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JP6430221B2 - 風力発電装置 - Google Patents
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Description

本発明は、風力発電装置に関するものであり、ブレードのピッチ角度を好適に調整する技術に関する。
近年、二酸化炭素の排出による地球温暖化や、化石燃料の枯渇が懸念されており、二酸化炭素の排出量の低減や、化石燃料への依存度の低下が求められている。二酸化炭素の排出量の低減や、化石燃料への依存度の低下を図るためには、風力や太陽光などの自然から得られる再生可能エネルギーを利用した発電システムの導入が有効である。上記再生可能エネルギーを利用した発電システムの中でも、風力発電システムは太陽光発電システムと異なり、日射による直接的な出力変化を受けないことから、比較的安定な発電システムとして注目されている。また、地上と比較して、風速が高く、風速変化が少ない洋上に設置する風力発電システムも有力な発電システムとして注目されている。
ここでブレードに発生する荷重変動の低減を考慮したものとして例えば特許文献1に開示された技術がある。特許文献1には、ブレードの荷重変動に影響を及ぼす所定のパラメータ、アジマス角度、およびピッチ角度指令値がお互いに関連づけられて格納されている記憶手段と、ブレード毎のアジマス角度を検出するアジマス角度検出手段と、所定のパラメータを検出するパラメータ検出手段と、アジマス角度検出手段によって検出された所定のパラメータとによって選出されるピッチ角度指令値をブレード毎にそれぞれ記憶手段から取得する指令値取得手段と、指令値取得手段によって取得されたピッチ角度指令値と風力発電装置の出力情報により求められる各ブレード共通の共通ピッチ角度指令値とに基づいて、ブレードピッチ角度を制御するためのピッチ角度制御指令値を生成するピッチ角度制御指令値生成手段とを具備することを特徴とするブレードピッチ角度制御装置、が開示されている。また、記憶手段に格納されているピッチ角度指令値は、風力発電装置の設置場所におけるウィンドシア特性が反映される技術、が開示されている。特に、鉛直方向の風速差(以下、ウィンドシア特性)によって発生するブレードの荷重変動を低減するために、予め記憶していたピッチ角度指令値を用いて最終的なピッチ角度制御指令値を決定する。より具体的には、ナセルより上側にブレードが位置するアジマス角度において、ピッチ角度をフェザー側へ調整することで、風速が高い領域でのブレードの荷重を低減すると共に、ナセルより下側にブレードが位置するアジマス角度において、ピッチ角度をファイン側へ調整することで、風速が低い領域でのブレードに加わる荷重を増加させる。
また、ヨー旋回制御方法として、例えば特許文献2に開示された技術がある。該特許文献2には、アジマス角が略90度及び/または略270度にて、前後のアジマス角でのピッチ角よりもファイン側またはフェザー側のピッチ角とされるヨー旋回制御方法が記載されている。
特開2005-83308号公報 WO2011‐92810号公報
風力発電システムの構築にあたり、風力発電システムを構成するブレードの荷重変動を低減する必要がある。特に、ブレードのアジマス角がタワー近傍に位置する際に、タワーによって引き起こされる風速の低下(以下、タワーシャドウ特性)に伴って発生するブレード荷重の急変、およびドライブトレイン荷重の急変を低減する必要がある。ブレードの荷重変動が大きい場合には、ブレードに振動が発生する場合がある。機器の信頼性を高める上では、荷重変動への対策を行っておくのが好ましいと言える。
また、特許文献2では、単にヨー旋回力が大きくなる様なピッチ角度への制御を考えているに過ぎず、例えばブレードが1回転する上で生ずる振動などは考慮していない。信頼性を高める上ではなるべく振動低減が図れる方が好ましい。
本発明では、高信頼の風力発電装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る風力発電装置は、風を受けて回転するブレードと、前記ブレードの荷重を支持するタワーと、前記ブレードを支持すると共に、前記タワーに対して回転可能に支持されるナセルと、を備え、前記ブレードのピッチ角を調整可能な風力発電装置であって、前記ブレードが前記タワーのタワーシャドウに位置する際における前記ピッチ角が、フェザー側へ調整されており、風向きと前記ナセルの方向に生ずるミスアライメントを減らす方向へ前記ナセルに風からの力が生ずる様に、フェザー側への前記調整と連続して前記ブレードのフェザー側への調整を行うことを特徴とする。
本発明によれば、高信頼の風力発電装置を提供することが可能になる。
実施例に係る風力発電装置の概略構成図である。 実施例に係り、タワーシャドウに起因するブレード荷重急変を抑制する風力発電装置の制御方法を示すブロック線図である。 タワーシャドウによるブレードの荷重変動を低減する手法を適用した場合の実施例説明図である。 実施例1に係る風力発電装置の制御方法を示すブロック線図である。 実施例1に係るピッチ角度追加補正手段の処理概要を示すブロック線図である。 風向とナセル方位を示す概要図である。 アジマス角度範囲における4つの象限を説明する図である。 実施例1に係る第2象限ピッチ角度追加補正値及び第3象限ピッチ角度追加補正値とアジマス角度の関係を示す概略図である。 実施例1に係るピッチ角度追加補正手段を適用しない場合と、左旋回方向のヨー旋回モーメントを発生させる様に適用した場合のそれぞれにおける選択フラグ、ピッチ角度追加補正値、およびピッチ角度指令値に対するアジマス角度の関係を示す概略図である。 図9において右旋回方向のヨー旋回モーメントを発生させる様にした場合の図である。 