以下、図1〜図5を参照して、この発明を指針式の腕時計に適用した一実施形態について説明する。
この腕時計は、図1および図2に示すように、腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1は、硬質の合成樹脂からなるケース本体2と、このケース本体2の外周に設けられた軟質の合成樹脂からなる外装ケース3とを備えている。この場合、外装ケース3は時計ガラス5の上面の一部まで延出している。さらに、ケース本体2の上部には、図2に示すように、ステンレスなどの金属からなる補強部材4がインサート成型によって埋め込まれている。
この腕時計ケース1の上部開口部、つまりケース本体2の上部開口部には、図1および図2に示すように、時計ガラス5がパッキン5aを介して取り付けられている。この腕時計ケース1の下部、つまりケース本体2の下部には、金属製の裏蓋6が防水リング6aを介して取り付けられている。さらに、この腕時計ケース1の12時側と6時側とに位置する外周部には、時計バンド(図示せず)が取り付けられるバンド取付部7がそれぞれ設けられている。
また、この腕時計ケース1の外周部には、図1に示すように、操作部材である複数のスイッチ部8が設けられている。これら複数のスイッチ部8は、複数のスイッチ釦8aと1つの竜頭8bとを有している。複数のスイッチ釦8aは、時計のモード切替などの各種の機能を選択するためのスイッチであり、腕時計ケース1の2時側、4時側、および8時側に位置する各外周部にそれぞれ設けられている。竜頭8bは、時刻を修正するためのスイッチであり、腕時計ケース1の3時側に位置する外周部に設けられている。
さらに、この腕時計ケース1の内部には、図1および図2に示すように、時計モジュール10が設けられている。この時計モジュール10は、その上部に配置された文字板11と、この文字板11の上方を運針する指針12を駆動する時計ムーブメント(図示せず)と、腕時計全般を制御するための回路基板13と、電波を受信するアンテナ14と、を備えている。アンテナ14は回路基板13に搭載されており、アンテナ14のグランドと回路基板13のグランドが接続されている。
この場合、文字板11は、合成樹脂製のフィルムからなり、ほぼ円形状に形成され、その周縁部上に時字(図示せず)が設けられた構成になっている。また、指針12は、図1に示すように、秒針、分針、時針を備え、文字板11の中心に設けられた貫通孔(図示せず)に挿入された指針軸12aに取り付けられ、この指針軸12aの回転によって文字板11の上方を運針することにより、時刻を指示するように構成されている。
アンテナ14は、図1に示すように、指針12を駆動する時計ムーブメント(図示せず)が時計モジュール10の中心部に設けられていることにより、これを避けるために、腕時計ケース1内における3時から6時を経て9時に至る領域内に位置し、図2に示すように、回路基板13上に配置された状態で回路基板13と電気的に接続されている。
すなわち、このアンテナ14は、GPS(Global Positioning System)用の高周波(例えば、1575.42MHz)の電波を受信するものである。このアンテナ14は、図1に示すように、平面から見てほぼ四角形状をなし、文字板11の中心に位置する指針軸12aと文字板11の5時側の端部との間に対応する箇所の時計モジュール10内に配置されている。
この場合、アンテナ14は、図1に示すように、時計モジュール10の中心部に設けられた時計ムーブメント(図示せず)を避けるために、例えば腕時計ケース1内の4時から6時を経て8時に至るまでの領域内における4時付近から6時付近の間に位置して、ケース本体2の内周面に接近した状態で、かつ補強部材4よりも下側に位置した状態で配置されている。
一方、複数のスイッチ部8のうち、複数のスイッチ釦8aは、すべて同じ構成になっている。このため、この実施形態では、図1に示す4時側に位置するスイッチ釦8aについて説明する。このスイッチ釦8aは、図2に示すように、腕時計ケース1のケース本体2に設けられた貫通孔15内にスライド可能に挿入された操作軸部16と、この操作軸部16の外端部に設けられた操作頭部17と、を備えている。
この場合、ケース本体2の貫通孔15は、図2に示すように、腕時計ケース1の内部側に位置する内端部が内径の小さい小径孔部15aに形成されている。この貫通孔15内には、その内周面に圧接する複数の防水リング18が設けられている。これら複数の防水リング18は、押えリング19によって小径孔部15aに押し付けられている。
