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JP6425960B2 - 積層型のガスセンサ素子、ガスセンサ、及びその製造方法 - Google Patents
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JP6425960B2 - 積層型のガスセンサ素子、ガスセンサ、及びその製造方法 - Google Patents

積層型のガスセンサ素子、ガスセンサ、及びその製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、積層型のガスセンサ素子、ガスセンサ、及びその製造方法に関する。
特定のガスを検出するガスセンサとしては、固体電解質体の外表面に一対の電極を配置したセルを備えた酸素センサが知られている。また、ガスセンサに用いられるセンサ素子としては、複数の板状部材を積層した積層型のガスセンサ素子が知られている(下記特許文献1,2)。従来の積層型ガスセンサ素子では、固体電解質体は、平板状の絶縁部材に形成された貫通孔に埋め込まれており、その輪郭形状は四角形である。
特許第4050542号公報 特許第4669429号公報
しかしながら、輪郭形状が四角形である固体電解質体は緻密であるため、熱応力などの応力や外力が固体電解質体に掛かった場合に、その四隅において応力集中を起こし易く、破損し易いという課題があった。また、固体電解質体を絶縁部材の貫通孔に埋め込む場合に、固体電解質と絶縁部材との間に隙間ができてしまい、ガスのバイパス路となってセンサ性能を劣化させる可能性があるという課題があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、固体電解質体が埋め込まれた四辺を有する板状の絶縁部材を含む複数の板状部材が積層された積層型のガスセンサ素子が提供される。このガスセンサ素子は、前記固体電解質体を含む前記絶縁部材の厚さ方向に垂直な面でみたときに、前記固体電解質体のうち、前記四辺のうち少なくとも一辺に対向する位置の輪郭形状が、当該一辺に向かって突出する円弧形状をなすことを特徴とする。
この形態によれば、固体電解質体の輪郭形状が、絶縁部材の四辺のうちの少なくとも一辺に向かって突出する円弧形状をなす輪郭形状を有するので、従来のような四角形状に比べて、熱応力などの応力や外力が固体電解質体に掛かった場合に応力集中を起こし難く、破損し難いものとすることができる。
(2)上記ガスセンサ素子において、前記固体電解質体の輪郭形状は、円、楕円、又は長円である、としてもよい。
この形態によれば、応力集中を更に緩和することができる。
(3)上記ガスセンサ素子において、前記四辺のうちの長手方向に延びる辺に対向する位置における前記固体電解質体の輪郭形状が、長手方向に延びる直線状をなすようにしてもよい。
この形態によれば、固体電解質体の面積を十分に大きく確保することが可能である。
(4)本発明の他の形態によれば上記ガスセンサ素子を製造する製造方法が提供される。この製造方法は、(a)支持シート上に、未焼成固体電解質材料からなる未焼成固体電解質層を形成する工程と、(b)前記支持シート上の前記未焼成固体電解質層から、前記ガスセンサ素子の前記固体電解質体となる未焼成固体電解質体以外の未焼成固体電解質材料を除去する工程と、(c)前記未焼成固体電解質体を未焼成絶縁材料からなる未焼成絶縁層上に転写する工程と、(d)転写された前記未焼成固体電解質体の周囲の前記未焼成絶縁層上に、前記未焼成絶縁材料を印刷することによって、前記未焼成固体電解質体が前記未焼成絶縁材料に囲まれた未焼成板状体を形成する工程と、
を備えることを特徴とする。
この製造方法によれば、支持シート上に形成された未焼成固体電解質体の周囲に未焼成絶縁層をスクリーン印刷するので、未焼成絶縁層に未焼成固体電解質体が隙間なく囲まれた未焼成板状体を形成することが可能であり、固体電解質体と絶縁層との間に隙間が存在することに起因するセンサ性能の低下を抑制することができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、ガスセンサ素子や、ガスセンサ、そのガスセンサを備えるガス検出装置、そのガス検出装置を搭載する車両、及び、それらの製造方法等の形態で実現することができる。
