JP6431412B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
横漏れを防止する技術として、吸収性物品の両側部における表面シートに開孔を設け、一部が露出した吸収体に、表面を流れた液を吸収させる技術が知られている(特許文献1参照)。
また、他の横漏れ防止技術として、吸収性コアの両側部に、着用者の肌側に突出する隆起部を形成する技術(特許文献2参照)や、吸水性ポリマーを局所的に多く配した領域を、吸収性コアの長手方向に沿って形成する技術(特許文献3〜5参照)も知られている。
特許文献3の技術においては、吸水性ポリマーが局所的に多く配された領域が、吸収性コアの厚み方向の一部のみにあるため、液が、該領域上を通って側方に移動し易く、横漏れ抑制が十分とは言えない。また、特許文献4,5においては、吸水性ポリマーが多く配された領域が、吸収性コアの幅方向の端部にあるため、該領域に達した液が該領域を超えると容易に横漏れを生じることになる。
本発明の吸収性物品の一実施形態としての失禁パッド1(以下、単に失禁パッド1ともいう)は、図2(a)に示すように、肌対向面P、非肌対向面Q、及びこれら両面P,Q間に配された吸収性コア41を備えている。吸収性コア41は、該吸収性コア41を包むコアラップシート49とともに吸収体4を形成している。
より詳細に説明すると、失禁パッド1は、着用時に着用者の肌側に向けられる肌対向面Pを形成する表面シート2、着用時にショーツ等の衣類側に向けられる非肌対向面Qを形成する裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に配置された吸収体4を備えており、該吸収体4の一部が吸収性コア41となっている。吸収体4は、コアラップシート49を有しないものでも良く、その場合、吸収性コア41自体が吸収体4となる。失禁パッド1の非肌対向面Qには、失禁パッド1をショーツ等の衣類の内面に固定するための粘着部(図示せず)が設けられている。
繊維材料としては、失禁パッド、生理用ナプキン、使い捨ておむつ等の吸収性物品の吸収体に従来用いられている各種のもの等を特に制限なく用いることができるが、パルプ繊維であることが好ましい。パルプ繊維としては、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ等の木材パルプ、木綿パルプ、ワラパルプ等の非木材パルプ等の天然セルロース繊維が挙げられる。また、架橋パルプ等の、天然繊天然繊維を化学処理して得られる改質パルプ等が含有されていてもよい。これらのパルプ繊維は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。繊維材料には、繊維状の吸水性ポリマーや無機材料からなる繊維状物は含まれない。また、吸収性コアは、パルプ繊維に加えて、ポリオレフィン等の合成繊維からなる繊維や再生繊維を含んでいても良い。また、繊維材料中のパルプ繊維の割合は90〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは95〜100質量%であり、更に好ましくは100質量%である。また、吸収性コアには、繊維材料及び吸水性ポリマー以外に、消臭剤や抗菌剤等を必要に応じて配合しても良い。
吸水性ポリマーは、自重の15倍以上の水を保持可能であることが好ましく、より好ましくは自重の20倍以上、更に好ましくは自重の30倍以上の水を保持可能なものである。
中間域43は、図2(b)中の上側である肌対向面P側に、中央域42及び側部域44それぞれの上面42u,44uよりも突出する隆起部43uを有する部分である。
また、中間域43の繊維密度が、該中間域43の両側に位置する中央域42及び側部域44の繊維密度よりも低い。
〔繊維密度の測定方法〕
繊維密度の測定は、遠心保持量(吸水量)の測定に用いられているJIS K 7223(1996)に準拠して行う。具体的には、下記(1)〜(4)の手順で測定する。
(1)ナイロン製の織布(三力製作所販売、品名:ナイロン網、規格:250メッシュ)を、幅10cm、長さ40cmの長方形に切断し、長手方向中央で二つ折りにした後、幅方向の両端をヒートシールして、幅10cm(内寸9cm)、長さ20cmのナイロン袋を作製する。