スイッチ釦8aの操作軸部16は、導電性を有する金属で形成され、図2に示すように、ケース本体2の貫通孔15における軸方向の長さよりも長い長さ、例えば貫通孔15の長さのほぼ2倍程度の長さに形成されている。この操作軸部16は、押えリング19を通して複数の防水リング18および小径孔部15aに挿入し、この状態で操作軸部16の外周面が複数の防水リング18の各内周面に摺動可能に圧接するように構成されている。
これにより、操作軸部16は、図2に示すように、防水性を確保した状態で、ケース本体2の貫通孔15内において、その軸方向に沿ってスライドするように構成されている。この場合、操作軸部16は、腕時計ケース1の内部側に位置する内端部が腕時計ケース1の内部に突出し、この突出した部分に溝部16aが環状に設けられ、この溝部16aにEリングなどの抜止め部材20が取り付けられている。
この抜止め部材20は、導電性を有する金属で形成され、図2に示すように、その外形が貫通孔15の小径孔部15aよりも大きく形成され、この小径孔部15aの外周縁に位置するケース本体2の内面に接離可能に当接するように構成されている。これにより、操作軸部16は、抜止め部材20が貫通孔15の小径孔部15aの外周縁に位置するケース本体2の内面に当接することにより、腕時計ケース1の外部に抜け出さないように構成されている。
一方、スイッチ釦8aの操作頭部17は、導電性を有する金属で形成され、図2に示すように、ケース本体2の貫通孔15の内径よりも十分に大きい外形のほぼ円筒状に形成されている。この操作頭部17は、その内部に取付部17aが設けられ、この取付部17aが腕時計ケース1の外部に突出した操作軸部16の外端部に取り付けられるように構成されている。
この場合、ケース本体2の貫通孔15内の押えリング19と操作頭部17との間には、図2に示すように、コイルばね21が設けられている。このコイルばね21は、操作軸部16の外周に巻き付けられ、この状態で一端部が貫通孔15内の押えリング19に弾接し、他端部が操作頭部17の取付部17aに取り付けられた操作軸部16の大径部16bに弾接することにより、操作軸部16を腕時計ケース1の外部に向けて付勢するように構成されている。
これにより、スイッチ釦8aは、図2に示すように、コイルばね21のばね力によって操作軸部16が腕時計ケース1の外部に向けて押し出されることにより、抜止め部材20がケース本体2の内面に当接する状態で、操作頭部17が腕時計ケース1の外部に押し出されるように構成されている。
また、このスイッチ釦8aは、図2に示すように、コイルばね21のばね力に抗して操作頭部17が腕時計ケース1の内部に向けて押し込まれると、操作軸部16がケース本体2の内部に向けてケース本体2の貫通孔15内をスライドし、抜止め部材20がケース本体2の内面から離れて、操作軸部16の内端部がケース本体2内に突出することにより、スイッチ動作するように構成されている。
さらに、このスイッチ釦8aは、図2および図3に示すように、接続部材22によってケース本体2の補強部材4に対して非導通状態で、裏蓋6と導通して電気的に接続されている。すなわち、この接続部材22は、導電性を有する金属製の端子板である。この接続部材22の中心部には、図3および図4に示すように、操作軸部16が非接触状態で挿入する挿入孔22aが、スイッチ釦8aの操作軸部16の外形よりも大きい内径で設けられている。
また、この接続部材22の一端部である下端部には、図2〜図4に示すように、接触子22bが屈曲可能に延出されている。この接続部材22は、ケース本体2の内面に接着材または固定フック(いずれも図示せず)によって固定されている。これにより、接続部材22は、操作軸部16の内端部が挿入孔22aに非接触状態で挿入し、この挿入した操作軸部16の内端部に抜止め部材20が取り付けられることにより、この抜止め部材20とケース本体2の内面との間に配置されている。
この場合、接続部材22は、図2および図3に示すように、ケース本体2の内面に固定された状態で、挿入孔22aに操作軸部16が挿入することにより、ケース本体2の補強部材4に接触することがなく、接触子22bが裏蓋6によって折り曲げられて裏蓋6の内面に弾接して導通するように構成されている。これにより、接続部材22は、ケース本体2の補強部材4に非接触状態で、操作軸部16と裏蓋6とを導通させるように構成されている。
