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JP6414014B2 - 車載用のインバータ装置及び車載用の電動圧縮機 - Google Patents
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JP6414014B2 - 車載用のインバータ装置及び車載用の電動圧縮機 - Google Patents

車載用のインバータ装置及び車載用の電動圧縮機 Download PDF

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Description

本発明は、車載用のインバータ装置及び車載用の電動圧縮機に関する。
従来から、スイッチング素子を有し、且つ、直流電力を交流電力に変換する車載用のインバータ装置が知られている(例えば特許文献1参照)。当該車載用のインバータ装置は、例えば特許文献1に示すように、車両に搭載された電動圧縮機の電動モータを駆動するのに用いられる。
特許第5039515号公報
ここで、車載用のインバータ装置の変換対象の直流電力には、コモンモードノイズ及びノーマルモードノイズの双方が混入し得る。この場合、例えば、これらのノイズによって、車載用のインバータ装置による電力変換が正常に行われない場合が生じる場合がある。かといって、車両に搭載される関係上、車載用のインバータ装置の大型化は好ましくない。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的は大型化を抑制しつつ、直流電力に含まれるコモンモードノイズ及びノーマルモードノイズを低減できる車載用のインバータ装置及び当該車載用のインバータ装置を備えた車載用の電動圧縮機を提供することである。
上記目的を達成する車載用のインバータ装置は、複数のスイッチング素子で形成された回路を有し、且つ、直流電力を交流電力に変換するものであって、前記回路の入力側に設けられ、前記直流電力に含まれるコモンモードノイズ及びノーマルモードノイズを低減させるノイズ低減部を備え、前記ノイズ低減部は、コアと前記コアの第1巻回部に巻回された第1巻線と前記コアの第2巻回部に巻回された第2巻線とを有するコモンモードチョークコイルによって構成され、前記コモンモードチョークコイルによってコモンモードノイズ及びノーマルモードノイズが低減された直流電力が前記回路に入力されることを特徴とする。
かかる構成によれば、変換対象の直流電力に含まれるコモンモードノイズはコモンモードチョークコイルによって低減される。また、コモンモードチョークコイルは、ノーマルモード電流が流れる場合には漏れ磁束を発生させる。これにより、コモンモードチョークコイルを用いてノーマルモードノイズを低減できる。よって、ノーマルモードノイズを低減させる専用のコイルを設けることなく、コモンモードノイズ及びノーマルモードノイズの双方が低減された直流電力を回路に入力させることができるため、車載用のインバータ装置の大型化を抑制できる。
上記車載用のインバータ装置について、前記コモンモードチョークコイルと協働してローパスフィルタ回路を構成する平滑コンデンサが前記コモンモードチョークコイルの出力側且つ前記回路の入力側に設けられ、前記各スイッチング素子をPWM制御するのに用いられるキャリア信号の周波数であるキャリア周波数は、前記ローパスフィルタ回路のカットオフ周波数よりも高く設定されているとよい。かかる構成によれば、各スイッチング素子のスイッチングに起因するリップルノイズがローパスフィルタ回路にて減衰されるため、上記リップルノイズが車載用のインバータ装置外に流出することを抑制できる。
上記車載用のインバータ装置について、ノーマルモードノイズの周波数は、車種に応じて変動するものであり、前記ローパスフィルタ回路の共振周波数は、想定されるノーマルモードノイズの周波数の変動範囲を含むノイズ周波数帯域よりも高く設定されているとよい。かかる構成によれば、車種に応じてノーマルモードノイズの周波数が変動する場合であっても、過度に大きなノーマルモードノイズが車載用のインバータ装置に流入することを抑制できる。これにより、汎用性の向上を図ることができる。
上記車載用のインバータ装置について、前記ノイズ低減部には、スイッチング素子を有する車載用機器と共用される車載用蓄電装置の直流電力が入力されるものであり、前記車載用機器のスイッチング素子のスイッチング周波数は、車種に応じて変動し、前記ノイズ周波数帯域は、想定される前記車載用機器のスイッチング素子のスイッチング周波数の変動範囲を含むとよい。かかる構成によれば、車載用機器のスイッチング素子のスイッチング周波数が異なる複数の車種に対して本車載用のインバータ装置を適用することができる。なお、例えば車載用機器のスイッチング素子がPWM制御される場合には、車載用機器のスイッチング素子のスイッチング周波数とは、当該スイッチング素子のPWM制御に用いられるキャリア信号の周波数である。
上記車載用のインバータ装置について、前記平滑コンデンサは、フィルムコンデンサであるとよい。フィルムコンデンサは、電解コンデンサ等と比較して、耐久性に優れており、小型なものとなり易い一方、高いキャパシタンスを確保しにくい。この点、ローパスフィルタ回路の共振周波数がノイズ周波数帯域よりも高く設定されている構成においては、平滑コンデンサのキャパシタンスを低くすることができる。これにより、平滑コンデンサにフィルムコンデンサを採用することができる。そして、平滑コンデンサにフィルムコンデンサを採用することによって、平滑コンデンサに電解コンデンサが用いられる構成と比較して、ローパスフィルタ回路の小型化及び耐久性の向上を図ることができる。
上記車載用のインバータ装置について、前記平滑コンデンサと前記コモンモードチョークコイルとは、ユニット化されているとよい。かかる構成によれば、ノイズ低減部の小型化を図ることができ、それを通じて車載用のインバータ装置の大型化を抑制できる。
上記車載用のインバータ装置について、前記コアは、前記両巻線が巻回されておらず表面が露出した露出部を有しているとよい。かかる構成によれば、両巻線にノーマルモード電流が流れた場合、露出部から磁束が漏れ易い。そして、この漏れ磁束によって、ノーマルモードノイズを低減できる。よって、上述した効果を得ることができる。
上記車載用のインバータ装置について、前記第1巻線及び前記第2巻線の少なくとも一方は、相対的に巻回軸方向の単位長さ当たりの巻数が異なる高密度部及び低密度部を備えているとよい。かかる構成によれば、第1巻線及び第2巻線の少なくとも一方が高密度部と低密度部とを備えているため、両巻線にノーマルモード電流が流れた場合にコモンモードチョークコイルにて磁束が漏れ易い。これにより、上述した効果を得ることができる。
上記車載用のインバータ装置について、前記第1巻線の巻数と、前記第2巻線の巻数とが異なっているとよい。かかる構成によれば、両巻線の巻数が異なっているため、両者にて発生する磁束が異なることとなる。これにより、両巻線にノーマルモード電流が流れた場合にコモンモードチョークコイルにて磁束が漏れ易くなる。よって、上述した効果を得ることができる。
上記目的を達成する車載用の電動圧縮機は、上述した車載用のインバータ装置と、電動モータ及び圧縮部を収容するハウジングとを備え、前記回路の出力側は、前記電動モータに接続されていることを特徴とする。かかる構成によれば、車載用のインバータ装置は車載用の電動圧縮機の電動モータを駆動するのに用いられる。ここで、一般的に電動圧縮機の電動モータを駆動させるには、ある程度の大きさの電力を要する。このため、電動モータを駆動させる車載用のインバータ装置としては、比較的大きな直流電力を交流電力に変換する必要がある。このような大きな直流電力に対して適用可能なノーマルモードノイズ用のコイルは、大型なものとなり易いため、ノイズ低減部が大きくなり易い。
これに対して、本構成によれば、上述した通り、電動圧縮機の電動モータを駆動させるものとして、上述したノイズ低減部を有する車載用のインバータ装置を採用することにより、車載用のインバータ装置の大型化の抑制と両ノイズの低減との両立を図りつつ、電動圧縮機を運転させることができる。
この発明によれば、車載用のインバータ装置の大型化を抑制しつつ、直流電力に含まれるコモンモードノイズ及びノーマルモードノイズを低減できる。
