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JP6432050B2 - 医療用マニピュレータ - Google Patents
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JP6432050B2 - 医療用マニピュレータ - Google Patents

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Description

本発明は、医療用マニピュレータに関する。
従来、内視鏡下外科手術(又は腹腔鏡下手術とも呼ばれる。)においては、例えば、患者の腹部等に複数の孔を開け、器具の通過ポートとしてトロカー(筒状の器具)を挿入した後、医療用マニピュレータの先端部をトロカーを通じて体腔内に挿入して患部の手術を行っている。
このような内視鏡下外科手術において用いられる医療用マニピュレータは、例えば、中空のシャフトと、当該シャフト内に挿通されるワイヤ部材と、シャフトの一端側に設けられ、ワイヤ部材を軸線方向に進退駆動する駆動機構部と、シャフトの他端側に設けられ、ワイヤ部材の進退駆動によって動作される先端動作部とを備える構造を有している。先端動作部としては、例えば、生体組織を把持するためのグリッパや、切断用の鋏、血管の封止や組織切開・剥離を行う電気メスの電極、縫合用の針を備える縫合ユニット、腸管を吻合する吻合ユニット等、種々のエンドエフェクタが知られている。
特開2012−065889号公報
医療用マニピュレータは、シャフト内に挿通されるワイヤ部材の進退駆動によってグリッパや電気メス電極等の先端動作部を動作する機構を有するものであることから、先端動作部による繊細な動作を得るためには、シャフト内におけるワイヤ部材のスムーズな進退移動が要求される。
本発明は、かかる要求に応えるべくなされたものであって、高い摺動性を発揮することができる医療用マニピュレータを提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、中空のシャフトと、前記シャフト内に挿通されるワイヤ部材と、前記シャフトの一端側に設けられ、前記ワイヤ部材を軸線方向に進退駆動する駆動機構部と、前記シャフトの他端側に設けられ、前記ワイヤ部材の前記進退駆動によって動作される先端動作部とを備える医療用マニピュレータであって、前記ワイヤ部材は、長尺なワイヤ本体と、前記ワイヤ本体の外表面に螺旋状に配置され固定されている線材とを備え、前記線材は、易滑性を有する疎水性高分子材料からなる疎水性線材と、易滑性を有する親水性高分子材料から形成される親水性線材との撚糸である医療用マニピュレータにより達成される。

また、本発明の上記目的は、中空のシャフトと、前記シャフト内に挿通されるワイヤ部材と、前記シャフトの一端側に設けられ、前記ワイヤ部材を軸線方向に進退駆動する駆動機構部と、前記シャフトの他端側に設けられ、前記ワイヤ部材の前記進退駆動によって動作される先端動作部とを備える医療用マニピュレータであって、前記シャフトは、長尺状の芯材と、前記芯材の外表面に螺旋状に配置され固定されている線材とを備えるシャフト形成部材を螺旋状に巻回して構成される筒状のコイルチューブとして構成されており、前記線材は、易滑性の線状部材からなり、かつ、高分子材料を含む線材である医療用マニピュレータにより達成される。ここで、前記シャフト形成部材は、前記芯材に対して前記線材がS巻き方向で配置されて構成されており、前記シャフトは、該シャフトの軸線に対して前記シャフト形成部材がZ巻き方向で巻回して構成されるようすることができる。また、前記シャフト形成部材は、前記芯材に対して前記線材がZ巻き方向で配置されて構成されており、前記シャフトは、該シャフトの軸線に対して前記シャフト形成部材がS巻き方向で巻回して構成されるようにしてもよい。
本発明によれば、高い摺動性を発揮する医療用マニピュレータを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る医療用マニピュレータの側面図である。 図1に示す医療用マニピュレータが備えるワイヤ部材の要部拡大側面図である。 図2に示すワイヤ部材の変形例を示す概略構成断面図である。 図3に示すワイヤ部材の湿潤状態における断面を示す概略構成断面図である。 図3に示すワイヤ部材の変形例を示す概略構成断面図である。 図3に示すワイヤ部材の変形例を示す概略構成断面図である。 ワイヤ本体の表面に巻回される線材の断面形状を説明するための説明図である。 シャフトの軸線方向に沿った断面を示す概略構成断面図である。 図8に示すシャフトを形成する際に用いられるシャフト形成部材の要部拡大側面図である。 図8に示すシャフトの製造方法を説明するためのブロック図である。 図8に示すシャフトの製造過程を説明するための説明図である。 図8の矢視A方向から見た概略構成正面図である。 図8に示すシャフトの変形例を示す概略構成断面図である。 シャフトの製造方法の他の変形例を説明するためのブロック図である。 図14に示すシャフトの製造方法におけるシャフト形成部材配置ステップの工程を説明するための説明図である。
以下、本発明の実施形態にかかる医療用マニピュレータの一例について添付図面を参照して説明する。なお、各図は、構成の理解を容易ならしめるために部分的に拡大・縮小している。図1は、本発明の一実施形態に係る医療用マニピュレータ1の側面図である。この医療用マニピュレータ1は、患者の腹壁等を貫通されたトロカー等や、口、肛門等の自然開口を経由して体腔内に挿入して使用される。医療用マニピュレータ1は、図1に示すように、中空のシャフト2と、シャフト2内に挿通されるワイヤ部材3と、シャフト2の一端側に設けられ、ワイヤ部材3を軸線方向に進退駆動する駆動機構部4と、シャフト2の他端側に設けられ、ワイヤ部材3の進退駆動によって動作される先端動作部5とを備えている。ここで、先端動作部5の種類を変更することにより、医療用マニピュレータ1は、把持鉗子、剥離鉗子、組織切除パンチ、ロンジュール、組織切除器具、経膣摘出器、持針器、クリップアプライヤーニードルドライバ、モノポーラ電気メス、バイポーラ電気メス、吻合器、縫合器等の各種医療器具として構成され得る。
シャフト2は、体腔内に挿入される部材であり、可撓性を有さない硬質の筒状部材である。このシャフト2は、内部に管腔(チャンネル)を有している。なお、シャフト2は、可撓性を有する筒状部材として構成してもよい。
ワイヤ部材3は、上述のように、シャフト2内に挿通されて配置される部材であり、一方の端部が駆動機構部4と接続し、他方の端部が先端動作部5に接続している。このワイヤ部材3は、図2の要部拡大側面図に示すように、長尺なワイヤ本体31と、ワイヤ本体31の外表面に螺旋状に配置される線材32とを備えるように構成されている。
ワイヤ本体31としては、医療用マニピュレータ1の動力伝達部材として使用される従来からある種々のワイヤを構成する材料を用いて形成することができる。例えば、ステンレス鋼、ピアノ線、コバルト系合金、擬弾性を示す合金(超弾性合金を含む)などの各種金属材料を使用することができる。
ここで、シャフト2を可撓性を有する構成とする場合には、特に、超弾性合金からワイヤ本体31を形成することが好ましい。超弾性合金は、比較的柔軟であるとともに、復元性があり、曲がり癖が付き難いので、ワイヤ本体31を超弾性合金で構成することにより、ワイヤ部材3は、高い柔軟性と曲げに対する復元性が得られ、湾曲するシャフト2に対する追従性が向上し、より優れた操作性が得られる。また、ワイヤ部材3が湾曲・屈曲変形を繰り返しても、ワイヤ本体31の復元性により曲がり癖が付かないので、医療用マニピュレータ1の使用中に曲がり癖が付くことによる操作性の低下を防止することができる。
