本発明は、とりわけ、核酸(例えば、DNA骨格)に組み込まれる、結合対の2つのメンバー、例えば受容体およびリガンドで構成される切換可能な単一分子リンカーを含む組成物、そのようなリンカーの作製方法、ならびに例えば、単一分子力研究での場合を含む、および例えば標準ゲル電気泳動を用いて分子オンレートまたはオフレートセンサーとしてそのようなリンカーを用いる方法を提供する。
単一の生体分子を操作して、観察する能力は、ナノスケール操作での基本的な科学的発見と新しい方法の両方につながった。多くの単一分子実験での共通する課題は、分子を確実に表面に連結して、それらの相互作用を同定し、監視することである。力活性化スイッチとしてふるまう新規ナノ操作核酸ベースのリンカー(例えば、DNAベースのリンカー)を提供し、非特異的な多数の相互作用から生じる誤ったデータを消去することができる分子サインを提供することで、本発明はこの課題を克服する。
便宜上、本発明が本発明のリンカーを「DNAベース」であると称することができることを理解すべきである。これらの叙述は、リンカーの性質をDNAだけに限定するものと解釈されるべきでない。したがって、本発明のDNAベースの組成物は、本発明の核酸ベースの組成物の例示的な実施形態と解釈されるべきである。
例えばDNA自己集合を用いて、結合対の両方のメンバー、例えば受容体およびリガンドを単一のDNAに組み込むことによって、単一のつなぎ鎖を力伸長挙動によって肯定的に同定することができ、結合対相互作用、例えば受容体−リガンド結合および未結合は、つなぎ鎖の長さの突然の変化によって容易に同定することができる。さらに、適切な条件の下で、正確に同じ対の分子を繰り返し結合させ、未結合にすることができる。このアプローチは簡単で、多用途で、モジュール式であり、標準の市販の試薬および実験装置を用いて容易に実施することができる。力測定の信頼性および精度を向上させることに加えて、この単一分子機械的スイッチは、とりわけ、ハイスループット連続測定、対象の標的のための結合パートナーのハイスループット同定、単一分子オンレートおよびオフレート研究、集団異質性の調査、試料中の分析物の検出およびそれに関連する診断応用、ならびに情報を暗号化および解読するためのコード系のための道を開く。
例として、本明細書で核酸複合体と互換的に呼ばれる本発明のリンカーは、分子オフレート(場合によってオンレート)センサーとして用いることができる。リンカーの2つの状態(それは、本明細書で結合および未結合の状態、または閉鎖および開放状態と呼ぶことができる)が標準電気泳動ゲルで異なって移動し、結合および未結合生成物の百分率の直接的な測定を与えることが発見された。受容体とリガンドの間でオフレートを測定するために、以下のプロトコールを次に用いることができる:1)リンカー分子のストックを作製する、2)全ての未結合のリンカーを未結合のままにさせるために過剰なリガンドまたは受容体を加える、3)結合した生成物を異なる時間に「フリーズ」させるために架橋剤(例えば、光活動性架橋剤)を用いる、4)ゲルを実行して、結合した生成物の減少を経時的に測定する。これは、とりわけ受容体およびリガンドが互いにハイブリダイズする反対のDNA鎖である場合、ならびに抗原および抗体結合について、都合よく実証された。
したがって、一態様では、本発明は、複数の一本鎖オリゴヌクレオチドとハイブリダイズしている一本鎖足場核酸を含む核酸複合体を提供し、そこで、複数のうちの第1の一本鎖オリゴヌクレオチドは第1の結合パートナーに連結する。足場核酸およびオリゴヌクレオチドは、それらの互いとのハイブリダイゼーションの前には一本鎖であると呼ばれることを理解すべきである。
一部の実施形態では、第1の結合パートナーは、オリゴヌクレオチド(例えば、架橋オリゴヌクレオチド)などの核酸である。一部の実施形態では、第1の一本鎖オリゴヌクレオチドは、非連続であるが相補的な領域で足場に結合し、それによって核酸複合体にループを形成する(図2B)。このように形成されるループは、一本鎖および二本鎖の領域を含むことができる。一部の実施形態では、第1の一本鎖オリゴヌクレオチドは、足場核酸の2つの非連続領域に結合するが、その両方は足場核酸の内部である。一部の実施形態では、2つの非連続領域は、少なくとも100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500または4000ヌクレオチド以上、互いに分離している。一部の実施形態では、2つの非連続領域は、4〜100ヌクレオチドを含むかその間の、いくつかのヌクレオチドによって互いに分離している。一部の実施形態では、2つの非連続領域は、足場核酸の中心あたりに位置し、中心から等距離であってよい。
本明細書で用いるように、足場の内部である領域は、足場の最も5’側および最も3’側のヌクレオチドを除く。
一部の実施形態では、複数の中の第2の一本鎖オリゴヌクレオチドは、第2の結合パートナーに連結している。第2の結合パートナーは、第1の結合パートナーに対して親和性を有することが知られていてよい。第2の結合パートナーは、既知であっても未知であってもよい(例えば、それは、第1の結合パートナーに対する結合親和性についてスクリーニングされるライブラリーメンバーであってよい)。
一部の実施形態では、第1および第2の結合パートナーは、本来核酸でない。一部の実施形態では、第1または第2の結合パートナーは本来核酸であり、他の結合パートナーは本来核酸でない。一部の実施形態では、第1および第2の結合パートナーは、共に本来アミノ酸である(例えば、それらはペプチド、タンパク質またはタンパク質断片であってよい)。
一部の実施形態では、第1の結合パートナーは受容体であり、第2の結合パートナーは受容体のリガンドである。一部の実施形態では、第1の結合パートナーは抗体または抗原結合性抗体断片であり、第2の結合パートナーは、抗体または抗体断片によって認識されて結合する抗原(またはエピトープ含有抗原断片)である。一部の実施形態では、第1の結合パートナーはハプテンであり、第2の結合パートナーはハプテン結合パートナーである。一部の実施形態では、第1の結合パートナーはレクチンであり、第2の結合パートナーは炭水化物などのレクチン結合性部分である。結合パートナーは、単離された形(例えば、それらが一緒に天然に存在する成分または部分から物理的に分離されている形)で用いることができることを理解すべきである。一部の実施形態では、それらは細胞などの支持体(例えば、細胞表面受容体またはリガンド)に結合されていてもよい。
一部の実施形態では、第1の一本鎖オリゴヌクレオチドおよび第2の一本鎖オリゴヌクレオチドは、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、220、240、260、280、300、350、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000または5000ヌクレオチド以上、互いに分離している。一部の実施形態では、第1の一本鎖オリゴヌクレオチドおよび第2の一本鎖オリゴヌクレオチドは、足場核酸の中心あたりのおよそ等距離に位置する。一部の実施形態では、第1および第2の一本鎖オリゴヌクレオチドは、足場の内部である足場核酸の領域に結合する(すなわち、そのような領域は、足場の最も5’側および最も3’側のヌクレオチドを除く)。
一部の実施形態では、複数の中の第3の一本鎖オリゴヌクレオチドは、第3の結合パートナーに連結している。一部の実施形態では、複数の中の第4の一本鎖オリゴヌクレオチドは、第4の結合パートナーに連結している。第1、第2、第3および第4という用語は、議論されている様々な結合パートナーを区別することを意図するものであり、足場核酸に結合する(したがって複合体に組み込まれている)結合パートナーの数、配置もしくは組合せを限定するものではなく、または他の結合パートナー(複数可)もしくは複合体全体に対する結合パートナーの位置を暗示するものでもない(例えば、第1のオリゴヌクレオチドまたは第1の結合パートナーは複合体の5’または3’末端にある必要がなく、むしろ内部に位置してもよい)ことを理解すべきである。したがって、核酸複合体は、その末端の片方(すなわち、5’末端か3’末端のいずれか)、または両方(すなわち、5’末端および3’末端)に結合パートナーを含むことができる。そのような結合パートナーの非限定例は、ビオチンまたは二重ビオチン部分である。複合体の末端(複数可)の結合パートナーは、固体支持体、例えばそれに限定されずにビーズまたはスライドに、複合体を固着または固定化するために用いることができる。したがって、特定の「末端」結合パートナーは、複数の中の異なる複合体の間で共通してよい。一部の実施形態では、「内部」結合パートナーは、複数の中の複合体の間で異なってよい。一部の実施形態では、内部結合パートナーは、複数の中の複合体の間で同じであってよい。末端結合パートナーは、互いに、もしくは複合体の他の部分と相互作用してもよいか、または、それらは試料中、もしくは支持体、例えば固体支持体の上の部分と相互作用してもよい。内部結合パートナーは、互いに、もしくは複合体の他の部分と相互作用してもよいか、または、それらは試料中の部分と相互作用してもよい。
一部の実施形態では、核酸複合体は、1つまたは2つの末端結合パートナーおよび1つまたは2つの内部結合パートナーを含むことができる。
一部の実施形態では、複数の中のオリゴヌクレオチドは、長さが等しいかほぼ等しくてもよい。オリゴヌクレオチドは、長さが少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、100、110または120ヌクレオチド以上であってよい。複数のオリゴヌクレオチドの複雑性(すなわち、複数の中の異なるオリゴヌクレオチドの数)は、オリゴヌクレオチドの長さに一部依存する。一部の実施形態では、複数は、少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140または150ヌクレオチド以上の異なるオリゴヌクレオチドからなる。
本明細書に記載される様々な態様および実施形態では、足場核酸は、一本鎖M13バクテリオファージゲノムである。
したがって、別の態様では、本発明は、その各々は連続したヌクレオチド配列とハイブリダイズする複数の一本鎖オリゴヌクレオチドとハイブリダイズしている一本鎖足場核酸、および足場核酸の2つの非連続ヌクレオチド配列とハイブリダイズした架橋オリゴヌクレオチドを含む核酸複合体を提供する。一部の実施形態では、複合体は、足場核酸の2つの非連続ヌクレオチド配列と各々がハイブリダイズする1つまたは複数の架橋オリゴヌクレオチドを含み、そこで、各架橋オリゴヌクレオチドは、足場核酸の異なる領域に結合する。
したがって、別の態様では、本発明は、複数のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズしている足場核酸を含む核酸複合体を提供し、そこで、第1のオリゴヌクレオチドは第1の結合パートナーに連結し、第2のオリゴヌクレオチドは第2の結合パートナーに連結している。一部の実施形態では、第1および第2の結合パートナーは、互いに親和性を有することが知られているか疑われる。一部の実施形態では、第1および第2の結合パートナーは、第1または第2の結合パートナーのいずれでもない分析物に対する結合親和性を有する。一部の実施形態では、最も5’側にハイブリダイズしているオリゴヌクレオチドおよび/または最も3’側にハイブリダイズしているオリゴヌクレオチドは、他の結合パートナー、例えば限定されずにビオチンまたはアビジンに連結している。
一部の実施形態では、結合パートナーはオリゴヌクレオチドに共有結合によって連結している。一部の実施形態では、結合パートナーはオリゴヌクレオチドに非共有結合によって連結している。一部の実施形態では、結合パートナーとオリゴヌクレオチド(例えば、本発明の改変オリゴヌクレオチドの上で)の間の結合は、第1および第2の(すなわち、内部の)結合パートナー間の結合より大きな結合強度を有し、それによって、例えば複合体が緊張下のとき、内部結合パートナー間の結合が、いずれかの結合パートナーとそのオリゴヌクレオチド「アンカー」の間の結合の前に通常解離することを保証する。
別の態様では、本発明は、前述の核酸複合体のいずれかの1つまたは複数を含む組成物を提供する。複数のものは均一(全ての複合体が同一)であるか、または不均一(少なくとも1つの複合体が他と異なる)であってもよい。
別の態様では、本発明は、前述の核酸複合体のいずれか1つおよび固体支持体を含む組成物を提供する。一部の実施形態では、核酸複合体は固体支持体に連結される。そのような連結は共有結合であってよいか、または非共有結合であってもよい。一部の実施形態では、核酸複合体は末端に位置するビオチンを含み、固体支持体はアビジン(ストレプトアビジンを含む)を含む。あるいは、核酸複合体は末端に位置するアビジン(ストレプトアビジンを含む)を含むことができ、固体支持体はビオチンを含むことができる。一部の実施形態では、固体支持体はビーズである。
一部の実施形態では、組成物は複数の異なる核酸複合体を含む。一部の実施形態では、複数の中の核酸複合体は、第1の結合パートナー、第2の結合パートナー、または第1および第2の結合パートナーで互いに異なる。一部の実施形態では、複数の中の核酸複合体は、複合体が伸長したとき(すなわち、第1および第2の結合パートナーの間の相互作用のために、それがループ立体構造ではないとき)の、第1および第2の一本鎖(すなわち、内部)オリゴヌクレオチド間の距離に基づいて互いに異なる。一部の実施形態では、複数の中の核酸複合体は同じ結合パートナーを含むが、結合パートナーの間の距離に基づいて互いに異なる。
別の態様では、本発明は、一本鎖足場核酸、および、足場核酸上の配列に相補的な配列を各々有する複数の一本鎖オリゴヌクレオチドを含むキットを提供し、そこで、オリゴヌクレオチドが足場核酸とハイブリダイズするとき、オリゴヌクレオチドの間で重複は存在しない。ある場合には、各オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドのこの第1のサブセットでは、足場核酸上の連続した配列に相補的である配列を有し、オリゴヌクレオチドのあらゆるヌクレオチドが足場のヌクレオチドとハイブリダイズし、ハイブリダイゼーションの後に「一本鎖のバブル」が存在しないことを意図する。オリゴヌクレオチドはキットに個々に、および別々に収容されてもよく、または、それらは一緒にプールされてもよく、または、オリゴヌクレオチドのサブセットが一緒にプールされてもよい。一部の実施形態では、キットは、円形の足場核酸、および任意選択により、制限酵素切断部位、例えばBtsCI切断部位を含む領域で足場とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含むことができる。そのようなオリゴヌクレオチドは、「直線化」オリゴヌクレオチドと呼ぶことができる。足場および直線化オリゴヌクレオチドは、一緒に、または別々に収容されてもよい。一部の実施形態では、図1Aで提供されるように、直線化オリゴヌクレオチドはオリゴ000Aである。
一部の実施形態では、キットは、第1の結合パートナーに連結している第1の一本鎖オリゴヌクレオチドをさらに含む。一部の実施形態では、キットは、第2の結合パートナーに連結している第2の一本鎖オリゴヌクレオチドをさらに含む。一部の実施形態では、第1および第2の結合パートナーは、互いに結合親和性を有する。一部の実施形態では、第1および第2の結合パートナーは、複合体の一本鎖オリゴヌクレオチドに結合している結合パートナーでない分析物に対する結合親和性を有する。
一部の実施形態では、キットは、その末端の1つにチオール(または他の反応性連結基)を含む(すなわち、末端反応性基または末端チオール)オリゴヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、チオールはオリゴヌクレオチドの3’末端に存在する。一部の実施形態では、キットは、1つの末端に各々チオール(または他の反応性連結基)を含む2つの異なるオリゴヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、図1Aで提供されるように、チオールが連結しているオリゴヌクレオチドはオリゴ033Aである。
一部の実施形態では、キットは、足場の最も5’側および最も3’側の領域で足場とハイブリダイズする第3および/または第4のオリゴヌクレオチドをさらに含み、そこで、各オリゴヌクレオチドは、末端または末端近くのビオチンを含む(例えば、ビオチンは、最も5’側のヌクレオチドもしくは最も3’側のヌクレオチドで、または5’末端もしくは3’末端のいずれかから5ヌクレオチド以内のいずれかのヌクレオチドでオリゴヌクレオチドに連結されてよい)。一部の実施形態では、図1Aで提供されるように、これらのビオチン含有オリゴヌクレオチドはオリゴ001Aおよび/または121Aである。
一部の実施形態では、キットは、各々は足場の2つの非連続領域とハイブリダイズする1つまたは複数の架橋オリゴヌクレオチドをさらに含む。架橋オリゴヌクレオチドが結合する足場の上の非連続領域は、互いに対してネスト状にすることができ、または本明細書に記載されるように、それらは複合体の長さ方向に沿って連続して順序立てられてもよい。一部の実施形態では、1つまたは複数の架橋オリゴヌクレオチドは、オリゴ033−044A、033−044B、033−044C、033−044D、033−077A、033−077B、033−077Cおよび033−077Dからなる群から選択される。