ガスセンサの内部構造を示す概略断面図。 ガスセンサ素子の構成を示す概略斜視図。 ガスセンサ素子を分解して示す概略斜視図。 固体電解質体の各種の形状を示す平面図。 固体電解質体と絶縁部材とを含む板状部材の第1の製造方法を示す説明図。 固体電解質体と絶縁部材とを含む板状部材の第2の製造方法を示す説明図。 固体電解質体と絶縁部材とを含む板状部材の第3の製造方法を示す説明図。
A.ガスセンサの全体構成:
図1は本発明の一実施形態としてのガスセンサ100の内部構造を示す概略図である。図1には、ガスセンサ100の仮想中心軸AX(以下、単に「軸線AX」とも呼ぶ)を一点鎖線で図示してある。このガスセンサ100は、内燃機関の排気管などに装着され、測定ガスである排気ガス中の酸素濃度を、リッチ領域からリーン領域に渡ってリニアに検知する、いわゆる全領域空燃比センサである。
ガスセンサ100は、軸線AX方向に沿って延伸された形状を有している。ガスセンサ100は、その先端側(紙面下側)が排気管の内部に挿入され、後端側(紙面上側)が排気管の外部に突出するように排気管の外表面に固定的に取り付けられる。なお、図1には、ガスセンサ100が取り付けられたときの排気管の外表面の位置が二点鎖線PSで図示してある。
ガスセンサ100は、自身を排気管に対して固定的に取り付けるための主体金具110を備える。主体金具110は、軸線AX方向に沿った貫通孔110cを有する筒状の金属部材である。主体金具110の外側には、排気管に設けられたガスセンサ100の取り付けのためのネジ溝に螺合するねじ部110aや、ガスセンサ100の取り付けの際にスパナやレンチなどの工具を係合させるための工具係合部110bが形成されている。
主体金具110の先端側には、二重の有底筒状のプロテクタ101が、レーザ溶接により固設されている。二重のプロテクタ101には、ガスセンサ100を排気管に取り付けたときに、排ガスを内部に導入できるように、内側および外側の壁部のそれぞれに、複数の導入孔101cが形成されている。
主体金具110の後端側には、筒状の金属製の外筒103がレーザ溶接により固設されている。ガスセンサ100の内部には、外筒103の後端側端部から、ガスセンサ100と外部の制御回路200(図5参照)とを電気的に接続するための3本のセンサ用リード線193,194,195と、2本のヒータ用リード線196,197とが挿通されている。なお、外筒103の後端側端部には、外筒103の内部を封止するためのフッ素ゴム製のグロメット191が取り付けられており、5種類のリード線193〜197は、グロメット191を貫通して、外筒103の内部に挿入されている。
ガスセンサ100は、酸素濃度に応じた信号を出力するガスセンサ素子120を備える。ガスセンサ素子120は、細長形状の板部材を積層した積層構造を有しており、仮想中心軸AXに垂直な断面が略矩形形状となる四角柱形状を有している(詳細は後述)。ガスセンサ素子120は、主体金具110の貫通孔110c内に固定的に保持されており、ガスセンサ100の内部において、軸線AX方向に沿って収容される。なお、図1では、ガスセンサ素子120の積層方向に沿って互いに対向し合う第1と第2の面120a,120bがそれぞれ紙面左側および紙面右側に向いている。
ガスセンサ素子120の先端側(紙面下側)の端部には、排気ガス中の酸素濃度を検出可能に構成されたガス検出部121が設けられている。ガス検出部121は、プロテクタ101の内部に収容・配置されている。これによって、ガスセンサ100が排気管に取り付けられたときに、ガス検出部121は、導入孔101cから導入された排ガスに曝される。
ここで、主体金具110の後端側(紙面上側)の外筒103内には、軸線AX方向に沿った貫通孔181cを有する筒状の絶縁部材であるセパレータ181が固定的に保持されている。具体的には、セパレータ181は、外周に配置された略筒状の付勢金具190によって、グロメット191に向かって付勢された状態で、外筒103内に保持されている。ガスセンサ素子120の後端側の端部は、そのセパレータ181の貫通孔181c内に収容されている。