車載用のインバータ装置、電動圧縮機及び車載用の空調装置の概要を模式的に示す一部破断図。 ノイズ低減部の構造を模式的に示す分解斜視図。 ノイズ低減部の構造を模式的に示す断面図。 コモンモードチョークコイルの一部破断図。 車載用のインバータ装置の電気的構成を示す等価回路図。 PCUの電気的構成の一部を示す回路図。 ノーマルモードノイズに対するローパスフィルタ回路の周波数特性を示すグラフ。 パワーモジュールにて発生するリップルノイズに対するローパスフィルタ回路の周波数特性を示すグラフ。 別例のコモンモードチョークコイルを模式的に示す正面図。 別例のコモンモードチョークコイルを模式的に示す正面図。
以下、車載用のインバータ装置、及び当該車載用のインバータ装置が搭載された電動圧縮機の実施形態について説明する。本実施形態の電動圧縮機は、車両に搭載されており、車載用の空調装置に用いられている。つまり、本実施形態の電動圧縮機は車載用である。以下、車載用の空調装置及び電動圧縮機の概要について説明した後、車載用のインバータ装置について説明する。
図1に示すように、車載用の空調装置100は、電動圧縮機10と、電動圧縮機10に対して流体としての冷媒を供給する外部冷媒回路101とを備えている。外部冷媒回路101は、例えば熱交換器及び膨張弁等を有している。車載用の空調装置100は、電動圧縮機10によって冷媒が圧縮され、且つ、外部冷媒回路101によって冷媒の熱交換及び膨張が行われることによって、車内の冷暖房を行う。
車載用の空調装置100は、当該車載用の空調装置100の全体を制御する空調ECU102を備えている。空調ECU102は、車内温度やカーエアコンの設定温度等を把握可能に構成されており、これらのパラメータに基づいて、電動圧縮機10に対してON/OFF指令等といった各種指令を送信する。
電動圧縮機10は、外部冷媒回路101から冷媒が吸入される吸入口11aが形成されたハウジング11と、ハウジング11に収容された圧縮部12及び電動モータ13とを備えている。
ハウジング11は、全体として略円筒形状であって、伝熱性を有する材料(例えばアルミニウム等の金属)で形成されている。ハウジング11には、冷媒が吐出される吐出口11bが形成されている。なお、ハウジング11は、車両のボディに接地されている。
圧縮部12は、後述する回転軸21が回転することによって、吸入口11aからハウジング11内に吸入された冷媒を圧縮し、その圧縮された冷媒を吐出口11bから吐出させるものである。なお、圧縮部12の具体的な構成は、スクロールタイプ、ピストンタイプ、ベーンタイプ等任意である。
電動モータ13は、圧縮部12を駆動させるものである。電動モータ13は、例えばハウジング11に対して回転可能に支持された円柱状の回転軸21と、当該回転軸21に対して固定された円筒形状のロータ22と、ハウジング11に固定されたステータ23とを有する。回転軸21の軸線方向と、円筒形状のハウジング11の軸線方向とは一致している。ステータ23は、円筒形状のステータコア24と、ステータコア24に形成されたティースに捲回されたコイル25とを有している。ロータ22及びステータ23は、回転軸21の径方向に対向している。コイル25が通電されることによりロータ22及び回転軸21が回転し、圧縮部12による冷媒の圧縮が行われる。なお、電動モータ13の駆動電流は、信号の電流等と比較して高く、例えば10A以上、好ましくは20A以上である。
図1に示すように、電動圧縮機10は、電動モータ13を駆動させる車載用のインバータ装置30と、車載用のインバータ装置30が収容されているインバータケース31とを備えている。
インバータケース31は、伝熱性を有する材料(例えばアルミニウム等の金属)で形成されている。インバータケース31は、ハウジング11、詳細にはハウジング11の軸線方向の両壁部のうち吐出口11bとは反対側の壁部11cに対して接触している板状のベース部材32と、当該ベース部材32に対して組み付けられた有底筒状のカバー部材33とを有する。ベース部材32とカバー部材33とは、固定具としてのボルト34によってハウジング11に固定されている。これにより、インバータケース31及び当該インバータケース31に収容されている車載用のインバータ装置30がハウジング11に取り付けられている。すなわち、本実施形態の車載用のインバータ装置30は、電動圧縮機10に一体化されている。
ちなみに、インバータケース31とハウジング11とは接触しているため、両者は熱的に結合している。そして、車載用のインバータ装置30は、ハウジング11と熱的に結合する位置に配置されている。なお、インバータケース31内の空間とハウジング11内の空間とを連通する連通孔等は設けられておらず、インバータケース31内には、冷媒が直接流入されないようになっている。
インバータケース31が取り付けられているハウジング11の壁部11cは、電動モータ13に対して圧縮部12とは反対側に配置されている。この点に着目すれば、インバータケース31は、電動モータ13に対して圧縮部12とは反対側に配置されているとも言える。そして、圧縮部12、電動モータ13及び車載用のインバータ装置30は、回転軸21の軸線方向に配列されている。すなわち、本実施形態の電動圧縮機10は、所謂インライン型である。
車載用のインバータ装置30は、例えばベース部材32に固定された回路基板41と、当該回路基板41に実装されたパワーモジュール42とを備えている。パワーモジュール42の出力側は、ハウジング11の壁部11cに設けられた気密端子(図示略)を介して、電動モータ13のコイル25と電気的に接続されている。パワーモジュール42は、複数のスイッチング素子Qu1,Qu2,Qv1,Qv2,Qw1,Qw2(以降単に各スイッチング素子Qu1〜Qw2ともいう)を有している。本実施形態では、パワーモジュール42が「複数のスイッチング素子で形成された回路」及び「変換回路」に対応する。
インバータケース31(詳細にはカバー部材33)にはコネクタ43が設けられている。コネクタ43を介して、車両に搭載されたDC電源Eから車載用のインバータ装置30に直流電力が供給されるとともに、空調ECU102と車載用のインバータ装置30とが電気的に接続されている。なお、車両には、DC電源Eに並列に接続された電源用コンデンサC0が設けられている(図5参照)。なお、電源用コンデンサC0は、例えば電解コンデンサで構成されている。
車載用のインバータ装置30は、コネクタ43とパワーモジュール42の入力側とを電気的に接続する2本の配線EL1,EL2を備えている。第1配線EL1は、コネクタ43を介して、DC電源Eの+端子(正極端子)に接続されているとともに、パワーモジュール42の第1の入力端子である第1モジュール入力端子42aに接続されている。第2配線EL2は、コネクタ43を介して、DC電源Eの−端子(負極端子)に接続されているとともに、パワーモジュール42の第2の入力端子である第2モジュール入力端子42bに接続されている。車載用のインバータ装置30は、2本の配線EL1,EL2を介してパワーモジュール42に直流電力が入力されている状況において各スイッチング素子Qu1〜Qw2が周期的にON/OFFすることにより、直流電力を交流電力に変換して、当該交流電力を電動モータ13のコイル25に出力する。これにより、電動モータ13が駆動する。
なお、車載用のインバータ装置30が扱う電流(換言すれば電力)は、電動モータ13を駆動させる大きさであり、信号の電流(換言すれば電力)等と比較して大きい。例えば、車載用のインバータ装置30が扱う電流は10A以上、好ましくは20A以上である。また、DC電源Eは、例えば二次電池やキャパシタ等といった車載用蓄電装置である。
ここで、コネクタ43からパワーモジュール42に向けて伝送される直流電力、詳細には両配線EL1,EL2を伝送する直流電力には、コモンモードノイズ及びノーマルモードノイズが含まれる場合がある。
コモンモードノイズとは、両配線EL1,EL2に同一方向の電流が流れるノイズである。当該コモンモードノイズは、例えば車載用のインバータ装置30(換言すれば電動圧縮機10)とDC電源Eとが、両配線EL1,EL2以外の経路(例えば車両のボディ等)を介して電気的に接続されている場合に生じ得る。ノーマルモードノイズとは、直流電力に重畳された所定の周波数を有するノイズであって、瞬間的に見れば両配線EL1,EL2に、互いに逆方向の電流が流れるノイズである。ノーマルモードノイズは、車載用のインバータ装置30に流入する直流電力に含まれる流入リップル成分とも言える。ノーマルモードノイズの詳細については後述する。
