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JP6428759B2 - 粘接着剤組成物及びアクリル系粘接着剤組成物 - Google Patents
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JP6428759B2 - 粘接着剤組成物及びアクリル系粘接着剤組成物 - Google Patents

粘接着剤組成物及びアクリル系粘接着剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、粘接着剤組成物及びアクリル系粘接着剤組成物に関する。
紙おむつ、生理ナプキン等の衛生材製品は、一般的に、トップシート、バックシート、ホットメルト粘接着剤、伸縮材、吸水性樹脂、パルプ繊維等の衛生材料から構成されている。このような衛生材料は、多くの合成樹脂が使用されているため、原料成分に由来する臭気がする場合がある。衛生材製品は、人体に着用されるものであるため、わずかな臭気であっても使用者に不快感を与えることから、無臭化することが望まれている。
上記の衛生材料の中でも、特にホットメルト粘接着剤は、使用原料に由来する臭気が強く、衛生製品の使用時に臭気が発散しやすいことから、これの臭気を低減することが求められている。
ホットメルト粘接着剤には、接着力を向上させるために粘着付与剤が約30〜50%含まれている。この粘着付与剤としては、天然樹脂であるロジンの誘導体が広く用いられている。
一般的なロジン系化合物は室温で硬く、脆いという性質を有していることから、特にアクリル粘接着剤に配合した際に、タックの低下を招く;低温で粘接着剤が硬くなり、十分な接着力が発現しない;ジッピングなどの現象を引き起こす;等の問題が生じていた。また、ロジン系化合物は構造的に熱又は光で酸化劣化を受けやすく、それが粘接着剤の劣化につながっていた。
粘着付与剤としては、液状ロジン系粘着付与樹脂を使用した粘接着剤組成物が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1では、使用している従来の液状ロジン系粘着付与樹脂の構造及びガラス転移温度(Tg)が明確に記載されておらず、粘着剤の低温での粘着性能が十分ではなかった。また、特許文献1では、粘着剤の熱又は光に対する安定性について何ら対策がなされていなかった。
また、粘着付与剤としてロジン系化合物を含み、衛生材料として使用できる程度に臭気が低い粘接着剤はいまだ開発されていない。
特開平09−302322号公報
本発明は、実質的に無臭であり、色調に極めて優れ、5℃程度の低温での接着特性又はタックに優れ、熱又は光による経時劣化を抑えた粘接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記のような粘接着剤組成物を開発すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の粘着付与剤を使用することにより、上記課題を解決できることを見出した。本発明はこのような知見に基づき完成されたものである。
即ち本発明は、下記項1〜項5に示す粘接着剤組成物及びアクリル系粘接着剤組成物に係る。
項1. 液状ロジンエステル化合物を含有する粘接着剤組成物であって、
該液状ロジンエステル化合物は、ロジン化合物と炭素数1〜10の1価アルコール化合物とを反応させて得られるものであり、ガードナー色調が1以下であり、ガラス転移温度が−20℃以下であり、エステル化度が93重量%以上であり、下記条件でのガスクロマトグラフィー測定時の全ピーク面積総和(Y)におけるリテンションタイム16〜22分領域のピーク面積総和(Y’)の比率(Y’/Y)が200ppm以下である粘接着剤組成物。
(ガスクロマトグラフィー測定条件)
機種 :製品名「Agilent 7890A」、Agilent社製
カラム :製品名「HP−5」(内径0.32mm×30m)、Agilent社製
カラム温度:50℃×5分→10℃/分→300℃×5分
注入口温度:300℃
キャリアガス流量:N、0.5ml/分
検出器 :水素炎イオン化検出器(FID)
項2. 前記液状ロジンエステル化合物の酸価が2mgKOH/g以下である、上記項1記載の粘接着剤組成物。
項3. 前記ロジン化合物が、不均化ロジン及び水素化ロジンからなる群から選択される少なくとも1種である、上記項1又は2記載の粘接着剤組成物。
項4. 上記項1〜3のいずれかに記載の粘接着剤組成物がアクリル系重合体を含有する、アクリル系粘接着剤組成物。
項5. 衛生材料として用いられる上記項1〜4のいずれかに記載の粘接着剤組成物。