ガスセンサ素子120の後端部には、第1の面120a側に、3つのセンサ用の電極パッド125、126、127が紙面奥行き方向に並列に配列され、第2の面120b側に、2つのヒータ用の電極パッド128,129が紙面奥行き方向に並列に配列されている。さらに、セパレータ181の貫通孔181c内には、3つのセンサ用の接続端子182,183,184と、2つのヒータ用の接続端子185,186とが、ガスセンサ素子120の対応する各電極パッド125〜129と接触するように設けられている。なお、各センサ用接続端子182〜186は、グロメット191を介してガスセンサ100内に挿通された5本のリード線193〜197に電気的に接続されている。
ガスセンサ素子120は、主体金具110の筒内における以下のような構成により、主体金具110に固定的に保持されている。主体金具110の貫通孔110cの先端側には、径方向内側に突出する段部111が形成されている。そして、主体金具110の貫通孔110c内には、底面に貫通孔116cを有する金属カップ116が、その底面の外周端部が段部111と係合した状態で配置される。
金属カップ116の底面側の内部空間には、セラミックホルダ113が配置される。セラミックホルダ113は、アルミナ(Al23)によって構成され、中央に、ガスセンサ素子120を挿通するための矩形状の貫通孔113cが形成されている。
金属カップ116の内部には、金属カップ116の貫通孔116cと、セラミックホルダ113の貫通孔113cとに挿通されたガスセンサ素子120を気密に保持するための第1粉末充填層114(タルク)が形成されている。第1粉末充填層114は、セラミックホルダ113の上に滑石粉末を充填することにより形成される。このように、ガスセンサ素子120は、金属カップ116と、セラミックホルダ113と、第1粉末充填層114と、一体化された状態で、主体金具110の貫通孔110c内に保持される。
主体金具110の貫通孔110c内には、第1粉末充填層114の上に、さらに、主体金具110の後端側とガスセンサ素子120のガス検出部121との間の気密性を確保するための第2粉末充填層115(タルク)が、滑石粉末を充填することにより形成されている。そして、第2粉末充填層115の上にはセラミックスリーブ170が配置されている。
セラミックスリーブ170は、ガスセンサ素子120を挿通するための、軸線AX方向に沿った矩形状の軸孔170cを有する筒状体である。セラミックスリーブ170は、アルミナによって構成することができる。セラミックスリーブ170は、主体金具110の後端側の端部110kを径方向内側に屈曲させて加締めることにより、第2粉末充填層115側に押圧された状態で、主体金具110に固定される。なお、主体金具110の後端側の端部110kとセラミックスリーブ170との間には、加締リング117が配置される。
図2は、ガスセンサ素子120の構成を示す概略斜視図である。図2には、ガスセンサ素子120の第1の面120a側を紙面上側とし、第2の面120b側を紙面下側として図示してある。また、軸線AX方向(図1)を紙面左右方向とし、先端側を紙面左側とし、後端側を紙面右側として図示してある。ガスセンサ素子120は、板状の検出素子130(紙面上側)と、板状のヒータ素子160(紙面下側)とが積層されて焼成一体化されることによって構成されている。
なお、図1においても説明したように、ガスセンサ素子120の先端側には、ガス検出部121が形成されている。そして、後端側の第1の面120a側には、3つの電極パッド125〜127が配列されている。なお、図示はされていないが、後端側の第2の面120b側には、2つの電極パッド128,129が配列されている。
図3は、ガスセンサ素子120を分解して示す概略斜視図である。図3には、積層方向(紙面上下方向)に分解されたガスセンサ素子120の各構成部が、紙面左側を先端側とし、紙面右側を後端側として図示してある。なお、図中の二点鎖線は、二点鎖線で結ばれた各構成部が電気的に導通していることを示している。ガスセンサ100の検出素子130は、保護層131と、酸素ポンプセル135と、スペーサ145と、酸素濃度検知セル150とが、第1の面120a側から、この順序で積層されている。
