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JP6415937B2 - 医用画像処理装置、超音波診断装置、医用画像処理方法および医用画像処理プログラム - Google Patents
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医用画像処理装置、超音波診断装置、医用画像処理方法および医用画像処理プログラム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、医用画像処理装置、超音波診断装置、医用画像処理方法および医用画像処理プログラムに関する。
医療用超音波診断装置は、患者の体への負担が少なく、簡単且つリアルタイムに体内を観測できるため、臨床医学の様々な領域にわたって利用されている。超音波診断装置は、反射波の強度に応じた輝度により画像を表示する。反射波の強度は、関節や血管などの体組成間の境界面へのビーム角と、体組成に固有の音響インピーダンスとによって決定される。このため、超音波ビーム(送信超音波)が体組織に垂直に当たらない場合、反射波の強度は弱まるため、組織が良好に描出されないことがある。更に、反射波や散乱波の干渉によって発生するスペックルノイズや観測時のランダムノイズは、視認性を阻害する。
上記問題を解消するために、例えば、異なる複数のビーム方向に対して超音波の送受信を行い、得られた信号や信号から生成した画像データから超音波の反射の異方性を評価し、異方性に基づいて画像を合成する技術がある。
また、超音波受信ビームの周波数帯により、生成画像における体組織の連続性やスペックルノイズのパターンが異なる。例えば、低周波のビームで撮影した画像において、体組織の連続性は高い一方で、低周波のスペックルノイズが多く観測され、画像の視認性が阻害される。高周波のビームで撮影した画像ではスペックルノイズは目立たないが、体組織の連続性が低いため、診断対象となる体組織が断裂して表示され、診断が阻害される。
上記問題を解消するために、異なる周波数の反射ビームを同時に受信し、両者を重み付け加算する技術がある。
特開2014−33914号公報 特開2000−51210号公報
しかしながら、得られた信号や信号から生成した画像データから超音波の反射の異方性を評価し、異方性に基づいて画像を合成する技術は、1画素で異方性を算出する。このため、ノイズが多い超音波画像において異方性評価時にノイズの影響を受け、評価を誤る可能性がある。その場合、組織ではなくノイズが強く描出されたり、組織を十分に描出できなかったりする問題がある。
また、異なる周波数の反射ビームを同時に受信し、両者を重み付け加算する技術は、高低周波成分を単純な重み付き平均により合成するため、その中間的な合成画像となり、それぞれの周波数成分の利点を活かしきれない問題がある。
本実施形態が解決しようとする課題は、超音波画像において、ノイズを抑制しながら、体組織の描出性能を向上させることにある。
本実施形態に係る医用画像処理装置は、同一断面においてそれぞれ異なるステアリング角度で少なくとも一部重複させる複数の超音波走査にそれぞれ対応する複数の断面画像を取得する取得部と、前記断面画像各々における複数の画素各々において、前記画素を含む所定の領域における複数の画素値に基づいて、前記断面画像各々の前記画素ごとに重み情報を生成する重み生成部と、前記重み情報を用いて、前記ステアリング角度が異なる前記断面画像を合成することにより合成画像を生成する方向合成部と、を具備し、前記重み生成部は、前記所定の領域ごとおよび前記ステアリング角度ごとに、前記所定の領域に含まれる複数の画像にそれぞれ対応する複数の画素値を積算した積算値を計算し、前記ステアリング角度に対する前記積算値の分布を示す積算分布に基づいて、前記重み情報を生成することを特徴とする。
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の構成を示す構成図である。 図2は、第1の実施形態に係り、同一断面においてそれぞれ異なるステアリング角度で少なくとも一部重複させる複数の超音波走査の一例を示す図である。 図3は、第1の実施形態に係り、重み生成の一例を示す図である。 図4は、第1の実施形態に係り、逆値の重みに関する図である。 図5は、第1の実施形態に係り、方向合成処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図6は、第2の実施形態に係る超音波診断装置1の構成を示す構成図である。 図7は、第2の実施形態に係り、成分合成処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図8は、第3の実施形態に係る超音波診断装置1の構成を示す構成図である。 図9は、第3の実施形態に係り、方向成分合成処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図10は、第4の実施形態に係る超音波診断装置の構成を示す構成図である。 図11は、第4の実施形態に係り、成分方向合成処理の手順の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わる医用画像処理装置を有する超音波診断装置、医用画像処理方法及び医用画像処理プログラムについて説明する。なお、以下の説明において、略同一の構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合に行う。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の構成を示す構成図である。同図に示すように、超音波診断装置1は、装置本体3と、装置本体3に接続され操作者からの各種指示・命令・情報を装置本体3に取り込むための入力部40と、インターフェース部50と、表示部60と、超音波プローブ101とを有する。装置本体3は、第1の記憶部30と、インターフェース部50と、送受信部103と、画像生成部105と、第2の記憶部107と、制御部109と、重み生成部201と、類似度算出部203と、方向合成部205とを有する。加えて、本超音波診断装置1には、心電計、心音計、脈波計、呼吸センサに代表される図示していない生体信号計測部およびネットワークが、インターフェース部50を介して接続されてもよい。
機能的には、超音波診断装置1は、取得部10と、合成部20と、第1の記憶部30と、入力部40と、インターフェース部50と、表示部60とを有する。取得部10は、例えば、超音波プローブ101と、送受信部103と、画像生成部105と、第2の記憶部107と、制御部109とを有する。合成部20は、例えば、重み生成部201と、類似度算出部203と、方向合成部205とを有する。本超音波診断装置1は、取得部10により取得された複数の超音波画像を用いて画像合成を行う。そして、生成された合成画像を表示部60に表示することで、病院内に勤務する医師や検査技師に超音波診断画像を提供する。
取得部10は、被検体に対して超音波走査を実行することにより、複数の超音波画像(断面画像)を取得する。具体的には、取得部10は、同一断面においてそれぞれ異なるステアリング角度で少なくとも一部重複させる複数の超音波走査にそれぞれ対応する複数の断面画像を取得する。なお、取得部10は、撮像から画像生成までの処理に係る複数のユニットを有していてもよい。以下、本超音波診断装置1および本医用画像処理装置5における各ユニットを順に説明する。
超音波プローブ101は、複数の圧電振動子と、整合層と、複数の圧電振動子の背面側に設けられるバッキング材とを有する。複数の圧電振動子は、圧電セラミックス等の音響/電気可逆的変換素子である。複数の圧電振動子は並列され、超音波プローブ101の先端に装備される。なお、一つの圧電振動子が一チャンネルを構成するものとして説明する。
圧電振動子は、送受信部103から供給される駆動信号に応答して超音波を発生する。超音波プローブ101を介して被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波(以下、送信超音波と呼ぶ)は、被検体内の生体組織における音響インピーダンスの不連続面で反射される。圧電振動子は、反射された超音波を受信し、エコー信号を発生する。エコー信号の振幅は、超音波の反射に関する不連続面を境界とする音響インピーダンスの差に依存する。また、送信超音波が移動している血流、および心臓壁等の表面で反射された場合のエコー信号の周波数は、ドプラ効果により、移動体(血流および心臓壁の表面)の超音波送信方向の速度成分に依存して偏移する。
整合層は、被検体Pに対する超音波の送受信を効率よくするために、複数の圧電振動子の超音波放射面側に設けられる。バッキング材は、圧電振動子の後方への超音波の伝搬を防止する。
以下、超音波プローブ101は、1次元アレイにより2次元走査するリニアタイプのプローブとして説明する。なお、超音波プローブ101は、例えば、1次元アレイにより2次元走査するコンベックスタイプのプローブ、1次元アレイにより2次元走査するセクタタイプのプローブ、1次元アレイを複数の振動子の配列方向と直交する方向に揺動させて3次元走査を実行するメカニカル4次元プローブ、および2次元アレイにより2次元又は3次元走査する2次元アレイプローブなどであってもよい。
送受信部103は、制御部109による制御のもとで、超音波プローブ101における複数の圧電振動子各々に駆動信号を供給する。送受信部103は、各圧電振動子によって発生された受信エコー信号に基づいて、受信信号を発生する。送受信部103は、発生した受信信号を、画像生成部105に出力する。