本発明の粘接着剤組成物は、実質的に無臭且つ無色であり、低温での接着力又はタックが良好であり、長期間の耐熱性及び耐光性に優れている。よって、本発明の粘接着剤組成物は、衛生材料として好適に使用することができる。
本発明の粘接着剤組成物は、液状ロジンエステル化合物を含有する粘接着剤組成物であって、該液状ロジンエステル化合物は、ロジン化合物と炭素数1〜10の1価アルコール化合物とを反応させて得られるものであり、ガードナー色調が1以下であり、ガラス転移温度が−20℃以下であり、エステル化度が93重量%以上であり、下記条件でのガスクロマトグラフィー測定時の全ピーク面積総和(Y)におけるリテンションタイム16〜22分領域のピーク面積総和(Y’)の比率(Y’/Y)が200ppm以下である。
(ガスクロマトグラフィー測定条件)
機種 :製品名「Agilent 7890A」、Agilent社製
カラム :製品名「HP−5」(内径0.32mm×30m)、Agilent社製
カラム温度:50℃×5分→10℃/分→300℃×5分
注入口温度:300℃
キャリアガス流量:N、0.5ml/分
検出器 :水素炎イオン化検出器(FID)
液状ロジンエステル化合物の構成成分であるロジン化合物としては、従来より公知の各種ロジンを特に限定なく使用することができる。ロジン化合物として、例えば、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなどの天然ロジン、天然ロジンを精製して得られる精製ロジン、天然ロジンを水素化反応させて得られる水素化ロジン、天然ロジンを不均化反応させて得られる不均化ロジン等が挙げられる。ロジン化合物としてより好ましくは、不均化ロジン及び水素化ロジンである。これらを用いることで、得られる粘接着剤組成物のガードナー色調が1以下のものが得られやすくなり、粘接着剤組成物の耐熱性及び耐光性をより向上させることができる。
上記精製ロジンは、蒸留法、抽出法、再結晶法等の各種公知の手段を用いて得ることができる。蒸留法では、例えば通常200〜300℃程度の温度、0.01〜3kPa程度の減圧下で上記天然ロジンの蒸留を実施することができる。抽出法では、例えば上記天然ロジンをアルカリ水溶液とし、不溶性の不ケン化物を各種の有機溶媒により抽出した後に水層を中和することにより精製ロジンを得ることができる。再結晶法では、例えば上記天然ロジンを良溶媒としての有機溶媒に溶解し、ついで溶媒を留去して濃厚な溶液とし、更に貧溶媒としての有機溶媒を添加することにより精製ロジンを得ることができる。
上記不均化ロジンは、各種公知の手段を用いて得ることができる。例えば、原料の天然ロジン又は精製処理された精製ロジンを不均化触媒の存在下に加熱反応させることにより不均化ロジンを得ることができる。不均化触媒としては、パラジウム−カーボン、ロジウム−カーボン、白金−カーボン等の担持触媒;ニッケル、白金等の金属粉末;ヨウ素、ヨウ化鉄等のヨウ化物等の各種公知のものを使用することができる。該触媒の使用量は、ロジン100重量部に対して通常0.01〜5重量部程度であり、好ましくは0.01〜1重量部程度である。反応温度は100〜300℃程度であり、好ましくは150〜290℃程度である。
上記水素化ロジンは、公知のロジン化合物の水素化条件を用いてロジン化合物を水素化することにより得ることができる。具体的には、例えば、水素化触媒の存在下、水素雰囲気下、2〜20MPa程度で、100〜300℃程度にロジン化合物を加熱することによりロジン化合物の水素化を行う。反応圧力は、5〜20MPa程度とすることが好ましい。反応温度は、150〜300℃程度とすることが好ましい。水素化触媒としては、担持触媒、金属粉末、ヨウ素、ヨウ化物等各種公知のものを使用することができる。担持触媒としては、パラジウム−カーボン、ロジウム−カーボン、ルテニウム−カーボン、白金−カーボン等が挙げられる。金属粉末としては、ニッケル、白金等が挙げられる。ヨウ化物としては、ヨウ化鉄等が挙げられる。これらのなかでは、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、及び白金系触媒が、ロジン化合物の水素化率が高くなり、水素化時間が短くなるため好ましい。なお、水素化触媒の使用量は、ロジン化合物100重量部に対して、通常0.01〜5重量部程度であり、好ましくは0.01〜2重量部程度である。
