JP6418226B2 - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
(実験1)
質量比でC:0.035%、Si:3.33%、Mn:0.08%、N:25ppm、sol.Al:55ppm、S:12ppmを含んだ鋼スラブA、C:0.036%、Si:3.35%、Mn:0.08%、N:27ppm、sol.Al:52ppm、S:77ppmを含んだ鋼スラブB、C:0.035%、Si:3.32%、Mn:0.08%、N:27ppm、sol.Al:51ppm、S:75ppm、Sb:0.055%を含んだ鋼スラブCを各々連続鋳造にて製造し、1230℃で70分均熱するスラブ加熱を行った後、熱間圧延により2.0mmの厚さに仕上げた。このとき、熱間圧延の粗圧延後のシートバーの厚みは40mmであり、その粗圧延直後の幅方向中心部の表面温度を1本のシートバーにおける長手方向の最低温度を1010℃、最高温度を1060℃、すなわち変動代を50℃とした。その後、1000℃で30秒、乾燥窒素雰囲気の熱延板焼鈍を施した後、冷間圧延で0.23mmの板厚に仕上げた。
実験1で使用した、鋼スラブAと鋼スラブCを1200℃でスラブ加熱した後、熱間圧延により2.2mmの厚さに仕上げた。このとき、熱間圧延の粗圧延後のシートバーの厚みは50mmとし、またスラブ加熱時間やスラブ加熱終了から粗圧延開始までの時間を変化させることで、その粗圧延直後の幅方向中心部の表面温度について、1本のシートバーにおける温度変動代を種々変化させた。その後、1075℃で60秒、乾燥窒素雰囲気の熱延板焼鈍を施した後、冷間圧延で0.27mmの板厚に仕上げた。さらに、850℃で80秒、60%H2-40%N2、露点60℃の湿潤雰囲気下での脱炭をともなう一次再結晶焼鈍を施した。さらにMgOを主体とする焼鈍分離剤を塗布し、1200℃で10時間、水素雰囲気下で保定する二次再結晶焼鈍を行った。
1.質量%で、
C:0.100%以下、
Si:2.00%以上8.00%以下、
Mn:0.02%以上1.00%以下、
Sおよび/またはSeを合計で0.0050%超0.0100%以下並びに
Snおよび/またはSbを合計で0.005%以上1.000%以下
を含有し、Nを70ppm未満および酸可溶性Alを150ppm未満に抑制し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブを1300℃以下で加熱し、
該加熱後の鋼スラブに熱間圧延を施して熱延鋼板とし、
該熱延鋼板に、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚を有する冷延鋼板とし、
該冷延鋼板に一次再結晶焼鈍を施し、その後、二次再結晶焼鈍を施す方向性電磁鋼板の製造方法であって、
前記熱間圧延の粗圧延直後のシートバーの幅方向中心部における、表面温度の該シートバーの長手方向変動を100℃以内とする方向性電磁鋼板の製造方法。
質量%で、
Ni:0.005%以上1.5%以下、
Cu:0.005%以上1.5%以下、
Cr:0.005%以上0.1%以下、
P:0.005%以上0.5%以下、
Mo:0.005%以上0.5%以下、
Ti:0.0005%以上0.1%以下、
Nb:0.0005%以上0.1%以下、
V:0.0005%以上0.1%以下、
B:0.0002%以上0.0025%以下、
Bi:0.005%以上0.1%以下、
Te:0.0005%以上0.10%以下および
Ta:0.0005%以上0.01%以下
のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する、上記1または2に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
Cは0.100%を超えると、脱炭焼鈍で、磁気時効の起こらない0.005%以下に低減することが困難となる。よって、Cは0.100%以下の範囲とするのが好ましい。より好ましくは0.020〜0.080%の範囲である。
Siは、鋼の比抵抗を高め、鉄損を低減すのに必要な元素である。上記効果は、2.00%未満では十分ではなく、一方、8.00%を超えると、加工性が低下し、圧延して製造すること困難となる。よって、Siは2.00〜8.00%の範囲とするのが好ましい。より好ましくは2.50〜4.50%の範囲である。
Mnは、鋼の熱間加工性を改善するために必要な元素である。上記効果は、0.02%未満では十分ではなく、一方、1.00%を超えると、製品板の磁束密度が低下するようになる。よって、Mnは0.02〜1.00%の範囲とするのが好ましい。より好ましくは0.03〜0.20%の範囲である。
Nを70ppm未満、かつsol.Alを150ppm未満に低減する必要がある。すなわち、両成分を極力低減することによって、AlN系析出物の生成を抑制することが、SやSeの効果を減じない点で有利である。上記の通り、Nおよびsol.Alは、極力低減することが好ましいが、その低減のためには多大なコストを要することから、N:70ppm未満およびsol.Al:150ppm未満の範囲での残存は許容される。Nはより好ましくは50ppm未満であり、sol.Alは好ましくは100ppm未満である。なお、sol.Alは、磁気特性の劣化を抑制することができるという観点から、30ppm以上で含有させてもよい。
