも2つ存在するトナー粒子は、少なくとも、トナー粒子の表面側に近い領域と、該領域よりもトナー粒子の重心側の領域と、に極大値が存在することになる。
より具体的に説明すれば、本実施形態に係るトナーは、例えば、図5に示すように、トナー粒子の表面側に近い領域に大きな極大値(例えば後述する極大値bに相当)を有し、この領域よりトナー粒子の重心側の領域に小さな極大値(例えば後述する極大値aに相当)を有する。ここで、図5は、本実施形態に係るトナーにおける離型剤ドメインの偏在度Bの分布の一例を示す模式図である。
そして、トナー粒子の表面側に近い領域に存在する離型剤は、定着時間内での加熱及び圧力により迅速に表面に染み出し、定着時の剥離性を向上させる。
一方、この離型剤よりもトナー粒子の重心側の領域に存在する離型剤は、その一部が、トナー粒子の内部で結着樹脂と相溶等することで、定着時、結着樹脂のみで存在する場合よりも結着樹脂を溶融し易くする。その結果、結着樹脂(トナー粒子)の定着性を向上させうる。また、上記の結着樹脂との相溶に関与しなかった離型剤は、トナー粒子の表面側に近い領域に存在する離型剤が染み出した経路を通じて染み出す。その結果、トナー粒子の内部に存在する離型剤であっても、定着画像への残存量は抑制される。
このため、本実施形態に係るトナーは、定着時の記録媒体の剥離性を有しつつ、離型剤の定着画像への残存量が抑制され、画像の耐折り曲げ性及び耐こすり性などの機械的強度は向上する。
以上から、本実施形態に係るトナーは、上記のような包装、梱包用の厚紙に画像を形成するときであっても、定着時の厚紙の剥離性を有し、耐折り曲げ性及び耐こすり性に優れた画像を形成しうるものと推測される。
ここで、本実施形態における厚紙としては、厚さ0.15mm以上0.23mm以下の範囲のものであればよく、この厚さの範囲であれば、普通紙であってもよいし、コート層を設けたコート紙であってもよい。
以下、本実施形態に係るトナーの詳細について説明する。
本実施形態に係るトナーは、少なくとも前記したトナー粒子を有し、更に必要に応じて、トナー粒子の表面に付着する外添剤を有していてもよい。
〔トナー粒子〕
まず、トナー粒子について説明する。
トナー粒子は、前記したように、結着樹脂を含む海部と離型剤を含む島部とを持つ海島構造を有する。つまり、トナー粒子は、結着樹脂の連続相中に離型剤が島状に存在する海島構造を有する。
海島構造を有するトナー粒子において、離型剤ドメイン(離型剤を含む島部)の偏在度Bの分布の極大値は、少なくとも2つ存在する。
定着時の圧力により、トナー粒子中の離型剤が染み出し易くなり、耐折り曲げ性及び耐こすり性に優れた画像を形成しうる点から、偏在度Bの分布の極大値は、全て0.35以上1.00以下の範囲に存在することが好ましい。つまり、トナー粒子の重心に近い位置には、離型剤ドメインが存在しない方が好ましい。
なお、特に、トナーの熱保管性の点から、極大値の存在する範囲の上限は0.98以下が好ましい。
また、定着時の厚紙の剥離性、耐折り曲げ性、及び耐こすり性により優れた画像を形成しうる点から、偏在度Bの分布の極大値のうち頻度が大きいものから2つは、0.35以上0.65以下の範囲に存在する極大値a及び0.75以上1.00以下の範囲に存在する極大値bであり、且つ、極大値aにおける頻度及び極大値bにおける頻度が下記式(2)の関係を満たすことが好ましい。
式(2): 極大値aにおける頻度/極大値bにおける頻度=0.2以上0.5以下
つまり、2つ以上の極大値のうち、最も頻度の大きな極大値が、0.75以上1.00以下の範囲に存在する極大値bであって、その次に頻度の大きな極大値が、0.35以上0.65以下の範囲に存在する極大値aとなる。
ここで、極大値aは0.4以上0.6以下に存在することがより好ましい。
また、極大値bは0.8以上0.98以下に存在することがより好ましい。
なお、極大値bの存在する範囲の上限は、トナーの熱保管性の理由から、0.98以下が好ましい。
また、極大値aにおける頻度/極大値bにおける頻度の値は、0.30以上0.45以下がより好ましい。
更に、定着時間内の加熱及び圧力によるトナー粒子中の離型剤の染み出し易さをより高め、耐折り曲げ性及び耐こすり性により優れた画像を形成しうる点から、極大値aを有するピークを構成する島部が第1の離型剤を含み、極大値bを有するピークを構成する島部が第2の離型剤を含むとき、第1の離型剤の融解温度が第2の離型剤の融解温度よりも高いことが好ましい。
(海島構造の確認)
ここで、トナー粒子の海島構造の確認方法について説明する。
トナー粒子の海島構造は、例えば、トナー(トナー粒子)の断面を透過型電子顕微鏡により観察する方法、トナー粒子の断面に四酸化ルテニウムによる染色を行い、走査型電子顕微鏡により観察する方法によって確認する。トナーの断面における離型剤ドメインをより鮮明に観察しうる点で、走査型電子顕微鏡により観察する方法が好ましく用いられる。走査型電子顕微鏡としては、当業者の間でよく知られた機種であればよく、例えば、日立ハイテク社製SU8020、日本電子社製JSM−7500F等が挙げられる。
具体的な、観察方法は、次の通りである。まず、測定対象となるトナー(トナー粒子)をエポキシ樹脂に包埋した後、エポキシ樹脂を硬化する。ダイヤモンド刃を備えたミクロトームによって、この硬化物を薄片化し、トナーの断面が露出した観察試料を得る。薄片の観察試料に対し、四酸化ルテニウムにより染色を施し、走査型電子顕微鏡によりトナーの断面を観察する。この観察方法によって、トナーの断面には、染色度の違いにより、結着樹脂の連続相中に対し、輝度差(コントラスト)がある離型剤が島状に存在する海島構造が観察される。
(偏在度Bの測定)
次に、離型剤ドメインの偏在度Bの測定方法について説明する。
離型剤ドメインの偏在度Bの測定は、次の通り行う。
まず、海島構造の確認方法を利用し、トナー(トナー粒子)1個の断面が視野に入る倍率で画像を記録する。記録された画像について、画像解析ソフト(三谷商事社製WinROOF)を用いて、0.010000μm/pixel条件で画像解析を行う。この画像解析により、包埋に用いたエポキシ樹脂とトナーの結着樹脂との輝度差(コントラスト)により、トナー粒子の断面の形状を抽出する。抽出されたトナー粒子の断面の形状に基づいて、投影面積を求める。そして、この投影面積から、円相当径を求める。円相当径は、式:2√(投影面積/π)により算出する。求めた円相当径を、トナー粒子の断面観察におけるトナー粒子の円相当径Dとする。
一方、抽出されたトナー粒子の断面の形状に基づいて、重心位置を求める。具体的にはトナー粒子の断面を、左右に等しい面積になるように分割する直線と上下に等しい面積になるように分割する直線とを作成し、二本の直線の交点を重心とする。画像解析にて正確に、短時間で測定しうる。続けて、結着樹脂と離型剤の輝度差(コントラスト)により、離型剤ドメインの形状を抽出し、離型剤ドメインの重心位置を求める。この各重心位置は、具体的には、トナー粒子の断面と同様の原理で測定しうる。そして、トナー粒子の断面の重心位置と離型剤ドメインの重心位置との距離を求める。求めた距離を、トナー粒子の断面観察におけるトナー粒子の重心から離型剤を含む島部の重心までの距離dとする。
