JP6420138B2 - ミリ波を透過する樹脂部品並びにこれを備えるミリ波用レドーム及びミリ波レーダー - Google Patents
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Description
ミリ波レーダーは、通常、ミリ波を送信若しくは受信するアンテナモジュールと、これを格納又は保護するレドームとを備える。このうち、レドームは、通常、樹脂成形体であり、用途により、種々の形状を有するが、その全体を、電波を透過しやすい材料により形成したものや、電波の経路に相当する特定部分のみを、電波を透過しやすい材料により形成したものがある。
1.〔A〕ゴム質重合体強化樹脂、及び、〔B〕ポリオレフィン樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる、ミリ波を透過する樹脂部品。
2.上記ゴム質重合体強化樹脂〔A〕が、(A1)ゴム質重合体強化ビニル系樹脂と、(A2)(共)重合樹脂とからなり、ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A1)は、ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、エチレン・α−オレフィン系ゴム、水添ジエン系ゴム及びシリコーンゴムから選ばれた少なくとも一種のゴム質重合体に由来する重合体部、並びに、ビニル系樹脂部を備え、(共)重合樹脂(A2)は、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物に由来する構造単位から選ばれた少なくとも一種からなる上記1又は2に記載の樹脂部品。
3.上記ゴム質重合体強化樹脂〔A〕及び上記ポリオレフィン樹脂〔B〕の含有割合が、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、30〜95質量%及び5〜70質量%である上記1又は2に記載の樹脂部品。
4.上記エチレン・α−オレフィン系ゴムが、エチレン・α−オレフィン共重合体である上記2又は3に記載の樹脂部品。
5.上記1乃至4のいずれか一項に記載の樹脂部品を備えるミリ波用レドーム。
6.上記5に記載のミリ波用レドームを備えるミリ波レーダー。
本明細書において、「ミリ波を透過する」とは、JIS R1660−1に基づいて測定される、約77GHzの周波数における比誘電率が2.8未満であり、誘電正接(tanδ)が9.0×10−3未満である性能を有することを意味する。また、「形状安定性に優れる」とは、JIS K7152−4に基づいて測定される、試験片のMD方向及びTD方向における成形収縮率が、いずれも、1.1%未満である性能を有することを意味する。
本発明のミリ波用レドームは、ミリ波を送信若しくは受信するアンテナモジュールの格納又は保護に好適である。本発明のミリ波用レドームは、その全体が、本発明のミリ波透過樹脂部品からなるものとすることができるし、特に、ミリ波の送信又は受信に係る経路に相当する部分のみを、本発明のミリ波透過樹脂部品からなるようにしたものとすることができる。
本発明のミリ波レーダーは、ミリ波を送信又は受信する装置として好適である。
図1〜図7において、本発明のミリ波透過樹脂部品は、符号60で示す樹脂部品である。また、本発明のレドームは、符号70で示す、ミリ波を送信若しくは受信するアンテナモジュールを格納又は保護する部品であり、図1及び図2に示すように、ミリ波透過樹脂部品60のみからなる物品であってもよいし、図3に示すように、ミリ波透過樹脂部品60と、他の部品62とからなる複合物品であってもよい。本発明のミリ波透過樹脂部品及びレドームにより、無線通信、センサー等に好適な、本発明のミリ波レーダーを構成することができる。
また、JIS K 7121に準ずる熱可塑性樹脂の融点(以下、「Tm」と表記する)は、示差走査熱量計(DSC)を用い、1分間に20℃の一定昇温速度で吸熱変化を測定し、得られた吸熱パターンのピーク温度を読みとった値である。
また、上記単量体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系化合物以外に、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;メタクリル酸変性シリコーン、フッ素含有ビニル化合物等の各種のビニル系単量体を30質量%以下の範囲で含んでいてもよい。
上記エチレン・α−オレフィン系ゴムが、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合ゴムである場合、非共役ジエンに由来する構造単位の含有割合の上限は、上記エチレン・α−オレフィン系ゴムを構成する構造単位の全量を100質量%とした場合に、好ましくは15質量%、より好ましくは10質量%、更に好ましくは5質量%である。
