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JP6430228B2 - 画像分類装置および画像分類方法 - Google Patents
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Description

本発明は、画像を分類する技術に関する。
半導体基板、ガラス基板、プリント配線基板等の製造では、異物や傷、エッチング不良等の欠陥を検査するために光学顕微鏡や走査電子顕微鏡等を用いて外観検査が行われる。また、このような検査工程において検出された欠陥に対して、詳細な解析を行うことによりその欠陥の発生原因を特定し、欠陥に対する対策が施される。
近年では、基板上のパターンの複雑化および微細化に伴い、検出される欠陥の種類および数量が増加する傾向にあり、検査工程で検出された欠陥の画像を自動的に分類する自動分類も用いられる。自動分類により欠陥の解析を迅速かつ効率的に行うことが実現される。自動分類では、判別関数を利用した分類器が多く用いられる。特許文献1では、遺伝的アルゴリズムを利用して判別関数を生成する手法が開示されている。
特開2003−317083号公報
ところで、画像の分類では、使用する特徴量の種類を増やして汎化能力を向上させる、すなわち、分類精度を向上させることが考えられるが、実際には、単に特徴量の種類を増やしても、いわゆる次元の呪いの影響を受けるため、分類精度を向上させることが困難となる。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、分類精度を容易に向上させることを目的としている。
請求項1に記載の発明は、画像を分類する画像分類装置であって、画像から取得される複数の特徴量に対して、所定の変換関数を用いて非線形変換を行うことにより、複数の変換済み特徴量を取得する特徴量変換部と、前記複数の変換済み特徴量を用いて、パラメトリック判別またはノンパラメトリック判別により、前記画像を複数のクラスのうちの一のクラスに分類する分類部とを備え、前記特徴量変換部において、前記複数の特徴量に含まれる各特徴種別の特徴量から、前記各特徴種別の変換済み特徴量が求められ、前記変換関数が、前記非線形変換に利用される特徴量の数値範囲において狭義単調増加または狭義単調減少し、前記数値範囲が有限であり、前記数値範囲内における上限および下限の近傍において、前記上限および前記下限に近づくに従って前記変換関数の傾きが0に近づく
請求項に記載の発明は、請求項に記載の画像分類装置であって、前記数値範囲における前記変換関数の傾きが前記数値範囲の中央にて最大または最小となる。
請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像分類装置であって、前記変換関数が、逆正接関数または逆双曲線正弦関数を含む。
請求項に記載の発明は、画像を分類する画像分類方法であって、a)画像から取得される複数の特徴量に対して、所定の変換関数を用いて非線形変換を行うことにより、複数の変換済み特徴量を取得する工程と、b)前記複数の変換済み特徴量を用いて、パラメトリック判別またはノンパラメトリック判別により、前記画像を複数のクラスのうちの一のクラスに分類する工程とを備え、前記a)工程において、前記複数の特徴量に含まれる各特徴種別の特徴量から、前記各特徴種別の変換済み特徴量が求められ、前記変換関数が、前記非線形変換に利用される特徴量の数値範囲において狭義単調増加または狭義単調減少し、前記数値範囲が有限であり、前記数値範囲内における上限および下限の近傍において、前記上限および前記下限に近づくに従って前記変換関数の傾きが0に近づく
請求項に記載の発明は、請求項に記載の画像分類方法であって、前記数値範囲における前記変換関数の傾きが前記数値範囲の中央にて最大または最小となる。
請求項に記載の発明は、請求項4または5に記載の画像分類方法であって、前記変換関数が、逆正接関数または逆双曲線正弦関数を含む。