具体的には、送受信部103は、図示していないパルス発生器と、送信遅延回路と、パルサ回路と、プリアンプと、アナログディジタル(Analog to digital(以下、A/Dと呼ぶ))変換器と、受信遅延回路と、加算器とを有する。
パルス発生器は、所定のレート周波数frHz(周期:1/fr秒)で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。発生されたレートパルスは、チャンネル数に分配され、送信遅延回路に送られる。
送信遅延回路は、複数のチャンネルごとに、送信超音波をビーム状に収束し、かつ送信指向性を決定するために必要な遅延時間(以下、送信遅延時間と呼ぶ)を、各レートパルスに与える。送信超音波の送信方向または送信遅延時間(以下、送信遅延パターンと呼ぶ)は、第1の記憶部30に記憶される。第1の記憶部30に記憶された送信遅延パターンは、制御部109により超音波の送信時に参照される。
パルサ回路は、このレートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ101の圧電振動子ごとに電圧パルス(駆動信号)を印加する。これにより、超音波ビームが被検体に送信される。
プリアンプは、超音波プローブ101を介して取り込まれた被検体Pからのエコー信号をチャンネル毎に増幅する。A/D変換器は、増幅された受信エコー信号をディジタル信号に変換する。
受信遅延回路は、ディジタル信号に変換された受信エコー信号に、受信指向性を決定するために必要な遅延時間(以下、受信遅延時間と呼ぶ)を与える。エコー信号の受信方向または受信遅延時間(以下、受信遅延パターンと呼ぶ)は、第1の記憶部30に記憶される。第1の記憶部30に記憶された受信遅延パターンは、制御部109により超音波の受信時に参照される。
加算器は、遅延時間が与えられた複数のエコー信号を加算する。この加算により、送受信部103は、受信指向性に応じた方向からの反射成分を強調した受信信号(RF(radiofrequency)信号ともいう)を発生する。この送信指向性と受信指向性とにより超音波送受信の総合的な指向性が決定される。この総合的な指向性により、超音波ビーム(いわゆる「超音波走査線」)が決まる。
以下、同一断面において、ステアリング角度を変更して少なくとも一部領域が重複するように実行する複数の超音波スキャン(以下、異方向スキャンと呼ぶ)について説明する。ステアリング角度とは、例えば、被検体の体表面に当接された超音波プローブ101における音響開口の中心点を通り、音響開口の面に垂直な直線(以下、基準線と呼ぶ)と、中心点と被走査領域における同一の視野深度を示すラインの中点とを結ぶ直線(以下、ビーム方向と呼ぶ)との間の角度である。
以下、説明を簡単にするために、異方向スキャンに対応する複数のステアリング角度は、予め設定されているものとする。なお、ステアリング角度は、操作者の指示により適宜調整、設定等の変更が可能である。ビーム方向は、図2のような5方向に限定されず、2方向以上のスキャンとしてもよい。
図2は、同一断面においてそれぞれ異なるステアリング角度で少なくとも一部重複させる複数の超音波走査の一例を示す図である。図2は、ビーム方向が5方向にそれぞれ対応するステアリング角度で、5つの超音波走査を実行することを示している。
例えば、図2における時刻(t−2)でのステアリング角度A(t−2)は、0°となる。時刻(t)でのステアリング角度A(t)は、時刻(t−1)でのステアリング角度A(t−1)より大きい(A(t−1)<A(t))。時刻(t−3)でのステアリング角度A(t−3)の絶対値は、時刻(t−1)でのステアリング角度A(t−1)の絶対値と等しい(|A(t−3)|=|A(t−1)|)。時刻(t−4)でのステアリング角度A(t−4)の絶対値は、時刻(t)でのステアリング角度A(t)の絶対値と等しい(|A(t−4)|=|A(t)|)。なお、図2のように、5方向に対して超音波走査を実行する場合、5方向各々のステアリング角度の絶対値は、異なっていてもよい。
送受信部103は、制御部109から異方向スキャンに関する情報(以下、異方向スキャン情報と呼ぶ)を受け取る。異方向スキャン情報とは、例えば、異方向スキャンに関するステアリング角度(ビーム方向)の情報、送信中心周波数の情報などである。送受信部103は、異方向スキャン情報に基づいて、異方向スキャンを実行するための駆動信号を、超音波プローブ101の圧電振動子に印加する。送受信部103は、異方向スキャンにおいて、超音波プローブ101を介して取り込まれたエコー信号に基づいて、受信信号を発生する。
なお、送受信部103は、送信超音波に関するビーム方向を固定し、かつ超音波の受信にかかるビーム方向を、並列同時受信により変更することで、複数のビーム方向にそれぞれ対応する複数の受信信号を発生してもよい。
画像生成部105は、受信信号に基づいて、複数のステアリング角度(複数のビーム方向)にそれぞれ対応する複数の超音波画像(断面画像)を構成する。画像生成部105は、構成された超音波画像を、第2の記憶部107に出力する。具体的には、画像生成部105は、Bモードデータ発生デバイス、ドプラデータ発生デバイス、他の各種超音波画像(ストレイン画像、弾性画像等)の発生に関するユニット、およびディジタルスキャンコンバータ(Digital Scan Converter:以下、DSCと呼ぶ)等を有する。以下、説明を簡単にするために、画像生成部105は、Bモードデータ発生デバイスと、ドプラデータ発生デバイスと、DSCとを有しているものとする。
Bモードデータ発生デバイスは、図示していない包絡線検波器、対数変換器などを有する。包絡線検波器は、送受信部103から出力された受信信号に対して包絡線検波を実行する。包絡線検波器は、包絡線検波された信号を、後述する対数変換器に出力する。対数変換器は、包絡線検波された信号に対して対数変換して弱い信号を相対的に強調する。Bモードデータ発生デバイスは、対数変換器により強調された信号に基づいて、各走査線および各超音波送受信における深さごとの信号値(Bモードデータ)を発生する。
Bモードデータ発生デバイスは、被走査領域におけるアジマス(Azimuth)方向、深さ方向(レンジ(Range)方向)にそれぞれ対応付けて配列された複数の信号値からなる2次元Bモードデータを発生する。レンジ方向とは、走査線上の深さ方向である。アジマス方向とは例えば、1次元超音波振動子の配列方向に沿った電子走査方向である。なお、被走査領域が3次元の場合、Bモードデータ発生部は、送受信部103からの出力に基づいて、アジマス方向、深さ方向、エレベーション方向にそれぞれ対応づけて配列された複数の信号値からなる3次元Bモードデータを発生してもよい。エレベーション方向とは、1次元超音波振動子の機械的揺動方向である。
ドプラデータ発生デバイスは、図示していないミキサー、低域通過フィルタ(Low Pass Filter:以下、LPFと呼ぶ)、速度/分散/Power演算器等を有する。ミキサーは、送受信部103から出力された受信信号に、送信周波数と同じ周波数fを有する基準信号を掛け合わせる。この掛け合わせにより、ドプラ偏移周波数fdの成分の信号と(2f+f)の周波数成分を有する信号とが得られる。LPFは、ミキサーからの2種の周波数成分を有する信号のうち、高い周波数成分(2f+f)の信号を取り除く。ドプラデータ発生デバイスは、高い周波数成分(2f+f)の信号を取り除くことにより、ドプラ偏移周波数fの成分を有するドプラ信号を発生する。
なお、ドプラデータ発生デバイスは、ドプラ信号を発生するために、直交検波方式を用いてもよい。このとき、受信信号(RF信号)は、直交検波されIQ信号に変換される。ドプラデータ発生デバイスは、IQ信号を複素フーリエ変換することにより、ドプラ偏移周波数fdの成分を有するドプラ信号を発生する。ドプラ信号は、例えば、血流、組織、造影剤によるドプラ成分である。
速度/分散/Power演算器は、図示していないMTI(Moving Target Indicator)フィルタ、LPFフィルタ、自己相関演算器等を有する。なお、自己相関演算器の代わりに相互相関演算器を有していてもよい。MTIフィルタは、発生されたドプラ信号に対して、臓器の呼吸性移動や拍動性移動などに起因するドプラ成分(クラッタ成分)を除去する。MTIフィルタは、ドプラ信号から血流に関するドプラ成分(以下、血流ドプラ成分と呼ぶ)を抽出するために用いられる。LPFは、ドプラ信号から組織の移動に関するドプラ成分(以下、組織ドプラ成分と呼ぶ)を抽出するために用いられる。
自己相関演算器は、血流ドプラ成分及び組織ドプラ成分に対して自己相関値を算出する。自己相関演算器は、算出された自己相関値に基づいて、血流および組織の平均速度値、分散値、ドプラ信号の反射強度(パワー)等を算出する。速度/分散/Power演算デバイスは、複数のドプラ信号に基づく血流および組織の平均速度値、分散値、ドプラ信号の反射強度等に基づいて、所定領域の各位置におけるカラードプラデータを発生する。以下、ドプラ信号とカラードプラデータとをまとめて、ドプラデータと呼ぶ。
なお、画像生成部105は、3次元画像処理デバイスを有していてもよい。このとき、3次元画像処理デバイスは、3次元Bモード画像のデータを3次元画像処理して2次元の表示画像のデータを発生する。3次元画像処理デバイスは、3次元画像処理として、例えば、レイキャスティング法によるボリュームレンダリング(volume rendering)、サーフェスレンダリング(surface rendering)、最大値投影(maximum intensity projection:以下、MIPと呼ぶ)、断面変換処理(multi−plannar reconstruction)などを実行する。