保護層131は、アルミナを主成分として形成された板状部材であり、ガスセンサ素子120の第1の面120a側を保護する。保護層131の先端側には、保護層131の積層方向(紙面上下方向)に通気性を有する多孔質部132が形成されている。多孔質部132は、ガスセンサ素子120を、その積層方向に沿って見たときに、後述する電極部137Mと重なる領域に形成されている。多孔質部132は、ガス検出部121の排ガスの汲み入れ/汲み出しのためのガス流路部として機能する。
保護層131の外側の面131aの後端側には、3つの電極パッド125〜127が、ガスセンサ素子120の幅方向(紙面奥行き方向)に並列に配列される。そして、保護層131には、第1〜第3のスルーホール導体11〜13が、第1〜第3の電極パッド125〜127に対応させて、貫通形成されている。
酸素ポンプセル135は、固体電解質体136と、固体電解質体136を内部に配置する絶縁部材139と、一対の電極137,138とを備える板状部材である。固体電解質体136は、例えば安定化ジルコニア焼結体又は部分安定化ジルコニア焼結体で形成されており、一対の電極部137M,138Mよりも若干大きい面積を有するように形成された板状部材である。本実施形態において、固体電解質体136の輪郭形状は、その少なくとも一辺又は全体が円弧形状を有している。この点についてはさらに後述する。絶縁部材139は、固体電解質体136の外周を囲み、その周囲を覆うように設けられており、保護層131と略同様なサイズを有する板状部材である。絶縁部材139の後端側には、保護層131に形成された第2と第3のスルーホール導体12,13と電気的に導通する第4と第5のスルーホール導体14,15が貫通形成されている。絶縁部材139は、例えばアルミナで形成されている。
2つの電極137,138はそれぞれ、白金(Pt)を主成分として多孔質に構成されており、電極部137M,138Mと、リード部137L,138Lとを有している。電極部137M,138Mはそれぞれ、固体電解質体136の第1の面136a(紙面上側の面)と、第2の面136b(紙面下側の面)にそれぞれ配置されている。このうち、第2の面136b側に配置された電極部138Mは、後述するガス検出室145cに露出する。一方、第1の面136a側に配置された電極部138Mは、ガスセンサ100が排気管に装着されたときに、保護層131に設けられた多孔質部132を介して排気ガスに晒される。
また、リード部137L,138Lはそれぞれ、電極部137M,138Mから後端側へと延伸している部位である。このうち、第1の面136a側に配置された電極137のリード部137Lは、保護層131の第1のスルーホール導体11を介して、第1の電極パッド125と電気的に導通する。一方、第2の面136b側に配置された電極138のリード部138Lは、固体電解質体136に設けられた第4のスルーホール導体14および保護層131に設けられた第2のスルーホール導体12を介して、第2の電極パッド126と電気的に導通する。
スペーサ145は、酸素ポンプセル135の絶縁部材139と略同様なサイズを有する板状の絶縁部材である。スペーサ145は、例えばアルミナで形成されている。スペーサ145の先端側には、貫通孔が形成されている。この貫通孔は、スペーサ145が、酸素ポンプセル135と、酸素濃度検知セル150とに狭持されたときに、測定ガスである排ガスが導入されるガス検出室145cを構成する。
スペーサ145において、貫通孔を挟んで、スペーサ145の幅方向に互いに対向し合う2つの側壁部には、拡散律速部146が形成されている。拡散律速部146は、通気性を有する多孔質のアルミナによって構成されている。ガスセンサ素子120では、拡散律速部146の通気度に応じた量の排ガスが、ガス検出室145cに導入される。即ち、拡散律速部146は、ガス検出部121のガス導入部として機能する。
スペーサ145の後端側には、酸素ポンプセル135の電極138のリード部138Lと電気的に導通する第6のスルーホール導体16が貫通形成されている。また、第6のスルーホール導体16と隣り合う位置には、酸素ポンプセル135の絶縁部材139に設けられた第5のスルーホール導体15と電気的に導通する第7のスルーホール導体17が貫通形成されている。