本発明によれば、分類精度を容易に向上させることができる。
画像分類装置の構成を示す図である。 欠陥画像の分類の流れを示す図である。 ホストコンピュータの構成を示す図である。 ホストコンピュータが実現する機能構成を示すブロック図である。 分類器の構築の流れを示す図である。 複数の欠陥画像を示す図である。 特徴量のヒストグラムを示す図である。 特徴量のヒストグラムを示す図である。 変換関数のグラフである。 分類器の性能評価結果を示す図である。 比較例の分類器の性能評価結果を示す図である。 分類器の性能評価結果を示す図である。 分類器の性能評価結果を示す図である。 分類器の性能評価結果を示す図である。 変換関数のグラフである。 分類器の性能評価結果を示す図である。 分類器の性能評価結果を示す図である。 分類器の性能評価結果を示す図である。 分類器の性能評価結果を示す図である。
図1は本発明の一の実施の形態に係る画像分類装置1の概略構成を示す図である。画像分類装置1では、半導体基板9(以下、単に「基板9」という。)上のパターンの欠陥を示す欠陥画像が取得され、当該欠陥画像の分類が行われる。画像分類装置1は基板9上の検査対象領域を撮像する撮像装置2、欠陥を自動分類する検査・分類装置4、並びに、ホストコンピュータ5を有する。検査・分類装置4は、撮像装置2からの多階調の画像データに基づいて欠陥検査を行い、欠陥が検出された場合に欠陥が属すべき欠陥クラス(欠陥の種別であり、「カテゴリ」等とも呼ばれる。)へと欠陥(の画像)を分類する。ホストコンピュータ5は、画像分類装置1の全体動作を制御するとともに検査・分類装置4における欠陥の分類に利用される分類器422を生成する。また、撮像装置2は基板9の製造ラインに組み込まれ、画像分類装置1はいわゆるインライン型のシステムとなっている。画像分類装置1は、欠陥検査装置に自動欠陥分類の機能を付加した装置と捉えることもできる。
撮像装置2は、撮像部21、基板9を保持するステージ22、および、撮像部21に対してステージ22を相対的に移動するステージ駆動部23を有する。撮像部21は、基板9上の検査対象領域を撮像して画像データを取得する。撮像部21は、照明光を出射する照明部211、光学系212、および、撮像デバイス213を有する。光学系212は基板9に照明光を導き、基板9からの光は光学系212に入射する。撮像デバイス213は、光学系212により結像された基板9の像を電気信号に変換する。ステージ駆動部23はボールねじ、ガイドレール、モータ等により構成される。ホストコンピュータ5がステージ駆動部23および撮像部21を制御することにより、基板9上の検査対象領域が撮像される。
検査・分類装置4は、欠陥検出部41、および、欠陥画像を分類する分類制御部42を有する。欠陥検出部41は、検査対象領域の画像データを処理しつつ欠陥を検出する。欠陥検出部41は検査対象領域の画像データを高速に処理する専用の電気的回路を有し、撮像された画像と欠陥が存在しない参照画像との比較や画像処理により検査対象領域の欠陥検査を行う。分類制御部42は各種演算処理を行うCPUや各種情報を記憶するメモリ等により構成され、特徴量算出部420、特徴量変換部421、および、分類部である分類器422を含む。分類器422は、線形判別分析を利用して欠陥の分類、すなわち、欠陥画像の分類を実行する。
図2は、画像分類装置1による欠陥画像の分類の流れを示す図である。まず、図1に示す撮像装置2が基板9を撮像することにより、検査・分類装置4の欠陥検出部41が画像のデータを取得する(ステップS1)。次に、欠陥検出部41が検査対象領域の欠陥検査を行い、欠陥が検出されると、欠陥部分の画像である欠陥画像のデータが生成されて準備される(ステップS2)。欠陥画像のデータは分類制御部42へと送信される。分類制御部42の特徴量算出部420は、欠陥画像の複数種類の特徴量の配列である特徴量ベクトルを算出する(ステップS3)。ここで、欠陥画像から取得される特徴量としては、欠陥画像が示す幾何学的特徴量(例えば、欠陥の面積や周囲長等)や統計的特徴量(例えば、欠陥と背景の階調値の差や高次局所自己相関等)が利用される。欠陥画像と、欠陥を含まない参照画像との差を示す画像から特徴量が算出されてもよい。