最後に、各円相当径D及び距離dから、式(1):偏在度B=2d/Dにより、離型剤ドメインの偏在度Bを求める。
そして、一個のトナー粒子の断面に存在する複数の離型剤ドメインについて、各々、上記同様の操作を行って、離型剤ドメインの偏在度Bを求める。
次に、離型剤ドメインの偏在度Bの分布の極大値について説明する。
まず、既述の離型剤ドメインの偏在度Bの測定をトナー粒子200個について行う。得られた各離型剤ドメインの偏在度Bのデータを、0から1.00まで0.01刻みのデータ区間で統計解析処理を行い、偏在度Bの分布を求める。
そして、得られた分布にピークがあれば、そのピークの頂点が存在するデータ区間の値を極大値とする。
例えば、図5に示す模式図のように、横軸を離型剤ドメインの偏在度B(データ区間)とし、縦軸をその頻度とした場合、ピーク(山部)が2つ存在していれば、そのピークの頂点が存在する偏在度Bのデータ区間を極大値とする。
また、極大値の中でも、頻度(ピーク高さ)が最も大きなものを最頻値と称する。
なお、上記のような離型剤ドメインの偏在度Bの分布特性を満たす方法については、トナーの製造方法で説明する。
次に、トナー粒子の構成成分について説明する。
トナー粒子は、結着樹脂、及び離型剤を含み、必要に応じて、着色剤等を含む。以下、各成分について説明する。
−結着樹脂−
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好適である。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知のポリエステル樹脂が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下がより好ましい。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
ポリエステル樹脂は、周知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
結着樹脂の含有量としては、例えば,トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下が更に好ましい。
−離型剤−
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
これらの中でも、離型剤としては、炭化水素系ワックス(炭化水素を骨格として有するワックス)が好ましい。炭化水素系ワックスは、離型剤ドメインを形成し易く、また、定着時に速やかにトナー粒子表面に染み出し易いため、好適である。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
本実施形態では、定着時の圧力によるトナー粒子中の離型剤の染み出し易さをより高め、耐折り曲げ性及び耐こすり性により優れた画像を形成しうる点から、前記したように、極大値aを有するピークを構成する島部が第1の離型剤を含み、極大値bを有するピークを構成する島部が第2の離型剤を含むとき、第1の離型剤の融解温度が第2の離型剤の融解温度よりも高いことが好ましい。
つまり、離型剤の融解温度は、トナー粒子の表面側に近い領域に存在するものほど低い方が好ましい。
この際、第1の離型剤の融解温度としては80℃以上120℃以下の範囲が好ましい。一方、第2の離型剤の融解温度としては、第1の離型剤の融解温度よりも10℃以上低いことが好ましく、15℃以上低いことがより好ましい。
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−着色剤−
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−その他の添加剤−
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
−トナー粒子の特性等−
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂を含む海部と離型剤を含む島部とを持つ海島構造を有する芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)としては、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
なお、トナー粒子の各種平均粒径、及び各種粒度分布指標は、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマンーコールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
トナー粒子の形状係数SF1としては、110以上150以下が好ましく、120以上140以下がより好ましい。
なお、形状係数SF1は、下記式により求められる。
式:SF1=(ML/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
〔外添剤〕
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
〔トナーの製造方法〕
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。トナー粒子の製法は、これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
特に、上述した離型剤ドメインの偏在度Bの分布特性を満たすトナー(トナー粒子)を得る点から、トナー粒子は、次に示す凝集合一法により製造することがよい。
以下、凝集合一法を用いたトナー粒子の製造方法について、具体例を挙げて説明する。なお、以下の具体例では、離型剤ドメインの偏在度Bの分布の極大値が2つ存在し、着色剤を含有するトナー粒子の製造方法について説明するが、この方法に限定されるものではない。
具体的には、
各分散液を準備する工程(分散液準備工程)と、
結着樹脂となる第1樹脂粒子が分散された第1樹脂粒子分散液、及び着色剤の粒子(以下「着色剤粒子」とも称する)が分散された着色剤粒子分散液を混合し、得られた混合分散液中で各粒子を凝集させ、第1凝集粒子を形成する工程(第1凝集粒子形成工程)と、
第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液を得た後、結着樹脂となる第2樹脂粒子及び第1離型剤の粒子(以下「第1離型剤粒子」とも称する)が分散された混合分散液を、混合分散液中の第1離型剤粒子の濃度を徐々に低下させながら、第1凝集粒子分散液に順次添加して、第1凝集粒子の表面に更に第2樹脂粒子及び第1離型剤粒子を凝集して、第2凝集粒子を形成する工程(第2凝集粒子形成工程)と、
第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液を得た後、結着樹脂となる第3樹脂粒子及び第2離型剤の粒子(以下「第2離型剤粒子」とも称する)が分散された混合分散液を、混合分散液中の第2離型剤粒子の濃度を徐々に低下させながら、第2凝集粒子分散液に順次添加して、第2凝集粒子の表面に更に第3樹脂粒子及び第2離型剤粒子を凝集して、第3凝集粒子を形成する工程(第3凝集粒子形成工程)と、