上記液状ロジンエステル化合物を得るためには、アルコール化合物として、炭素数1〜10の1価アルコールを用いることが必須である。炭素数が10を超えるアルコールを用いると、得られるロジンエステル化合物の粘度又は流動性が低下する。液状のロジンエステル化合物でなければ、タックの低下を招くという点で問題がある。また、1価以外のアルコールを使用すると、得られるロジンエステルの粘度又は流動性が低下し、タックの維持が不十分となり、低温時の接着性が安定しない(ジッピングを起こす等)点で問題がある。上記炭素数1〜10の1価アルコール化合物のうちでは、炭素数1〜8の1価アルコールが、タック又は接着力のバランスに優れる点で好ましく使用できる。アルコール化合物としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブチルアルコール、n−オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール等が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。より好ましくは、炭素数が1〜4の1価アルコールであり、最も好ましくは炭素数が1の1価のアルコール、すなわちメタノールである。
上記液状ロジンエステル化合物は、ガードナー色調が1以下である。液状ロジンエステル化合物のガードナー色調が1以下であることにより、粘接着剤組成物の初期色調および経時色調が優れるだけでなく、長期間の耐熱性及び耐候性が優れる。ガードナー色調は、JIS K 0071に準じて、ガードナー単位で測定するものとする。
上記液状ロジンエステル化合物は、ガラス転移温度(Tg)が−20℃以下である。液状ロジンエステル化合物のガラス転移温度が−20℃以下であることにより、粘接着剤組成物のTgを向上させることがなく、タック又は低温接着力の低下を防ぐことができる。ガラス転移温度として好ましくは、−20℃〜−50℃である。ガラス転移温度は、JIS K 7121に規定された方法により測定する。
上記液状ロジンエステル化合物は、エステル化度が93重量%以上であり、好ましくは94〜100重量%である。ここで、エステル化度は、上記液状ロジンエステル化合物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定時の全ピーク面積総和と、上記エステル化合物中のモノエステル体に対応するピーク面積との比率によって求められる。エステル化度が大きいほど、液状ロジンエステル化合物中に残存するカルボキシル基が少なくなることから、カルボキシル基を有するロジンの特徴的な臭気が軽減される。具体的には、下記の式(1)により算出する。液状ロジンエステル化合物のエステル化度が93%以上であることにより、実質的に無臭になり、また粘接着剤組成物の長期間の耐熱性及び耐候性に優れる。
上記液状ロジンエステル化合物のエステル化度(%)=[(上記液状ロジンエステル化合物中のモノエステル体に対応するピーク面積)/(全ピーク面積総和)]×100 ・・・ (1)
また、上記液状ロジンエステル化合物は、下記条件でのガスクロマトグラフィー測定時の全ピーク面積総和(Y)におけるリテンションタイム16〜22分領域のピーク面積総和(Y’)の比率(Y’/Y)が200ppm以下であり、好ましくは10ppm以下である。液状ロジンエステル化合物の(Y’/Y)が200ppm以下であることにより、粘接着剤組成物において十分な臭気改善効果が得られる。なお、全ピーク面積総和(Y)には、ガスクロマトグラフィー測定溶媒に由来するピーク面積は含まれない。
(ガスクロマトグラフィー測定条件)
機種 :製品名「Agilent 7890A」、Agilent社製
カラム :製品名「HP−5」(内径0.32mm×30m)、Agilent社製
カラム温度:50℃×5分→10℃/分→300℃×5分
注入口温度:300℃
キャリアガス流量:N、0.5ml/分
検出器 :水素炎イオン化検出器(FID)
上記液状ロジンエステル化合物の製造方法としては、特に限定されず、従来より公知のエステル化方法を採用することができる。上記ロジン化合物及びアルコール化合物の各仕込み量については、特に限定されないが、通常は、アルコール化合物のOH基/ロジン化合物のCOOH基(当量比)が0.8〜3.0、好ましくは0.9〜2.0の範囲となるよう決定される。エステル化反応の反応温度は、通常150〜320℃程度であり、好ましくは150〜300℃程度である。反応時間は通常5〜24時間程度であり、好ましくは2〜7時間程度である。更に、反応時間を短縮する目的で、触媒の存在下でエステル化反応を進行させることができる。触媒として、例えば、パラトルエンスルホン酸などの酸触媒;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどの金属の水酸化物;酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などが挙げられる。エステル化反応の結果、水が生成するので、該反応は生成した水を系外に除きながら進行させることができる。得られる液状ロジンエステル化合物の色調をより考慮すれば、不活性ガス気流下で反応を行うことが望ましい。該反応は、必要があれば加圧下で行うことができる。また、ロジン化合物及びアルコール化合物に対して非反応性の有機溶媒中で反応を進めることも可能である。該有機溶剤としては、例えばヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。なお、有機溶媒を使用した場合にはその溶剤、又は未反応の原料を留去する必要があれば、適宜に減圧下で行うことができる。