DSCは、Bモードデータに対して、テレビなどに代表される一般的なビデオフォーマットの走査線信号列に変換し、Bモード画像を発生する。DSCは、ドプラデータに対して、テレビなどに代表される一般的なビデオフォーマットの走査線信号列に変換し、ドプラ画像を発生する。なお、DSCは、3次元画像処理を用いて発生された2次元の表示画像のデータに対して、テレビなどに代表される一般的なビデオフォーマットの走査線信号列に変換し、投影画像としてのBモード画像を発生してもよい。以下、Bモード画像およびドプラ画像をまとめて超音波画像と呼ぶ。DSCは、超音波画像を、第2の記憶部107に出力する。
第2の記憶部107は、ステリアリング角度各々に対応する超音波画像と、制御部109から出力された異方向スキャン情報とを、関連づけて記憶する。例えば、第2の記憶部107は、超音波画像と、ビーム方向の情報及び送信中心周波数の情報とを対応づけて、一時的に記憶する。第2の記憶部107は、例えば、異方向スキャンの終了(例えば、図2の5方向に関するスキャンの終了)を契機として、一時的に記憶した複数の超音波画像を、対応する異方向スキャン情報とともに合成部20に出力する。なお、複数の超音波画像は、異方向スキャンと対応づけて第2の記憶部107に記憶されると同時に合成部20に出力されてもよい。
合成部20は、第2の記憶部107から出力された複数の超音波画像を合成することにより、一枚の合成画像を生成する。すなわち、本実施形態では、ビーム方向を変えながら取得された複数の超音波画像が合成して出力される。具体的には、合成部20は、生成した合成画像を表示部60に出力する。表示部60に出力された合成画像は、表示部60におけるモニタなどに表示される。この時、合成画像は、表示部60内に別途設けられた第2の記憶部に保持されてもよい。合成方法の詳細については、後述する。
以下、合成部20の詳細な動作を説明する。
重み生成部201は、ビーム方向を変えながら得られた複数の超音波画像のデータにおいて、画素各々の周囲の複数の画素を包含する画素ブロック(以下、第1の領域と呼ぶ)の輝度情報(画素値の情報)を用いて、画素ごとおよびビーム方向ごとに割り当てる重み情報を生成する。すなわち、重み生成部201は、複数のステアリング角度にそれぞれ対応する複数の超音波画像各々における複数の画素各々において、画素を含む第1の領域における複数の画素値に基づいて、画素ごとおよびステアリング角度ごとに重み情報を生成する。重み生成部201の詳細な内容は後述する。
類似度算出部203は、複数のビーム方向にそれぞれ対応する複数の超音波画像各々における同じ位置での類似度を各画素で算出し、類似度情報を生成する。すなわち、類似度算出部203は、ステアリング角度が異なる複数の超音波画像の画素値に基づいて、画素各々における類似度を算出する。類似度算出部203は、類似度情報を方向合成部205に出力する。
ステアリング角度が異なる複数の超音波画像に関する重複領域において、体組織に対する領域は、同じ位置に出現する。しかしながら、アーチファクトやノイズは、重複領域において、ビーム方向(ステアリング角度)に応じた位置、形状、大きさとなる。そこで、類似度情報を用いることで、超音波画像各々における重複領域における体組織、アーチファクト、ノイズの識別が可能となる。
例えば、ビーム方向が3方向以上、すなわちステアリング角度が3種類以上の場合、類似度算出部203は、適切な2方向を選択して類似度を算出する。なお、ビーム方向が3方向以上の場合、類似度算出部203は、2方向のあらゆる組み合わせから複数の類似度を算出し、合成して1つの類似度情報を生成してもよい。
すなわち、例えば、ビーム方向がA、B、Cの3種類である場合、ビーム方向Aに対応する超音波画像Aiと、ビーム方向Bに対応する超音波画像Biと、ビーム方向Cに対応する超音波画像Ciとが、異方向スキャンにより発生される。このとき、類似度算出部203は、超音波画像Aiと超音波画像Biとに基づいて、第1の類似度S1を算出する。加えて、類似度算出部203は、超音波画像Biと超音波画像Ciとに基づいて、第2の類似度S2を算出する。さらに、類似度算出部203は、超音波画像Ciと超音波画像Aiとに基づいて、第3の類似度S3を算出する。類似度算出部203は、第1の類似度S1と、第2の類似度S2と、第3の類似度S3とを合成することにより、1つの類似度情報を算出する。ここで、合成とは、例えば、類似度の相加平均、相乗平均等の各種平均、加算などである。
画素(i、j)における類似度Rijは、例えば、正規化相互相関に関する以下に示す式を用いて計算される。
Figure 0006415937
上式において、iは、例えば、超音波画像における画素の行番号を表している。jは、超音波画像における画素の列番号を表している。I(p、q)は、画像Iにおける位置(p、q)の画素値を表している。T(p、q)は、画像Tにおける位置(p、q)の画素値を表している。Mは、画像I、Tにおける画素(i、j)を中心とした類似度の計算に関する領域(以下、第2の領域と呼ぶ)において、行の画素数(以下、行数と呼ぶ)を規定するための偶数に対応する。Nは、画像I、Tにおける第2の領域において、列の画素数(以下、列数と呼ぶ)を規定するための偶数に対応する。すなわち、画素(i、j)に関する類似度は、画素の位置(i、j)を中心とする行数Mと列数Nとで規定される第2の領域の画素値を用いて計算される。第2の領域とは、M×Nで規定される矩形領域である。
なお、画像Iまたは画像Tにおける画素値の領域(以下、画像領域と呼ぶ)に第2の領域の部分領域が包含されない場合、画像領域と第2の領域との重複部分の領域において、類似度が計算される。すなわち、画像領域から第2の領域の部分領域が突出した場合、部分領域における画像I、Tの画素値は存在しないため、上式における和の範囲(上限または下限)は、画像領域と第2の領域の部分領域との重複領域に限定される。
Figure 0006415937
は、画像Iにおけるあらゆる画素値の和を全画素数で除した平均画素値を示す。
Figure 0006415937
は、画像Tにおけるあらゆる画素値の和を全画素数で除した平均画素値を示す。
画素(i、j)に関する類似度Rijは、0.0乃至1.0の値をとるものとする。なお、類似度Rijの計算結果が0.0以下、すなわちゼロまたはマイナスである場合、この類似度Rijの値は、0にクリッピングされる。なお、画素(i、j)に関する類似度Rijは、上記式に限定されず、任意の類似度の計算手法を用いて求められてもよい。また、例えば、処理速度を高めるために、全画素の類似度は、1.0に固定することも可能である。
重み生成部201は、複数のビーム方向にそれぞれ対応する複数の超音波画像各々において、画素を含む第1の領域における複数の画素値に基づいて、超音波画像各々の画素ごとに重み情報を生成する。重み生成部201は、生成した重み情報を方向合成部205に出力する。
具体的には、重み生成部201は、複数のビーム方向にそれぞれ対応する複数の超音波画像各々のデータをスキャンすることにより、1画素(対象画素、すなわち上記画素(i、j))ごとに、複数のビーム方向に応じた重みの分布を決定する。上記スキャンは、ラスタスキャンの順に行うことができる。重み生成部201は、対象画素ごとに、対象画素の周辺の複数の画素を有する第1の領域における複数の画素値を用いて、重みの分布を生成する。なお、画素値の代わりに輝度値が用いられてもよい。
図3は、重み生成の一例を示す図である。図3において、画素iを対象画素とした場合、画素iを中心とする(2r+1)×(2r+1)のサイズの矩形領域は、第1の領域を示している。この第1の領域内で、複数のビーム方向にそれぞれ対応する複数の超音波画像における画素値が、複数のビーム方向ごと、すなわち収集時刻毎に積算される。収集時刻ごとの画素値の積算値(以下、積算画素値と呼ぶ)の分布を積算分布と呼ぶ。rおよびrは、1以上の自然数であって、予め設定される。図3に示す例では。rは、2であって、rは1である。ある収集時刻tの超音波画像のデータにおける画素iの観測画素値(輝度値)をv(t、i)と定義したとき、積算分布のうち時刻(t―k)に対応するビン(積算画素値)の高さ(大きさ)h(t−k、i)は以下の式で計算される。
Figure 0006415937
上式において、Ω(i)は、第1の領域(2r+1)×(2r+1)を示している。jは、画素iを中心とする第1の領域Ω(i)に含まれる複数の画素である。なお、超音波画像各々における画像領域に第1の領域の部分領域が包含されない場合、画像領域と第1の領域との重複部分の領域内の画素値を用いて、重み情報が生成される。すなわち、画像領域から第1の領域の部分領域が突出した場合、部分領域に対応する超音波画像の画素値は存在しないため、上式における和の範囲Ω(i)は、画像領域と第1の部分領域との重複領域に限定される。
なお、第1の領域(Ω(i))と第2の領域(M×N)とは、異なる大きさの領域であってもよいし、同じ大きさであってもよい。
重み生成部201は、得られた積算分布のビンの高さh(t−k、i)を用いて、以下の式により画素iの重みw(t、i)を複数のビーム方向各々の重みとして生成する。
Figure 0006415937
上式におけるZは、以下の式で定義され、重みw(t、i)の総和が1になるように正規化する定数である。
Figure 0006415937
上式において、kは、収集時刻または過去の収集番号に対応する自然数である。また、nは、複数のビーム方向の数または過去の収集番号の最大値に対応する自然数である。例えば、図3において、nは、4となる。上記において説明した重みは、複数のビーム方向にそれぞれ対応する複数の超音波画像各々におけるランダムノイズの影響を抑制し、かつ類似度が高い場合には画素値(輝度値)が大きい画素に大きな重みを与えることができる。