実施例に係るピッチ角度追加補正手段において、第2象限ピッチ角度追加補正値最大値または第3象限ピッチ角度追加補正値最大値とミスアライメントの関係を示す概略図である。 実施例に係るピッチ角度追加補正手段において、第2象限ピッチ角度追加補正期間または第3象限ピッチ角度追加補正期間とミスアライメントの関係を示す概略図である。 実施例1に係るピッチ角度追加補正手段の処理概要を示すフローである。 実施例2に係る風力発電装置の制御方法を示すブロック線図である。 実施例2に係るピッチ角度追加補正手段の入力情報である風車の位置情報とそれぞれの風向情報を示す概略図である。 実施例2に係るピッチ角度追加補正手段の処理概要を示すブロック線図である。 実施例3に係るピッチ角度追加補正手段の処理概要を示すブロック線図である。 実施例3に係る第1象限〜第4象限の各ピッチ角度追加補正値とアジマス角度の関係を示す概略図である。 実施例3に係るピッチ角度追加補正手段を適用しない場合と、左旋回方向のヨー旋回モーメントを発生させる様に適用した場合のそれぞれにおける選択フラグ、ピッチ角度追加補正値、およびピッチ角度指令値に対するアジマス角度の関係を示す概略図である。 図19において右旋回方向のヨー旋回モーメントを発生させる様にした場合の図である。 実施例3に係るピッチ角度追加補正手段の処理概要を示すフローである。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について具体的に説明する。尚、下記はあくまでも実施例であって、本発明の実施態様が下記実施例に限定されることを意図するものではない。
《本願の実施形態の概略構成》
まず、図1を用いて、本願に係る風力発電装置の実施形態の概略構成について説明する。
図1は、本願の風力発電装置1の全体の概略構成を示す。実施例で説明する風力発電装置1は、複数のブレード2と、複数のブレード2を接続するハブ3とで構成されるロータ4を備える。ロータ4は図1では省略するがナセル6に回転軸を介して連結されており、回転することでブレード2の位置を変更可能である。ナセル6はロータ4を回転可能に支持している。ブレード2が風を受けることによりロータ4が回転し、図では省略するが、例えばナセルに備えられた発電機を回転させることで電力を発生することができる。ブレード2の各々にはブレード2とハブ3の位置関係、すなわちピッチ角と呼ぶブレードの角度、を変更可能なピッチアクチュエータ5を備えている。ピッチアクチュエータ5を用いてブレード2のピッチ角を変更することにより、風に対するロータの回転エネルギーを変更できる。これにより、広い風速領域においてロータ4の回転速度を制御しながら、風力発電装置1の発電電力を制御することができる。
本実施例では、ブレード2の各々がピッチアクチュエータを備えており、個々のブレード2のピッチ角を単独で(独立して)調整可能である。ナセル6はタワー7上に設置されており、タワー7に対して回転可能に支持されている。本実施例では、ハブ3やナセル6を介してブレード2の荷重がタワー7に支持される。タワー7は、基部(図では省略)に設置され、地上または洋上等の所定位置に設置される。また、風力発電装置1はコントローラ9を備えており、センサ10の出力信号であるセンサ出力に基づいてピッチアクチュエータ5を調整することで、タワーシャドウによるブレードの荷重の急変を低減するピッチ角度補正制御手段401とブレードのピッチ角度の調整によってヨー旋回モーメントを発生させるピッチ角度追加補正手段がプログラムの形態で実装されている。また、ロータ4の回転角度であるアジマス角度を検出するためのアジマス角度検出用センサ8を備えている。図1ではコントローラ9はナセル6またはタワー7の外部に設置される形態にて図示されているが、これだけに限ったものではなく、ナセル6またはタワー7の内部またはそれ以外の所定位置、または風力発電装置1の外部に設置される形態であっても良い。ここで、タワーシャドウは、タワーの影響により風速が急激に低下するアジマス角度を指すものとする。風向き方向について、タワーと一致する位置が最も影響を受け易いが、タワーの影響により風速が急激に低下するアジマス角度は実際には必ずしもその位置に制限されない。また、ブレードがタワーよりも風下を通過するダウンウインド方式の風力発電装置の方がタワーシャドウの影響を受け易く本発明の適用が好適であるが、ブレードがタワーよりも風上を通過するアップウインド方式の風力発電装置でも、少なからずその影響を受けるので、本発明を適用することでの効果が期待できる。以下、実施例ではダウンウインドの場合を例に説明する。
《本願の実施形態におけるピッチ角度補正手段》
まず、図2および図3を用いて、風力発電装置1のコントローラ9に実装され、タワーシャドウによるブレード荷重変化を緩慢化するピッチ角補正手段の一例について説明する。当該ピッチ角補正手段の補正値が加算されて、ブレード2がタワー7のタワーシャドウに位置する際におけるピッチ角がフェザー側へ調整される。
図2は、本願の実施形態における風力発電装置1のコントローラ9に実装されるピッチ角度制御手段の概要を説明するブロック線図を示す。
ピッチ角度制御手段は、ピッチ角度補正手段401と、加算部406により構成される。
ピッチ角度指令基本値θ0は、図には明記しないが、風力発電装置1のロータ4の回転速度や、図には明記しないが、ナセル6の適宜位置に備えられる発電機のトルク発生状態に応じてピッチ角度を制御する可変速制御部により決定される。