ロジン化合物として精製ロジン、不均化ロジン又は水素化ロジンを使用する場合、天然ロジンの精製、不均化又は水素化は、天然ロジンとアルコール化合物とをエステル化した後に実施するか、あるいは、天然ロジンを精製、不均化又は水素化し、得られたロジン化合物とアルコール化合物をエステル化することができる。
本発明で用いる液状ロジンエステル化合物としては、酸価が2mgKOH/g以下であるものを使用することが好ましい。より好ましい酸価は1mgKOH/g以下である。本発明で用いる液状ロジンエステル化合物は、40℃における粘度が2000mPa・s以下であることが好ましく、50〜1500mPa・s程度であることがより好ましい。これにより、耐熱性が向上するとともに、タック性を優れたものとすることができる。酸価及び粘度の測定方法は以下のとおりである。
酸価:JIS K0070に準じて測定する。
粘度:B型粘度計(製品名「VISCO BLOCK VTB−250」、(株)トキメック製、ローターNo.HM−3)を用い、40℃で測定する。
本発明の粘接着剤組成物は、上記液状ロジンエステル化合物を用いて得ることができる。本発明の粘接着剤組成物は、耐熱性又は耐光性が優れているため、耐熱性又は耐光性が重視される用途において好適に使用することができる。例えば高温での経時色調が重要視される包装、製本、紙おむつ又は生理用品の組み立て等に使用されるホットメルト型粘接着剤;透明性が重視される光学用粘接着剤、例えばOCA(Optically Clear Adhesive)及びOCR(Optically Clear Resin);フィルム用粘接着剤などに好適に使用することができる。上記液状ロジンエステル化合物の含有量は、組成物を100重量部としたときに5〜100重量部程度であることが好ましい。液状ロジンエステル化合物の含有量をこの範囲とすることで、液状ロジンエステル化合物を添加することによる粘接着性能向上効果が発現される。より好ましい含有量は、10〜40重量部程度である。
上記粘接着剤組成物の種類としては、例えば、アクリル系粘接着剤組成物、スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体粘接着剤組成物、エチレン系ホットメルト粘接着剤組成物などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性又は耐光性に優れ、幅広い範囲で接着力又はタックの制御が可能である点でアクリル系粘接着剤組成物が好ましい。
本発明のアクリル系粘接着剤組成物は、上記液状ロジンエステル化合物及びアクリル系重合体を含有するものである。アクリル系粘接着剤組成物は、例えば、ベースポリマーであるアクリル系重合体に液状ロジンエステル化合物を配合することによって得ることができる。アクリル系重合体の含有量は、組成物を100重量部としたときに5〜50重量部程度であることが好ましい。アクリル系重合体の含有量をこの範囲とすることで、液状ロジンエステル化合物を添加することによる粘接着性能向上効果が発現され、極端な保持力の低下などが発生しない。より好ましい含有量は、10〜40重量部程度である。
上記アクリル系重合体は、特に制限はなく、アクリル系粘接着剤組成物として使用されている各種公知の単独重合体もしくは共重合体をそのまま使用することができる。アクリル系重合体に使用される単量体としては、各種(メタ)アクリル酸エステル(なお、「(メタ)アクリル酸エステル」はアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの意味であり、以下の「(メタ)アクリル酸」も同様の意味である)を使用することができる。かかる(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。これらは1種単独でもしくは2種以上を組合せて使用することができる。また、得られるアクリル系重合体に極性を付与するために、上記(メタ)アクリル酸エステルの一部に代えて(メタ)アクリル酸を少量使用することもできる。更に、架橋性単量体として(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等も併用することができる。更に所望により、(メタ)アクリル酸エステル重合体の粘着特性を損なわない程度において、他の共重合可能な単量体、例えば酢酸ビニル、スチレン等を併用することができる。