特徴量変換部421は、特徴量ベクトルに含まれる各種類の特徴量を所定の変換関数に従って変換し、複数の変換済み特徴量(変換済み特徴量ベクトル)を取得する(ステップS4)。複数の変換済み特徴量は分類器422に入力されて分類結果が出力される。すなわち、分類器422を用いて欠陥画像が複数の欠陥クラスのいずれかに分類される(ステップS5)。画像分類装置1では、欠陥検出部41にて欠陥が検出される毎に特徴量ベクトルの算出および変換がリアルタイムにて行われ、多数の欠陥画像の自動分類が高速に行われる。
次に、ホストコンピュータ5による分類器の構築および変換関数について説明する。図3はホストコンピュータ5の構成を示す図である。ホストコンピュータ5は各種演算処理を行うCPU51、基本プログラムを記憶するROM52、および、各種情報を記憶するRAM53を含む一般的なコンピュータシステムの構成となっている。ホストコンピュータ5は、情報記憶を行う固定ディスク54、画像等の各種情報の表示を行うディスプレイ55、ユーザからの入力を受け付けるキーボード56aおよびマウス56b(以下、「入力部56」と総称する。)、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体8から情報の読み取りを行う読取装置57、並びに、画像分類装置1の他の構成との間で信号を送受信する通信部58をさらに含む。
ホストコンピュータ5には、事前に読取装置57を介して記録媒体8からプログラム80が読み出され、固定ディスク54に記憶される。そして、CPU51によりRAM53および固定ディスク54を利用しつつプログラム80に従って演算処理が実行される。
図4はホストコンピュータ5のCPU51、ROM52、RAM53、固定ディスク54等により実現される、分類器を構築するための機能構成を示すブロック図である。図4には、検査・分類装置4の一部も示している。ホストコンピュータ5は、特徴量変換部611および分類器612を含む分類制御部61と、分類器612を学習させて構築する学習部62とを備える。分類部である分類器612は、正確には、予め定められた記憶領域に分類を行うために必要な情報を格納することにより実現される機能構成である。検査・分類装置4の分類器422も同様である。
ホストコンピュータ5は、画像記憶部64、および、情報記憶部65をさらに備える。画像記憶部64は、各欠陥画像のデータである欠陥画像データ801と、特徴量ベクトル802とを記憶する。各欠陥画像に対応する欠陥画像データ801と特徴量ベクトル802とは関連付けられる。特徴量ベクトル802は、既述のように、各欠陥画像から得られる複数種類の特徴量の配列である。特徴量ベクトル802に含まれる特徴量としては、既述のように幾何学的特徴量や統計的特徴量が利用される。以下の説明では、特徴量の種類を「特徴種別」という。
実際には、複数の欠陥画像に対する欠陥画像データ801および特徴量ベクトル802が画像記憶部64に記憶される(情報記憶部65における後述の教示欠陥クラス811において同様)。情報記憶部65は、各欠陥画像に関連付けられた教示欠陥クラス811を記憶する。教示欠陥クラス811は、ユーザにより各欠陥画像に付与された欠陥クラスである。すなわち、教示欠陥クラス811は、欠陥の種類等を各欠陥画像に関連付ける後述の教示作業の結果を示す情報である。
ホストコンピュータ5にて分類器612が構築されると、分類器612は検査・分類装置4の分類器422へと転送される。もちろん、ホストコンピュータ5の機能は、検査・分類装置4に含めることも可能である。
