JP6421546B2 - グリーン成形体の製造方法及び無機系焼結体の製造方法 - Google Patents
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Description
セラミックスや金属等の粒子とバインダー樹脂との混合物を射出成形する方法としては、例えば、特許文献1、2に開示されたものがある。特許文献1のステンレス焼結体の製造方法においては、金属の原料粉末にバインダーを添加してなる組成物を射出成形する方法について記載されている。また、特許文献2の粉末による部品の製造方法においては、セラミックス又は金属の粉末に有機バインダーを添加した後、射出成形により成形体を成形し、さらにこの成形体を振動成形機によって振動成形することが記載されている。
上記組成物を加熱して上記(B)成分を溶融させるとともに、真空手段を介して上記キャビティ内の圧力を上記一対の型部の外部の圧力よりも低くして、該一対の型部に吸引力を発生させることにより、上記キャビティの容積を縮小させて上記組成物を圧縮する圧縮工程と、
上記組成物を冷却し、上記(B)成分を固化させてグリーン成形体を得る冷却工程と、を含むことを特徴とするグリーン成形体の製造方法にある。
上記グリーン成形体中の上記(A)成分を焼結させて無機系焼結体を得る焼結工程と、を行うことを特徴とする無機系焼結体の製造方法にある。
該セラミックス含有成形体中の上記(A)成分を焼結させてセラミックス成形体を得る工程と、を含むことを特徴とするセラミックス成形体の製造方法にある。
また、上記セラミックス成形体の製造方法によれば、従来のセラミックス焼成時に生じる体積収縮によって生じる歪みに起因する成形体の破損を効果的に防止することができる。
<組成物>
上記組成物は、(A)無機系微粒子及び(B)バインダーを含有する。さらに任意成分として、組成物は(C)分散剤及び(D)その他の添加剤等を含有することができる。組成物は、無機系微粒子、バインダー、必要に応じて分散剤及びその他の添加剤等を十分に撹拌して混合することによって製造することができる。また、この混合は、乾燥空気気流下において、紫外線を遮蔽した容器中において行うことが好ましい。
組成物は、無機系微粒子、バインダー等を混錬した後、所定の大きさに造粒して得られる固体状のものとすることができる。
目的とするグリーン成形体の形状によって、粒子状、固形状の組成物を適宜選択することができる。また、固体状の組成物は、2種以上の形態のものを混合して用いることができる。
また、組成物の平均粒子径がこれらの範囲内であって、更に1〜100μmの範囲内の組成物の小形粒子を含有していると、キャビティへの組成物の充填に際して好ましい場合がある。粒子状の組成物の嵩比重(組成物の単位体積(1cm3)当たりの質量(g))は、組成物中に含まれる(A)成分及び(B)成分の材質及び配合量によって大きく影響される。粒子状の組成物の嵩比重は、0.4以上10以下が好ましく、より好ましくは0.45以上8以下、更に好ましくは0.5以上6以下である。
上記無機系微粒子は、特に制限されない。無機系微粒子の好ましい具体例としては、金属単体を含有する微粒子(以下、「金属単体の微粒子」ともいう。)、金属化合物を含有する微粒子(以下、「金属化合物の微粒子」ともいう。)、黒鉛を含有する微粒子(以下、「黒鉛の微粒子」ともいう。)等を挙げることができる。また、金属化合物の微粒子を用いて得られるグリーン成形体からセラミックスである無機系焼結体を得る場合には、その金属化合物の微粒子自体はセラミックスでなくても、その金属化合物の微粒子を便宜上、「セラミックスの微粒子」ともいう。
無機系微粒子を金属化合物の微粒子又はセラミックスの微粒子とする場合には、無機酸化物、無機炭化物及び無機窒化物等を主成分とする微粒子を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
無機炭化物としては、例えば、炭化ジルコニウム、炭化ケイ素等を挙げることができる。
無機窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等を挙げることができる。
無機系微粒子としては、酸化アルミニウム、シリカ、炭化ケイ素、ジルコニア又はイットリア、又はこれらの混合物等が好適に用いられる。