第3凝集粒子が分散された第3凝集粒子分散液に対して加熱をし、第3凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、
を経て、トナー粒子を製造することが好ましい。
なお、トナー粒子の製造方法は、上記に限られない。
例えば、樹脂粒子分散液、及び着色剤粒子分散液を混合し、得られた混合分散液中で、各粒子を凝集させる。そして、その凝集過程で、混合分散液に対して、添加速度を変化(増減)させながら又は離型剤粒子の濃度を変化(増減)させながら、離型剤粒子分散液を添加し、更に各粒子の凝集を進行させて、凝集粒子を形成する。そして、その凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成してもよい。
また、上記の方法において、第1凝集粒子を形成する工程後、第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液に、第1離型剤分散液、第2樹脂粒子分散液、第2離型剤分散液、及び第3樹脂粒子分散液をこの順に添加し、その添加の都度、粒子の凝集を進行させて、凝集粒子を形成する。そして、その凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成してもよい。
以下、上記の各工程(分散液準備工程、第1凝集粒子形成工程、第2凝集粒子形成工程、第3凝集粒子形成工程、及び融合・合一工程)の詳細について説明する。
−各分散液準備工程−
まず、凝集合一法で使用する各分散液と準備する。
具体的には、結着樹脂となる第1樹脂粒子が分散された第1樹脂粒子分散液、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、結着樹脂となる第2樹脂粒子が分散された第2樹脂粒子分散液、第1離型剤粒子が分散された第1離型剤粒子分散液、結着樹脂となる第3樹脂粒子が分散された第3樹脂粒子分散液、及び第2離型剤粒子が分散された第2離型剤粒子分散液を準備する。
なお、各工程において、第1樹脂粒子、第2樹脂粒子、及び第3樹脂粒子を総括して「樹脂粒子」と称して説明する。第1離型剤粒子、及び第2離型剤粒子を総括して「離型剤粒子」と称して説明する。
ここで、樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子分散液において、樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル等の一般的な分散方法が挙げられる。また、樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて樹脂粒子分散液中に樹脂粒子を分散させてもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下が好ましく、0.08μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.6μm以下が更に好ましい。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量としては、例えば、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。
なお、樹脂粒子分散液と同様にして、例えば、着色剤粒子分散液、離型剤粒子分散液も調製される。
つまり、樹脂粒子分散液における粒子の体積平均粒径、分散媒、分散方法、及び粒子の含有量に関しては、着色剤粒子分散液中に分散する着色剤粒子、及び離型剤粒子分散液中に分散する離型剤粒子についても同様である。
−第1凝集粒子形成工程−
次に、第1樹脂粒子分散液と、着色剤粒子分散液と、を混合する。
そして、この混合分散液中で、第1樹脂粒子と着色剤粒子とをヘテロ凝集させ、目的とするトナー粒子の径の例えば35%程度の径を持つ、第1樹脂粒子と着色剤粒子とを含む第1凝集粒子を形成する。
この工程で形成された第1の凝集粒子には、離型剤が含まれないことになる。
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、第1樹脂粒子のガラス転移温度に近い温度(具体的には、例えば、第1樹脂粒子のガラス転移温度−30℃以上ガラス転移温度−10℃以下)に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、第1凝集粒子を形成する。
第1凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで撹拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤としては、例えば、混合分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩、2価以上の金属錯体等が挙げられる。特に、凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤の金属イオンと錯体若しくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体等が挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤の具体例としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。キレート剤の添加量としては、例えば、第1樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
−第2凝集粒子形成工程−
上記のようにして第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液を得た後、結着樹脂となる第2樹脂粒子及び第1離型剤粒子が分散された混合分散液を、混合分散液中の第1離型剤粒子の濃度を徐々に低下させながら、第1凝集粒子分散液に順次添加する。
なお、第2樹脂粒子は第1樹脂粒子と同種であってもよいし、異種であってもよい。
そして、第1凝集粒子、第2樹脂粒子、及び第1離型剤粒子が分散された分散液中で、第1凝集粒子の表面に第2樹脂粒子及び第1離型剤粒子を凝集する。
具体的には、例えば、第1凝集粒子形成工程において、第1凝集粒子が目的とする粒径に達したときに、第1凝集粒子分散液に、第1離型剤粒子の濃度を徐々に低下させながら、第2樹脂粒子及び第1離型剤粒子が分散された混合分散液を順次添加し、この分散液に対して、第2樹脂粒子のガラス転移温度以下で加熱を行う。
この工程を経て、第1凝集粒子の表面に第2樹脂粒子及び第1離型剤粒子が付着した凝集粒子を形成する。つまり、第1凝集粒子の表面に、第2樹脂粒子及び第1離型剤粒子の凝集物が付着した第2凝集粒子を形成する。
