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JP6415917B2 - スタッドボルト溶接装置 - Google Patents
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JP6415917B2 - スタッドボルト溶接装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スタッドボルトの溶接装置に関する。
橋梁に用いられる床版として、鋼製のフラットなデッキプレートの下面に、同じく鋼製の縦リブや横リブを配設して補強した鋼床版が知られている。
このような鋼床版は、コンクリートの打設が不要なことや軽量であること等の理由から鉄筋コンクリート床版等に比べて現場施工が簡便であり、汎用されている。
ところで、鋼床版が橋梁上を通行する車両の荷重や地震により疲労損傷し、デッキプレートと縦リブとの溶接部などがひび割れ、その亀裂がデッキプレートや溶接ビード内に進展する現象が生じており、これを補強する必要がある。
そこで特許文献1のように、鋼床版のデッキプレートの下面または上面に鋼製の補強板を当接させるとともに、デッキプレートおよび補強板に貫通孔を形成し、この貫通孔に通したボルトによって、前記補強板をデッキプレートに対して固定する補強方法がおこなわれている。
しかし、この種の補強方法では、既設のデッキプレートにボルトを通す貫通孔を形成するために、デッキプレートの上面に設けられた舗装を撤去して、孔あけ作業をおこなう必要があり、作業に手間や時間がかかる。
また、舗装を除去した範囲で橋梁の交通規制をおこなう必要があるため、交通の妨げともなる。さらに、デッキプレートに貫通孔を形成することから、デッキプレート自体の強度が低下するおそれもある。
このため本発明らは、図9のように、鋼床版1の下面にあるデッキプレート2および縦リブ2aにスタッドボルト3を溶接し、デッキプレート2の下面および縦リブ2bの側面に当てた補強板4をこのスタッドボルト3にねじ込まれたナット5により固定することを試みた。
このようにすれば、デッキプレート2にボルトを挿通させるための貫通孔を形成することが不要となるため、鋼床版の補強時に、デッキプレート2の上面の舗装2aを剥がす必要がなく、作業の省力化が図られ、また車両を通行させたままで補強作業をおこなうことができる。さらに貫通孔をあけないため、デッキプレート2自体の強度が低下することも防止できる。
特開2008‐50774号公報
しかし、スタッドボルトの溶接作業を手作業で行う場合、片手で溶接ガンを握りながら上向きの姿勢のままで作業をおこなうこととなる。このため、精度の高い溶接は困難であって溶接不良の原因ともなり、またスタッドボルトの落下や溶融物の流下による危険もともなう。
とくに鋼床版は、橋梁の設置状況によって、縦断方向(車両進行方向)および横断方向(幅方向)に勾配が生じているため、溶接ガンをこの勾配に対応させて微妙に傾けながら作業をおこなうことになり、一層の困難をともなう。
そこで本発明の解決すべき課題は、縦断方向および横断方向に勾配のある橋梁の鋼床版の下面に対してスタッドボルトを溶接するのに好適な溶接装置を提供することである。
上記した課題を解決するため、本発明者らは、鋼床版の下面にスタッドボルトを溶接するためのスタッドボルト溶接装置として、前記スタッドボルトを溶接可能な溶接ガンと、前記溶接ガンをすくなくとも上向きに保持するガンホルダと、前記ガンホルダを昇降させるジャッキと、前記ガンホルダを前記鋼床版の横断方向に対して傾斜させる第一のチルト機構と、前記ガンホルダを前記鋼床版の縦断方向に対して傾斜される第二のチルト機構と、前記溶接ガン、前記ガンホルダ、前記ジャッキ、前記第一および第二のチルト機構を搭載するテーブルと、を備えるものを発明したのである。