また、ワイヤ本体31の形態としては種々の形態を採用することができる。例えば、一本の鋼材によってワイヤ本体31を形成してもよく、或いは、一本の線状鋼材を折り合わせた後撚り合わせてワイヤ本体31を形成してもよい。また、複数の線状鋼材を撚り合わせてワイヤ本体31を形成してもよく、線状鋼材及び高分子製線状部材を撚り合わせて形成してもよい。更には、中心部分と表面部分とが異なる材料から形成されているもの(二層構造のもの、例えば、金属からなる中心部分の外表面に熱硬化性高分子をコーティングして表面部分を構成したような部材)等、種々の構成を採用することができる。
また、ワイヤ本体31の表面全体に予めフッ素系高分子コーティングを施してよい。フッ素系高分子としては、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA、融点300〜310℃)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、融点330℃)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP、融点250〜280℃)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE、融点260〜270℃)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF、融点160〜180℃)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE、融点210℃)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPE、融点290〜300℃)等、及び、これらのポリマーを含むコポリマー等のフッ素系高分子を例示することができる。
ワイヤ本体31の外表面に螺旋状に配置される線材32は、可撓性を有する易滑性の線状部材であり、ワイヤ本体31の外表面に熱融着して固定されている。このような線材32としては種々の高分子材料から形成することができるが、例えば、易滑性(潤滑性)を有するフッ素系高分子から形成される線材32を挙げることができる。このようなフッ素系高分子としては、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA、融点300〜310℃)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、融点330℃)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP、融点250〜280℃)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE、融点260〜270℃)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF、融点160〜180℃)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE、融点210℃)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPE、融点290〜300℃)等、及び、これらのポリマーを含むコポリマー等のフッ素系高分子から形成した疎水性高分子を挙げることができる。なかでも、優れた摺動特性を有することから、PFA、PTFE、FEP、ETFE、PVDFが好ましい。また、線材32としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ウレタン、シリコーン、ポリエチレンやポリプロピレン等の疎水性高分子から形成される線材32を使用することもできる。
また、線材32としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、無水マレイン酸系高分子物質、アクリルアミド系高分子物質、水溶性ナイロン等の親水性高分子材料から形成される易滑性を有する線材32を使用することもできる。また、線材32を形成する親水性高分子材料としては、例えば、綿セルロース、レーヨン(ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、ポリノジックレーヨンなど)、セルロースエステル類(セルロースアセテートやセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート)に代表されるセルロース系高分子を採用してもよい。また、疎水性高分子材料から線材32を形成し、この線材32に対して公知の親水性化処理を施すことにより親水性の線材32を形成してもよい。例えば、疎水性を有するセルロースエステル類材料から線材32を形成し、この線材32に対して、セルロースの水酸基をカルボキシル基に酸化する等の公知の親水性化処理を施した後、当該親水性処理がなされた線材32を使用し、ワイヤ本体31の外表面に配置するようにしてもよい。或いは、疎水性を有するセルロースエステル類材料から線材32を形成し、この線材32をワイヤ本体31の外表面に配置した後、当該線材32に対して親水性化処理を施して、ワイヤ本体31の表面に螺旋状に配置される親水性の線材32を形成するようにしてもよい。
上述の各種高分子材料から線材32を製造する方法は特に限定されず、例えば、原料を押出成形により紡糸する方法等の従来公知の方法を用いることができる。また、ワイヤ本体31に線材32を巻き付ける方法は特に限定されず、例えば、カバリング糸を製造するために使用されるカバリング装置を用いて巻き付ける方法等が挙げられる。
線材32は、上述のように、ワイヤ本体31の表面に対して螺旋状に巻回されて熱融着されているが、ワイヤ本体31の長手方向に沿う方向に隣り合う線材32同士の間隔は、任意に設定することができる。例えば、ワイヤ本体31の長手方向に沿う方向に隣り合う線材32同士が、互いに密接するように構成してもよく、或いは、ワイヤ本体31の長手方向に沿う方向に所定の間隔を設けるように構成してもよい。また、隣り合う線材32同士の間隔を一部分において広く設定し、その他の部分において狭く設定するようにして構成してもよい。ワイヤ本体31の長手方向に沿う方向に隣り合う線材32同士に所定の間隔を形成する場合には、例えば、ワイヤ本体31の長手方向に沿う方向における線材32の線材ピッチが、線材32の最大径の1〜10倍の範囲となるように構成することが好ましい。なお、線材32の線材ピッチとは、図2の側面図に示すように、ワイヤ本体31の長手方向に沿う方向に隣り合う線材32同士の中心間距離を表す概念である。
また、線材32は、ワイヤ本体31の表面に螺旋状に巻回されて熱融着されているが、線材32をワイヤ本体31の表面に熱融着させる方法としては、例えば、線材32をワイヤ本体31の表面に螺旋状に巻回した後、加熱することによって線材32を溶融させて、線材32をワイヤ本体31の表面に融着させる方法を挙げることができる。加熱処理の方法としては、例えば、チャンバー型熱処理装置を用い、ワイヤ本体31に巻回された線材32の外側から熱を付与することにより行うことができる。また、ワイヤ本体31を高抵抗な導電性材料(電気を通しやすい材料)により構成することで、ワイヤ本体31の両端に電圧を印加して通電加熱することによっても行うことができる。