ピッチ角度補正手段401は、センサ出力とアジマス角度φ に基づいて、ピッチ角度補正値dθTS を決定する。センサ出力は図には明記しないが、ブレード2やロータ4の軸の荷重変化や振動を検出可能なセンサであっても良い。ピッチ角度補正手段401は図には明記しないが、センサ出力の大きさに基づいてピッチ角度補正値dθTS を決定するような比例制御などに基づくものであっても良いし、テーブルなど予め決められた特性に基づくものであっても良い。ピッチ角度補正値dθTS はアジマス角度φの適宜期間にてピッチ角度補正値dθTS の大きさを決定するものであっても良い。
加算部406では、ピッチ角度指令基本値θ0とピッチ角度補正値dθTSを加算し、ピッチ角度指令値θに値をセットする。
図3は、ピッチ角度補正手段401を適用しない場合と適用した場合の風力発電装置1の挙動の違いを示す図である。図3の横軸はアジマス角度φを示し、縦軸は図上方より、ブレードピッチ角度、ブレード基部の荷重、およびブレード基部荷重の変化を示す。ブレードピッチ角度における図上方がフェザー、ブレード基部における図上方が荷重大、ブレード基部の荷重変化における図上方が荷重変化大にそれぞれ該当する。また、破線がピッチ角度補正手段401を適用しない場合を示し、実線がピッチ角度補正手段401を適用した場合を示す。
破線のピッチ角度補正手段401を適用しない場合では、ブレードピッチ角度の補正がないため、ブレードのアジマス角度φがタワー近傍となるφ1からφ2の期間において、ブレード基部の荷重が大きく低下するため、結果としてブレード基部の荷重変化が大きく正負に変化する。
これに対して、実線のピッチ角度補正手段401を適用した場合では、ブレードピッチ角度をアジマス角度φがφp1からφp2の期間、即ちタワーシャドウに位置する際に、本補正を考慮しない場合のピッチ角度よりもフェザー側へ調整することにより、ブレード基部の荷重変化を緩慢化する。これにより、ブレードやドライブトレインの振動を低減できる。
《本願の第1の実施形態におけるピッチ角度追加補正手段》
次に、図4から図13を用いて、本願の第1の実施形態のピッチ角度追加補正手段500の動作一例について説明する。
図4は、本願の実施形態における風力発電装置1のコントローラ8に実装されるピッチ角度補正手段401と、ブレードのピッチ角度を調整することでヨー旋回モーメントを発生させるピッチ角度追加補正手段500の概要を説明するブロック線図を示す。図4は、図2と同様に、可変速制御に係るピッチ角度制御部分のみを示す。
ピッチ角度追加補正手段500は、風向ψW 、ナセル方位ψN 、およびアジマス角度φに基づき、ピッチ角度追加補正値dθM を決定する。決定されたピッチ角度追加補正値dθM は加算部506により、ピッチ角度指令基本値θ0とピッチ角度補正値dθTSの加算結果であるθB に対して加算され、ピッチ角度指令値θとして決定される。なお、図4に示すピッチ角度補正手段401は図2と同様のため、ここでの詳細説明を省略する。
図5は、本願の第1の実施形態であるピッチ角度追加補正手段500の処理概要を示すブロック線図である。
ピッチ角度追加補正手段500は、ミスアライメント演算部501、第2象限ピッチ角度追加補正値演算部502、第3象限ピッチ角度補正値演算部503、選択フラグ演算部504、およびピッチ角度追加補正値選択部505により構成される。
ミスアライメント演算部501は風向ψW およびナセル方位ψN に基づき、ミスアライメントdψ を決定する。図6にその処理の一例を示す。風向ψW およびナセル方位ψN が例えば、絶対的な北方向を基準とした方向を角度で示すものであり、ミスアライメントdψは風向ψWからナセル方位ψNを差し引いた結果として決定されるものであっても良いし、これに限ったものではない。
第2象限ピッチ角度追加補正値演算部502、および第3象限ピッチ角度追加補正値演算部503は、ミスアライメントdψおよびアジマス角度φに基づいて、それぞれ第2象限ピッチ角度追加補正値dθM2、および第3象限ピッチ角度追加補正値dθM3を決定する。
ここで、第2象限や第3象限は、図7に示すようにアジマス角度φにて決定される期間を示す。以下、本明細書では、ブレード2がアジマス角上で頂点に位置する際を0degと設定し、第1象限はアジマス角度φが0degから90degの期間を示し、第2象限はアジマス角度φが90deg から180degの期間を示し、第3象限はアジマス角度φが180degから270degの期間を示し、第4象限はアジマス角度φが270degから360degを示している。
図8は、アジマス角度φに対する第2象限ピッチ角度追加補正値dθM2、および第3象限ピッチ角度追加補正値dθM3の一例を示す図である。図8に示す例では、アジマス角度φが180度を基準とした反時計回りのdφM2 の期間において、第2象限ピッチ角度追加補正値dθM2の最大値が|dθM2|となるよう調整される。また、アジマス角度φが180度を基準とした時計回りのdφM3 の期間において、第3象限ピッチ角度追加補正値dθM3の最大値が|dθM3|となるよう調整される。それぞれの補正値の最大値および期間はこれに限ったものではなく、アジマス角度φの基準を変更したり、最大値を一部期間で保持するような調整形態であっても良い。
選択フラグ演算部504は、ミスアライメントdψに基づき、選択フラグを決定する。一例としては、ミスアライメントdψが正、すなわち本実施例では左旋回のヨー旋回が必要である場合は、選択フラグに0をセットし、ミスアライメントdψが負、すなわち本実施例では右旋回のヨー旋回が必要である場合は、選択フラグに1をセットする。ミスアライメントの方向(ここでの制御上は、dψの符号)に応じて第2象限または第3象限のいずれかにおいて、タワーシャドウ通過時のフェザー側への調整と連続してフェザー側への調整を行う。
ピッチ角度追加補正値選択部505は、第2象限ピッチ角度追加補正値dθM2、および第3象限ピッチ角度追加補正値dθM3、および選択フラグに基づいて、ピッチ角度追加補正値dθM を演算する。選択フラグが0の場合はピッチ角度追加補正値dθMに第2象限ピッチ角度追加補正値dθM2をセットし、選択フラグが1の場合は、ピッチ角度追加補正値dθMに第3象限ピッチ角度追加補正値dθM3をセットする。