スペーサ145は、酸素ポンプセル135と酸素濃度検知セル150とを絶縁する絶縁層として機能する。
酸素濃度検知セル150は、固体電解質体151と、固体電解質体151を内部に配置する絶縁部材154と、一対の電極152,153とを備える板状部材である。固体電解質体151は、例えば安定化ジルコニア焼結体又は部分安定化ジルコニア焼結体で形成されており、一対の電極部152M,153Mよりも若干大きな面積を有するように形成された板状部材である。この固体電解質体151も、酸素ポンプセル135の固体電解質体136と同様に、その輪郭形状の一辺又は全体が円弧形状を有している。絶縁部材154は、固体電解質体151の外周を囲み、その周囲を覆うように形成され、スペーサ145と略同様なサイズを有する板状部材である。絶縁部材154の後端側には、第8のスルーホール導体18が貫通形成されている。第8のスルーホール導体18は、スペーサ145に形成された第7のスルーホール導体17と電気的に導通する。
2つの電極152,153はそれぞれ、白金(Pt)を主成分として多孔質に構成されており、電極部152M,153Mと、リード部152L,153Lとを有する。電極部152M,153Mは、固体電解質体151の第1の面151a(紙面上側の面)と第2の面151b(紙面下側の面)とにそれぞれ配置されている。このうち、第1の面151a側に配置された電極部152Mは、ガス検出室145cに露出する。
なお、第1の面151a側に配置された電極152のリード部152Lは、スペーサ145に設けられた第6のスルーホール導体16を介して、酸素ポンプセル135の電極138および第2の電極パッド126と電気的に導通する。一方、第2の面150b側に配置された電極153のリード部153Lは、固体電解質体151に設けられた第8のスルーホール導体18を介して、第3の電極パッド127と電気的に導通する。
ヒータ素子160は、第1と第2の絶縁体161,162と、発熱抵抗体163と、第1と第2のヒータリード部164,165と、を備える。第1と第2の絶縁体161,162は、アルミナによって構成された、検出素子130と同様なサイズを有する板状部材である。第1と第2の絶縁体161,162は、発熱抵抗体163及びヒータリード部164,165を狭持する。
発熱抵抗体163は、白金を主成分とする発熱線によって構成され、蛇行形状を有する発熱体である。2つのヒータリード部164,165はそれぞれ、発熱抵抗体163の両端に接続されており、発熱抵抗体163から後端側に向かって延伸している。
ここで、第2の絶縁体162の外側の面162bの後端側には、第1と第2のヒータ用電極パッド128,129が、ヒータ素子160の幅方向に、並列に配列されている。そして、第2の絶縁体162には、第1と第2のヒータ用電極パッド128,129に対応する第1と第2のヒータ用スルーホール導体21,22が貫通形成されている。発熱抵抗体163に接続された第1と第2のヒータリード部164,165はそれぞれ、第1と第2のヒータ用スルーホール導体21,22を介して、第1と第2のヒータ用電極パッド128,129と電気的に導通する。
ヒータ素子160は、ガスセンサ100の駆動の際には、外部のヒータ制御回路(図示せず)によって、発熱温度が制御される。そして、検出素子130を、数百℃(例えば、700〜800℃)に加熱して酸素ポンプセル135と酸素濃度検知セル150とを活性化させる。
B.固体電解質体の形状及び製造方法:
図4(A)〜(E)は、酸素ポンプセル135の固体電解質体136が採用し得る各種の輪郭形状(平面形状)を示す平面図である。なお、酸素濃度検知セル150の固体電解質体151も、酸素ポンプセル135の固体電解質体136と同じ形状とすることが好ましい。以下では、酸素ポンプセル135の固体電解質体136を代表例として説明する。