前記スタッドボルト溶接装置は、前記テーブルに搭載され、前記ガンホルダを鋼床版の横断方向および縦断方向に水平移動させるアジャスタをさらに備えるのが好ましい。
また、前記鋼床版の下方に敷設され、前記テーブルを前記鋼床版の縦断方向に沿ってスライドさせるレールをさらに備えるのが好ましい。
前記スタッドボルト溶接装置は、前記ガンホルダが、前記ジャッキに固定される固定部と、この基部にヒンジ機構を介して連結しかつ前記溶接ガンが取り付けられる回動部と、を有し、この回動部は、前記溶接ガンを上向きに保持する倒伏位置と、前記溶接ガンを横向きに保持する起立位置との間で前記固定部に対して回動可能になっているのが好ましい。
前記スタッドボルト溶接装置は、前記ジャッキの上昇位置において前記ガンホルダの回動部を倒伏位置に固定し、前記ジャッキの下降位置において前記ガンホルダの回動部の倒伏位置への固定を解除するロック機構をさらに備えるのが好ましい。
前記ロック機構は、対向一対の爪部材を有し、前記ガンホルダの上昇位置において接近してその先端が倒伏位置にある前記回動部に係合し、前記ガンホルダの下降位置において離反してその先端の倒伏位置にある前記回動部への係合を解除するのがより好ましい。
前記ロック機構の対向一対の爪部材は、先端同士が互いに接近および離反する方向に回動可能に支持されており、前記ロック機構は、前記対向一対の爪部材間に装てんされるばねを有して、このばねは前記爪部材を先端同士が互いに接近する向きに付勢しており、前記ジャッキの下降位置において前記爪部材の後端がはまり込んでその先端同士が互いに離反する向きに案内し、前記ジャッキの上昇位置において前記爪部材の後端が抜け出てばねにより先端同士が接近する向きに復帰させるガイド機構を有するのがさらに好ましい。
前記第一のチルト機構は、前記鋼床版の縦断方向に延びる支軸と、前記鋼床版の縦断方向に並列して前記支軸を回転可能に支持し、かつその径方向に貫通するねじ孔が設けられた軸受部と、前記支軸または軸受部が設けられて前記鋼床版の横断方向に傾斜可能な傾斜台と、前記軸受部のねじ孔に進退可能にねじ込まれ、その前進時にその先端が前記支軸に食い込んで前記傾斜台の傾斜角度を固定し、その後退時にその先端が前記支軸から離れて前記傾斜台の傾斜角度の固定が解除される止めねじと、を有するのが好ましい。
同様に、前記第二のチルト機構は、前記鋼床版の横断方向に延びる支軸と、前記鋼床版の横断方向に並列して前記支軸を回転可能に支持し、かつその径方向に貫通するねじ孔が設けられた軸受部と、前記支軸または軸受部が設けられて前記鋼床版の縦断方向に傾斜可能な傾斜台と、前記軸受部のねじ孔に進退可能にねじ込まれ、その前進時にその先端が前記支軸に食い込んで前記傾斜台の傾斜角度を固定し、その後退時にその先端が前記支軸から離れて前記傾斜台の傾斜角度の固定が解除される止めねじと、を有するのが好ましい。
前記ジャッキは、パンタグラフ型ジャッキであるのが好ましい。前記アジャスタは、XY軸移動ステージであるのが好ましい。
発明に係るスタッドボルト溶接装置を以上のように構成したので、鋼床版の下面にあるデッキプレートやリブにスタッドボルトを溶接する作業の機械化が図られ、作業負担や危険性が軽減される。
特に、第一および第二のチルト機構を有することで、鋼床版の縦断方向および横断方向の傾斜状態によって、溶接ガンをデッキプレートやリブに正対するように適宜傾斜させて溶接作業をおこなうことが可能となっており、溶接不良の発生等を抑制することができる。
スタッドボルト溶接装置の上昇位置における正面図 スタッドボルト溶接装置の上昇位置における右側面図 スタッドボルト溶接装置の上昇位置における左側面図 スタッドボルト溶接装置の下降位置における正面図 スタッドボルト溶接装置の下降位置における右側面図 スタッドボルト溶接装置の下降位置における左側面図 スタッドボルト溶接装置を鋼床版の縦断方向に傾斜させた状態を示す正面図 スタッドボルト溶接装置を鋼床版の横断方向に傾斜させた状態を示す右側面図 スタッドボルト溶接装置を用いて補強された鋼床版の横断面図