図9は、本願の第1の実施形態であるピッチ角度追加補正手段500を適用しない場合と、適用した場合に左旋回モーメントを発生させる際の動作概要を示す図である。図9の横軸はアジマス角度φを示し、縦軸は選択フラグ、ピッチ角度追加補正値dθM、およびピッチ角度指令値θをそれぞれ示す。選択フラグにおける図上方が1、ピッチ角度追加補正値dθMにおける図上方がフェザー、ピッチ角度指令値θにおける図上方がフェザーを示す。図9において、点線がピッチ角度追加補正を実施しない場合、すなわち左旋回のヨー旋回モーメントを発生させない場合を示し、実線がピッチ角度追加補正を実施する場合を示す。本実施例では、風向きとナセル3の方向にミスアライメントdψが生じている場合には、ミスアライメントdψの大きさを減らす方向へ、ブレード2を介してナセル3に風からの力が生ずる様に、フェザー側への調整と連続してブレード2のフェザー側への調整を行っている。タワーシャドウを考慮した補正や本補正を考慮しない場合の位置にフェザー側から戻る前に、引き続きフェザー側への調整を行うことでピッチ角調整頻度を減らしている。
タワーシャドウの影響を軽減するためにブレード2のピッチ角度をフェザー方向へ操作する調整に加えて、タワーシャドウ通過時におけるフェザー側への調整とは連続しないアジマス角度(例えばアジマス角度90degや270deg)でのフェザー方向またはファイン方向へのピッチ角度操作を付加した場合には、ロータ1回転におけるピッチ角度動作が頻繁となる(具体的には、少なくともアジマス角度90deg、180deg、および270deg等の3回のピッチ角度操作を要する)。ましてや当該ロータ回転での発電出力を低下させないようにするためには、出力調整以外の制御に関する上記3つのアジマス角度でのピッチ角度操作は早急に終了させる必要があり、これがピッチ角度のフェザー方向およびファイン方向への頻繁な調整に繋がる。ピッチ角度の頻繁な調整に際しては、ブレード2に振動が発生する場合があり、ブレード2やロータ軸などの劣化進行などに繋がりやすい。本実施例では、その様な頻繁な調整を回避するべく、タワーシャドウ通過時のフェザー側への調整と連続してブレード2のフェザー側への調整を行う様にしている。
ピッチ角度追加補正を実施しない場合では、ピッチ角度補正手段401によるタワーシャドウによるブレードやドライブトレインの振動を低減するためのピッチ角度補正が、アジマス角度φが180度を近傍で適用される。
これに対し、左旋回のヨー旋回モーメントを発生させる場合(実線)には、選択フラグが0にセットされるため、ピッチ角度追加補正値dθMに第3象限ピッチ角度追加補正値dθM3がセットされる。これにより、アジマス角度φが180度から270度の期間である第3象限において調整されるピッチ角度追加補正値dθMがピッチ角度指令値θに反映され、ピッチ角度指令値θがタワー近傍よりも第3象限においてフェザー方向に調整される期間が増える。
図9に示す例では、第3象限にてピッチ角度指令値がフェザー側に追加補正されることにより、ロータが風から受けるスラスト力が第3象限にて減少され、左旋回のヨー旋回モーメントを発生させることができる。
図9の例ではピッチ角度指令値θが滑らかに変化する例を示すが、これに限ったものではなく、ピッチ角度指令値θの変化速度が一定値を保持するものであっても良いし、ピッチ角度指令値θが一定の値を保持するようなものであっても良い。
図10は、本願の第1の実施形態であるピッチ角度追加補正手段500を適用しない場合と、適用した場合に右旋回モーメントを発生させる際の動作概要を示す図である。図10の横軸はアジマス角度φを示し、縦軸は選択フラグ、ピッチ角度追加補正値dθM、およびピッチ角度指令値θをそれぞれ示す。選択フラグにおける図上方が1、ピッチ角度追加補正値dθMにおける図上方がフェザー、ピッチ角度指令値θにおける図上方がフェザーを示す。図10において、点線がピッチ角度追加補正を実施しない場合、すなわち右旋回のヨー旋回モーメントを発生させない場合を示し、実線がピッチ角度追加補正を実施する場合を示す。この場合にも、風向きとナセル3の方向にミスアライメントdψが生じている場合には、ミスアライメントdψの大きさを減らす方向へ、ブレード2を介してナセル3に風からの力が生ずる様に、フェザー側への調整と連続してブレード2のフェザー側への調整を行っている。
ピッチ角度追加補正を実施しない場合では、ピッチ角度補正手段401によるタワーシャドウによるブレードやドライブトレインの振動を低減するためのピッチ角度補正が、アジマス角度φが180度を近傍で適用される。これは図9と同様である。
これに対し、右旋回のヨー旋回モーメントを発生させる場合(実線)には、選択フラグが1にセットされるため、ピッチ角度追加補正値dθMに第2象限ピッチ角度追加補正値dθM2がセットされる。これにより、アジマス角度φが90度から180度の期間である第2象限において調整されるピッチ角度追加補正値dθMがピッチ角度指令値θに反映され、ピッチ角度指令値θがタワー近傍よりも第2象限においてフェザー方向に調整される期間が増える。
図10に示す例では、第2象限にてピッチ角度指令値がフェザー側に追加補正されることにより、ロータが風から受けるスラスト力を第2象限にて減少されることで、右旋回のヨー旋回モーメントを発生させることができる。
図10の例ではピッチ角度指令値θが滑らかに変化する例を示すが、これに限ったものではなく、ピッチ角度指令値θの変化速度が一定値を保持するものであっても良いし、ピッチ角度指令値θが一定の値を保持するようなものであっても良い。