図4(A)の固体電解質体136は、板状の形状を有しており、その輪郭形状が、ガスセンサ100の軸線AX方向に長い長円である。図4(B)の固体電解質体136は、その輪郭形状が円形である。ここでいう円形とは、真円を意味する。また、なお、固体電解質体136の輪郭形状を楕円形にしてもよい。図4(C)の固体電解質体136は、その輪郭形状が軸線AX方向に長く全体に丸みを帯びた略楔形形状を有している。但し、この略楔形形状の軸線AX方向の両端部は、それぞれ略円弧状の形状となっている。また、略楔形形状は、先端側(図中左側)の幅が大きく、後端側(図中右側)の幅が細い。このような形状は、絶縁部材139をスクリーン印刷(後述)する際に、固体電解質体136と絶縁部材139との間に隙間が生じ難い点で好ましい。図4(D)の固体電解質体136は、その輪郭形状における軸線方向AX方向の両端の形状のうち、その後端側(図中右側)の一辺における形状が円弧状(好ましくは半円状)であり、先端側(図中左側)の辺の形状が直線状である。但し、先端側の2つの隅ではR面取りがなされている。図4(E)の固体電解質136は、比較例であり、その輪郭形状が略四角形を有しており、4つの辺のすべてが直線状である。
図4(A)〜(D)に示した固体電解質体136は、その輪郭形状の少なくとも一辺又は全体が円弧形状を有する点で好ましい。換言すれば、固体電解質体136を含む絶縁部材139の厚さ方向に垂直な面でみたときに、固体電解質体136のうち、絶縁部材139の四辺のうちの少なくとも一辺に対向する位置の輪郭形状が、当該一辺に向かって突出する円弧形状をなす点で好ましい。すなわち、図4(A)〜(D)の固体電解質体136は、絶縁部材139の少なくとも一辺に対向する位置にある固体電解質体136の輪郭形状が、当該一辺に向かって突出する円弧形状をなすので、熱応力などの応力や外力が固体電解質体136に掛かった場合に、過度の応力集中が生じ難く、図4(E)に示した比較例に比べて応力集中による破損の可能性が低いという利点がある。また、応力集中を緩和するという観点からは、固体電解質体136の輪郭形状が、2辺の交差部(代表的には多角形の頂点に相当する部分)として、90度以下の内角を有する交差部を全く含まないことが好ましい。特に、図4(A),(B)で説明した長円形、円形、及び楕円形は、その輪郭形状の全体に直角以下の角度を有する交差部が無く、変化が滑らかなので、応力集中の緩和効果が顕著である。また、ガスセンサ100の小型化という観点からは、絶縁部材139の四辺のうちの長手方向に延びる辺に対向する位置における固体電解質体136の輪郭形状が、長手方向に延びる直線状をなすことが好ましい。詳述すると、ガスセンサ100の小型化に伴い、固体電解質体136も小型化を迫られるが、電極を配置する関係上、固体電解質体136は所定の面積を有する必要がある。例えば、図4(B)に示した円形は、固体電解質体136の面積を十分に大きくするという観点で不利であるのに対し、図4(A)、(C)、(D)に示した長円形や楔形形状は、この観点で有利であるため好ましい。
図5(A)〜(C)は、固体電解質体と絶縁部材とを含む板状部材の第1の製造方法を示す説明図である。以下の製造方法の説明においても、図4と同様に、酸素ポンプセル135を代表例として説明する。
図5(A)では、穴や貫通孔の無い未焼成の絶縁部材シート139sを準備する。図5(B)では、未焼成の絶縁部材シート139sの一部を打ち抜くことによって、固体電解質体136のための貫通孔136hと、スルーホール導体14,15用の貫通孔14h,15hを形成する。図5(C)では、貫通孔136h内に、未焼成の固体電解質体136pを埋め込むことによって、未焼成の固体電解質体136pが埋め込まれた未焼成の絶縁部材シート139sを形成する。なお、この埋め込み工程は、未焼成の固体電解質シートを貫通孔136hを有する絶縁部材シート139s(図5(B))上に載置き、この固体電解質シートを貫通孔136hの形に合わせて上から打ち抜くことによって実行することができる。なお、図5(A)〜(C)に示した工程の後は、未焼成電極パターンを塗工する工程と、他の未焼成板状部材と重ねることによって未焼成の積層体を形成する工程と、この積層体を焼成する工程と、を含む複数の工程を経てガスセンサ素子120が完成する。なお、このような製造方法としては、例えば、上記特許文献2(特許第4669429号公報)の図3〜図9で説明されている製造方法を採用可能である。