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1〜図6に示す実施形態のスタッドボルト溶接装置は、その溶接ガン10によって、図9のような、既設の鋼床版1の下面にあるデッキプレート2および縦リブ2b、横リブにスタッドボルト3を溶接するものである。
このスタッドボルト3にねじ込まれたナット5により、デッキプレート2の下面および縦リブ2bの側面に当接させた補強板4を固定して、鋼床版1が補強される。なお、図9では縦リブ2bとしてUリブを例示している。
図1〜図6に示すように、実施形態のスタッドボルト溶接装置は、溶接ガン10と、ガンホルダ20と、ジャッキ30と、アジャスタ40と、第一および第二のチルト機構50、60と、テーブル70と、レール80とを備える。
溶接ガン10はガンホルダ20に保持されている。
ガンホルダ20は、ジャッキ30により昇降され、アジャスタ40により水平方向にスライド移動され、第一のチルト機構50により鋼床版1の横断方向に傾斜され、第二のチルト機構60により鋼床版1の長さ方向に傾斜される。
ガンホルダ20、ジャッキ30、アジャスタ40、第一および第二のチルト機構50、60はいずれもテーブル70に搭載されている。
レール80は鋼床版1の縦断方向に沿って敷設されており、その上をテーブル70がスライド可能となっている。
図1〜図6に示すように、溶接ガン10としては、スタッドボルト3をアーク溶接により溶接対象物に溶接可能な一般的な溶接ガンが用いられる。
溶接ガン10は、その先端にスタッドボルト3を保持するためのチャック11を有し、このチャック11はアダプタ12に着脱可能に取り付けられている。
アダプタ12には、溶接ガン10にガス供給および電流供給をおこなうためのケーブル13が接続されており、またブラケット14を介して、溶接ガンの先端方向へと延びる細長いレッグ15が取り付けられている。
レッグ15の先端には、フットピース16が取り付けられており、ここにスタッドボルト3の溶接個所を外気から遮断するための、フェルール17が保持可能となっている。
チャック11にスタッドボルト3を保持し、フットピース16にフェルール17を保持した状態で、円筒形のフェルール17はスタッドボルト3に外嵌している。
ブラケット14に付属する調節ねじ14aを緩めることで、レッグ15はその軸方向にスライド可能となっており、これによりフェルール17の先端からのスタッドボルト3の先端の突出量が調節可能となっている。
アダプタ12に付属するインシュレータにより、溶接ガンの前半部と後半部とは電気的に絶縁されている。
またブラケット14に付属するショックアブソーバにより、フェルール17が鋼床版1のデッキプレート2や縦リブ3に当接した際に、溶接ガン10に負荷される衝撃が吸収される。
アダプタ12の後部は、胴部18に連設されている。胴部18はグリップ18aを有し、このグリップ18aに付属するボタンを操作することで、ケーブル13からのガスや電流の供給および供給の停止が切り替え可能になっている。
また胴部18の後部には、ソレノイドが内蔵されており、溶接ガン10への電流の供給時には、このソレノイドが励磁してチャック11が引っ張られることで、このチャック11に保持されたスタッドボルト3は後退する。
そのため鋼床版1のデッキプレート2や縦リブ2bと、これに当接していたスタッドボルト3との間にわずかな隙間が生まれ、ここにアークが発生してアーク溶接がおこなわれることになる。
溶接ガン10への電流の供給が停止すると、ソレノイドは消磁し、チャック11はソレノイドの引っ張りから解放され、溶接ガン10に内蔵されたばねによって初期位置へと復帰する。