上記水素添加ジエン系(共)重合ゴムとしては、下記の構造を有するブロック共重合体の水素添加物が挙げられる。即ち、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位からなる重合体ブロックP;1,2−ビニル結合含量が25モル%を超える共役ジエン系化合物に由来する構造単位からなる重合体の二重結合部分を95モル%以上水素添加してなる重合体ブロックQ;1,2−ビニル結合含量が25モル%以下の共役ジエン系化合物に由来する構造単位からなる重合体の二重結合部分を95モル%以上水素添加してなる重合体ブロックR;並びに、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と共役ジエン系化合物に由来する構造単位とからなる共重合体の二重結合部分を95モル%以上水素添加してなる重合体ブロックSのうち、二種以上を組み合わせたものからなるブロック共重合体である。
上記ブロック共重合体の構造としては、P−(Q−P)n、(P−Q)n、P−(Q−R)n、R−(Q−R)n、(Q−R)n、P−(S−P)n、(P−S)n、P−(S−R)n、R−(S−R)n、(S−R)n、P−(Q−R−S)n、(P−Q−R−S)n〔但し、nは1以上の整数である。〕等が挙げられ、好ましくは、P−Q−P、P−Q−P−Q、P−Q−R、P−S−R、R−Q−Rである。
上記ブロック共重合体を構成する重合体ブロックPの含有割合は、重合体の全体に対して、好ましくは0〜65質量%、より好ましくは10〜40質量%である。
上記重合体ブロックQにおける1,2−ビニル結合含量は、好ましくは25モル%を超え90モル%以下、より好ましくは30〜80モル%である。
また、上記重合体ブロックRにおける1,2−ビニル結合含量は、好ましくは25%モル以下、より好ましくは20モル%以下である。
また、上記重合体ブロックSにおける、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位の含有割合は、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
尚、上記水素添加ジエン系(共)重合ゴムにおいて、水素添加前のジエン系(共)重合体に対する水素添加率は、好ましくは10〜95%、より好ましくは20〜70%、更に好ましくは30〜65%である。
〔R1 nSiO〕(4−n)/2 (1)
(式中、R1は置換又は非置換の1価炭化水素基であり、nは0〜3の整数を示す。R1が複数ある場合、互いに同一であっても異なってもよい。)
尚、上記オルガノシロキサン(i)は、上記一般式(1)で表される化合物の一種以上を用いて、予め縮合された、例えば、重量平均分子量(Mw)が500〜10,000程度のポリオルガノシロキサンであってもよい。そして、このポリオルガノシロキサンにおいて、その分子鎖末端が、ヒドロキシル基、アルコキシ基、トリメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基等の官能基で封止されたポリオルガノシロキサンであってもよい。
上記オルガノシロキサン(i)が、重合性不飽和結合を含む場合、使用するグラフト交叉剤(ii)は、重合性不飽和結合を有しても有さなくてもよい。
上記変性ポリオルガノシロキサンゴムの製造に際して、耐衝撃性を改良するために、架橋剤を添加することもできる。架橋剤としては、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等の3官能性架橋剤、テトラエトキシシラン等の4官能性架橋剤等が挙げられる。架橋剤を用いる場合、その使用量の上限は、オルガノシロキサン(i)及びグラフト交叉剤(ii)の合計量を100質量部とした場合に、通常、10質量部、好ましくは5質量部である。
上記変性ポリオルガノシロキサンゴムの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは30,000〜1,000,000である。
本発明において、本発明のミリ波透過樹脂部品における成形外観性及び形状安定性の観点から、上記ビニル系樹脂部は、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位を含むことが好ましい。上記ビニル系樹脂部に含まれる、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位の含有量の下限は、上記観点から、好ましくは50質量%、より好ましくは60質量%、更に好ましくは70質量%である。
上記カルボキシル基含有不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸等が挙げられる。これらの化合物は、単独であるいは二つ以上を組み合わせて用いることができる。
上記アミド基含有不飽和化合物としては、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド等が挙げられる。これらの化合物は、単独であるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、上記ビニル系樹脂部が、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位とを含む場合、これらの構造単位の合計量は、本発明のミリ波透過樹脂部品における成形外観性、形状安定性、耐薬品性等の観点から、ビニル系樹脂部の全量に対して、好ましくは70〜100質量%であり、より好ましくは80〜100質量%、更に好ましくは85〜100質量%である。また、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位及びシアン化ビニル化合物に由来する構造単位の含有割合は、上記の観点から、これらの合計を100質量%とした場合、それぞれ、好ましくは55〜95質量%及び5〜45質量%、より好ましくは60〜90質量%及び10〜40質量%、更に好ましくは65〜80質量%及び20〜35質量%である。