これに対して、本実施形態の車載用のインバータ装置30は、コネクタ43からパワーモジュール42に向けて伝送される直流電力に含まれるコモンモードノイズ及びノーマルモードノイズを低減させるノイズ低減部50を備えている。ノイズ低減部50は、両配線EL1,EL2上に設けられており、コネクタ43から供給された直流電力は、ノイズ低減部50を通って、パワーモジュール42に入力される。
ノイズ低減部50について詳細に説明する。
図2〜図4に示すように、ノイズ低減部50は、例えばコモンモードチョークコイル51を備えている。コモンモードチョークコイル51は、コア52と、コア52に巻回された第1巻線53a及び第2巻線53bとを有している。
コア52は、例えば多角形(本実施形態では長方形)の環状に形成されている。図2及び図4に示すように、コア52は、第1巻線53aが巻回された第1巻回部52aと、第2巻線53bが巻回された第2巻回部52bと、両巻線53a,53bが巻回されておらずコア52の表面52cが露出した露出部52dとを有している。両巻線53a,53bは、互いの巻回軸方向が一致した状態で対向配置されている。本実施形態では、両巻線53a,53bの巻数(ターン数)は同一に設定されている。
なお、本実施形態では、コア52は、1つのパーツで構成されている。但し、これに限られず、コア52は、例えば対称形状の2つのパーツを連結させることによって構成されていてもよいし、3つ以上のパーツで構成されてもよい。
図2に示すように、コモンモードチョークコイル51は、第1巻線53aから引き出された第1入力端子61及び第1出力端子62と、第2巻線53bから引き出された第2入力端子63及び第2出力端子64とを有している。
図3及び図5に示すように、DC電源Eの+端子とパワーモジュール42とを接続するのに用いられている第1配線EL1は、コネクタ43と第1入力端子61とを接続する第1コネクタ側配線EL11と、第1出力端子62と第1モジュール入力端子42aとを接続する第1モジュール側配線EL12とを備えている。
DC電源Eの−端子とパワーモジュール42とを接続するのに用いられている第2配線EL2は、コネクタ43と第2入力端子63とを接続する第2コネクタ側配線EL21と、第2出力端子64と第2モジュール入力端子42bとを接続する第2モジュール側配線EL22とを備えている。これにより、DC電源Eの直流電力は、両コネクタ側配線EL11,EL21→両巻線53a,53b→両モジュール側配線EL12,EL22を通って、パワーモジュール42に入力されることとなる。つまり、両モジュール側配線EL12,EL22は、コモンモードチョークコイル51の出力側とパワーモジュール42の入力側とを接続している。この場合、両巻線53a,53bは、配線EL1,EL2上に設けられているとも言える。なお、両端子61,62は第1巻線53aの両端部とも言え、両端子63,64は第2巻線53bの両端部とも言える。
コモンモードチョークコイル51は、両配線EL1,EL2にコモンモード電流が流れる場合にはインピーダンス(詳細にはインダクタンス)が相対的に大きくなり、両配線EL1,EL2にノーマルモード電流が流れる場合にはインピーダンスが相対的に小さくなるように構成されている。詳細には、両巻線53a,53bは、両配線EL1,EL2(換言すれば両巻線53a,53b)に同一方向の電流であるコモンモード電流が流れる場合には互いに強め合う磁束が発生する一方、両配線EL1,EL2に互いに逆方向の電流であるノーマルモード電流が流れる場合には互いに打ち消しあう磁束が発生するように巻回されている。
ここで、コア52に露出部52dが設けられているため、両配線EL1,EL2にノーマルモード電流が流れている状況においてコモンモードチョークコイル51には漏れ磁束が発生している。すなわち、コモンモードチョークコイル51は、ノーマルモード電流に対して所定のインダクタンスを有している。
図2及び図3に示すように、ノイズ低減部50は、コモンモードノイズを低減させるバイパスコンデンサ71,72と、バイパスコンデンサ71,72とは別に設けられた平滑コンデンサ73を備えている。平滑コンデンサ73は、例えばフィルムコンデンサで構成されている。これらの電気的接続については後述する。
本実施形態では、車載用のインバータ装置30は、コモンモードチョークコイル51と両バイパスコンデンサ71,72と平滑コンデンサ73とが取り付けられる取付部材80を備えている。取付部材80は、例えば板状の取付ベース部81と、取付ベース部81の一方の板面から起立した第1枠82及び第2枠83とを有している。取付ベース部81は、例えば回路基板41に固定されている。
第1枠82は、コア52の形状に対応させて形成されており、詳細にはコア52よりも一回り大きく形成された長方形の枠である。コモンモードチョークコイル51は、第1枠82に嵌め込まれており、当該第1枠82内に収容されている。
第2枠83は、全体として略長方形である。第2枠83内には、仕切壁84が設けられている。当該仕切壁84によって、第2枠83内の空間は3つの収容空間91〜93に区画されている。収容空間91〜93は、コンデンサ71〜73の形状に対応させて形成されている。そして、各コンデンサ71〜73は、当該各コンデンサ71〜73に対応する収容空間91〜93に収容されている。これにより、コモンモードチョークコイル51と、各コンデンサ71〜73とはユニット化(モジュール化)されている。換言すれば、取付部材80は、コモンモードチョークコイル51と各コンデンサ71〜73とをユニット化させるものである。
図2に示すように、取付ベース部81には、各端子61〜64が挿通可能な貫通孔81aが形成されている。各端子61,62,63,64は、貫通孔81aを挿通した状態で、対応する配線EL11,EL12,EL21,EL22に接続されている。なお、図示は省略するが、各コンデンサ71〜73にも端子が設けられており、当該端子が取付部材80に形成された貫通孔を通って配線等に接続されている。
ちなみに、コモンモードチョークコイル51は、各コンデンサ71〜73よりもパワーモジュール42から離れた位置に配置されている。詳細には、各コンデンサ71〜73は、コモンモードチョークコイル51とパワーモジュール42との間に配置されている。
また、両巻線53a,53b及び各コンデンサ71〜73は、ハウジング11の壁部11cと熱的に結合している。詳細には、両巻線53a,53b及び各コンデンサ71〜73は、ハウジング11の壁部11cに接触しているベース部材32に接触している。両巻線53a,53b及び各コンデンサ71〜73にて発生した熱は、ベース部材32及び壁部11cに伝達され、ハウジング11内の冷媒によって吸収される。
次に、図5を用いてノイズ低減部50の電気的接続について、車載用のインバータ装置30の電気的構成とともに説明する。
既に説明した通り、ノイズ低減部50は、パワーモジュール42(詳細には各スイッチング素子Qu1〜Qw2)の入力側に設けられている。具体的には、ノイズ低減部50のコモンモードチョークコイル51は、両コネクタ側配線EL11,EL21と両モジュール側配線EL12,EL22との間に介在している。
ここで、コモンモードチョークコイル51は、ノーマルモード電流が流れた場合に漏れ磁束を発生させる。この点を鑑みれば、図5に示すように、コモンモードチョークコイル51は、両巻線53a,53bとは別に、仮想ノーマルモードコイルL1,L2を有しているとみなすことができる。すなわち、本実施形態のコモンモードチョークコイル51は、等価回路的には、両巻線53a,53bと仮想ノーマルモードコイルL1,L2との双方を有している。仮想ノーマルモードコイルL1,L2と巻線53a,53bとは互いに直列に接続されている。
両バイパスコンデンサ71,72は、互いに直列に接続されている。詳細には、ノイズ低減部50は、第1バイパスコンデンサ71の一端と第2バイパスコンデンサ72の一端とを接続するバイパス線EL3を備えている。当該バイパス線EL3は車両のボディに接地されている。
また、両バイパスコンデンサ71,72の直列接続体は、コモンモードチョークコイル51に対して並列に接続されている。詳細には、第1バイパスコンデンサ71の上記一端とは反対側の他端は、第1巻線53a(第1出力端子62)とパワーモジュール42(第1モジュール入力端子42a)とを接続する第1モジュール側配線EL12に接続されている。第2バイパスコンデンサ72における上記一端とは反対側の他端は、第2巻線53b(第2出力端子64)とパワーモジュール42(第2モジュール入力端子42b)とを接続する第2モジュール側配線EL22に接続されている。