図6(A)〜(E)は、固体電解質体と絶縁部材とを含む板状部材の第2の製造方法を示す説明図である。図6(A)では、支持シート300上に未焼成の固体電解質材料からなる未焼成固体電解質層136sを形成する。これは、スクリーン印刷などの任意の方法によって実現可能である。図6(B)では、未焼成固体電解質層136sのうち、焼成後に固体電解質体136となる部分である未焼成固体電解質体136pの形状に沿って切れ目HCL(ハーフカットライン)を入れる。このハーフカットラインHCLは、未焼成固体電解質層136sを貫通するが、支持シート300は貫通しないカットラインである。図6(C)では、未焼成固体電解質層136sの中から、未焼成固体電解質体136p以外の未焼成固体電解質材料を除去する。図6(D)では、未焼成固体電解質体136pが載置されている支持シート300上に未焼成絶縁材料を印刷(例えばスクリーン印刷)することによって、未焼成絶縁層139pを形成する。スクリーン印刷を行う場合に、スクリーン印刷用のスキージ310は、支持シート300上をガスセンサ100の軸線AX方向に相当する方向(図中の右から左に向かう方向)に沿って進行する。図4(A)〜(D)に示した輪郭形状を有する固体電解質体136を採用した場合には、この図6(D)の工程においてスキージ310が最初に未焼成固体電解質体136pの位置に到達する部分は、未焼成固体電解質体136pの後端側(図中の右端側)であり、これらの部分はすべて円弧状の形状を有している。従って、スクリーン印刷時において、未焼成固体電解質体136pと未焼成絶縁層139pとの間に空気が溜りにくく、両者の間に無用な隙間ができにくい。未焼成固体電解質体136pと未焼成絶縁層139pとの間に空気が溜りにくくするという観点からは、未焼成固体電解質体136pの先端側(図中の左端側)も円弧形状になっているもの(例えば図4(A)〜(C)の形状)が好ましい。また、製造のし易さを考慮すれば、固体電解質体136の形状を、円、長円、又は、楕円とすることがさらに好ましい。
図6(E)は、支持シート300上に、未焼成固体電解質体136pと未焼成絶縁層139pとで構成された未焼成板状体が形成された様子を示している。この後は、未焼成電極パターンを塗工する工程と、他の未焼成板状部材と重ねることによって未焼成の積層体を形成する工程と、この積層体を焼成する工程と、を含む複数の工程を経てガスセンサ素子120が完成する。
図7(A)〜(F)は、固体電解質体と絶縁部材とを含む板状部材の第3の製造方法を示す説明図である。この第3の製造方法は、酸素濃度検知セル150(図3)の固体電解質体151を含む板状部材を製造する方法として利用可能である。図7(A)〜(C)の工程は、図6(A)〜(C)と同様であり、未焼成固体電解質層151sを支持シート300上に形成し、未焼成固体電解質体151pの周囲にハーフカットラインHCLを形成し、未焼成固体電解質体151p以外の未焼成固体電解質材料を除去する。図7(D)では、別個に用意された未焼成絶縁材料からなる未焼成絶縁層161pの上に、未焼成固体電解質体151pを転写して、支持シート300を剥がす転写工程が実行される。なお、未焼成絶縁層161pの表面には、焼成後に電極153(図3)となる未焼成電極パターン153pが形成されていることが好ましい。図7(E),(F)の工程は、図6(D),(E)と同様であり、未焼成絶縁層161pの上に未焼成絶縁材料を印刷(例えばスクリーン印刷)することによって、未焼成絶縁層154pを形成する。この後は、他の未焼成電極パターンを塗工する工程と、他の未焼成板状部材と重ねることによって未焼成の積層体を形成する工程と、この積層体を焼成する工程と、を含む複数の工程を経てガスセンサ素子120が完成する。
以上のように、本実施形態では、絶縁部材139の貫通孔に埋め込まれた固体電解質体136の輪郭形状が四角形ではなく、絶縁部材139の四辺のうちの少なくとも一辺に向かって突出する円弧形状をなす輪郭形状を有するので、熱応力などの応力や外力が固体電解質体136に掛かった場合にも、応力集中が生じにくいという利点がある。また、未焼成固体電解質体136pの周囲に印刷によって未焼成絶縁層139pを形成する場合に、未焼成固体電解質体136pと未焼成絶縁層139pとの間に空気が溜りにくいので、両者の間に無用な隙間が生じる可能性を低減できる。