上記グラフト率は、下記式により求めることができる。
グラフト率(%)={(S−T)/T}×100
上記式中、Sはゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A1)1グラムをアセトン20mlに投入し、25℃の温度条件下で、振とう機により2時間振とうした後、5℃の温度条件下で、遠心分離機(回転数;23,000rpm)で60分間遠心分離し、不溶分と可溶分とを分離して得られる不溶分の質量(g)であり、Tはゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A1)1グラムに含まれるゴム質重合体の質量(g)である。このゴム質重合体の質量は、重合処方及び重合転化率から算出する方法、赤外線吸収スペクトル(IR)により求める方法等により得ることができる。
また、上記態様の場合、ゴム質重合体強化ビニル系樹脂は、好ましくは、上記ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A1)である。一方、ビニル系樹脂は、好ましくは、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、マレイミド系化合物、不飽和酸無水物、カルボキシル基含有不飽和化合物、アミノ基含有不飽和化合物、アミド基含有不飽和化合物、ヒドロキシル基含有不飽和化合物及びオキサゾリン基含有不飽和化合物から選ばれた少なくとも一種を用いて得られた(共)重合樹脂である。中でも、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物に由来する構造単位から選ばれた少なくとも一種からなる(共)重合樹脂(A2)であることが特に好ましい。
上記成分〔B〕のTmは、好ましくは40℃以上である。
また、上記成分〔B〕の分子量は、特に限定されないが、機械特性、成形外観性の観点から、JIS K7210に準ずるメルトマスフローレート(以下、「MFR」ともいう。)は、好ましくは0.01〜500g/10分、より好ましくは0.05〜100g/10分であり、各値に相当する分子量を有するものが好ましい。
他の熱可塑性樹脂としては、変性ポリオレフィン系樹脂、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と、共役ジエン系化合物に由来する構造単位とを含む共重合体を水素添加させてなる樹脂(以下、「水素添加スチレン・ジエン系樹脂」という)、スチレン・ジエン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。尚、変性ポリオレフィン系樹脂及び水素添加スチレン・ジエン系樹脂の中には、成分〔A〕の種類により、成分〔A〕及び〔B〕の相溶性を向上させるものがある。
(1)X−Y
(2)X−Y−X
(3)X−Y−Z
(4)X−Y1−Y2(Y1のビニル結合は好ましくは20%以上、Y2のビニル結合は好ましくは20%未満)
(5)X/Y
(6)X−X/Y
(7)X−X/Y−Z
(8)X−X/Y−X
(9)Z−X/Y−Z
(10)Z−X−Y
また、上記共役ジエン系化合物は、上記ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A1)におけるゴム質重合体部が水添ジエン系ゴムに由来する場合であって、この水添ジエン系ゴムの形成に用いられる共役ジエン系化合物として例示された化合物の説明が適用され、1,3−ブタジエンが好ましい。
本発明のミリ波透過樹脂部品60は、その形状によって、単独でミリ波用レドーム70として用いることができる(図1、図2、図5及び図6参照)。また、本発明のミリ波透過樹脂部品60は、他の樹脂部品62,66等と組み合わせて、ミリ波用レドーム70を構成することができる(図3、図4及び図7参照)。
図4のミリ波レーダー30は、ミリ波透過樹脂部品60、及び、他のミリ波透過樹脂部品66からなるミリ波用レドーム70を備える態様であり、アンテナベース14に対して図面の右側全体におけるミリ波の送受信を可能としている。他のミリ波透過樹脂部品66は、本発明に係る熱可塑性樹脂組成物からなるものであってよいし、従来、公知の樹脂組成物からなるものであってもよい。
図7の基本構造は、図3及び図4を組み合わせたものであり、アンテナベース14に配設されたアンテナモジュール12を、ミリ波透過樹脂部品60、他のミリ波透過樹脂部品66、及び、ミリ波を吸収又は反射する他の樹脂部品62からなるミリ波用レドームにより格納するものである。そして、ミリ波透過樹脂部品60と、他のミリ波透過樹脂部品66との間に、ミリ波の透過性を問わない層であって、車両の前面における意匠を形成する加飾層68を備え、他のミリ波透過樹脂部品66の側から、加飾層68により描出される意匠が認識できるようになっている。加飾層68は、印刷、塗装、蒸着等により形成されたものとすることができる。