図11は、ミスアライメントdψに対する、第2象限ピッチ角度追加補正値最大値|dθM2|、または第3象限ピッチ角度追加補正値最大値|dθM3|の関係の一例を示す図である。図11の例では、ミスアライメントdψの大きさに応じて第2象限ピッチ角度追加補正値最大値|dθM2|、または第3象限ピッチ角度追加補正値最大値|dθM3|をフェザー側へ調整する調整量を大きくしている。特に、ここでは、単調増加特性を備えたものを示しているがこれに限ったものではなく、2次曲線などの特性に従ったものであっても良いし、実験やシミュレーションによって予め決められたテーブルに従うものであっても良い。図11に示すような特性に従い、第2象限ピッチ角度追加補正値演算部502、および第3象限ピッチ角度追加補正値演算部503にてそれぞれのピッチ角度追加補正値を決定する。
図12は、ミスアライメントdψに対する、第2象限ピッチ角度追加補正期間dφM2、または第3象限ピッチ角度追加補正期間dφM3の関係の一例を示す図である。図12の例では、ミスアライメントdψの大きさに応じて第2象限ピッチ角度追加補正期間dφM2、または第3象限ピッチ角度追加補正期間dφM3をフェザー側へ調整する調整期間を長くしている。特に、ここでは調整期間が単調増加する特性を備えたものであるがこれに限ったものではなく、2次曲線などの特性に従ったものであっても良いし、実験やシミュレーションによって予め決められたテーブルに従うものであっても良い。図12に示すような特性に従い、第2象限ピッチ角度追加補正値演算部502、および第3象限ピッチ角度追加補正値演算部503にてそれぞれのピッチ角度追加補正期間を決定する。
尚、図11と図12に示す制御は必ずしも択一的ではなく、併せて用いることも可能である。
図13は、本願の第1の実施形態であるピッチ角度追加補正手段500の処理概要を示すフローチャートである。
ステップS1301では、ミスアライメントdψを決定する。続くステップS1302では第2象限ピッチ角度追加補正値dθM2を決定する。ステップS1303では第3象限ピッチ角度追加補正値dθM3を決定する。続いてステップS1304では、ミスアライメントdψの符号に基づく条件判断処理であり、ミスアライメントdψが負であれば、右旋回のヨー旋回モーメントを発生させると判断し、ステップS1305に処理を進め、ミスアライメントdψが正であれば、左旋回のヨー旋回モーメントを発生させると判断し、ステップS1306に処理を進める。ステップS1305では、右旋回のヨー旋回モーメントを発生させるために、第2象限ピッチ角度補正値dθM2をピッチ角度追加補正値dθMにセットし、一連の処理を終了する。また、ステップS1306では、左旋回のヨー旋回モーメントを発生させるために、第3象限ピッチ角度補正値dθM3をピッチ角度追加補正値dθMにセットし、一連の処理を終了する。
本実施例によれば、タワーシャドウによるブレード荷重およびドライブトレイン荷重の急激な変化を緩和可能であると共に、ピッチ角度操作に伴うブレード振動を低減することが可能である。また、ヨーアクチュエータ駆動に必要な動力を風から得ているので、駆動に必要な電力を低減可能である。
以下では、図14から図17を用いて、本願に係る風力発電装置の第2の実施形態について説明する。
本願の第2の実施形態の風力発電装置の概略構成は、第1の実施形態と同様に図1に示す構成であるため、詳細説明を省略する。
図14は、風力発電装置1のコントローラ9に実装されるピッチ角度制御手段の処理概要を示すブロック線図である。図14のピッチ角度制御手段は、図には明記しないが、ナセル6の適宜位置に備えられる発電機の回転速度と発電機トルクに応じてピッチ角度を調整する可変速制御にて決定されるピッチ角度指令基本値θ0に対し、ピッチ角度補正手段401、および、ピッチ角度追加補正手段1500から出力される値を、加算部406、および加算部1506によってそれぞれ加算することにより、ピッチ角度指令値θを演算する。
ピッチ角度補正手段401は、タワーシャドウによって発生するブレードやドライブトレインの振動を低減するために、ブレードのアジマス角度φがタワー近傍となる角度において、ピッチ角度をフェザー側へ操作するためのピッチ角度補正値dθTSを演算するものであり、第1の実施形態と同様であるため、詳細説明を省略する。
ピッチ角度追加補正手段1500は、風向ψW、ナセル方位ψN、アジマス角度φ、周辺の風力発電装置の配置情報、および、周辺の風力発電装置の風情報に基づいて、ピッチ角度追加補正値dθMを演算する。
ここで、周辺の風力発電装置の配置、および、周辺の風力発電装置の風向の情報の一例を図15を用いて説明する。風力発電装置は、通常単機ではなく、複数台が一つのサイトに設置されてウィンドファームを形成する。即ち、ある風力発電装置に着目した際、周辺には他に風力発電装置が存在する。ここでは、そうした周辺の風力発電装置が与える影響に着目している。
図15は、風力発電装置1と風力発電装置2が適宜位置にて配置されている様子を、上空からみた概略図を示す。周辺の風力発電装置の配置情報とは、風力発電装置1に定義された座標系Σ1に基づき、位置ベクトルAによって定義される風力発電装置2の位置と、風力発電装置2のナセル方位の情報を含む。周辺の風力発電装置の配置情報はこれに限ったものではなく、風力発電装置2のタワーの傾斜角度や、ピッチ角度の情報を含むものであっても良い。
また、周辺の風力発電装置の風情報とは、風力発電装置2の風向ψW2や風速を含んでいる。周辺の風力発電装置の風情報は、これに限ったものではなく、風の乱流強度、3次元的な風の方向、を含むものであっても良い。
なお、図15では、2台の風力発電装置のみ記載しているが、これに限らず、2台以上の配置情報や風情報であっても良いことは勿論である。