Sおよび/またはSeを合計で0.0050%超0.0100%以下をさらに含有することが必須である。なぜなら、Sおよび/またはSeが合計で0.0050%以下では、上述の通り、磁性のコイル内ばらつきをまねく。一方、Sおよび/またはSeが合計で0.0100%を超えると、SやSeを鋼中に均一に分散させる目的で、介在物を一度固溶させるためにスラブ加熱を1300℃を超える高温で行う必要が生じ、コストの大幅な増加が問題となる。より好ましくは、0.0055%以上0.0080%未満である。
Sbおよび/またはSnを合計で0.005%以上1.000%以下含有することが必須である。なぜなら、Sbおよび/またはSnが合計で0.005%未満では、上述の通り、磁束密度低下をまねく。一方、Sbおよび/またはSnが合計で1.000%を超えると、一次再結晶集合組織の変化が大きく、このために二次再結晶が不安定となり、磁性劣化する点が問題となる。好ましくは、0.020%以上0.300%以下である。
[加熱]
所定の成分調整がなされた溶鋼を通常の造塊法もしくは、連続鋳造法でスラブを製造し、添加することが望ましい成分は、途中工程で加えることは困難であることから、溶鋼段階で添加する。スラブは1300℃以下に加熱し、好ましくは1270〜1100℃で均熱する。本成分系ではAlやNは低減されているため、これらを固溶させるための高温加熱を必要しない。1300℃以下の低温とすることでコストを低減することができる。
上記加熱後に、熱間圧延を行う。熱間圧延温度は、開始温度を1000℃以上、終了温度を750℃以上とすることが、磁気特性向上のため望ましい。ただし、終了温度は、形状を良好とするため、1000℃以下とすることが望ましい。
熱間圧延後に、必要に応じて、熱延板焼鈍を施すことができる。その場合、熱延板焼鈍温度は800℃以上1100℃以下が望ましい。熱延板焼鈍温度が800℃未満では熱延板でのバンド状組織を再結晶させることができず、磁性が劣化することがある。また、1100℃超では二次再結晶が不安定となる虞がある。望ましくは950℃以上1075℃以下である。焼鈍時間は、2秒〜120秒の範囲とすることが望ましい。
熱間圧延後または熱延板焼鈍後、必要に応じて中間焼鈍を挟む1回以上の冷間圧延を施した後、一次再結晶焼鈍を行う。中間焼鈍温度は900℃以上1200℃以下が好適である。中間焼鈍温度が900℃未満であると再結晶粒が細かくなり、一次再結晶組織におけるGoss核が減少し磁性が劣化する。また1200℃を超えると、粒径が粗大化しすぎるために、整粒の一次再結晶組織を実現する上で極めて不利である。最終冷間圧延では、冷間圧延の温度を100℃〜300℃に上昇させて行うこと、および冷間圧延途中で100〜300℃の範囲での時効処理を1回または複数回行うことが、再結晶集合組織を変化させて磁気特性を向上させるために有効である。
次の一次再結晶焼鈍では鋼板を脱炭させてもよい。焼鈍温度は、800℃以上900℃以下が脱炭性の観点から有効である。焼鈍時間は30〜240秒とすることが好ましい。さらに脱炭の観点からは、雰囲気は湿潤雰囲気とすることが望ましい。ただし、脱炭が不要なC:0.005%以下しか含有していない場合はこの限りではない。また、保定温度までの昇温速度は50℃/s以上400℃/s以下とすることが最終磁気特性が良好となり望ましい。
上記一次再結晶焼鈍後の鋼板に、必要に応じて焼鈍分離剤を塗布する。ここで、鉄損を重視してフォルステライト被膜を形成させる場合には、MgOを主体とする焼鈍分離剤を適用することで、その後、純化焼鈍を兼ねて二次再結晶焼鈍を施すことにより二次再結晶組織を発達させると共にフォルステライト被膜を形成することができる。打ち抜き加工性を重視してフォルステライト被膜を必要としない場合には、焼鈍分離剤を適用しないか、適用する場合でもフォルステライト被膜を形成するMgOは使用せずに、シリカやアルミナ等を用いる。これらの焼鈍分離剤を塗布する際は、水分を持ち込まない静電塗布等を行うことが有効である。耐熱無機材料シート(シリカ、アルミナ、マイカ)を用いてもよい。
次に、MgOを主体とする焼鈍分離剤を適用した後に二次再結晶焼鈍を施すことにより、Goss方位を有する二次粒を発達させると共にフォルステライト被膜を形成させることが可能である。二次再結晶焼鈍は二次再結晶発現のために800℃以上で行うことが望ましい。また、二次再結晶を完了させるために800℃以上の温度で20時間以上保持させることが望ましい。フォルステライト被膜を形成させるためには1200℃程度まで昇温させることが望ましい。
二次再結晶焼鈍後には、付着した焼鈍分離剤を除去するため,水洗やブラッシング、酸洗を行う事が有用である。その後、さらに平坦化焼鈍を行い形状を矯正することが鉄損低減のために有効である。平坦化焼鈍の焼鈍温度は750〜950℃が好ましく、焼鈍時間は、5秒以上120秒以下が好ましい。
鋼板を積層して使用する場合には、鉄損を改善するために、平坦化焼鈍前もしくは後に、鋼板表面に絶縁コーティングを施すことが有効である。鉄損低減のために鋼板に張力を付与できるコーティングが望ましい。バインダーを介した張力コーティング塗布方法や物理蒸着法や化学蒸着法により無機物を鋼板表層に蒸着させコーティングとする方法を採用すると、コーティング密着性に優れ,かつ著しい鉄損低減効果があるため望ましい。