図5は、ホストコンピュータ5による分類器の構築の流れを示す図である。分類器の構築とは、分類器が含む線形判別関数のパラメータに値を付与すること等により分類器を生成することを意味する。
分類器の構築の際には、事前準備として、検査・分類装置4にて検出された多数の欠陥画像のデータがホストコンピュータ5に入力され、画像記憶部64に欠陥画像データ801として記憶される。また、検査・分類装置4では、欠陥画像の特徴量ベクトルが求められるため、欠陥画像データと共に特徴量ベクトルもホストコンピュータ5に入力され、画像記憶部64に記憶される。なお、記憶される特徴量ベクトル802は、欠陥画像データ801に基づいてホストコンピュータ5により再度生成されてもよい。
続いて、ユーザにより、欠陥クラスの教示が行われる。欠陥クラスの教示では、例えば、複数の欠陥画像が、ホストコンピュータ5のディスプレイ55に表示される(図6参照)。本処理例における複数の欠陥画像は、基板上のレジストによるパターンの欠陥を示す。続いて、入力部56がユーザからの教示入力を受け付けることにより、複数の欠陥画像のそれぞれに対して、複数の(N個の)欠陥クラスのうちの一の欠陥クラスが関連付けられる。関連付けられた欠陥クラスは、教示欠陥クラス811として情報記憶部65に記憶される。図6では、各欠陥画像の下に「教示:異物」等と示すことにより、欠陥画像の欠陥クラスが示されている。なお、本処理例では、図6中にて「教示:反射」と示す欠陥画像は、後述の教師画像としては用いられない。
以上の処理により、複数の欠陥クラスのうちの一の欠陥クラスに属すると教示された欠陥画像(すなわち、教示欠陥クラス811が決定された欠陥画像)を教師画像として、複数の教師画像が準備される(ステップS11)。各欠陥画像は特徴量ベクトル802に関連付けられているため、実質的には、特徴量ベクトル802と教示欠陥クラスとが関連付けられる。既述のように、特徴量ベクトル802は、複数の特徴種別における特徴量の配列である。
図7は、一の特徴種別に関する複数の教師画像の特徴量のヒストグラムを示す図であり、図8は、他の一の特徴種別に関する複数の教師画像の特徴量のヒストグラムを示す図である。図7に示すように、ヒストグラムの形状が、およそ0を中心として左右対称となる特徴種別以外に、図8に示すように、ヒストグラムの形状が、0を中心とせず、かつ、左右非対称となる(すなわち、出現頻度に偏りがある)特徴種別も存在する。このように、複数の教師画像における特徴量の分布は、特徴種別毎に様々である。
特徴量変換部611では、各教師画像の特徴量ベクトル802に含まれる各特徴種別の特徴量が変換されて、変換済み特徴量が取得される(ステップS12)。具体的には、各特徴種別に関して、複数の教師画像における複数の特徴量の最小値および最大値が取得される。続いて、最小値の絶対値および最大値の絶対値のうち大きい方の値により当該複数の特徴量のそれぞれを割ることにより、特徴量の新たな値(以下、「正規化済み特徴量」という。)が得られる。正規化済み特徴量は、−1以上かつ+1以下である。なお、特徴量の正規化は他の手法により行われてもよく、例えば、平均が0になり、分散が1になるような線形変換により正規化が行われてもよい。
複数の特徴種別の正規化済み特徴量が取得されると、番号iの特徴種別の正規化済み特徴量をxとして、当該特徴種別の変換済み特徴量θが数1に示す変換関数により求められる。
(数1)
θ=tan−1
図9は、数1の変換関数のグラフである。図9の横軸は正規化済み特徴量xを示し、縦軸は変換済み特徴量θを示す。数1は逆正接関数を示し、xの増加に従ってθが狭義単調増加する。ここで、狭義単調増加は、2つの任意の実数a,b(ただし、a<b)に対して、関数f(x)がf(a)<f(b)を満たすことを意味し、後述の狭義単調減少は、f(a)>f(b)を満たすことを意味する。また、数1の変換関数の傾きは、xが0の時に最大となり、xが0から離れるに従って漸次減少する。したがって、数1による特徴量の変換は、非線形変換となる。既述のように、正規化済み特徴量xは−1以上かつ+1以下の有限の正規化範囲に含まれ、当該正規化範囲が数1を利用する数値範囲(以下、「利用範囲」という。)A1となる。利用範囲A1における数1の変換関数の傾きは、当該利用範囲A1の中央にて最大となる。また、当該利用範囲A1の上限および下限に近づくに従って数1の変換関数の傾きは0に近づく。