一方、画素値(輝度値)が小さい画素に大きな重みを与えるために、重み生成部201は、重みw(t、i)の逆値を取るように、例えば、以下に示す式より、画素各々に対する逆値の重みw’(t、i)を生成する。
Figure 0006415937
上式において、Z’は、以下の式で定義され、逆値の重みw’(t、i)の総和が1になるように正規化する定数である。
Figure 0006415937
図4は、逆値の重みw’(t、i)に関する図である。重み生成部201は、逆値の重みw’(t、i)は、1から重みw(t、i)を減算して正規化させることにより算出される。図4に示すように逆値の重みw’(t、i)は、重みw(t、i)の逆値となる。重み生成部201は、重みw(t、i)と逆値の重みw’(t、i)とを重み情報として生成する。重み生成部201は、重み情報を、方向合成部205に出力する。
方向合成部205は、類似度情報と重み情報とを用いて、ステアリング角度が異なる複数の超音波画像を合成する。すなわち、方向合成部205は、類似度情報と重み情報とを用いて、複数のビーム方向にそれぞれ対応する複数の超音波画像を合成することにより、一つの合成画像を生成する。方向合成部205は、合成した合成画像を、表示部60に出力する。
具体的には、方向合成部205は、重みw(t、i)と逆値の重みw’(t、i)と類似度Rとを用いて、複数の超音波画像各々における画素iごとに、画素値を合成する。方向合成部205は、画素iにおける合成後の画素値vout(t、i)を、例えば、以下の式により計算する。画素iは、画素の位置(i、j)に対応し、Rは、Rijに対応する。
Figure 0006415937
以下、本第1の実施形態により、ランダムノイズの影響を抑えながら組織を明瞭に描出できる理由について述べる。体組織は、送信超音波が体組織に垂直に入射、反射したときに大きい画素値で表示される。従って、ビーム方向(ステアリング角度)が異なる複数の超音波画像のデータから、大きい画素値を有する画素値を用いて合成することにより、組織を高輝度で表示できる可能性が高い。
しかしながら、超音波画像のデータは、多くのランダムノイズを含んでおり、反射体である体組織が存在しない領域で偶然大きい画素値をとることもある。このとき、単純に大きい画素値だけを集めて合成すると、ノイズも合成することになり、結果として合成画像において体組織がランダムノイズに埋もれて視認性が低くなる。
そこで、本第1の実施形態では、あるサイズをもった局所ブロック(第1の領域Ω(i))内の統計的な積算分布を求める。ランダムノイズは平均0で信号に重畳されて観測されるため、複数のサンプル(第1の領域に含まれる複数の画素)を集めて平均すると0に収束していく。一方で、体組織は、1画素で独立に存在することは稀であり、一般的に複数の画素にまたがって存在する。そのため局所近傍で画素値の平均をとると、体組織が存在する領域では近傍画素が同じ時刻に大きい画素値をとると考えられる。
従って、局所ブロック内で画素値を積算するにつれて、体組織の存在により大きい値をとる画素値が、ランダムノイズにより大きくなる画素値よりも支配的になっていくことが期待される。つまり、積算分布のビンの高さは、統計的にどの方向のビームが組織を描出できるかを表す確率値と高い相関を持つと考えられる。この積算分布の高さを重みとして複数のビーム方向各々の超音波画像のデータを合成することで、ランダムノイズの影響を抑えながら体組織を明瞭に描出することが可能となる。更に、類似度情報を加えることで、矩形領域(第1の領域Ω(i))よりも大きな領域に亘るアーチファクトやノイズに対しても識別することが可能となる。加えて、類似度に応じた重み情報を用いることで、体組織を強調しながら、大きなアーチファクトやノイズを抑制することが可能となる。
第1の記憶部30は、ステアリング角度(ビーム方向)およびフォーカス深度が異なる複数の受信遅延パターン、およびステアリング角度(ビーム方向)が異なる複数の送信遅延パターンなどの異方向スキャン情報を記憶する。第1の記憶部30は、重み情報および類似度情報の生成に関するアルゴリズム(重み生成アルゴリズム、類似度生成アルゴリズム)、重み生成アルゴリズムおよび類似度生成アルゴリズムで用いられる各種計算式を記憶する。
また、第1の記憶部30は、複数のビーム方向にそれぞれ対応する複数の超音波画像を、重み情報および類似度情報を用いて合成するためのアルゴリズム(方向合成アルゴリズム)、合成アルゴリズムに用いられる各種計算式を記憶する。第1の記憶部30は、本超音波診断装置1の制御プログラム、診断プロトコル、送受信条件等の各種データ群、診断情報(患者ID、医師の所見等)、送受信部103により発生された受信信号、画像生成部105により構成された超音波画像を記憶する。
入力部40は、操作者からの各種指示・命令・情報・選択・設定を装置本体3に取り込む。入力部40は、図示していないトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード等の入力デバイスを有する。入力デバイスは、表示画面上に表示されるカーソルの座標を検出し、検出した座標を制御部109に出力する。なお、入力デバイスは、表示画面を覆うように設けられたタッチコマンドスクリーンでもよい。この場合、入力部40は、電磁誘導式、電磁歪式、感圧式等の座標読み取り原理でタッチ指示された座標を検出し、検出した座標を制御部109に出力する。また、操作者が入力部40の終了ボタンまたはフリーズボタンを操作すると、超音波の送受信は終了し、装置本体3は一時停止状態となる。
インターフェース部50は、ネットワーク、図示していない外部記憶装置および生体信号計測部に関するインターフェースである。装置本体3によって得られた超音波画像等のデータおよび解析結果等は、インターフェース部50とネットワークとを介して他の装置に転送可能である。なお、インターフェース部50は、ネットワークを介して、図示していない他の医用画像診断装置で取得された被検体に関する医用画像を、ダウンロードすることも可能である。
表示部60は、方向合成部205からの出力に基づいて、合成画像などを表示する。なお、表示部60は、表示された画像に対して、ブライトネス、コントラスト、ダイナミックレンジ、γ補正などの調整および、カラーマップの割り当てを実行してもよい。
制御部109は、操作者により入力部40を介して入力されたBモードとドプラモードとに対する選択、フレームレート、被走査深度、送信開始・終了に基づいて、第1の記憶部30に記憶された送信遅延パターン、受信遅延パターンと装置制御プログラムとを読み出し、これらに従って装置本体3を制御する。
例えば、入力部40を介して異方向スキャンの開始に関する指示(以下、異方向スキャン開始指示と呼ぶ)が入力されると、制御部109は、異方向スキャン情報を第1の記憶部30から読み出す。制御部109は、読み出した異方向スキャン情報に基づいて、送受信部103を制御する。このとき、制御部109は、重み生成アルゴリズムおよび各種計算式を第1の記憶部30から読み出す。制御部109は、読み出した重み生成アルゴリズムおよび各種計算式を用いて、重み生成部201を制御する。重み生成部201の制御により、重み情報が生成される。
また、入力部40を介して異方向スキャン開始指示が入力されると、制御部109は、類似度生成アルゴリズムおよび各種計算式を第1の記憶部30から読み出す。制御部109は、読み出した類似度生成アルゴリズムおよび各種計算式を用いて、類似度算出部203を制御する。類似度算出部203の制御により、類似度情報が生成される。
また、入力部40を介して異方向スキャン開始指示が入力されると、制御部109は、方向合成アルゴリズムおよび各種計算式を第1の記憶部30から読み出す。制御部109は、読み出した方向合成アルゴリズムおよび各種計算式を用いて、方向合成部205を制御する。方向合成部205の制御により、合成画像が生成される。
(方向合成機能)
方向合成機能とは、異方向スキャンにより発生された複数の超音波画像を合成する機能である。以下、方向合成機能に関する処理(以下、方向合成処理と呼ぶ)について説明する。
図5は、方向合成処理の手順を示すフローチャートである。
ステアリング角度(ビーム方向)が異なる複数の超音波画像が取得される(ステップS101)。本機能を医用画像処理装置5で実行する場合、ステアリング角度(ビーム方向)が異なる複数の超音波画像は、インターフェース部50(または取得部10)を介して、超音波診断装置、医用画像保管装置等から取得され、取得部10の第2の記憶部107に記憶される。この超音波画像のデータは、ビーム方向を変えながら撮影した2枚以上の複数の画像データであって、重み情報の生成、類似度情報の生成、合成画像の生成などに使用される。
ステップS101で取得した画像データを用いて、画素毎に周囲画素を含めた画素ブロック(第1の領域Ω(i))内の積算分布が生成される(ステップS102)。すなわち、同一位置の画素各々において、複数の超音波画像各々に対して、第1の領域における複数の画素値の積算値の分布を示す積算分布が生成される。画素毎に生成された積算分布のビンの高さに基づいて、各ビーム方向におよび画素各々に割り当てる重み情報が生成される(ステップS103)。
複数のビーム方向各々の画像データから類似度が算出され、類似度情報が生成される(ステップS104)。すなわち、複数の超音波画像のうち、超音波画像における画素値に基づいて、画素各々に対する類似度情報が生成される。