これにともなってチャック11に保持されたスタッドボルト3は前進して、デッキプレート2の下面に形成された溶融池へと押し戻される。
チャック11によるスタッドボルト3の保持を解除し、フェルール17を除去することで溶接作業は完了する。
図1〜図6のように、ガンホルダ20は、ジャッキ30に固定される固定板21と溶接ガン10を保持する回動板22とからなり、この固定板21と回動板22とがヒンジ23で結合されている。
ヒンジ23の作用により、回動板22は固定板21に対してほぼ垂直になる起立位置とほぼ平行になる倒伏位置の間で回動可能となっている。
また回動板22は保持孔22aを有し、この保持孔22aをまたいで二分割されており、かつ固定ねじ22bにより再結合されている。
固定ねじ22bを緩めた状態で溶接ガン10の胴部18を保持孔22aへと通し、次いで固定ねじ22bを締めると、溶接ガン10はその胴部18が回動板22の両分割片に挟み込まれることで固定される。
溶接ガン10が回動板22に固定された状態で、溶接ガン10の長手方向は回動板22の板面に対してほぼ垂直を向いている。
すなわち、回動板22の倒伏位置において、溶接ガン10は上向きとなってその先端が鋼床版1の下面に対向し、回動板22の起立位置において、溶接ガン10は横向きとなってその先端が鋼床版1の下面から離れる。
回動板22の倒伏位置において溶接作業が行われ、溶接作業終了後は回動板22を起立位置に回動させて、溶接ガン10のチャック11に対するスタッドボルトの装着作業等がおこなわれることになる。
固定板21の上面には、楔形のストッパ21aが設けられており、回動板22の起立時に、回動板22に保持された溶接ガン10のグリップ18aの底が当接して溶接ガン10が位置決めされるようになっている。
ストッパ21aが楔形であることから、溶接ガン10は横向きでかつ先端がやや上向きとなる状態に位置決めされるため、スタッドボルト3をチャック11に装着する作業等を容易におこなうことができる。
図1〜図6のように、ジャッキ30は、汎用されているパンタグラフ方式のジャッキであって、上側の昇降台31と、下側の基台32と、昇降台31と基台32とを連結するパンタグラフ33とからなる。
昇降台31はガンホルダ20の固定板21と重なり合った状態で適宜手段により固定されており、また基台32はアジャスタ40と重なり合った状態で適宜手段により固定されている。
パンタグラフ33は、複数のアーム33aからなり、これらアーム33aが交差した状態でリンク結合することで伸縮可能(屈伸可能)に構成されている。
パンタグラフ33の上下方向の中間部には、一対のねじ受部33bが設けられ、このねじ受部33bには、水平方向に延びる逆向きのねじ孔が形成されている。この一対の軸受部間には、ねじ軸34がねじ込まれている。
ねじ軸34にはハンドル34aが付属し、このハンドル34aを一方向に回転させると、図1〜図3のように、ねじ軸34の回転によりねじ受部33b同士が引き寄せられてパンタグラフ33が伸長し、これにともなって昇降台31が上昇する。
ハンドル34aを逆方向に回転させると、図4〜図6のように、ねじ軸34の回転によりねじ受部33b同士が引き離されてパンタグラフ33が収縮し、これにともなって昇降台31が下降する。
溶接作業時には、昇降台31を上昇させて溶接ガン10を鋼床版1のデッキプレート2へと接近させ、溶接作業の終了後は、昇降台31を下降させて溶接ガン10をデッキプレート2から退避させる。
一対の上側アーム33aの一方は、昇降台31に設けられた水平方向に延びるガイド孔31aに案内され、一対の下側アーム33aの一方は、基台32に設けられた水平方向に延びるガイド孔32aに案内されることで、パンタグラフ33の伸縮にともなうアーム33a間の間隔の変化は吸収されている。