一部の実施形態では、キットは、図1Aで提供されるオリゴ001〜121を含む。一部の実施形態では、キットは、図1Aで提供されるオリゴ001A、002〜120および121Aを含む。「内部」オリゴヌクレオチドのいずれも、チオール(または他の反応性基)を含むことができることを理解すべきである。一般的に、チオール(または他の反応性基)を含むオリゴヌクレオチドは、残りの(例えば、改変されていないおよび/または末端が改変された)オリゴヌクレオチドと別々に収容されてもよい。
一部の実施形態では、キットは、固体支持体、例えばそれに限定されずにビーズ(例えば、磁気ビーズ)をさらに含む。
別の態様では、本発明は、一本鎖足場核酸を、一本鎖オリゴヌクレオチドが重複なしに配列特異的に足場核酸とハイブリダイズすることを可能にする条件下で、足場核酸上の配列に相補的な配列を各々有する複数の一本鎖オリゴヌクレオチドと組み合わせる工程を含む方法を提供する。複数は、第1の結合パートナーに連結している第1の一本鎖オリゴヌクレオチドを含む。ある場合には、各オリゴヌクレオチドは、足場核酸上の連続した配列に相補的である配列を有し、オリゴヌクレオチドのあらゆるヌクレオチドが足場のヌクレオチドとハイブリダイズし、足場とのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションの後に「一本鎖のバブル」が存在しないことを意図する。ある場合には、各オリゴヌクレオチドの配列全体は、足場核酸上の連続した配列に相補的である。一部の実施形態では、足場核酸は単離される。一部の実施形態では、複数の中の全てのオリゴヌクレオチドは、足場核酸のモル濃度より約10倍大きい等モル濃度で存在する。一部の実施形態では、複数は、第2の結合パートナーに連結している第2の一本鎖オリゴヌクレオチドを含む。第1および第2の結合パートナーは、互いに親和性を有してもよく、または、それらは第1もしくは第2の結合パートナーのいずれでもない分析物(すなわち、同じ分析物)に対する親和性を有してもよい。一部の実施形態では、第2の一本鎖オリゴヌクレオチドは、足場核酸の濃度に等しいモル濃度で存在する。一部の実施形態では、本方法は、少なくとも80%、85%、90%または95%が二本鎖であるか、または100%二本鎖である核酸複合体を生成する。
別の態様では、本発明は、一本鎖足場核酸を、一本鎖オリゴヌクレオチドが重複なしに足場核酸とハイブリダイズして中間体(例えば、最終生成物の中間体)を形成することを可能にする条件下で、足場核酸上の配列に相補的な配列を各々有する複数の一本鎖オリゴヌクレオチドと組み合わせる工程と、中間体を、第1の一本鎖オリゴヌクレオチドまたは架橋オリゴヌクレオチドが、他の結合するオリゴヌクレオチドとの重複なしに中間体とハイブリダイズすることを可能にする条件下で、結合パートナーに連結した第1の一本鎖オリゴヌクレオチドと、または、足場核酸の2つの非連続配列に結合する架橋オリゴヌクレオチドと組み合わせる工程とを含む方法を提供する。ある場合には、各オリゴヌクレオチドは、足場核酸上の連続したヌクレオチド配列に相補的である配列を有し、オリゴヌクレオチドのあらゆるヌクレオチドが足場のヌクレオチドとハイブリダイズし、足場とのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションの後に「一本鎖のバブル」が存在しないことを意図する。ある場合には、各オリゴヌクレオチドの配列全体は、足場核酸上の連続した配列に相補的である。一部の実施形態では、中間体は少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%が二本鎖であるか、それ以上である。一部の実施形態では、本方法は、100%二本鎖である核酸複合体を生成する。
別の態様では、本発明は、一本鎖足場核酸を、オリゴヌクレオチドが重複なしに足場核酸とハイブリダイズすることを可能にする条件下で、足場核酸上の配列(例えば、連続した配列)に相補的な配列を各々有する複数の一本鎖のオリゴヌクレオチド、および足場核酸上の2つの非連続配列に相補的な配列を各々有する1つまたは複数の架橋オリゴヌクレオチドと組み合わせる工程を含む方法を提供する。一部の実施形態では、本方法は、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%が二本鎖であるか、またはそれ以上である核酸複合体を生成する。一部の実施形態では、本方法は、100%二本鎖である核酸複合体を生成する。2つの非連続領域の間で形成されるループは、一本鎖および/または二本鎖領域を含む。2つの非連続配列は、足場核酸の上で、10ヌクレオチド以上または20ヌクレオチド以上、間隔を置いてもよい。
別の態様では、本発明は、第1および第2の結合パートナーを含む前述の核酸複合体のいずれかを、第1および第2の結合パートナーが互いに結合するのを可能にする条件下に置く工程と、第1の結合パートナーと第2の結合パートナーの間の結合の変化を検出する工程とを含む方法を提供する。一部の実施形態では、第1および第2の結合パートナーは、単一の足場核酸とハイブリダイズしている分離オリゴヌクレオチドに連結している。一部の実施形態では、結合の変化は緊張下で検出することができる。結合の変化は、任意の方法を用いて判定することができる。結合の変化は、例えばゲル電気泳動を含む任意の方法を用いて、核酸複合体の長さの変化によって証明することができる。一般的に、第1および第2の結合パートナーが互いに結合するときの核酸複合体の長さは、第1および第2の結合パートナーが互いに結合しないときの核酸複合体の長さと異なる。ある場合には、第1および第2の結合パートナーが互いに結合するときの複合体の長さは、第1および第2の結合パートナーが互いに結合しないときの複合体の長さより短い。
一部の実施形態では、長さは複合体の2つの末端間の距離である。一部の実施形態では、長さは「見かけの」長さである。見かけの長さは、特定の技術、例えばゲル電気泳動を用いて観察される複合体の長さである。そのような電気泳動の実施形態では、見かけの長さは、一般的に既知の長さの核酸標準のセットと比較して判定される。そのような実施形態では、見かけの長さは、特定のゲル電気泳動環境で複合体が進む距離によって判定され、この距離は、既知の長さの核酸が同じ環境で進む距離と一般的に比較される。あるいは、この距離は、複合体がその開放立体構造にあるとき(すなわち、第1および第2の結合パートナーが互いに結合しないとき)および/またはその閉鎖立体構造にあるとき(すなわち、第1および第2の結合パートナーが互いに結合するとき)に、複合体が進む距離と比較されてもよい。
一部の実施形態では、第1および第2の結合パートナーが互いに結合すると、核酸複合体は、結合の変化を検出する前に、過剰な可溶形の第1もしくは第2の結合パートナーと、または、第1または第2の結合パートナーに結合する(したがって、それらの結合した対応物と競合する)その断片と組み合わされる。
別の態様では、本発明は、複数のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズしている足場核酸を含む前述の核酸複合体(例えば、前記の中間体複合体を含む)のいずれかを、架橋オリゴヌクレオチドがそれらのそれぞれの2つの非連続配列に結合することを可能にする条件下で、足場核酸の2つの非連続配列と各々ハイブリダイズする1つまたは複数の架橋オリゴヌクレオチドと組み合わせる工程と、核酸複合体と1つまたは複数の架橋オリゴヌクレオチドの間の結合(すなわち、各々核酸複合体の2つの非連続配列への1つまたは複数の架橋オリゴヌクレオチドの結合)の変化を検出する工程とを含む方法を提供する。結合の変化は、複合体の長さの変化として検出することができる。1つまたは複数の架橋オリゴヌクレオチドが2つの非連続配列(したがって足場)に結合するときの、複合体の長さは、1つまたは複数の架橋オリゴヌクレオチドが2つの非連続領域(したがって足場)に結合しないときの複合体の長さと異なる。一部の実施形態では、1つまたは複数の架橋オリゴヌクレオチドがそれらのそれぞれの2つの非連続配列に結合するときの複合体の長さは、1つまたは複数の架橋オリゴヌクレオチドが2つの非連続領域に結合しないときの複合体の長さより短い。一部の実施形態では、結合の変化は緊張下で検出される。一部の実施形態では、架橋オリゴヌクレオチドが核酸複合体の2つの非連続配列に結合すると、結合を検出する前に、核酸複合体は過剰な可溶形の架橋オリゴヌクレオチドもしくは架橋オリゴヌクレオチドの断片、または架橋オリゴヌクレオチドに相補的なオリゴヌクレオチドもしくはその断片と組み合わされる。
本発明の態様および実施形態のいずれかでの、結合の存在または不在を含む結合の変化は、それらに限定されずにゲル電気泳動、光学ピンセット、原子間力顕微鏡法(AFM)、遠心力顕微鏡法(CFM)、磁気ピンセット、連結粒子運動および単一分子蛍光画像化を含む、任意の適する方法を用いて検出することができる。
一部の実施形態では、長さは複合体の5’末端と3’末端の間の最短距離を指す。本明細書において、ゲル電気泳動との関連での長さは見かけの長さを指すことができるが、その理由は、既知の長さの線状核酸が同じ環境(例えば、同じゲル)で進む距離、または開放および/もしくは閉鎖立体構造の複合体が同じゲル環境で進む距離と比較して、複合体がゲル電気泳動環境で進む距離によってそれが判定されるからである。別の態様では、本発明は、結合パートナーの間の会合および/または解離動態を測定するための、前述の核酸複合体のいずれかの使用を提供する。関連する態様では、本発明は、第1および第2の結合パートナーの間の会合または解離の速度を検出する工程を含む方法であって、第1および第2の結合パートナーが前述の核酸複合体のいずれかに連結し、会合または解離が核酸複合体の長さの変化によって検出される方法を提供する。
一部の実施形態では、1つまたは両方の結合パートナーは公知である。一部の実施形態では、1つの結合パートナーは推定上の結合パートナーのライブラリーのメンバーであり、本方法は、特定の標的(すなわち、他の結合パートナー)に対する親和性を有する結合パートナーを同定するスクリーニング方法を、または複数の推定上のもしくは公知の結合パートナーの親和性に基づく比較を意図する。したがって、一部の実施形態では、結合パートナーは互いに親和性を有することが公知であるが、他の実施形態では、それらが互いに親和性を有するかどうかを先験的に知ることができず、または所与の対での親和性の程度(すなわち、結合強度)を知ることができない。一部の実施形態では、会合および解離動態は、ある時間にわたって、任意選択により1つまたは様々な条件下で、複合体の長さ(または見かけの長さ)を測定することによって判定することができる。長さの測定は、本明細書に記載されるものを含む当技術分野で公知の技術を用いて得ることができる。
一部の実施形態では、会合および/または解離(または核酸複合体の長さの変化)は、ゲル電気泳動、原子間力顕微鏡法(AFM)、光学ピンセット、遠心力顕微鏡法(CFM)、磁気ピンセット、連結粒子運動または単一分子蛍光画像化を用いて検出される。
一部の実施形態では、本方法は、同じ核酸複合体を用いて同じ第1および第2の結合パートナーの会合および解離を繰り返して検出することを含む。一部の実施形態では、会合または解離の速度は、過剰な可溶形の第1または第2の結合パートナーの存在下で検出される。
一部の実施形態では、結合対は受容体および受容体のリガンドで構成される。一部の実施形態では、結合対は2つの核酸で構成される。一部の実施形態では、結合対は抗体および抗原である。
別の態様では、本発明は、第1および第2の結合パートナーを含む前述の核酸複合体のいずれかを、第1および第2の結合パートナーが、もし試料中に存在するならば、第1または第2の結合パートナーのいずれでもない分析物と結合するのを可能にする条件下で、試料と組み合わせる工程と、核酸複合体の長さの変化に基づいて、第1および第2の結合パートナーと、試料中に存在するならば分析物との結合を検出する工程とを含む方法を提供する。第1および第2の結合パートナーと分析物との結合は、核酸複合体の長さの変化に基づいて判定することができる。
別の態様では、本発明は、複合体の長さ方向に沿って互いに間隔を置いて第1の結合パートナーおよびライブラリーメンバーを含む前述の核酸複合体のいずれかを、ライブラリーメンバーが第1の結合パートナーに対して十分な親和性を有するならば、第1の結合パートナーおよびライブラリーメンバーの結合を可能にする条件下に置く工程と、核酸複合体の長さの変化に基づいて第1の結合パートナーとライブラリーメンバーとの結合を検出する工程であって、核酸結合パートナーが核酸である工程とを含む方法を提供する。第1の結合パートナーとライブラリーメンバーとの結合は、核酸複合体の長さの変化に基づいて判定することができる。ライブラリーメンバーは、アプタマーなどの核酸であってよい。一部の実施形態では、本方法は、第1の結合パートナーに対して十分な親和性を有するライブラリーメンバーを含む核酸複合体を得る工程、およびライブラリーメンバーを増幅して配列決定をする工程をさらに含む。
別の態様では、本発明は、第1および第2の結合パートナーを含む前述の核酸複合体の複数のいずれかを、第1および第2の結合パートナーが互いに結合するのを可能にする条件下に置く工程であって、核酸複合体は同じ第1および第2の結合パートナーを含むが、第1および第2の結合パートナー(または結合パートナーが結合する第1および第2の一本鎖オリゴヌクレオチド)の間の距離に基づいて互いに異なる工程と、第1の結合パートナーと第2の結合パートナーの間の結合の変化を、第1および第2の結合パートナーの間の距離の関数として検出する工程とを含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、大部分の相互作用動態を含む相互作用動態を測定する方法を提供する。一部の実施形態では、本方法は、(a)2つの分子、例えば受容体およびリガンドの互いとの相互作用(例えば、結合)に依存する、本明細書に記載されるループ状の核酸(例えば、DNA)構築物を形成する工程と、(b)相互作用をクエンチする(例えば、解離の後の再結合を阻止する過剰な受容体またはリガンドで)工程と、(c)動態を測定するためにループ状構築物の経時的相対量を監視する工程とを含む。構築物は、1コピーの受容体およびそのそれぞれの1コピーのリガンドを含むことができ、クエンチする工程は過剰の受容体または過剰のリガンドの存在下で起こることができる。構築物は2コピーの受容体を含むことができ、構築物はリガンドの存在下で形成することができ、クエンチする工程は過剰の受容体の存在下で起こることができる。構築物は2コピーのリガンドを含むことができ、構築物は受容体の存在下で形成することができ、クエンチする工程は過剰のリガンドの存在下で起こることができる。
別の態様では、本発明は、(a)各構造物を鍵成分の添加により第1の状態から第2の状態に変換することができる核酸構造物のセットであって、第1の状態および第2の状態が互いに識別可能である核酸構造物のセットと、b)各鍵成分が核酸構造物に結合することによって核酸構造物を第1の状態から第2の状態に変換することができる鍵成分のセットとを含み、鍵成分のセットが核酸構造物のセットと物理的に分離し、規定される第1または第2の状態の核酸構造の組合せが、非核酸情報を伝達するために用いられる系を提供する。
一部の実施形態では、この系は、(c)核酸構造物および鍵成分に結合しないディストラクタ成分のセットをさらに含む。一部の実施形態では、ディストラクタ成分が核酸構造物のセットおよび/または鍵成分のセットと組み合わされる。一部の実施形態では、鍵成分のセットが核酸構造物のサブセットだけを第1の状態から第2の状態に変換する。
一部の実施形態では、核酸構造物は様々な既知の長さの一本鎖核酸である。一部の実施形態では、鍵成分は、核酸構造物とハイブリダイズして核酸構造物を様々な既知の長さの二本鎖核酸に変換する一本鎖オリゴヌクレオチドである。
一部の実施形態では、核酸構造物は、開放(例えば、未結合であるかループ状でない)立体構造の、様々な既知の長さの前述の核酸複合体のいずれかであり、鍵成分は、核酸構造物とハイブリダイズして核酸構造物を閉鎖(例えば、結合しているかループ状の)立体構造の様々な既知の長さの核酸複合体に変換する一本鎖オリゴヌクレオチドである。
一部の実施形態では、核酸構造物は一本鎖オリゴヌクレオチドの混合物であり、鍵成分は、混合物中の一本鎖オリゴヌクレオチドの全てに結合して、例えば自己集合過程によって本発明の核酸複合体を形成することができる足場核酸である。一部の実施形態では、第1の状態はオリゴヌクレオチドの混合物であり、第2の状態は、第1の状態に存在するオリゴヌクレオチドに従って開放または閉鎖立体構造の、本発明の核酸複合体である。したがって、これらの態様および実施形態で用いられる用語「核酸構造物」は、単一分子(例えば、単一の核酸)を意図するものではなく、互いに物理的に付着してもしなくてもよい複数の分子を包含することができることを理解すべきである。
一部の実施形態では、鍵成分は、1つまたは複数のオリゴヌクレオチド、1つまたは複数の分析物、または1つまたは複数の足場核酸である。
別の態様では、本発明は、2つの状態のビットを表す核酸構築物を用いて非核酸情報をコードする工程を含む方法を提供する。
一部の実施形態では、核酸構築物は、鍵成分との接触により、開放(または未結合もしくは非ループ状)状態から閉鎖(または結合もしくはループ状)状態に(または逆もまた同じ)変換することが可能な核酸複合体である。
一部の実施形態では、核酸構築物は、鍵成分との接触により一本鎖状態から二本鎖状態に変換可能である。一部の実施形態では、核酸構築物は一本鎖オリゴヌクレオチドであり、鍵成分は一本鎖オリゴヌクレオチドに相補的である鍵オリゴヌクレオチドである。鍵オリゴヌクレオチドは、一本鎖オリゴヌクレオチドと同じか異なる長さであってよい。