窒素を用いたBET比表面積測定法による、無機系微粒子の比表面積は、好ましくは10〜1000m2/gであり、さらに好ましくは100〜500m2/gである。
アンチモン酸亜鉛粉末としては、日産化学工業(株)製の商品名:セルナックスを挙げることができる。
アルミナ、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛等としては、シーアイ化成(株)製の商品名:ナノテックを挙げることができる。
酸化セリウムとしては、多木化学(株)製の商品名:ニードラール等を挙げることができる。
上記バインダーは、熱可塑性樹脂とすることができる。この場合には、グリーン成形体の強度を高めることができる。
また、上記バインダーは、加熱されたときに溶融して、冷却されたときに固化する性質を有するものであればよく、熱可塑性樹脂以外にも、ロウ、ワックス、含水ゲル等とすることもできる。含水ゲルの具体例としては、寒天(アガロース又はアガロペクチン)等の多糖類の含水ゲル、ゼラチン(コラーゲンの加水分解体)等のポリペプチドの含水ゲル等が挙げられる。
この熱可塑性樹脂は、熱可塑性を有する重合体を含むものであれば、特に限定されず、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)、ASA樹脂(アクリレート・スチレン・アクリロニトリル樹脂)、AES樹脂(アクリロニトリル・エチレン−プロピレン−ジエン・スチレン樹脂)等のゴム強化スチレン系樹脂、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、環状オレフィン樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、フッ素樹脂、イミド系樹脂、ケトン系樹脂、スルホン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹脂、感光性樹脂、液晶ポリマー、生分解性プラスチック等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
成形型をゴム材料から形成した場合には、熱可塑性樹脂の冷却速度は、金型の場合に比べて遅くなる。そのため、結晶性の高い熱可塑性樹脂を用いると冷却中に結晶成長が進み、成形品の寸法精度が低下したり、成形品の耐衝撃性が低下したりすることがある。これに対し、熱可塑性樹脂を非晶性熱可塑性樹脂にすることにより、上記成形品の寸法精度の低下及び耐衝撃性の低下等を防止できる場合がある。
組成物におけるバインダーの含有量は、圧縮工程において加熱される際の組成物の潤滑性を確保でき、かつグリーン成形体の強度を確保できる範囲内で極力少なくすることが好ましい。
上記組成物には、(A)無機系微粒子を組成物中に均一に分散させるための(C)分散剤を含有させることが好ましい。分散剤を少量添加することによって、組成物のチクソ性を抑制することができる。
極性基を有する櫛形有機ポリマーの市販品としては、マリアリムAKM−0531、AAS−0851、AAB−0851、AFB−1521(以上、日本油脂(株)製)等が挙げられる。
上記組成物には、必要に応じて、(D)その他の添加剤等を目的に応じて配合することができる。以下、その例を列挙する。
本発明のグリーン成形体の製造方法は、成形型のキャビティ内に、(A)無機系微粒子及び(B)バインダーを含有する組成物を配置する配置工程と、上記組成物を加熱して上記(B)成分を溶融させるとともに、上記キャビティの容積を縮小させて上記組成物を圧縮する圧縮工程と、上記組成物を冷却し、上記(B)成分を固化させてグリーン成形体を得る冷却工程とを含む。
[配置工程]
上記配置工程は、成形型のキャビティ内に、(A)無機系微粒子及び(B)バインダーを含有する組成物を配置する工程である。キャビティ内に組成物を配置する方法は任意である。ただし、成形型が一対の型部から構成されている場合又は複数の型部に分割されて構成されている場合には、成形型を各型部に分解してキャビティとなり得る部位に組成物を配置した後、再び型部を組み合わせて成形型とする方法を採用することが好ましい。
上記圧縮工程は、上記組成物を加熱して上記(B)成分を溶融させるとともに、上記キャビティの容積を縮小させて上記組成物を圧縮する工程である。