また、特に、ワイヤ本体31を、導電性材料により構成するとともに、線材32を、ワイヤ本体31よりも磁性が低い材料により形成する場合には、ワイヤ本体31上に配置された線材32の外側からワイヤ本体31を電磁誘導加熱装置により電磁誘導加熱し、加熱されたワイヤ本体31の熱によって線材32とワイヤ本体31との対向領域の少なくともいずれか一方を溶融させて、線材32をワイヤ本体31に融着させるようにして、線材32をワイヤ本体31の外表面に合着させることが好ましい。なお、ワイヤ本体31よりも磁性が低い材料とは、ワイヤ本体31よりも磁性が弱い材料の他、磁性が無い材料を含む概念である。なお、電磁誘導加熱とは、電磁調理器(IHクッキングヒーター)や高周波溶接等にも利用されている加熱方式の一種であり、コイルに交流電流を流すことにより磁界(磁束密度)の変化を生じさせ、その磁界内に置いた導電性物質に誘導電流(渦電流)を発生させて、その抵抗により導電性物質自体を発熱させる原理を利用した加熱方式である。
電磁誘導加熱されたワイヤ本体31に生じる誘導電流の密度は、ワイヤ本体31の中心からその表面に近いほど高くなることから、ワイヤ本体31の内部に比べてその表面の方が早く加熱(集中して加熱)されることとなる。したがって、ワイヤ本体31の融点が線材32の融点よりも低い場合には、集中して加熱されるワイヤ本体31の表面(ワイヤ本体31における線材32との対向領域(接触領域))が溶融することとなる。また、線材32の融点がワイヤ本体31の融点よりも低い場合には、ワイヤ本体31が発した熱が線材32に伝わって、線材32におけるワイヤ本体31との対向領域(接触領域)が溶融することとなる。なお、電磁誘導加熱装置に流れる電流(コイルに流れる交流電流)の周波数を高く設定することにより、ワイヤ本体31において発熱する部位をその表面に集めることができ、逆に、電流の周波数を低く設定することによりワイヤ本体31の内部も均一に発熱させることができるため、電磁誘導加熱装置に流れる電流の周波数を適宜変更できるように構成することが好ましい。
このように電磁誘導加熱を行うことにより、線材32とワイヤ本体31との接触界面及びその近傍で速やかに軟化又は溶融するため、線材32の物性に寄与する分子配向を維持しやすく、上記線材32の機械的強度をより高く保つことができる。また、外部からの伝熱又は輻射、エネルギー線照射等による加熱と異なり、線材32とワイヤ本体31との接触界面及びその近傍のみで軟化又は溶融するため、ワイヤ本体31の外表面となる側の表面凹凸形状が維持しやすくなる。ここでの表面凹凸形状は、線材32の直径や線材ピッチによって異なるだけでなく、ワイヤ本体31の加熱条件を変えることでも、線材32の溶融状態が変わるため、さまざまな形状にすることができる。
また、ワイヤ本体31の外表面に線材32をより強固に接着させるためには、プライマーなどの接着剤をワイヤ本体31の外表面に塗布した後に、当該ワイヤ本体31の外表面に線材32を巻回し、その後、加熱することによって接着剤及び線材32を溶融させて、ワイヤ本体31上に線材32を融着させてもよい。
駆動機構部4は、図1に示すように、シャフト2の一端側に設けられ、ワイヤ部材3を軸線方向に進退駆動させる機能を有する部材であり、筐体部41と、グリップハンドル42と、トリガレバー43とを備えている。シャフト2内に挿通されるワイヤ部材3の一方端は、筐体部41内においてリンク機構44を介してトリガレバー43と連結しており、当該トリガレバー43の開閉操作によって、ワイヤ部材3を進退駆動させて、先端動作部5が所望の動作を行うように構成されている。なお、駆動機構部4は、動力伝達部材であるワイヤ部材3を介して先端動作部5が所望の動作を行えるようにするものであれば、その構成は限定されず、従来から医療用マニピュレータ1の駆動機構部4として採用されている種々の構造を利用することができる。図1に示す構成においては、トリガレバー43の開閉操作によって、先端動作部5が所望の動作を行うように構成しているが、例えば、モータを筐体部41内に配設すると共に、当該モータの操作スイッチを筐体部41の表面に設けるように構成し、操作スイッチの押圧操作によってモータを駆動させてワイヤ部材3を進退駆動可能となるように構成してもよい。
先端動作部5は、シャフト2の他端側に設けられ、駆動機構部4を介したワイヤ部材3の進退駆動によって動作される手段であり、例えば、生体組織を把持するためのグリッパや、切断用の鋏、血管の封止や組織切開・剥離を行う電気メスの電極、縫合用の針を備える縫合ユニット、腸管を吻合する吻合ユニット等、種々のエンドエフェクタを利用することができる。図1においては、先端動作部5として、生体組織を把持するためのグリッパを用いている。グリッパは、トリガレバー43を開くことにより開き、トリガレバー43を閉じることにより閉じるように構成されている。なお、先端動作部5の具体例としては、上記したもの以外の種々のエンドエフェクタを用いることができる。
本実施形態に係る医療用マニピュレータ1は、シャフト2の内部に挿通されるワイヤ部材3が、ワイヤ本体31の表面に螺旋状に巻回される易滑性の線材32を備えているため、シャフト2内でワイヤ部材3が進退移動する際の、シャフト内面とワイヤ部材3との摺動抵抗を低減でき、高い摺動性を得ることが可能となる。
また、ワイヤ本体31の表面に螺旋状に巻回される易滑性の線材32は、ワイヤ本体31の表面から突出する凸部を形成し、当該凸部がシャフト2の内面と接触することになるため、ワイヤ部材3とシャフト2の内面との接触面積を大幅に減少させることができる。これにより、より一層、シャフト2に対するワイヤ部材3のスムーズな進退移動が可能となる。
以上、本発明に係る医療用マニピュレータ1について説明したが、具体的構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態においては、図2の側面図に示すように、ワイヤ本体31の表面に単一の線材32を螺旋状に巻回して熱融着させることによりワイヤ部材3を作製しているが、このような構成に特に限定されず、例えば、太さが同一或いは異なる複数の線材32をワイヤ本体31の外表面に螺旋状(二重螺旋状、三重螺旋状等)に巻回して熱融着することにより、ワイヤ部材3を形成してもよい。
ここで、易滑性を有する疎水性高分子材料から形成される疎水性線材と、易滑性を有する親水性高分子材料から形成される親水性線材とを、ワイヤ本体31の外表面に螺旋状(二重螺旋状、三重螺旋状等)に巻回してワイヤ部材3を構成する場合、乾燥状態において(親水性線材が水分を含んでいない状態において)、図3の断面図に示すように、ワイヤ本体31の表面からの疎水性線材32aの最大高さが、ワイヤ本体31の表面からの親水性線材32bの最大高さよりも高くなるように構成することが好ましい。また、図4に示すように、ワイヤ部材3が体液や造影剤等によって濡れた状態、つまり湿潤状態となり、親水性線材32bが水分を含んで膨潤した状態において、ワイヤ本体31の表面からの親水性線材32bの最大高さが、湿潤状態において、ワイヤ本体31の表面からの疎水性線材32aの最大高さよりも高くなるように構成することが好ましい。このような構成を採用することにより、例えば、シャフト2内のワイヤ部材3が体液や造影剤等によって濡れていない環境、つまり乾燥環境(ドライ環境)で医療用マニピュレータ1が使用される場合、ドライ環境で高い摺動性を発揮する疎水性線材32aが、シャフト2の内壁と接触することになり、施術者が行う医療用マニピュレータ1の操作を円滑にスムーズに行うことが可能となる。一方、シャフト2内のワイヤ部材3が体液や造影剤等によって濡れた環境、つまり湿潤環境(ウェット環境)で医療用マニピュレータ1が使用される場合には、親水性線材32bが水分を含むことにより、図4に示すように、親水性線材32bの最外部(頂部)が、疎水性線材32aの最外部(頂部)よりも高くなる膨潤状態となり、ウェット環境で高い摺動性を発揮する親水性線材32bが、シャフト2の内壁と接触することになる。これにより、ウェット環境時において、施術者は、医療用マニピュレータ1の操作を円滑にスムーズに行うことが可能となる。このように医療用マニピュレータ1におけるシャフト2内の環境が、乾燥環境(ドライ環境)或いは湿潤環境(ウェット環境)のいずれの状況であっても、高い摺動性を発揮することが可能となる。