図示していないが、図7における他のミリ波透過樹脂部品66を排除した態様のミリ波レーダーとすることもできる。
実施例1〜19及び比較例1〜4で用いた原料は、以下の通りである。尚、グラフト率の測定は、上記記載の方法に準じて行った。
各種ゴム質重合体強化ビニル系樹脂と、アクリロニトリル・スチレン共重合体樹脂とを組み合わせたゴム質重合体強化樹脂を用いた。
ゲル分率86%、平均粒子径290nmのポリブタジエンゴムの存在下、スチレン及びアクリロニトリルを乳化重合して得られた、グラフト率が55%のジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂と、未グラフトのアクリロニトリル・スチレン共重合樹脂とからなるゴム質重合体強化樹脂である。ジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂におけるグラフト率は55%であり、ゴム質重合体強化樹脂に含まれるポリブタジエンゴムの含量は40.5%、アクリロニトリル単位量は17.0%、スチレン単位量は42.5%であった。また、未グラフトのアクリロニトリル・スチレン共重合樹脂(アセトン可溶分)の極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、0.45dl/gであった。
トルエン溶媒中、エチレン単位量が78%であり、プロピレン単位量が22%であり、Tmが40℃であるエチレン・プロピレン共重合ゴムの存在下、スチレン及びアクリロニトリルを溶液重合して得られた、エチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂と、未グラフトのアクリロニトリル・スチレン共重合樹脂とからなるゴム質重合体強化樹脂である。エチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂におけるグラフト率は55%であり、ゴム質重合体強化樹脂に含まれるエチレン・プロピレン共重合ゴムの含量は30%、アクリロニトリル単位量は24%、スチレン単位量は46%であった。また、未グラフトのアクリロニトリル・スチレン共重合樹脂(アセトン可溶分)の極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、0.5dl/gであった。
トルエン溶媒中、エチレン単位量が63%であり、プロピレン単位量が32%であり、ジシクロペンタジエン単位量が5%であり、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)が33であるエチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合ゴムの存在下、スチレン及びアクリロニトリルを重合して得られた、エチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂と、未グラフトのアクリロニトリル・スチレン共重合樹脂とからなるゴム質重合体強化樹脂である。エチレン・α−オレフィン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂におけるグラフト率は60%であり、ゴム質重合体強化樹脂に含まれるエチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合ゴムの含量は30%、アクリロニトリル単位量は23%、スチレン単位量は47%であった。また、未グラフトのアクリロニトリル・スチレン共重合樹脂(アセトン可溶分)の極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、0.45dl/gであった。
トルエン溶媒中、JSR社製水素添加スチレン−エチレン・ブチレン−エチレンブロック共重合体「ダイナロン4600P」(商品名)の存在下、メタクリル酸メチル、スチレン及びアクリロニトリルを重合して得られた、水添ジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂と、未グラフトのメタクリル酸メチル・アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂とからなるゴム質重合体強化樹脂である。水添ジエン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂におけるグラフト率は45%であり、ゴム質重合体強化樹脂に含まれる水添ジエン系ゴムの含量は30%、メタクリル酸メチル単位量は50%、アクリロニトリル単位量は10%、スチレン単位量は10%であった。また、未グラフトのメタクリル酸メチル・アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂(アセトン可溶分)の極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、0.48dl/gであった。