生成された重み情報と類似度情報とを用いて、各ビーム方向の画像のデータが重み付け加算され、合成画像が生成される(ステップS105)。
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態に係る超音波診断装置1によれば、異方向スキャンに基づいて発生された複数の超音波画像における複数の画素において、第1の領域に含まれる複数の画素に対応する複数の画素値に基づいて重み情報を発生し、第2の領域に含まれる複数の画素に対応する複数の画素値に基づいて、類似度情報を生成することができる。さらに、本超音波診断装置1によれば、異方向スキャンに基づいて発生された複数の超音波画像における複数の画素値と、重み情報および類似度情報とに基づいて、合成画像を生成することができる。
これにより、本超音波診断装置1によれば、ランダムノイズの影響を抑えながら、矩形領域(第1の領域Ω(i))よりも大きな領域に亘るアーチファクトおよびノイズを低減し、体組織を明瞭に描出した合成画像を表示することができる。
加えて、本実施形態の超音波診断装置1によれば、重み付けにおいて逆値の重みを用いることで、以下のような効果を奏する。対象画素における類似度が低い場合、この対象画素にはノイズが混入している可能性が高くなる。このため、対象画素に関する複数の画素値のうち、小さい画素値に対する重みを大きくする、すなわち、逆地の重みを用いることで、合成画像における対象画素におけるノイズの影響を低減させることができる。
以上のことから、本超音波診断装置1によれば、ノイズを抑制しながら、体組織の描出性能を向上させた超音波画像を表示することができる。
また、上記実施形態の変形例として、本超音波診断装置1の技術的思想を医用画像処理装置5で実現する場合には、例えば図1の構成図における2点鎖線内の構成要素を有するものとなる。この時、方向合成処理に係る複数の処理については、第1の実施形態と同様である。
(第2の実施形態)
第1の実施形態との相違は、以下に示す3点である。本実施形態に係る超音波診断装置1は、同一断面において、ステアリング角度を固定して、かつ複数の送信中心周波数でそれぞれ超音波走査することにより、複数の送信中心周波数にそれぞれ対応する複数の超音波画像を発生する。次いで、本超音波診断装置1は、超音波画像各々における複数の画素に対応する複数の画素値を、画像の大まかな構造(以下、大域的構造と呼ぶ)を示す大域成分と、画像の細かな構造(以下、局所的構造と呼ぶ)を示す局所成分とに分解する。さらに、本超音波診断装置1は、送信中心周波数が異なる大域成分と局所成分とを合成することにより、合成画像を発生する。
図6は、第2の実施形態の構成の一例を示すブロック図である。第2の実施形態では、送信中心周波数に係る周波数帯を制御して得られた複数の超音波画像のデータを合成して出力する。なお、取得部10と表示部60との構成は、第1の実施形態と同様である。取得部10から合成部20に入力される超音波画像のデータは、予め設定した2周波数帯以上の複数の送信中心周波数にそれぞれ対応する複数の超音波画像のデータである。
第1の実施形態との構成上の相違は、合成部20に包含される構成要素にある。具体的には、合成部20は、成分分解部207と、強調部209と、成分合成部211とを有する。
第1の記憶部30は、送信中心周波数が異なるスキャン(以下、周波数相違スキャンと呼ぶ)に関する情報(以下、周波数相違スキャン情報と呼ぶ)。を記憶する。周波数相違スキャン情報とは、例えば、超音波スキャンごとに異なる複数の送信中心周波数、複数の送信周波数に関する周波数帯、複数の送信周波数にそれぞれ対応する複数の送信遅延パターンなどである。
また、第1の記憶部30は、超音波画像における複数の画素各々の画素値を、大域成分と局所成分とに分解する分解アルゴリズムおよび、分解アルゴリズムに関する各種計算式を記憶する。なお、画素値は、多成分に分離されてもよい。第1の記憶部30は、複数の送信周波数各々にそれぞれ対応する大域成分と局所成分とを異なる送信周波数において合成するアルゴリズム(周波数合成アルゴリズム)を記憶する。また、第1の記憶部30は、局所成分を強調する強調アルゴリズム、および強調アルゴリズムで用いられる各種フィルタ(エッジ検出フィルタなど)を記憶する。
制御部109は、例えば、入力部40を介して周波数相違スキャンの開始に関する指示(以下、周波数相違スキャン開始指示と呼ぶ)が入力されると、周波数相違スキャン情報を第1の記憶部30から読み出す。次いで、制御部109は、周波数相違スキャン情報等に基づいて、送受信部103を制御する。このとき、制御部109は、分解アルゴリズムおよび分解アルゴリズムに関する各種計算式を、第1の記憶部30から読み出す。制御部109は、読み出した分解アルゴリズム及び各種数式を用いて、成分分解部207を制御する。成分分解部207の制御により、超音波画像各々に対して大域成分と局所成分とが生成される。
また、入力部40を介して周波数相違スキャン開始指示が入力されると、制御部109は、強調アルゴリズムおよび各種フィルタを第1の記憶部30から読み出す。制御部109は、読み出した強調アルゴリズムおよびフィルタを用いて、強調部209を制御する。強調部209の制御により、局所成分を強調した強調局所成分が生成される。
また、入力部40を介して異方向スキャン開始指示が入力されると、制御部109は、成分合成アルゴリズムを第1の記憶部30から読み出す。制御部109は、成分合成アルゴリズムに従って、成分合成部211を制御する。成分合成部211の制御により、合成画像が生成される。
成分分解部207は、取得部10により得られる異なる周波数帯の複数の超音波画像のデータを、大域的構造を示す大域成分と、局所的構造を示す局所成分とに分解する。大域成分は、直流成分とも称される。また、局所成分は、交流成分とも称される。具体的には、成分分解部207は、例えば、以下に示す式を用いて、時刻tで収集された超音波画像における画素iの画素値v(t、i)を、大域成分S(t、i)と局所成分L(t、i)とに分解する。
Figure 0006415937
具体的には、成分分解部207は、まず、以下に示す式を用いて、画素iに対する大域成分を計算する。
Figure 0006415937
上式において、Ψ(i)は、画素iに関する大域成分の計算に関する領域(以下、第3の領域と呼ぶ)である。第3の領域Ψ(i)は、画素iを中心として、行および列方向にrだけ離れた位置を境界とする矩形のブロックである。すなわち、第3の領域Ψ(i)に含まれる画素数は、(2r+1)×(2r+1)=(2r+1)である。上式から明らかなように、大域成分は、画素iを中心とする第3の領域Ψ(i)に含まれる複数の画素にそれぞれ対応する複数の画素値の平均値に相当する。
なお、超音波画像の画像領域に第3の領域の部分領域が包含されない場合、画像領域と第3の領域との重複部分の領域において、大域成分が計算される。すなわち、画像領域から第3の領域の部分領域が突出した場合、部分領域における超音波画像の画素値は存在しないため、上式における和の範囲Ψ(i)および分母(2r+1)は、画像領域と第3の部分領域との重複領域に限定される。
次いで、成分分解部207は、以下に示す式を用いて、画素iに対する局所成分L(t、i)を計算する。
Figure 0006415937
上式に示すように、画素iに対する局所成分L(t、i)は、画素iに対する画素値v(t、i)から、大域成分S(t、i)を差分することにより計算される。
第2の実施形態では、超音波画像を成分分解部207で大域成分と局所成分とに分解した上で、それぞれの成分を補正し、成分合成部211で再度合成することで、体組織の視認性の向上を図る。成分分解部207では、下記の手法を成分毎または画素や領域毎に選択的に切り替えてもよい。
<成分設定手法1:選択方式>
成分分解部207は、異なる送信中心周波数で撮像された複数の超音波画像のデータから、1つの大域成分と、この大域成分とは異なる送信中心周波数の局所成分を選択する。大域成分の選択の方法としては、例えば、ノイズが少ない送信中心周波数、または予め設定された送信中心周波数に対応する大域成分である。局所成分の選択の方法としては、例えば、体組織の連続性が高い送信中心周波数、または予め設定された送信中心周波数である。成分分解部207は、選択した局所成分を、強調部209に出力する。成分分解部207は、選択した大域成分を、強調部209と成分合成部211とに出力する。
大域成分の選択において、ノイズが少ない送信中心周波数または予め設定された送信中心周波数は、例えば、複数の送信中心周波数のうち最も高い送信中心周波数である。また、局所成分の選択において、体組織の連続性が高い送信中心周波数または予め設定された送信中心周波数は、例えば、複数の送信中心周波数のうち最も低い送信中心周波数である。
<成分設定手法2:合成方式>
成分分解部207は、複数の送信中心周波数にそれぞれ対応する複数の大域成分に対して、重み付け加算を実行することにより、新たな大域成分(以下、重み付け加算大域成分と呼ぶ)を生成する。成分分解部207は、複数の送信中心周波数にそれぞれ対応する複数の局所成分に対して、重み付け加算を実行することにより、新たな局所成分(以下、重み付け加算局所成分と呼ぶ)を生成する。大域成分に対する重みは、大域成分のノイズを低減させるように、送信中心周波数に応じて予め設定される。局所成分に対する重みは、体組織の連続性が高くなるように、送信中心周波数に応じて予め設定される。成分分解部207は、重み付け加算局所成分を、強調部209に出力する。成分分解部207は、重み付け加算大域成分を、強調部209と成分合成部211とに出力する。
