JP6420612B2 - インクジェット用インク、及び印刷方法 - Google Patents
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Description
本発明の一実施形態による樹脂粒子分散体(以下、単に「分散体」という場合がある。)は、架橋剤を含む樹脂粒子Aと、架橋剤に対し反応性を有する反応性固体樹脂(以下、単に「反応性固体樹脂」という場合がある。)を含む樹脂粒子Bと、塩基性分散剤と、非水系溶剤とを含むことを特徴とする。
これによって、印刷物の耐摩耗性、耐油性、及び分散体の保存安定性に優れる樹脂粒子分散体及びインクを提供することができる。
これによって、印刷物の耐摩耗性及び耐油性を高めることができる。
この被膜は、架橋反応によって3次元網目構造を形成するため、被膜強度がより強固であり、耐摩耗性及び耐油性をより高めることができる。
また、架橋剤及び反応性固体樹脂をそれぞれ樹脂粒子の形態にすることで、架橋剤及び反応性固体樹脂がインク内で非水系溶剤中に一部でも溶解することを防いで、インクの粘度変化を防止して、保存安定性を良好に維持することができる。
本実施形態による樹脂粒子Aとしては、架橋剤を含む。樹脂粒子Aは、架橋剤が樹脂成分である場合は、架橋剤のみから構成することができる。また、樹脂粒子Aは、架橋剤とともに固体樹脂を含むこともできる。さらに、架橋剤及び固体樹脂とともに色材や酸性化合物等のその他の成分がさらに含まれてもよい。この場合、架橋剤及びその他の成分が均一に混合されて、粒子形状となっていることが好ましい。
樹脂粒子Aの架橋剤としては、特に限定されないが、樹脂粒子Bに含まれる反応性固体樹脂の架橋反応性基と反応性を有する官能基を有する架橋剤を用いることができる。
架橋剤は、この官能基を1分子内に2個以上有することが好ましい。
例えば、環状カルボジイミド、イソシアナート末端カルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、アミノ基含有カルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N−t−ブチル−N−エチルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド等を用いることができる。
例えば、2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリニジル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等を用いることができる。
アジリジン系化合物の市販品としては、例えば、株式会社日本触媒製ケミタイトシリーズの「PZ−33」、「DZ−22E」等を用いることができる。
例えば、チタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタンテトラアセチルアセトネート等のチタンキレート化合物、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート等のジルコニウムキレート化合物、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート等のアルミニウムキレート化合物等を用いることができる。
金属キレート系化合物の市販品としては、例えば、マツモトファインケミカル株式会社製オルガチックスシリーズの「TC−400」、「TC−401」、「ZC−150」;川研ファインケミカル株式会社製「アルミキレートD」、「アルミキレートM」等等を用いることができる。
例えば、エチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル−メタンジイソシアネート等を用いることができる。
樹脂粒子Aは、架橋剤に対し反応性固体樹脂より反応性が低い固体樹脂(以下、単に固体樹脂Aと称することがある。)をさらに含むことができる。
この固体樹脂Aは、樹脂粒子Aに含まれる架橋剤に対し反応性を有さない固体樹脂であることが好ましい。これによって、樹脂粒子A内で、架橋反応が進行することを抑制して、記録媒体表面上で、樹脂粒子A中の架橋剤と、樹脂粒子B中の反応性固体樹脂との架橋反応を促進させることができる。
また、架橋剤として金属キレート系化合物、イソシアネート系化合物等を用いる場合は、固体樹脂Aとしてケトン樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリプロピレン等を用いることができる。
一方、固体樹脂Aの配合量は、樹脂粒子A全体に対し、70質量%以下であることが好ましく、より好ましくは50質量%以下である。
ここで、樹脂粒子の平均粒子径は、動的散乱方式による体積基準の平均粒子径であり、例えば、株式会社堀場製作所製の動的光散乱式粒径分布測定装置「LB−500」等を用いて測定することができる。以下同じである。
本実施形態による樹脂粒子Bとしては、架橋剤に対して反応性を有する反応性固体樹脂を含む。樹脂粒子Bには、反応性固体樹脂とともに色材や酸性化合物等のその他の成分がさらに含まれてもよい。この場合、反応性固体樹脂とともにその他の成分が均一に混合されて、粒子形状となっていることが好ましい。
反応性固体樹脂としては、室温(23℃)で固体状の樹脂であることが好ましい。