攪拌機を備えたガラス製フラスコに、窒素気流中で、イオン交換水85部、ロジン酸カリウム0.7部、炭酸水素ナトリウム0.45部、炭酸ナトリウム0.15部、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合のナトリウム塩0.5部及び亜二チオン酸ナトリウム0.03部を添加した。単量体として、n−ブチルアクリレート5部を加え、攪拌しながら昇温した。内温が75℃に達したところで、過硫酸カリウム0.12部を添加し、重合を開始した。1時間重合させた後、過硫酸カリウム0.06部、n−ブチルアクリレート44.5部及びアリルメタクリレート0.5部を3時間かけて連続的に添加し、更に1時間重合を継続した。その後、65℃まで冷却し、イオン交換水33部、ロジン酸カリウム0.8部及びtert−ブチルハイドロパーオキサイド0.07部を加え、更にピロリン酸ナトリウム0.4部、硫酸第一鉄7水和物0.01部、ブドウ糖0.3部をイオン交換水15部に溶解した溶液と、スチレン10.95部と、アクリロニトリル4.05部とを加え、75℃まで昇温した。1時間重合させた後、スチレン25.55部、アクリロニトリル9.45部、tert−ドデシルメルカプタン0.1部及びtert−ブチルハイドロパーオキサイド0.2部を4時間かけて連続的に添加し、更に1時間重合を継続した。硫酸マグネシウム溶液で凝固、水洗した後、乾燥し、ゴム質重合体強化樹脂を得た。このゴム質重合体強化樹脂に含まれるアクリル系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂におけるグラフト率は40%、未グラフトのアクリロニトリル・スチレン共重合樹脂(アセトン可溶分)の含有率は30%であり、このアセトン可溶分の極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃)は、0.43dl/gであった。
p−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン1.5部及びオクタメチルシクロテトラシロキサン98.5部の混合物を、ドデシルベンゼンスルホン酸2.0部を蒸留水に溶解させた水溶液300部に投入し、ホモミキサーにより3分間攪拌して乳化分散させた。乳化分散液を、コンデンサー、窒素ガス導入口及び攪拌機を備えたセパラブルフラスコに移し、攪拌下、90℃で6時間加熱して縮合反応させ、5℃で24時間冷却することで反応を完了させた。これにより、縮合率92.8%で変性ポリオルガノシロキサンゴムを含むラテックスを得た。その後、このラテックスに、炭酸ナトリウム水溶液を添加してpH7に中和した。尚、変性ポリオルガノシロキサンゴムの体積平均粒子径は280nmであった。
次に、攪拌機を備えたガラス製フラスコに、上記変性ポリオルガノシロキサンゴム40部、イオン交換水100部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5部、tert−ドデシルメルカプタン0.1部、スチレン15部及びアクリロニトリル5部を収容し、攪拌しながら45℃まで昇温した。その後、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム0.1部、硫酸第1鉄0.003部、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート・2水和物0.2部及びイオン交換水15部よりなる活性剤水溶液、並びに、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.1部を添加し、重合を開始した。そして、1時間後、イオン交換水50部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部、tert−ドデシルメルカプタン0.1部、ジイソプロピルハイドロパーオキサイド0.2部、スチレン30部及びアクリロニトリル10部からなるインクレメンタル重合成分を3時間に渡って連続的に添加し、重合を続けた。添加終了後、更に攪拌を1時間続けた。
その後、2,2−メチレン−ビス(4−エチレン−6−tert−ブチルフェノール)0.2部を添加して重合を停止し、ゴム質重合体強化樹脂を含むラテックスを得た。次いで、ラテックスに塩化カルシウム2部を添加して、樹脂成分を凝固し、水洗及び乾燥(75℃、24時間)を行い、白色粉末(ゴム質重合体強化樹脂)を回収した。重合転化率は97.2%、このゴム質重合体強化樹脂に含まれるシリコーン系ゴム質重合体強化ビニル系樹脂におけるグラフト率は90%、アセトン可溶分(アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂)の極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃)は0.47dl/gであった。
スチレン単位量が70%、アクリロニトリル単位量が30%のアクリロニトリル・スチレン共重合樹脂を用いた。極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、0.40dl/gであった。
日本ポリプロ社製ブロックタイプポリプロピレン「ノバテックBC6C」(商品名)を用いた。
相溶化剤として、下記のSBC、PP−g−AS及びmPOを用いた。
旭化成ケミカルズ社製水素添加スチレン・ブタジエン・ブチレン・スチレンブロック共重合体「タフテックP2000」(商品名)を用いた。MFR(温度190℃、荷重2.16kg)は3g/10分である。