平滑コンデンサ73は、コモンモードチョークコイル51の出力側且つパワーモジュール42の入力側に設けられている。詳細には、平滑コンデンサ73は、両バイパスコンデンサ71,72の直列接続体とパワーモジュール42との間に設けられており、両者に対して並列に接続されている。詳細には、平滑コンデンサ73の一端は、第1モジュール側配線EL12における第1バイパスコンデンサ71との接続点P1からパワーモジュール42までの部分に接続され、平滑コンデンサ73の他端は、第2モジュール側配線EL22における第2バイパスコンデンサ72との接続点P2からパワーモジュール42までの部分に接続されている。
かかる構成によれば、コモンモードチョークコイル51と平滑コンデンサ73とによってローパスフィルタ回路94が形成されている。換言すれば、平滑コンデンサ73は、コモンモードチョークコイル51と協働してローパスフィルタ回路94を構成するものである。当該ローパスフィルタ回路94によって、ノーマルモードノイズが低減される。ローパスフィルタ回路94はLCフィルタとも言える。
図5に示すように、電動モータ13のコイル25は、例えばu相コイル25u、v相コイル25v及びw相コイル25wを有する三相構造となっている。各コイル25u〜25wは例えばY結線されている。
パワーモジュール42は、u相コイル25uに対応するu相スイッチング素子Qu1,Qu2と、v相コイル25vに対応するv相スイッチング素子Qv1,Qv2と、w相コイル25wに対応するw相スイッチング素子Qw1,Qw2と、を備えている。各スイッチング素子Qu1〜Qw2は例えばIGBT等のパワースイッチング素子である。なお、スイッチング素子Qu1〜Qw2は、還流ダイオード(ボディダイオード)Du1〜Dw2を有している。
各u相スイッチング素子Qu1,Qu2は接続線を介して互いに直列に接続されており、その接続線は、u相モジュール出力端子42uを介してu相コイル25uに接続されている。そして、各u相スイッチング素子Qu1,Qu2の直列接続体に対してDC電源Eからの直流電力が入力されている。詳細には、第1u相スイッチング素子Qu1のコレクタは、第1モジュール入力端子42aに接続されており、当該第1モジュール入力端子42aを介して第1モジュール側配線EL12と接続されている。第2u相スイッチング素子Qu2のエミッタは、第2モジュール入力端子42bに接続されており、当該第2モジュール入力端子42bを介して第2モジュール側配線EL22と接続されている。
なお、他のスイッチング素子Qv1,Qv2,Qw1,Qw2については、対応するコイルが異なる点を除いて、u相スイッチング素子Qu1,Qu2と同様の接続態様である。この場合、各スイッチング素子Qu1〜Qw2は、両モジュール側配線EL12,EL22に接続されていると言える。
また、各v相スイッチング素子Qv1,Qv2を直列に接続する接続線は、v相モジュール出力端子42vを介してv相コイル25vに接続されており、各w相スイッチング素子Qw1,Qw2を直列に接続する接続線は、w相モジュール出力端子42wを介してw相コイル25wに接続されている。つまり、パワーモジュール42の各モジュール出力端子42u〜42wは電動モータ13に接続されている。
車載用のインバータ装置30は、パワーモジュール42(詳細には各スイッチング素子Qu1〜Qw2のスイッチング動作)を制御する制御部95を備えている。制御部95は、コネクタ43を介して空調ECU102と電気的に接続されており、空調ECU102からの指令に基づいて、各スイッチング素子Qu1〜Qw2を周期的にON/OFFさせる。
詳細には、制御部95は、空調ECU102からの指令に基づいて、車載用のインバータ装置30(詳細には各スイッチング素子Qu1〜Qw2)をパルス幅変調制御(PWM制御)する。より具体的には、制御部95は、第1キャリア信号(搬送波信号)と第1指令電圧値信号(比較対象信号)とを用いて、第1制御信号を生成する。そして、制御部95は、生成された第1制御信号を用いて各スイッチング素子Qu1〜Qw2のON/OFF制御を行うことにより、直流電力を交流電力に変換する。なお、第1キャリア信号の周波数を第1キャリア周波数f1とする。
図5及び図6に示すように、車両には、車載用のインバータ装置30とは別に、車載用機器の一例としてPCU(パワーコントロールユニット)103が搭載されている。PCU103は、DC電源Eから供給される直流電力を用いて、車両に搭載されている走行用モータを駆動させる。すなわち、本実施形態では、PCU103と車載用のインバータ装置30とは、DC電源Eに対して並列に接続されており、DC電源Eは、PCU103と車載用のインバータ装置30とで共用されている。
PCU103は、例えばDC電源Eの直流電力を昇圧させる昇圧コンバータ104と、昇圧コンバータ104によって昇圧された直流電力を、走行用モータが駆動可能な駆動電力に変換する走行用インバータ105とを備えている。図6に示すように、昇圧コンバータ104は、複数(詳細には2つ)の昇圧用スイッチング素子Qa1,Qa2と、電源用コンデンサC0と、昇圧用チョークコイルLaとを備えている。両昇圧用スイッチング素子Qa1,Qa2は、例えばIGBTで構成されており、互いに直列に接続されている。昇圧用チョークコイルLaの一端は、DC電源Eの+端子に接続されており、昇圧用チョークコイルLaの他端は、両昇圧用スイッチング素子Qa1,Qa2を接続する接続線に接続されている。DC電源Eの−端子は、第2昇圧用スイッチング素子Qa2のエミッタ端子に接続されている。第1昇圧用スイッチング素子Qa1のコレクタ端子及び第2昇圧用スイッチング素子Qa2のエミッタ端子は走行用インバータ105に接続されている。
また、PCU103は、両昇圧用スイッチング素子Qa1,Qa2を制御するPCU制御部106を備えている。PCU制御部106は、両昇圧用スイッチング素子Qa1,Qa2をパルス幅変調制御(PWM制御)することにより、所望の電圧値の直流電力を走行用インバータ105に出力する。詳細には、PCU制御部106は、第2キャリア信号(搬送波信号)と第2指令電圧値信号(比較対象信号)とを用いて、第2制御信号を生成する。そして、PCU制御部106は、生成された第2制御信号を用いて両昇圧用スイッチング素子Qa1,Qa2のON/OFF制御を行うことにより、DC電源Eの直流電力を所望の電圧値(詳細には走行用モータの駆動に適した電圧値)の直流電力に変換する。かかる構成において、両昇圧用スイッチング素子Qa1,Qa2のPWM制御に用いられる第2キャリア信号の周波数を第2キャリア周波数f2とする。
ここで、ノーマルモードノイズは、両昇圧用スイッチング素子Qa1,Qa2のスイッチングに起因して発生するノイズであり、ノーマルモードノイズには、第2キャリア周波数f2と同一周波数のノイズ成分が含まれている。また、第2キャリア周波数f2は、車種に応じて異なっている。このため、ノーマルモードノイズの周波数は、車種に応じて変動する。
かかる構成において、想定されるノーマルモードノイズの周波数の変動範囲を含む周波数帯域をノイズ周波数帯域Bnとする。ノイズ周波数帯域Bnは、変動が想定される第2キャリア周波数f2に対応させて設定される帯域であり、少なくとも想定される第2キャリア周波数f2の変動範囲を含むように設定されている。本実施形態では、ノイズ周波数帯域Bnは、想定される第2キャリア周波数f2の最小値から、想定される第2キャリア周波数f2の最大値までの帯域である。なお、ノイズ周波数帯域Bnは、例えば2kHz〜12kHzである。また、ノーマルモードノイズが車載用のインバータ装置30に入力される直流電力の流入リップル成分であることに着目すれば、ノイズ周波数帯域Bnは、車種に応じて変動する上記流入リップル成分の周波数の変動範囲を含む周波数帯域とも言える。
なお、第2キャリア周波数f2の変動範囲(換言すればノイズ周波数帯域Bn)は、第2キャリア周波数f2が異なる複数の車種を想定して設定されていればよく、想定する具体的な車種や数等については、実用性を考慮して予め適宜設定されればよい。換言すれば、ノイズ周波数帯域Bnは、第2キャリア周波数f2が異なる複数の車種を予め想定した場合の第2キャリア周波数f2の変動範囲を含むように設定されればよく、予め想定する複数の車種については実用性を考慮して適宜設定されればよい。
また、ノーマルモードノイズが両昇圧用スイッチング素子Qa1,Qa2のスイッチングに起因するものであるため、想定されるノーマルモードノイズの周波数の変動範囲は、少なくとも想定される第2キャリア周波数f2の変動範囲を含んでいる。