この工程では、第2樹脂粒子及び第1離型剤粒子が分散された混合分散液中の第1離型剤粒子の濃度を徐々に低下させながら、かかる混合分散液を第1凝集粒子分散液に順次添加しているため、第1凝集粒子の表面には、粒径方向外側に向かって、第1離型剤粒子の濃度(存在率)が高い領域から低い領域へと変化する、第2樹脂粒子及び第1離型剤粒子の凝集物が付着することとなる。
なお、第2凝集粒子形成工程において、混合分散液中の第1離型剤の濃度を低下させる速度及び低下量は、目的とする離型剤ドメインの偏在度Bの分布特性に合わせて行えばよい。
−第3凝集粒子形成工程−
上記のようにして第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液を得た後、結着樹脂となる第3樹脂粒子及び第2離型剤粒子が分散された混合分散液を、混合分散液中の第2離型剤粒子の濃度を徐々に低下させながら、第2凝集粒子分散液に順次添加する。
なお、第3樹脂粒子は第1樹脂粒子及び第2樹脂粒子と同種であってもよいし、異種であってもよい。また、第2離型剤粒子は第1離型剤粒子と同種であってもよいし、異種であってもよい。
そして、第2凝集粒子、第3樹脂粒子、及び第2離型剤粒子が分散された分散液中で、第2凝集粒子の表面に第3樹脂粒子及び第2離型剤粒子を凝集する。
具体的には、例えば、第2凝集粒子形成工程において、第2凝集粒子が目的とする粒径に達したときに、第2凝集粒子分散液に、第2離型剤粒子の濃度を徐々に低下させながら、第3樹脂粒子及び第1離型剤粒子が分散された混合分散液を順次添加し、この分散液に対して、第3樹脂粒子のガラス転移温度以下で加熱を行う。
そして、分散液のpHを、例えば6.5以上8.5以下程度の範囲にすることにより、凝集の進行を停止させる。
この工程を経て、第2凝集粒子の表面に第3樹脂粒子及び第2離型剤粒子が付着した凝集粒子を形成する。つまり、第2凝集粒子の表面に、第3樹脂粒子及び第2離型剤粒子の凝集物が付着した第3凝集粒子を形成する。
この工程では、第3樹脂粒子及び第2離型剤粒子が分散された混合分散液中の第2離型剤粒子の濃度を徐々に低下させながら、かかる混合分散液を第1凝集粒子分散液に順次添加しているため、第1凝集粒子の表面には、粒径方向外側に向かって、第2離型剤粒子の濃度(存在率)が高い領域から低い領域へと変化する、第3樹脂粒子及び第2離型剤粒子の凝集物が付着することとなる。
なお、第3凝集粒子形成工程において、混合分散液中の第2離型剤の濃度を低下させる速度及び低下量は、目的とする離型剤ドメインの偏在度Bの分布特性に合わせて行えばよい。
ここで、第2凝集粒子形成工程及び第3凝集粒子形成工程における、混合分散液の添加方法としては、パワーフィード添加法を利用することがよい。
このパワーフィード添加法を利用することで、混合分散液中の離型剤粒子の濃度を徐々に低下させつつ、かかる混合分散液を凝集粒子分散液に順次添加しうる。
以下、図を参照しつつ、第2凝集粒子工程においてパワーフィード添加法を利用した混合分散液の添加方法について説明する。
図3には、パワーフィード添加法に用いる装置を示している。
図3に示す装置は、分散液をそれぞれ収容する、第1収容槽321と、第2収容槽322と、第3収容槽323と、を有している。
なお、図3に示す装置において、第1送液ポンプ341及び第2送液ポンプ342の駆動前の状態では、第1収容槽321が収容する分散液は第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液であり、第2収容槽322が収容する分散液は第1離型剤粒子が分散された第1離型剤粒子分散液であり、第3収容槽323が収容する分散液は第2樹脂粒子が分散された第2樹脂粒子分散液である。
第1収容槽321と第2収容槽322とは第1送液管331で連結されている。第1送液管331の経路途中には、第1送液ポンプ341が介在している。第1送液ポンプ341の駆動により、第2収容槽322に収容された分散液は、第1送液管331を通じて、第1収容槽321に送液される。
第1収容槽321には、第1撹拌装置351が配置されている。第1撹拌装置351の駆動により、第2収容槽322から送液された分散液は、第1収容槽321に収容されていた分散液と共に第1収容槽321において撹拌及び混合される。
第2収容槽322と第3収容槽323とは第2送液管332で連結されている。第2送液管332の経路途中には、第2送液ポンプ342が介在している。第2送液ポンプ342の駆動により、第3収容槽323に収容された分散液は、第2送液管332を通じて、第2収容槽322に送液される。
第2収容槽322には、第2撹拌装置352が配置されている。第2撹拌装置352の駆動により、第3収容槽323から送液された分散液は、第2収容槽322に収容されていた分散液と共に、第2収容槽322において撹拌及び混合される。
続いて、図3に示す装置の動作について説明する。
図3に示す装置では、まず、第1収容槽321に第1凝集粒子分散液を収容する。
第1収容槽321に収容される第1凝集粒子分散液は、第1収容槽321において、第1凝集粒子形成工程を実施して作製したものであってもよい。また、別の槽で、第1凝集粒子形成工程を実施して、第1凝集粒子分散液を作製した後、第1凝集粒子分散液を第1収容槽321に収容してもよい。
そして、第2収容槽322に離型剤粒子分散液を、第3収容槽323に第2樹脂粒子分散液を、それぞれ収容する。
この状態で、第1送液ポンプ341及び第2送液ポンプ342を駆動する。
この駆動により、第2収容槽322に収容された分散液を、第1収容槽321に送液する。そして、第1撹拌装置351の駆動により、第1収容槽321において各分散液が撹拌及び混合される。
一方、第3収容槽323に収容された分散液を、第2収容槽322に送液する。そして、第2撹拌装置352の駆動により、第2収容槽322において各分散液が撹拌及び混合される。
このとき、第2送液ポンプ342の駆動により、第2収容槽322には、第3収容槽323に収容された第2樹脂粒子分散液が順次送液され、第2収容槽322に予め収容されていた離型剤粒子分散液に第2樹脂粒子分散液が混合されていく。これにより、第2収容槽322には、離型剤粒子分散液に第2樹脂粒子分散液が混合された混合分散液が収容されることになる。また、第2収容槽322に第2樹脂粒子分散液が順次送液されることで、混合分散液中の離型剤粒子の濃度が次第に低下してゆく。
そして、第2収容槽322に収容された混合分散液が、第1収容槽321へと送液され、第1凝集粒子分散液と混合されていく。
このように、第2収容槽322に収容された混合分散液は、混合分散液中の離型剤粒子分散液の濃度が徐々に低下しつつ、第1収容槽321へと連続的に送液される。
このように、パワーフィード添加法を利用することにより、第1凝集粒子分散液に、離型剤粒子の濃度を徐々に低下させながら、第2樹脂粒子及び離型剤粒子が分散された混合分散液を添加することができる。
そして、パワーフィード添加法において、第2収容槽322及び第3収容槽323に収容された各分散液の送液開始時期及び送液速度を調整することにより、離型剤ドメインの偏在度Bの分布特性が調整される。また、パワーフィード添加法において、第2収容槽322及び第3収容槽323に収容された各分散液の送液中に、送液速度を調整することによっても、離型剤ドメインの偏在度Bの分布特性が調整される。