すなわち、この接続部材22は、図2および図3に示すように、操作軸部16に取り付けられた抜止め部材20に接離可能に接触した際に、この接触した抜止め部材20を介して操作軸部16と導通することにより、操作軸部16と裏蓋6とを導通させて電気的に接続するように構成されている。
このため、接続部材22は、図2および図3に示すように、スイッチ釦8aの操作頭部17がコイルばね21のばね力に抗して押し込まれた際に、操作軸部16のスライド動作に伴って抜止め部材20が接続部材22から離れることにより、操作軸部16との導通が断たれ、操作軸部16と裏蓋6との接続が解除されるように構成されている。
一方、スイッチ部8の竜頭8bは、図1および図3に示すように、金属製の巻真23を備えた構成であり、これ以外はスイッチ釦8aとほぼ同じ構成になっている。すなわち、この竜頭8bは、スイッチ釦8aと同様、操作軸部16と操作頭部17とを備え、操作軸部16に巻真23がスライド可能でかつ操作軸部16と共に回転するように取り付けられ、この状態で巻真23が時計ムーブメント(図示せず)に連結された構成になっている。
これにより、竜頭8bは、図1および図3に示すように、操作頭部17を引き出すと、これに伴って操作軸部16が巻真23をスライドさせて時計ムーブメントを時刻修正状態にし、この状態で操作頭部17を回転させると、これに伴って操作軸部16が巻真23を回転させ、この巻真23の回転に応じて指針軸20aが回転して指針12の時刻を修正するように構成されている。
この場合にも、竜頭8bの操作軸部16は、スイッチ釦8aと同様、その内端部に抜止め部材20が取り付けられ、この抜止め部材20とケース本体2の内面との間に接続部材22が配置され、この状態で図3に示すように、接続部材22がケース本体2の補強部材4に対して非導通状態で、操作軸部16と裏蓋6とを導通させて接続するように構成されている。
ところで、ケース本体2の補強部材4は、図2に示すように、ケース本体2を補強するためのものであり、時計ガラス5の外周に対応するケース本体2の上部に埋め込まれ、アンテナ14よりも上方に位置することにより、アンテナ14のグランド電位に対して電気的にフローティング状態で配置されるように構成されている。
さらに、補強部材4から所定の範囲内(例えば、2mm以内)にアンテナ14の電極又は誘電体(図示せず)を配置するように構成することで、補強部材4のアンテナ14から放射される電界に与える影響を軽減できるため、アンテナの利得特性の低下を軽減することができ、アンテナ受信性能を向上することができる。
すなわち、この補強部材4は、図2および図5に示すように、リング状の起立部4aとリング状の水平部4bとを有し、断面形状がL字形状に形成されている。この補強部材4は、水平部4bの内周端がケース本体2の内面から突出した状態で、インサート成型によってアンテナ14よりも上方に位置するケース本体2の上部に埋め込まれている。
これにより、補強部材4は、図2に示すように、ケース本体2の上部開口部に時計ガラス5が嵌め込まれた際に、ケース本体2の変形を抑えて気密性を確保するように構成されている。この場合、補強部材4の水平部4bには、図5に示すように、複数の切欠き部4cが設けられていると共に、逃げ部24がアンテナ14の配置に対応して設けられている。
この逃げ部24は、図1および図5に示すように、補強部材4の水平部4bにおける4時付近から6時付近の間に位置する個所を切り欠くことによって形成されている。これにより、逃げ部24は、アンテナ14が電波を受信する際に、アンテナ14から補強部材4をさらに離すことができ、アンテナ14の電波受信に対する金属製の補強部材4による影響を軽減するように構成されている。
次に、この腕時計の作用について説明する。
この腕時計を腕に取り付けて使用する際には、腕時計ケース1の6時側に位置するバンド取付部7が人体側に位置し、腕時計ケース1の12時側に位置するバンド取付部7が人体と反対側に位置し、この12時側に位置する腕時計ケース1が人体から離れて開放される。この状態では、指針12が文字板11の上方を運針して時刻を指示表示することにより、現在時刻を良好に視認することができる。
また、この状態で、アンテナ14がGPS用の高周波の電波を受信する際には、腕時計ケース1の6時側が人体側に位置し、12時側が人体と反対側に位置して、この腕時計ケース1の12時側が人体から離れて開放されていることにより、この人体から開放された腕時計ケース1の12時側からGPS用の電波を取り込んで、腕時計ケース1内のアンテナ14で受信することができる。