また、疎水性線材32aと親水性線材32bとを、ワイヤ本体31の外表面に螺旋状(二重螺旋状、三重螺旋状等)に巻回してワイヤ部材3を構成する場合、図5の断面図に示すように、ワイヤ本体31の長手方向に見て隣り合う疎水性線材32aと親水性線材32bとの間に形成される間隙部において、ワイヤ本体31の露出面を被覆する被覆層33を設けてもよい。当該被覆層33を形成する材料としては、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA、融点300〜310℃)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、融点330℃)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP、融点250〜280℃)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE、融点260〜270℃)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF、融点160〜180℃)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE、融点210℃)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPE、融点290〜300℃)等、及び、これらのポリマーを含むコポリマー等のフッ素系高分子を例示することができる。このような被覆層33を設けることにより、ワイヤ部材3が体液や造影剤等で濡れた際、水分は被覆層33によって弾かれて親水性線材32b側に導かれることとなり、親水性線材32bは速やかに水分を吸収して膨潤状態へと移行することとなる。この結果、湿潤環境での使用に適した状態へとワイヤ部材3をより迅速に変化させることが可能となる。
また、図3に示すワイヤ部材3においては、親水性線材32bが水分を含んでいない状態(乾燥状態)において、疎水性線材32aと親水性線材32b同士が互いに接しない構造を有しているが、図6の断面図に示すように、ワイヤ本体31の長手方向に沿う方向において、疎水性線材32aと親水性線材32bとが、互いに接するように構成してもよい。このような構成の場合、ワイヤ部材3が体液や造影剤等によって濡れることによって親水性線材32bが水分を含んで膨潤する際の膨潤方向がワイヤ本体31の径方向外側となるように、親水性線材32bの両側に配置される疎水性線材32aが親水性線材32bの膨潤方向を規制する機能を発揮する。これにより、湿潤環境(ウェット環境)時において、ワイヤ本体31の表面からの親水性線材32bの最大高さが、ワイヤ本体31の表面からの疎水性線材32aの最大高さよりも確実に高くなるように親水性線材32bを膨潤させることができ、湿潤環境(ウェット環境)時において、親水性線材32bが、シャフト2の内壁と確実に接触できるように構成できる。
また、上記実施形態においては、ワイヤ本体31の表面に巻回される線材32の断面形状は特に限定されず、断面形状が円形或いは非円形であってもよい。非円形の断面形状としては、例えば、楕円形状や多角形の断面形状、扇型の断面形状等を例示できる。ここで、多角形の断面形状を有する線材32とは、例えば、図7(a)に示す断面視三角形状や、(b)に示す断面視五角形状、(c)に示す断面視星形状のように、角が立った多角形状の断面を有する線材の他、図7(d)〜(f)に示すような、角に丸みを帯びた断面視三角形状、断面視五角形状、断面視星形状等の断面を有する線材や、図7(g)〜(i)に示すような、いびつに変形した断面視三角形状、断面視五角形状、断面視星形状等の断面を有する線材を含む概念である。なお、このような断面非円形の線材32を用いてワイヤ部材3を形成した場合であっても、シャフト2の内壁と接する部分は、線材32の最外部(頂部)となることから、シャフト2に対するワイヤ部材3の摺動性は低下しない。
また、上記実施形態においては、線材32として、上述した高分子材料単体により製造される線材32の他、種類の異なる高分子材料を組み合わせて製造される線材32や、高分子材料及び金属材料を組み合わせて製造される線材32、高分子材料及び非金属材料を組み合わせて製造される線材32等を用いることができる。線材32の形態としては、単線でもよく、或いは、同一種類の単線同士を撚り合わせて形成される撚線であってもよい。また、種類の異なる単線を撚り合わせて形成される撚線であってもよい。
種類の異なる高分子材料を組み合わせて線材32を構成する場合、易滑性を有する疎水性高分子材料から形成される疎水性線材と、易滑性を有する親水性高分子材料から形成される親水性線材とを撚糸して形成した線材32を用いることが好ましい。撚糸に供される疎水性線材及び親水性線材のそれぞれの本数は特に限定されず、種々の本数を組み合わせて形成することができる。ここで、疎水性高分子材料から形成される疎水性線材はその材料特性から熱可塑性の性質を持ちやすく、熱融着に好適である一方、親水性高分子材料から形成される親水性線材は、親水性高分子材料の種類によっては、分子間の水素結合に基づいて熱融着するのに十分な熱可塑性を有しない場合もあり、不十分な熱融着に基づき、剥離を生じてしまうことが懸念される。しかしながら、上述のように、疎水性線材及び親水性線材を撚糸することにより線材32を形成し、この線材32をワイヤ本体31表面に巻回して、融着させることで、疎水性線材の高度な熱可塑性に基づいてワイヤ本体31との強固な融着構造が得られると共に、親水性線材は、疎水性線材に抱き込まれてワイヤ本体31の近傍に存在する構造を実現することができ、親水性線材がワイヤ本体31から離脱することを確実に防止しつつ、乾燥環境(ドライ環境)或いは湿潤環境(ウェット環境)のいずれの状況であっても、良好な摺動性を持続するワイヤ部材3を得ることができる。
また、上述のように、疎水性線材及び親水性線材を撚糸することにより線材32を形成し、この線材32をワイヤ本体31表面に巻回してワイヤ部材3を構成する場合、疎水性線材を、例えば、ポリエステル系高分子やポリアミド系高分子等から構成することが好ましい。疎水性線材及び親水性線材を撚糸して形成した線材32をワイヤ本体31の表面に配置して熱融着させる際、疎水性線材をポリエステル系高分子やポリアミド系高分子等から形成することで、融着温度を比較的低く抑えることが可能となるため、親水性線材の熱による劣化を生じにくくすることが可能となる。ここで、ポリエステル系高分子としては、融着温度が低温である点で脂肪族ポリエステル系高分子がより好ましい。脂肪族ポリエステル系高分子としては 例えば、グリコールと脂肪族ジカルボン酸との重縮合などにより得られるポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンオキザレート、ポリブチレンオキザレート、ポリネオペンチルオキザレート、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンセバケート、ポリヘキサメチレンセバケートなどが挙げられる。また、脂肪族ポリエステル系高分子としては、例えば、ポリグリコール酸やポリ乳酸などのようなポリ(α−ヒドロキシ酸)またはこれらの共重合体、ポリ(ε−カプロラクトン)やポリ(β−プロピオラクトン)のようなポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバリレート)、ポリ(3−ヒドロキシカプロレート)、ポリ(3−ヒドロキシヘプタノエート)、ポリ(3−ヒドロキシオクタノエート)のようなポリ(β−ヒドロキシアルカノエート)及びポリ(4−ヒドロキシブチレート)などの脂肪族ポリエステルを挙げることができる。また、上述のポリアミド系高分子としては、融着温度が低温である点で脂肪族ポリアミド系高分子がより好ましい。脂肪族ポリアミド系高分子としては、ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド6、ポリアミド66等を例示できる。