具体的には、例えば、離型剤ドメインの偏在度Bの分布の極大値は、第2収容槽322に収容された離型剤粒子分散液の、第1収容槽321への送液の開始時期により調整される。
第2凝集粒子形成工程の場合は、第3収容槽323から第2収容槽322に第2樹脂粒子分散液の送液が開始される時期よりも前、又は、送液が開始された直後に、第2収容槽322に収容された分散液が第1収容槽321へと送液されることがよい。これにより、第2収容槽322からは第1離型剤粒子分散液のみ、又は少量の第2樹脂粒子分散液と第1離型剤粒子分散液との混合分散液が、第1収容槽321へと送液される。この送液により、第1凝集粒子の表面には第1離型剤粒子の濃度(存在率)が高い凝集物が形成される。そして、この第1離型剤粒子の濃度(存在率)が高い凝集物の領域が、トナー粒子となった際の1つ目の極大値となる。
その後、送液が継続されるにつれ、第1収容槽321へと送液される混合分散液中の第1離型剤粒子の濃度は徐々に低くなる。
上記したパワーフィード添加法を利用した混合分散液の添加方法を、第3凝集粒子形成工程にて使用した場合には、第1送液ポンプ341及び第2送液ポンプ342の駆動前の状態では、第1収容槽321に第2凝集粒子分散液、第2収容槽322に第2離型剤粒子分散液、第3収容槽323に第3樹脂粒子分散液が、それぞれ収容された装置をもちいればよい。
このような装置を用い、上述と同様に駆動(送液)させることで、第2凝集粒子の表面には第2離型剤粒子の濃度(存在率)が高い凝集物が形成され、この領域が、トナー粒子となった際の2つ目の極大値となる。
なお、以上説明したパワーフィード法は、上記手法に限定されるわけではない。
例えば、1)別途、第2樹脂粒子分散液を収容した収容槽と、第2樹脂粒子及び第1離型剤分散液が分散された混合分散液を収容槽とを設け、送液速度を変えつつ各収容槽から各分散液を第1収容槽321へ送液する方法、2.)別途、第1離型剤分散液を収容した収容槽と、第2樹脂粒子及び第1離型剤分散液が分散された混合分散液を収容した収容槽とを設け、送液速度を変えつつ各収容槽から各分散液を第1収容槽321へ送液する方法など、種々の方法を採用してもよい。
以上のよう第2凝集粒子形成工程及び第3凝集粒子形成工程を経て、第3凝集粒子が形成される。
なお、第2凝集粒子形成工程及び第3凝集粒子形成工程と同様な工程を経ることで、離型剤ドメインの偏在度Bの分布の極大値が3つ以上存在するトナー粒子を得ることができる。
−融合・合一工程−
次に、第3凝集粒子が分散された第3凝集粒子分散液に対して、例えば、第1、第2、及び第3樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば第1、第2、及び第3樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、第3凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
以上の工程を経て、トナー粒子が得られる。
なお、第3凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該第3凝集粒子分散液と、結着樹脂となる第4樹脂粒子が分散された第4樹脂粒子分散液と、を更に混合し、第3凝集粒子の表面に更に第4樹脂粒子を付着するように凝集して、第4凝集粒子を形成する工程と、第4凝集粒子が分散された第4凝集粒子分散液に対して加熱をし、第4凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
この操作により、得られるトナー粒子は、離型剤を含まないシェル層の存在により、離型剤ドメインの偏在度Bの分布の極大値は1.00未満となる。
ここで、融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。
混合は、例えばVブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディーゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動師分機、風力師分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。
被覆樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
ここで、芯材の表面に被覆樹脂を被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
<画像形成装置/画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、本実施形態に係る静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容した現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ロール22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。なお、支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。なお、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yによって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール5Y(一次転写手段の一例)、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)6Yが順に配置されている。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で撹拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体の一例)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー画像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー画像が一次転写へ搬送されると、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー画像に作用され、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μAに制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2のユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5Kに印加される一次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ロール24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段の一例)26とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。なお、この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。