さらなる鉄損低減のために、磁区細分化処理を行うことが望ましい。処理方法としては一般的に実施されているような、最終製品板に電子ビームやレーザー等により鉄の結晶格子に歪を加える方法が望ましい。また、最終製品板のみならず、最終仕上板厚に達した冷間圧延板などの中間製品にあらかじめ溝をいれたりする方法でもよい。
その他の製造条件は、方向性電磁鋼板の一般的な製造方法に従えばよい。
質量比でC:0.062%、Si:3.16%、Mn:0.14%、sol.Al:80ppm、N:34ppm、S:65ppm、Sn:0.075%を含み、残部はFeおよび不可避的不純物の組成からなる鋼スラブを連続鋳造にて製造し、1230℃でスラブ加熱した後、熱間の粗圧延で40mmの板厚とし、仕上圧延で2.4mmの厚さに仕上げた。この時、スラブ加熱時の均熱時間を表1のように変化させることで、熱間圧延の粗圧延直後のシートバーの幅方向中心部の表面温度において、そのシートバーにおける温度変動を変化させた。シートバーの表面温度の最小と最大の差をシートバー内温度変動として表1に併記した。ここで、シートバーの表面温度は、粗圧延の最終圧延機の出側上部に設置した放射温度計を用いて測定した。これは幅方向中央部1ヶ所の温度を連続的に測定している。シートバー端部は過剰に温度が低下しているため、長手方向は端部から3mは考慮せず、それ以降で長手方向を連続的に測定し、その測定温度の最大の部分を最高温度部、最小の部分を最低温度部とした。
表2記載の種々の成分を含み、残部はFeおよび不可避的不純物の組成からなる鋼スラブを連続鋳造にて製造し、1270℃でスラブ加熱した後、熱間の粗圧延で30mmの板厚とし、仕上圧延で2.7mmの厚さに仕上げた。この時、スラブ加熱時の均熱時間は70分とした。このとき、熱間圧延の粗圧延直後のシートバーの幅方向中心部の表面温度において、そのシートバー表面の温度変動は60℃であった。
表3記載の種々の成分を含み、残部はFeおよび不可避的不純物の組成からなる鋼スラブを連続鋳造にて製造し、1180℃でスラブ加熱した後、熱間の粗圧延で45mmの板厚とし、仕上圧延で2.0mmの厚さに仕上げた。この時、スラブ加熱時の均熱時間は100分であり、熱間圧延の粗圧延直後のシートバーの幅方向中心部の表面温度において、そのシートバーにおける温度変動は40℃であった。
Claims (7)
- 質量%で、
C:0.100%以下、
Si:2.00%以上8.00%以下、
Mn:0.02%以上1.00%以下、
Sおよび/またはSeを合計で0.0050%超0.0100%以下並びに
Snおよび/またはSbを合計で0.005%以上1.000%以下
を含有し、Nを70ppm未満および酸可溶性Alを150ppm未満に抑制し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブを1300℃以下で加熱し、
該加熱後の鋼スラブに熱間圧延を施して熱延鋼板とし、
該熱延鋼板に、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚を有する冷延鋼板とし、
該冷延鋼板に一次再結晶焼鈍を施し、その後、二次再結晶焼鈍を施す方向性電磁鋼板の製造方法であって、
前記熱間圧延の粗圧延直後のシートバーの幅方向中心部における、表面温度の該シートバーの長手方向変動を100℃以内とする方向性電磁鋼板の製造方法。 - 質量%で、Snおよび/またはSbを合計で0.020%以上0.300%以下を含有する、請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
- 前記成分組成は、さらに、
質量%で、
Ni:0.005%以上1.5%以下、
Cu:0.005%以上1.5%以下、
Cr:0.005%以上0.1%以下、
P:0.005%以上0.5%以下、
Mo:0.005%以上0.5%以下、
Ti:0.0005%以上0.1%以下、
Nb:0.0005%以上0.1%以下、
V:0.0005%以上0.1%以下、
B:0.0002%以上0.0025%以下、
Bi:0.005%以上0.1%以下、
Te:0.0005%以上0.10%以下および
Ta:0.0005%以上0.01%以下
のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する、請求項1または2に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。 - 前記熱間圧延の粗圧延直後のシートバーの幅方向中心部における、表面温度の該シートバーの長手方向変動を70℃以内とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
- 前記冷延鋼板に磁区細分化処理を施す、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
- 前記磁区細分化処理が、前記二次再結晶焼鈍後の前記冷延鋼板への電子ビーム照射によるものである、請求項5に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
- 前記磁区細分化処理が、前記二次再結晶焼鈍後の前記冷延鋼板へのレーザー照射によるものである、請求項5に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
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