ローパスフィルタ回路94の共振周波数f3は、ノイズ周波数帯域Bnよりも高く設定されている。詳細には、平滑コンデンサ73のキャパシタンスは、共振周波数f3がノイズ周波数帯域Bnよりも高くなるように、コモンモードチョークコイル51の漏れ磁束(換言すれば仮想ノーマルモードコイルL1,L2のインダクタンス)に対応させて設定されている。
また、平滑コンデンサ73のキャパシタンスは、ノーマルモードノイズが電源用コンデンサC0にて吸収されるように、電源用コンデンサC0のキャパシタンスよりも低く設定されている。詳述すると、車載用のインバータ装置30(詳細にはローパスフィルタ回路94)に流入するノーマルモードノイズの大きさは、平滑コンデンサ73のキャパシタンスと電源用コンデンサC0のキャパシタンスとの容量比に応じて変動する。詳細には、平滑コンデンサ73のキャパシタンスが、電源用コンデンサC0のキャパシタンスに対して低くなるほど、流入するノーマルモードノイズが小さくなり易い。この点、本実施形態では、平滑コンデンサ73のキャパシタンスは、ノイズ周波数帯域Bnのノーマルモードノイズが予め定められた閾値比(例えば−3dB)以上減衰されるように、電源用コンデンサC0のキャパシタンスよりも低く設定されている。
更に、各スイッチング素子Qu1〜Qw2のPWM制御に用いられる第1キャリア信号の周波数である第1キャリア周波数f1は、ローパスフィルタ回路94のカットオフ周波数fcよりも高く設定されている。
なお、説明の都合上、図示等を省略したが、実際には、両配線EL1,EL2は、所定の抵抗及びインダクタンスを有しており、これらのパラメータがローパスフィルタ回路94の周波数特性に若干の影響を与える。
次に本実施形態の作用について説明する。
ノイズ低減部50によって、両配線EL1,EL2に含まれるコモンモードノイズ及びノーマルモードノイズが低減(吸収)される。詳細には、両配線EL1,EL2にコモンモード電流が流れる場合には、両巻線53a,53bにて互いに強め合う磁束が発生する。このため、コモンモードチョークコイル51はコモンモード電流に対して比較的高いインダクタンスを有する。したがって、コモンモードチョークコイル51及びバイパスコンデンサ71,72によってコモンモードノイズが低減される。
また、両配線EL1,EL2にノーマルモード電流が流れる場合には、両巻線53a,53bにて互いに打ち消し合う磁束が発生する。この場合、両巻線53a,53bにて発生する磁束は完全に打ち消し合うことなく、ある程度漏れる。この漏れ磁束が発生することにより、コモンモードチョークコイル51は、ノーマルモード電流に対して所定のインダクタンスを有する。このため、ノーマルモードノイズが低減される。そして、コモンモードチョークコイル51によってコモンモードノイズ及びノーマルモードノイズが低減された直流電力が、モジュール側配線EL12,EL22を介して、パワーモジュール42に入力される。
なお、ノーマルモード電流に対するコモンモードチョークコイル51のインダクタンスは、コモンモード電流に対するコモンモードチョークコイル51のインダクタンスよりも低い。このため、配線EL1,EL2を伝送する直流電力におけるノイズ低減部50による損失は、比較的小さい。
次に、図7及び図8を用いて、ローパスフィルタ回路94の周波数特性について説明する。
図7に示すように、ローパスフィルタ回路94の共振周波数f3がノイズ周波数帯域Bnよりも高く設定されている。また、平滑コンデンサ73のキャパシタンスが電源用コンデンサC0のキャパシタンスよりも十分低く設定されている。このため、車種ごとに第2キャリア周波数f2が変動する場合であっても、車載用のインバータ装置30に流入するノーマルモードノイズは低減されている。
また、図8に示すように、第1キャリア周波数f1は、ローパスフィルタ回路94のカットオフ周波数fcよりも高く設定されている。これにより、各スイッチング素子Qu1〜Qw2のスイッチングに起因するノイズ、詳細には第1キャリア周波数f1のリップルノイズ及び当該第1キャリア周波数f1の高調波成分のリップルノイズがローパスフィルタ回路94にて吸収される。このため、パワーモジュール42から発生するリップルノイズが車載用のインバータ装置30外に流出することが規制されている。
以上詳述した本実施形態によれば以下の効果を奏する。
(1)直流電力を交流電力に変換する車載用のインバータ装置30は、複数のスイッチング素子Qu1〜Qw2で形成されたパワーモジュール42と、パワーモジュール42の入力側に設けられ、直流電力に含まれるコモンモードノイズ及びノーマルモードノイズを低減させるノイズ低減部50とを備えている。ノイズ低減部50は、コア52とコア52の第1巻回部52aに巻回された第1巻線53aとコア52の第2巻回部52bに巻回された第2巻線53bとを有するコモンモードチョークコイル51を備えている。車載用のインバータ装置30は、コモンモードチョークコイル51によってコモンモードノイズ及びノーマルモードノイズが低減された直流電力がパワーモジュール42に入力されるように構成されている。詳細には、車載用のインバータ装置30は、コモンモードチョークコイル51とパワーモジュール42とを接続するモジュール側配線EL12,EL22を備えている。
かかる構成によれば、車載用のインバータ装置30の変換対象の直流電力に含まれるコモンモードノイズがコモンモードチョークコイル51によって低減される。また、コモンモードチョークコイル51は、ノーマルモード電流が流れる場合には漏れ磁束を発生させる。これにより、ノーマルモードノイズを低減することができる。したがって、ノーマルモードノイズを低減させる専用のコイルを設けることなく、コモンモードノイズ及びノーマルモードノイズの双方が低減された直流電力をパワーモジュール42に入力させることができるため、車載用のインバータ装置30の大型化を抑制できる。
詳述すると、車載用のインバータ装置30の変換対象の直流電力にコモンモードノイズやノーマルモードノイズが含まれていると、車載用のインバータ装置30による電力変換が正常に行われなかったり、これらのノイズに起因した不要な電磁波等が発生したりする悪影響が懸念される。特に、通常、車載用のインバータ装置30にて扱う電力は、信号の電力よりも大きいため、上記悪影響が顕著となり易い。
ここで、ノイズ低減部として、例えばコモンモードノイズを低減させるコイルと、ノーマルモードノイズを低減させるコイルとを別々に設けることも考えられる。しかしながら、この場合、コイルが複数必要となるため、ノイズ低減部の大型化が懸念される。特に、車載用のインバータ装置30にて扱う電力は信号の電力よりも大きいため、上記両コイルとして、比較的大きな電力に耐えられるものを採用する必要があり、そのようなコイルは大型なものとなり易い。
これに対して、本実施形態のノイズ低減部50は、コモンモードチョークコイル51を採用している。当該コモンモードチョークコイル51は、コモンモードノイズ及びノーマルモードノイズの双方を低減できる。これにより、ノーマルモードノイズ用のコイルを設けることなく、モジュール側配線EL12,EL22を用いてコモンモードチョークコイル51とパワーモジュール42とを直接接続できる。よって、ノイズ低減部50の大型化を抑制しつつ、車載用のインバータ装置30の変換対象の直流電力に含まれるコモンモードノイズ及びノーマルモードノイズを低減できる。
(2)また、仮にノーマルモードノイズ用のコイルとコモンモードノイズ用のコイルとの双方が設けられている場合には、両コイルから発熱が生じる。このため、ノイズ低減部50の全体の発熱量が大きくなり易い。特に、車載用のインバータ装置30が扱う電力が大きいため、その発熱量は大きくなり易い。
これに対して、本実施形態では、ノーマルモードノイズ用のコイルを省略できる分だけ、発熱量の削減を図ることができる。これにより、ノイズ低減部50の発熱を抑制できるため、大電力を扱う車載用のインバータ装置30にて問題となり易い車載用のインバータ装置30の発熱を好適に抑制できる。
(3)車載用の空調装置100は、電動モータ13を有する車載用の電動圧縮機10と、車載用のインバータ装置30とを備えている。車載用のインバータ装置30は、車載用の電動圧縮機10の電動モータ13を駆動させるのに用いられるものである。詳細には、パワーモジュール42の出力側は、電動モータ13に接続されている。当該電動モータ13は、一般的に駆動させるのに大きな交流電力を要する。このため、電動モータ13を駆動させる車載用のインバータ装置30としては、比較的大きな直流電力を交流電力に変換する必要がある。このような大きな直流電力に対して適用可能なノーマルモードノイズ用のコイルは、大型なものとなり易い。したがって、ノイズ低減部50が大きくなり易い。