また、上記実施形態においては、ワイヤ本体31の表面に配置される線材32として、上述のように、例えば、原料を押出成形により紡糸する方法等の従来公知の方法を用いて形成されるものを例示したが、このようなものに限定されず、例えば、ワイヤ本体31の表面にコーティングにより螺旋状に配置される線状部材として形成してもよい。コーティングの方法は特に限定されず、例えば、ワイヤ本体31の表面において、線材32が配置される部分以外の領域をマスキングした後、所定のコーティング用材料(例えば、上記した線材32を形成するための高分子材料)を塗布して線材32を形成し、その後、マスキングを除去することにより行うことができる。なお、マスキングは、例えばマスキングテープを用い、このマスキングテープをワイヤ本体31の表面に螺旋状に、かつ、所定幅の隙間を空けて巻回することにより行うことができる。
また、上記実施形態においては、線材32は、ワイヤ本体31の表面に対して熱融着されて固定されているが、このような構成に特に限定されず、例えば、接着剤によって、ワイヤ本体31の表面に線材32を固定してもよい。
また、上記実施形態においては、ワイヤ本体31の外表面に易滑性を有する線材32を螺旋状に巻回することによりワイヤ部材3を形成し、当該ワイヤ部材3とシャフト2との摺動性を高めるという構成を採用しているが、このような構成に特に限定されず、医療用マニピュレータ1の動力伝達部材として従来から使用される種々のワイヤを採用しつつ、シャフト2に易滑性を付与する構成を採用することにより、ワイヤ部材3とシャフト2との摺動性を高めることもできる。易滑性を有するシャフト2の具体的構成を以下に説明する。なお、以下に説明する易滑性を有するシャフト2と、上述したワイヤ部材3とを共に用いて医療用マニピュレータ1を構成してもよい。
図8は、易滑性が付与されたシャフト2の一例を示す概略構成断面図である。この断面図は、シャフト2における軸線方向に沿った断面を示している。このシャフト2は、長尺状の筒状部材である。このシャフト2は、シャフト形成部材2aにより形成されている。このシャフト形成部材2aは、その要部拡大側面図を表す図9に示すように、長尺状の芯材21の外表面を易滑性高分子繊維を含む線材22により螺旋状に巻回して構成される長尺状部材である。このシャフト形成部材2aを螺旋状に巻回して形成されるコイルチューブとしてシャフト2は構成されている。
長尺状の芯材21は、可撓性を有する部材であり、この芯材21としては、例えば、ステンレス線、ニッケル線、ピアノ線等の鋼線、コバルト系合金線材、擬弾性を示す合金線材(超弾性合金を含む)などの各種金属線材や、ステンレスやニッケル等の金属材料から形成される金属薄板を使用することができる。
また、芯材21の形態としては種々の形態を採用することができる。例えば、金属線材により芯材21を構成する場合、一本の金属線によって芯材21を形成してもよく、或いは、一本の金属線を折り合わせた後撚り合わせて芯材21を形成してもよい。また、複数の金属線を撚り合わせて芯材21を形成してもよく、金属線及び高分子製線状部材を撚り合わせて形成してもよい。更には、中心部分と表面部分とが異なる材料から形成されているもの等、種々の構成を採用することができる。
また、金属線材により芯材21を構成する場合、この金属線材の外径がほぼ一定となるように構成してもよく、或いは、部分的に拡径或いは縮径するように構成してもよい。なお、金属線材の最大径が、例えば、0.01mm〜2mmの範囲のものを芯材21として好ましく使用することができる。
また、金属薄板により芯材21を構成する場合、金属薄板の厚みや幅がそれぞれほぼ一定となるように構成してもよく、或いは、部分的に厚みや幅の寸法を変化させるように構成してもよい。なお、金属薄板としては、その厚みが、例えば、0.005mm〜0.5mmの範囲であり、その幅が、例えば、0.5mm〜10mmの範囲のものを好ましく使用することができる。
また、芯材21の外表面に螺旋状に巻回されて配置される易滑性高分子繊維を含む線材22は、可撓性を有する線状部材である。芯材21の外表面に螺旋状に巻回されて配置される線材22は、芯材21の外表面に熱融着して固定されている。
このような線材22としては種々の高分子材料から形成することができるが、例えば、易滑性(潤滑性)を有するフッ素系高分子から形成される線材を挙げることができる。このようなフッ素系高分子としては、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA、融点300〜310℃)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、融点330℃)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP、融点250〜280℃)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE、融点260〜270℃)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF、融点160〜180℃)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE、融点210℃)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPE、融点290〜300℃)等、及び、これらのポリマーを含むコポリマー等のフッ素系高分子から形成した疎水性高分子を挙げることができる。なかでも、優れた摺動特性を有することから、PFA、PTFE、FEP、ETFE、PVDFが好ましい。また、線材22としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ウレタン、シリコーン、ポリエチレンやポリプロピレン等の疎水性高分子から形成される線材22を使用することもできる。
また、線材22としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、無水マレイン酸系高分子物質、アクリルアミド系高分子物質、水溶性ナイロン等の親水性高分子材料から形成される線材22を使用することもできる。また、線材22を形成する親水性高分子材料としては、例えば、綿セルロース、レーヨン(ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、ポリノジックレーヨンなど)、セルロースエステル類(セルロースアセテートやセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート)に代表されるセルロース系高分子を採用してもよい。また、疎水性高分子材料から線材22を形成し、この線材22に対して公知の親水性化処理を施すことにより親水性の線材22を形成してもよい。例えば、疎水性を有するセルロースエステル類材料から線材22を形成し、この線材22に対して、セルロースの水酸基をカルボキシル基に酸化する等の公知の親水性化処理を施した後、当該親水性処理がなされた線材22を使用し、芯材21の外表面に配置するようにしてもよい。或いは、疎水性を有するセルロースエステル類材料から線材22を形成し、この線材22を芯材21の外表面に配置した後、当該線材22に対して親水性化処理を施して、芯材21の表面に螺旋状に配置される親水性の線材22を形成するようにしてもよい。