圧縮工程においては、キャビティ内に配置された組成物を加熱し溶融させる加熱手段と、キャビティの容積を縮小させるように成形型に圧力を印加する圧力印加手段とを用いることが好ましい。加熱手段は、上記配置工程及び上記圧縮工程において用いることができ、圧力印加手段は、上記圧縮工程及び上記冷却工程において用いることができる。
圧力印加手段は、上記配置工程及び上記圧縮工程において、少なくとも(B)バインダーが溶融を開始する前からバインダーの温度が低下し始めるまでの間、成形型への圧力の印加を継続するよう構成することができる。
この場合には、グリーン成形体を精度よく成形することができる。
この場合には、バインダーが固化するまでの間、容積縮小後のキャビティの形状を維持することができる。そして、容積縮小後のキャビティの形状に沿った形状のグリーン成形体を精度よく成形することができる。
この場合には、キャビティ内が減圧されることによって、成形型の外部とキャビティの内部との圧力差を利用して、キャビティの容積を縮小させることができる。また、この場合には、キャビティ内が減圧されることによって、成形型の外部とキャビティの内部との圧力差を利用して、キャビティの容積を縮小させることができる。
成形型は、複数の型部に分割し、複数の型部が互いに接近する際に、複数の型部が合わさる面に形成されたキャビティの容積を縮小させる構造に形成することができる。
上記成形型は、その全体を弾性変形可能な弾性部材としてのゴムによって形成することができる。この場合には、成形型を、キャビティを開放するための分割面において複数に分割することが容易であり、成形型の製造が容易である。また、ゴムの弾性変形を利用してキャビティの容積を縮小させることもできる。
また、上記キャビティ内の圧力を上記成形型の外部の圧力よりも低くするとともに、上記成形型に電磁波を照射して上記組成物を加熱することにより、上記キャビティの容積を縮小させることができる。
この場合には、成形型の外部から加える圧力によって、キャビティの容積を縮小させることができる。
この場合には、組成物及びキャビティ形成面の少なくとも一方に電磁波を吸収させて、バインダーを加熱・溶融させることができ、グリーン成形体を成形するための装置の構成を簡単にすることができる。この電磁波を照射する装置としては、0.78〜2μmの波長領域(近赤外線領域)を含む電磁波(以下、「近赤外線等電磁波」ともいう。)、又は0.0001〜100mの波長領域(マイクロ波領域、高周波領域)を含む電磁波(以下、「マイクロ波等電磁波」ともいう。)を照射する電磁波照射手段を用いることができる。なお、電磁波とは光を含む広い概念である。
上記圧力印加手段は、電磁波照射手段から照射する電磁波によってキャビティ内に配置された(B)バインダーを溶融させる際に、一対の型部を互いに接近させてキャビティの容積を縮小させる構成とすることができる。
この電磁波としては、0.78〜2μmの波長領域を含む電磁波(近赤外線)を用いることができる。この場合には、0.78〜2μmの波長領域を含む電磁波は、成形型に吸収される割合に比べて、成形型を透過して(B)バインダーに吸収される割合が多く、成形型に比べて、バインダーをより強く加熱することが容易である。この場合には、成形型は、透明のゴム材料によって構成することができる。また、成形型は、電磁波を透過させる性質を有する程度で、半透明のゴム材料から構成することもできる。
なお、電磁波照射手段から照射される電磁波には、上記近赤外線以外の電磁波が含まれていてもよい。
成形型がマイクロ波等電磁波を吸収する材料で形成されている場合には、成形型がマイクロ波等電磁波によって加熱され、さらに成形型からの熱伝導によってキャビティ内の組成物が加熱される。
また、マイクロ波等電磁波によって、組成物中の無機系微粒子を加熱し、無機系微粒子からの熱伝導によってバインダーを加熱して溶融させることもできる。
なお、電磁波照射手段から照射される電磁波には、上記マイクロ波又は高周波以外の電磁波が含まれていてもよい。
この場合には、成形型の作製が容易であるとともに、上記0.78〜2μmの波長領域を含む電磁波により、成形型をほとんど加熱することなく熱可塑性材料を強く加熱することができる。
また、シリコーンゴムの硬度は、JIS Aスプリング硬さ試験機による測定において25〜80であることが好ましい。