また図1〜図6のように、ジャッキ30の昇降台31には、ロック機構90が付属している。
ロック機構90は、ガンホルダ20の回動板22が倒伏位置にあるときに、回動板22の上面において先端同士が対向し、かつ回動板22の下面において後端同士が対向する一対の爪部材91を有する。
一対の爪部材91は、その先端同士およびその後端同士が接近および離反する方向に回動可能なように、その長手方向の中間部が昇降台31に支持されている。
一対の爪部材91の後端の間には、ばね92が装てんされており、これにより爪部材91の先端同士が接近する向き、かつ爪部材91の後端同士が離反する向きに付勢されている。
図1〜図6のように、アジャスタ40は、汎用されているXY軸移動ステージであって、X軸用およびY軸用のスライダ41と、ステージ本体42と、X軸用およびY軸用のマイクロメータ43とからなる。
スライダ41は、ステージ本体42の上面にガイド溝を介して重ね合わされ、X軸方向およびY軸方向に延びるガイド溝に沿ってスライド可能となっている。
付属するX軸用およびY軸用のマイクロメータ43の回転操作により、スライダ41は、水平方向かつX軸方向およびY軸方向に、微少にスライド操作できるようになっている。
これにより、溶接ガン10の鋼床版1の縦断方向および横断方向に対する位置の微調整が可能となっている。
このスライダ41の上面には、ジャッキ30の基台32が重ね合わされ、適宜手段により固定されている。
図1〜図6のように、第一のチルト機構50は、前記アジャスタ40のステージ本体が上面に重ね合わされ、適宜手段により固定された傾斜台51を有する。
傾斜台51はその上面にレバー51aが固定されており、またその下面には鋼床版1の縦断方向に延びる支軸51bが設けられている。
この支軸51bは、鋼床版1の縦断方向に並列して設けられた軸受部52により回転可能に支持されている。
したがって、レバー51aを倒すことで、傾斜台51は鋼床版1の横断方向に対して任意の角度に傾斜可能となっている。
このため、図8(a)のように、鋼床版1のデッキプレート2が右上がりに勾配している場合、図8(b)のように、鋼床版1のデッキプレート2が左上がりに勾配している場合などのいずれにも対応可能である。
こうして、鋼床版1の横断方向に対する傾斜状態に応じて、溶接ガン10を鋼床版1の横断方向に適宜傾斜させ、スタッドボルト3を保持した溶接ガン10の先端をデッキプレート2の下面に正確に正対させることが可能となっている。
また軸受部52はその径方向に貫通するねじ孔を有し、このねじ孔には止めねじ53がねじ込まれている。止めねじ53を前進させるとその先端が支軸51bに食い込んで前記傾斜台51の傾斜角度を固定できるようになっている。
この状態から、止めねじ53を後退させると、その先端が支軸から離れて傾斜台51の傾斜角度の固定が解除され、レバー51aにより傾斜操作が行われるようになっている。
第一のチルト機構50には、傾斜台51の傾斜角度を計測するための分度器が付属している(図示省略)。
図1〜図6のように、第一のチルト機構50の傾斜台51の上面には、対向する一対のガイド板93からなって、ロック機構90と協働するガイド機構が設けられている。
各ガイド板93は傾斜台51の上面から斜めに起立しており、かつ傾斜台51の上面から離れるにしたがって両ガイド板93間の間隔は広がるように起立している。すなわち、側面視において両ガイド板93は、倒立ハの字型の外観を呈している。
図4〜図6のように、ジャッキ30の昇降台31の下降時には、昇降台31に取り付けられたロック機構90の一対の爪部材91の後端が、両ガイド板93の間の空間にはまり込むようになっている。
これにより、一対の爪部材91は、ばね92の付勢に抗して、その後端同士が接近するように、すなわちその先端同士が離反する方向に回動するように案内される。