上述の各種高分子材料から線材22を製造する方法は特に限定されず、例えば、原料を押出成形により紡糸する方法等の従来公知の方法を用いることができる。なお、線材22としては、その最大径が、芯材21への熱融着前において、10μm以上500μm以下であるものを好ましく使用できる。
芯材21に線材22を巻き付ける方法は特に限定されず、例えば、カバリング糸を製造するために使用されるカバリング装置を用いて巻き付ける方法等が挙げられる。
線材22は、上述のように、芯材21の表面に対して螺旋状に巻回されて熱融着されているが、芯材21の長手方向に沿う方向に隣り合う線材22同士の間隔は、任意に設定することができる。例えば、芯材21の長手方向に沿う方向に隣り合う線材22同士が、互いに密接するように構成してもよく、或いは、芯材21の長手方向に沿う方向に所定の間隔を設けるように構成してもよい。また、隣り合う線材22同士の間隔を一部分において広く設定し、その他の部分において狭く設定するようにして構成してもよい。芯材21の長手方向に沿う方向に隣り合う線材22同士に所定の間隔を形成する場合には、例えば、芯材21の長手方向に沿う方向における線材22の線材ピッチが、線材22の最大径の1〜10倍の範囲となるように構成することが好ましい。なお、線材22の線材ピッチとは、図9の側面図に示すように、芯材21の長手方向に沿う方向に隣り合う線材22同士の中心間距離を表す概念である。
また、線材22は、芯材21の表面に螺旋状に巻回されて熱融着されているが、線材22を芯材21の表面に熱融着させる方法としては、例えば、線材22を芯材21の表面に螺旋状に巻回した後、加熱することによって線材22を溶融させて、線材22を芯材21の表面に融着させる方法を挙げることができる。加熱処理の方法としては、例えば、チャンバー型熱処理装置を用い、芯材21に巻回された線材22の外側から熱を付与することにより行うことができる。また、芯材21を高抵抗な導電性材料(電気を通しやすい材料)により構成することで、芯材21の両端に電圧を印加して通電加熱することによっても行うことができる。また、特に、芯材21を、導電性材料により構成するとともに、線材22を、芯材21よりも磁性が低い材料により形成する場合には、芯材21上に配置された線材22の外側から芯材21を電磁誘導加熱装置により電磁誘導加熱し、加熱された芯材21の熱によって線材22と芯材21との対向領域の少なくともいずれか一方を溶融させて、線材22を芯材21に融着させるようにして、線材22を芯材21の外表面に合着させることが好ましい。
電磁誘導加熱方式により、線材22を芯材21の表面に合着させる場合、線材22と芯材21との接触界面及びその近傍で速やかに軟化又は溶融するため、線材22の物性に寄与する分子配向を維持しやすく、上記線材22の機械的強度をより高く保つことができる。また、外部からの伝熱又は輻射、エネルギー線照射等による加熱と異なり、線材22と芯材21との接触界面及びその近傍のみで軟化又は溶融するため、芯材21の外表面となる側の表面凹凸形状が維持しやすくなる。ここでの表面凹凸形状は、線材22の直径や線材ピッチによって異なるだけでなく、芯材21の加熱条件を変えることでも、線材22の溶融状態が変わるため、さまざまな形状にすることができる。
また、芯材21の外表面に線材22をより強固に接着させるためには、プライマーなどの接着剤を芯材21の外表面に塗布した後に、当該芯材21の外表面に線材22を巻回し、その後、加熱することによって接着剤及び線材22を溶融させて、芯材21上に線材22を融着させるのが好ましい。
次に、上記構成のシャフト2の製造方法について、図10のブロック図及び図11の製造過程を説明する説明図を用いて説明する。シャフト2の製造方法は、図10のブロック図に示すように、シャフト形成部材作製ステップS1と、シャフト形成ステップS2と、棒状体分離ステップS3とを備えている。シャフト形成部材作製ステップS1は、上述のように芯材21の外表面に易滑性高分子繊維を含む線材22を螺旋状に巻回し、線材22を芯材21に熱融着させることにより、シャフト形成部材2aを作製する工程である(図11(a)の概略側面図参照)。
シャフト形成ステップS2は、シャフト形成部材2aにより筒状のシャフト2を形成する工程であり、本実施形態においては、シャフト形成部材2aを螺旋状に巻回してコイルチューブを形成する工程である。より具体的に説明すると、シャフト形成ステップS2は、巻回ステップS21と、加熱ステップS22とを備えている。巻回ステップS21は、図11(b)の概略側面図に示すように、シャフト形成部材2aを、剛性のある耐熱性棒状体7の長手方向に沿って、その外表面に螺旋状に巻回する工程である。耐熱性棒状体7としては、例えば、棒状のガラス部材やセラミック部材、フッ素樹脂コーティングを表面に施した棒状の金属部材、フッ素樹脂製の棒状体等の滑り性に富む円筒状部材を好ましく使用することができる。なお、この耐熱性棒状体7の直径を種々変更することにより、内径の異なるシャフト2を製造することができる。この巻回ステップS21においては、耐熱性棒状体7に巻回され、互いに隣接するシャフト形成部材2aが互いに接する程度に密に巻きつける。
加熱ステップS22は、耐熱性棒状体7に巻回され、円筒状に形成されたシャフト形成部材2aを加熱処理する工程である。この工程においては、耐熱性棒状体7の外表面に螺旋状に巻回されたシャフト形成部材2aを加熱して、線材22に含まれる易滑性高分子繊維を溶融することにより、図11(c)の概略断面図に示すように、耐熱性棒状体7の長手方向に沿って隣接配置されるシャフト形成部材2aからなる環状部23同士を融着する。これにより、筒状のシャフト2(コイルチューブ)が形成される。加熱処理の方法としては、上述のシャフト形成部材2aを作製する際に例示した加熱方法を用いることができる。具体的には、チャンバー型熱処理装置を用い、耐熱性棒状体7に巻回されたシャフト形成部材2aの外側から熱を付与することにより行うことができる。また、芯材21を高抵抗な導電性材料(電気を通しやすい材料)により構成することで、芯材21の両端に電圧を印加して通電加熱することによっても行うことができる。また、芯材21を、導電性材料により構成するとともに、線材22を、芯材21よりも磁性が低い材料により構成してシャフト形成部材2aを作製する場合には、耐熱性棒状体7の表面に巻回されたシャフト形成部材2aの外側から芯材21を電磁誘導加熱装置により電磁誘導加熱し、加熱された芯材21の熱によって線材22に含まれる易滑性高分子繊維を溶融することにより、耐熱性棒状体7の長手方向に沿って隣接配置されるシャフト形成部材2aからなる環状部23同士を融着してもよい。
棒状体分離ステップS3は、図11(d)の概略断面図に示すように、耐熱性棒状体7及びシャフト2からなる構造体25から、当該構造体25の軸線方向に沿って耐熱性棒状体7を引き抜く工程である。耐熱性棒状体7は、すべり性に富む部材により構成されているため、耐熱性棒状体7を簡単に引き抜くことができる。このように耐熱性棒状体7及びシャフト2からなる構造体25から耐熱性棒状体7を取り外すことによりシャフト2は完成する。