一部の実施形態では、核酸構築物は一本鎖オリゴヌクレオチドの混合物であり、鍵成分は混合物中のオリゴヌクレオチドの各々に結合する足場核酸である。
一部の実施形態では、鍵成分は、1つまたは複数のオリゴヌクレオチド(例えば、鍵オリゴヌクレオチド)、1つまたは複数の分析物(例えば、鍵分析物)、または1つまたは複数の足場核酸(例えば、鍵足場核酸)である。
一部の実施形態では、核酸構築物は、複数の核酸構築物を含む組成物として提供される。一部の実施形態では、各核酸構築物は、2つの状態のビットを表す。
一部の実施形態では、核酸構築物は、1つまたは複数のディストラクタ成分を含む組成物として提供される。一部の実施形態では、鍵成分は、1つまたは複数のディストラクタ成分を含む組成物として提供される。一部の実施形態では、ディストラクタ成分は、ディストラクタオリゴヌクレオチド、ディストラクタ分析物および/またはディストラクタ足場である。ディストラクタ成分は、本方法で用いられる核酸構造物または鍵成分に結合しない。
一部の実施形態では、複数の核酸構築物は、核酸構築物の物理的に別々のサブセットを含む。一部の実施形態では、サブセット内の核酸構築物は長さに基づいて互いに識別可能である。一部の実施形態では、核酸構築物は異なる長さのオリゴヌクレオチドである。
一部の実施形態では、本方法は、第1の状態の1つまたは複数の核酸構築物を用いて非核酸情報を暗号化する工程をさらに含む。非核酸情報は、アルファベット情報(例えば、テキスト)または数字情報(例えば、シリアル番号)であってよい。一部の実施形態では、本方法は、組成物を、核酸構築物を第1の状態から第2の状態に変換する鍵成分と接触させ、それによって核酸構築物を第2の状態にする工程をさらに含む。構築物の第2の状態は、非核酸情報を伝達する。
一部の実施形態では、鍵成分は複数の鍵成分であり、核酸構築物は複数の核酸構築物である。一部の実施形態では、組成物中の核酸構築物のサブセットは、第1から第2の状態に変換される。
一部の実施形態では、第1の状態は一本鎖オリゴヌクレオチドの混合物であり、第2の状態は、一本鎖オリゴヌクレオチドとハイブリダイズされる鍵足場核酸を含む二本鎖核酸である。
一部の実施形態では、第1の状態は本発明の開放(または未結合もしくは非ループ状)核酸複合体であり、第2の状態は、例えば鍵オリゴヌクレオチドまたは鍵分析物を含む本発明の閉鎖(または結合もしくはループ状)核酸複合体である。
一部の実施形態では、第1の状態は一本鎖核酸であり、第2の状態は、一本鎖核酸とハイブリダイズしている鍵オリゴヌクレオチドを含む二本鎖核酸である。
別の態様では、本発明は、核酸試料を1つまたは複数の鍵となる一本鎖オリゴヌクレオチドと組み合わせることによって核酸試料から非核酸情報を解読する工程と、1つまたは複数の鍵となる一本鎖オリゴヌクレオチドと核酸試料中の相補的核酸とのハイブリダイゼーションによって形成される二本鎖核酸の存在について試料を分析する工程とを含み、二本鎖断片の存在、パターンおよび/または長さはコード情報を提供する方法を提供する。
一部の実施形態では、試料は、インターカレート色素によるゲル電気泳動を用いて分析される。一部の実施形態では、1つまたは複数の鍵となる一本鎖オリゴヌクレオチドは、様々な長さである。一部の実施形態では、1つまたは複数の鍵となる一本鎖オリゴヌクレオチドは、試料中のそれらの相補的な一本鎖核酸と同じかまたは異なる長さである。
別の態様では、本発明は、核酸試料を1つまたは複数の鍵成分と組み合わせることによって核酸試料から非核酸情報を解読する工程と、1つまたは複数の鍵成分と試料中の核酸とのハイブリダイゼーションによって形成される閉鎖核酸複合体の存在について試料を分析する工程とを含み、閉鎖核酸複合体の存在、パターンおよび/または長さはコード情報を提供する方法を提供する。一部の実施形態では、試料はゲル電気泳動を用いて分析される。一部の実施形態では、閉鎖核酸複合体は長さにより互いに異なる。
別の態様では、本発明は、核酸試料を1つまたは複数の鍵成分と組み合わせることによって核酸試料から非核酸情報を解読する工程と、複数の一本鎖オリゴヌクレオチドとハイブリダイズしている足場核酸を各々含む1つまたは複数の核酸複合体の存在について試料を分析する工程とを含み、核酸複合体の存在、パターン、状態および/または長さはコード情報を提供する方法を提供する。一部の実施形態では、核酸複合体はゲル電気泳動を用いて分析される。一部の実施形態では、核酸複合体は長さにより互いに異なる。
別の態様では、本発明は、複数の核酸構造物を含む核酸試料で非核酸生成物を標識する工程を含み、核酸構造物の各々は第1の状態にあり、鍵成分への結合により第2の状態に変換することができ、それらのそれぞれの第2の状態の核酸構造物は互いに識別可能である、生成物を認証する方法を提供する。
一部の実施形態では、鍵成分は1つまたは複数の一本鎖オリゴヌクレオチドである。一部の実施形態では、鍵成分は1つまたは複数の足場核酸である。一部の実施形態では、鍵成分は1つまたは複数の分析物である。一部の実施形態では、核酸構造物の全てまたはサブセットをそれらの第1からそれらの第2の状態に変換するために、同じ鍵成分を用いることができた。
一部の実施形態では、第1の状態は一本鎖オリゴヌクレオチドの混合物であり、鍵成分は足場核酸であり、第2の状態は、一本鎖オリゴヌクレオチドとハイブリダイズしている足場核酸を含む二本鎖核酸である。一部の実施形態では、第1の状態は一本鎖核酸であり、鍵成分は相補的一本鎖核酸であり、第2の状態は2つの一本鎖核酸のハイブリダイゼーションによって形成される二本鎖核酸である。一部の実施形態では、第1の状態は開放(または非ループ状もしくは未結合)立体構造の核酸複合体であり、鍵成分は1つまたは複数の架橋オリゴヌクレオチドまたは1つまたは複数の分析物であり、第2の状態は閉鎖(またはループ状もしくは結合)立体構造の核酸複合体である。
一部の実施形態では、第2の状態は長さに基づいて互いに識別可能である。一部の実施形態では、第2の状態は、ゲル電気泳動を用いて互いに識別可能である。
本発明のこれらおよび他の態様および実施形態は、本明細書でより詳細に記載される。
本発明は、広義には、二本鎖核酸、および対象の標的のための1つまたは複数の各種の結合パートナーを含む核酸ベースの複合体に関する。とりわけ、結合相互作用の親和性を判定するために、対象の標的のための新しい結合パートナーを同定するために、試料中の1つまたは複数の標的を検出するために、ならびにメッセージを暗号化および解読するために、結合相互作用の動態、例えばオンレートおよび/またはオフレートを判定するためにそのような複合体を用いる方法も提供される。
本発明は、信頼でき、正確な単一分子力測定を容易にする単一分子付着技術を一部提供する。DNA自己集合技術を用いて、力活性化単一分子スイッチとしてふるまう特異なリンカーをナノ操作した。このスイッチは力の下で立体構造を変化させて結合断裂を示し、結合パートナーの間の結合相互作用の存在と不在を区別する識別可能な分子サインを提供し、それによって、非特異的な多数の未知の相互作用を過失で測定する可能性を排除する。さらに、この構築物は、同じ対の結合パートナーが断裂後に一緒になるのを可能にし、少なくともハイスループット連続測定、単一分子オンレートおよびオフレート判定、集団異質性の分析ならびに対象の標的のための新しい結合パートナーの同定への道を開く。本明細書で提供されるアプローチは簡単で、多用途で、モジュール式であり、標準の市販の試薬および実験装置を用いて容易に実施することができる。
様々な態様では、とりわけ、分子相互作用の化学的動態および力依存性動態を測定するために、分子および試薬の存在を検出するために、分子の集合を対象の特定の標的についてスクリーニングするために、ならびに情報を暗号化および解読するために、リンカー構築物を利用する用途および方法も本明細書に提示される。
本発明の特定の複合体は、DNAオリガミ方法を用いて構築される(Rothemund P. W. K.(2006)Nature 440: 297-302; Douglas S. M. et al.(2009)Nature 459: 414-8)。長い一本鎖DNAをオリゴヌクレオチドの入念に設計された混合物と混合することによって、ループ状の単一分子リンカーをDNA自己集合によって構築する。一部の実施形態では、複合体は、組み込まれた結合対(例えば、受容体−リガンド対)を含む(例えば、図2A)。本明細書で用いるように、用語リンカーおよび複合体は、互換的に用いられる。
本発明の特定の複合体(またはリンカー)は、単一の「足場」核酸、およびそれとハイブリダイズしている複数のオリゴヌクレオチドで各々構成される。足場核酸およびオリゴヌクレオチドは、互いとのハイブリダイゼーションの前には一本鎖である。したがって、足場核酸およびオリゴヌクレオチドは、本明細書において「一本鎖」と呼ぶことができ、これは、そのようなハイブリダイゼーションの前のそれらの状態を指すことを理解すべきである。
本発明では、複数のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズしている足場核酸を核酸複合体と呼ぶ。そのような複合体は、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%二本鎖であってよい。一部の実施形態では、それらは少なくとも80%二本鎖である。したがって、本発明の複合体は、二本鎖および一本鎖の領域を含むことができる。本明細書で用いるように、二本鎖領域は、足場上の全てのヌクレオチドが、オリゴヌクレオチド上のそれらの相補的ヌクレオチドとハイブリダイズしている領域である。ハイブリダイズするオリゴヌクレオチドが互いにライゲーションしていない場合、これらの二本鎖領域は「一本鎖のニック」を含むことができる。一本鎖領域は、オリゴヌクレオチドとハイブリダイズしていない足場配列である。本発明は、二本鎖領域の間に1つまたは複数の一本鎖領域を有する(一般的に、隣接するハイブリダイズしているオリゴヌクレオチドの間のハイブリダイズしていないヌクレオチドの結果として)複合体の使用を企図する。
ある場合には、核酸複合体は、未改変の(または固定されている)オリゴヌクレオチドを足場核酸と先ずハイブリダイズさせて核酸複合体中間体を形成し、次に、改変された(または可変)オリゴヌクレオチドを足場核酸とハイブリダイズさせて核酸複合体を形成することによって形成される。改変されたオリゴヌクレオチドは、同時にまたは逐次的に、足場と組み合わせる(一般的にハイブリダイズしている)ことができる。本明細書で用いるように、核酸複合体中間体は、足場全長に結合するように設計されるオリゴヌクレオチドの相補配列の全体でなく一部とハイブリダイズする足場を指す。
足場核酸は、結合パートナーの会合(すなわち、結合)および解離(すなわち、未結合)を起こさせ、検出し、他の事象と区別するのに十分な任意の長さであってよい。ある場合には、足場核酸は長さが少なくとも1000ヌクレオチドであり、20,000ヌクレオチド(またはそれ以上)の長さであってもよい。したがって、足場核酸は、1000〜20,000ヌクレオチドの長さ、2000〜15,000ヌクレオチドの長さ、5000〜12,000の長さ、またはその間の任意の範囲であってよい。足場は、天然に存在する核酸(例えば、M13mp18などのM13足場)であってよい。M13足場は、Rothemund 2006 Nature 440:297〜302に開示され、その教示は参照により本明細書に組み込まれる。ゲル電気泳動読み出しを含むものを含む一部の実施形態では、足場核酸は、長さが少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800または少なくとも900ヌクレオチドであってよい。したがって、足場核酸は、限定せずに、100〜1000ヌクレオチドの長さ、または100〜300ヌクレオチドの長さであってよい。一部の実施形態では、足場は、長さが約200ヌクレオチド、またはそれ未満である。一部の実施形態では、足場およびオリゴヌクレオチドが選択され、結合パートナーは、約40〜100塩基対のループを与えるように置かれる。足場核酸は、天然に存在しない核酸、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって生成される核酸、ローリングサークル増幅(RCA)によって生成される核酸などであってもよい。合成の間または後に、足場核酸は一本鎖にさせられることが重要である。一本鎖足場の生成方法には、非対称PCRが含まれる。あるいは、一本鎖足場核酸を得るために、二本鎖の核酸を鎖分離技術にかけてもよい。足場核酸は、それが配列特異的に、および重複なしにオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることができることを条件に、DNA、RNA、DNA類似体、RNA類似体、またはその組合せを含むことができる。ある場合には、足場核酸は、DNAである。
足場核酸は、複数のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズしている。複数のオリゴヌクレオチドの各々は、配列特異的におよび重複なしに足場核酸とハイブリダイズすることができる(すなわち、各オリゴヌクレオチドは足場の異なる配列とハイブリダイズする)。複合体は、様々な長さの二本鎖領域を含むことができる。非限定例として、足場核酸の、95%、96%、97%、98%、99%および100%を含む90%以上が、オリゴヌクレオチドとハイブリダイズしていてもよい。結合したオリゴヌクレオチドの間に一般的に位置する、複数のニックを足場が含むこともできることを理解すべきである。用いられるオリゴヌクレオチドの長さおよび数は、異なってもよい。オリゴヌクレオチドの長さが長いほど、足場核酸とハイブリダイズするのに必要な数は少ないことが理解されよう。ある場合には、オリゴヌクレオチドの長さおよび配列は、各オリゴヌクレオチドが同程度の強度で足場核酸に結合するように選択される。複数のオリゴヌクレオチドを足場核酸とハイブリダイズさせるために単一の条件が用いられる場合に、これは重要である。ある場合には、オリゴヌクレオチドはおよそ等しい長さに設計される。オリゴヌクレオチドは、長さが約10、約15、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90または約100ヌクレオチドであってよい。複数の中のオリゴヌクレオチドの数は、限定されずに、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約110、約120、約130、約140、約150、約160、約170、約180、約190または約200であってよい。
特定の足場とハイブリダイズしているオリゴヌクレオチドの数は、用途に従い異なってもよい。したがって、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000オリゴヌクレオチド以上を含め、足場とハイブリダイズしている2つ以上のオリゴヌクレオチドがあってよい。オリゴヌクレオチドの数は、用途、足場の長さおよびオリゴヌクレオチド自体の長さによって一部決まることが理解されよう。
本発明により、足場核酸とハイブリダイズしているオリゴヌクレオチドのあるものは改変されない。改変されないオリゴヌクレオチドには、結合パートナー、例えばリンカーが試験するように設計される結合パートナー(例えば、抗体または抗原)、および固体支持体、例えば限定されずにビーズ(例えば、ビオチン)の上にリンカーを固定化するために用いられる結合パートナーに連結していないオリゴヌクレオチドが含まれる。足場核酸とハイブリダイズしているオリゴヌクレオチドの大多数は、改変されなくてもよい。改変されないオリゴヌクレオチドは、本明細書において「固定された」オリゴヌクレオチドと呼ぶことができる。
足場とハイブリダイズしている他のオリゴヌクレオチドは、改変されてもよい。改変されるオリゴヌクレオチドには、リンカーが試験するように設計される結合パートナー(例えば、受容体および/またはそのリガンド、抗体および/またはその抗原など)に連結されるものが含まれる。改変されるオリゴヌクレオチドには、改変され、したがって、固体支持体、例えば限定されずにビーズの上に複合体(またはリンカー)を固定化するために用いられるものも含まれる。そのような改変されるオリゴヌクレオチドには、ビオチン化オリゴヌクレオチドが含まれる。改変されるオリゴヌクレオチドは、用いる方法に従い様々な結合パートナーへの連結によって改変することができるので、本明細書において「可変」オリゴヌクレオチドと呼ぶことができる。
改変されないオリゴヌクレオチドとハイブリダイズしている足場を含む領域は、本明細書において「固定された」領域と呼ぶことができる。改変されるオリゴヌクレオチドとハイブリダイズしている足場を含む領域は、本明細書において「可変」領域と呼ぶことができる。
足場核酸の長さ方向に沿って、改変される(または可変)オリゴヌクレオチドの間隔は、異なってもよい。一部の実施形態では、核酸複合体は3つまたは4つの可変領域(例えば、3つまたは4つの改変オリゴヌクレオチド)を含むことができる。例えば、核酸複合体は、その末端の1つまたは両方に改変オリゴヌクレオチドを、ならびに2つの内部改変オリゴヌクレオチドを含むことができる。複合体の末端の改変オリゴヌクレオチドは、固体支持体、例えばビーズに複合体を固定化するために用いることができる。複合体内部の改変オリゴヌクレオチドは、結合対のメンバーに個々に連結されてよい(すなわち、複合体が結合対を含み、対の各メンバーは異なるオリゴヌクレオチドの上にあるように、2つのオリゴヌクレオチドの各々は結合対のメンバーに連結される)。内部改変オリゴヌクレオチドは、リンカー中心の周囲に対称的または準対称的に位置することができる。言い換えると、それらは足場(または複合体)の中心から等距離に置かれてもよい。