反応性固体樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、粒子形状を安定化するために、30℃以上であることが好ましく、より好ましくは40℃以上である。反応性固体樹脂のガラス転移温度は、制限されないが、150℃以下であることが好ましく、より好ましくは120℃以下である。
また、反応性固体樹脂の溶融温度(Tm)としては、粒子形状を安定化させるために、30℃以上であることが好ましく、より好ましくは、40℃以上である。反応性固体樹脂の溶融温度は、制限されないが、250℃以下であることが好ましく、より好ましくは200℃以下である。
架橋反応性基としては、例えば、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミド結合、エポキシ基、アミノ基、リン酸基、スルホ基(シラノール基、シラン基)等を少なくとも1種以上有することが好ましい。
反応性固体樹脂には、架橋反応性基を1分子中に2個以上有することが好ましい。
反応性固体樹脂の具体例としては、(メタ)アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、スチレンマレイン酸樹脂及びそのエステル化物、マレイン酸樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリヒドロキシポリオレフィン等を挙げることができる。
また、これらの反応性固体樹脂に架橋反応性基を導入したものを用いることができる。
これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、(メタ)アクリル系樹脂は、メタクリル樹脂及び/またはアクリル樹脂を意味し、メタクリル単位とアクリル単位とをそれぞれ単独で有する重合体とともに、メタクリル単位とアクリル単位とをともに有する共重合体を意味する。
また、スチレン単位を有する(メタ)アクリル系樹脂は、スチレン(メタ)アクリル系樹脂として好ましく用いることができる。この場合、スチレン単位と(メタ)アクリル単位の比率(モル比)は0:10から7:3であることが好ましい。
脂環族アルデヒド類としては、シクロヘキサンカルボキシアルデヒド、5−ノルボルネン−2−カルボキシアルデヒド、3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド等を挙げることができる。
芳香族アルデヒド類としては、2,4,6−トリメチルベンズアルデヒド(メシトアルデヒド)、2,4,6−トリエチルベンズアルデヒド、2,6−ジメチルベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、2−メトキシ−1−ナフトアルデヒド、2−エトキシ−1−ナフトアルデヒド、2−プロポキシ−1−ナフトアルデヒド、2−メチル−1−ナフトアルデヒド、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、その他置換基を有する1−ナフトアルデヒド、置換基を有する2−ナフトアルデヒド、9−アントラアルデヒド、置換基を有する9−アントラアルデヒド等を挙げることができる。
ケトンとしては、2−メチルアセトフェノン、2,4−ジメチルアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−ヒドロキシ−1−アセトナフトン、8’−ヒドロキシ−1’−ベンゾナフトン、アセトナフトン等のナフトン類等を挙げることができる。
これらのアルデヒド及びケトンは単独で、または組み合わせて用いてもよい。
ポリビニルホルマール樹脂の市販品としては、例えば、JNC株式会社製のビニレックシリーズ「ビニレックK」、「ビニレックC」等;株式会社クラレ製のビニロン繊維等を用いることができる。
これらは単独でも、2種以上を合わせて用いてもよい。
ポリアミド樹脂をアルコキシメチル化することで、アルコール溶剤への溶解性を高めることができる。そのため、樹脂粒子の製造工程において、色材及び樹脂分を溶剤中に、より均一に安定して混合することができる。
アルコキシメチル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基等を挙げることができる。
一方、反応性固体樹脂の配合量は、樹脂粒子B全体に対し、70質量%以下であることが好ましく、より好ましくは50質量%以下である。
例えば、樹脂粒子Bの反応性固体樹脂としてカルボキシ基を有する反応性固体樹脂を用いる場合は、架橋剤としてカルボジイミド系化合物、アジリジン系化合物、オキサゾリン系化合物等を用いることが好ましい。
樹脂粒子Bの反応性固体樹脂としてヒドロキシ基を有する反応性固体樹脂を用いる場合は、架橋剤として金属キレート系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物等を用いることが好ましい。
樹脂粒子Bの反応性固体樹脂としてアミノ基を有する反応性固体樹脂を用いる場合は、架橋剤としてエポキシ系化合物等を用いることが好ましい。
このような架橋剤と反応性固体樹脂との配合比は、樹脂粒子A中の架橋剤量及び樹脂粒子B中の反応性固体樹脂量とともに、樹脂粒子分散体に配合される樹脂粒子A及び樹脂粒子Bの質量比などによって調整することができる。
樹脂粒子A及び樹脂粒子Bには、それぞれ独立的に、酸性化合物、可塑剤、色材等の任意成分がさらに含まれてもよい。