本構造に係るシャフト2は、上述のように、長尺状の芯材21の外表面を易滑性高分子繊維を含む線材22により螺旋状に巻回して構成されるシャフト形成部材2aにより、筒状に形成されているため、シャフト2の内面に露出する易滑性高分子繊維を含む線材22は、図8の矢視A方向から見た図12の概略構成正面図に示すように、芯材21の表面から突出する凸部27を構成することとなる。したがって、シャフト2内に挿通されるワイヤ部材3は、シャフト2における芯材21と直接的に接触することなく、易滑性高分子繊維を含む線材22により構成される凸部27と接触することとなり、ワイヤ部材3の表面とシャフト2の内面との接触面積を大幅に減少させることが可能となる。この結果、シャフト2の内面と、ワイヤ部材3の表面との接触抵抗を大幅に低減して、高い摺動性を得ることが可能となる。
また、本構造に係るシャフト2は、長尺状の芯材21の外表面を易滑性高分子繊維を含む線材22により螺旋状に巻回して構成されるシャフト形成部材2aによって構成されているため、簡便に当該シャフト2を製造することが可能となり、製造工程の簡便化により、シャフト製造に要する時間の短縮、製造コストの低廉化を図ることができる。
また、本構造に係るシャフト2は、シャフト形成部材2aを螺旋状に巻回して形成されるコイルチューブとして構成している。このように、長尺状の芯材21の外表面を易滑性高分子繊維を含む線材22により螺旋状に巻回して構成されるシャフト形成部材2aを螺旋状に巻回して形成されるコイルチューブとしてシャフト2を構成する場合、芯材21に対する線材22の巻き角度や、シャフト形成部材2aの巻き角度を適宜設定することにより、このシャフト2における芯材21に対する線材22の巻き方向(芯材21に対して襷掛けされる線材22の襷方向)を、シャフト2の長手方向(軸線方向)と略平行となるように構成することが容易に可能となる。この結果、シャフト2内に挿通されるワイヤ部材3を、シャフト2の長手方向に沿って移動させた際に、ワイヤ部材3が、シャフト2の軸線方向に対して斜め方向に移動することを効果的に防止して、シャフト2の軸線方向に沿った移動を確保することが可能となる。ここで、芯材21に対する線材22の巻き方に関しては、S巻きであってもZ巻きであってもよく、また、シャフト2におけるシャフト形成部材2aの巻き方に関しても、S巻きであってもZ巻きであってもよいが、芯材21に対する線材22の巻き方とシャフト形成部材2aの巻き方とを、例えば、S巻きとZ巻きというように、或いは、Z巻きとS巻きというように、異なる巻き方を採用した方が、シャフト2における芯材21に対する線材22の巻き方向(芯材21に対して襷掛けされる線材22の襷方向)を、シャフト2の長手方向(軸線方向)と略平行となるように構成することが容易となる。
なお、本構造のシャフト2の製造方法においては、シャフト形成部材作製ステップS1及びシャフト形成ステップS2のそれぞれにおいて、加熱処理を行う工程を備えるように構成しているが、例えば、シャフト形成部材作製ステップS1における加熱処理を省略し、シャフト形成ステップS2での加熱処理の工程(加熱ステップS22)において、芯材21の外表面と易滑性高分子繊維を含む線材22との熱融着、及び、耐熱性棒状体7の長手方向に沿って隣接配置されるシャフト形成部材2aからなる環状部23同士の熱融着を同時に行うように構成してもよい。
また、本構造のシャフト2は、図8に示すように、シャフト形成部材2aを螺旋状に巻回して形成されるコイルチューブとして構成しているが、このような構成に特に限定されず、例えば、図13の断面図に示すように、シャフト形成部材2aを、その長手方向がそれぞれ略平行となるように複数並べて筒状に形成することによりシャフト2を構成してもよい。このような構造を採用しても、シャフト2の内面に露出する易滑性高分子繊維を含む線材22は、芯材21の表面から突出する凸部27を構成することになるため、シャフト2内に挿通されるワイヤ部材3の表面とシャフト2の内面との接触面積を大幅に減少させることが可能となり、シャフト2の内面と、ワイヤ部材3の表面との接触抵抗を大幅に低減して、高い摺動性を得ることが可能となる。
ここで、図13に示すようなシャフト2は、シャフト2の製造方法におけるシャフト形成ステップS2を、図14のブロック図に示すように、シャフト形成部材配置ステップS23と加熱ステップS22とを備えるように構成することにより製造することができる。シャフト形成部材配置ステップS23は、例えば、耐熱性棒状体7の長手方向に対して垂直な方向における断面を表す図15(a)や、部分斜視図である図15(b)に示すように、耐熱性棒状体7の長手方向(軸線方向;図9(a)においては紙面に垂直な方向)と、複数の各シャフト形成部材2aの長手方向とが平行となるようにして、耐熱性棒状体7の周面上に複数のシャフト形成部材2aを並べて筒状に形成する工程である。この工程においては、隣り合う各シャフト形成部材2aが互いに接するように配置する。なお、シャフト形成部材2aを耐熱性棒状体7の周面上に配置する際には、予め、シャフト形成部材2aの表面に粘着剤を塗布しておき、当該粘着剤の作用により、耐熱性棒状体7の周面上から脱落しないようにしてもよい。このシャフト形成部材配置ステップS23が完了した後、加熱ステップS22により加熱処理することにより、線材22に含まれる易滑性高分子繊維を溶融させ、互いに隣り合うシャフト形成部材2a同士を熱融着することにより、筒状のシャフト2本体を形成することができる。
また、本構造のシャフト2においては、図8の側面図に示すように、芯材21の表面に単一の線材22を螺旋状に巻回して熱融着させることによりシャフト形成部材2aを作製しているが、このような構成に特に限定されず、例えば、太さが同一或いは異なる複数の線材22を芯材21の表面に螺旋状(二重螺旋状、三重螺旋状等)に巻回して熱融着することにより、シャフト形成部材2aを形成してもよい。
また、本構造のシャフト2は、図11(b)に示すように、耐熱性棒状体7の外表面に単一のシャフト形成部材2aを螺旋状に巻回することにより作製されているが、例えば、複数のシャフト形成部材2aを耐熱性棒状体7の表面に螺旋状(二重螺旋状、三重螺旋状等)に巻回してシャフト2を形成してもよい。
また、本構造のシャフト2においては、芯材21の表面に巻回される線材22の断面形状は特に限定されず、断面形状が円形或いは非円形であってもよい。非円形の断面形状としては、例えば、楕円形状や多角形の断面形状、扇型の断面形状等を例示できる。このように断面が非円形である線材22を用いてシャフト形成部材2aを構成した場合、断面が円形である線材22を用いた場合よりも複雑な凹凸形状をシャフト2の内面に形成することができるため、例えば、シャフト2の内面に潤滑油を塗布してシャフト2を使用する場合に、潤滑油がシャフト2の内面から流れ出ることを効果的に抑制することが可能となり、シャフト2の摺動性を長期間維持することができる。なお、このように断面が非円形である線材22を用いてシャフト形成部材2aを構成した場合であっても、シャフト2の内部においてワイヤ部材3と接する部分は、線材22の最外部(頂部)となることから、シャフト2に対するワイヤ部材3の摺動性は低下しない。
また、上記実施形態においては、線材22として、上述した高分子材料単体により製造される線材の他、種類の異なる高分子材料を組み合わせて製造される線材や、高分子材料及び金属材料を組み合わせて製造される線材、高分子材料及び非金属材料を組み合わせて製造される線材等を用いることができる。線材22の形態としては、単線でもよく、或いは、同一種類の単線同士を撚り合わせて形成される撚線であってもよい。また、種類の異なる単線を撚り合わせて形成される撚線であってもよい。