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
・変形例1:
上述したガスセンサ100の全体構造は単なる一例であり、これ以外の各種の構成を採用することが可能である。また、上記実施形態では、ガスセンサ100は、酸素イオンを伝導可能な固体電解質体136,151を用いることにより、測定対象ガス中の酸素ガスの濃度を検出していたが、本発明は、酸素以外のガスの濃度を検出するガスセンサにも適用可能である。
11〜18,21…スルーホール導体
100…ガスセンサ
101…プロテクタ
101c…導入孔
103…外筒
110…主体金具
110a…ねじ部
110b…工具係合部
110c…貫通孔
110k…端部
111…段部
113…セラミックホルダ
113c…貫通孔
114…第1粉末充填層
115…第2粉末充填層
116…金属カップ
116c…貫通孔
117…加締リング
120…ガスセンサ素子
121…ガス検出部
125〜128…電極パッド
130…検出素子
131…保護層
132…多孔質部
135…酸素ポンプセル
136…固体電解質体
136h…貫通孔
136p…未焼成固体電解質体
136s…未焼成固体電解質層
137…電極
137L…リード部
137M…電極部
138…電極
138L…リード部
138M…電極部
139…絶縁部材
139p…未焼成絶縁層
139s…絶縁部材シート
145…スペーサ
145c…ガス検出室
146…拡散律速部
150…酸素濃度検知セル
151…固体電解質体
151p…未焼成固体電解質体
151s…未焼成固体電解質層
152…電極
152L…リード部
152M…電極部
153…電極
153p…未焼成電極パターン
153L…リード部
154…絶縁部材
160…ヒータ素子
161,162…第2の絶縁体
161p…未焼成絶縁層
163…発熱抵抗体
164…ヒータリード部
170…セラミックスリーブ
170c…軸孔
181…セパレータ
181c…貫通孔
182…接続端子
185…接続端子
190…付勢金具
191…グロメット
193…センサ用リード線
196…ヒータ用リード線
200…制御回路
300…支持シート
310…スキージ

Claims (2)

  1. 固体電解質体が埋め込まれた四辺を有する板状の絶縁部材を含む複数の板状部材が積層された積層型のガスセンサ素子であって、
    前記固体電解質体を含む前記絶縁部材の厚さ方向に垂直な面でみたときに、前記固体電解質体のうち、前記四辺のうち少なくとも一辺に対向する位置の輪郭形状が、当該一辺に向かって突出する円弧形状をなし、前記四辺のうち少なくとも2辺に対向する位置の輪郭形状が直線であるガスセンサ素子の製造方法であって、
    (a)支持シート上に、未焼成固体電解質材料からなる未焼成固体電解質層を形成する工程と、
    (b)前記支持シート上の前記未焼成固体電解質層から、前記ガスセンサ素子の前記固体電解質体となる未焼成固体電解質体以外の未焼成固体電解質材料を除去する工程と、
    (c)前記未焼成固体電解質体を未焼成絶縁材料からなる未焼成絶縁層上に転写する工程と、
    (d)転写された前記未焼成固体電解質体の周囲の前記未焼成絶縁層上に、前記未焼成絶縁材料を印刷することによって、前記未焼成固体電解質体が前記未焼成絶縁材料に囲まれた未焼成板状体を形成する工程と、
    (e)前記未焼成板状体を他の未焼成板状部材と重ねることによって未焼成の積層体を形成する工程と、
    (f)前記積層体を焼成する工程と、
    を備えることを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
  2. 請求項1記載のガスセンサ素子の製造方法であって、
    前記四辺のうちの長手方向に延びる辺に対向する位置における前記固体電解質体の輪郭形状が、長手方向に延びる直線状をなすことを特徴とするガスセンサ素子の製造方法
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