これらの任意成分は、樹脂粒子A及び樹脂粒子Bのいずれか一方に配合されてもよく、または、両方に配合されてもよい。これらの任意成分が樹脂粒子A及び樹脂粒子Bの両方に含まれる場合は、両方で同じ種類の成分を用いてもよく、異なる種類の成分を用いてもよい。
樹脂粒子A及びBには、それぞれ、酸性基を有する液体有機化合物(以下、単に「酸性化合物」という場合がある。)が含まれてもよい。ここで、酸性基を有する液体有機化合物としては、23℃で液体状であり酸性基を有する有機化合物である。
また、固体樹脂に、酸価が低く耐水性が高い樹脂を用いる場合、耐摩耗性が低下することがあるが、この固体樹脂とともに酸性化合物を添加することで、耐水性とともに耐摩耗性を向上させることができる。
また、酸性化合物は、樹脂粒子分散体の製造工程において、油中油型エマルションの安定性を維持するために配合することができる。
例えば、酸性化合物を溶解可能な溶媒に酸性化合物を溶解させる際に、酸性化合物を0.5質量%溶解させたときのORP値に比べて、酸性化合物を5.0質量%溶解させたときのORP値が高い値を示すものであることが好ましい。
オリゴマーまたはポリマーとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂等を、単独で、または併用して用いることができる。また、これらの樹脂を構成するモノマーまたはオリゴマーの共重合体を用いてもよい。
また、酸性基としては、オリゴマーまたはポリマーをリン酸エステル化して導入されていてもよい。この場合、水酸基の位置及び割合に応じてリン酸基が導入される。オリゴマーまたはポリマーの両末端に水酸基を有する場合、オリゴマーまたはポリマーの両末端にリン酸基が導入されて、合計2個のリン酸基を有する。
酸性化合物がオリゴマーまたはポリマーである場合は、重量平均分子量が500〜10000であることが好ましく、より好ましくは1000〜5000である。
「CN294P」は、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体のリン酸エステル化合物であり、共重合体の両末端にリン酸基を有する。
「ARUFON UC3510」は、アクリル酸エステルとアクリル酸の共重合体であり、カルボキシ基を複数有する。
「キレストPH210」は、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸であり、2個のホスホン酸基を有する低分子量化合物である。
樹脂粒子A及びBにそれぞれ含まれる色材としては、顔料及び染料のいずれであってもよく、これらの組み合わせであってもよい。詳細については後述する。
色材は、樹脂粒子A全体に対して、呈色性及び成分の均一性の観点から、0.1〜50質量%で配合されることが好ましく、より好ましくは1〜40質量%である。
本実施形態による樹脂粒子分散体は、上記した樹脂粒子A及び樹脂粒子Bとともに、非水系溶剤及び塩基性分散剤を含む。非水系溶剤及び塩基性分散剤については、後述の樹脂粒子分散体の製造方法で説明する通りである。非水系溶剤としては、樹脂粒子を分散可能である溶剤であることが好ましい。塩基性分散剤としては、非水系溶剤中で樹脂粒子を分散させるために配合される。また、塩基性分散剤は、後述する樹脂粒子の製造工程において、エマルションの調整のために配合されることもある。
一方、樹脂粒子A及びBは、総量で、分散体全体に対し50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下である。これによって、分散性及び保存安定性を高めることができる。
より好ましい形態では、樹脂粒子B中の反応性固体樹脂に対し、樹脂粒子A中の架橋剤が適正な量で配合される。
以下、本実施形態による樹脂粒子分散体の製造方法の一例について説明する。なお、本実施形態による樹脂粒子分散体は、以下の製造方法で製造されたものに限定されない。
まず、樹脂粒子分散体Aの製造方法を説明する。
油中油型エマルションの油中乾燥法を用いた樹脂粒子分散体Aの製造方法としては、塩基性分散剤及び非水系溶剤(以下、連続相の非水系溶剤を溶剤Aと称することがある。)を少なくとも含む相を連続相とし、架橋剤及び非水系溶剤(以下、分散相の非水系溶剤を溶剤Bと称することがある。)を少なくとも含む相を分散相とし、この連続相に分散相を分散させて油中油(O/O)型エマルションを作製し、これから分散相のうち溶剤Bを除去して得ることができる。以下、樹脂粒子分散体Aを調整するための分散相を分散相Aと称することがある。
油中油型エマルションを安定して作製するために、塩基性分散剤は、溶剤Bよりも溶剤Aに対する溶解度が高いことが好ましい。また、樹脂粒子の形状を安定させるために、架橋剤、任意成分の固体樹脂A、酸性化合物、色材等はそれぞれ溶剤Aよりも溶剤Bに対する溶解度が高いことが好ましい。
連続相としては、溶剤Aと塩基性分散剤とを含む。
石油系炭化水素溶剤の蒸留初留点は、100℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがいっそう好ましい。蒸留初留点はJIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定することができる。