図1〜図3のように、ジャッキ30の昇降台31が上昇すると、一対の爪部材91の後端は両ガイド93板の間の空間から抜け出て解放され、ばね92の付勢により一対の爪部材91の先端同士が接近した状態へと復帰する。
したがって、ガンホルダ20の回動板22が倒伏位置にあるときに、ジャッキ30の昇降台31を上昇させると、図1〜図3のように、ロック機構90の爪部材91の先端同士が接近することで回動板22へと係合し、回動板22は倒伏状態でロックされて回動不能となる。
ここから昇降台31を下降させると、図4〜図6のように、ガイド機構の作用により爪部材91の先端同士が離反して回動板22への係合が外れ、ロックが解除された回動板22は倒伏状態から起立状態へと回動させることが可能となる。
このことから、溶接ガン10を上昇させて溶接作業をおこなう際には、ロック機構90の作用により溶接ガン10は上向き状態にロックされ、衝撃等がかかっても横向きに倒れる等することなく溶接作業がスムーズに行われる。
また溶接作業を終えて溶接ガン10を下降させる際には、ロック機構90は下降にともなってガイド機構の作用により自動的に解除され、溶接ガン10を横向きに倒すことが可能となる。このため、後続の作業において使用されるスタッドボルトのチャック11への装着等を容易におこなうことができる。
図1〜図6のように、第二のチルト機構60は、前記第一のチルト機構50の軸受部52が適宜手段により上面に固定された傾斜台61を有する。傾斜台61の下面には鋼床版1の横断方向に延びる支軸61aが設けられている。
この支軸61aは、鋼床版1の横断方向に並列して設けられた軸受部62により回転可能に支持されている。
したがって、傾斜台61は鋼床版1の縦断方向に対して任意の角度に傾斜可能となっている。このため、図7(a)のように、鋼床版1のデッキプレート2が上り勾配の場合、図7(b)のように、鋼床版1のデッキプレート2が下り勾配の場合などのいずれにも対応可能である。
これにより、鋼床版1の縦断方向に対する傾斜状態に応じて溶接ガン10を鋼床版1の縦断方向に適宜傾斜させ、スタッドボルト3を保持した溶接ガン10の先端を、デッキプレートの下面に正確に正対させることが可能となっている。
また軸受部62はその径方向に貫通するねじ孔を有し、このねじ孔には止めねじ63がねじ込まれている。
止めねじ63を前進させるとその先端が支軸61aに食い込んで前記傾斜台61の傾斜角度を固定できるようになっている。
この状態から、止めねじ63を後退させると、その先端が支軸61aから離れて傾斜台61の傾斜角度の固定が解除され、傾斜操作が可能となる。
第二のチルト機構60には、傾斜台61の傾斜角度を計測するための分度器が付属している(図示省略)。
テーブル70の上面には、第二のチルト機構60の軸受部62が適宜手段により固定されている。
テーブル70は、デッキプレート2の下面において鋼床版1の縦断方向に沿って敷設されたレール80上に載置されており、レール80に沿ってスライド移動させることが可能となっている。
テーブル70の上面には、持ち手が付属しており、これによりテーブル70を持ち上げられるようになっている(図示省略)。
レール80は、鋼床版の下方に設置された架台や足場上に敷設される。
レール80は、いわゆる縞板等からなって表面に凹凸が形成されていることから、テーブル70との接触箇所は凸部81のみとなっており接触面積が少なくなっている。
これによりテーブル70のスライド抵抗が減じられており、溶接作業をおこなう位置へのスムーズなスライド移動が可能となっている。
またレール80の両側には、ガイドが付属しており、テーブル70がレール80から脱線するのが防止されている(図示省略)。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものであることが意図される。