表面層における誘電性付与物質の含有量が、表面層全体に対して5体積%未満である場合には、表面層がマイクロ波等電磁波を吸収する性質を十分に発揮することができないおそれがある。一方、表面層における誘電性付与物質の含有量が、表面層全体に対して90体積%超過である場合には、表面層を構成する、誘電性付与物質以外の材料との混合が難しくなり、また、表面層の機械的強度が低下するおそれがある。
冷却工程は、上記組成物を冷却し、上記(B)成分を固化させてグリーン成形体を得る工程である。グリーン成形体の製造方法の上記冷却工程においては、(B)バインダーを冷却する冷却手段を用いることができる。
この場合には、冷却手段によって、加熱・溶融後のバインダーを迅速に冷却することができ、グリーン成形体の成形時間を短くすることができる。
上記冷却手段としては、内部に冷媒を流通可能な金属板等を冷却対象物に接触させる接触型の熱交換体の他、成形型に空気を吹き付ける送風ファン、気化熱を利用して成形型を冷却する熱交換器・熱交換素子、所定温度以下に冷やされた冷却室等とすることができる。
また、グリーン成形体の製造方法の上記配置工程、上記圧縮工程及び上記冷却工程においては、例えば、以下の手段を用いることができる。
グリーン成形体の製造方法の上記配置工程及び上記圧縮工程においては、成形型のキャビティ内の真空引きを行う真空手段を用い、真空手段によってキャビティ内の圧力を、成形型を構成する一対の型部の外部の圧力よりも低くして、一対の型部に吸引力を発生させることにより、(B)バインダーが溶融する際に一対の型部を互いに接近させることができる。
なお、一対の型部は、真空手段によって発生させる吸引力を利用する以外にも、一対の型部に外力を加えて強制的に互いに接近させることもできる。
この場合には、一対の型部を互いに接近させるために分割面に形成した隙間から、溶融した(B)バインダーが漏れ出すことを容易に防止することができる。
この場合にも、一対の型部を互いに接近させるために分割面に形成した隙間から、溶融した(B)バインダーが漏れ出すことを容易に防止することができる。
また、上記配置工程及び上記圧縮工程においては、吸引口及び吸引ゲートを介してキャビティ内の真空引きを行うことにより、一対の型部の間に容易に吸引力を発生させることができ、溶融した(B)バインダーをキャビティの全体に容易に行き渡らせることができる。また、吸引口には、キャビティに配置されたバインダーが溶融する際に、このキャビティに余剰になった溶融状態のバインダーを溢れ出させることもできる。
この場合には、キャビティ内に組成物を配置する際には、一対の型部を閉じた状態において、吸引口から組成物を投入することができる。
この場合には、キャビティ内の(B)バインダーを部分的に溶融させていくことにより、キャビティの全体に組成物を安定して行き渡らせることができる。
本発明の無機系焼結体の製造方法は、上記グリーン成形体の製造方法によって得られたグリーン成形体を加熱して、上記(B)成分を除去する除去工程と、上記グリーン成形体中の上記(A)成分を焼結させて無機系焼結体を得る焼結工程を含む。
無機系焼結体の製造方法においては、有機成分は熱分解するが(A)無機系微粒子は焼結しない温度において、硬化物を加熱して(B)バインダー等の有機成分を分解して除去し(本発明の属する技術分野において、「脱脂」といわれることがある。)、実質的に(A)無機系微粒子のみからなる無機系前駆体を得る工程(以下、「除去工程」という。)と、無機系前駆体を、(A)無機系微粒子が焼結する温度で加熱して無機系焼結体とする工程(以下、「焼結工程」という。)と、を含むことが好ましい。これらの工程により、無機系焼結体のひび割れや破損等をより効果的に防止できる。
グリーン成形体の製造方法において得られたグリーン成形体を、窒素雰囲気下、有機成分は熱分解するが組成物中の(A)無機系微粒子は焼結しない温度において、加熱し、有機成分を分解除去し(一次加熱)、実質的に無機系微粒子のみからなる無機系前駆体を得る。「有機成分は熱分解するが無機系微粒子は焼結しない温度」は、無機系微粒子の材料の種類、無機系前駆体のサイズ、重合性バインダーの種類等の条件によって適宜選択する。この温度は、一般に300〜800℃の範囲内、好ましくは350〜600℃の範囲内である。
次に、有機成分が分解除去された後の実質的に(A)無機系微粒子のみからなる無機系前駆体を、マッフル炉等の高温加熱手段を用い、無機系微粒子が焼結する温度で加熱する(二次加熱)。「無機系微粒子が焼結する温度」は、無機系微粒子の種類、無機系前駆体のサイズ、無機系微粒子の粒子径等の条件によって適宜選択する。この温度は、一般に1000〜3000℃の範囲内、好ましくは1200〜2500℃の範囲内である。