具体的には、例えば、送信中心周波数が2種類(以下、高周波数、低周波数と呼ぶ)の場合、高周波数に関する大域成分の重みは、低周波数に関する大域成分の重みより大きい。また、高周波数に関する局所成分の重みは、低周波数に関する局所成分の重みより小さい。
強調部209は、成分分解部207から出力された大域成分および局所成分を入力として、成分分解部207から出力された局所成分を強調する処理(以下、強調処理と呼ぶ)を実行する。強調処理により、成分分解部207から出力された局所成分(重み付け加算局所成分または選択された局所成分)の視認性は、向上する。
具体的には、強調部209は、成分分解部207から出力された大域成分(重み付け加算大域成分または選択された大域成分)に対して、例えば、エッジ検出を実行する。強調部209は、エッジ検出により、エッジの度合いを決定する。強調部209は、エッジの度合いを係数(以下、強調係数と呼ぶ)として、成分分解部207から出力され局所成分(重み付け加算局所成分または選択された局所成分)に乗算することにより、強調された局所成分(以下、強調局所成分と呼ぶ)を生成する。強調部209は、強調局所成分Lenを、成分合成部211に出力する。強調部209は、成分分解部207から出力された大域成分と局所成分とに基づいて、局所成分を強調した強調局所成分を生成する。
強調部209で用いられるエッジの検出方法は、例えば、キャニー(Canny)フィルタ、ソーベル(Sobel)フィルタなどのエッジ検出フィルタである。なお、強調部209は、エッジ情報(エッジの度合い)を用いずに、所定の固定係数を、成分分解部207から出力され局所成分(重み付け加算局所成分または選択された局所成分)に乗算してもよい。このように、体組織の細かな模様を表す局所成分を強調することで、体組織をより明瞭に描出できるようになり、視認性が向上する。
成分合成部211は、送信中心周波数が異なる大域成分と強調局所成分とを合成することにより合成画像を生成する。具体的には、成分合成部211は、成分分解部207から出力された大域成分と、強調部209から出力された強調局所成分Len(t、i)とを、以下の式に示すように、加算することで画素iの合成後の輝度値(画素値)vout(t、i)を求める。
Figure 0006415937
すなわち、ノイズの少ない大域成分と、体組織の連続性が高く、体組織の描出性を向上させた強調局所成分とを足し合わせることで、より視認性の高い合成画像を生成することができる。
(成分合成機能)
成分合成機能とは、周波数相違スキャンにより発生された複数の超音波画像を大域成分と局所成分とに分解し、選択または重みづけ加算された局所成分をエッジ度合いに応じて強調した強調局所成分と、選択または重み付け加算された大域成分とを合成することにより、合成画像を発生する機能である。以下、成分合成機能に関する処理(以下、成分合成処理と呼ぶ)について説明する。
図7は、成分合成処理の手順を示すフローチャートである。
取得部10により、送信中心周波数が異なる複数の超音波画像が取得される(ステップS201)。本機能を医用画像処理装置5で実行する場合、インターフェース部50または取得部10を介して、送信中心周波数が異なる複数の超音波画像が、超音波診断装置、医用画像保管装置等から取得される。これらの超音波画像のデータは、送信中心周波数を変更しながら実行された複数の超音波スキャンに対応する2枚以上の複数の超音波画像の画像データであって、局所成分の強調や合成画像の生成などに使用される。
取得された超音波画像各々のデータを、大域成分と局所成分とに分解し、適切な大域成分と局所成分とを、強調部209に出力する(ステップS202)。すなわち、複数の超音波画像各々の複数の画素各々において、画素に対応する画素値が、大域成分と局所成分とに分解される。
大域成分に基づいて、複数の局所成分にそれぞれ対応する複数の強調係数が算出される(ステップS203)。算出された強調係数を、対応する局所成分に乗算することにより、強調局所成分が生成される(ステップS204)。大域成分と、強調局所成分とを加算(合成)することで、合成画像を生成する(ステップS205)。
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態に係る超音波診断装置1によれば、周波数相違スキャンに基づいて発生された複数の超音波画像における複数の画素にそれぞれ対応する複数の画素値各々を、大域成分と局所成分とに分解することができる。次いで、選択または重み付け加算された大域成分に基づいて計算された強調係数を、選択または重み付け加算された局所成分に乗算することで、強調局所成分を生成することができる。さらに、本超音波診断装置1によれば、選択または重み付け加算された大域成分と強調局所成分とを、送信中心周波数を相違させて、合成することにより合成画像を生成することができる。
これにより、本超音波診断装置によれば、第3の領域におけるノイズおよび超音波画像全域におけるランダムノイズの影響を抑えながら、体組織の連続性を向上させ、かつ体組織の細かな模様を強調した合成画像を表示することができる。
以上のことから、本超音波診断装置1によれば、ノイズを抑制しながら、体組織の描出性能を向上させた超音波画像を表示することができる。
また、上記実施形態の変形例として、本超音波診断装置1の技術的思想を医用画像処理装置5で実現する場合には、例えば図6の構成図における2点鎖線内の構成要素を有するものとなる。この時、成分合成処理に係る複数の処理については、第2の実施形態と同様である。
(第3の実施形態)
第1および第2の実施形態との相違は、まず、ビーム方向および送信中心周波数が異なる複数の超音波画像が取得される。次いで、ビーム方向が異なる複数の超音波画像に対して、方向合成処理を適用することにより、送信中心周波数が異なる複数の方向合成画像を発生する。さらに、送信中心周波数が異なる複数の方向合成画像に対して成分合成処理を適用することにより、合成画像を発生することである。なお、第1の領域(Ω(i))と第2の領域(M×N)と第3の領域Ψ(i)とは、異なる大きさの領域であってもよいし、同じ大きさであってもよい。
図8は、第3の実施形態の構成の一例を示すブロック図である。第3の実施形態では、ビーム方向及び送信中心周波数を制御して得られた複数の超音波画像のデータを合成して出力する。なお、取得部10と表示部60との構成は、第1、第2の実施形態と同様である。なお、第1、第2の実施形態における取得部10に包含される第2の記憶部107は、本第3の実施形態において第2の記憶部111に対応する。取得部10から合成部20に入力される複数の超音波画像のデータは、ビーム方向及び送信中心周波数を制御した2方向以上及び2送信周波数以上の複数の超音波画像のデータである。
合成部20は、重み生成部201と、類似度算出部203と、方向合成部205と、第3の記憶部206と、成分分解部207と、強調部209と、成分合成部211とを備える。重み生成部201は、取得部10により得られた異なるビーム方向及び異なる送信中心周波数の複数の超音波画像のデータについて、各画素iに周囲画素を含めた画素ブロック(第1の領域Ω(i))内の積算分布を用いて、各ビーム方向に割り当てる重み情報を生成する。重み情報の生成方法は、第1の実施形態と同様とする。
なお、重み生成部201は、異なる送信中心周波数に対応する複数の超音波画像のデータから生成された重み情報セット各々を、適応的に選択して、他の送信中心周波数に関する超音波画像での各画素に対する重み情報として用いてもよい。例えば、複数の送信中心周波数のうち低い送信中心周波数に関する超音波画像は、スペックルノイズが大きいため、体組織の信号と誤認識される可能性がある。一方、複数の送信中心周波数のうち高い送信中心周波数に関する超音波画像では、スペックルのパターンが細かく現れる。これらのことから、重み生成部201は、複数の送信中心周波数のうち高い送信中心周波数に関する超音波画像を用いて、重み情報を生成してもよい。
類似度算出部203では、複数のビーム方向にそれぞれ対応する複数の超音波画像各々における同じ位置での類似度を各画素で算出し、類似度情報を生成する。類似度情報の生成方法は、第1の実施形態と同様とする。
方向合成部205は、重み情報と類似度情報を用いて、複数のビーム方向ごとの超音波画像を合成して、複数の送信中心周波数にそれぞれ対応する方向合成画像を生成する。生成された複数の方向合成画像は、第3の記憶部206に保持される。
成分分解部207は、異なる複数の送信中心周波数にそれぞれ対応する複数の方向合成画像各々のデータを、大域成分と局所成分とに分解し、大域成分および局所成分を補正(例えば重み付け加算等)して出力する。分解方法及び設定方法は、第2の実施形態と同様とする。
強調部209は、大域成分を利用して、分解された局所成分を強調する。強調方法については、第2の実施形態と同様とする。
成分合成部211は、生成された強調局所成分と大域成分を加算して合成することで、1枚の合成画像を生成する。
(方向成分合成機能)
方向成分合成機能とは、異方向スキャンおよび周波数相違スキャンにより発生された複数の超音波画像のうちビーム方向が異なる複数の超音波画像に対して方向合成機能を適用することで方向合成画像を生成し、次いで、送信中心周波数が異なる複数の方向合成画像に対して成分合成機能を適用することで、合成画像を生成する機能である。以下、方向成分合成機能に関する処理(以下、方向成分合成処理と呼ぶ)について説明する。
図9は、方向成分合成処理の手順の一例を示すフローチャートである。