これに対して、本実施形態では、電動モータ13を駆動させるものとして、上述したノイズ低減部50を有する車載用のインバータ装置30を採用することにより、車載用のインバータ装置30の大型化の抑制と両ノイズの低減との両立を図りつつ、電動圧縮機10を運転させることができる。
(4)車載用のインバータ装置30は、電動圧縮機10に一体化されている。詳細には、電動圧縮機10は、圧縮部12及び電動モータ13が収容されているハウジング11と、ハウジング11における電動モータ13に対して圧縮部12とは反対側に配置された壁部11cに取り付けられ且つ車載用のインバータ装置30が収容されているインバータケース31とを備えている。そして、回転軸21の軸線方向に、圧縮部12、電動モータ13及び車載用のインバータ装置30が配列されている。これにより、電動圧縮機10の体格が回転軸21の径方向に大きくなることを抑制できる。
この場合、車載用のインバータ装置30がハウジング11に対して回転軸21の径方向外側に配置される所謂キャメルバック型の電動圧縮機と比較して、車載用のインバータ装置30の設置スペースが制限されやすい。このため、ノイズ低減部50の設置スペースを確保しにくい。これに対して、本実施形態では、ノーマルモードノイズ用のコイルを省略することを通じてノイズ低減部50の小型化を図ることができるため、比較的狭いスペースにノイズ低減部50を設置することができる。これにより、回転軸21の軸線方向に、圧縮部12、電動モータ13及び車載用のインバータ装置30が配列されている所謂インライン型の電動圧縮機10において、ノイズ低減部50を比較的容易に設置できる。
(5)ノイズ低減部50は、コモンモードチョークコイル51と協働してローパスフィルタ回路94を構成する平滑コンデンサ73を備えている。平滑コンデンサ73は、コモンモードチョークコイル51の出力側且つパワーモジュール42の入力側に設けられている。詳細には、車載用のインバータ装置30は、第1巻線53aの第1出力端子62とパワーモジュール42の第1モジュール入力端子42aとを接続する第1モジュール側配線EL12を備えている。車載用のインバータ装置30は、第2巻線53bの第2出力端子64とパワーモジュール42の第2モジュール入力端子42bとを接続する第2モジュール側配線EL22を備えている。そして、平滑コンデンサ73は、両モジュール側配線EL12,EL22の双方に接続されている。
かかる構成において、ノーマルモードノイズの周波数は、車種に応じて変動する。この場合、ローパスフィルタ回路94の共振周波数f3は、想定されるノーマルモードノイズの周波数の変動範囲を含むノイズ周波数帯域Bnよりも高く設定されている。詳細には、平滑コンデンサ73のキャパシタンスは、共振周波数f3がノイズ周波数帯域Bnよりも高くなるように、コモンモードチョークコイル51の漏れ磁束(換言すれば仮想ノーマルモードコイルL1,L2のインダクタンス)に対応させて設定されている。更に、平滑コンデンサ73のキャパシタンスは、ノイズ周波数帯域Bnのノーマルモードノイズが予め定められた閾値比以上減衰されるように、DC電源Eに対して並列に接続された電源用コンデンサC0のキャパシタンスよりも低く設定されている。かかる構成によれば、車種に応じてノーマルモードノイズの周波数が変動する場合であっても、過度に大きなノーマルモードノイズが車載用のインバータ装置30に流入することを抑制できる。これにより、汎用性の向上を図ることができる。
詳述すると、通常、車載用のインバータ装置30を車両に搭載する場合には、当該車載用のインバータ装置30が当該車両に適用可能であるか否か適合検証を行う必要がある。適合検証では、第2キャリア周波数f2が、ローパスフィルタ回路94の共振周波数f3と同一値又は動作に支障が生じるほど近い値であるかを検証する。第2キャリア周波数f2が、ローパスフィルタ回路94の共振周波数f3と同一又はそれに近い値である場合、共振現象が発生する。この場合、車載用のインバータ装置30に流入するノーマルモードノイズが過度に大きくなり、最悪の場合、適合不可となる。そして、既に説明した通り、第2キャリア周波数f2は、車種ごとに異なっているため、上記適合検証は、車種ごとに行われる。
この点、本実施形態では、ローパスフィルタ回路94の共振周波数f3は、ノイズ周波数帯域Bnよりも高く設定されている。これにより、ノーマルモードノイズの周波数が異なる複数の車種において、共振現象の発生を抑制することができるため、上記複数の車種に対して本車載用のインバータ装置30を適用することができる。よって、汎用性の向上を図ることができる。また、適合検証を省略することができるため、車載用のインバータ装置30を車両に搭載する際の作業の簡素化を図ることができる。
ここで、共振周波数f3をノイズ周波数帯域Bn外に設定するという観点に着目すれば、共振周波数f3をノイズ周波数帯域Bnよりも低く設定することも考えられる。特に、詳細は後述するが、共振周波数f3をノイズ周波数帯域Bnよりも低くした方が、第1キャリア周波数f1を低くすることができるため、パワーモジュール42の電力損失を低減できる。しかしながら、本実施形態では、ローパスフィルタ回路94を構成するものとして、コモンモードチョークコイル51が採用されている。当該コモンモードチョークコイル51は、コモンモードノイズ及びノーマルモードノイズの双方を低減できる一方、その特性上、漏れ磁束を大きく確保することができず、仮想ノーマルモードコイルL1,L2のインダクタンスが低くなり易い。このため、コモンモードチョークコイル51の漏れ磁束と、平滑コンデンサ73のキャパシタンスとによって規定される共振周波数f3は高くなり易い。
これに対して、例えば、平滑コンデンサ73のキャパシタンスを高くして、共振周波数f3を下げることも考えられる。しかしながら、この場合、平滑コンデンサ73のキャパシタンスが電源用コンデンサC0のキャパシタンスに近づくため、電源用コンデンサC0にてノーマルモードノイズが吸収されにくくなり、車載用のインバータ装置30に流入するノーマルモードノイズが大きくなる。
これに対して、本実施形態では、共振周波数f3がノイズ周波数帯域Bnよりも高く設定されているため、平滑コンデンサ73のキャパシタンスを、電源用コンデンサC0のキャパシタンスよりも、十分に(詳細にはノイズ周波数帯域Bnのノーマルモードノイズが予め定められた閾値比以上減衰される程度まで)、低くすることができる。これにより、ノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズの双方の低減と、汎用性の向上との両立を図ることができる。更に、キャパシタンスの低い平滑コンデンサ73を採用することによって、ローパスフィルタ回路94の小型化を図ることができ、それを通じて車載用のインバータ装置30の小型化を図ることができる。
(6)パワーモジュール42の各スイッチング素子Qu1〜Qw2をPWM制御するのに用いられる第1キャリア信号の周波数である第1キャリア周波数f1は、ローパスフィルタ回路94のカットオフ周波数fcよりも高く設定されている。これにより、各スイッチング素子Qu1〜Qw2のスイッチングに起因したリップルノイズが車載用のインバータ装置30外に流出することを抑制できる。
詳述すると、通常、パワーモジュール42の電力損失の観点に着目すれば、第1キャリア周波数f1は低く設定される方が好ましい。しかしながら、本発明者らは、共振周波数f3がノイズ周波数帯域Bnよりも高く設定されている状況下において第1キャリア周波数f1を低くすると、上記各スイッチング素子Qu1〜Qw2のスイッチングに起因したリップルノイズが車載用のインバータ装置30外に流出してしまい、PCU103等に悪影響を及ぼすことを見出した。詳細には、共振周波数f3がノイズ周波数帯域Bnよりも高く設定される関係上、カットオフ周波数fcは比較的高くなり易い。このような状況下において第1キャリア周波数f1を低くしようとすると、第1キャリア周波数f1がカットオフ周波数fcよりも低くなる。すると、上記リップルノイズが平滑コンデンサ73に流れなくなるため、該リップルノイズをローパスフィルタ回路94にて吸収できないという不都合が生じ得る。