一部の実施形態では、本発明は、同じ結合対を各々含む複数の複合体の使用を企図する。複数の中の複合体の間の差は、結合対メンバー(すなわち、結合パートナー)の間の距離である。例えば、複数は、結合対メンバーの間の距離が300塩基対、200塩基対、150塩基対、100塩基対、80塩基対、60塩基対および40塩基対である複合体を含むことができる。結合パートナーの間の相互作用に基づくループ状構造を形成するそれらの能力について、次に複合体を分析する。結合パートナーの間の距離が減少するに従って、より大きな内力が結合相互作用の上で発揮されると予想される。したがって、結合相互作用は、内力が大きくなり過ぎ、複合体がエネルギー的により好都合の線状状態をとるまで継続する。2つの結合パートナー間の結合相互作用の動態および強度は、このアプローチを用いて分析することができる。
重要なことに、内部改変オリゴヌクレオチドの間の距離は、複合体に連結される結合パートナーの間の会合および解離を区別するために用いられる。これは、結合パートナーが互いに会合するときに、結合パートナーの間に存在する、二本鎖のニック入り核酸配列を含むループが形成されるからである。結合パートナーが互いに会合していない(すなわち、未結合の)ときには、ループは形成されず、複合体長は異なる。本明細書に記載されるように、複合体長は、例えば緊張下で、直接測定によって検出することができる。緊張下で測定されるとき、会合から解離への結合パートナーの移行は、複合体の長さの増加によって示される。この態様および関連態様では、複合体の長さは、複合体の2つの末端の間の最短距離を意図し、ゲル電気泳動を用いて判定される見かけの長さ(以下に記す)および足場核酸の長さ(それは、結合対の会合および解離の結果として変化しない)から区別されるものとする。ゲル電気泳動を用いて測定するとき、会合から解離への結合パートナーへの移行(または逆もまた同じ)は、ゲル中の泳動距離の差によって示される。ある場合には、会合から解離(したがって閉鎖状態から開放状態)への結合パートナーの移行は、ゲル中の泳動距離の増加(例えば、より短い核酸と同類)によって示される。図3Aに示すように、環状M13などの環状足場は最も遅く移動し、M13の線状二本鎖バージョン(結合パートナーの会合なし)は最も速く移動し、会合した結合パートナーを有する(すなわち、ループ状の立体構造を有する)複合体はその中間速度で移動する。重要なことに、移動パターンはループの長さに基づいて異なり、約2590塩基対程度のループは約600塩基対程度のループから明らかに識別可能である。
異なるサイズのループを識別する能力は、複合体(全て同じループサイズを有する)の1つまたはサブセットが試料中の特定の分析物に特異的である単一のアッセイでの、多数の複合体の使用を容易にする。本発明のこれらの態様では、複合体に結合している結合パートナーは互いに結合しないが、同じ分析物に結合する。したがって、分析物の存在下でループは形成されるが、分析物の不在下でループは形成されない。ループ状(または閉鎖もしくは結合)複合体は、線状(または開放もしくは未結合)複合体と異なる程度で移動する。さらに、異なるサイズのループは互いに区別することができ、その結果、多数の分析物(各々特定のサイズのループを有する複合体によって検出される)の存在(または不在)を多重化アッセイで同時に判定することができる。単一または多数の分析物の存在を検出するためにそのような方法を用いることができ、診断アッセイの基礎を形成することができる。
本発明は、本明細書に記載される核酸複合体へのいくつかの変形物を意図することを理解すべきである。一般的に、これらの変形物は、2つ以上の結合パートナーを有する核酸複合体を全て共通して含む。結合パートナーは互いに結合特異性を有することができるか、または、それらは共通の分析物に対する結合特異性を有することができる。本発明の方法のいくつかは、結合パートナーの会合および/または解離に依存する。複合体の変化(例えば、開放型から閉鎖型の立体構造へ、または閉鎖型から開放型の立体構造へ)は、結合相互作用の動態および強度に関する情報を提供する。結合パートナーは、複合体に非共有結合または共有結合によって結合することができる。一般的に、結合パートナーが互いに結合しない場合でも、それらはやはり核酸複合体に結合する。
したがって、第1の変形形態では、核酸複合体は、互いに結合特異性を有する2つの結合パートナーを含む。結合パートナーは物理的に別々であり、したがって複合体の長さ方向に沿って互いに間隔をあけている(すなわち、互いに結合していないとき)。互いに結合しているとき、核酸複合体は、開放(または未結合)立体構造の核酸複合体と比較して、異なる見かけの長さを含む、異なる長さを有するループ状の(または閉鎖もしくは結合)立体構造をとる。
別の変形形態では、核酸複合体は、共通の分析物に対する結合特異性を有する2つの結合パートナーを含む。結合パートナーは物理的に別々であり、したがって互いに間隔をあけている(共通の分析物に結合していないとき)。共通の分析物と結合しているとき、核酸複合体は、開放(または未結合)立体構造の核酸複合体と比較して、異なる見かけの長さを含む、異なる長さを有するループ状の(または閉鎖もしくは結合)立体構造をとる。
本発明は、核酸複合体が2つを超える連結した結合パートナーを含むことができることをさらに企図する。結合パートナーの数は、2、4またはそれ以上であってよい。一部の実施形態では、結合パートナーの対が提供され、各対は互いに結合特異性を有する(すなわち、共通の分析物に対する結合特異性ではなく)。結合パートナーの位置または配置は異なってもよく、連続的に置かれた結合対またはネスト状の結合対、またはその組合せを含むことができる。例えば、A1およびA2が結合対(例えば、第1および第2の結合パートナー)であり、B1およびB2が異なる結合対(例えば、第3および第4の結合パートナー)であると仮定すると、これらは5’−A1−A2−B1−B2−3’と配列することができ、または、それらは5’−A1−B1−B2−A2−3’と配列することができる。
本発明は、対の中の結合パートナーが両方とも既知であるか、または1つが既知であり他は未知であってよいことをさらに企図する。後者の場合の例として、1つの結合パートナーは既知の部分(例えば、受容体)であってよく、他の結合パートナーは、既知の部分へのその結合親和性についてスクリーニングされるライブラリーのメンバーであってよい。ライブラリーはアプタマーライブラリーであってよく、既知の部分に十分な親和性で結合するメンバーは、ゲル電気泳動バンドから複合体を単離し、増幅し、配列決定することによって同定することができる。
第2の変形形態では、核酸複合体は、足場核酸の2つの非連続領域とハイブリダイズし、それによって核酸複合体内でループ状の立体構造を形成する非共有結合核酸(例えば、架橋オリゴヌクレオチド)と一緒に用いられる。本発明は、単一の複合体を1つ、2つまたはそれ以上の架橋オリゴヌクレオチドと一緒に用いることができることを企図する。例えば、A1およびA2は第1の架橋オリゴヌクレオチドが結合する2つの非連続領域であり、B1およびB2は第2の架橋オリゴヌクレオチドが結合する2つの非連続領域であると仮定すると、これらの領域は5’−A1−A2−B1−B2−3’と配列することができ、または、それらは5’−A1−B1−B2−A2−3’と配列することができる。
本発明は、結合対の結合パートナーを含むオリゴヌクレオチド(代わりに架橋オリゴヌクレオチドが結合することができる非連続領域)は、複合体の内部に位置することができること、またはそれらが核酸複合体の末端もしくはその近くに位置することができることを企図する。したがって、一部の例では、複合体の最も5’側にあるオリゴヌクレオチドおよび複合体の最も3’側にあるオリゴヌクレオチドは、結合対のメンバー(例えば、互いに親和性を有する第1および第2の結合パートナー)に各々連結されてもよい。同様の実施形態では、複合体中の5’および/または3’の最後から2番目のオリゴヌクレオチドが、結合対のメンバーに各々連結されてもよい。これらの実施形態では、結合パートナーの会合は、複合体を環状化するかほとんど環状にする。これらの実施形態では、結合パートナーに連結しているオリゴヌクレオチドは、ビオチンなどの固定部分などの別の部分にさらに連結していてもよく、連結していなくてもよい(下記参照)。会合した結合パートナーと解離した結合パートナー(したがってそれぞれ閉鎖立体構造および開放立体構造)の間の移行は、それに限定されずにゲル電気泳動を含む様々な方法で検出することができる。ゲル電気泳動が用いられる場合、閉鎖から開放への立体構造の移行(逆もまた同じ)は、泳動距離の変化によって判定することができる。閉鎖から開放への立体構造の移行(逆もまた同じ)を検出する他の方法には、限定されずに、公開PCT特許出願WO2011/153211に記載される、光学的ピンセット、磁気ピンセット、連結粒子運動、遠心力顕微鏡、原子間力顕微鏡法(AFM)および光学顕微鏡法が含まれる。例えば、光学的ピンセットが用いられる場合、複合体は、最も3’側のオリゴヌクレオチドを1つの基質(ビーズなど)に連結することができ、最も5’側のオリゴヌクレオチドを別の基質(ガラスカバーグラスなど)に連結することができるように設計されてもよい。結合パートナーの間の結合の変化から生じる長さの変化は、2つの基質の間(例えば、ビーズとカバーグラスの間)の距離の変化として観察することができる。本発明は、外部の力の存在下で(例えば、緊張下で)、またはそのような力の不在下で結合の変化(したがって、複合体の長さの変化)を測定することを企図することを理解すべきである。本発明によって企図されるさらに他のアプローチには、単一分子蛍光画像化を用いて長さの変化を直接検出すること、本発明の複合体の溶液の平均流動学的性質の変化を検出すること、および動的光散乱を用いて流体力学半径の変化を監視することが含まれる。
本発明は、複合体の強度を増加させるためのDNA架橋剤の使用をさらに企図する。DNA架橋剤は当技術分野で公知であり、限定されずにソラレンが含まれる。複合体は、架橋照射に曝露させてもよい。一部の実施形態では、緊張下、またはそれに連結された結合パートナーの親和性の試験を意図する他の条件下のときには、架橋複合体は、それら自体を解離させる可能性がより低いかもしれない。さらに他の例では、本発明は、特定の結合パートナーなどのアミノ酸ベースの部分を(例えば、複合体へ)架橋させることを企図する。タンパク質架橋剤は当技術分野で公知であり、限定されずにNHS−ジアジリン(SDA)が含まれる。
本発明は、核酸複合体、足場核酸、複数のオリゴヌクレオチドのいずれか、および/またはそれに連結している結合パートナーの標識も企図する。標識は、これらの構成成分のいずれかを、固定化(恒久的または一時的)検出、操作および/または改変するために用いることができる部分に連結することを意図する。固定化するために用いられる部分は、本明細書に記載され、当技術分野で公知であり、限定されずにビオチンおよびアビジンまたはその誘導体を含む。検出するために用いられる部分は、検出可能な部分としばしば呼ばれる。そのような部分も当技術分野で公知であり、それらには、限定されずに、蛍光団、発色団、放射性同位体、磁気粒子、酵素基質などが含まれる。
本発明の複合体は、一部の例では、結合パートナー、例えば抗体または抗原に連結しているオリゴヌクレオチド(本明細書で改変オリゴヌクレオチドと呼ぶことができる)を含む。オリゴヌクレオチドと結合パートナーの間の連結は、特定用途のために必要とされる結合強度に従って共有結合または非共有結合であってよい。これらの改変オリゴヌクレオチドは、反応性基(または部分)をオリゴヌクレオチドに、好ましくはその末端の1つに、またはその近くに先ず組み込み、次に、それ自体改変されても改変されなくてもよい対象の結合パートナーとこの基(または部分)を反応させることによって生成することができる。そのようなコンジュゲーションプロトコールの例が、本明細書で提供される。適する反応性基は当技術分野で公知である。他の反応性基に共有結合によってコンジュゲートする(不可逆的コンジュゲーションをもたらす)ことができる反応性基の例には、アミン基(例えば、エステルと反応してアミドを生成する)、カルボン酸、アミド、カルボニル(アルデヒド、ケトン、アシルクロリド、カルボン酸、エステルおよびアミドなど)およびアルコールが含まれるが、これらに限定されない。当業者は、他の「共有結合」反応性基に精通している。他の分子に非共有結合によってコンジュゲートする(可逆的コンジュゲーションをもたらす)反応性基の例には、ビオチンおよびアビジンまたはストレプトアビジン反応性基(それらは、互いに反応する)、抗体(または抗体断片)反応性基および抗原、受容体および受容体リガンド、アプタマーおよびアプタマーリガンド、核酸およびそれらの相補配列などが含まれる。そのオリゴヌクレオチドからの結合パートナーの解離を阻止するために十分な親和性の相互作用に関与するならば、事実上いかなる反応性基も本発明の方法に適合する。
本発明の足場核酸およびオリゴヌクレオチドは、天然のDNAもしくはRNA、またはそのある組合せ、またはそのある類似体もしくは誘導体であってよいことを理解すべきである。用語核酸は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチドまたはその類似体を含む任意の長さのヌクレオチドのポリマー形を指す。一部の実施形態では、核酸は天然のDNAであり、それらの5’末端および/またはそれらの3’末端に改変を任意選択により含むことができる。
一部の実施形態では、結合パートナーには、限定されずに、抗体(または抗体断片)および抗原、受容体およびリガンド、アプタマーおよびアプタマー受容体、核酸およびそれらの相補配列などが含まれてよい。
使用方法
1つの分子リンカーまたは複合体を含む本発明の核酸複合体は、例えば、分子間相互作用の動態を測定すること、分子結合パートナーを(周知のまたは未知の候補から)を同定することならびに情報を暗号化および暗号解読することを含む多数の応用において用いることができる。本発明のさまざまな追加的態様は下に記載されている。
本発明のさまざまな方法は、結合の変化を複合体の長さの変化に基づいて検出する。本明細書に記載のとおり長さの変化は、これだけに限らないがゲル電気泳動、光ピンセット、磁気ピンセット、連結粒子運動、原子間力顕微鏡法(AFM)、遠心力顕微鏡法(centrifuge force microscopy)(CFM)などの単一分子力プローブおよび単一分子蛍光画像化を含む多数の方法を用いて測定できる。
分子/化学的動態を測定するための競合的結合アッセイ。本発明の一部の態様は、本明細書に記載の核酸複合体を用いて分子間相互作用の動態を測定する方法を提供する。上に記載のとおり核酸複合体は、2つの立体構造状態(結合または未結合)のうちの1つで存在できる。これらの立体構造状態は、それぞれ閉鎖および開放と称される場合がある。例として、互いに対する特異性を有する結合パートナー対(例えば、リガンドと受容体)を含む核酸複合体は、結合パートナーが互いに結合していない場合は開放状態にあり、足場核酸は直鎖状のままである。結合パートナーが互いに結合し、足場核酸がループ状立体構造を形成している場合に核酸複合体は、その閉鎖状態にある。これらの状態の変化をモニターすることによって、結合パートナー間の結合相互作用の動態を判定できる。一部の実施形態では、本明細書他に記載のとおり立体構造状態は、電気泳動ゲル上で分離できる。他の実施形態では、立体構造状態は、これだけに限らないが光ピンセット、磁気ピンセット、連結粒子運動、原子間力顕微鏡法(AFM)、遠心力顕微鏡法(CFM)を含む単一分子力プローブを用いて分離できる。他の実施形態では、立体構造状態は単一分子蛍光画像化を用いて直接観察できる。
次のプロトコールは、リンカー上の分子結合パートナーの動態(例えば、オフ速度)を測定するために用いることができる:1)互いに結合する(すなわち、閉鎖立体構造にある)2つの結合パートナー(例えば、AおよびA’)を含む核酸複合体を提供すること、2)複合体へのA−A’結合が互いに解離する場合に、その結合相補体(A’)に結合する1つの結合パートナー(A)の可溶形の過剰量の添加、必然的に解離複合体を開放立体構造に固定する、3)A−A’相互作用のオフ速度を判定するために複合体の立体構造状態を経時的に判定。経時的に、閉鎖立体構造は開放立体構造に変換する。変換が生じる速度は、これらの結合パートナー間の結合の強度の指標である。結合パートナー(A)の可溶形は、結合パートナー(A)の複合体結合形態の量(または濃度)の2倍、3倍、5倍、10倍、50倍、100倍またはさらに過剰で存在する場合がある。
図7および8は、ループ状構築物の形成を実証する。例えば図7Dは、ストレプトアビジンの存在下でビオチン2つを有するループ状構築物の形成を例示する(t=0)。具体的な条件下でそれらの自然解離に続くループ状構築物の再形成をクエンチするために過剰なビオチンがさまざまな時間に添加された。これらのデータは、オン速度、およびそれによりビオチンとストレプトアビジンなどの結合対の解離定数Kdも判定するために用いることができる。これらの具体的なデータの予備分析は、文献において報告されたものと同じ10−14程度のKdをもたらす。