例えば、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸イソオクチル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸ヘキシル、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸イソブチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソオクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ピバリン酸2−オクチルデシル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル等の1分子中の炭素数が13以上、好ましくは16〜30の脂肪酸エステル系溶剤;
イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソエイコシルアルコール、デシルテトラデカノール等の1分子中の炭素数が6以上、好ましくは12〜20の高級アルコール系溶剤;
ラウリン酸、イソミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、α−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、イソステアリン酸等の1分子中の炭素数が12以上、好ましくは14〜20の高級脂肪酸系溶剤等が挙げられる。
脂肪酸エステル系溶剤、高級アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤等の極性有機溶剤の沸点は、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、250℃以上であるか大気圧下では分解して蒸発しないために沸点が観測されないことがいっそう好ましい。
例えば、塩基性分散剤を溶解可能な溶媒に塩基性分散剤を溶解させる際に、塩基性分散剤を0.5質量%溶解させたときのORP値に比べて、塩基性分散剤を5.0質量%溶解させたときのORP値が低い値を示すものであることが好ましい。
また、塩基性分散剤をドデカンに5.0質量%溶解させたときのORP値は、0mV以下であることが好ましい。
日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース13940(ポリエステルアミン系)、17000、18000(脂肪酸アミン系)、11200、22000、24000、28000」(いずれも商品名)、
ビックケミー・ジャパン株式会社製「DISPERBYK116、2096、2163」(いずれも商品名)、
花王株式会社製「アセタミン24、86(アルキルアミン塩系)」(いずれも商品名)、
楠本化成株式会社製「ディスパロンKS−860、KS−873N4(高分子ポリエステルのアミン塩)」(いずれも商品名)等を挙げることができる。
溶剤Bの除去後の塩基性分散剤の含有量としては、樹脂粒子の分散性の観点から、樹脂粒子分散体全体に対し0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量%である。
樹脂粒子分散体A用の分散相Aとしては、溶剤Bと架橋剤とを含む。樹脂粒子Aに固体樹脂A、酸性化合物、色材等の任意成分を含ませる場合は、分散相Aにこれらの任意成分を含ませるとよい。色材が顔料の場合、顔料分散剤をさらに含んでもよい。
これらは単独で、または複数種を組み合わせて使用することができる。
この架橋剤は、油中油型エマルションによって樹脂粒子分散体を製造する場合は、溶剤Aよりも溶剤Bに対する溶解度が高いものであることが好ましい。
溶剤B除去後の樹脂粒子分散体全量に対する架橋剤の含有量は、0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜15質量%であり、さらに好ましくは0.5〜10質量%でる。
無機顔料としては、代表的には、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック、及び酸化チタン等が挙げられる。これらの顔料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。
BASF社製「オラゾールシリーズ」のオラゾールブラックRLI、ブルーGN、ピンク5BLG、イエロー2RLN等;
保土谷化学工業株式会社製「AizenSpilonシリーズ」のアイゼンスピロンBlackBH、RLH、アイゼンスピロンVioletRH、アイゼンスピロンRedCBH、BEH、アイゼンスピロンYellowGRH、アイゼンSPTBlue26、アイゼンSPTBlue121、アイゼンSBNYellow510等を用いることができる。
溶剤Bの除去後、色材の含有量としては、染料及び顔料の総量として、樹脂粒子分散体全体に対し、0.1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜40質量%であり、一層好ましくは2〜20質量%である。これによって、樹脂粒子の呈色を適正にして、形状を安定化することができる。
これらは単独で用いられるほか、複数種を組み合わせて使用してもよい。
アニオン性分散剤として使用可能な酸性化合物として、市販されているものとしては、例えば、ビックケミー・ジャパン社製「DISPERBYK102、108、110、111、180」(いずれも商品名)、巴工業社製「TEGODisper655」、EFKA社製「Efca6230」等を挙げることができる。これらはいずれも溶剤Bに対する溶解性が良好である。