各教師画像に対して、複数の特徴種別の変換済み特徴量の集合である変換済み特徴量ベクトルが取得されると、複数の教師画像の変換済み特徴量ベクトルを用いて分類器612が生成される(ステップS13)。本処理例では、分類器612の学習アルゴリズムとして、周知の線形判別が利用され、例えば、フィッシャーの線形判別分析が利用される。フィッシャーの線形判別分析では、クラス内の共分散を小さくするとともにクラス間の共分散を大きくするように線形判別関数が求められる。また、分類器612の学習アルゴリズムとして、線形のカーネル関数を利用したサポートベクターマシン(線形判別の一手法と捉えることができる。)が利用されてもよい。これらの手法は、所定の判別関数の係数を求めることにより分類器612が生成されるパラメトリック判別である。
既述のように、構築された分類器612は検査・分類装置4の分類器422へと転送される。また、特徴量変換部611における変換関数も検査・分類装置4の特徴量変換部421へと転送される。そして、分類器422および特徴量変換部421を利用して、欠陥検出部41にて検出される欠陥画像の分類が行われる。
図10は、構築された分類器612の性能評価結果を示す図である。ここでは、学習結果として得られた分類器612に、学習に使用した全ての教師画像を分類させることにより正答率を調べる、いわゆる全数学習全数分類(All-for-all)により性能評価を行い、性能評価結果として、分類結果をまとめたコンフュージョンマトリクス(混同行列)を図10に示している。以下、分類器612による分類結果における欠陥クラスを「分類欠陥クラス」という。
図10では、3個の教示欠陥クラスを「異物」、「不良黒」、「気泡」として行見出しに記し、3個の分類欠陥クラスを「異物」、「不良黒」、「気泡」として列見出しに記している。教示欠陥クラス「A」に属する複数の教師画像のうち、分類欠陥クラス「B」に属すると判定された教師画像の個数は、「A」の行と「B」の列との交差位置に示される。なお、見出しに「Correct」と記す行は、各分類欠陥クラスに分類された教師画像のうち、当該分類欠陥クラスと教示欠陥クラスとが一致する教師画像の個数(総正答数)を示し、見出しに「Sum」と記す行は、各分類欠陥クラスに分類された教師画像の個数(総数)を示し、見出しに「Purity」と記す行は、各分類欠陥クラスの「Sum」の個数に占める「Correct」の個数の比率を示す(見出しに「Correct」、「Sum」、「Accuracy」と記す列において同様)。また、「Purity」の行と「Accuracy」の列との交差位置は、分類が行われた教師画像の総数のうち、教示欠陥クラスと分類欠陥クラスとが一致した教師画像の個数の比率(総正答率)を示す。
図10に示すように、分類器612の学習および性能評価では、5115個の教師画像が使用され、1578個の教師画像が「異物」の教示欠陥クラス、2849個の教師画像が「不良黒」の教示欠陥クラス、688個の教師画像が「気泡」の教示欠陥クラスにそれぞれ教示されている。「異物」と教示した1578個の教師画像のうち、正しく「異物」と分類されたものは1537個である。誤って「不良黒」と分類されたものが41個、「気泡」と分類されたものが0個である。「異物」と教示した教師画像における分類の正答率(分類の正確さ)は97.4%である。また、「異物」と分類された1751個の教師画像のうち、「異物」と教示したものは1537個であり、「不良黒」と教示したものは214個であり、「気泡」と教示したものは0個である。「異物」と分類された教師画像における分類の正答率(分類の信頼性)は87.8%である。分類器612による総正答率は91.5%である。