図16は、本願の第2の実施形態であるピッチ角度追加補正手段1500の処理概要を示すブロック線図である。
ピッチ角度追加補正手段1500はミスアライメント演算部501、第2象限ピッチ角度追加補正値演算部1601、第3象限ピッチ角度補正値演算部1602、選択フラグ演算部504、およびピッチ角度追加補正値選択部505により構成される。
ミスアライメント演算部501、選択フラグ演算部504、および、ピッチ角度追加補正値選択部505は、第1の実施形態を示す図5と同様であるため、詳細説明を省略する。
第2象限ピッチ角度追加補正値演算部1601、および第3象限ピッチ角度追加補正値演算部1602は、ミスアライメントdψ、アジマス角度φ、周辺の風力発電装置の配置情報、および、周辺の風力発電装置の風情報(風向や風速など)、に基づいて、それぞれ第2象限ピッチ角度追加補正値dθM2、および第3象限ピッチ角度追加補正値dθM3を決定する。第1の実施形態と異なる点は、第2象限ピッチ角度追加補正手段1601と、第3象限ピッチ角度追加補正手段1602の入力が増加している点である。周辺の風力発電装置の配置情報と周辺の風力発電装置の風情報を利用することで、一部風力発電装置の風下に位置する様な関係となる風力発電装置において、風速や乱流強度がロータ左右、上下にて異なる場合があることから、このような条件に応じて、第2象限ピッチ角度追加補正値dθM2や第3象限ピッチ角度追加補正値dθM3を決定する。
尚、第2象限および第3象限は、第1の実施形態と同様に、図7に示すアジマス角度φにて定義されるものであり、詳細説明を省略する。
また、本願の第2の実施形態におけるピッチ角度追加補正手段1500の処理概要を示すフローチャートは、第1の実施形態におけるピッチ角度追加補正手段500のフローチャートを示す図13と同様であるため、詳細説明を省略する。
本実施例においても、タワーシャドウによるブレード荷重およびドライブトレイン荷重の急激な変化を緩和可能であると共に、ピッチ角度操作に伴うブレード振動を低減することが可能である。また、ヨーアクチュエータ駆動に必要な動力を風から得ているので、駆動に必要な電力を低減可能である。
また、周辺の風力発電装置の配置情報と周辺の風力発電装置の風情報を利用することで、一部風力発電装置の風下に位置する様な関係となる風力発電装置において、風速や乱流強度がロータ左右、上下にて異なる場合にもより正確に制御を行うことが出来る。
以下では、図17から図21を用いて、本願に係る風力発電装置の第3の実施形態について説明する。
本願の第3の実施形態の風力発電装置の概略構成は、第1の実施形態と同様に図1に示す構成であるため、詳細説明を省略する。
風力発電装置1のコントローラ9に実装されるピッチ角度制御手段の処理概要は、第1の実施形態のピッチ角度制御手段の処理概要と同様に、図4に示すブロック線図と同様であるため、詳細説明を省略する。
第1の実施形態と第3の実施形態との違いは、図4に示すピッチ角度追加補正手段500の処理内容に相当する箇所である。図17は、本願の第3の実施形態に係るピッチ角度追加補正手段2500の処理概要を示すブロック線図である。
第3の実施形態に係るピッチ角度追加補正手段2500は、ミスアライメント演算部501、第2象限ピッチ角度追加補正値演算部502、第3象限ピッチ角度補正値演算部503、第1象限ピッチ角度補正値演算部1701、第4象限ピッチ角度追加補正値演算部1702、選択フラグ演算部504、およびピッチ角度追加補正値選択部1703により構成される。
ミスアライメント演算部501、第2象限ピッチ角度追加補正値演算部502、第3象限ピッチ角度追加補正値演算部503、および、選択フラグ演算部504は、第1の実施形態を示す図5と同様であるため、詳細説明を省略する。
第3の実施形態に係るピッチ角度追加補正手段2500では、ヨー旋回モーメントを発生させるために、第2象限および第3象限でのピッチ角度の追加補正に加えて、更に第1象限および第4象限でのピッチ角度の追加補正を付加することによって、ヨー旋回モーメントを発生させる。
第1象限ピッチ角度追加補正値演算部1701、および第4象限ピッチ角度追加補正値演算部1702は、第2象限ピッチ角度追加補正値演算部502、および第3象限ピッチ角度追加補正値演算部1702と同様に、ミスアライメントdψおよびアジマス角度φに基づいて、それぞれ第1象限ピッチ角度追加補正値dθM1、および第4象限ピッチ角度追加補正値dθM4を決定する。
図18に、第2象限ピッチ角度追加補正値dθM2、第3象限ピッチ角度追加補正値dθM3、第1象限ピッチ角度追加補正値dθM1、および第4象限ピッチ角度追加補正値dθM4、のアジマス角度φに対する関係の一例を示す。図18の横軸はアジマス角度φを示し、縦軸はそれぞれ、第2象限ピッチ角度追加補正値dθM2、第3象限ピッチ角度追加補正値dθM3、第1象限ピッチ角度追加補正値dθM1、および第4象限ピッチ角度追加補正値dθM4を示す。各象限のピッチ角度追加補正値dθM1〜dθM4について、図上方がフェザー側、下方がファイン側を示す。
図18における第2象限ピッチ角度追加補正値dθM2、第3象限ピッチ角度追加補正値dθM3は、第1の実施形態に係る図8に示すものと同様であるため、詳細説明を省略する。
第1の実施形態にて説明した第2象限ピッチ角度追加補正値dθM2、第3象限ピッチ角度追加補正値dθM3と同様に、第1象限ピッチ角度追加補正値演算部1701は第1象限ピッチ角度追加補正値dθM1の補正最大値|dθM1|、および補正期間dφM1をミスアライメントdψに基づいて変化させる。第1の実施形態と異なる点は、第1象限ピッチ角度追加補正値dθM1はピッチ角度の追加補正をフェザー側でなくファイン側に操作するものである。図18の例では第1象限ピッチ角度追加補正値dθM1をアジマス角度φに応じて第1象限にて滑らかに変化させているが、これに限ったものではなく、第1象限ピッチ角度追加補正値dθM1が一定速度で変化させたり、一定の値を保持する期間を備えていたりしても良い。