重合方法は、各種公知の方法を用いることができる。一般的なラジカル重合法を用いるほかに、リビングラジカル重合法、リビングアニオン重合法などの方法を用いることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするアクリル系重合体のガラス転移温度は特に制限はされず、通常は−90〜0℃程度であり、好ましくは−80〜−10℃の範囲である。ガラス転移温度が0℃よりもあまりにも高い場合にはタックが低下し、−90℃よりもあまりにも低い場合には接着力が低下する傾向がある。また、アクリル系重合体の分子量は特に限定されず、通常、重量平均分子量が5万〜200万程度であり、10万〜100万程度であることが好ましい。分子量をこの範囲とすることにより、粘接着性能が良好となる。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した標準ポリスチレン換算値である。
なお、上記アクリル系重合体の製造方法は、各種公知の方法を採用すればよい。上記アクリル系重合体の製造方法として、例えば、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法等のラジカル重合法を適宜選択できる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物系の各種公知のものを使用することができる。反応温度は通常50〜85℃程度である。反応時間は1〜8時間程度である。また、アクリル系重合体の溶媒としては一般に酢酸エチル、トルエン等の極性溶剤が用いられ、溶液濃度は40〜60重量%程度が好ましい。
なお、本発明のアクリル系粘接着剤組成物は、上記アクリル系重合体及び粘着付与樹脂に、ポリイソシアネート化合物、ポリアミン化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂等の架橋剤を加えることができる。架橋剤を添加することにより、凝集力及び耐熱性を更に向上させることができる。これらの架橋剤のなかでも、特にポリイソシアネート化合物を使用するのが好ましい。ポリイソシアネート化合物としては従来より公知のものを広く使用することができる。その具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。更に本発明のアクリル系粘接着剤組成物は、必要に応じて充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を適宜使用することができる。また、本発明のアクリル系粘接着剤組成物は、本発明の目的を逸脱しない範囲で、上記液状ロジンエステル化合物以外の各種公知の粘着付与樹脂を併用することもできる。
上記スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体粘接着剤組成物は、上記液状ロジンエステル化合物及びスチレン−共役ジエン系ブロック共重合体を含有するものである。
上記スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体とは、スチレン、メチルスチレン等のスチレン化合物と、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン化合物とを、使用目的に応じて適宜に選択して共重合したブロック共重合体である。通常、スチレン化合物/共役ジエン化合物の重量比は、10/90〜50/50である。このようなブロック共重合体の好ましい具体例としては、例えばスチレン化合物(S)/ブダジエン(B)の重量比が、10/90〜50/50の範囲にあるSBS型ブロック共重合体、スチレン化合物(S)/イソプレン(I)の重量比が、10/90〜30/70の範囲にあるSIS型ブロック共重合体等が挙げられる。また、スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体には、上記ブロック共重合体の共役ジエン成分を水素化したものも含まれる。水素化したものの具体例としては、いわゆるSEBS型ブロック共重合体、SEPS型ブロック共重合体などが挙げられる。
上記スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体粘着剤組成物には、更に、必要に応じて、オイル、粘着付与剤、充填剤、酸化防止剤等の添加剤を加えることができる。
上記エチレン系ホットメルト粘接着剤組成物は、エチレン系共重合物と上記液状ロジンエステル化合物を含有するものである。