なお本発明のスタッドボルト溶接装置は、鋼床版1以外の構造物でその下面に縦断方向および横断方向の傾斜が存在するものに対してスタッドボルトを溶接する作業に転用することが可能である。
ガンホルダ20、ジャッキ30、アジャスタ40、第一および第二のチルト機構50、60、テーブル70、レール80、ロック機構90(ガイド機構も含む)については、実施形態の構造に限定されず、公知の機構が適用可能である。
たとえばガンホルダ20としては、実施形態のような板状の構造に限定されず、溶接ガン10を保持可能なケーシング状やフレーム状の構造などでもよい。
ジャッキ30としては、実施形態のようなパンタグラフをねじ送りする構造に限定されず、公知の油圧ジャッキ、ボールねじジャッキ、リニアアクチュエータなどが適用可能である。
第一および第二のチルト機構は、実施形態のようなそれぞれ独立した構造に限定されず、フレキシブルジョイントのような、鋼床版1の縦断方向および横断方向のいずれにも傾斜可能な一体型のものでもよい。
テーブル70は、実施形態のような板状の構造に限定されず、箱状の構造などでもよい。また、テーブル70は複数の小テーブルに分割されていてもよい。
レール80も、実施形態のような縞板状の構造に限定されず、レール80とテーブル70とがはまり合うような構造、たとえば電車の軌道のような構造でもよい。
ロック機構90も、実施形態のような爪部材91が回動する構造に限定されず、所定の操作により爪部材91が水平方向にスライドして、接近時に回動板22に係合し離反時に回動板22への係合が加除されるような構造などでもよい。
また爪部材91の設置個所も実施形態に限定されず、保持部20の回動板22の倒伏時かつ昇降機構30の昇降台31の上昇時に、回動板22に係合してロック可能であればよい。
ガイド機構90も、実施形態のような対向一対のガイド板93からなる構造に限定されず、所定の操作により爪部材91の先端同士が接近または離反する向きに案内可能であればよい
アジャスタ40、レール80、ロック機構90については省略可能である。レール80を省略した場合、テーブル70の下面にキャスターを付属させるなどしてテーブル70を自走できるようにしてもよい。
ジャッキ30、アジャスタ40、第一および第二のチルト機構50、60の積み重ねの順番も実施形態に限定されない。
1 鋼床版
2 デッキプレート
2a 舗装
2b 縦リブ
3 スタッドボルト
4 補強板
5 ナット
10 溶接ガン
11 チャック
12 アダプタ
13 ケーブル
14 ブラケット
14a 調節ねじ
15 レッグ
16 フットピース
17 フェルール
18 胴部
18a グリップ
20 ガンホルダ
21 固定板
21a ストッパ
22 回動板
22a 保持孔
22b 固定ねじ
23 ヒンジ
30 ジャッキ
31 昇降台
31a ガイド孔
32 基台
32a ガイド孔
33 パンタグラフ
33a アーム
33b ねじ受部
34 ねじ軸
34a ハンドル
40 アジャスタ
41 スライダ
42 ステージ本体
43 マイクロメータ
50 第一のチルト機構
51 傾斜台
51a レバー
51b 支軸
52 軸受部
53 止めねじ
60 第二のチルト機構
61 傾斜台
61a 支軸
62 軸受部
63 止めねじ
70 テーブル
80 レール
81 凸部
90 ロック機構
91 爪部材
92 ばね
93 ガイド板

Claims (11)

  1. 鋼床版の下面にスタッドボルトを溶接するためのスタッドボルト溶接装置であって、
    前記スタッドボルトを溶接可能な溶接ガンと、
    前記溶接ガンをすくなくとも上向きに保持するガンホルダと、
    前記ガンホルダを昇降させるジャッキと、
    前記ガンホルダを前記鋼床版の横断方向に対して傾斜させる第一のチルト機構と、
    前記ガンホルダを前記鋼床版の縦断方向に対して傾斜される第二のチルト機構と、