取得部10により、異方向スキャンおよび周波数相違スキャンによって、ステアリング角度(ビーム方向)および送信中心周波数が異なる複数の超音波画像が取得される(ステップS301)。これらの超音波画像のデータは、ビーム方向及び送信中心周波数を変更した2枚以上の複数の超音波画像のデータであり、局所成分の強調や合成画像の生成などに使用される。
超音波画像のデータを用いて、画素毎に周囲画素を含めた画素ブロック(第1の領域Ω(i))内の積算分布が生成される(ステップS302)。具体的には、同一位置の画素各々において、ステアリング角度が異なる複数の超音波画像各々に対して、第1の領域における複数の画素値の積算値の分布を示す積算分布が生成される。
画素毎に生成された積算分布のビンの高さ(h(t−k、i)の大きさ)から、画素ごとおよびビーム方向ごとに割り当てる重み情報が生成される(ステップS303)。すなわち、積算分布に基づいて、画素各々に対する重み情報が生成される。
複数のビーム方向に対応する複数の超音波画像のデータから類似度が算出され、類似度情報が生成される(ステップS304)。具体的には、ステアリング角度が異なる超音波画像のうち、超音波画像における画素値に基づいて、画素各々に対する類似度情報が生成される。
重み情報と類似度情報とを用いて、各ビーム方向の超音波画像のデータを重み付け加算し、方向合成画像を合成する。この時、生成される方向合成画像は、送信中心周波数帯毎にそれぞれ生成される(ステップS305)。すなわち、ステアリング角度が異なる超音波画像各々における画素値と重み情報と類似度情報とに基づいて、方向合成画像が生成される。
複数の方向合成画像各々のデータにおける複数の画素値を、大域成分と局所成分とに分解し、適切な大域成分と局所成分とを、強調部209に出力する(ステップS306)。なお、大域成分は、成分合成部211にも出力される。具体的には、送信中心周波数が異なる方向合成画像各々の複数の画素各々において、画素に対応する画素値が、大域成分と局所成分とに分解される。
大域成分を用いて、局所成分へ乗算する強調係数が決定される(ステップS307)。すなわち、大域成分に基づいて、複数の局所成分にそれぞれ対応する複数の強調係数が計算される。
強調係数を用いて、強調局所成分が生成される(ステップS308)。すなわち、強調係数を、対応する局所成分に乗算することにより、強調局所成分が生成される。
大域成分と、強調局所成分とを加算することで、合成画像が生成される(ステップS309)。すなわち、送信中心周波数がそれぞれ異なる大域成分と強調局所成分とを合成することにより、合成画像が生成される。
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態に係る超音波診断装置1によれば、異方向スキャンと周波数相違スキャンとに基づいて発生された複数の超音波画像のうちビーム方向が異なる複数の超音波画像に対して方向合成機能を適用することで方向合成画像を生成し、次いで、送信中心周波数が異なる複数の方向合成画像に対して成分合成機能を適用することで、合成画像を生成することができる。
これにより、本超音波診断装置1によれば、超音波画像全域におけるランダムノイズの影響と、矩形領域(第1の領域Ω(i))よりも大きな領域に亘るアーチファクトと、第3の領域におけるノイズとを抑えながら、体組織の連続性を向上させ、かつ体組織の細かな模様を強調した合成画像を表示することができる。
以上のことから、本超音波診断装置1によれば、ノイズを抑制しながら、体組織の描出性能を向上させた超音波画像を表示することができる。
また、上記実施形態の変形例として、本超音波診断装置1の技術的思想を医用画像処理装置5で実現する場合には、例えば図8の構成図における2点鎖線内の構成要素を有するものとなる。この時、方向成分合成処理に係る複数の処理については、第3の実施形態と同様である。
(第4の実施形態)
第1乃至第3の実施形態との相違は、まず、ビーム方向および送信中心周波数が異なる複数の超音波画像が取得される。次いで、送信中心周波数が異なる複数の超音波画像に対して成分合成処理を適用することにより、ビーム方向が異なる複数の成分合成画像を発生する。さらに、ビーム方向が異なる複数の成分合成画像に対して、方向合成処理を適用することにより、成画像を発生する。なお、第1の領域(Ω(i))と第2の領域(M×N)と第3の領域Ψ(i)とは、異なる大きさの領域であってもよいし、同じ大きさであってもよい。
図10は、第4の実施形態の構成の一例を示すブロック図である。第4の実施形態では、ビーム方向及び送信中心周波数を制御して得られた複数の超音波画像のデータを合成して出力する。なお、取得部10と表示部60との構成は、第1乃至第3の実施形態と同様である。なお、第1、第2の実施形態における取得部10に包含される第2の記憶部107は、本第4の実施形態において第2の記憶部111に対応する。取得部10から合成部20に入力される複数の超音波画像のデータは、ビーム方向及び送信中心周波数を制御した2方向以上及び2送信周波数以上の複数の超音波画像のデータである。
合成部20は、重み生成部201と、類似度算出部203、方向合成部205と、第3の記憶部206と、成分分解部207と、強調部209と、成分合成部211とを備える。
成分分解部207は、異なる複数の送信中心周波数にそれぞれ対応する複数の超音波画像各々のデータを、大域成分と局所成分とに分解し、大域成分および局所成分を補正(例えば重み付け加算等)して出力する。分解方法及び設定方法は、第2の実施形態と同様とする。
強調部209は、大域成分を利用して、分解された局所成分を強調する。強調方法については、第2の実施形態と同様とする。
成分合成部211は、生成された強調局所成分と大域成分を加算して合成することで、ビーム方向が弧なる複数の成分合成画像を生成する。生成された複数の成分合成画像は、第3の記憶部206に保持される。
重み生成部201は、ビーム方向が異なる複数の成分合成画像のデータについて、各画素iに周囲画素を含めた画素ブロック(第1の領域Ω(i))内の積算分布を用いて、画素ごとおよびビーム方向ごとに割り当てる重み情報を生成する。重み情報の生成方法は、第1の実施形態と同様とする。
類似度算出部203では、複数のビーム方向にそれぞれ対応する複数の成分合成画像各々における同じ位置での類似度を各画素で算出し、類似度情報を生成する。類似度情報の生成方法は、第1の実施形態と同様とする。
方向合成部205は、重み情報と類似度情報を用いて、複数のビーム方向ごとの成分合成画像を合成して、1枚の合成画像を生成する。
(成分方向合成機能)
成分方向合成機能とは、異方向スキャンおよび周波数相違スキャンにより発生された複数の超音波画像のうち送信中心周波数が異なる複数の超音波画像に対して成分合成機能を適用することで成分合成画像を生成し、次いで、ビーム方向が異なる複数の成分合成画像に対して方向合成機能を適用することで、合成画像を生成する機能である。以下、成分方向合成機能に関する処理(以下、成分方向合成処理と呼ぶ)について説明する。
図11は、成分方向合成処理の手順の一例を示すフローチャートである。
取得部10により、異方向スキャンおよび周波数相違スキャンによって、ステアリング角度(ビーム方向)および送信中心周波数が異なる複数の超音波画像が取得される(ステップS401)。これらの超音波画像のデータは、ビーム方向及び送信中心周波数を変更した2枚以上の複数の超音波画像のデータであり、重み情報の生成、局所成分の強調や合成画像の生成などに使用される。
複数の超音波画像各々のデータにおける複数の画素値を、大域成分と局所成分とに分解し、適切な大域成分と局所成分とを、強調部209に出力する(ステップS402)。なお、大域成分は、成分合成部211にも出力される。具体的には、送信中心周波数が異なる方向合成画像各々の複数の画素各々において、画素に対応する画素値が、大域成分と局所成分とに分解される。
大域成分を用いて、局所成分へ乗算する強調係数が決定される(ステップS403)。すなわち、大域成分に基づいて、複数の局所成分にそれぞれ対応する複数の強調係数が計算される。
強調係数を用いて、強調局所成分が生成される(ステップS404)。すなわち、強調係数を、対応する局所成分に乗算することにより、強調局所成分が生成される。
大域成分と、強調局所成分とを加算することで、成分合成画像が生成される(ステップS405)。すなわち、送信中心周波数がそれぞれ異なる大域成分と強調局所成分とを合成することにより、ビーム方向ごとに1枚の成分合成画像が生成される。
成分合成画像のデータを用いて、画素毎に周囲画素を含めた画素ブロック(第1の領域Ω(i))内で積算分布が生成される(ステップS406)。具体的には、同一位置の画素各々において、ステアリング角度が異なる複数の超音波画像各々に対して、第1の領域における複数の画素値の積算値の分布を示す積算分布が生成される。
画素毎に生成された積算分布に基づいて、画素ごとおよびビーム方向ごとに割り当てる重み情報が生成される(ステップS407)。すなわち、積算分布に基づいて、画素各々に対する重み情報が生成される。
複数のビーム方向に対応する複数の成分合成画像のデータから類似度が算出され、類似度情報が生成される(ステップS408)。具体的には、ステアリング角度が異なる成分合成画像のうち、超音波画像における画素値に基づいて、画素各々に対する類似度情報が生成される。
重み情報と類似度情報とを用いて、各ビーム方向の成分合成画像のデータを重み付け加算し、合成画像を合成する(ステップS409)。すなわち、ステアリング角度が異なる成分合成画像各々における画素値と重み情報と類似度情報とに基づいて、合成画像が生成される。
なお、第3の実施形態と第4の実施形態とは、いずれもビーム方向と送信中心周波数とを変化させた画像を入力とするため、画像に応じて各実施形態を切り替えることも可能である。