トナー画像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられ、中でも、本実施形態に係るトナーの有する効果発現の点からは、厚紙の普通紙が好適である。記録媒体としては、記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性を更に向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
<プロセスカートリッジ/トナーカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
なお、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、上記構成に限られず、現像装置と、その他、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。
以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、「部」とは、特に断りがない限り、「質量部」を意味する。
<樹脂粒子分散液の調製>
〔樹脂粒子分散液(1)の調製〕
・テレフタル酸 :30モル部
・フマル酸 :70モル部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物 :5モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物 :95モル部
撹拌装置、窒素導入管、温度センサ、及び精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに、上記の材料を仕込み、1時間を要して温度を210℃まで上げ、上記材料100部に対してチタンテトラエトキシド1部を投入した。生成する水を留去しながら0.5時間を要して230℃まで温度を上げ、該温度で1時間脱水縮合反応を継続した後、反応物を冷却した。こうして、重量平均分子量18,500、酸価14mgKOH/g、ガラス転移温度59℃のポリエステル樹脂(1)を合成した。
温度調節手段及び窒素置換手段を備えた容器に、酢酸エチル40部及び2−ブタノール25部を投入し、混合溶剤とした後、ポリエステル樹脂(1)100部を徐々に投入し溶解させ、ここに、10質量%アンモニア水溶液(樹脂の酸価に対してモル比で3倍量相当量)を入れて30分間撹拌した。
次いで、容器内を乾燥窒素で置換し、温度を40℃に保持して、混合液を撹拌しながらイオン交換水400部を2部/分の速度で滴下し、乳化を行った。滴下終了後、乳化液を室温(20℃乃至25℃)に戻し、撹拌しつつ乾燥窒素により48時間バブリングを行うことにより、酢酸エチル及び2−ブタノールを1,000ppm以下まで低減させ、体積平均粒径200nmの樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を得た。該樹脂粒子分散液にイオン交換水を加え、固形分量を20質量%に調整して、樹脂粒子分散液(1)とした。
<着色剤粒子分散液の調製>
〔着色剤粒子分散液(1)の調製〕
・シアン顔料 C.I.Pigment Blue 15:3 :70部
(銅フタロシアニン DIC社製、商品名:FASTOGEN BLUE LA5380)
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK) :5部
・イオン交換水 :200部
上記の材料を混合し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した。分散液中の固形分量が20質量%となるようイオン交換水を加え、体積平均粒径190nmの着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液(1)を得た。
<離型剤粒子分散液の調製>
〔離型剤粒子分散液(1)の調製〕
・パラフィンワックス :100部
(日本精蝋(株)製 HNP−9、融解温度:75℃)
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK) :1部
・イオン交換水 :350部
上記材料を混合して100℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径200nmの離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液(1)(固形分量20質量%)を得た。
〔離型剤粒子分散液(2)の調製〕
・ポリエチレンワックス :100部
(ベーカーペトロライト社製ポリワックス750、融解温度:104℃)
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK) :1部
・イオン交換水 :350部
上記材料を混合して100℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径200nmの離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液(2)(固形分量20質量%)を得た。
<実施例1>
〔トナー粒子の調製〕
図3に示すパワーフィード添加法に用いる装置を応用し、図4に示す装置を準備した。
図4に示す装置は、丸型ステンレス製フラスコを含む右側で、第1のパワーフィード添加法を行い、丸型ステンレス製フラスコを含む左側で、第2のパワーフィード添加法を行う。
第1のパワーフィード添加法を行う部位では、丸型ステンレス製フラスコと容器AとをチューブポンプAで接続し、チューブポンプAの駆動により容器Aに収容した収容液をフラスコへ送液し、容器Aと容器BとをチューブポンプBで接続し、チューブポンプBの駆動により容器Bに収容した収容液を容器Aへ送液する。
また、第2のパワーフィード添加法を行う部位では、丸型ステンレス製フラスコと容器CとをチューブポンプCで接続し、チューブポンプCの駆動により容器Cに収容した収容液をフラスコへ送液し、容器Cと容器DとをチューブポンプDで接続し、チューブポンプDの駆動により容器Dに収容した収容液を容器Cへ送液する。
容器A、容器C、及び丸型ステンレス製フラスコでは、各々、収容された収容液が撹拌装置により撹拌される。
そして、図4に示す装置を用いて、以下の操作を実施した。
・樹脂粒子分散液(1) :53.1部
・着色剤粒子分散液(1) :25部
・アニオン性界面活性剤(TaycaPower) :2部
上記材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、0.1Nの硝酸を添加してpHを3.5に調整した後、ポリ塩化アルミニウム濃度が10質量%の硝酸水溶液30部を添加した。続いて、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で1℃/30分のペースで温度を上げながら、第1凝集粒子の粒径を成長させた。