第4象限ピッチ角度追加補正値演算部1702は第4象限ピッチ角度追加補正値dθM4の補正最大値|dθM4|、および補正期間dφM4をミスアライメントdψに基づいて変化させる。第1の実施形態と異なる点は、第4象限ピッチ角度追加補正値dθM4はピッチ角度の追加補正をフェザー側でなくファイン側に操作するものである。図18の例では第4象限ピッチ角度追加補正値dθM4をアジマス角度φに応じて第4象限にて滑らかに変化させているが、これに限ったものではなく、第4象限ピッチ角度追加補正値dθM4が一定速度で変化させたり、一定の値を保持する期間を備えていたりしても良い。
図19は、第3の実施形態に係るピッチ角度追加補正手段2500により、左旋回のヨー旋回モーメントを発生させる場合のピッチ角度追加補正の一例を示す。ここでは、第2象限でフェザー側への調整を行う際に第4象限に位置するブレード2はファイン側へ調整を行う様にしている。
図19の横軸はアジマス角度φを示し、縦軸は図上方より、選択フラグ、ピッチ角度追加補正値dθM、およびピッチ角度指令値θを示す。図上方より、選択フラグについて、図上方が1(右旋回)、ピッチ角度追加補正値dθMについて、図上方がフェザー側、ピッチ角度指令値θについて、図上方がフェザー側を示す。また、破線がピッチ角度追加補正手段2500を適用しない場合を示し、実線がピッチ角度追加補正手段2500を適用した場合を示す。
第3の実施形態に係るピッチ角度追加補正手段2500を適用しない場合は、ピッチ角度追加補正を実施しないため、アジマス角度φが180度付近でピッチ角度指令値θをフェザー側に操作し、タワーシャドウによるブレードやドライブトレインの振動を低減する。これに対して、第3の実施形態に係るピッチ角度追加補正手段2500を適用した場合は、選択フラグが0(左旋回)に決定され、これに応じて、ピッチ角度追加補正値dθMは、図18に示す第3象限ピッチ角度追加補正値dθM3と第1象限ピッチ角度追加補正値dθM1が選択され、それぞれ第3象限ではフェザー側、第1象限ではファイン側へ調整される。このピッチ角度追加補正値dθMによって補正されることによって、ピッチ角度指令値θは第3象限にてフェザー側に変化、すなわちタワーシャドウの影響を低減するピッチ角度補正に追加してフェザー側へ補正し、第1象限ではファイン側に変化する。第3象限にてフェザー側へ補正することで、ロータが第3象限で受ける風によるスラスト力が減少すると共に、第1象限にてファイン側へ補正することで、ロータが第4象限で受ける風によるスラスト力が増加することによって、左旋回のヨー旋回モーメントを発生させることができ、かつ、発電量の増加も期待できる。
図20は、第3の実施形態に係るピッチ角度追加補正手段2500により、右旋回のヨー旋回モーメントを発生させる場合のピッチ角度追加補正の一例を示す。図20の横軸はアジマス角度φを示し、縦軸は図上方より、選択フラグ、ピッチ角度追加補正値dθM、およびピッチ角度指令値θを示す。図上方より、選択フラグについて、図上方が1(右旋回)、ピッチ角度追加補正値dθMについて、図上方がフェザー側、ピッチ角度指令値θについて、図上方がフェザー側を示す。また、破線がピッチ角度追加補正手段401を適用しない場合を示し、実線がピッチ角度追加補正手段2500を適用した場合を示す。ここでは、第3象限でフェザー側への調整を行う際に第1象限に位置するブレード2はファイン側へ調整を行う様にしている。
第3の実施形態に係るピッチ角度追加補正手段2500を適用しない場合は、ピッチ角度追加補正を実施しないため、アジマス角度φが180度付近でピッチ角度指令値θをフェザー側に操作し、タワーシャドウによるブレードやドライブトレインの振動を低減する。これに対して、第3の実施形態に係るピッチ角度追加補正手段2500を適用した場合は、選択フラグが1(右旋回)に決定され、これに応じて、ピッチ角度追加補正値dθMは、図18に示す第2象限ピッチ角度追加補正値dθM2と第4象限ピッチ角度追加補正値dθM4が選択され、それぞれ第2象限ではフェザー側、第4象限ではファイン側へ調整される。このピッチ角度追加補正値dθMによって補正されることによって、ピッチ角度指令値θは第2象限にてフェザー側に変化、すなわちタワーシャドウの影響を低減するピッチ角度補正に追加してフェザー側へ補正し、第4象限ではファイン側に変化する。第2象限にてフェザー側へ補正することで、ロータが第2象限で受ける風によるスラスト力が減少すると共に、第4象限にてファイン側へ補正することで、ロータが第4象限で受ける風によるスラスト力が増加することによって、右旋回のヨー旋回モーメントを発生させることができる。
図21は、本願の第3の実施形態であるピッチ角度追加補正手段2500の処理概要を示すフローチャートである。
ステップS2201では、ミスアライメントdψを決定する。続くステップS2202では第2象限ピッチ角度追加補正値dθM2を決定する。ステップS2203では第3象限ピッチ角度追加補正値dθM3を決定する。ステップS2204では第1象限ピッチ角度追加補正値dθM1を決定する。ステップS2205では第4象限ピッチ角度追加補正値dθM4を決定する。続いてステップS2206では、ミスアライメントdψの符号に基づく条件判断処理であり、ミスアライメントdψが負であれば、右旋回のヨー旋回モーメントを発生させると判断し、ステップS2207に処理を進め、ミスアライメントdψが正であれば、左旋回のヨー旋回モーメントを発生させると判断し、ステップS2208に処理を進める。ステップS2207では、右旋回のヨー旋回モーメントを発生させるために、第2象限ピッチ角度補正値dφM2および第4象限ピッチ角度補正値dφM4の双方を用いてピッチ角度追加補正値dθMにセットし、一連の処理を終了する。また、ステップS2208では、左旋回のヨー旋回モーメントを発生させると判断し、第3象限ピッチ角度補正値dφM3と第1象限ピッチ角度補正値dφM1の双方を用いてピッチ角度追加補正値dθMにセットし、一連の処理を終了する。