上記エチレン系共重合物とは、エチレンと、エチレンと共重合可能な単量体との共重合物であり、従来、ホットメルト接着剤に使用されていたものを使用することができる。エチレンと共重合可能な単量体として、例えば酢酸ビニル等が挙げられる。酢酸ビニルの含有量は通常20〜45重量%程度である。なお、エチレン系共重合物のメルトインデックス(190℃、荷重2160g、10分間)は、10〜400g/10分程度であることが好ましい。
なお、上記エチレン系ホットメルト粘接着剤組成物には、更に、必要に応じて、ワックス、粘着付与剤、充填剤、酸化防止剤等の添加剤を加えることができる。
以下、実施例及び比較例をあげて本発明方法を更に詳しく説明するが、本発明は、これらに限定されない。なお、実施例中、「%」は「重量%」を示し、「部」は「重量部」を示す。
製造例1(ロジンエステル1の製造)
中国不均化ロジン(広西梧州荒川化学製)100g、メタノール300gを1Lオートクレーブに仕込み、系内の酸素を除去した後、290℃まで昇温した。オートクレーブの内圧は最大で14MPaまで到達した。20分毎に内容物をブローしながら2時間反応させた。得られた反応液をロータリーエバポレーターにて濃縮後、水酸化カルシウムを5g加え、単蒸留を行った。液温150〜270℃、圧力0.4kPa条件下で、初留分6gを除去した後、主留分としてロジンエステル1を68g得た。
製造例2(ロジンエステル2の製造)
製造例1において、中国不均化ロジンを中国水添ロジン(広西梧州日成林産化工有限公司製)に変えた以外は製造例1と同様にしてロジンエステル2を65g得た。
製造例3(ロジンエステル3の製造)
中国不均化ロジン(広西梧州荒川化学製)100g、n−ブタノール300gを1Lオートクレーブに仕込み、系内の酸素を除去した後、290℃まで昇温した。オートクレーブの内圧は最大で10MPaまで到達した。20分毎に内容物をブローしながら2時間反応させた。得られた反応液をロータリーエバポレーターにて濃縮後、水酸化カルシウムを5g加え、単蒸留を行った。液温150〜270℃、圧力0.4kPa条件下で、初留分5gを除去した後、主留分としてロジンエステル3を71g得た。
製造例4(ロジンエステル9の製造)
製造例3において、n−ブタノールを2−エチルヘキシルアルコールに変えた以外は製造例3と同様にしてロジンエステル9を70g得た。
比較製造例1(ロジンエステル5の製造)
中国不均化ロジン(広西梧州荒川化学製)500g及びジエチレングリコール175gを攪拌装置、冷却管及び窒素導入管を備えた1リットルフラスコに仕込み、265℃に昇温し12時間反応させ、8kPaに減圧して2時間反応させ、ロジンエステル5を490g得た。
比較製造例2(ロジンエステル6の製造)
中国不均化ロジン(広西梧州荒川化学製)500g及びグリセリン55gを攪拌装置、冷却管及び窒素導入管を備えた1リットルフラスコに仕込み、270℃に昇温し12時間反応させ、8kPaに減圧して2時間反応させ、ロジンエステル6を480g得た。
比較製造例3(ロジンエステル7の製造)
中国不均化ロジン(広西梧州荒川化学製)500g、グリセリン41g及びジエチレングリコール28gを攪拌装置、冷却管及び窒素導入管を備えた1リットルフラスコに仕込み、260℃に昇温し12時間反応させ、8kPaに減圧して2時間反応させ、ロジンエステル7を480g得た。
比較製造例4(ロジンエステル8の製造)
中国不均化ロジン(広西梧州荒川化学製)500g及びペンタエリスリトール57gを攪拌装置、冷却管及び窒素導入管を備えた1リットルフラスコに仕込み、280℃に昇温し12時間反応させ、8kPaに減圧して2時間反応させ、ロジンエステル8を470g得た。
ロジンエステル4はEastman Chemical社製のハーコリンDを使用した。
製造したロジンエステル化合物の諸物性は、以下のようにして測定した。結果を表1に示す。
ガラス転移温度(Tg):JIS K 7121に規定した示差走査熱量測定(熱流束DSC)により測定した。DSC測定機器:理学電気(株)製 DSC8230B
軟化点:JIS K 2531の環球法により測定した。
色調 :JIS K 0071に準じて、ガードナー単位で測定した。
酸価 :JIS K0070に準じて測定した。
<エステル化度の算出>
製造したロジンエステル化合物をテトラヒドロフランに溶解させて0.5%の溶液を調製した。この溶液について下記の条件でGPC測定を行い、下記の式(2)〜(8)のいずれかによりエステル化度を算出した。結果を表1に示す。
(GPC測定条件)
機種 :製品名「HLC−8220」、東ソー(株)製
カラム :製品名「TSKgel G2000HXL」、東ソー(株)製、1本と
製品名「TSKgel G1000HXL」、東ソー(株)製、1本の連結
展開溶媒流量:テトラヒドロフラン、1mL/分
測定温度:40℃
検出器 :RI
ロジンエステル1、2又は4のエステル化度(%)=[A/全ピーク面積総和]×100 ・・・ (2)