一方、ポリエステル製ボトルの容器Aに離型剤粒子分散液(2)を12.5部に入れ、同じく、ポリエステル製ボトルの容器Bに樹脂粒子分散液(1)を207.9部入れた。次に、チューブポンプAの送液速度を3部/1分、チューブポンプBの送液速度を6部/1分に設定し、第1凝集粒子形成中の丸型ステンレス製フラスコ内の温度を1℃/分で昇温し、第1凝集粒子の粒径が2.9μmになった時点で昇温を停止し、チューブポンプA及びBを同時に駆動させ、各分散液の送液を行った。
そして、フラスコへの各分散液の送液が完了した時点から30分間撹拌しつつ保持し、第2凝集粒子を形成させた。
続いて、ポリエステル製ボトルの容器Cに離型剤粒子分散液(1)を37.5部に入れ、同じく、ポリエステル製ボトルの容器Dに樹脂粒子分散液(1)を164.0部入れた。次に、チューブポンプCの送液速度を9部/1分、チューブポンプDの送液速度を6部/1分に設定し、チューブポンプC及びDを同時に駆動させ、各分散液の送液を行った。
フラスコへの各分散液の送液が完了後、温度を1℃上昇させ、30分間撹拌しつつ保持し、第3凝集粒子を形成させた。
その後、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8.5に調整した後、撹拌を継続しながら85℃まで加熱し、5時間保持した。その後、20℃/分の速度で20℃まで冷却し、濾過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、体積平均粒径6.0μmのトナー粒子(1)を得た。
〔トナーの調製〕
トナー粒子(1)100部と、ジメチルシリコーンオイル処理シリカ粒子(日本アエロジル社製RY200)0.7部と、をヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー(1)を得た。
〔現像剤の調製〕
・フェライト粒子(平均粒径50μm) :100部
・トルエン :14部
・スチレン/メチルメタクリレート共重合体(共重合比15/85) :3部
・カーボンブラック :0.2部
フェライト粒子を除く上記成分をサンドミルにて分散して分散液を調製し、この分散液をフェライト粒子とともに真空脱気型ニーダに入れ、撹拌しながら減圧し乾燥させることによりキャリアを得た。
そして、上記キャリア100部に対して、トナー(1)8部を混合し、現像剤(1)を得た。
<実施例2>
トナー粒子(1)作製において、初期の丸型ステンレス製フラスコに入れる樹脂粒子分散液(1)を21.5部に、容器Aに入れる離型剤粒子分散液(2)を10.0部に、容器Bに入れる樹脂粒子分散液(1)を172.5部に、容器Cに入れる離型剤粒子分散液(1)を40.0部に、容器Dに入れる樹脂粒子分散液(1)を231.0部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子(2)を得た。
得られたトナー粒子(2)は体積平均粒子6.0μmであった。
そして、トナー粒子(2)を用いて、実施例1と同様にトナー(2)及び現像剤(2)を得た。
<実施例3>
トナー粒子(1)の作製において、初期の丸型ステンレス製フラスコに入れる樹脂粒子分散液(1)を21.5部に、容器Aに入れる離型剤粒子分散液(2)を15.0部に、容器Bに入れる樹脂粒子分散液(1)を342.9部に、容器Cに入れる離型剤粒子分散液(1)を35.0部に、容器Dに入れる樹脂粒子分散液(1)を60.6部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子(3)を得た。
得られたトナー粒子(3)は体積平均粒子5.9μmであった。
そして、トナー粒子(3)を用いて、実施例1と同様にトナー(3)及び現像剤(3)を得た。
<実施例4>
トナー粒子(1)の作製において、初期の丸型ステンレス製フラスコに入れる樹脂粒子分散液(1)を111.4部に、容器Aに入れる離型剤粒子分散液(2)を8.0部に、容器Bに入れる樹脂粒子分散液(1)を82.6部に、容器Cに入れる離型剤粒子分散液(1)を42.0部に、容器Dに入れる樹脂粒子分散液(1)を231.0部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子(4)を得た。
得られたトナー粒子(4)は体積平均粒子6.1μmであった。
そして、トナー粒子(4)を用いて、実施例1と同様にトナー(4)及び現像剤(4)を得た。
<実施例5>
トナー粒子(1)の作製において、初期の丸型ステンレス製フラスコに入れる樹脂粒子分散液(1)を111.4部に、容器Aに入れる離型剤粒子分散液(2)を18.5部に、容器Bに入れる樹脂粒子分散液(1)を253.0部に、容器Cに入れる離型剤粒子分散液(1)を31.5部に、容器Dに入れる樹脂粒子分散液(1)を60.6部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子(5)を得た。
得られたトナー粒子(5)は体積平均粒子6.0μmであった。
そして、トナー粒子(5)を用いて、実施例1と同様にトナー(5)及び現像剤(5)を得た。
<実施例6>
トナー粒子(1)の作製において、初期の丸型ステンレス製フラスコに入れる樹脂粒子分散液(1)を21.5部に、容器Aに入れる離型剤粒子分散液(2)を12.5部に、容器Bに入れる樹脂粒子分散液(1)を124.2部に、容器Cに入れる離型剤粒子分散液(1)を37.5部に、容器Dに入れる樹脂粒子分散液(1)を279.2部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子(6)を得た。
得られたトナー粒子(6)は体積平均粒子6.0μmであった。
そして、トナー粒子(6)を用いて、実施例1と同様にトナー(6)及び現像剤(6)を得た。
<実施例7>
トナー粒子(1)の作製において、初期の丸型ステンレス製フラスコに入れる樹脂粒子分散液(1)を145.8部に、容器Aに入れる離型剤粒子分散液(2)を12.5部に、容器Bに入れる樹脂粒子分散液(1)を115.2部に、容器Cに離型剤粒子分散液(1)を37.5部に、容器Dに入れる樹脂粒子分散液(1)を164.0部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子(7)を得た。
得られたトナー粒子(7)は体積平均粒子6.0μmであった。
そして、トナー粒子(7)を用いて、実施例1と同様にトナー(7)及び現像剤(7)を得た。
<実施例8>
トナー粒子(1)の作製において、初期の丸型ステンレス製フラスコに入れる樹脂粒子分散液(1)を11.5部に、容器Aに入れる離型剤粒子分散液(2)を12.5部に、容器Bに入れる樹脂粒子分散液(1)を352.9部に、容器Cに入れる離型剤粒子分散液(1)を37.5部に、容器Dに入れる樹脂粒子分散液(1)を60.6部に変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子(8)を得た。
得られたトナー粒子(8)は体積平均粒子6.0μmであった。