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態に係る超音波診断装置1によれば、異方向スキャンと周波数相違スキャンとに基づいて発生された複数の超音波画像のうち送信中心周波数が異なる複数の超音波画像に対して成分合成機能を適用することで成分合成画像を生成し、次いで、ビーム方向が異なる複数の成分合成画像に対して方向合成機能を適用することで、合成画像を生成することができる。
これにより、本超音波診断装置によれば、超音波画像全域におけるランダムノイズの影響と、矩形領域(第1の領域Ω(i))よりも大きな領域に亘るアーチファクトと、第3の領域におけるノイズとを抑えながら、体組織の連続性を向上させ、かつ体組織の細かな模様を強調した合成画像を表示することができる。
以上のことから、本超音波診断装置1によれば、ノイズを抑制しながら、体組織の描出性能を向上させた超音波画像を表示することができる。
また、上記実施形態の変形例として、本超音波診断装置1の技術的思想を医用画像処理装置で実現する場合には、例えば図10の構成図における2点鎖線内の構成要素を有するものとなる。この時、成分方向合成処理に係る複数の処理については、第4の実施形態と同様である。
加えて、第1乃至第4の実施形態に係る各機能(方向合成機能、成分合成機能、方向成分合成機能、成分方向合成機能等)は、当該処理を実行するプログラムをワークステーション等のコンピュータにインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても実現することができる。このとき、コンピュータに当該手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することも可能である。
また、本実施形態における各種機能を適用することにより発生された断面画像を、奥行き方向に連続的に撮像するボリュームスキャンとしての活用も可能とする。なお、第1乃至第4の実施形態に係る各部は、1つまたは複数の電子回路(例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサ、メモリ、ASIC(application specific integrated circuits)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の電子回路)により構成されてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…超音波診断装置、3…装置本体、5…医用画像処理装置、10…取得部、20…合成部、30…第1の記憶部、40…入力部、50…インターフェース部、60…表示部、101…超音波プローブ、103…送受信部、105…画像生成部、107…第2の記憶部、109…制御部、111…第2の記憶部、201…重み生成部、203…類似度算出部、205…方向合成部、206…第3の記憶部、207…成分分解部、209…強調部、211…成分合成部。

Claims (8)

  1. 同一断面においてそれぞれ異なるステアリング角度で少なくとも一部重複させる複数の超音波走査にそれぞれ対応する複数の断面画像を取得する取得部と、
    前記断面画像各々における複数の画素各々において、前記画素を含む所定の領域における複数の画素値に基づいて、前記断面画像各々の前記画素ごとに重み情報を生成する重み生成部と、
    前記重み情報を用いて、前記ステアリング角度が異なる前記断面画像を合成することにより合成画像を生成する方向合成部と、
    を具備し、
    前記重み生成部は、
    前記所定の領域ごとおよび前記ステアリング角度ごとに、前記所定の領域に含まれる複数の画像にそれぞれ対応する複数の画素値を積算した積算値を計算し、
    前記ステアリング角度に対する前記積算値の分布を示す積算分布に基づいて、前記重み情報を生成すること、
    を特徴とする医用画像処理装置。
  2. 前記取得部は、前記同一断面において複数の送信中心周波数で超音波走査された複数の断面画像をさらに取得し、
    前記重み生成部は、前記送信中心周波数が異なる前記断面画像各々における複数の画素各々において、前記重み情報を生成し、
    前記方向合成部は、前記送信中心周波数各々において、前記重み情報と前記断面画像とに基づいて、前記合成画像を生成し、
    前記送信中心周波数が異なる前記合成画像各々の複数の画素各々において、前記画素に対応する画素値を、前記画素が属する前記合成画像における大域的な構造を示す大域成分と、前記画素が属する前記合成画像における細かな構造を示す局所成分とに分解する成分分解部と、
    前記送信中心周波数が異なる前記大域成分前記局所成分と合成する成分合成部と、
    をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  3. 同一断面において複数の送信中心周波数にそれぞれ対応する複数の超音波走査により複数の断面画像を取得する取得部と、
    前記断面画像各々の複数の画素各々において、前記画素に対応する画素値を、前記画素を有する前記断面画像における大域的な構造を示す大域成分と、前記画素を有する前記断面画像における細かな構造を示す局所成分とに分解する成分分解部と、
    前記送信中心周波数が異なる前記大域成分前記局所成分と合成することにより合成画像を生成する成分合成部と、
    を具備し、
    前記取得部は、前記同一断面においてそれぞれ異なるステアリング角度で超音波走査された複数の断面画像をさらに取得し、
    前記成分分解部は、前記ステアリング角度が異なる前記断面画像各々の複数の画素各々において、前記画素に対応する画素値を前記大域成分と前記局所成分とに分解し、
    前記成分合成部は、前記ステアリング角度各々において、前記送信中心周波数が異なる前記大域成分と前記局所成分とを合成することにより合成画像を生成し、
    前記ステアリング角度が異なる前記合成画像各々における複数の画素各々において、前記画素を含む所定の領域における複数の画素値に基づいて、前記合成画像各々の前記画素ごとに重み情報を生成する重み生成部と、
    前記重み情報を用いて、前記ステアリング角度が異なる前記合成画像を合成する方向合成部と、
    をさらに具備し、
    前記重み生成部は、
    前記所定の領域ごとおよび前記ステアリング角度ごとに、前記所定の領域に含まれる複数の画像にそれぞれ対応する複数の画素値を積算した積算値を計算し、
    前記ステアリング角度に対する前記積算値の分布を示す積算分布に基づいて、前記重み情報を生成すること、
    を特徴とする医用画像処理装置。
  4. 前記大域成分と前記局所成分とに基づいて、前記局所成分を強調した強調局所成分を生成する強調部をさらに具備し、
    前記成分合成部は、前記送信中心周波数が異なる前記強調局所成分と前記大域成分とを合成すること、
    を特徴とする請求項2または3に記載の医用画像処理装置。
  5. 前記ステアリング角度が異なる前記断面画像の画素値に基づいて、前記画素各々における類似度を算出する類似度算出部をさらに具備し、
    前記方向合成部は、前記類似度と前記重み情報とを用いて、前記ステアリング角度が異なる前記断面画像を合成すること、
    を特徴とする請求項1、請求項2および請求項のうちいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
  6. 複数の超音波振動子を有する超音波プローブと、
    前記超音波振動子各々に駆動信号を供給し、前記各超音波振動子によって発生された各エコー信号に基づいて、前記同一断面に関する受信信号を発生する送受信部と、
    前記受信信号に基づいて、前記複数の超音波画像を生成する画像生成部と、
    請求項1乃至のうち、少なくともいずれかに記載の医用画像処理装置と、
    を備えた超音波診断装置。
  7. 同一断面においてそれぞれ異なるステアリング角度で超音波走査された複数の断面画像を取得し、
    前記断面画像各々における複数の画素各々において、前記画素を含む所定の領域における複数の画素値に基づいて、前記所定の領域ごとおよび前記ステアリング角度ごとに、前記所定の領域に含まれる複数の画像にそれぞれ対応する複数の画素値を積算した積算値を計算し、
    前記ステアリング角度に対する前記積算値の分布を示す積算分布に基づいて、前記断面画像各々の前記画素ごとに重み情報を生成し、
    前記重み情報を用いて、前記ステアリング角度が異なる前記断面画像を合成することにより合成画像を生成すること、
    を具備することを特徴とする医用画像処理方法。
  8. コンピュータに、
    同一断面においてそれぞれ異なるステアリング角度で超音波走査された複数の断面画像を取得する機能と、
    前記断面画像各々における複数の画素各々において、前記画素を含む所定の領域における複数の画素値に基づいて、前記所定の領域ごとおよび前記ステアリング角度ごとに、前記所定の領域に含まれる複数の画像にそれぞれ対応する複数の画素値を積算した積算値を計算し、前記ステアリング角度に対する前記積算値の分布を示す積算分布に基づいて、前記断面画像各々の前記画素ごとに重み情報を生成する機能と、
    前記重み情報を用いて、前記ステアリング角度が異なる前記断面画像を合成することにより合成画像を生成する機能と、
    を実現させることを特徴とする医用画像処理プログラム。
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