この場合、ケース本体2が合成樹脂で形成され、このケース本体2に金属製の補強部材4が埋め込まれているが、GPS用の電波を腕時計ケース1の12時側から取り込むので、アンテナ14が電波を受信する際に、アンテナ14の12時側から到来する電波の受信に対する補強部材4による影響が軽減され、電波を受信する際のアンテナ14の利得特性の低下が軽減され、アンテナ14の受信性能が向上する。
また、このときには、補強部材4に逃げ部24がアンテナ14に対応して設けられていることにより、アンテナ14が電波を受信する際に、アンテナ14から補強部材4をさらに離すことができ、アンテナ14の電波受信に対する補強部材4による影響が逃げ部24によっても軽減されるので、これによっても電波を受信する際のアンテナ14の利得特性の低下が軽減され、アンテナ14の受信性能が向上する。
ところで、複数のスイッチ釦8aをスイッチ操作する際には、スイッチ釦8aの操作頭部17を指で押す。このときには、予め、操作軸部16がコイルばね21のばね力によって腕時計ケース1の外部に向けて押し出され、この操作軸部16に取り付けられた導電性を有する金属製の抜止め部材20が接続部材22に接触して導通している。
この状態で、導電性を有する金属製の操作頭部17に指が近づくと、操作頭部17と指との間に静電気が発生し、この静電気が操作頭部17から操作軸部16および抜止め部材20を介して接続部材22に伝わり、静電気を裏蓋6に逃がしてグランド電位に落とすことができる。
このときには、接続部材22に補強部材4が接触しておらず、接続部材22と補強部材4とが非導通状態であり、接続部材22の接触子22bが裏蓋6に接触して、接続部材22と裏蓋6とが導通している。このため、接続部材22に伝わった静電気は、補強部材4に伝わることがなく、接続部材22の接触子22bによってグランド電位の裏蓋6に送られる。これにより、静電気によって時計モジュール10内の電子回路が破壊されることがない。
この場合、補強部材4は、接続部材22によってグランド電位になることがない。このため、補強部材4から所定の範囲内(例えば、2mm以内)にアンテナ14の電極又は誘電体(図示せず)を配置しても、補強部材4のアンテナ14から放射される電界に与える影響を軽減できるため、アンテナ14が電波を受信する際に、アンテナ14の電波受信に対する補強部材4の影響を防いで、アンテナ14の利得特性を良くし、アンテナ14の受信性能を向上させる。
このことは、スイッチ部8の竜頭8bを操作する際にも、スイッチ釦8aと同様、静電気の侵入によって時計モジュール10内の電子回路が破壊されるのを防ぐことができる。
また、スイッチ部8のスイッチ釦8aおよび竜頭8bの操作頭部17がコイルばね21のばね力に抗して押し込まれた際には、操作軸部16がケース本体2の貫通孔15内をケース本体2の内部に向けてスライドし、この操作軸部16のスライド動作に伴って抜止め部材20が接続部材22から離れる。これにより、接続部材22による操作軸部16と裏蓋6との導通が断たれるので、良好にスイッチ操作ができる。
このように、この腕時計によれば、合成樹脂製のケース本体2と、このケース本体2の上部にあり、時計ガラス5上面の一部まで延出した合成樹脂製の外装ケース3と、ケース本体2に埋め込まれ、時計ガラス5が嵌め込まれた際のケース本体2の変形を抑えて気密性を確保するための金属製の補強部材4と、ケース本体2の内部、かつ、補強部材4の下部に配置されたアンテナ14と、を備え、補強部材4は、グランド電位と非導通状態でケース本体2に埋め込まれていることにより、アンテナの受信性能を向上させることができる。
すなわち、この腕時計では、補強部材4が合成樹脂製のケース本体2に覆われ、このケース本体2の上部に時計ガラス5の上面の一部まで延出した合成樹脂製の外装ケース3があることにより、補強部材4と静電気を発生させる原因となる物体(例えば指)との絶縁距離を十分にとることができるため、静電気の影響を無くすことができる。
また、この腕時計では、操作部材であるスイッチ部8に発生した静電気を接続部材22によって、グランド電位に逃すことができる。これにより、ケース本体2内の静電気による電子回路の破壊を防ぐことができると共に、アンテナ14から所定の範囲内にある金属製の補強部材4がグランド電位にならないため、これによりアンテナ14の利得特性の低下が軽減され、アンテナ14の受信性能を向上させることができる。
この場合、合成樹脂製のケース本体2には、金属製の補強部材4が埋め込まれていることにより、この補強部材4によってケース本体2の強度を高めることができる。このため、ケース本体2に時計ガラス5を嵌め込んで取り付けた際に、ケース本体2が合成樹脂で形成されていても、補強部材4によってケース本体2の変形を防ぐことができ、これにより気密性を確保することができ、高気圧防水を図ることができる。
