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JP6431782B2 - 通気装置及びそれを用いた壁体構造部の換気構造 - Google Patents
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本発明は、通気装置及びそれを用いた壁体構造部の換気構造に関するものであり、より詳細には、主に一般住宅の壁体構造部、即ち、パラペット、ベランダの手摺り等の壁体構造部の換気構造及びそれに用いる通気装置に関するものである。
最近の一般住宅は、敷地の有効利用等の観点から、四角形状で陸屋根としたものが増えてきている。そして、その陸屋根には、その外周に沿って立ち上げた、人の落下や雨水の外壁を伝っての流下を防止するためのパラペットが設けられる。また、ベランダの周縁部にも、同様の手摺り壁が設けられる。
ところで、夏場において住宅は、日射を受けてその外装材や屋根材がかなり高温となり、小屋裏の温度は、しばしば65度を超える。従って、特に夏場においては、室内の快適な温熱環境を維持して涼しさを確保するためには、室内だけでなく、小屋裏の換気を行う必要がある。この小屋裏換気の方法としては、棟換気又は軒換気が一般的であり、種々の棟換気装置及び軒換気装置が提案され、実用化されている。
そして、多くの場合、住宅の外壁に沿って通気層が形成される。この通気層は、壁内に進入した湿気を排出し、構造躯体を乾燥させて住宅の耐久性を高める役割、外壁から侵入した雨水の排出経路としての役割、並びに、夏季に、太陽照射により熱せられた外壁材からの伝導熱を防ぎ、更に室内の温熱環境を良好に保つ役割を果たす。
通例、この壁体構造部に形成される通気層は小屋裏空間に連通状態にされていて、この通気層から流れ出る空気は、一旦小屋裏空間に解放された後、上記棟換気装置や軒換気装置を介して棟部又は軒部から排出される。しかし、ベランダの手摺りは、多くの場合、換気可能に構築されていない。
そこで最近は、ベランダの手摺り等の壁体構造部に換気機能を持たせるものが増えてきている。例えば、特開2012−7433号公報には、壁体(3)の両側に内外通気層(5、6)を設け、各通気層(5、6)の上端及び下端を外部に開口させ、上端の開口部に、中間部が折曲されていて、前記中間折曲部を通って一端面から他端面に抜ける通気路が多数縦横に連設されたL型通気部材(1)をその水平部を上にして配備した壁体構造部における換気構造が開示されている(図5参照)。
しかし、そこにおいて用いられているL型通気部材は、それ自体製造に手間がかかるだけでなく、安定的設置にも手間がかかるために、低コスト化の妨げとなっていた。また、同じくL型通気部材を用いる特開2012−117208号公報に記載の換気構造の場合にも、同様の問題がある。
更に、最近の一般住宅におけるパラペット等には、立下り部が短い平型の笠木が多く用いられるようになってきているが、その場合に上記L型通気部材を用いると、その垂直部の一部が露見することにより、外観を損ねるおそれがある。
特開2012−7433号公報 特開2012−117208号公報
上述したように、従来壁体構造部の換気部に用いられているL型の通気部材は、コスト面でも取り扱い面でも難があるだけでなく、最近増えてきている立下り部の短い平型の笠木が用いられる場合に、その垂直部が露出するおそれがあるという問題があった。本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、取り付け作業が容易で、立下り部が短い平型の笠木が用いられる場合であっても、部材が露出して外観を損ねるようなことがない壁体構造部の換気構造及びそれに用いる通気装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、断面が逆台形形状であって、短尺方向の一端面の傾斜開口面から他端面の垂直開口面に抜ける通気路が多数縦横に連設された樹脂製の通気部材と、上面とこれに続く傾斜通気面と底面とから成っていて、前記上面と前記底面間において前記通気部材を挟持するカバー材とで構成され、前記通気部材の垂直開口面に対向する前記カバー材の傾斜通気面に、通気性を確保するための開口を設け、前記カバー材の上面を延長して固定面を形成して成る通気装置である。
一実施形態においては、前記カバー材の固定面に留付孔が穿設され、また、前記固定面の裏面、前記カバー材の底面、前記カバー材の底面から露出している前記通気部材の底面のうちの少なくとも一箇所に熱膨張材が配置される。
上記課題を解決するための請求項4に記載の発明は、壁体の両面に通気層を設け、前記通気層の一方又は双方の上端の外方開口部に請求項1乃至3のいずれかに記載の通気装置を配置し、その上に笠木を配して成る換気構造であって、前記通気装置は、前記通気部材の傾斜開口面が前記通気層に連通し、前記カバー材の傾斜通気面の開口がサイディングと前記笠木の立下り部との間の空間に連通するように配置されて成ることを特徴とする壁体構造部の換気構造である。