図11は、比較例の分類器の性能評価結果を示す図である。比較例の分類器は、複数の教師画像の特徴量ベクトル、すなわち、ステップS12における非線形変換(特徴量の正規化を含む。)が行われていない特徴量ベクトルを用いて、分類器612と同じ学習アルゴリズム(線形判別)にて生成される。既述のように、分類器612による総正答率が91.5%であるのに対し、比較例の分類器による総正答率は89.9%である。なお、正規化済み特徴量(非線形変換は行われない。)を用いて生成した他の比較例の分類器においても、総正答率は、上記比較例の分類器と同様である。このように、変換済み特徴量を用いて生成される分類器612では、比較例の分類器に比べて、分類性能が向上する。
次に、次元の呪いについて述べる。次元の呪いは、使用する特徴種別の数を増やしても汎化能力(すなわち、未知の画像を正しく分類する能力)が向上しない現象のことである。この現象は、球面集中現象により説明されることが多いが、簡単には、次元の増加に伴ってデータ間の距離が互いに等しくなっていくことに起因し、高次元特徴量空間内では、クラス間の境界(境界超平面、すなわち判別関数)も期待したほど機能しなくなる。なお、球面集中現象とは、多次元の特徴量空間において、ある欠陥画像の特徴量ベクトルが示す位置(以下、単に「欠陥画像の位置」という。)を中心とする多次元超球を想定した場合に、当該超球に含まれる大部分の欠陥画像の位置が当該超球の(ほぼ)表面に存在する現象である。
現実に算出される特徴量で張られる特徴量空間では、特徴量の次元数が増えるに従って球面集中現象が顕著になる。一方、球面集中現象では、n次元の特徴量空間における(大部分の)欠陥画像の位置を、超球の半径に等しい動径rと偏角θを用いて表すことができる。したがって、あらゆる特徴種別の特徴量は偏角θで表されるべきものであり、実際に欠陥画像から算出されるn個の特徴量は、これらが何らかの関数により変換された結果として得られるものと考えることができる。換言すると、画像の分類において、欠陥画像から算出されるn個の特徴量は、n個の偏角θに変換すべきものであると考えられる。このように、球面集中現象を前提とした判別モデルを採用することにより、次元の呪いを緩和することが可能となる。
そこで、上記処理例では、数1を利用して、各特徴種別の特徴量(ここでは、正規化済み特徴量)xから変換済み特徴量θが求められる。ここで、偏角(θ,θ,・・・,θ)だけでn次元の新たな特徴量空間を張ると、この特徴量空間内における線形関数は、変換前の特徴量空間では非線形なものとして振る舞う。言い換えると、複数の特徴量に対する数1による変換は、非線形変換となる。そして、非線形変換により得られた変換済み特徴量を用いて、分類器422による線形判別により、欠陥画像が複数のクラスのうちの一のクラスに分類される。このように、特徴量の非線形変換、および、線形判別による分類を行うことにより、次元の呪いの影響が大きい場合であっても分類精度を容易に向上させることができる。
上記処理例では、特徴量の正規化範囲が−1以上かつ+1以下(以下、[−1,+1]と表記する。)であり、当該正規化範囲が数1の利用範囲A1となる。当該利用範囲A1のみに着目すると、数1の変換関数では、xが0である場合に傾きが1にて最大となり、xが−1および+1である場合に傾きが1/2にて最小となる。ここで、特徴量の正規化範囲を[−2,+2]、[−5,+5]、[−10,+10]とした場合における分類器の性能評価結果は、図12A、図12Bおよび図12Cのようになる。図10、並びに、図12Aないし図12Cから明らかなように、特徴量の正規化範囲を広くするに従って、総正答率が低下する。この理由としては、正規化範囲の境界近傍において変換関数の傾きが小さくなり、変換済み特徴量の大きさの差が生じにくくなることが一因と推測される。なお、数1の変換関数では、xが−2および+2である場合に傾きが1/5となり、xが−5および+5である場合に傾きが1/26となり、xが−10および+10である場合に傾きが1/101となる。