トルエン溶媒中、MFR(温度230℃、荷重2.16kg)が10g/10分のポリプロピレンの存在下、スチレン及びアクリロニトリルを重合して得られた、グラフト樹脂混合物である。グラフト樹脂組成物に含まれるグラフト樹脂におけるグラフト率は43.3%であり、グラフト樹脂組成物に含まれるポリプロピレンの含量は41%、アクリロニトリル単位量は17%、スチレン単位量は42%であった。
三洋化成工業社製酸変性低分子量ポリプロピレン系樹脂「ユーメックス1001」(商品名)を用いた。酸価は26である。
実施例1〜20及び比較例1〜4
原料(A)、(B)及び(C)を、表1〜表3に記載の割合で、ヘンシェルミキサーにて混合した後、この混合物を、日本製鋼社製2軸押出機「TEX44αII」(型式名)に供給して溶融混練(シリンダー設定温度:180℃〜220℃)し、熱可塑性樹脂組成物からなるペレットを得た。そして、このペレットを射出成形に供し、外径50mm、肉厚2mmの半球型成形品(図1の符号60,70)を得た。このうち、実施例3、6、12、15、16及び20について、表面にブツ又はシルバーの有無を目視観察し、成形外観性の評価を行った。また、ペレットから所定形状の試験片を作製し、下記の評価に供した。その結果を表1〜表3に併記した。
アジレントテクノロジー社製装置を用い、遮断円筒導波管法(JIS R1660−1)により、周波数約77GHzにおける比誘電率及び誘電正接を測定した。
ISO 179に準じて、シャルピー衝撃強さを、温度23℃で測定した。単位は「kJ/m2」である。
2−3.成形収縮性
JIS K7152−4に準じて、試験片の成形収縮率を、MD方向及びTD方向について、それぞれ、温度23℃で測定した。
○:0.8%未満
△:0.8%〜1.2%
×:1.2%超過
2−4.流動性
ISO 1133に準じて、メルトマスフローレートを、温度220℃及び荷重98Nの条件で測定した。単位は「g/10分」である。
比較例1は、原料(A)のみからなる熱可塑性樹脂組成物を用いた例であり、耐衝撃性及び形状安定性に劣る。比較例2〜4は、原料(B)のみからなる熱可塑性樹脂組成物を用いた例であり、耐衝撃性は得られたが、ミリ波透過性が十分ではなかった。
一方、実施例1〜20によれば、ミリ波透過性、耐衝撃性及び形状安定性の全てに優れる。特に、原料(C)を更に含む熱可塑性樹脂組成物を用いた実施例11〜20によれば、低誘電正接が更に低下し、ミリ波透過性がより優れることが分かる。尚、実施例3、6、12、15、16及び20においては、半球型成形品の表面にブツ又はシルバーが見られなかった。
12,12A,12B:アンテナモジュール
14:アンテナベース
60:ミリ波透過樹脂部品
62:ミリ波の吸収用又は反射用樹脂部品
64:仕切部
66:他のミリ波透過樹脂部品
68:加飾層
70:ミリ波用レドーム
Claims (6)
- 〔A〕ゴム質重合体強化樹脂、及び、〔B〕ポリオレフィン樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる、ミリ波を透過する樹脂部品であって、
前記ゴム質重合体強化樹脂〔A〕が、(A1)ゴム質重合体強化ビニル系樹脂と、(A2)(共)重合樹脂とからなり、
前記ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A1)は、エチレン・α−オレフィン系ゴム、水添ジエン系ゴム及びシリコーンゴムから選ばれた少なくとも一種のゴム質重合体に由来する重合体部と、ビニル系樹脂部とが化学的に結合しているグラフト樹脂であり、
前記(共)重合樹脂(A2)は、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物に由来する構造単位から選ばれた少なくとも一種からなることを特徴とする樹脂部品。 - 前記ゴム質重合体強化ビニル系樹脂(A1)におけるビニル系樹脂部は、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と、シアン化ビニル化合物に由来する構造単位とを含み、
前記芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と、前記シアン化ビニル化合物に由来する構造単位の合計量が、前記ビニル系樹脂部の全量に対して70〜100質量%である請求項1に記載の樹脂部品。 - 前記ゴム質重合体強化樹脂〔A〕及び前記ポリオレフィン樹脂〔B〕の含有割合が、両者の合計を100質量%とした場合に、それぞれ、30〜95質量%及び5〜70質量%である請求項1又は2に記載の樹脂部品。
- 前記エチレン・α−オレフィン系ゴムが、エチレン・α−オレフィン共重合体である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂部品。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の樹脂部品を備えるミリ波用レドーム。
- 請求項5に記載のミリ波用レドームを備えるミリ波レーダー。
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