これに対して、本実施形態では、上記のように、第1キャリア周波数f1をローパスフィルタ回路94のカットオフ周波数fcよりも高くすることによって、ローパスフィルタ回路94によって上記リップルノイズを低減することができる。これにより、専用のフィルタ等を設けることなく、車載用のインバータ装置30のパワーモジュール42にて発生したリップルノイズが車載用のインバータ装置30外(換言すれば電動圧縮機10外)に流出することを抑制できる。つまり、ローパスフィルタ回路94は、PCU103の動作時には車載用のインバータ装置30に流入するノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズを低減させるものとして機能し、車載用のインバータ装置30の動作時にはリップルノイズの流出を低減させるものとして機能する。
(7)平滑コンデンサ73はフィルムコンデンサである。かかる構成によれば、平滑コンデンサ73に電解コンデンサを用いる構成と比較して、ローパスフィルタ回路94の小型化及び耐久性の向上を図ることができる。
特に、フィルムコンデンサは、電解コンデンサと比較して、耐久性に優れており、且つ、小型になり易いが、キャパシタンスは低くなり易い。このため、高いキャパシタンスが求められる場合には、フィルムコンデンサを採用しにくい。これに対して、本実施形態では、既に説明した通り、共振周波数f3をノイズ周波数帯域Bnよりも高くすることにより、平滑コンデンサ73のキャパシタンスを低くすることができる。これにより、フィルムコンデンサを採用し易い。
更に、フィルムコンデンサは、電解コンデンサと比較して、温度特性が優れている。このため、平滑コンデンサ73として電解コンデンサが採用される場合と比較して、低温状況下での電動圧縮機10の起動時に好適に対応できる。
(8)車載用のインバータ装置30は、車載用機器としてのPCU103とDC電源Eを共有している。PCU103は、周期的にON/OFFする昇圧用スイッチング素子Qa1,Qa2を有している。このため、車載用のインバータ装置30(詳細にはノイズ低減部50)に入力される直流電力には、昇圧用スイッチング素子Qa1,Qa2のスイッチング周波数に対応するノーマルモードノイズが含まれている。詳細には、ノーマルモードノイズは、昇圧用スイッチング素子Qa1,Qa2をPWM制御するのに用いられる第2キャリア信号の周波数である第2キャリア周波数f2と同一周波数のノイズ成分を含む。昇圧用スイッチング素子Qa1,Qa2のスイッチング周波数は、車種に応じて変動するため、ノーマルモードノイズの周波数は、車種に応じて変動する。
かかる構成において、ノイズ周波数帯域Bnは、第2キャリア周波数f2が異なる複数の車種を想定した場合の昇圧用スイッチング素子Qa1,Qa2のスイッチング周波数(すなわち第2キャリア周波数f2)の変動範囲を含む。これにより、上記複数の車種に対して本車載用のインバータ装置30を適用できる。
(9)平滑コンデンサ73とコモンモードチョークコイル51とはユニット化されている。これにより、ノイズ低減部50の更なる小型化を図ることができる。
特に、コモンモードチョークコイル51と平滑コンデンサ73とは、コモンモードチョークコイル51が平滑コンデンサ73よりもパワーモジュール42から離れた位置に配置されるようにユニット化されている。これにより、コモンモードチョークコイル51にて発生する磁束の影響がパワーモジュール42に及びにくくなっている。よって、コモンモードチョークコイル51にて発生する磁束に起因する各スイッチング素子Qu1〜Qw2の誤動作を抑制できる。
(10)両巻線53a,53bは、ハウジング11の壁部11cと熱的に結合している。詳細には、両巻線53a,53bは、ハウジング11の壁部11cと接触しているベース部材32に接触している。これにより、冷媒を用いて両巻線53a,53bを冷却することができ、それを通じてコモンモードチョークコイル51の発熱を抑制できる。
(11)コア52は、第1巻線53aが巻回された第1巻回部52aと、第2巻線53bが巻回された第2巻回部52bと、両巻線53a,53bが巻回されておらず表面52cが露出した露出部52dとを有している。これにより、両配線EL1,EL2(詳細には両巻線53a,53b)にノーマルモード電流が流れた場合には、漏れ磁束が生じる。よって、(1)の効果を得ることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図9に示すように、コア52の全体に両巻線110,111が巻回されていてもよい。この場合、巻線110,111は、相対的に巻回密度が異なる高密度部110a,111a及び低密度部110b,111bを有していてもよい。巻回密度とは、巻回軸方向の単位長さ当たりの巻数(ターン数)である。この場合であっても、コモンモードチョークコイル51から漏れ磁束が発生する。なお、第1巻線110又は第2巻線111のいずれか一方が高密度部及び低密度部を有する構成であってもよい。この場合、露出部と低密度部との双方が併存する。要は、第1巻線110及び第2巻線111の少なくとも一方が高密度部及び低密度部を有すればよい。
○ 図10に示すように、第1巻線120aの巻数である第1巻数N1と、第2巻線120bの巻数である第2巻数N2とが異なっていてもよい。例えば、第1巻数N1が第2巻数N2よりも多くてもよい。この場合、第1巻線120aの巻回軸方向の長さは、第2巻線120bの巻回軸方向の長さよりも長くなっている。この場合であっても、両巻線120a,120bにノーマルモード電流が流れる場合にコモンモードチョークコイル51にて発生する漏れ磁束を大きくすることができる。但し、コモンモードノイズをより低減できる点に着目すれば、両巻数N1,N2は同一の方が好ましい。なお、上記別例に限られず、例えば第2巻数N2が第1巻数N1よりも多くてもよい。
○ また、上記各別例同士を組み合わせてもよいし、上記各別例と実施形態とを適宜組み合わせてもよい。
○ コア52における第1巻線53aに対して巻回軸方向の両側に、第1巻線53aの巻回軸方向の位置ずれや緩みを規制するものであってコア52の表面52cから突出したフランジ部が設けられていてもよい。この場合、フランジ部の突出寸法は、当該フランジ部の側面が第1巻線53aの外周面と面一又は当該外周面よりも内側になるように設定されているとよい。これにより、フランジ部とベース部材32とが接触してしまい、第1巻線53aとベース部材32とが接触しない事態を回避できる。第2巻線53b側についても同様である。
○ ベース部材32を省略してもよい。この場合、両巻線53a,53bとハウジング11の壁部11cとが直接接触しているとよい。
○ コア52の形状は任意である。例えば、コアとして、UUコア、EEコア及びトロイダルコア等を用いてもよい。
○ 実施形態の電動圧縮機10は、所謂インライン型であったが、これに限られず、例えば車載用のインバータ装置30がハウジング11に対して回転軸21の径方向外側に配置された所謂キャメルバック型であってもよい。要は、車載用のインバータ装置30の設置位置は任意である。
○ 実施形態では、コモンモードチョークコイル51と各コンデンサ71〜73とがユニット化されていたが、これに限られない。例えば、コモンモードチョークコイル51と平滑コンデンサ73とがユニット化され、両バイパスコンデンサ71,72が別体であってもよい。また、コモンモードチョークコイル51と両バイパスコンデンサ71,72とがユニット化され、平滑コンデンサ73が別体であってもよい。更に、コモンモードチョークコイル51と、両バイパスコンデンサ71,72と、平滑コンデンサ73とがそれぞれ別体であってもよい。
○ コモンモードチョークコイル51及び両バイパスコンデンサ71,72の設置位置は、インバータケース31内であれば任意である。
○ 両モジュール側配線EL12,EL22を省略して、コモンモードチョークコイル51の両出力端子62,64とパワーモジュール42の両モジュール入力端子42a,42bとを直接接続してもよい。また、平滑コンデンサ73等は、両出力端子62,64に直接接続されてもよい。
○ 電動圧縮機10は、車載用の空調装置100に用いられていたが、これに限られない。例えば、車両に燃料電池が搭載されている場合には、電動圧縮機10は燃料電池に空気を供給する空気供給装置に用いられてもよい。すなわち、圧縮対象の流体は、冷媒に限られず、空気など任意である。
○ 車載用のインバータ装置30は、電動圧縮機10の電動モータ13以外を駆動させるのに用いてもよい。例えば、車両に、走行及び発電の少なくとも一方に用いられるモータが搭載されている構成においては、車載用のインバータ装置30は、当該モータを駆動させるのに用いられてもよい。
○ 昇圧用スイッチング素子Qa1,Qa2の制御方式は、PWM制御に限られず任意である。