(2)吸収性コアから繊維材料と吸収性ポリマーの単体、及び吸収性コアそのものを、それぞれ1.00g量り採り、そのそれぞれを、作製したナイロン袋の底部に均一になるように入れる。入れる前に吸収性コアのみ体積を測定する。吸収性コアの試料は、吸収性コアの厚み方向の全域に亘る範囲を切り出す。また、吸収性コアの体積は、コアラップシートを含む吸収体にプレートを載せて荷重1kPa下に吸収性コアの厚みを測定し、その厚みに、内部に含まれる吸収性コアの質量が1.00gとなる吸収体の面積を乗じて算出する。中間域43は、高ポリマー領域43aを有するが、中間域43の繊維密度は、高ポリマー領域43a以外の部分について測定する。
(4)脱水後、繊維材料、吸水性ポリマー及び吸収性コアの各試料の質量をそれぞれ測定し、浸漬前と浸漬後の、繊維材料、吸水性ポリマー及び吸収性コアの各試料の質量の関係から繊維材料の含有量を算出する。
そして、算出された繊維材料の含有量と浸漬する前に測定した吸収性コアの体積から繊維密度を算出する。以下に吸収性コア1.00gに含まれている繊維材料の含有量を計算する連立方程式の立て方を記載する。
x+y=1.00
ax+by=Z
(ただし、式中のaは繊維材料だけで遠心保持量を測定した場合に1.00gの繊維材料が何倍増加したかを表す定数、bは吸水性ポリマーだけで遠心保持量を測定した場合に1.00gの吸水性ポリマーが何倍増加したかを表す定数、Zは吸収性コアの1.00g遠心保持量の値を表す。また、x、yは吸収性コアの試料1.00gに含まれている繊維材料と吸水性ポリマーのそれぞれの質量を表している。)
上述した方法による中央域42、中間域43及び側部域44のそれぞれについての繊維密度の測定を、各部位ごとに5回行い(n=5)、各部位についての5点の値について、上下各1点の値を削除し、残る3点の平均値を測定値とする。5回の測定は、複数個の吸収性物品、例えば5個の吸収性物品を用いて行っても良い。
なお、浸漬前の各試料の質量の測定は、温度23±2℃、湿度50±5%で行い、測定の前に試料を同環境で24時間以上保存した上で測定する。
失禁パッド1は、吸収性コア41が2本の隆起部43u,43uを有することによって、図2(a)に示すように、肌対向面Pにおける幅方向中央部を挟む両側それぞれに、着用者の肌側に向かって突出する隆起部12を有している。
失禁パッド1によれば、図3(a)に示すように、排尿量がある程度の量に達するまでは、中央域42上に排尿された液Nは、表面シート2を透過して中央域42内に吸収される。そして、中央域42の吸収容量に対して排尿量の総量がある程度以上になると、図3(b)に示すように、中央域42上に排尿された液Nが、吸収性コア41の幅方向の外方に向かって表面シート2の表面を流れるようになるが、中央域42の両側に、繊維密度が相対的に低い中間域43が隆起部43uを形成しており、表面シート2と隆起部43uとの間が接触又は近接して液が中央域42内に引き込まれやすくなっており、また中央域42と隆起部43uとの境界付近に生じる段差d〔(図2(a)参照〕が防漏壁としても機能するため、表面シート2上を流れた液は、効率よく中間域43内に吸収される。
しかも、失禁パッド1は、隆起部43uを形成する中間域43内に、吸収性コア41の厚み方向の全域に亘る高ポリマー領域43aを有し、該領域43a中の吸水性ポリマーが膨潤して、高ポリマー領域43aより外側への液の拡散を抑制するため、高ポリマー領域43aより内側における吸収容量が無駄なく十分に使用される。
高ポリマー領域43aより内側の吸収容量が飽和に近づくと、図3(c)に示すように、液が、高ポリマー領域43aを越えて流れ出し易くなるが、高ポリマー領域43aの外側にも、側部域44が存在するため、吸収性コア41の端部に高ポリマー領域43aを設けた場合とは異なり、その場合にも、液漏れは生じ難い。
このように、本実施形態の失禁パッド1によれば、高ポリマー領域を越えての液流れが効果的に抑制され、優れた横漏れ抑制効果が得られる。
斯かる効果は、中間域43の繊維密度が、その中間域43の外側に位置する側部域44の繊維密度よりも低くない場合にも奏されるが、中間域43の繊維密度が、その両側に位置する中央領域33及び側部域44のそれぞれより低いと、毛細管力により液が吸収体内に引き込まれやすくなるため、横漏れ抑制効果が一層向上する。
更に、本実施形態のように、高ポリマー領域43aを挟む両側それぞれに低密度領域43b,43cを有すると、図3(c)に示すように、液が、高ポリマー領域43aを越えて流れ出したときに、高ポリマー領域43aの外側の低密度領域43cを介して、低密度領域43c及び側部域44に液が効果的に吸い込まれ、表面シート2の表面を流れての横漏れが一層生じ難くなるため好ましい。