種類の異なる高分子材料を組み合わせて易滑性高分子繊維を含む線材22を構成する場合、易滑性を有する疎水性高分子材料から形成される第1の線材と、易滑性を有する親水性高分子材料から形成される第2の線材とを撚糸して形成した線材22を用いることが好ましい。撚糸に供される第1の線材(疎水性線材)及び第2の線材(親水性線材)のそれぞれの本数は特に限定されず、種々の本数を組み合わせて形成することができる。ここで、疎水性高分子材料から形成される第1の線材はその材料特性から熱可塑性の性質を持ちやすく、熱融着に好適である一方、親水性高分子材料から形成される第2の線材は、親水性高分子材料の種類によっては、分子間の水素結合に基づいて熱融着するのに十分な熱可塑性を有しない場合もあり、不十分な熱融着に基づき、剥離を生じてしまうことが懸念される。しかしながら、上述のように、第1の線材(疎水性線材)及び第2の線材(親水性線材)を撚糸することにより線材22を形成し、この線材22をワイヤ本体31表面に巻回して、融着させることで、第1の線材(疎水性線材)の高度な熱可塑性に基づいて芯材21との強固な融着構造が得られると共に、第2の線材(親水性線材)は、第1の線材(疎水性線材)に抱き込まれて芯材21の近傍に存在する構造を実現することができ、第2の線材(親水性線材)が芯材21から離脱することを確実に防止しつつ、乾燥環境(ドライ環境)或いは湿潤環境(ウェット環境)のいずれの状況であっても、良好な摺動性を持続するシャフト2を得ることができる。
また、上述のように、第1の線材(疎水性線材)及び第2の線材(親水性線材)を撚糸することにより線材22を形成し、この線材22を芯材21表面に巻回してシャフト形成部材2aを構成する場合、第1の線材(疎水性線材)を、例えば、ポリエステル系高分子やポリアミド系高分子等から構成することが好ましい。第1の線材(疎水性線材)及び第2の線材(親水性線材)を撚糸して形成した線材22を芯材21の表面に配置して熱融着させる際、第1の線材(疎水性線材)をポリエステル系高分子やポリアミド系高分子等から形成することで、融着温度を比較的低く抑えることが可能となるため、第2の線材(親水性線材)の熱による劣化を生じにくくすることが可能となる。ここで、ポリエステル系高分子としては、融着温度が低温である点で脂肪族ポリエステル系高分子がより好ましい。脂肪族ポリエステル系高分子としては 例えば、グリコールと脂肪族ジカルボン酸との重縮合などにより得られるポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンオキザレート、ポリブチレンオキザレート、ポリネオペンチルオキザレート、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンセバケート、ポリヘキサメチレンセバケートなどが挙げられる。また、脂肪族ポリエステル系高分子としては、例えば、ポリグリコール酸やポリ乳酸などのようなポリ(α−ヒドロキシ酸)またはこれらの共重合体、ポリ(ε−カプロラクトン)やポリ(β−プロピオラクトン)のようなポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシバリレート)、ポリ(3−ヒドロキシカプロレート)、ポリ(3−ヒドロキシヘプタノエート)、ポリ(3−ヒドロキシオクタノエート)のようなポリ(β−ヒドロキシアルカノエート)及びポリ(4−ヒドロキシブチレート)などの脂肪族ポリエステルを挙げることができる。また、上述のポリアミド系高分子としては、融着温度が低温である点で脂肪族ポリアミド系高分子がより好ましい。脂肪族ポリアミド系高分子としては、ポリアミド12、ポリアミド11、ポリアミド6、ポリアミド66等を例示できる。
なお、上述した易滑性を有するシャフト2の構造は、医療現場等にて使用される種々の器材における筒状部材に適用することができる。例えば、本発明に係る医療用マニピュレータ1が挿入されるトロカーの外套管(患者の腹壁等を貫通させると共に医療用マニピュレータ1のシャフト2が内部を挿通する管状部材)の構造にも適用することができる。
また、上記実施形態においては、芯材21の外表面に螺旋状に配置される線材22として、上述のように、例えば、原料を押出成形により紡糸する方法等の従来公知の方法を用いて形成されるものを例示したが、このようなものに限定されず、例えば、芯材21の外表面にコーティングにより螺旋状に配置される線状部材として形成してもよい。コーティングの方法は特に限定されず、例えば、芯材21の外表面において、線材22が配置される部分以外の領域をマスキングした後、所定のコーティング用材料(例えば、上記した線材22を形成するための高分子材料)を塗布して線材22を形成し、その後、マスキングを除去することにより行うことができる。なお、マスキングは、例えばマスキングテープを用い、このマスキングテープを、例えば、芯材21の外表面に螺旋状に、かつ、所定幅の隙間を空けて巻回すること等により行うことができる。
また、上記実施形態においては、線材22は、芯材21の外表面に対して熱融着されて固定されているが、このような構成に特に限定されず、例えば、接着剤によって、芯材21の表面に線材22を固定してもよい。
1 医療用マニピュレータ
2 シャフト
2a シャフト形成部材
21 芯材
22 線材
23 環状部
27 凸部
3 ワイヤ部材
31 ワイヤ本体
32 線材
32a 疎水性線材
32b 親水性線材
33 被覆層
4 駆動機構部
41 筐体部
42 グリップハンドル
43 トリガレバー
44 リンク機構
5 先端動作部
7 耐熱性棒状体
S1 シャフト形成部材作製ステップ
S2 シャフト形成ステップ
S21 巻回ステップ
S22 加熱ステップ
S23 シャフト形成部材配置ステップ
S3 棒状体分離ステップ

Claims (4)

  1. 中空のシャフトと、前記シャフト内に挿通されるワイヤ部材と、前記シャフトの一端側に設けられ、前記ワイヤ部材を軸線方向に進退駆動する駆動機構部と、前記シャフトの他端側に設けられ、前記ワイヤ部材の前記進退駆動によって動作される先端動作部とを備える医療用マニピュレータであって、
    前記ワイヤ部材は、長尺なワイヤ本体と、前記ワイヤ本体の外表面に螺旋状に配置され固定されている線材とを備え、
    前記線材は、易滑性を有する疎水性高分子材料からなる疎水性線材と、易滑性を有する親水性高分子材料から形成される親水性線材との撚糸である医療用マニピュレータ。
  2. 中空のシャフトと、前記シャフト内に挿通されるワイヤ部材と、前記シャフトの一端側に設けられ、前記ワイヤ部材を軸線方向に進退駆動する駆動機構部と、前記シャフトの他端側に設けられ、前記ワイヤ部材の前記進退駆動によって動作される先端動作部とを備える医療用マニピュレータであって、
    前記シャフトは、長尺状の芯材と、前記芯材の外表面に螺旋状に配置され固定されている線材とを備えるシャフト形成部材を螺旋状に巻回して構成される筒状のコイルチューブとして構成されており、
    前記線材は、易滑性の線状部材からなり、かつ、高分子材料を含む線材である医療用マニピュレータ。
  3. 前記シャフト形成部材は、前記芯材に対して前記線材がS巻き方向で配置されて構成されており、
    前記シャフトは、該シャフトの軸線に対して前記シャフト形成部材がZ巻き方向で巻回して構成される請求項2に記載の医療用マニピュレータ。
  4. 前記シャフト形成部材は、前記芯材に対して前記線材がZ巻き方向で配置されて構成されており、
    前記シャフトは、該シャフトの軸線に対して前記シャフト形成部材がS巻き方向で巻回して構成される請求項2に記載の医療用マニピュレータ。
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