カチオン性分散剤として、市販されているものとしては、例えば、ルーブリゾール社製「ソルスパース71000」、ビックケミー・ジャパン社製「DISPERBYK2155、9077」等を用いることができる。これらはいずれも溶剤Bに対する溶解性が良好である。
この固体樹脂Aは、油中油型エマルションによって樹脂粒子を製造する場合は、溶剤Aよりも溶剤Bに対する溶解度が高いものであることが好ましい。
溶剤B除去後の樹脂粒子分散体全量に対する固体樹脂の含有量は、0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量%である。これによって、樹脂粒子の呈色を適正にして、形状を安定化することができる。
酸性化合物を添加することで、印刷物の発色性及び耐摩耗性をより向上させることができる。これは、酸性化合物によって、色材と固体樹脂とをより均一に安定して配合することが可能になるからである。
また、固体樹脂に、酸価が低く耐水性が高い樹脂を用いる場合、耐摩耗性が低下することがあるが、この固体樹脂とともに酸性化合物を添加することで、耐水性とともに耐摩耗性を向上させることができる。
また、酸性化合物は、樹脂粒子分散体の製造工程において、油中油型エマルションの安定性をより高めることができる。
溶剤B除去後の樹脂粒子分散体全量に対する酸性化合物の含有量は、0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量%である。これによって、耐摩耗性をより高めることができる。
樹脂粒子分散体の調整方法としては、特に限定されず、上記した連続相に上記した分散相を分散させて油中油型エマルションを作製し、この油中油型エマルションから、分散相中の非水系溶剤Bを除去することで調整することができる。
次に、樹脂粒子分散体Bの製造方法を説明する。
油中油型エマルションの油中乾燥法を用いた樹脂粒子分散体Bの製造方法としては、塩基性分散剤及び非水系溶剤(溶剤A)を少なくとも含む相を連続相とし、反応性固体樹脂及び非水系溶剤(溶剤B)を少なくとも含む相を分散相とし、この連続相に分散相を分散させて油中油(O/O)型エマルションを作製し、これから分散相のうち溶剤Bを除去して得ることができる。以下、樹脂粒子分散体Bを調整するための分散相を分散相Bと称することがある。
油中油型エマルションを安定して作製するために、塩基性分散剤は、溶剤Bよりも溶剤Aに対する溶解度が高いことが好ましい。また、樹脂粒子の形状を安定させるために、反応性固体樹脂、任意に添加される酸性化合物や色材等の各種成分はそれぞれ溶剤Aよりも溶剤Bに対する溶解度が高いことが好ましい。
樹脂粒子分散体Bの連続相としては、上記した樹脂粒子分散体Aの連続相と同様に、溶剤Aと塩基性分散剤とを含み、さらに任意成分を含んでもよい。各成分の詳細については、上記した通りである。
樹脂粒子分散体Bの連続相の成分と、樹脂粒子分散体Aの連続相の成分とは、互いに反応しないように選択することが好ましい。より好ましくは、樹脂粒子分散体Bと樹脂粒子分散体Aとにおいて、共通の連続相を用いることができる。これによって、分散体A及び分散体Bを混合して最終的に樹脂粒子分散体を調整する際に、樹脂粒子分散体の安定性をより良好に維持することができる。
樹脂粒子分散体B用の分散相Bとしては、反応性固体樹脂と溶剤Bとを含む。樹脂粒子Bに酸性化合物、色材、可塑剤等の任意成分を含ませる場合は、分散相Bに各種任意成分を含ませるとよい。色材が顔料の場合、顔料分散剤をさらに含んでもよい。
樹脂粒子分散体Aと樹脂粒子分散体Bとで、溶剤B、酸性化合物、色材、可塑剤、その他任意成分は、それぞれ独立して選択することができる。
この反応性固体樹脂は、油中油型エマルションによって樹脂粒子を製造する場合は、溶剤Aよりも溶剤Bに対する溶解度が高いものであることが好ましい。
溶剤B除去後の樹脂粒子分散体B全量に対する反応性固体樹脂の含有量は、0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量%である。これによって、樹脂粒子の呈色を適正にして、形状を安定化することができる。
本実施形態によるインクとしては、上記した樹脂粒子分散体を含むインクである。このインクは、インクジェット印刷、オフセット印刷、孔版印刷、グラビア印刷、電子写真方式印刷等の印刷インク全般として用いることができる。特に、分散安定性が良好であるため、インクジェットインクとして用いることが好ましい。
本発明の一実施形態による印刷方法は、架橋剤を含む樹脂粒子Aと、塩基性分散剤と、非水系溶剤とを含む第1インクと、架橋剤に対し反応性を有する反応性固体樹脂を含む樹脂粒子Bと、塩基性分散剤と、非水系溶剤とを含む第2インクと、を用いて、第1インク及び第2インクの一方を用いて記録媒体に画像を形成し、記録媒体上に形成された画像領域に、第1インク及び第2インクの他方を用いて画像を重ねて形成する、印刷方法である。
これによって、耐摩耗性及び耐油性に優れる印刷物を提供することができる。
第1インクにおいて架橋剤を含む樹脂粒子Aが樹脂粒子状であり、また、第2インクにおいて、反応性固体樹脂を含む樹脂粒子Bが樹脂粒子状であることで、両者が記録媒体上で固体状の樹脂粒子同士で反応することになり、記録媒体上により強固な被膜を形成することができる。
第1インクは、架橋剤を含む樹脂粒子Aと、塩基性分散剤と、非水系溶剤とを含むインクである。