式(2)中、Aは重量平均分子量(ポリスチレン換算値)230のピーク面積(ロジンエステル1、2又は4中のモノエステル体に対応するピーク面積)を示す。
ロジンエステル3のエステル化度(%)=[B/全ピーク面積総和]×100 ・・・ (3)
式(3)中、Bは重量平均分子量(ポリスチレン換算値)310のピーク面積(ロジンエステル3中のモノエステル体に対応するピーク面積)を示す。
ロジンエステル5のエステル化度(%)=[(C+D)/全ピーク面積総和]×100 ・・・ (4)
式(4)中、Cは重量平均分子量(ポリスチレン換算値)460のピーク面積(ロジンエステル5中のモノエステル体に対応するピーク面積)を、Dは重量平均分子量(ポリスチレン換算値)720のピーク面積(ロジンエステル5中のジエステル体に対応するピーク面積)を示す。
ロジンエステル6のエステル化度(%)=[E/全ピーク面積総和]×100 ・・・ (5)
式(5)中、Eは重量平均分子量(ポリスチレン換算値)930のピーク面積(ロジンエステル6中のジエステル体及びトリエステル体に対応するピーク面積)を示す。
ロジンエステル7のエステル化度(%)=[F/全ピーク面積総和]×100 ・・・ (6)
式(6)中、Fは重量平均分子量(ポリスチレン換算値)890のピーク面積(ロジンエステル7中のジエステル体及びトリエステル体に対応するピーク面積)を示す。
ロジンエステル8のエステル化度(%)=[G/全ピーク面積総和]×100 ・・・ (7)
式(7)中、Gは重量平均分子量(ポリスチレン換算値)1,190のピーク面積(ロジンエステル8中のジエステル体、トリエステル体及びテトラエステル体に対応するピーク面積)を示す。
ロジンエステル9のエステル化度(%)=[H/全ピーク面積総和]×100 ・・・ (8)
式(8)中、Hは重量平均分子量(ポリスチレン換算値)400のピーク面積(ロジンエステル9中のモノエステル体に対応するピーク面積)を示す。
<(Y’/Y)の算出>
製造したロジンエステル化合物をトルエンに溶解させて2%の溶液を調製した。この溶液について下記の条件でガスクロマトグラフィー測定を行い、下記の式(9)により(Y’/Y)を算出した。結果を表1に示す。
(ガスクロマトグラフィー測定条件)
機種 :製品名「Agilent 7890A」、Agilent社製
カラム :製品名「HP−5」(内径0.32mm×30m)、Agilent社製
カラム温度:50℃×5分→10℃/分→300℃×5分
注入口温度:300℃
キャリアガス流量:N、0.5ml/分
検出器 :水素炎イオン化検出器(FID)
(Y’/Y)(ppm)=〔リテンションタイム16〜22分領域のピーク面積総和(Y’)/全ピーク面積総和(Y)〕×1,000,000 ・・・ (9)
Figure 0006428759
実施例1
市販の溶剤型アクリル重合体80部(固形分)に表1に示したロジンエステル1の30%酢酸エチル溶液を20部(固形分)加え、さらに架橋剤であるコロネートHX(商品名、日本ポリウレタン工業(株)製)0.3部を添加し、混合することにより粘接着剤組成物を得た。
実施例2〜6、及び比較例1〜11
実施例1において、使用するロジンエステル化合物及び配合量を表2のように変えた以外は実施例1と同様にして実施例2〜6、及び比較例1〜11の粘接着剤組成物を製造した。
Figure 0006428759
(評価方法)
得られた粘接着剤組成物を厚さ38μmのポリエステルフィルムにサイコロ型アプリケーターにて乾燥膜厚が50μm程度となるように塗布(塗工幅25mm)し、次いで粘接着剤組成物ワニス中の溶剤を風乾した後、105℃循風乾燥機中で5分間乾燥して試料テープを作成し、23℃・65%RH条件下で1週間養生し、粘接着テープを得た。この粘接着テープを用いて以下の評価を実施した。
(接着力)
JIS Z 0237法に準じ、上記試料テープを、2kgのゴムローラーを用いて、被着体であるポリエチレン板基材に接着面積25mm×125mmで圧着後、20℃で24時間放置した。その後テンシロン引張り試験機で5℃にて剥離速度300mm/分で180°剥離試験を行い幅25mmあたりの接着力(N/25mm)を測定した。結果を表3に示す。表3中の(Z)は、滑らかに剥離することなくバリバリというような音を発しながら剥離する現象(ジッピング)を意味する。
(ボールタック)
JIS Z 0237に準じ、J.Dow法により傾斜度30度、測定温度23℃で測定した。結果を表3に示す。表中の数字はボールNo.を示す。数字が大きいほど、タックが高いことを示す。
得られた粘着剤組成物をガラス板に乾燥膜厚が100μm程度となるよう塗布(塗工幅25mm)し、次いで該粘接着剤組成物ワニス中の溶剤を風乾の後105℃循風乾燥機中で5分間乾燥し、粘着面にガラス板を張り合わせることで、試験片を得た。