図6AおよびBは、過剰な架橋オリゴヌクレオチドを用いるアッセイの結果を示す。過剰な架橋オリゴヌクレオチドは、複合体への結合についてハイブリダイズした架橋オリゴヌクレオチドと競合する。この実験は、動態を加速するために温度を上昇させて実行された。架橋オリゴヌクレオチドは、長さ50ヌクレオチドであった。競合的アッセイは、架橋オリゴヌクレオチドに相補的である過剰なオリゴヌクレオチドを用いても実行できる。
図6Cは、過剰な抗体を用いるアッセイの結果を示す。このアッセイでは複合体に結合する結合パートナーは、ジゴキシンおよび抗ジゴキシゲニン抗体である。過剰な抗ジゴキシゲニン抗体の非存在下では、図6Cでのバンド(左レーン)の存在によって示されるとおり閉鎖複合体が形成される。過剰な抗ジゴキシゲニン抗体の存在下では、図6C(右レーン)に示すとおり、閉鎖状態に対応するバンドの消失によって示されるように複合体は開放状態に変換する。
一部の実施形態ではプロトコールは、試料採取の前のさまざまな時間で複合体立体構造を保存するためにソラレンなどの光活性架橋剤の使用を含む場合がある。架橋結合は、任意の所与の時間にどれだけの複合体が結合/閉鎖状態にあるかの「スナップショット」を提供し、動態がゲル実行時間よりも早い場合に立体構造を保存するために必要である場合がある。他の光活性または非光活性架橋結合剤も本明細書で提供される方法において用いることができる。
力依存性(force-dependent)動態の測定としての内部機械力。本発明の一部の態様は、(例えば光ピンセットまたは磁気ピンセットを用いて行うことができるなどの外部的な力を適用することよりも)複合体の内部に力を作出することによって、本明細書に記載の核酸複合体を用いる結合相互作用の力依存性動態を測定する方法を提供する。この方法は、二本鎖核酸が環化されている場合に作出される「内部」機械力の有利点を得る(Shroff et al. Biophysical Society(2008)94:2179-86)。核酸ループの長さの変化は、長さが減少すると力が増加するように複合体の内部力を変動させる。例えば、およそ200〜300ヌクレオチド分離している足場核酸上の結合パートナーは、(ある場合は)ループによって作出される非常に小さな力があることから、閉鎖ループ立体配置を形成するように容易に結合する。一方、同じ結合パートナーがより短い距離で分離している場合は、足場核酸の接近によってかけられる力が結合パートナー間の結合強度と同程度および/またはそれを超えることから、容易には閉鎖ループ立体構造を形成しない(形成した場合、より容易に解離する場合がある)。
次のプロトコールは、複合体上の結合パートナーの力依存性動態を測定するために用いることができる:1)複数の複合体を提供する、複数の中の各複合体は同じ結合パートナー対を含み、足場核酸上の結合パートナーを分離するヌクレオチドの数は複数の中で変動する、および2)例えばゲル電気泳動を用いて分離している距離の関数としての結合対未結合複合体の存在を判定する。ループ長が減少すると、結合の未結合に対する比も減少することが予測される。一部の実施形態ではプロトコールは、複合体を試料採取する前のさまざまな時間での複合体立体構造を「凍結」するためにソラレンなどの光活性架橋剤の使用を含む場合がある。他の光活性または非光活性架橋結合剤も本明細書で提供する方法において用いることができる。一部の実施形態ではプロトコールは、大部分が一本鎖DNAからなるループの初期形成を含む場合がある。これらのループ内に緊張を作るために、ループ状足場領域の一部分に相補的なオリゴヌクレオチドを添加し、足場にハイブリダイズさせ、それによりハイブリダイゼーションおよびループ内の二本鎖領域の形成による機械力を生成する。したがって力は、ループ内の二本鎖対一本鎖核酸の量を変動させることによって時間および大きさについて正確かつ精密に変動させることができる(Shroff, Liphardt et al., Nano Letters 2005)。
同様の手法が架橋オリゴヌクレオチドを用いて取られる場合がある。したがって一部の実施形態では核酸複合体は、足場核酸の2つの非連続配列にハイブリダイズする架橋オリゴヌクレオチドを含む。架橋オリゴヌクレオチドがリンカーの非連続領域に結合する実施形態では、したがって、非連続配列間の距離は閉鎖ループ立体配置の内部力が変動するように複合体間で変動させることができる。
一部の実施形態では、結合パートナーで分離している、または架橋オリゴヌクレオチドが結合する2つの非連続配列を分離しているヌクレオチドの数は、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300ヌクレオチドまたはそれ以上である。一部の実施形態では、距離は40〜100ヌクレオチドである。好適な距離は、適用に基づいて変動し、結合パートナーのサイズ、ループ状領域の一本鎖性および二本鎖性の程度、結合パートナーを複合体内のオリゴヌクレオチドに付着させるためのリンカーの使用、などに依存する。
分析物検出。本発明の一部の態様は、本明細書に記載の核酸複合体を用いて試料中の対象の分析物の存在を検出するための方法を提供する。これらの態様では複合体は、同じ分析物に対する特異性を有する2つの結合パートナーを含む。結合パートナーは、それら両方が同時に分析物に結合できる限り互いに同一であって良い。例としてそれらは、それらが結合する抗原が、抗体によって干渉なく同時に結合されうるいくつかのエピトープを有する限り同一の抗体であってよい。結合パートナーは、互いに異なっていて良いが、同じ分析物に対して結合親和性を有する。例としてそれらは、それらが抗原に干渉なく同時に結合できる限り、同じ抗原上の異なるエピトープに結合する抗体であってよい。複合体の結合および未結合立体構造は、試料中の分析物の存在および非存在をそれぞれ判定するために用いることができる。分析物が存在する場合、足場核酸に付着している結合パートナーは、閉鎖ループ立体構造を形成するように分析物に結合する。分析物が非存在の場合、結合は生じず、複合体は開放のままである。
次のプロトコールは、試料中の分析物を検出するために用いることができる:1)試料を分析物の結合パートナー(例えば、分析物に対する抗体)を含む複合体と合わせる、および2)例えばゲル電気泳動によって複合体の立体構造を判定する。閉鎖ループ立体構造の検出は、分析物が試料中に存在し、足場核酸に結合している2つの結合パートナーに結合していることの指標である。本明細書に記載のとおり他の実施形態では立体構造状態は、これだけに限らないが光ピンセット、磁気ピンセット、連結粒子運動、原子間力顕微鏡法(AFM)、遠心力顕微鏡法(CFM)を含む単一分子力プローブを用いて分離できる。他の実施形態では立体構造状態は、単一分子蛍光画像化を用いて直接観察できる。
スクリーニング方法および結合パートナーの同定。本発明の一部の態様は、これだけに限らないが標的結合パートナーに対するアプタマーなどの核酸に基づく結合パートナーの収集物を本明細書に記載の核酸複合体を用いてスクリーニングするための方法を提供する。周知の部分および候補結合パートナーを足場核酸のさまざまな領域に付着させ、ループ状立体構造が2つの間に形成されるかどうかを判定することによって、周知の部分に対する結合パートナーを同定できる。候補結合パートナーが周知の部分の真の結合パートナーである場合、次いでそれは周知の部分に結合し、複合体は閉鎖ループ立体構造を形成する。候補結合パートナーが周知の部分に対して実質的に親和性を有さない場合、複合体は開放のままである。
次のプロトコールは、複合体上の結合パートナーをスクリーニングするために用いることができる:1)周知の部分(例えば、標的分子)および未知の候補結合パートナー(例えば、アプタマーのライブラリー由来のアプタマー)を含む複合体の収集物を提供する、および2)1つまたは複数の時間に複合体の立体構造を例えばゲル電気泳動によって判定する。閉鎖ループ立体構造の検出は、候補結合パートナーが周知の部分に対する親和性を有することの指標である。多数の候補結合パートナーを周知の部分に対するそれらの親和性の程度に基づいて順序づけることも可能である。他の実施形態では立体構造状態は、これだけに限らないが光ピンセット、磁気ピンセット、連結粒子運動、原子間力顕微鏡法(AFM)、遠心力顕微鏡法(CFM)を含む単一分子力プローブを用いて分離できる。他の実施形態では立体構造状態は、単一分子蛍光画像化を用いて直接観察できる。
情報の暗号化および暗号解読。本発明の一部の態様は、本発明の核酸複合体の2つの状態の有利点を利用するバイナリ手法を用いて情報をコードする方法を提供する。本発明は、これらの複合体を用いて情報を暗号化および暗号解読し、情報を暗号解読する方法を検討する。方法は、公衆回線を通じて安全なメッセージを送るための安価で迅速な方法を提供する。数時間から数日かかる場合もある専門的な研究室での作業(例えば、PCR、配列決定、クローニング)を必要とする類似のDNA暗号化方法(Clelland C. et al.(1999)Nature 399:533-534; Leier A. et al.(2000)Biosystems 57:13-22; Tanaka K. et al.(2005)Biosystems 81:25-29; Cui, G. et al.(2008)In Bio-Inspired Computing: Theories and Applications. p.37-42)とは異なり、本発明は、数分間でメッセージを暗号化および暗号解読することを可能にし、使い捨てドロッパーおよび調製緩衝液を使用しない(携帯型でもある)ゲル系(例えば、Invitrogen E-gel systems)をわずかに必要とする。
バイナリデータは、多数の方法でコードできる。3つの実施形態が図9に示されている。図9Aは、ゲル中で観察および識別できる直鎖状およびループ状構造物を示す。図9Bは、ゲル中で観察および識別できる直鎖状および環状構造を示している。図9Cは、一本鎖および二本鎖核酸断片(特定の状況下では二本鎖断片だけが観察される)を示している。それぞれの場合では1つの成分の添加は、核酸複合体が識別でき、観察可能である異なる立体構造をとる引き金となる。一部の実施形態では複合体は、開放構造から閉鎖構造へ、または閉鎖構造から開放構造へ、または一本鎖から二本鎖構造へ変換される。本発明は、メッセージを核酸のプールで暗号化でき、そのようなメッセージを1つまたは複数の暗号解読鍵(例えば、オリゴヌクレオチドまたは分析物)の添加によって暗号解読できることを検討する。本発明の任意の核酸複合体は、本明細書に記載のとおり、それらの2つの異なる状態間の転移が鍵成分例えば(オリゴヌクレオチドまたは分析物)の添加によって引き金が引かれ、これら2つの状態が識別可能である限りコーディング系において用いることができる。
本発明は、ビットおよびバイトの系列に基づいて情報をコードすることを検討する。典型的には各ビットは、鍵成分の存在(または非存在)に応じて2つの状態のうちの1つをとることができる核酸構造である。情報をコードするために用いることができるビットおよびバイトの数は、さまざまな構造を分離するための検出系の能力によってだけ制限される。ビットの各サブセットは、バイトに対応する。これを図9に示す。図は、1バイトあたり8ビットの使用を示す。ビットは、一本鎖(したがって観察できない)形態または二本鎖(したがって観察できる)形態のいずれかである核酸断片によって表される。したがって本実施例におけるビットは、長さ20、22、25、28、32、37、43および50塩基(または二本鎖形態の場合は塩基対(bp))である核酸断片に対応する。核酸の各プールは、この例では具体的な字(letter)を表す8ビット(または断片)を情報の各バイトについて使用する。メッセージそれ自体は、11バイトを使用する。本発明によりビットは、0または1(開放または閉鎖状態に対応するまたはその逆)のいずれかとして読み取られるように設計される。読み取りは、欠損成分の添加後に明らかである。各ビットは鍵成分を有する。送られる情報は、コードを読み取るために必要な鍵成分に応じる。他のコードされた情報系と同様に鍵成分は、コードされた情報とは別に目的とする情報の受取人に送られる場合がある。各ビットについての鍵成分は、1つもしくは複数のオリゴヌクレオチドまたはその断片、1つもしくは複数の分析物またはその断片、あるいはビットを表す核酸構造の状態を変換する1つまたは複数の足場核酸であってよい。鍵足場核酸は、複数の一本鎖オリゴヌクレオチドに結合する長い核酸である。鍵足場核酸は、M13ゲノムに基づいていてもいなくてもよい。
鍵成分の添加に加えて読み取りは、温度を変動させることによって、光との相互作用によって(Schafer C. et al.(2007)Journal of the American Chemical Society 129:1488-1489)、機械力の適用によって(Halvorsen K. et al.(2011); Quek S. et al.(2009)Nature Nanotechnology 4:230-234)などで制御できる。これらのビット(0または1)の状態は、図9に示すとおりゲル電気泳動を用いて速やかにかつ一義的に暗号解読できる。
より詳細には一部の実施形態では、各機械的ビットは、核酸自己集合工程によって形成され、その構造の決定的成分(例えば、鍵一本鎖オリゴヌクレオチドまたは分析物)を除外することによって暗号化できる。鍵成分が非存在の場合ビットは、オリゴヌクレオチドの構造不定混合物に下げられる場合がある、または初期状態で存在できる。初期状態は、開放状態または閉鎖状態であってよい。例として初期状態は、ゲル中で距離D移動する開放状態であってよく、それぞれの鍵成分と組み合わされる場合に距離D’移動する閉鎖状態に変換される。初期状態は、例えば、ゲル電気泳動およびインターカレート色素を用いて観察可能な状態に変換される一本鎖オリゴヌクレオチドなどの、観察不可能な状態である場合がある。そのようなビットの収集物としての暗号化されたメッセージは、各ビットについての0および1状態がほとんど識別不能なオリゴヌクレオチドの混合物であることから解読することが難しい。鍵での暗号解読は、容易に達成される。例えば失われた鍵の添加は、複合体の自己集合または、ある状態から別への複合体の変換、または観察不可能から観察可能な状態への変換を引き起こすことができる。
一部の実施形態では各機械的ビットの2つの部分または2つの「鍵」への分離は、非対称暗号化系を形成する。鍵が配列の知識を持たずには他から容易には判定できないことから鍵が物理的に分配される場合にこの系は「公開鍵」特性を有する。
一部の実施形態では、情報を不明瞭にするための物理的暗号化鍵のためにディストラクタオリゴヌクレオチドもしくは分析物またはその断片などの「ディストラクタ」成分の添加などの好適な対策が検討され、得ることが困難な暗号解読鍵(暗号解読鍵オリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列など)の独自性を作製できる。
一例として(実施例3に詳細に記載される)送信者(アリス)がどのように図9Cに示す直鎖状バイナリスイッチを用いて暗号化されたメッセージを受信者(ボブ)に送信できるかを考察する(図10)。この場合、メッセージを暗号化するために送信者によって用いられる系を受信者が設計する。したがって受信者は、各ビットについて1および0に対応する核酸ならびにデコーディング鍵オリゴヌクレオチドを設計する。受信者は、デコーディング鍵を保持する(したがって非公開)が、1および0オリゴヌクレオチドを送信者に送る。次いで送信者は、1および0オリゴヌクレオチドの組み合わせを用いて受信者に送るメッセージを考案する。各ビットについて1および0オリゴヌクレオチドを選ぶことによって、および任意選択によりバイトを形成するために同じバイアル中のさまざまなビット(例えばさまざまな長さの断片)を組み合わせ、次いで複数のバイトを送ることによって、送信者は単純なまたは複雑な暗号化されたメッセージを受信者に送信できる。本発明は、送信者が暗号化スキームを考案し、次いでコードされたメッセージおよび鍵オリゴヌクレオチドを(しかし典型的には別々に)受信者に送る方法も検討する。
上に記載のとおり異なるビットは、異なる長さのオリゴヌクレオチドによって表すことができる。一部の実施形態ではDNA長は、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200もしくは300ヌクレオチド(もしくは塩基)またはキロベースを含むそれ以上であってよい。
例として受信者は、20ヌクレオチド、30ヌクレオチドおよび40ヌクレオチドのDNA断片長に対応するビットを選ぶ。次いで受信者は、各ビットに対して3つの等長オリゴヌクレオチド(A、A’およびB)を生成し、その2つは互いに相補的であり、共にハイブリダイズし(AおよびA’)、1つ(B)は不活性である(オリゴヌクレオチド設計の詳細については実施例3を参照されたい)。各ビットについて、AまたはA’の1つは1を表し、Bは0を表す。受信者が暗号化されたメッセージを解除するための鍵としてA’を保持すると仮定すると、AおよびBの別々のバイアルが調製され、暗号化されたメッセージの作製における使用のために送信者に送られる(ここでAおよびBは1および0値をそれぞれ表す)。合わせて、各ビットについてのAおよびBオリゴヌクレオチドは、バイナリに基づくメッセージを暗号化するために用いられる。次いで送信者は、各ビットについてA(1用に)またはB(0用に)のいずれかを用い、これらを1つのバイアル中に混合し、公衆回線を通じて受信者に混合物を送る。受信者は、オリゴヌクレオチド混合物を非公開暗号解読鍵(この例では、各ビットについてA’オリゴヌクレオチド)と組み合わせることおよびゲルを実行することによってメッセージを暗号解読する。