第1インクにおいて、架橋剤を含む樹脂粒子A、塩基性分散剤、非水系溶剤、その他任意成分は、上記した樹脂粒子分散体Aと共通したものを用いることができる。
架橋剤を含む樹脂粒子Aは、0.1〜50質量%であることが好ましい。
塩基性分散剤は、0.1〜20質量%であることが好ましい。
樹脂粒子Aに含まれる架橋剤は、第1インク全量に対し、0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜15質量%であり、さらに好ましくは0.5〜10質量%であり、一層好ましくは0.5〜5質量%である。
第2インクは、架橋剤に対し反応性を有する反応性固体樹脂を含む樹脂粒子Bと、塩基性分散剤と、非水系溶剤とを含むインクである。
第2インクにおいて、反応性固体樹脂を含む樹脂粒子B、塩基性分散剤、非水系溶剤、その他任意成分は、上記した樹脂粒子分散体Bと共通したものを用いることができる。
反応性固体樹脂を含む樹脂粒子Bは、0.1〜50質量%であることが好ましい。
塩基性分散剤は、0.1〜20質量%であることが好ましい。
樹脂粒子Bに含まれる反応性固体樹脂は、第2インク全体に対し、0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量%である。
透明性の画像を形成するためには、第1インク及び第2インクに色材が含まれなくてもよい。
本実施形態による印刷方法では、第1インク及び第2インクの一方を用いて記録媒体に画像を形成し、記録媒体上に形成された画像領域に、第1インク及び第2インクの他方を用いて画像を重ねて形成する。以下、先に印刷されるインクを一方のインクといい、次に印刷されるインクを他方のインク称することがある。
具体的には、ラインヘッド方式のインクジェット印刷装置において、第1インク及び第2インクの一方を形成するための第1のインクジェットヘッドと、第1インク及び第2インクの他方を形成するための第2のインクジェットヘッドとを設け、用紙搬送方向に対して第1のインクジェットヘッドの後に第2のインクジェットヘッドを配置する。そして、インクジェット印刷装置が画像情報とともに印刷開始の指令を受けると、用紙が搬送され、まず画像情報に基づいて第1のインクジェットヘッドにより一方のインクを吐出し、さらに同じ画像情報に基づいて第2のインクジェットヘッドにより他方のインクを吐出する。他方のインクは一方のインクと同じ画像情報に基づいて塗布されるため、一方のインクによる画像と他方のインクによる画像とが重ねて印刷される。
1色目の画像を第1インク及び第2インクを用いて形成し、次いで、2色目以降の画像を第1インク及び第2インクを用いて形成し、多色の画像を得ることができる。これによって、各色のインクがそれぞれ被膜を形成している画像を得ることができる。
また、1色目の画像を第1インクで形成し、次いで、2色目以降の画像を第1インクで形成し、多色の画像を形成してから、最後に第2インクを、多色の画像に重ねて印刷して、最表面に1層の被膜が形成された多色の画像を得ることができる。
表1及び表2に、溶剤B除去前の実施例及び比較例の油中油型エマルションの処方を示す。各表において、各種成分に揮発分が含まれる場合は、各種成分の全体量とともに不揮発分量をカッコ内に併せて示す(後述する表3及び表4も同じである)。
例1〜6では、溶剤Bに、色材及び反応性固体樹脂を混合し、ビーズミルにて分散して、分散相を調整した。
例7〜12では、溶剤Bに、色材、反応性固体樹脂及び酸性化合物を混合し、ビーズミルにて分散して、分散相を調整した。
例13〜18では、溶剤Bに、色材、固体樹脂A及び酸性化合物を混合し、ビーズミルにて分散した後、架橋剤を加えて分散相を調整した。なお、例13〜15及び18では、色材を添加しなかった。
例19及び20では、溶剤Bに、架橋剤を加えて分散相を調整した。
例21及び22では、溶剤Bに、色材及び固体樹脂Aを混合し、ビーズミルにて分散した後、架橋剤を加えて分散相を調整した。
例23では、溶剤Bに、色材及び固体樹脂Aを混合し、ビーズミルにて分散し、分散相を調整した。
例24では、溶剤Bに、固体樹脂A及び酸性分散剤を混合し、ビーズミルにて分散し、分散相を調整した。
(連続相)
溶剤A「アイソパーM」:イソパラフィン系炭化水素系溶剤、東燃ゼネラル石油株式会社製。
塩基性分散剤「S11200」:日本ルーブリゾール株式会社製「ソルスパース11200」、不揮発分50%、塩基価37KOHmg/g。
溶剤B「メタノール」:炭素数1のアルコール系溶剤、和光純薬工業株式会社製。
カーボンブラック:三菱化学株式会社製「MA−8」。
黒色金属錯塩染料:オリヱント化学工業株式会社製「Valifast Black 3810」。
酸性化合物「BYK111」:2個のリン酸エステル基を有する液体有機化合物(共重合体の両末端にリン酸基を有するリン酸エステル化合物)、ビックケミー・ジャパン株式会社製「DISPERBYK−111」、酸価129KOHmg/g、不揮発分95.0%。
架橋剤1「カルボジイミド系化合物」:カルボジイミド基当量600、日清紡ケミカル株式会社製「カルボジライトV−02B」、カルボジライトV−02の不揮発分100%品。
架橋剤2「カルボジイミド系化合物」:カルボジイミド基当量335、日清紡ケミカル株式会社製「カルボジライトV−04K」、カルボジライトV−04の不揮発分100%品。
架橋剤3「アジリジン系化合物」:多官能アジリジン、分子量425、アジリジン基含有量6mmol/g、株式会社日本触媒製「ケミタイトPZ−33」、不揮発分100%。