側部域44の繊維密度は、中央域42の繊維密度に対する比(前者/後者)が、好ましくは3以下、より好ましくは2以下であり、また好ましくは1.1以上、より好ましくは1.5以上であり、また好ましくは1.1以上3以下、より好ましくは1.5以上2以下である。
失禁パッド1における吸収性コア41は、図1に示すように、隆起部43u及び高ポリマー領域43aが、それぞれ、長手方向Xの両端部に位置する前端縁41a(一端縁)から後端縁41b(他端縁)に亘っている。
ただし、本発明においては、隆起部43uや高ポリマー領域43aが吸収性コア41の全長に亘って形成されていることは必須ではない。例えば、高ポリマー領域43aを有する中間域43並びにその両側に位置する中央域42及び側部域44は、着用時に着用者の液排泄部が幅方向中央部に配される排泄部対向部Cのみに形成されていても良いし、排泄部対向部Cから前方部A及び後方部Bの何れか一方に亘って形成されていても良いし、前方部Aの一部から後方部Bの一部に亘って形成されていても良い。
中間域43の繊維密度は、中央域42の繊維密度に対する比(前者/後者)が、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.75以下であり、また好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上であり、また好ましくは0.2以上0.9以下、より好ましくは0.3以上0.75以下である。
また、中間域43の繊維密度は、好ましくは0.02g/cm3以上、より好ましくは0.028g/cm3以上であり、また好ましくは0.04g/cm3以下、より好ましくは0.035g/cm3以下であり、また好ましくは0.02g/cm3以上0.04g/cm3以下、より好ましくは0.028g/cm3以上0.035g/cm3以下である。また、中央域42の繊維密度は、好ましくは0.03g/cm3以上、より好ましくは0.035g/cm3以上であり、また好ましくは0.1g/cm3以下、より好ましくは0.08g/cm3以下であり、また好ましくは0.03g/cm3以上0.1g/cm3以下、より好ましくは0.035g/cm3以上0.08g/cm3以下である。
また、高ポリマー領域43aは、吸水性ポリマーの坪量が、170g/m2以上、より好ましくは200g/m2以上であり、また好ましくは1200g/m2以下、より好ましくは1000g/m2以下であり、また好ましくは170g/m2以上1200g/m2以下、より好ましくは200g/m2以上1000g/m2以下である。
また、中間域43の高ポリマー領域43a以外の部分も、吸水性ポリマーの含有率が、好ましくは20質量%以上60質量%以下であり、より好ましくは30質量%以上50質量%以下である。これらの領域についての、吸水性ポリマーの含有率も、各領域中に含まれる吸水性ポリマーの質量の、該領域中に含まれる、吸水性ポリマーと繊維材料の合計質量に対する割合を百分率で表したものである。
中央域42、側部域44、高ポリマー領域43a、中間域43の高ポリマー領域43a以外の部分43b、43cの、吸水性ポリマーの含有率は、下記方法により測定される。
〔吸水性ポリマーの含有率の測定方法〕
前述した繊維材料の繊維密度の測定方法と同様にして、各部分について、浸漬前と浸漬後の、繊維材料、吸水性ポリマー及び吸収性コアの質量を求め、前述した連立方程式x+y=1.00,ax+by=Zから、各部分中の吸水性ポリマーの含有率を求める。
各部分に含まれる繊維材料の質量及び吸水性ポリマーの質量をそれぞれ測定して、各部分中の吸水性ポリマーの含有率を求めることもできる。なお、浸漬前の質量や浸漬させない場合の質量の測定は、温度23±2℃、湿度50±5%で行い、測定の前に試料を同環境で24時間以上保存した上で測定する。
なお、吸水性ポリマーのみで形成されている形態には、パルプ繊維等の繊維材料を存在させないようにしたが、製法上不可避的に混入することのある少量のパルプ繊維等が混在する場合を含む。例えば、高ポリマー領域43aの吸水性ポリマーの含有率が90質量%以上である場合は、吸水性ポリマーのみで形成されている。