上記除去工程で得られた実質的に(A)無機系微粒子のみからなる無機系前駆体を二次加熱する前に、無機系前駆体に、焼成によって無機系焼結体を形成する流動性無機材料を含浸させ、流動性無機材料含浸無機系前駆体を得る。この工程により、当該実質的に(A)無機系微粒子のみからなる無機系前駆体中の空隙に流動性無機材料が入り込み、空隙を満たす。これを二次加熱(焼結)した場合、流動性無機材料が縮合及び焼結して(A)無機系微粒子とともに均一化し、極めて緻密な無機系焼結体が得られる。
上記のようにして無機系前駆体に流動性無機材料を含浸させ、乾燥した後、(A)無機系微粒子及び流動性無機材料が焼結する温度で二次加熱を行い、無機系焼結体を得る。「無機系微粒子及び流動性無機材料が焼結する温度」は、無機系微粒子及び流動性無機材料の種類、無機系前駆体のサイズ、無機系微粒子の粒子径等の条件により適宜選択する。この温度は、好ましくは1000〜3000℃の範囲内、より好ましくは1200〜2500℃の範囲内である。具体的な加熱条件については、上記焼結工程と同様である。
上記無機系焼結体の製造方法において説明した、所望の形状を有する無機系前駆体及び流動性無機材料含浸無機系前駆体は、新規な構成を有する。これらの無機系前駆体を、(A)無機系微粒子、又は(A)無機系微粒子及び上記流動性無機材料が焼結する温度で加熱することにより、微細かつ複雑な形状の無機系焼結体を得ることができる。
本実施態様のグリーン成形体7の製造方法は、配置工程、圧縮工程及び冷却工程を行ってグリーン成形体7を成形する。配置工程においては、図1、図2に示すように、成形型を構成する一対の型部2A,2Bの間に形成されたキャビティ20内に、無機系微粒子61及びバインダー62を含有する組成物6を配置する。次いで、圧縮工程においては、図4に示すように、組成物6を加熱してバインダー62を溶融させるとともに、一対の型部2A,2Bのキャビティ20の容積を縮小させて組成物6を圧縮する。その後、冷却工程においては、図5に示すように、組成物6を冷却し、バインダー62を固化させてグリーン成形体7を得る。
次に、本実施態様のグリーン成形体7の製造方法及び無機系焼結体に用いる成形装置1について詳説する。
図6は、造粒して得られた粒子状の組成物6を模式的に示す。同図に示すように、本実施態様の組成物6は、無機系微粒子61としてのセラミックスの微粒子と、バインダー62としての熱可塑性樹脂とが混錬され、所定の大きさに造粒されて粒子状に形成されたものである。組成物6の各粒子は、微細な無機系微粒子61とバインダー62とが混ざり合った状態にある。組成物6の各粒子中の無機系微粒子61の粒子径は、10〜50nmの範囲内にあり、組成物6の粒子径は、100〜200μmの範囲内にある。組成物6の全量に対するバインダー62の含有量は、10質量%以下にしている。そして、組成物6中のバインダー62の含有量を極めて少なくしてグリーン成形体7を成形する。
本実施態様においては、近赤外線等電磁波を照射する電磁波照射手段4を用いるため、一対の型部2A,2Bは、ゴム材料から形成される。なお、マイクロ波等電磁波を照射する電磁波照射手段4を用いる場合において、マイクロ波等電磁波をあまり吸収することができない組成物6を用いるときには、一対の型部2A,2Bは、ゴム材料に誘電性付与物質を添加した材料から形成される。また、マイクロ波等電磁波を照射する電磁波照射手段4を用いる場合において、マイクロ波等電磁波を吸収することができる組成物6を用いるときには、一対の型部2A,2Bは、ゴム材料に誘電性付与物質を添加しないゴム材料から形成することができる。
まず、配置工程として、一対の型部2A,2Bの間に形成するキャビティ20内に、無機系微粒子(セラミックスの微粒子)61及びバインダー(熱可塑性樹脂粒子)62が混合された組成物6を配置する。このとき、組成物6は、一方側型部2Aに形成した吸引口(投入口)27から互いに組み合わせた状態の一対の型部2A,2Bの間のキャビティ20内へ投入することができる。また、組成物6は、開いた状態の他方側型部2Bにおけるキャビティ形成凹部25内に配置することもできる。この場合、組成物6を配置した他方側型部2Bに、一方側型部2Aを組み合わせる。