架橋剤4「金属キレート系化合物」:チタンキレート、Ti(C5H7O2)4、マツモトファインケミカル株式会社製「オルガチックスTC−401」、チタンキレート、Ti(C5H7O2)4、不揮発分65%。
架橋剤5「金属キレート系化合物」:チタンキレート、Ti(O−iC3H7)2(C6H14O3N)2、マツモトファインケミカル株式会社製「オルガチックスTC−400」、不揮発分80%。
架橋剤6「オキサゾリン系化合物」:オキサゾリン価220g/eq、株式会社日本触媒製「エポクロスWS−700」、不揮発分25%。
アクリル樹脂:(Mw)16000、(酸価)242mgKOH/g、東亞合成株式会社製「UC3920」。
ニトロセルロース:硝化度10.7〜11.2、NobelNC社製「DLX5−8」。
ポリビニルアルコール:けん化度37.3mol%、(Mw)17500、酢酸基62.7mol%、日本酢ビ・ポバール製「JMR−10L」。
ポリアミド樹脂:(Mw)17000、株式会社鉛市製「FR−301」。
スチレンマレイン酸樹脂:(Mw)7000、川原油化株式会社製「SMAレジン1440F」。
ポリビニルブチラール樹脂:(Mw)15000、積水化学工業株式会社製「BL−10」。
ケトン樹脂:(Mw)3300、荒川化学工業株式会社製「K90」。
ポリビニルピロリドン:(Mw)40000、和光純薬工業株式会社製「PVP K−30」。
架橋剤は、表1及び表2に示す分散相の配合割合で溶剤Bに溶解し、溶剤Aに対する溶解度が23℃で3g/100g未満であった。なお、架橋剤4、5、6は、インク調整の溶媒B除去の際、不揮発分以外の成分が一緒に除去される。
反応性固体樹脂及び固体樹脂Aは、それぞれ、表1及び表2に示す分散相の配合割合で溶剤Bに溶解し、溶剤Aに対する溶解度が23℃で3g/100g未満であり、水に対する溶解度が23℃で3g/100g未満であった。
酸性化合物は、表1及び表2に示す分散相の配合割合で溶剤Bに溶解し、溶剤Aに対する溶解度が23℃で3g/100g未満であった。
ソルスパース11200:ドデカンに0.5質量%溶解させたときのORP値に比べて、5.0質量%溶解させたときのORP値が低く、ドデカンに5.0質量%溶解させたときのORP値は−85であった。
DISPERBYK−111:メタノールに0.5質量%溶解させたときのORP値に比べて、5.0質量%溶解させたときのORP値が高く、メタノールに5.0質量%溶解させたときのORP値は350であった。
表5〜表9に、実施例及び比較例のインク処方及び印刷方法を示す。
表5及び表6では、分散体A及びBの組み合わせを、表3及び表4に示す樹脂粒子分散体のNo.で表している。
表7及び表8では、分散体及び分散体の組み合わせを、表3及び表4に示す樹脂粒子分散体のNo.で表している。
表9では、1回目のインクに用いた分散体及び2回目のインクに用いた分散体の組み合わせを、表3及び表4に示す樹脂粒子分散体のNo.で表している。
実施例1〜21では、各表に示す組み合わせで、分散体A及び分散体Bを、質量比で1:1で混合し、インクを調整した。これらのインクは、反応性固体樹脂を含む樹脂粒子と、架橋剤を含む樹脂粒子とを別々に含む。
比較例1〜9では、各表に示す樹脂粒子分散体をそのままインクとして用いた。
比較例10〜13では、各表に示す組み合わせで、分散体A及び分散体Bを、質量比で1:1で混合し、インクを調整した。これらのインクでは、反応性固体樹脂を含む樹脂粒子と、固体樹脂Aを含む樹脂粒子とを別々に含み、架橋剤を含む樹脂粒子をふくまない。
実施例22〜28では、2種類のインクを用いて、1回目のインクによって印刷した後に、1回目のインクによる画像に重ねて、2回目のインクによる印刷を行った。1回目のインクと2回目のインクの組み合わせを表9に示す。
1回目のインク及び2回目のインクは、表3及び表4に示す樹脂粒子分散体をそのままインクとして用いた。
比較例14及び15では、2種類のインクを用いて、1回目のインクによって印刷した後に、1回目のインクによる画像に重ねて、2回目のインクによる印刷を行った。1回目のインクと2回目のインクの組み合わせを表9に示す。
1回目のインク及び2回目のインクは、表3及び表4に示す樹脂粒子分散体をそのままインクとして用いた。
上記した各インクを用いて、以下の各評価を行った。結果を表5〜表9に併せて示す。
上記した各インクをライン式インクジェットプリンタ「オルフィスX9050」(理想科学工業株式会社製)に装填し、上質コート紙「オーロラコート」(日本製紙株式会社製)に、ベタ画像を印刷して、印刷物を得た。印刷は、解像度300×300dpiにて、1ドット当りのインク量が42plの吐出条件で行った。なお、「オルフィスX9050」は、ライン型インクジェットヘッドを使用し、主走査方向(ノズルが並んでいる方向)に直交する副走査方向に用紙を搬送して印刷を行うシステムである。
AA:画像のはがれがないレベル。
A:画像のはがれがほとんど確認されないレベル。
B:画像のはがれが確認されるが実際の使用上問題ないレベル。
C:画像のはがれが顕著であり実際の使用上問題あるレベル。
上記した各インクをガラス瓶に入れて密閉し、70℃で保存した。保管2週間後に沈殿あるなしを観察し、70℃保存安定性を次の基準で評価した。
A:沈殿がない。
B:流動性のある沈殿が少量ある。
C:流動性のない沈殿がある。