また、この腕時計では、接続部材22がケース本体2の裏面に取り付けられた金属製の裏蓋6に接続されていることにより、スイッチ部8を操作する際に、スイッチ部8に指が近づき、スイッチ部8と指との間に静電気が発生しても、この静電気を接続部材22によって裏蓋6に逃してグランド電位に落とすことができる。このため、ケース本体2内の電子回路が静電気によって破壊されるのを防ぐことができる。
これにより、操作部材であるスイッチ部8におけるケース本体2の貫通孔15に挿入する操作軸部16、およびこの操作軸部16の外端部に取り付けられて腕時計ケース1の外部に突出する操作頭部17をそれぞれ金属で形成することができるので、スイッチ部8のデザイン性が良くなり、商品価値を高めることができる。
この場合、接続部材22は、スイッチ部8の操作軸部16に取り付けられた導電性を有する金属製の抜止め部材20が接離可能に接触し、この抜止め部材20を介してスイッチ部8の操作軸部16と導通することにより、金属製の抜止め部材20が接続部材22に接触している状態のときに、この抜止め部材20を介してスイッチ部8の操作軸部16と接続部材22とを導通させることができ、これによりスイッチ部8の操作軸部16と裏蓋6とを確実にかつ良好に導通させることができる。
すなわち、スイッチ部8は、ケース本体2の貫通孔15内に挿入された操作軸部16を腕時計ケース1の外部向けて押し出す方向に付勢するコイルばね21を備えていることにより、通常は、コイルばね21のばね力によって操作軸部16を腕時計ケース1の外部に向けて押し出すことができる。
これにより、操作軸部16に取り付けられた導電性を有する金属製の抜止め部材20を接続部材22に接触させて導通させることができるので、不用意にスイッチ部8に静電気が発生しても、この静電気によってケース本体2内の電子回路が破壊されるのを防ぐことができる。
この場合、スイッチ部8の操作頭部17がコイルばね21のばね力に抗して押し込まれた際には、操作軸部16がケース本体2の貫通孔15内をケース本体2の内部に向けてスライドし、この操作軸部16のスライド動作に伴って抜止め部材20を接続部材22から離すことができるので、接続部材22による操作軸部16と裏蓋6との導通を断つことができる。
また、この腕時計では、アンテナ14がケース本体2における4時から6時を経て8時に至る間の領域内に配置されていることにより、腕時計ケース1を腕に取り付けて使用する際に、腕時計ケース1の6時側を人体側に位置させ、腕時計ケース1の12時側が人体と反対側に位置させることができ、これにより腕時計ケース1の12時側を人体から離して開放することができるので、12時側から到来する電波の受信に対する金属製の補強部材4の影響を軽減して、開放された12時側から到来する電波を取り込むことができ、腕時計ケース1内のアンテナ14で良好に受信することができる。
すなわち、アンテナ14は、ケース本体2内の4時から6時を経て8時に至る間の領域内における4時付近から6時付近の間に位置した状態で配置されているので、腕時計ケース1を左腕に取り付けて使用することにより、アンテナ14と対向する腕時計ケース1の11時側を人体から良好に離して開放させることができ、これにより金属製の補強部材4の影響を受けずに、開放された11時側から電波を確実にかつ良好に取り込むことができるので、電波を腕時計ケース1内のアンテナ14で良好に受信することができる。
この場合、ケース本体2に埋め込まれた金属製の補強部材4には、逃げ部24がアンテナ14の配置と対応して設けられていることにより、アンテナ14が電波を受信する際に、アンテナ14の電波受信に対する補強部材4の影響を逃げ部24によって軽減することができ、これによっても電波を受信する際のアンテナ14の利得特性の低下を軽減することができるので、アンテナ14の受信性能を向上させることができる。
なお、上述した実施形態では、GPS用の高周波の電波を受信するアンテナ14を備えている場合について述べたが、アンテナは、これに限らず、例えば標準時刻電波などの電波を受信するアンテナ、携帯電話機の通信に使用するGSM(登録商標)アンテナ、工場やビルなどの建物内での通信に使用する無線LANアンテナ、近距離通信に使用するブルーツゥス(Bluetooth(登録商標))アンテナなどであっても良く、またこれら複数のアンテナを組み合わせて設けても良い。