また、組成物6をキャビティ20内に配置したときには、キャビティ20を形成する面と組成物6との間や、組成物6同士の間に空隙が形成される。
その後、一対の型部2A,2Bを離型して、成形したグリーン成形体7を取り出すことができる。
その後、焼結工程として、無機系微粒子61を焼結させて無機系焼結体を得る。
また、成形する無機系焼結体の形状、寸法精度を向上させることができ、微細かつ複雑な形状の無機系焼結体の立体造形物を成形することができる。また、特に、無機系焼結体によって、小型の立体造形物に限られず、大型、厚肉等の立体造形物を成形することができる。
金属微粒子は、平均粒径が7μmであるSUS316Lとし、組成物6中の熱可塑性樹脂粒子(バインダー)62の含有量は組成物6の全量に対して8質量%又は5質量%とした。組成物6は、金属微粒子と熱可塑性樹脂粒子とを混錬して成形したペレットを、粉砕して微細化し、180μmのメッシュを通過したものとした。
試験品1、2においては、グリーン成形体7を成形する際に、マイクロ波成形を行うために、マイクロ波を照射する加熱手段を有する(株)DMEC製Amolsys M150を用いた。比較品1、2においては、グリーン成形体7を成形する際に、射出成形を行うために、射出成形機として、東芝機械(株)製IS80Aを用いた。成形するグリーン成形体7の形状は、50mm×50mm×2mmの正方形のプレートとした。
また、試験品1、2及び比較品1、2ともに、グリーン成形体7からバインダー62を除去した後に、1350℃で2時間の焼結を行い、無機系焼結体を得た。
試験品1、2については、グリーン成形体7を成形することができ、無機系焼結体を成形した際の縦寸法と横寸法との差が小さく、無機系焼結体の形状に歪みがほとんどなく、等方性に優れていることがわかる。一方、比較品1については、グリーン成形体7を成形することはできたものの、無機系焼結体を成形した際の縦寸法と横寸法との差が大きく、無機系焼結体の形状に歪みが生じ、等方性が悪いことがわかる。また、比較品2については、バインダー62の含有量が少なくて、グリーン成形体7を成形することができなかった。
以上の結果より、上記実施態様に示したグリーン成形体7及び無機系焼結体の製造方法によれば、形状、寸法精度に優れた無機系焼結体を成形できることがわかった。
2A,2B 型部
20 キャビティ
4 電磁波照射手段
5 真空手段
6 組成物
61 無機系微粒子
62 バインダー
7 グリーン成形体
Claims (6)
- 成形型の、一対の型部の間に形成されたキャビティ内に、(A)無機系微粒子及び(B)バインダーを含有する組成物を配置する配置工程と、
上記組成物を加熱して上記(B)成分を溶融させるとともに、真空手段を介して上記キャビティ内の圧力を上記一対の型部の外部の圧力よりも低くして、該一対の型部に吸引力を発生させることにより、上記キャビティの容積を縮小させて上記組成物を圧縮する圧縮工程と、
上記組成物を冷却し、上記(B)成分を固化させてグリーン成形体を得る冷却工程と、を含むことを特徴とするグリーン成形体の製造方法。 - 上記圧縮工程における上記組成物の加熱は、0.0001〜100mの波長領域を含む電磁波を上記成形型に照射することによって行うことを特徴とする請求項1に記載のグリーン成形体の製造方法。
- 上記(A)成分は、金属単体、金属化合物又は黒鉛を含有する微粒子から構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のグリーン成形体の製造方法。
- 上記(A)成分の平均粒径は、10nm以上20μm以下であることを特徴とする請求項3に記載のグリーン成形体の製造方法。
- 上記(B)成分の含有量は、上記組成物全量に対して0.1質量%以上10質量%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のグリーン成形体の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のグリーン成形体の製造方法により得られたグリーン成形体を加熱して、上記(B)成分を除去する除去工程と、
上記グリーン成形体中の上記(A)成分を焼結させて無機系焼結体を得る焼結工程と、を含むことを特徴とする無機系焼結体の製造方法。
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