    前記溶接ガン、前記ガンホルダ、前記ジャッキ、前記第一および第二のチルト機構を搭載するテーブルと、
    を備えるスタッドボルト溶接装置。
  2. 前記テーブルに搭載され、
    前記ガンホルダを鋼床版の横断方向および縦断方向に水平移動させるアジャスタをさらに備える請求項1に記載のスタッドボルト溶接装置。
  3. 前記アジャスタは、XY軸移動ステージである請求項2に記載のスタッドボルト溶接装置。
  4. 前記鋼床版の下方に配置され、
    前記テーブルを前記鋼床版の縦断方向に沿ってスライドさせるレールをさらに備える請求項1から3のいずれかに記載のスタッドボルト溶接装置。
  5. 前記ガンホルダは、
    前記ジャッキに固定される固定部と、
    この固定部にヒンジ機構を介して連結しかつ前記溶接ガンが取り付けられる回動部と、を有し、
    この回動部は、前記溶接ガンを上向きに保持する倒伏位置と、前記溶接ガンを横向きに保持する起立位置との間で前記固定部に対して回動可能になっている請求項1から4のいずれかに記載のスタッドボルト溶接装置。
  6. 前記ジャッキによるガンホルダの上昇位置において前記回動部を倒伏位置に固定し、前記ジャッキによるガンホルダの下降位置において前記回動部の倒伏位置への固定を解除するロック機構をさらに備える請求項5に記載のスタッドボルト溶接装置。
  7. 前記ロック機構は、対向一対の爪部材を有し、
    前記ガンホルダの上昇位置において接近してその先端が倒伏位置にある前記回動部に係合し、前記ガンホルダの下降位置において離反してその先端の倒伏位置にある前記回動部への係合を解除する請求項6に記載のスタッドボルト溶接装置。
  8. 前記ロック機構の対向一対の爪部材は、先端同士が互いに接近および離反する方向に回動可能に支持されており、
    前記ロック機構は、前記対向一対の爪部材間に装てんされるばねを有して、このばねは前記爪部材を先端同士が互いに接近する向きに付勢しており
    前記ガンホルダの下降位置において前記爪部材の後端がはまり込んでその先端同士が互いに離反する向きに案内し、前記ガンホルダの上昇位置において前記爪部材の後ろ端が抜け出てばねにより先端同士が接近する向きに復帰させるガイド機構を有する請求項7に記載のスタッドボルト溶接装置。
  9. 前記第一のチルト機構は、
    前記鋼床版の縦断方向に延びる支軸と、
    前記鋼床版の縦断方向に並列して前記支軸を回転可能に支持し、かつその径方向に貫通するねじ孔が設けられた軸受部と、
    前記支軸または軸受部が設けられて前記鋼床版の横断方向に傾斜可能な傾斜台と、
    前記軸受部のねじ孔に進退可能にねじ込まれ、その前進時にその先端が前記支軸に食い込んで前記傾斜台の傾斜角度を固定し、その後退時にその先端が前記支軸から離れて前記傾斜台の傾斜角度の固定が解除される止めねじと、を有する請求項1〜8のいずれかに記載のスタッドボルト溶接装置。
  10. 前記第二のチルト機構は、
    前記鋼床版の横断方向に延びる支軸と、
    前記鋼床版の横断方向に並列して前記支軸を回転可能に支持し、かつその径方向に貫通するねじ孔が設けられた軸受部と、
    前記支軸または軸受部が設けられて前記鋼床版の縦断方向に傾斜可能な傾斜台と、
    前記軸受部のねじ孔に進退可能にねじ込まれ、その前進時にその先端が前記支軸に食い込んで前記傾斜台の傾斜角度を固定し、その後退時にその先端が前記支軸から離れて前記傾斜台の傾斜角度の固定が解除される止めねじと、を有する請求項1〜9のいずれかに記載のスタッドボルト溶接装置。
  11. 前記ジャッキは、パンタグラフ型ジャッキである請求項1〜10のいずれかに記載のスタッドボルト溶接装置。
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