本明細書で検討されるのは、3ビット、4ビット、5ビット、6ビット、7ビット、8ビット、9ビット、10ビット、11ビット、12ビット、13ビット、14ビット、15ビット、16ビット、17ビット、18ビット、19ビット、20ビット、21ビット、22ビット、23ビット、24ビット、25ビット、26ビット、27ビット、28ビット、29ビット、30ビット、31ビット、32ビット、33ビット、34ビット、35ビット、36ビット、37ビット、38ビット、39ビット、40ビット、41ビット、42ビット、43ビット、44ビット、45ビット、46ビット、47ビット、48ビット、49ビット、50ビット、60ビット、70ビット、80ビット、90ビット、100ビット、120ビット、140ビット、160ビット、180ビット、200ビット、300ビット、400ビット、500ビット、600ビット、70ビット、800ビット、900ビット、1000ビットもしくは200ビットに等しいもしくはこれらまでの、またはこれらを超える保存容量を有するコーディング系である。したがって保存容量は、3〜2000ビット、3〜1000ビット、3〜500ビット、3〜100ビット、3〜50ビット、3〜20ビットまたは3〜10ビット容量の範囲であってよい。40ビットへの保存容量の増加は、ユビキタス12桁統一商品コード(UPC)の保存を可能にする。
数学アルゴリズムに頼る暗号化スキームとは異なり、この方法は計算能力の増大に対して直接脆弱ではない。不正な暗号解読は、可能性があるおよそ4Nの暗号解読鍵、または単純8ビットコーディングスキームのために10,155の物理的生成および検査を必要とする(25%不適正塩基が割り当てられた場合、暗号解読鍵を推測するおよそ1063分の1のチャンスがある(Leier A. et al.(2000)Biosystems 57:13-22; Lee I. et al.(2004)Nucleic Acids Research 32:681-690)。付加的に、可能性がある暗号解読の試みの数は、暗号化されたメッセージ中で利用可能な物理的物質の量によって制限される。
コードを解明する試みは、2方面からの手法でさらに抑止できる:(1)メッセージについての物理的情報(例えば、オリゴヌクレオチド配列)への接続を制限すること、および(2)この物理的情報を解読することを困難にすること。一部の実施形態では、1つまたは複数のディストラクタ鎖が物理的混合物に導入される。本明細書で用いられるディストラクタ鎖は、コード鎖と類似の長さおよび組成だが異なる配列を有するオリゴヌクレオチドを指す場合がある(Leier A.et al.(2000); Gehani A. et al.(2004)DNA-based Cryptography. Aspects of Molecular Computing p.34-50)。これらのディストラクタ鎖は、暗号化された混合物中のオリゴヌクレオチドをコードしている配列を得るために必要な時間および労力を増加させることができ、コードしているオリゴヌクレオチドの短い長さによって既に表されている課題(Oberacher H. et al.(2004)Journal of the American Society for Mass Spectrometry 15:32-42; Oberacher H. et al.(2009)Biopolymers 91:401-409; Farand J. et al.(2009)Analytical Chemistry 81:3723-3730)と複数のオリゴヌクレオチド集合の存在とを組み合わせる。複数の「偽」暗号化鍵の存在も(配列が試料中の限定された物質から得られた場合でさえ)真の暗号化鍵を判定することをさらに困難にする。暗号化鍵が非公開である場合、送信者が実際にディストラクタ鎖を含む混合物中に偽メッセージをコードでき、暗号解読鍵配列の知識を持たずに真のメッセージを攻撃者が同定する方法がほとんど無いことからこの手法は非常に有効である。暗号解読の容易さは、ディストラクタ鎖の数が多いほど、およびコードされるメッセージあたりのビットが多いほど減少する(したがって不正な受取人を妨害する)。一部の実施形態では、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、5000またはこれを超えるディストラクタ鎖(またはディストラクタ鎖の混合物)が暗号化バイアルに添加される場合がある。したがってディストラクタ鎖の数は、非限定的に1〜5000、1〜1000、1〜500、1〜100または1〜10の範囲であってよい。ディストラクタ鎖は、自動化された方法によって合成できる、またはそれらは任意選択により好適な長さの断片に達するようにサイズ分画されるゲノムDNAの断片であってもよい。一部の実施形態では、一部の配列決定技術およびプロファイル技術のために必要である化学的コンジュゲーションを妨げるためにオリゴヌクレオチドの末端を修飾することによって、または他の化学的修飾を用いることによって追加的安全保証が得られる場合がある。
前述は、二本鎖核酸断片の形成(暗号解読鍵の添加による)および、次ぐインターカレート色素の取り込みの長所(典型的には一本鎖核酸には有効に結合しない)による二本鎖核酸断片の可視化に頼る単なる暗号化系を例示していることが理解される。しかし本発明は、図7AおよびBに示す開放および閉鎖立体構造を使用するより複雑な系を検討する。本発明は、コードされたメッセージを見るおよび/または暗号解読するためのゲル電気泳動以外の方法も検討する。例えば、各ビットについての各暗号解読鎖が異なるウエルに位置づけられているマイクロアレイが用いられる場合がある。
これらの方法の情報安全保障(安全なメッセージ)を超える追加的応用も検討され、非限定的に認証およびバーコーディングを含む。したがって本発明は、これだけに限らないが、個人識別文書(例えば、運転免許証、パスポートなど)などの法律文書、遺言状、高コスト商品(例えば、服飾、アクセサリー、ハンドバッグ、宝石など)を含む商品、医薬品、タバコ、骨董品または年代物の品物もしくは他の珍しい品物(例えば、スポーツ記念品、美術品、絵画)などの多数多様な項目の認証、商標保護および/または供給元追跡のためのこれらの方法の使用を検討する。医薬品の場合では、バーコードがロット番号、製造地、製造日、有効期限などの情報を伝える場合があり、この方法でそのような商品のためのいかなる二次市場にも対抗できる。詐欺または身元詐称に対する追加的予防としてDNAマーカーと共に印刷された個人識別文書(例えば、運転免許証、パスポート)の場合は、自身のゲノムDNAを認証鍵として用いることも本発明によって検討される。
コードされた核酸混合物は、別々のバイアルとして提供できる、または商品もしくは製品に直接適用できる。紙上に印刷されたDNAを保管するためのいくつかの方法が実証されている(Kawai J. et al.(2003)DNA book. Genome Research 13:1488-1495; Hashiyada M. et al.(2004)The Tohoku Journal of Experimental Medicine 204:109-117)。
力測定技術
本明細書で考察するとおり本発明のさまざまな方法は、核酸複合体の長さの変化を検出することによって結合パートナー間の相互作用を検出することを含む。とりわけ結合相互作用、複合体の長さの変化、開放から閉鎖(または閉鎖から開放)立体構造への転移、および動態改変は、これだけに限らないがゲル電気泳動、原子間力顕微鏡法(AFM)、光ピンセット、磁気ピンセット、連結粒子運動、遠心力顕微鏡法(CFM)、機械的カンチレバーなどを含む多数の方法を用いて検出または判定できる。これらの方法は、当技術分野において周知であり、いくつかは簡潔に下に記載されている。任意の方法を本明細書で提供するさまざまな方法と併せて用いることができることは理解される。
原子間力顕微鏡法。リンカー上の2つの結合パートナー間の力は、原子間力顕微鏡法(AFM)または走査型力顕微鏡(SFM)によって測定できる。一部の実施形態ではAFMは、単一分子リンカー伸展および断裂力を測定するために用いることができる。一部の実施形態では測定される力は、およそ数ピコニュートン(pN)である場合がある。一部の実施形態ではAFMは、静的または動的様式のいずれかで実施される。
光ピンセット。リンカー上の2つの結合パートナー間の力は、光ピンセット(「単一ビーム傾斜力トラップ(single-beam gradient force trap)」とも称される)を用いて測定できる。光ピンセットは、屈折率ミスマッチに応じて誘引的または反発的な力(典型的にはおよそpN)を提供し、核酸などの顕微鏡レベルの誘電性対象物を物理的に保持および移動させるために高度に収束させたレーザービームを用いる。一部の実施形態では光ピンセットは、高度に収束されたレーザービームを介して非常に小さな力を与えることによってリンカーを操作するために用いることができる。
一部の実施形態では光学トラップは、分子力の測定としての核酸置換を検出するために用いることができる。光学トラップは、リンカーに付着されているビーズと相互作用することによって、単一分子リンカーを操作および研究するために本明細書において用いられる場合がある。
磁気ピンセット。リンカー上の2つの結合パートナー間の力は、磁気ピンセット(MT)を用いて測定できる。磁気ピンセットは、本発明の核酸複合体などの分子に力およびトルクを与える。分子の伸長は、適用された応力へのその応答に対応する。一部の実施形態では単一リンカーは、一方の端で連結表面に、他方で磁性微粒子に付着される。磁気ピンセット装置は、ビデオ顕微鏡でその位置が測定される磁性粒子を操作するために用いられる磁石も備えている。
遠心力顕微鏡法。リンカー上の2つの結合パートナー間の力は、遠心力顕微鏡法(CFM)を用いて測定できる。CFMは遠心力を用いて本発明の核酸複合体などの分子に力を与える。分子の伸長は、適用された応力へのその応答に対応する。一部の実施形態では複合体は、一方の端で連結表面に、他方で例えば光学顕微鏡を用いて可視化できる粒子に付着される。粒子の位置および連結表面に対するその移動は、複合体に適用される遠心力の関数として観察および測定できる。
他の機械力測定技術、例えば機械的カンチレバーなどは、本明細書に記載の実施形態と共に用いることができる。
実施例1
切り替え可能な単一分子リンカー
材料および方法
リンカー設計および構築:5’二重ビオチンオリゴヌクレオチド(Integrated DNA Technologies)、ジゴキシゲニンオリゴヌクレオチド(Integrated DNA Technologies)およびネクストデイサービス(Invitrogen)で注文したいくつかの単純なオリゴヌクレオチドを除く全てのオリゴヌクレオチドは、Bioneer,Incから購入した。
用いた全てのオリゴヌクレオチドの全長配列は、図1Aに示され、New England Biolabsによって提供されたM13配列に基づいており、前述のDNA折り紙研究のために用いる。オリゴヌクレオチドは、100μΜ、−20℃で保存し、記載の無い場合はオリゴヌクレオチドの全ての混合はこの保存濃度で行う。本発明者らがさまざまなリンカーの構築物を説明する場合、本発明者らはこの節全体を通じた番号づけを参照する。
2つの異なる種類のリンカーを設計し、前述のDNA折り紙研究から概説される技術に基づいて組み立てた(Rothemund P. W. K.(2006);Douglas S. M. et al.(2009))。両方のリンカーに単一分子実験のためのアンカーとして作用する機能性の「粘着性」末端(本発明者らは、両末端に二重ビオチンを用いた)、およびループを形成するためにリンカーの中央付近に2つの機能性部位を組み入れる。1つの「架橋」オリゴヌクレオチドが2つの離れた位置にわたってハイブリダイズすることによって構築物の1セットがループを形成する一方で、他のセットは、ループを形成するように受容体−リガンドとして互いに結合できるジゴキシゲニンまたは抗ジゴキシゲニンでそれぞれ機能化された2つの別々のオリゴヌクレオチドを用いた。
これらのリンカーを作製するために、一本鎖DNA M13mpl8(New England Biolabs)を二本鎖領域を形成するために40ヌクレオチドオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせることによって最初に直鎖化し、次いでこの領域をBtsCI制限酵素(New England Biolabs)で切断した。直鎖状一本鎖DNAを次いで相補的オリゴヌクレオチド(Bioneer, Inc.)と混合し、オリゴヌクレオチドが適正にアニールにするようにPCR機(Bio-Rad)内で1分間に1℃の勾配で90から20℃への温度勾配に供した。ループを形成した架橋オリゴヌクレオチドを含むリンカーについて、架橋オリゴヌクレオチドを除外したオリゴヌクレオチド121個を足場鎖に対して10倍モル過剰量で添加し、架橋オリゴヌクレオチドを等モル濃度で添加した。受容体−リガンドループ構築物については、抗体オリゴヌクレオチド(他の120個を連結した後に等モル濃度で添加し、1分間に0.5℃で40から10℃への温度勾配に供した)を除いたオリゴヌクレオチド120個は10倍モル過剰であった。
ループ状リンカー構築のためのより詳細なプロトコールは次のとおり:
ステップ1:一本鎖DNA(ssDNA)直鎖化。(1)きれいなPCRチューブ中で次の:M13mp18 ssDNA(NEB製品N4040S D 0.25mg/mLまたは100nM)5μL、10×緩衝液4(NEB)2.5μL、100μΜ切断部位オリゴヌクレオチド(オリゴ000A)0.5μLおよび水16.5μLを混合する。(2)簡潔には95℃(30秒間)上昇させ、50℃に低下させ、BtsCI酵素1μLを添加。(3)1時間、50℃でインキュベート。(4)95℃、1分間インキュベートすることによってBtsCI酵素を熱不活性化。
直鎖化効率をアッセイするために、番号づけした全てのオリゴヌクレオチドの混合物1.21μLを直鎖状ssDNAの5μLに添加し、90℃に加熱し、1分間あたり1℃またはより遅く20℃に冷却することによって二本鎖DNA(dsDNA)片を構築する。産生物は、直鎖状から環状を分離するために0.7%アガロースゲルを実行する、または大部分のまたは全てのssDNAが直鎖化されたことを確実にするために1つの切断酵素(本発明者らは1μのAfeIを添加した)で鎖を切る場合もある。
ステップ2:オリゴへのタンパク質のコンジュゲート。タンパク質をオリゴヌクレオチドにコンジュゲートするために本発明者らが用いたプロトコールは、おおまかには、スルホ−SMCCと共に提供されるPierceプロトコールに基づいた。(1)きれいなPCRチューブで次の:0.5M TCEP(Pierce)5μL、水40μLおよび100μΜオリゴ033A 5μLを混合することによってSHオリゴヌクレオチドを脱保護する。混合物を少なくとも30分間、室温に置く。(2)次のとおり10mM スルホ−SMCC溶液を作製:DMSO 20μLをスルホ−SMCC 2mgに添加、ピペットで取ったり出したりして十分に混ぜ、PBS 450μLに希釈、直ちに用いる。(3)次のとおりタンパク質を活性化:タンパク質をPBS中に濃度1mg/mlで懸濁する(濃縮または緩衝液交換が必要な場合は、脱塩カラムまたは遠心フィルターを用いる)、タンパク質1mg/mlについてスルホ−SMCCの20×モル過剰量を用い(例えば、抗体1mg/ml−20×:20μLタンパク質@6.7μM+0.27μLスルホ−SMCC@10mM)、30分間室温で反応させる。(4)スルホ−SMCC反応が終了する直前にオリゴヌクレオチドからTCEPを次のとおり洗浄する:QIAGEN(登録商標)PCRクリーンアップキットを、PBS 50μL中に最終濃度10μMで溶出する以外はプロトコールに従って用いる。(5)活性化タンパク質からスルホ−SMCCを次のとおり洗浄する:ZEBA(商標)脱塩カラム(Pierce)をPBSであらかじめ平衡化し、スルホ−SMCCを除去するためにタンパク質をカラムに1回または2回通し、濃度5μΜに再懸濁する。(6)活性化タンパク質を脱保護オリゴヌクレオチドと次のとおり混合する:モル比1:1またはタンパク質を過剰で用い(例えば1:1−2μLオリゴヌクレオチド@10μΜ+4μL抗体@5μM)、30分間室温で反応させる。
ステップ3:オリゴにコンジュゲートしたタンパク質を精製する。タンパク質をオリゴヌクレオチドにコンジュゲートすると、反応の収率に応じて未反応副産物からコンジュゲートしたオリゴヌクレオチドを精製する必要がある場合がある。本発明者らは、典型的には5〜50%の収率を得ることができ、50%の収率であっても本発明者らは、精製することなくジゴキシゲニン抗体複合体と形成されたループを得ることは困難であった。これは、おそらくコンジュゲートしたものと競合する非コンジュゲートオリゴヌクレオチドによるもの、およびDNA構築物上のdig−標識オリゴヌクレオチドと反応する過剰なタンパク質によるものである。
精製するために、コンジュゲートと非コンジュゲートのオリゴヌクレオチドとを分離するために十分な4〜20%ポリアクリルアミドゲル(Bio-rad)で同じ産生物を、典型的には1×Tris/ホウ酸/EDTA(TBE)緩衝液中、150V、40分間で実行した(図3B)。次いでゲルをSybr Gold(Invitrogen)の1×溶液で10〜15分間染色し、関連バンド(複数可)を切り出すためにカミソリ刃を用いた。ゲル切片を切り、電気溶出キットおよび供給されたプロトコールをコンジュゲートしたオリゴヌクレオチドをゲルから抽出するために用いた。簡潔には切片を緩衝液600μLを含む中型電気溶出チューブ(Gerard biotech)に置き、150Vでさらなる時間について水平型電気泳動を実行した。最終濃度を各ゲルレーンに入れたオリゴヌクレオチドの既知の量、コンジュゲーション収率および電気溶出ステップでの希釈量に基づいて推定した。