そこで、数1の逆正接関数よりも変化が緩やかな数2の逆双曲線正弦関数を変換関数として利用する場合について述べる。
(数2)
θ=sinh−1
図13は、数2の変換関数のグラフである。数2も、数1と同様にxの増加に従ってθが狭義単調増加する。また、数2の変換関数の傾きは、xが0の時に最大となり、xが0から離れるに従って漸次減少する。したがって、数2による特徴量の変換も、非線形変換となる。
図14Aないし図14Dは、それぞれ特徴量の正規化範囲を[−1,+1]、[−2,+2]、[−5,+5]、[−10,+10]としつつ数2を利用して生成した分類器612の性能評価結果を示す図である。上記正規化範囲は、いずれも0を中心とするため、数2の利用範囲(すなわち、正規化範囲)において数2の変換関数の傾きは、当該利用範囲の中央にて1となり、最大となる。また、当該利用範囲内における上限および下限の近傍において、当該上限および下限に近づくに従って数2の変換関数の傾きは0に近づく。図14Aないし図14Dが示す総正答率は、いずれも上記比較例の分類器による総正答率(図11参照)よりも大きい。具体的には、正規化範囲が[−5,+5]である場合に総正答率が91.6%にて最大となり、特徴量の正規化範囲を[−1,+1]としつつ数1を利用して生成した分類器612による総正答率91.5%と同等となる。
なお、数2の変換関数では、xが−1および+1である場合に傾きが1/(sqrt2)となり(ただし、(sqrtA)はAの平方根を示す。)、xが−2および+2である場合に傾きが1/(sqrt5)となる。また、xが−5および+5である場合に傾きが1/(sqrt26)となり、xが−10および+10である場合に傾きが1/(sqrt101)となる。図10、図12Aないし図12C、並びに、図14Aないし図14Dから、利用範囲の上限および下限における変換関数の傾きが1/26以上であれば、上記比較例の分類器よりも高い総正答率が得られている。
上記画像分類装置1では、様々に変更が可能である。
上記実施の形態では、複数の変換済み特徴量を用いて、線形判別により画像を複数のクラスのうちの一のクラスに分類する分類部が利用されるが、他のパラメトリック判別またはノンパラメトリック判別により、画像を分類する分類部が利用されてもよい。当該他のパラメトリック判別としては、SVM法等が例示され、ノンパラメトリック判別としては、k−近傍法やカーネル密度推定法等が例示される。
ステップS12における変換済み特徴量の取得では、例えば、番号iの特徴種別に関して、特徴量の最小値の絶対値および最大値の絶対値のうち大きい方の値の逆数をkとして、(θ=tan−1・x)を求めることにより、正規化および非線形変換が同時に行われてもよい。また、変換済み特徴量の取得では、必ずしも正規化が行われる必要はなく、欠陥画像から得られる特徴量が、変換関数によりそのまま変換されてもよい。換言すると、変換関数の利用範囲は必ずしも有限である必要はない。
変換関数は、非線形変換に利用される特徴量の数値範囲(利用範囲)において狭義単調減少するものであってもよく、例えば、数1および数2の右辺に−1を掛けた変換関数が例示される。この場合に、上記実施の形態と同様に、0を中央とする利用範囲を設定する時には、当該利用範囲における変換関数の傾きは、当該利用範囲の中央にて最小となる。
変換関数における利用範囲は必ずしも0を中央とする必要はない。ただし、有限の利用範囲を設定する場合には、少なくとも利用範囲内における上限および下限の近傍において、当該上限および下限に近づくに従って変換関数の傾きが0に近づくことが好ましい。
上記実施の形態では、変換関数が、逆正接関数または逆双曲線正弦関数を含むことにより好ましい非線形変換を行うことが可能となるが、非線形変換に利用される特徴量の利用範囲において狭義単調増加または狭義単調減少するものであるならば、変換関数として様々なものが利用可能である。例えば、特徴量の正規化範囲を[−π/2,+π/2]として、(θ=sinx)等の三角関数が変換関数として利用されてもよい。