そして、トナー粒子(8)を用いて、実施例1と同様にトナー(8)及び現像剤(8)を得た。
<実施例9>
トナー粒子(1)の作製において、容器Aに入れた離型剤粒子分散液(2)を離型剤粒子分散液(1)に代えた以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子(9)を得た。
得られたトナー粒子(8)は体積平均粒子6.0μmであった。
そして、トナー粒子(9)を用いて、実施例1と同様にトナー(9)及び現像剤(9)を得た。
<比較例1>
トナー粒子(1)の作製において、初期の丸型ステンレス製フラスコに入れる樹脂粒子分散液(1)を261.0部に、容器Aに入れる離型剤粒子分散液(2)を50部に、容器Bに入れる樹脂粒子分散液(1)を164.0部に変更し、更に、第2のパワーフィード添加法を行わない以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子(C1)を得た。
得られたトナー粒子(C1)は体積平均粒子5.8μmであった。
そして、トナー粒子(C1)を用いて、実施例1と同様にトナー(C1)及び現像剤(C1)を得た。
<各種測定>
各例で得られた現像剤のトナーについて、離型剤ドメインの偏在度Bの分布の極大値(極大値(1)及び極大値(2))、極大値(1)における頻度/極大値(2)における頻度(表中では「頻度比」と表記した)を既述の方法に従って求めた。
その結果を表1に示す。
<評価>
各例で得られた現像剤を用いて、次の評価を行った。結果を表1に示す。
〔画像形成〕
以下の作業、及び画像形成は、温度25℃/湿度60%の環境下で行った。
評価用画像を形成する画像形成装置として、富士ゼロックス社製700 Digital Color Pressを用紙の端部まで未定着像を出力できるように改造した装置を用意し、現像剤を現像器に入れ、補給トナー(現像剤に含まれるトナーと同じトナー)をトナーカートリッジに入れた。続けて、厚紙:厚さ0.2mmの普通紙に対して、2次色の200%濃度で先端余白のない全面ベタ画像を形成し、定着温度を190℃に、プロセススピードを160mm/秒に設定し、100枚連続出力した。
−剥離性の評価−
得られた100枚目の画像について用紙先端の状態を観察し、下記基準で評価した。A、B、及びCを許容範囲とする。
A:剥離不良は確認できず、用紙先端の状態も良好である
B:剥離不良は未発生、だが用紙先端がわずかに光沢が低い
C:剥離不良は未発生、画像先端部の光沢荒れが発生
D:画像全体に光沢のばらつきが発生している
−耐折り曲げ性の評価−
得られた100枚目の画像に対し、画像が外側になるように折り、1分後に元に戻して折られた部分の画像剥がれの最大幅を目視で観察し、下記基準で評価した。A、B、及びCを許容範囲とする。
A:画像剥がれが確認されない
B:画像剥がれの最大幅が0.1mm未満
C:画像剥がれの最大幅が0.1mm以上0.3mm未満
D:画像剥がれの最大幅が0.3mm以上
−耐こすり性の評価−
得られた100枚目の画像に対し、HBの鉛筆で縦横1cmの「×」の記号を書き込み、プラスチック消しゴムを用い、この記号を消した。このときの「×」の記号の周りの画像の様子を目視で確認し、下記基準で評価した。A、B、及びCを許容範囲とする。
A:消しゴムが当たらなかった部分との差が確認されない
B:消しゴムが当たらなかった部分に比べてやや画像の濃度が低い
C:消しゴムが当たらなかった部分に比べて画像の濃度が低いものの、許容できる範囲である
D:消しゴムが当たらなかった部分に比べて画像の濃度が明らかに低く、消しゴムにトナーが付着している
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、耐折り曲げ性及び耐こすり性の評価についても共に良好な結果が得られたことがわかる。
特に、離型剤ドメインの偏在度Bの分布の極大値(1)が0.35以上0.65以下の範囲に、また、極大値(2)が0.75以上1.00以下の範囲に存在し、頻度比が0.2以上0.5以下である実施例は、剥離性、耐折り曲げ性、及び耐こすり性のいずれにおいても良好な結果が得られることが分かる。
1Y、1M、1C、1K 感光体(像保持体の一例)
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
118 露光のための開口部
117 筐体
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)

Claims (8)

  1. 結着樹脂を含む海部と離型剤を含む島部とを持つ海島構造を有し、下記式(1)で示される前記島部の偏在度Bの分布の極大値が少なくとも2つ存在し、前記偏在度Bの分布の極大値が、全て0.35以上0.98以下の範囲に存在するトナー粒子、を有する静電荷像現像用トナー。
    式(1): 偏在度B=2d/D
    (式(1)中、Dはトナー粒子の断面観察におけるトナー粒子の円相当径(μm)を示す。dは、トナー粒子の断面観察におけるトナー粒子の重心から離型剤を含む島部の重心までの距離(μm)を示す。)
  2. 前記トナー粒子における偏在度Bの分布の極大値のうち頻度が大きいものから2つが、0.35以上0.65以下の範囲に存在する極大値a及び0.75以上0.98以下の範囲に存在する極大値bであり、且つ、前記極大値aにおける頻度及び前記極大値bにおける頻度が下記式(2)の関係を満たす請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
    式(2): 極大値aにおける頻度/極大値bにおける頻度=0.2以上0.5以下
  3. 前記極大値aを有するピークを構成する島部が第1の離型剤を含み、前記極大値bを有するピークを構成する島部が第2の離型剤を含むとき、第1の離型剤の融解温度が第2の離型剤の融解温度よりも高い請求項に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
  5. 請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
    画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
  6. 請求項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  7. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    請求項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
    を備える画像形成装置。
  8. 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
    請求項に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
    を有する画像形成方法。
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