ステップ4:DNAリンカーの集合。いくつかの異なるリンカーを本研究の経過において作製した。これら全ては、他のDNA折り紙研究(Rothemund P. W. K.(2006))からさらなる最適化を行わずに適用した同じ基本的プロトコールを利用する。これはオリゴヌクレオチドをM13ssDNAと(典型的には10×モル過剰で)混合し、混合物を1分間に1℃で90℃から20℃への温度勾配に供することを含む。本発明者らがここで行うとおりdsDNAの直鎖状片を単に作製するよりもむしろ複合体2D形状を保持することに基づいたことから、このプロトコールは必要よりも遅い可能性がある。サーマルサイクラーを温度勾配を適用するために用いたが、水浴を加熱することおよび同じ時間をかけてそれを室温に冷却することも同様の結果を提供する。
オリゴヌクレオチドの次の混合物をさまざまなリンカーの構築のために用いた:(a)単純直鎖状用、番号づけした全てのオリゴヌクレオチドの混合物;(b)二重ビオチン末端を有する直鎖状用、001の代わりに001A、および121の代わりに121A以外は番号づけした全てのオリゴヌクレオチドの混合物;(c)二重ビオチン末端を有する短いループ用、033または044を含まないが(またはM13の全ての塩基対合を確実にするために033および044の短縮バージョンを使用)二重ビオチン末端を有する直鎖状と同じ混合物;(d)二重ビオチン末端を有する長いループ用、033または077を含まないが(またはM13の全ての塩基対合を確実にするために033および077の短縮バージョンを使用)二重ビオチン末端を有する直鎖状と同じ混合物。
所望の構築物を作製するために、きれいなPCRチューブに以下を混合し、オリゴヌクレオチドをアニールするために温度勾配を適用する:上記の直鎖化ssDNA 5μL、上記混合物のうちの1つの1.2μL(オリゴ:DNA比は10:1)。ループ状構築物については追加的に:(a)dig−抗体構築物用に1000×希釈ジゴキシゲニンオリゴ044Aを1μL、(b)50bpオリゴヌクレオチド架橋を有する短いループ用に1000×希釈架橋オリゴ033−044Bを1μL、(c)50bpオリゴヌクレオチド架橋を有する長いループ用に1000×希釈架橋オリゴ033−077Bを1μL添加。
温度勾配は、dig−抗体構築物以外はプロトコールを完了する。dig−抗体ループ状構築物については、濃度およそ100nMの精製された抗体コンジュゲートオリゴヌクレオチドの追加的な1μLを最初の温度勾配が終了した時点で添加。低濃度で多量のオリゴヌクレオチドが用いられる場合は、ハイブリダイゼーションに適した緩衝液条件を維持することが重要であることに注意されたい。この場合は追加的に濃縮緩衝液を添加する必要がある場合がある。このオリゴをアニールするために本発明者らは、1分間あたり0.5℃で40℃から10℃のへ温度勾配を用いたが、本発明者らはより単純なまたはより短いプロトコールを徹底的には検査しなかった。ループ状構築物について本発明者らは、典型的にはこのプロトコール後に50%ループ化収率を得た。このループ状産生物は、本発明者らが抗体コンジュゲートオリゴで行ったとおり、ゲルから切り出し、精製できるが、本発明者らはこの精製工程がこの研究のために必要であると考えなかった。
DNA−タンパク質コンジュゲーション:3’チオール修飾オリゴヌクレオチドを還元し、モノクローナルおよびポリクローナル抗ジゴキシゲニン(Roche Applied Science)にスルホ−SMCC(Pierce)および添付のプロトコールを用いて連結した。PBS、pH7.4中のSMCC、20倍モル過剰量を用いる室温、30分間の反応でSMCC上のNHS基を抗体(1mg/ml)上の遊離アミンに最初に連結した。同時にチオールオリゴヌクレオチドを50mM TCEP(Pierce)中で20分間インキュベートすることによって脱保護および還元し、次いでPCRクリーンアップキット(Qiagen)を用いて清浄化した。最初のSMCC反応後、あらかじめPBS緩衝液で平衡化したZeba脱塩カラム(Pierce)で過剰なSMCCを除去した。次いで活性化タンパク質を還元チオールオリゴヌクレオチドとモル比1:1、30分間室温で混合した。
コンジュゲーションを、タンパク質連結由来のシフトが容易に明らかである1×TBE緩衝液、150V、40分間での4〜20%ポリアクリルアミドゲル(Bio-Rad)の実行で可視化することによって検証した(図3Bを参照されたい)。典型的には5〜50%のオリゴヌクレオチドがタンパク質にコンジュゲートし、タンパク質−DNAコンジュゲートの精製はゲルバンドを切り出し、添付のプロトコールと共に電気溶出キット(Gerard biotech)を用いることによって達成された。
単一力顕微鏡:二重ビオチン末端を有する最終的な未精製リンカーをストレプトアビジンポリスチレンビーズ(Corpuscular)と共に15分間インキュベートし、次いで光学トラップにおける使用のためのPBS緩衝液を含むチャンバーに注入した。光学トラップセットアップは、1つの定常性トラップおよび倒立光学顕微鏡(Nikon)に組み込まれた圧電制御マイクロピペットからなる。セットアップは、機能的には以前記載された装置と同じであるが(Zhang X et al.(2009)Science 324:1330; Halvorsen K.(2007)Ph.D. Thesis, Boston University, Massachusetts)、400×の代わりに160×の総拡大率を有する。高速ビデオ顕微鏡を約2kHz、約4nmの解像度の1Dでビーズ位置を測定するために用いる。光学トラップをぼやけ補正(blur-corrected)パワースペクトルフィット(Wong W. P. et al.(2006)Opt. Express 14:12517-31)をdsDNA過伸展転移(overstretching transition)によって提供される追加的較正情報(Smith S. B. et al.(1996)Science 271:795)と共に用いて較正する。
光学トラップに保持されたリンカー機能化ビーズをマイクロピペットに保持されたストレプトアビジンコートビーズに分子連結を形成するように接触させることによって、単一分子力測定を実施する。マイクロピペット中でビーズを移動させることによって各連結に緊張を適用し、光学トラップ中のビーズの変位を測定することによって定量する。ビーズ間で観察された距離は、連結長の測定値をもたらす。
結果および考察
ループ状単一分子リンカーをDNA自己集合を介して作出した。2つの異なる種類のリンカー構築物を生成し、検査した:(i)DNA塩基対合の動態を研究するためにDNAの短い相補鎖によってループ化されたリンカー、および(ii)タンパク質−タンパク質相互作用を研究するために受容体−リガンド対によってループ化されたリンカー。下に詳述するとおり、これらのリンカーの適正な集合および機能性をゲル−シフトアッセイおよび光学トラップ測定を用いて検証した。単一分子力分光法のためのこれらの有効性を、DNAハイブリダイゼーションおよび抗体−抗原相互作用の両方についての結合断裂の動態を測定することによって、およびループ状連結の分子サインがデータの正確性を改善するためにどのように用いることができるかを示すことによって実証した。
リンカー集合の検証:1つのDNAオリゴヌクレオチド架橋によってループ化されたリンカーを、それらがタンパク質カップリング効率とは無関係にリンカー集合を検査および最適化するための良いモデル系として役立つことから最初に検査した。これらのオリゴヌクレオチド架橋構築物について、2つの異なるループ長を作製した:2580塩基対および600塩基対。追加的に架橋オリゴヌクレオチドの一方の長さを30bp、20bp、15bpおよび10bpに変更し、他方は30bpに維持した。30bpおよび20bpの両方の架橋構築物について0.7%アガロースゲルでの泳動が遅くなることからゲルシフトによって長いおよび短い両ループの形成は、非ループ状産生物から容易に識別された(図3A)。ゲル中のループ状構築物は、おそらく電気泳動の厳しい条件(例えば低い塩、高い温度、高い電圧)のために15bpまたは10bp架橋オリゴを用いた場合は観察されなかった。シフトしたゲルバンドが実際にループ状構築物であったことの確証は、ループ領域中で構築物を単一切断酵素で切ることによって達成した(図3A)。シフトしたバンド(ループ状DNA)は酵素によってほとんど影響されなかった一方で、低いバンド(非ループ状DNA)は2つに分かれた片に完全に消化された。
次にこれらの産生物(二重ビオチン末端を有する)を力の直線勾配でそれらを末端から末端へ引くことによって光学トラップで直接検証した(図3A)。非ループ状リンカーは、構築物中のDNA塩基の数と合致する2000〜2300nmの典型的な輪郭長を有する特徴的なDNA力伸長挙動を示す。ループ状リンカーは、最初は短い輪郭長で開始し、次いで機械的応力の適用下でDNA架橋が断裂する際にこの完全な輪郭長への急な増加を示す。輪郭長の884nmおよび208nmの平均増加を長いおよび短いループについてそれぞれ測定した(図3A、挿入図)。これは塩基対あたり0.34nmの輪郭長を用いるワーム様鎖ポリマーモデル(worm-like chain polymer model)から予想される877および204nmの予測された長さ変化の数ナノメートル以内である(Bustamante C. et al.(1994)Science 265:1599-600; Bustamante C. et al.(2003)Nature 421 423-7)。図3Aで観察されるとおり、架橋断裂後に両方の曲線は、非ループ状リンカーについての曲線におおよそ従う。リンカーに65pNを超える応力が加えられると、DNA過伸展転移が観察される場合があり、単一分子連結を同定するための追加的な機械的サインとして役立つ。この転移を通して分子を引くことは、おそらくssDNA足場からのビオチン化アンカーオリゴヌクレオチドの力誘導融解による機能性ビーズからのリンカーの解離を常にもたらした。これは約65pN未満での測定へのこのリンカーの使用を効果的に制限する一方で、これは、DNAリンカーを共有結合によって架橋結合することによって、またはより長いアンカーオリゴヌクレオチドを用いることによって克服される可能性がある。リンカーの観察された長さに関し、全ての連結が分子レベルで同一である場合でも長さの分布は複数の連結測定から予測される。ピペット中のビーズは回転を抑制されることから、連結はさまざまな角度で保持される場合があり、分子連結長とは異なるビーズ間距離が測定される原因となる。
受容体−リガンドループ状リンカーは、抗体−抗原相互作用の力依存性動態を測定するためにも作出された。ジゴキシゲニンおよびその抗体にカップリングしたオリゴヌクレオチドは、600塩基対のループ長を有するリンカーを形成するために集められた。これらの構築物の検証は、ゲル電気泳動シフトアッセイおよび単一分子引っ張り(pulling)実験の両方を用いてDNA架橋ループ状リンカーについてと同じ方法で実施した。ポリクローナルループ状構築物は、別のシフトしたバンドとしてゲル中で容易に観察された(図3A中のDNA架橋ループ状構築物と同一)。一部の例ではモノクローナル構築物は、おそらくジゴキシゲニンとそのモノクローナル抗体の間のより低い親和性のために観察されず、10bpおよび15bp DNA架橋構築物のバンドの欠如と一致している。モノクローナルおよびポリクローナル構築物の両方を光学トラップにおいて観察し、600bpオリゴヌクレオチド架橋構築物のものと整合する力伸長曲線を示した。
単一分子力分光法の実証:断裂力の分布を判定するためにDNA架橋構築物に直線力勾配を繰り返し適用することによって光学トラップでDNAハイブリダイゼーションの動的強度を検査した。ループ状リンカーの分子サインは、非特異的、未知のおよび複数の相互作用からDNA架橋の断裂を識別するための強力なフィルタリング方法として役立った。これを正確な断裂転移(連結長の変化、全連結長およびリンカーの過伸展を用いる)の確実な同定が、測定された事象の57%(34/60)を占めるエラーデータの除去を可能にした20bp架橋の断裂力について図4(左)に例示する。得られたデータでは、平均断裂力52pNを名目負荷率100pNnm−1での標準偏差6pNで測定した(これは、平均負荷率98pNnm−1および標準偏差35pNnm−1での実験の組み合わせであった)。これは、DNAの機械的剪断についての予測された力39+15pNでの誤差内である(それらの経験式に基づく)(Strunz T.(1999)Proc. Natl Acad. Sci. 96:11277)。
他のDNA架橋長を検査する場合、リンカーを固着しているビオチン−ストレプトアビジン結合がしばしば最初に断裂することから30bp架橋については断裂事象はあまり観察されなかった。付加的に、ゲルシフトアッセイではこれらの構築物を観察しないが、単一分子引っ張り実験では15bpおよび10bp架橋の証拠があった。これらのループの形成がループ閉鎖の追加的エントロピー消費を伴ってもエネルギー的に有利であるはずであるが(Hanke A. et al.(2003)Biophys. J. 85:167-73)、電気泳動の条件がこれらの構築物の安定性を低下させ、ゲルアッセイでのそれらの非存在を招いている可能性がある。
別の実証として、ジゴキシゲニンのその抗体との力依存性結合解除動態を光学トラップで測定した(図4(右))。一定力下での結合断裂の反復測定を記録することによって、ポリクローナル抗体について力49±2pNで特徴的継続時間1.3秒(0.9〜2.0秒の95%信頼帯)を指数関数的減衰モデルでの最尤推定を用いて見出した。この相互作用は比較的強く、それを分子アンカーとして用いた他の単一分子測定と一致する(Khalil A. S. et al.(2007)Proc. Natl Acad. Sci. 104:4892)。ループ状リンカーを伴わないと、この相互作用の高結合強度は(追加的分子サインの非存在下でジゴキシゲニン−抗体の断裂を分子アンカーの破綻から識別することが困難な場合があることから)断裂測定を困難にする場合がある。
結合断裂を測定し、単一分子結合形成を観察した。ジゴキシゲニン−抗体構築物での多くの場合、複合体は解離後にビーズを共に近づけ、短時間待つことによって再形成された(図5)。同様の条件下での断裂後のオリゴヌクレオチド架橋の再形成は可能ではなく、二次構造の形成または拡散的に2つの鎖を配列するための余分な時間が再結合動態を遅くすることを示唆している。これは、核酸複合体の近傍の架橋オリゴヌクレオチド濃度を増加させることによって克服できる可能性がある。
結論
本明細書で示されたのは、DNA自己集合を用いて機能性ループ状リンカーを産生するための簡便で有効な方法であり、単一分子力測定の正確さおよび信頼性を増大できる。方法は、幅広い分子間相互作用について有用であるように十分多用途であり、時間または費用の多くの投資を伴わずに、多様な背景の研究者によって行われるように十分簡便である(添付物を参照されたい)。この機能性をDNA塩基対合および受容体−リガンド相互作用の動的強度を研究するために設計した2つの異なるループ状リンカーを構築および検査することによって実証した。付加的にこの「DNA機械的スイッチ」によって提供された分子サインは、非特異的、未知および複数の相互作用から生じる場合があるエラーデータの除去を可能にする。構築物は伝統的な結合断裂測定および力分光法のために有用であるだけでなく、相互作用している分子の同じ対が断裂後に元に戻ることを可能にし、ハイスループットな系列測定、単一分子オン速度研究および集団多様性の研究への道を開いている。
実施例2
バイナリDNAナノスイッチの電気泳動によって解明された受容体−リガンド解離動態
材料および方法
本明細書に記載のとおり長い(2580bp)および短い(600bp)ループについてのプロトコールに従ってリンカーを設計した(参照により本明細書に組み込まれるHalvorsen K. et al.(2011)Nanotechnology, 22:494005も参照されたい)。本明細書において、1つのビオチンを含有する修飾オリゴ(Bioneer, Inc.)を1つのストレプトアビジン分子がループを閉じられるように用いた。全ての他のオリゴは、以前用いられたものと同じであった。簡潔にはループ状構築物は、長い一本鎖DNA(この場合M13mp18)をその長さに沿って相補的である121個を超えるオリゴと混合することによって作製した。互いに離れた2つのオリゴは、ビオチン修飾を有し、ストレプトアビジンが両方に結合する場合にループ形成を生じる。構築物はそれらを加熱および冷却する温度勾配での自己集合によって一体となる。
結果
ナノスイッチ立体構造が受容体−リガンド結合状態(結合または未結合)の情報を与え、立体構造がゲル上で観察できることを認識して、バルク相互作用動態を測定するためのアッセイが開発された。概念的に図7で示されるアッセイは次のとおり進行する:1)互いに結合している受容体とリガンドとに依存するループ状核酸(DNA)構築物を形成、2)例えば解離後の再結合を妨げるための過剰な受容体またはリガンドで、受容体とリガンドとの間の相互作用をクエンチする、3)動態を測定するためにループ状構築物の相対量を経時的にモニターする。