一実施形態においては、前記通気層のうちの一方の通気層のみが外方に開口されて前記通気装置が設置され、他方の通気層は、前記壁体上面に適宜間隔置きに定着される下地材間に形成される通気空間を介して、前記一方の通気層と連通状態にされ、前記通気装置は、その固定面が前記下地材の上面に固定されることによって設置固定される。
一実施形態においては、前記通気装置の底面と前記サイディングの外側面上端部との間にシーリング剤が塗布される。また、前記通気装置は、前記サイディングを施工する前に設置され、前記サイディングの施工後、前記サイディングと前記通気装置の底面との間にシーリング剤が充填される。
本発明は上述したとおりであって、本発明に係る通気装置は、その取り付け作業が容易であり、下方に伸びる垂直部がないため、立下り部が短い平型の笠木が用いられる場合であっても、通気装置の一部が露出して外観を損ねるおそれがないという効果がある。
また、本発明に係る壁体構造部の換気構造は、下方に伸びる垂直部のない通気装置を用いるために、流れが直角となる従来のL型通気部材の場合よりも抵抗が少なく、空気の流れがスムーズとなって、通気性能が向上するという効果がある。
本発明に係る通気装置の構成を示す斜視図である。 本発明に係る通気装置の構成を示す側面図である。 本発明に係る通気装置を用いた壁体構造部の換気構造の一例を示す縦断面図である。 本発明に係る通気装置を用いた壁体構造部の換気構造の他の例を示す縦断面図である。 従来のL型通気部材を用いた壁体構造部の換気構造の構成例を示す縦断面図である。
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について、添付図面に依拠して説明する。なお、本発明において言う壁体構造部には、少なくともパラペットとベランダの手摺りが含まれる。
図1は本発明に係る通気装置10の構成例を示す斜視図、図2はその側面図であり、そこに示されるように該通気装置10は、断面が逆台形形状であって、短尺方向の一端面である傾斜開口面14から他端面である垂直開口面13に抜ける通気路12が多数縦横に連設された樹脂製の通気部材11と、上面22とこれに続く傾斜通気面23及び底面24とから成っていて、上面22と底面24間において通気部材11を挟持するカバー材21とで構成される。
通気部材11の通気路12が開口する垂直開口面13は、カバー材21の傾斜通気面23に対向し、通気部材11の施工時において外方向に向けられ、傾斜開口面14は、施工時において内方に向けられる。
カバー材21の上面22は延長されて固定面25が形成され、その任意の位置に、通気装置10を、後述する壁体4又は下地材7の上面に留付ける際に利用する留付孔26が穿設される。また、必要に応じ、固定面25の端辺が下方に折り返される。傾斜通気面23は、上面22に対して鈍角となるように折曲して形成される。また、傾斜通気面23には、十分な通気面積を確保するための開口27が形成される。開口27は、図1に示されるように、上面22の一部にまで及ぶこともある。また、必要に応じ、固定面25の裏面、カバー材21の底面24、カバー材21の底面24から露出している通気部材11の底面のうちの少なくとも一箇所に熱膨張材29が配置される(図2参照)。
この通気装置10を用いた本発明に係る壁体構造部の換気構造は、壁体4の両側に通気層5、6を設け、その一方又は双方の上端開口部に通気装置10を配置し、その上に笠木1を配して成るものである。通気装置10は、通気部材11の傾斜開口面14が通気層5、6に連通し、また、カバー材21の傾斜通気面23の開口27が、サイディング3と笠木1の立下り部2との間の空間に連通するように配置される。
図3に示す例は、内外双方の通気層5、6が外方に開口される構成のものであり、その場合は、各通気層5、6の外方開口部にそれぞれ通気装置10が配置される。通気装置10は、サイディング3の施工前に設置することができ、また、その施工後に設置することもできる。
通気装置10をサイディング3の施工前に設置する場合(図3の左半部参照)は、先ず、留付孔26を利用して固定面25を壁体4の上面に、透湿・防水シート8等を介して固定し、その後、サイディング3を打付ける。この場合、サイディング3の上端部が通気装置10の底面24に隙間なく当接するように施工することは難しい。そこで、サイディング3の高さを低めに設定することで、意図的に、サイディング3の上端部と通気装置10の底面24との間に隙間ができるようにし、そこにシーリング剤28を充填して封止するようにすることが好ましい。
通気装置10をサイディング3の施工後に設置する場合(図3の右半部参照)は、通気装置10は、その底面24をサイディング3の上端面上に載置し、留付孔26を利用して固定面25を壁体4の上面に、透湿・防水シート8等を介して固定する。なお、この場合は、安定した固定状態とするために、底面24とサイディング3の外側面上端部との間に、シーリング剤28を塗布することが好ましい。