○ 車載用機器は、PCU103に限られず、周期的にON/OFFするスイッチング素子を有しているものであれば任意である。例えば、車載用機器は、車載用のインバータ装置30とは別に設けられたインバータ等であってもよい。
○ ノイズ低減部50は、コモンモードノイズを低減させるコモンモードノイズ用のコイルと、ノーマルモードノイズを低減させるノーマルモードノイズ用のコイルとを別々に有している構成でもよい。つまり、ノイズ低減部50はコモンモードチョークコイル51を有している構成に限られない。
○ ノイズ低減部50の具体的な回路構成は、実施形態のものに限られない。例えば平滑コンデンサ73を省略してもよいし、平滑コンデンサ73が2つ設けられた構成でもよい。
○ 平滑コンデンサ73として電解コンデンサを採用してもよい。
○ ノイズ周波数帯域Bnは、第2キャリア周波数f2の変動範囲と同一の周波数帯域でもよいし、第2キャリア周波数f2の変動範囲と第2キャリア周波数f2の高調波成分の変動範囲との双方を含む周波数帯域でもよい。例えば、第2キャリア周波数f2から当該第2キャリア周波数f2の所定次数の高調波成分までをノーマルモードノイズの周波数帯とする。この場合、ノイズ周波数帯域Bnは、想定される第2キャリア周波数f2の最小値に対応するノーマルモードノイズの周波数帯と、想定される第2キャリア周波数f2の最大値に対応するノーマルモードノイズの周波数帯との双方を含むように設定されてもよい。そして、ローパスフィルタ回路94の共振周波数f3は、上記ノイズ周波数帯域Bnよりも高く設定されるとよい。かかる構成によれば、第2キャリア周波数f2の高調波成分のノーマルモードノイズによる車載用のインバータ装置30への悪影響を抑制できる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる好適な一例について以下に記載する。
(イ)前記車載用機器は、前記車載用蓄電装置に対して並列に接続された電源用コンデンサを備え、前記ローパスフィルタ回路の前記平滑コンデンサのキャパシタンスは、前記ローパスフィルタ回路の共振周波数が前記ノイズ周波数帯域よりも高くなるように前記コモンモードチョークコイルの漏れ磁束に対応させて設定されており、更に前記ノイズ周波数帯域のノーマルモードノイズが予め定められた閾値比以上減衰されるように前記電源用コンデンサのキャパシタンスよりも低く設定されている請求項に記載の車載用のインバータ装置。
(ロ)所定の車載用機器と車載用蓄電装置を共用しているものであって、前記車載用蓄電装置から供給される直流電力を、車載用の電動圧縮機に設けられた電動モータが駆動可能な交流電力に変換する車載用のインバータ装置において、前記直流電力に含まれている流入リップル成分を低減させるLCフィルタと、前記LCフィルタによって流入リップル成分が低減された直流電力を前記交流電力に変換する回路であって、PWM制御される複数のスイッチング素子を有する変換回路と、を備え、前記LCフィルタはローパスフィルタ回路であり、前記LCフィルタの共振周波数は、前記流入リップル成分の周波数の変動範囲を含むノイズ周波数帯域よりも高く設定され、前記複数のスイッチング素子のPWM制御に用いられるキャリア信号の周波数であるキャリア周波数は、前記LCフィルタのカットオフ周波数よりも高く設定されていることを特徴とする車載用のインバータ装置。なお、実施形態における第1キャリア周波数f1が「前記複数のスイッチング素子のPWM制御に用いられるキャリア信号の周波数であるキャリア周波数」に対応する。
10…電動圧縮機、11…ハウジング、12…圧縮部、13…電動モータ、30…車載用のインバータ装置、42…パワーモジュール、50…ノイズ低減部、51…コモンモードチョークコイル、52…コア、52a…第1巻回部、52b…第2巻回部、52c…コアの表面、52d…露出部、53a,110,120a…第1巻線、53b,111,120b…第2巻線、71,72…バイパスコンデンサ、73…平滑コンデンサ、94…ローパスフィルタ回路、100…車載用の空調装置、103…PCU(車載用機器)、110a,111a…高密度部、110b,111b…低密度部、EL12…第1モジュール側配線、EL22…第2モジュール側配線、f1…第1キャリア周波数、f2…第2キャリア周波数、f3…ローパスフィルタ回路の共振周波数、fc…カットオフ周波数、Bn…ノイズ周波数帯域、Qu1〜Qw2…パワーモジュールのスイッチング素子、Qa1,Qa2…昇圧用スイッチング素子。

Claims (11)

  1. 複数のスイッチング素子で形成された回路を有し、且つ、直流電力を交流電力に変換する車載用のインバータ装置において、
    前記回路の入力側に設けられ、前記直流電力に含まれるコモンモードノイズ及びノーマルモードノイズを低減させるノイズ低減部を備え、
    前記ノイズ低減部は、
    コアと前記コアの第1巻回部に巻回された第1巻線と前記コアの第2巻回部に巻回された第2巻線とを有するコモンモードチョークコイルと、
    前記コモンモードチョークコイルの出力側且つ前記回路の入力側に設けられ、前記コモンモードチョークコイルと協働してローパスフィルタ回路を構成する平滑コンデンサと、
    を含み、
    前記ノイズ低減部によってコモンモードノイズ及びノーマルモードノイズが低減された直流電力が前記回路に入力され
    前記各スイッチング素子をPWM制御するのに用いられるキャリア信号の周波数であるキャリア周波数は、前記ローパスフィルタ回路のカットオフ周波数よりも高く設定されていることを特徴とする車載用のインバータ装置。
  2. ノーマルモードノイズの周波数は、車種に応じて変動するものであり、
    前記ローパスフィルタ回路の共振周波数は、想定されるノーマルモードノイズの周波数の変動範囲を含むノイズ周波数帯域よりも高く設定されている請求項に記載の車載用のインバータ装置。
  3. 前記ノイズ低減部には、スイッチング素子を有する車載用機器と共用される車載用蓄電装置の直流電力が入力されるものであり、
    前記車載用機器のスイッチング素子のスイッチング周波数は、車種に応じて変動し、
    前記ノイズ周波数帯域は、想定される前記車載用機器のスイッチング素子のスイッチング周波数の変動範囲を含む請求項に記載の車載用のインバータ装置。
  4. 前記平滑コンデンサは、フィルムコンデンサである請求項又は請求項に記載の車載用のインバータ装置。
  5. 前記ノイズ低減部には、走行用モータを駆動させるパワーコントロールユニットと共用される車載用蓄電装置の直流電力が供給され、
    前記ローパスフィルタ回路の共振周波数は、前記パワーコントロールユニットにて生じるノーマルモードノイズの周波数よりも高く設定されている請求項1に記載の車載用のインバータ装置
  6. 前記ノイズ低減部には、走行用モータを駆動させるものであってスイッチング素子を有するパワーコントロールユニットと共用される車載用蓄電装置の直流電力が供給され、
    前記ローパスフィルタ回路の共振周波数は、前記パワーコントロールユニットのスイッチング素子のスイッチング周波数よりも高く設定されている請求項1に記載の車載用のインバータ装置
  7. 前記平滑コンデンサと前記コモンモードチョークコイルとは、ユニット化されている請求項のうちいずれか一項に記載の車載用のインバータ装置。
  8. 前記コアは、前記両巻線が巻回されておらず表面が露出した露出部を有している請求項1〜のうちいずれか一項に記載の車載用のインバータ装置。
  9. 前記第1巻線及び前記第2巻線の少なくとも一方は、相対的に巻回軸方向の単位長さ当たりの巻数が異なる高密度部及び低密度部を備えている請求項1〜のうちいずれか一項に記載の車載用のインバータ装置。
  10. 前記第1巻線の巻数と、前記第2巻線の巻数とが異なっている請求項1〜のうちいずれか一項に記載の車載用のインバータ装置。
  11. 流体を圧縮する圧縮部と、
    前記圧縮部を駆動させる電動モータと、
    前記圧縮部及び前記電動モータを収容するハウジングと、
    前記電動モータを駆動させる請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の車載用のインバータ装置と、を備えた車載用の電動圧縮機であって、
    前記回路の出力側は、前記電動モータに接続されていることを特徴とする車載用の電動圧縮機。
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