欠陥画像は、半導体基板以外の基板のパターンの欠陥や異物等の欠陥を示すものであってもよい。当該基板として、ハードディスク基板等の薄膜デバイス、プラズマディスプレイや液晶ディスプレイ等の薄型ディスプレイに用いられるガラス基板、フォトマスク基板、フィルム基板、プリント配線基板等が例示される。
また、画像分類装置1が、血液や培養液等の所定の液中の細胞を撮像した細胞画像を分類する用途に用いられてもよい。このように、画像分類装置1は、様々な対象物を示す画像の分類に利用可能である。さらに、画像分類装置1では、可視光により撮像される画像以外に、レーザ光、電子線やX線等により撮像される画像が分類されてよい。画像分類装置1における分類対象の画像は、広義の放射線を利用して取得される。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1 画像分類装置
421,611 特徴量変換部
422,612 分類器
S1〜S5,S11〜S13 ステップ

Claims (6)

  1. 画像を分類する画像分類装置であって、
    画像から取得される複数の特徴量に対して、所定の変換関数を用いて非線形変換を行うことにより、複数の変換済み特徴量を取得する特徴量変換部と、
    前記複数の変換済み特徴量を用いて、パラメトリック判別またはノンパラメトリック判別により、前記画像を複数のクラスのうちの一のクラスに分類する分類部と、
    を備え、
    前記特徴量変換部において、前記複数の特徴量に含まれる各特徴種別の特徴量から、前記各特徴種別の変換済み特徴量が求められ、
    前記変換関数が、前記非線形変換に利用される特徴量の数値範囲において狭義単調増加または狭義単調減少し、前記数値範囲が有限であり、前記数値範囲内における上限および下限の近傍において、前記上限および前記下限に近づくに従って前記変換関数の傾きが0に近づくことを特徴とする画像分類装置。
  2. 請求項に記載の画像分類装置であって、
    前記数値範囲における前記変換関数の傾きが前記数値範囲の中央にて最大または最小となることを特徴とする画像分類装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像分類装置であって、
    前記変換関数が、逆正接関数または逆双曲線正弦関数を含むことを特徴とする画像分類装置。
  4. 画像を分類する画像分類方法であって、
    a)画像から取得される複数の特徴量に対して、所定の変換関数を用いて非線形変換を行うことにより、複数の変換済み特徴量を取得する工程と、
    b)前記複数の変換済み特徴量を用いて、パラメトリック判別またはノンパラメトリック判別により、前記画像を複数のクラスのうちの一のクラスに分類する工程と、
    を備え、
    前記a)工程において、前記複数の特徴量に含まれる各特徴種別の特徴量から、前記各特徴種別の変換済み特徴量が求められ、
    前記変換関数が、前記非線形変換に利用される特徴量の数値範囲において狭義単調増加または狭義単調減少し、前記数値範囲が有限であり、前記数値範囲内における上限および下限の近傍において、前記上限および前記下限に近づくに従って前記変換関数の傾きが0に近づくことを特徴とする画像分類方法。
  5. 請求項に記載の画像分類方法であって、
    前記数値範囲における前記変換関数の傾きが前記数値範囲の中央にて最大または最小となることを特徴とする画像分類方法。
  6. 請求項4または5に記載の画像分類方法であって、
    前記変換関数が、逆正接関数または逆双曲線正弦関数を含むことを特徴とする画像分類方法。
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