また、中間域43が、高ポリマー領域43aを挟む両側に低密度領域43b,43cを有する場合、内側の低密度領域43bの厚みと外側の低密度領域43cの厚みとは同じあることが好ましい。厚みが同じという表現には、内側の低密度領域43bの厚みが、外側の低密度領域43cの厚みの95%以上100%以下である場合も含まれる。厚みが異なる場合、高ポリマー領域43aの吸水性ポリマーは、厚みが大きい方の厚み方向の全域に亘っていれば良い。
〔各領域の厚みの測定方法〕
厚みの測定には、2つの平行な加圧面(固定加圧面と可動加圧面)を持つマイクロメーターであるピーコック式精密測定器(型式R1−C)を用い、測定子可動加圧面の直径は5mm、圧力は1kPaで測定する。試験片上に20mm×20mmのプレートを置き、測定子可動加圧面を2mm/sの速度で操作し、該プレートに当て、安定直後の値を読み取る。
また、吸収性コア41の幅方向Yにおける長さに関し、高ポリマー領域43aより内側の低密度領域43bの長さは、中間域43の長さL3の好ましくは10%以上40%以下、より好ましくは20%以上35%以下であり、また、また好ましくは1mm以上8mm以下、より好ましくは2mm以上6mm以下である。
また、吸収性コア41の幅方向Yにおける長さに関し、高ポリマー領域43aより外側の低密度領域43cの長さは、中間域43の長さL3の好ましくは10%以上40%以下、より好ましくは20%以上35%以下であり、また、また好ましくは1mm以上8mm以下、より好ましくは2mm以上6mm以下である。
なお、図4(b)に示す吸水性ポリマーの充填工程は、積繊体41’の下側を、コアラップシートで被覆した状態で行うことが好ましく、図4(c)に示す積繊体41’のプレス工程は、積繊体41’の下側をコアラップシート(図示せず)で被覆した状態で行うことが好ましい。プレス工程は、積繊体41’の上下両側をコアラップシート(図示せず)で被覆した状態で行っても良い。
また、吸収性コアの中間域の繊維密度は、側部域の繊維密度と同じでも良いし、側部域の繊維密度より高くても良い。
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
41 吸収性コア
42 中央域
43 中間域
43a 高ポリマー領域
43b 低密度領域(内側の低密度領域)
43c 低密度領域(外側の低密度領域)
43u 隆起部
44 側部域44
49 コアラップシート
11 周縁部
12 隆起部
51 第1ロール
55 第2ロール
Claims (6)
- 肌対向面、非肌対向面及びこれら両面間に配された吸収性コアを備えた吸収性物品であって、
前記吸収性コアは、繊維材料及び吸水性ポリマーを含み、着用者の前後方向に沿う方向に長い形状を有し、その幅方向に、中央域、該中央域の両側に位置する一対の中間域、及び一対の該中間域それぞれの更に外側に位置する側部域を有し、前記中間域は、肌対向面側に、前記中央域及び前記側部域それぞれの上面よりも突出する隆起部を有する部分であり、
前記中間域の繊維密度が、前記中央域の繊維密度よりも低く、
前記中間域は、前記吸収性コアの長手方向に延在しており、その幅方向の一部に、前記吸水性ポリマーが局所的に多く存在する高ポリマー領域を有し、該高ポリマー領域においては、前記吸水性ポリマーが前記吸収性コアの厚み方向の全域に亘って存在している、吸収性物品。 - 前記中間域は、前記高ポリマー領域を挟む両側それぞれに、繊維密度が、前記中央域及び前記側部域よりも低い低密度領域を有している、請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記側部域の繊維密度が、前記中央域の繊維密度よりも高い、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
- 前記高ポリマー領域は、前記吸水性ポリマーの含有率が70%以上100%以下である、請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品。
- 前記高ポリマー領域が、前記吸水性ポリマーのみで形成されている、請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品。
- 前記高ポリマー領域が、前記吸収性コアの長手方向の両端部に位置する一端縁から他端縁に亘っている、請求項1〜5の何れか1項に記載の吸収性物品。
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