また、上述した実施形態では、接続部材22は、ケース本体2の補強部材4に非接触状態で、操作軸部16と裏蓋6とを導通させる構成としたが、これ以外に、ケース本体2における4時から6時を経て8時に至る間の領域内に配置されたアンテナ14の配置に対応した位置にある接続部材22を、ケース本体2の補強部材4に非接触状態で、操作軸部16と裏蓋6とを導通させるように構成することが考えられる。
また、上述した実施形態では、接続部材22は、ケース本体2の補強部材4に対して非導通状態でスイッチ部8をグランド電位に接続する構成としたが、ケース本体2における4時から6時を経て8時に至る間の領域内に配置されたアンテナ14の配置に対応した位置にある接続部材22をケース本体2の補強部材4に対して非導通状態でスイッチ部8をグランド電位に接続するように構成することが考えられる。
しかし、これらの構成は、全ての接続部材22と補強部材4を接触状態にする場合に比べて、アンテナ14の放射電界に与える影響は軽減されるが、上述した実施形態の構成を適用する方が、良好なアンテナの利得特性を得ることができる。
また、上述した実施形態では、操作部材であるスイッチ部8の操作軸部16に金属製の抜止め部材20を設け、この抜止め部材20が接続部材22に接離可能に接触することにより、接続部材22によって操作軸部16と裏蓋6とを導通させるように構成した場合について述べたが、これに限らず、例えば接続部材22を操作軸部16に直接接触させて導通させることにより、接続部材22によって操作軸部16と裏蓋6とを導通させるように構成しても良い。
また、上述した実施形態では、抜止め部材20が金属製のEリングである場合について述べたが、必ずしもEリングである必要はなく、導電性を有する金属製の割ピンや、導電性を有する金属製のピン部材などあっても良い。
また、上述した実施形態では、ケース本体2に埋め込まれた補強部材4の水平部4bに逃げ部24をアンテナ14に対応させて切り欠いて形成した場合について述べたが、これに限らず、逃げ部は、アンテナ14に対応する個所の補強部材4を切断して切り取った構成であっても良い。
さらに、上述した実施形態では、指針式の腕時計に適用した場合について述べたが、必ずしも腕時計である必要はなく、例えばトラベルウオッチ、目覚まし時計、置き時計、掛け時計などの各種の時計に適用することができるほか、必ずしも時計である必要はなく、携帯電話機や携帯情報端末機などの電子機器にも適用することができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
請求項1に記載の発明は、合成樹脂製のケース本体と、前記ケース本体の上部にあり、時計ガラス上面の一部まで延出した合成樹脂製の外装ケースと、前記ケース本体に埋め込まれ、前記時計ガラスが嵌め込まれた際の前記ケース本体の変形を抑えて気密性を確保するための金属製の補強部材と、前記ケース本体の内部、かつ、前記補強部材の下部に配置されたアンテナと、を備え、前記補強部材は、グランド電位と非導通状態で前記ケース本体に埋め込まれていることを特徴とする計時装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の計時装置において、前記アンテナは前記補強部材から所定の範囲内に配置されていることを特徴とする計時装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の計時装置において、
前記ケース本体に操作可能に設けられた操作部材と、
前記ケース本体の前記補強部材に対して非導通状態で前記操作部材をグランド電位に接続する接続部材と、を備え、
前記接続部材は、前記ケース本体の裏面に取り付けられた金属製の裏蓋に接続されていることを特徴とする計時装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の計時装置において、前記アンテナは、前記ケースにおける4時から6時を経て8時に至る間の領域内に配置されていることを特徴とする計時装置である。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の計時装置において、前記補強部材には、逃げ部が前記アンテナの配置と対応して設けられていることを特徴とする計時装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載された計時装置を備えていることを特徴とする腕時計である。