(耐熱性試験)
上記試験片を105℃の定温乾燥機中に保管し、120時間後の外観を目視で確認した。結果を表3に示す。
1:無色透明
2:僅かに黄変
3:明らかに黄変
(耐光性試験)
上記試験片に高圧水銀ランプ(アイスーパーUVテスター、岩崎電気(株)製、50mW/cm)にて24時間暴露後の外観を目視で確認した。結果を表3に示す。
1:無色透明
2:僅かに黄変
3:明らかに黄変
Figure 0006428759
実施例7
市販のアクリル系ブロック共重合体(製品名「クラリティ LA−2140e」、(株)クラレ製)80部に表1に示したロジンエステル1を20部加え、180℃で1時間溶融混合し、粘接着剤組成物を得た。
実施例8〜12、及び比較例12〜16
実施例7において、使用するロジンエステル化合物及び配合量を表4のように変えた以外は実施例7と同様にして実施例8〜12、及び比較例12〜16の粘接着剤組成物を製造した。
Figure 0006428759
(評価方法)
得られた粘接着剤組成物を厚さ38μmのポリエステルフィルムにバーコーター(No.24)にて膜厚が60μm程度となるよう塗工(塗工幅25mm)し、粘接着テープを得た。この粘接着テープを用いて以下の評価を実施した。
(接着力)
JIS Z 0237法に準じ、上記試料テープを、2kgのゴムローラーを用いて、被着体であるポリエチレン板基材に接着面積25mm×125mmで圧着後、20℃で24時間放置した。その後テンシロン引張り試験機で23℃にて剥離速度300mm/分で180°剥離試験を行い幅25mmあたりの接着力(N/25mm)を測定した。結果を表5に示す。表5中の(Z)は、滑らかに剥離することなくバリバリというような音を発しながら剥離する現象(ジッピング)を意味する。
(ボールタック)
JIS Z 0237に準じ、J.Dow法により傾斜度30度、測定温度23℃で測定した。結果を表5に示す。表中の数字はボールNo.を示す。数字が大きいほど、タックが高いことを示す。
(保持力)
PSTC−7法に従い、2kgのゴムローラーを用いて、試料テープをステンレス鋼板に接着面積が25mm×25mmとなるよう圧着した後、得られた基材を20℃で24時間放置した。次いで、クリープテスター(製品名「保持力試験機」、テスター産業(株)製)を用いて、23℃、1kg、24時間の条件で荷重をかけたときの試料テープの粘着面とステンレス鋼板とのズレ(mm)を測定した。結果を表5に示す。数値が小さいほど保持力が優れる。
得られた粘着剤組成物を一般的な試験管の半分まで入れ、アルミ箔でふたをし、180℃定温乾燥機に保管し、24時間加熱した。その後以下の評価を実施した。結果を表5に示す。
(耐熱性)
黄変具合を目視で確認した。
1:ほとんど黄変なし
2:やや黄変あり
3:黄変あり
(臭気)
官能評価を行った。なお、結果はすべて相対比較によるものである。
1:ほとんど臭気なし
2:やや臭気あり
3:臭気あり
Figure 0006428759

Claims (5)

  1. 液状ロジンエステル化合物を含有する粘接着剤組成物であって、
    該液状ロジンエステル化合物は、ロジン化合物と炭素数1〜10の1価アルコール化合物とを反応させて得られるものであり、ガードナー色調が1以下であり、ガラス転移温度が−20℃以下であり、エステル化度が93重量%以上であり、下記条件でのガスクロマトグラフィー測定時の全ピーク面積総和(Y)におけるリテンションタイム16〜22分領域のピーク面積総和(Y’)の比率(Y’/Y)が200ppm以下である粘接着剤組成物。
    (ガスクロマトグラフィー測定条件)
    機種 :製品名「Agilent 7890A」、Agilent社製
    カラム :製品名「HP−5」(内径0.32mm×30m)、Agilent社製
    カラム温度:50℃×5分→10℃/分→300℃×5分
    注入口温度:300℃
    キャリアガス流量:N、0.5ml/分
    検出器 :水素炎イオン化検出器(FID)
  2. 前記液状ロジンエステル化合物の酸価が2mgKOH/g以下である、請求項1記載の粘接着剤組成物。
  3. 前記ロジン化合物が、不均化ロジン及び水素化ロジンからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1または2記載の粘接着剤組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の粘接着剤組成物がアクリル系重合体を含有する、アクリル系粘接着剤組成物。
  5. 衛生材料として用いられる請求項1〜4のいずれかに記載の粘接着剤組成物。
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