この図3に示す例の場合、内外通気層5、6内を上昇してくる空気は、先ず、通気装置10の通気部材11の傾斜開口面14に向かって流れ、傾斜開口面14の各通気路12内に入り込んで進行し、垂直開口面13から抜ける。そして、その後、カバー材21の傾斜通気面23に形成されている開口27を通り抜けて、サイディング3と笠木1の立下り部2との間の空間を通って大気に放出される。
図4に示す例の場合は、外側の通気層5のみが外方に開口され、上記実施形態の場合と同様にして、通気装置10がサイディング3の上端面上に載置される。一方内側の通気層6は、その閉塞された上端部が、壁体4の上面に適宜間隔置きに定着される下地材7間に形成される通気空間9を介し、外側の通気層5の上端部と連通するように構成される。
この例の場合、外側の通気層5内を上昇してくる空気は、上記実施形態の場合と同様に、通気装置10の通気部材11の傾斜開口面14から各通気路12内に進入し、垂直開口面13から抜ける。また、内側の通気層6内を上昇してくる空気は、通気空間9を通って外側の通気層5内を上昇してくる空気と合流し、通気部材11及び開口27を通り抜けて、サイディング3と笠木1の立下り部2との間の空間から大気に放出される。
上記いずれの実施形態の場合も、通気装置10は、笠木1の立下り部2によって隠蔽されるサイディング3の上側に設置されるため、いかに立下り部2が短いとしてもその一部が露出することはなく、それが露出することによって外観が損なわれるおそれはない。
また、内外通気層5、6内を上昇してくる空気は、通気部材11の垂直開口面13を抜けた後、そのまま直進してカバー材21の傾斜通気面23に形成されている開口27を抜けて放出される。本発明に係る換気構造の場合は、このように、通気部材11の垂直開口面13を抜けた空気は、そのまま直進して開口27を通り抜け、サイディング3と笠木1の立下り部2との間の空間から大気に放出されるので、空気の流れが直角となる従来のL型通気部材の場合よりも通気抵抗が少なく、空気の流れがスムーズとなって、通気性能が向上し、以て、十分な換気機能を備えた壁体構造部の換気構造が得られる。
なお、固定面25の裏面、カバー材21の底面24、カバー材21の底面24から露出している通気部材11の底面のうちの少なくとも一箇所に熱膨張材29を配置した場合は、万一の出火時に、熱膨張材29が膨張してその部分を完全に閉塞するため、炎の伝播が確実に阻止される。
この発明をある程度詳細にその最も好ましい実施形態について説明してきたが、この発明の精神と範囲に反することなしに広範に異なる実施形態を構成することができることは明白である。従って、この発明は添付請求の範囲において限定した以外はその特定の実施形態に制約されるものではない。
1 笠木
2 立下り部
3 サイディング
4 壁体
5 外側通気層
6 内側通気層
7 下地材
8 透湿・防水シート
9 通気空間
10 通気装置
11 通気部材
12 通気路
13 垂直開口面
14 傾斜開口面
21 カバー材
22 上面
23 傾斜通気面
24 底面
25 固定面
26 留付孔
27 開口
28 シーリング材
29 熱膨張材

Claims (7)

  1. 断面が逆台形形状であって、短尺方向の一端面の傾斜開口面から他端面の垂直開口面に抜ける通気路が多数縦横に連設された樹脂製の通気部材と、上面とこれに続く傾斜通気面と底面とから成っていて、前記上面と前記底面間において前記通気部材を挟持するカバー材とで構成され、
    前記通気部材の垂直開口面に対向する前記カバー材の傾斜通気面に、通気性を確保するための開口設け、前記カバー材の上面を延長して固定面を形成して成る通気装置。
  2. 前記カバー材の固定面に留付孔が穿設される、請求項1に記載の通気装置。
  3. 前記固定面の裏面、前記カバー材の底面、前記カバー材の底面から露出している前記通気部材の底面のうちの少なくとも一箇所に熱膨張材を配置した、請求項1又は2に記載の通気装置。
  4. 壁体の両面に通気層を設け、前記通気層の一方又は双方の上端の外方開口部に請求項1乃至3のいずれかに記載の通気装置を配置し、その上に笠木を配して成る換気構造であって、前記通気装置は、前記通気部材の傾斜開口面が前記通気層に連通し、前記カバー材の傾斜通気面の開口がサイディングと前記笠木の立下り部との間の空間に連通するように配置されて成ることを特徴とする壁体構造部の換気構造。
  5. 前記通気層のうちの一方の通気層のみが外方に開口されて前記通気装置が設置され、他方の通気層は、前記壁体上面に適宜間隔置きに定着される下地材間に形成される通気空間を介して、前記一方の通気層と連通状態にされ、前記通気装置は、その固定面が前記下地材の上面に固定されることによって設置固定される、請求項4に記載の壁体構造部の換気構造。
  6. 前記通気装置の底面と前記サイディングの外側面上端部との間にシーリング剤が塗布される、請求項4又は5に記載の壁体構造部の換気構造。
  7. 前記通気装置は、前記サイディングを施工する前に設置され、前記サイディングの施工後、前記サイディングと前記通気装置の底面との間にシーリング剤が充填される、請求項4乃至6のいずれかに記載の壁体構造部の換気構造。
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