上記した耐擦過性と同様にして印刷物を得た。印刷後24時間放置後、印刷物のベタ画像部分に0.5mlのサラダ油を塗布し、300秒放置した。放置後、ベンコット(旭化成株式会社製)で油を擦り取り、その際の印刷画像の剥離の有無を目視で評価した。評価基準は以下の通りである。
A:画像の色落ちが無い、または画像の周りがわずかに汚れるレベル。
B:画像の色落ちが若干見られ、周りが汚れたが実際の使用上問題ないレベル。
C:画像の色落ちが激しく、周りの汚れが酷く使用上問題あるレベル。
上記した耐擦過性と同様にして印刷物を得た。印刷後24時間(1日)放置後、印刷物のベタ画像部分に0.5mlの水を垂らして、そのにじみ具合を目視で観察して、耐水性を次の基準で評価した。
A:印刷画像部分がにじまないレベル。
B:印刷画像部分が若干にじむが実際の使用上問題ないレベル。
C:印刷画像部分がにじみ実際の使用上問題あるレベル。
表3及び表4に示す樹脂粒子分散体について、分散体中に分散している樹脂粒子の散乱光基準の平均粒子径を動的光散乱式粒径分布測定装置「SZ―100」(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。
実施例1〜7では、反応性固体樹脂を含む樹脂粒子と、架橋剤、固体樹脂及び酸性化合物を含む樹脂粒子とを、それぞれ独立してともに含み、各評価結果が良好であった。
実施例8〜14では、反応性固体樹脂及び酸性化合物を含む樹脂粒子と、架橋剤、固体樹脂及び酸性化合物を含む樹脂粒子とを、それぞれ独立してともに含み、各評価結果が良好であった。とりわけ、耐擦過性がより改善された。
実施例1〜14によれば、樹脂粒子の反応性固体樹脂として耐水性を持つ樹脂のみで構成したため、耐水性がより改善したことがわかる。
実施例17、18及び21では、反応性固体樹脂を含む樹脂粒子と、架橋剤及び固体樹脂を含む樹脂粒子とを、それぞれ独立してともに含み、各評価結果が良好であった。各樹脂粒子に、酸性化合物が含まれない場合でも、十分な性能を得ることができた。
比較例7〜9では、樹脂粒子が1種類のみ含まれ、反応性固体樹脂を含む樹脂粒子が含まれず、十分な結果を得ることができなかった。
比較例11及び13では、反応性固体樹脂を含む樹脂粒子と、固体樹脂及び酸性化合物を含む樹脂粒子とを、それぞれ独立してともに含むが、架橋剤を含む樹脂粒子を含まず、耐擦過性及び保存安定性、耐油性が低下した。
実施例22〜28によれば、第1のインクの樹脂粒子の反応性固体樹脂として耐水性を持つ樹脂のみで構成したため、耐水性がより改善したことがわかる。
Claims (10)
- 架橋剤を含む樹脂粒子Aと、前記架橋剤に対し反応性を有する反応性固体樹脂を含む樹脂粒子Bと、塩基性分散剤と、非水系溶剤とを含む、インクジェット用インク。
- 前記樹脂粒子Aは、前記架橋剤に対し前記反応性固体樹脂より反応性が低い固体樹脂をさらに含む、請求項1に記載のインクジェット用インク。
- 前記樹脂粒子Aの前記架橋剤と、前記樹脂粒子Bの前記反応性固体樹脂との組み合わせは、
(メタ)アクリル系樹脂とカルボジイミド系架橋剤の組合せ、
(メタ)アクリル系樹脂とオキサゾリン系架橋剤の組合せ、
ニトロセルロースと金属キレート系架橋剤の組合せ、
ポリアミド樹脂とカルボジイミド系架橋剤の組合せ、
ポリビニルアセタール樹脂と金属キレート系架橋剤の組合せ、及び
ポリビニルアルコールと金属キレート系架橋剤の組合せから選択される1種以上である、請求項1または2に記載のインクジェット用インク。 - 前記樹脂粒子A及び/又は前記樹脂粒子Bは、酸性基を有する液体有機化合物をさらに含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
- 前記樹脂粒子A及び/又は前記樹脂粒子Bは、色材をさらに含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
- 架橋剤を含む樹脂粒子Aと、塩基性分散剤と、非水系溶剤とを含む第1インクと、
前記架橋剤に対し反応性を有する反応性固体樹脂を含む樹脂粒子Bと、塩基性分散剤と、非水系溶剤とを含む第2インクとをそれぞれインクジェット印刷方法を用いて印刷する印刷方法であって、
前記第1インク及び前記第2インクの一方を用いて記録媒体に画像を形成し、記録媒体上に形成された画像領域に、前記第1インク及び前記第2インクの他方を用いて画像を重ねて形成する、印刷方法。 - 前記樹脂粒子Aは、前記架橋剤に対し前記反応性固体樹脂より反応性が低い固体樹脂をさらに含む、請求項6に記載の印刷方法。
- 前記樹脂粒子Aの前記架橋剤と、前記樹脂粒子Bの前記反応性固体樹脂との組み合わせは、
(メタ)アクリル系樹脂とカルボジイミド系架橋剤の組合せ、
(メタ)アクリル系樹脂とオキサゾリン系架橋剤の組合せ、
ニトロセルロースと金属キレート系架橋剤の組合せ、
ポリアミド樹脂とカルボジイミド系架橋剤の組合せ、
ポリビニルアセタール樹脂と金属キレート系架橋剤の組合せ、及び
ポリビニルアルコールと金属キレート系架橋剤の組合せから選択される1種以上である、請求項6または7に記載の印刷方法。 - 前記樹脂粒子A及び/又は前記樹脂粒子Bは、酸性基を有する液体有機化合物をさらに含む、請求項6から8のいずれか1項に記載の印刷方法。
- 前記樹脂粒子A及び/又は前記樹脂粒子Bは、色材をさらに含む、請求項6から9のいずれか1項に記載の印刷方法。
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