尚、本願が請求する範囲は上記に限ったものではなく、適用される風力発電装置は、タワーが地面または海底に設置される着床式の風力発電装置であっても良いし、海域に浮かべた土台部分に設置される浮体式の風力発電装置であっても良い。
1 風力発電装置
2 ブレード
3 ハブ
4 ロータ
5 ピッチアクチュエータ
6 ナセル
7 タワー
8 アジマス角度検出用センサ
9 コントローラ
10 センサ
401 ピッチ角度補正手段
402 ピッチ角度補正最大値演算部
403 ピッチ角度補正開始アジマス角度演算部
404 ピッチ角度補正終了アジマス角度演算部
405 ピッチ角度補正値演算部
406 加算部

Claims (7)

  1. 風を受けて回転するブレードと、前記ブレードの荷重を支持するタワーと、
    前記ブレードを支持すると共に、前記タワーに対して回転可能に支持されるナセルと、を備え、
    前記ブレードのピッチ角を調整可能な風力発電装置であって、
    前記ブレードが前記タワーのタワーシャドウに位置する際における前記ピッチ角が、フェザー側へ調整されており、
    風向きと前記ナセルの方向に生ずるミスアライメントを減らす方向へ前記ナセルに風からの力が生ずる様に、フェザー側への前記調整と連続して前記ブレードのフェザー側への調整を行うことを特徴とする風力発電装置。
  2. 請求項1に記載の風力発電装置であって、
    前記ブレードがアジマス角上でブレードが頂点に位置する際を0degとした時に、
    前記アジマス角度が0degから90degにおける前記ブレードの位置を第1象限とし、
    前記アジマス角度が90deg から180deg における前記ブレードの位置を第2象限とし、
    前記アジマス角度が180degから270degにおける前記ブレードの位置を第3象限とし、
    前記アジマス角度が270degから360degにおける前記ブレードの位置を第4象限とした場合、
    前記ミスアライメントの方向に応じて前記第2象限または前記第3象限のいずれかにおいて、前記ブレードが前記タワーの前記タワーシャドウに位置する際における前記ピッチ角をフェザー側へ調整する調整と連続して、前記風向きと前記ナセルの方向に生ずる前記ミスアライメントを減らす方向へ前記ナセルに風からの力が生ずる様に前記ピッチ角のフェザー側への調整を行うことを特徴とする風力発電装置。
  3. 請求項2に記載の風力発電装置であって、
    該風力発電装置の周辺に設置される他の風力発電装置の配置、及び前記他の風力発電装置における風向に基づいて、
    前記第2象限または前記第3象限のいずれかにおいて、前記ブレードが前記タワーの前記タワーシャドウに位置する際における前記ピッチ角をフェザー側へ調整する調整と連続して、前記風向きと前記ナセルの方向に生ずる前記ミスアライメントを減らす方向へ前記ナセルに風からの力が生ずる様に前記ピッチ角のフェザー側への調整を行うことを特徴とする風力発電装置。
  4. 請求項2または3に記載の風力発電装置であって、
    前記ミスアライメントの大きさに応じて、前記第2象限または前記第3象限のピッチ角を、前記ブレードが前記タワーの前記タワーシャドウに位置する際における前記ピッチ角をフェザー側へ調整する調整と連続して、前記風向きと前記ナセルの方向に生ずる前記ミスアライメントを減らす方向へ前記ナセルに風からの力が生ずる様にフェザー側へ調整する調整量を大きくすることを特徴とする風力発電装置。
  5. 請求項2ないし4のいずれか1項に記載の風力発電装置であって、
    前記ミスアライメントの大きさに応じて、前記第2象限または前記第3象限におけるピッチ角を、前記ブレードが前記タワーの前記タワーシャドウに位置する際における前記ピッチ角をフェザー側へ調整する調整と連続して、前記風向きと前記ナセルの方向に生ずる前記ミスアライメントを減らす方向へ前記ナセルに風からの力が生ずる様にフェザー側へ調整する調整期間を長くすることを特徴とする風力発電装置。
  6. 請求項2ないし5のいずれか1項に記載の風力発電装置であって、
    前記ブレードは複数設けられていると共に、複数の該ブレードのピッチ角は独立して調整可能であり、
    前記第2象限で前記ブレードが前記タワーの前記タワーシャドウに位置する際における前記ピッチ角をフェザー側へ調整する調整と連続して、前記風向きと前記ナセルの方向に生ずる前記ミスアライメントを減らす方向へ前記ナセルに風からの力が生ずる様に前記ピッチ角のフェザー側への調整を行う際に前記第4象限に位置する前記ブレードはファイン側へ調整を行うことを特徴とする風力発電装置。
  7. 請求項2ないし5のいずれか1項に記載の風力発電装置であって、
    前記ブレードは複数設けられていると共に、複数の該ブレードのピッチ角は独立して調整可能であり、
    前記第3象限で前記ブレードが前記タワーの前記タワーシャドウに位置する際における前記ピッチ角をフェザー側へ調整する調整と連続して、前記風向きと前記ナセルの方向に生ずる前記ミスアライメントを減らす方向へ前記ナセルに風からの力が生ずる様に前記ピッチ角のフェザー側への調整を行う際に前記第1象限に位置する前記ブレードはファイン側へ調整を行うことを特徴とする風力発電装置。
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