技術の有用性を実証するために、ビオチン−ストレプトアビジン相互作用の結合解除動態を測定するためのナノスイッチを開発した。直鎖状二本鎖DNA構築物、長さ7249塩基対(bp)を相補的オリゴ121個を含む一本鎖M13バクテリオファージゲノムと組み合わせることによって自己集合させた(Halvorsen K et al., 2011も参照されたい)。オリゴ2つを1つのビオチンで標識し、ストレプトアビジンとの相互作用が構造物中の2580bpループの形成を誘導するように互いから2580bpに置いた。既定の実験時間からさかのぼって、ナノスイッチをさまざまな実験条件でさまざまな時間(この場合:125、25、5、1および0.2時間)過剰なビオチンに浸漬した。次いで5つの時点で各プラス対照を含む16条件のアレイ全体を1つの96レーンアガロースゲル上で実行した(図8)。
ビオチン−ストレプトアビジン解離動態を判定するために、ゲルの画像を公表されているソフトウエア(ImageJ)を用いて分析した。ImageJのゲル分析ツールをループ状構築物を含有するバンドの積分強度を測定するために用い、この量を、実験を開始する前に構築物に添加したDNAラダー由来の同じレーン中の参照バンドの積分強度によって標準化した。各実験条件についての個々の時定数は、誤差加重(error weighted)最小二乗フィッティングを用いて単一指数関数的減衰をデータにフィットさせることによって判定した。
検査した条件下では、ビオチン−ストレプトアビジン時定数は、約半時間から2ヶ月の範囲であった(図8、上右表)。1つのビオチン−ストレプトアビジン相互作用を表すために時定数に2を乗じ、系列の2つの結合についての時定数は直接測定した。相互作用は、温度変化に非常に感受性であり、塩の変化にはあまり感受性ではなかった。所与の塩濃度でオフ速度が4℃から50℃へでは100倍を超えて変化した一方で、所与の温度でオフ速度は、5mMから500mMでは2倍未満の変化であった。生理学的塩濃度(150mM)では、解離時間、25℃で148±10時間および37℃で11.2±3時間を測定した。得られた値は、25℃および37℃で以前報告された値の範囲内である(Chivers C. E. et al.(2010)Nature Methods 7(5):391-393; Klumb L. A. et al.(1998)Biochemistry(Washington)37(21):7657-7663; Chilkoti A. et al.(1995)Journal of the American Chemical Society 117(43):10622-10628; Jung L. S. et al.(2000)Langmuir 16(24):9421-9432; Green N. M.(1990)Methods in Enzymology 184:51-67)。
技術の多用途性を実証するために、さまざまな相互作用を測定するためのナノスイッチの小さな一組を開発した。抗体−抗原相互作用、タンパク質G−抗体相互作用、DNAハイブリダイゼーション相互作用および酵素的切断を実証した。測定した抗体−抗原相互作用は、ジゴキシゲニン(dig)とそのポリクローナル抗体とであった。dig−標識化オリゴヌクレオチド(オリゴ)および抗dig−標識化オリゴを用いて、解離時定数18.5時間を測定した。タンパク質G−抗体相互作用については、抗dig標識化オリゴをタンパク質G−標識オリゴと共に用いた。DNAハイブリダイゼーション動態および酵素的切断の両方を、ループ閉鎖として作用する1つのオリゴを用いて実施した。DNA非ハイブリダイゼーション動態について、30bp重複を一方の側に20bp重複をループ閉鎖に有するオリゴを20bpハイブリダイゼーションオフ速度を測定するために用いた。酵素切断速度をDNAハイブリダイゼーションのために用いたものと同様だが中央にXholのための特異的切断部位を含む20bp挿入(およびその相補体)を有するオリゴを用いて測定した。
これらの例と共に、解離時間がさまざまな分子系にわたって分から週まで変動することを実証した。より遅く解離する分子の測定は可能であり、実験者の忍耐および分子を分解から保持する能力によって主に制限される。より早く解離する分子の測定も可能であるが、電気泳動時間の影響をより慎重に考慮する必要がある。概説のとおり方法は、ゲル実行条件での解離時間がゲル実行時間よりも比較的遅い相互作用について用いることができる。その理由は、ループ状構築物が電気泳動(これらの実験では90分間に及ぶ)の際に自由に非ループ化するためである。この影響はループ状バンドのシグナルの全体的な低減を生じるが、全てのゲルレーンが同様に低減する。したがってバンドがいまだ解像可能である限り、オフ速度測定に大きな影響はないはずである。これは、電気泳動時間と比較して測定できる最も短い解離時間に制限を設定する(およそ1時間(10−4のオフ速度))。
この制限を回避するいくつかの簡便な方法があり、その1つを有意に速いオフ速度を測定することによって実証した。酵素切断アッセイについて、切断をエチレンジアミン四酢酸(EDTA)で「クエンチする」ことによって10−4より有意に速いオフ速度を測定することが可能であった。切断部位がクエンチされると、ゲル中の解離は問題ではなかった。同様に、温度の低下が反応を効果的にクエンチするように作用するため、高温で約40分間の速いビオチン−ストレプトアビジンオフ速度を測定することが可能であった。この方法でクエンチできない反応に関して、解離はゲル中のループを閉鎖に保持するための架橋リンカーを用いることによって化学的にクエンチできた。例えば光活性化DNA架橋リンカートリメチルソラレンは、それらが通常はゲル中で解離している場合においてさえDNAループを合わせて保持するために用いることができる。この戦略は動態測定の範囲を拡大するために採用できる。
結論
本明細書において提供される方法は、少なくとも2つの有用な有利点を有する:高到達性および多重測定性能。方法は、費用が高額でも困難でもない。最小のインフラおよび装置(例えば、電気泳動ツール)を必要とするだけであり、その大部分はほとんど全ての生物学または化学研究室において既に利用可能である。ナノスイッチを作製するために事前の経費(大部分はオリゴの費用)はあるが、この経費は実験1回あたりでは非常に安い。全般的にこれらの実験は、ナノ加工された分子スイッチをスイッチの状態のゲル読み取りと共に用いて分子動態を測定するための能力を実証している。方法は、多種多様な相互作用についての動態を測定するための正確で、安価な多重化された方法を提供する。最小のインフラおよび装置必要性は、表面プラズモン共鳴法または放射リガンドアッセイなどの確立された方法を超える異なる有利点を提示する。この方法は、分子動態の測定への到達性を増大させる。
実施例3
核酸複合体を用いる暗号化および暗号解読
材料および方法
オリゴヌクレオチドを、4%アガロースゲル上でおよそ均等に配置される8個の異なるビットを表すように設計および購入(Bioneer, Inc.)した。選んだ長さは、20nt、22nt、25nt、28nt、32nt、37nt、43ntおよび50ntであった。各長さについて、オリゴヌクレオチド3個を購入した:無作為に生成した遺伝子配列、その相補鎖および、無作為な塩基を有する無作為セット。これらをそれぞれA、A’およびBと記す。
メッセージをコードするために、平易な文のメッセージ「Hello world」をエラーチェクのための偶数パリティビットとして8番目のビットを含む8ビットASCII文字(character)コーディングを用いてバイナリコードに最初に変換した。各字を0および1を表すAおよびBオリゴヌクレオチドの混合物を用いて調製した。例として「Hello world」中の「H」は、01001000の8ビットバイナリ表現を有する。最下位ビットは、最も小さなオリゴ(20nt)でコードされ、オリゴ1を記す。「H」をコードするために、セットAからのオリゴヌクレオチド4および7をセットBからのオリゴヌクレオチド1、2、3、5、6および8と混合する。
デコーディングのためにコードされたメッセージ混合物を、緩衝液(1×緩衝液4、New England Biolabs)中でオリゴヌクレオチドのセットA’全体と個々に混合し、ゲル(数分以内分間)にロードした。専用の色素(Sybr goldに酷似している特徴を有する)を含有している自動化プレキャスト4%アガロースゲル(E-ゲル、Invitrogen)を15分間実行し、その直後に写真を撮った。各ゲルレーンのバイナリ表現は、上から下まで直接読み取ることができる。
結果
8ビットコーディング系を本発明の暗号化態様を実験的に実証するために用いた。DNA鎖の8個の異なる長さを、個々のビットを表すために用いた。平易な文のメッセージを偶数パリティビットとして8番目のビットを含む8ビットバイナリASCIIコーディングを用いてコードした。メッセージは、(各字について1つの)複数のDNA混合物に暗号化された。これらの混合物を次いで非公開鍵オリゴヌクレオチドと混合することによって暗号解読し、アガロースゲル実行によってデコードした。各ゲルレーンを上から下まで読み取り/デコーディングし、暗号解読されたメッセージ「Hello world」が明らかになった(図11)。
この実施例が混合物あたり(およびゲルレーンあたり)1バイト(8ビット)のデータ保存を実証した一方で、保存および読み取られるデータの量は制限されず、容易に増大できる。DNA長がゲル上で均等に置かれるように最適化された場合、1mmの解像度はゲル長1cmあたり10ビットをもたらし、1つの短いゲルレーンについておよそ8バイトのデータ、より長いゲルについて10〜20バイトおよび塩基対解像度を有するより精巧な配列決定ゲルについて125バイト(1000ビット)までに対応する(Franca, L. et al.(2002)Quarterly Reviews of Biophysics 35:169-200)。数バイトへの拡張は、特により効率的な文字コーディングスキーム(例えば、5ビットボードコード)を用いるまたは単語に基づくコーディングスキーム(例えば、10バイトは単語語彙1000個の8語をコードできる)の場合に、単語全体または短いメッセージの1つの混合物での伝達を可能にする可能性がある。付加的にデータ密度は、それぞれのメッセージが異なる暗号解読キーに関連し、複数のメッセージを1つの混合物中に組み合わせることによって増加させることができる。
等価物
いくつかの発明的実施形態が本明細書において記載および例示されているが、当業者は機能を実施するおよび/もしくは、本明細書に記載の結果および/もしくは1つもしくは複数の有利点を得るためのさまざまな他の手段ならびに/または構造を容易に想定し、そのような変更および/または改変それぞれは本明細書に記載の発明的実施形態の範囲内であると見なされる。さらに一般に当業者は、本明細書に記載の全てのパラメーター、大きさ、材料および立体配置が例示的に示されること、および実際のパラメーター、大きさ、材料、および/または立体配置は発明的教示が用いられる具体的な1つまたは複数の応用に依存することを容易に認識する。当業者は、日常的な実験を用いるだけで本明細書に記載の具体的な発明的実施形態への多数の等価物を認識するまたは確認できる。したがって前述の実施形態は、例示の方法によってのみ示されており、添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内で発明的実施形態は、具体的に記載されたおよび特許請求された以外でも実施できることが理解される。本開示の発明的実施形態は、本明細書に記載の個々の特性、系、品目、材料、キットおよび/または方法それぞれに方向づけられている。付加的に、2つ以上のそのような特性、系、品目、材料、キットおよび/または方法の任意の組合せは(そのような特性、系、品目、材料、キットおよび/または方法が互いに矛盾しない場合に)本開示の発明的範囲内に含まれる。
本明細書において定義されるおよび用いられる全ての定義は、辞書的定義、参照により組み込まれる文書での定義、および/または定義された用語の通常の意味を支配すると理解されるべきである。
本明細書において開示する全ての参考文献、特許および特許出願は、それぞれが引用された対象の事柄に関して参照により組み込まれ、一部の場合では文書全体を包含する場合もある。
明細書および特許請求の範囲で本明細書において用いられる不定冠詞「a」および「an」は、明確に逆を示す場合を除いて、「少なくとも1つの」を意味すると理解されるべきである。
明細書および特許請求の範囲において本明細書で使用される句「および/または」は、等位結合した要素の「いずれかまたは両方」を意味する、すなわち、要素は一部の場合には結合的に存在し、他の場合には非結合的に存在すると理解されるべきである。「および/または」と共に列挙される複数の要素は、同じ様式で解釈されるべきである、すなわち要素の「1つまたは複数」は等位結合している。任意選択により「および/または」節によって具体的に同定された要素以外の他の要素が、具体的に同定された要素に関連するか関連しないかにかかわらず存在する場合がある。したがって非限定的例として「含む(comprising)」などの非制限的用語と併せて用いられる場合に「Aおよび/またはB」は、一実施形態ではAだけ(任意選択によりB以外の要素を含む);別の実施形態ではBだけ(任意選択によりA以外の要素を含む);さらに別の実施形態ではAおよびBの両方(任意選択により他の要素を含む)などを指す場合がある。
明細書および特許請求の範囲において本明細書において使用される、「または」は、上に定義の「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト中の品目を分ける場合に「または」または「および/または」は、包括的に解釈されるべきであり、すなわち、数字または要素のリストの少なくとも1つの包含だけでなく、1つより多くを含み、任意選択により、追加的未列挙の品目を含む。「1つだけ」もしくは「正確に1つ」または特許請求の範囲において用いられる場合の「からなる」など、用語が明確に逆を示す場合にだけ、数字または要素のリストの正確に1つの要素だけの含有を指す。一般に本明細書において使用される用語「または」は、「いずれか」、「の1つ」「の1つだけ」または「の正確に1つ」などの排他的な用語が先行する場合にだけ排他的選択(すなわち「一方または他方だが両方ではない」)を示すとして解釈されるべきである。特許請求の範囲において用いられる場合「から本質的になる」は、特許法の分野において用いられる通常の意味を有する。
明細書および特許請求の範囲において、1つまたは複数の要素のリストに関連して本明細書において使用される句「少なくとも1つの」は、要素のリスト中の任意の1つまたは複数の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであるが、要素のリスト中で具体的に列挙されたそれぞれのおよび全ての少なくとも1つの要素を含む必要はなく、要素のリスト中の要素の任意の組み合わせを除外しない。この定義は、句「少なくとも1つの」が指す要素のリスト中で具体的に同定された要素以外の要素が、具体的に同定されたこれらの要素に関連するか関連しないかにかかわらず任意選択により存在する場合があることも可能にする。したがって、非限定的例として「AおよびBの少なくとも1つの」(または、同等に「AまたはBの少なくとも1つ」または同等に「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、Bが存在せずに(および任意選択によりB以外の要素を含んで)少なくとも1つの、任意選択により1つより多くを含んでA、を指す場合があり、別の実施形態では、Aが存在せずに(および任意選択によりA以外の要素を含んで)少なくとも1つの、任意選択により1つより多くを含んでB、を指す場合があり、さらに別の実施形態では、少なくとも1つの、任意選択により1つより多くを含んで、A、および少なくとも1つの、任意選択により1つより多くを含んで、Bを指す(および任意選択により他の要素を含んで)場合があるなどである。
逆であると明らかに示されなければ、1つより多いステップまたは作用を含む本明細書で特許請求される任意の方法では、方法のステップまたは作用の順序は方法のステップまたは作用が引用されている順序に限定される必要ないことは理解されるべきである。特許請求の範囲および上記明細書では、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「保有する(carrying)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「含む(involving)」、「保持する(holding)」、「からなる(composed of)」などの全ての移行句は、非制限的に理解される、すなわちこれだけに限らないが含むことを意味する。米国特許庁特許審査手順のマニュアルのセクション2111.03に記載のとおり移行句「からなる(consisting of)」および「本質的にからなる(consisting essentially of)」だけが、それぞれ閉じたまたは半分閉じた移行句であるべきである。
参考文献
Kim J,Zhang C Z,Zhang X and Springer T A 2010 A mechanically stabilized receptor−ligand flex−bond important in the vasculature.Nature 466 992〜5
Wiita A P, Ainavarapu S R K,Huang H H and Fernandez J M 2006 Force−dependent chemical kinetics of disulfide bond reduction observed with single−molecule techniques Proc.Natl Acad.Sci.103 7222〜7