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JP6434305B2 - 高速炉の制御棒案内管 - Google Patents
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Description

本発明は、例えば液体金属ナトリウムなどの冷却材を使用する高速炉の制御棒案内管に係り、特に高速炉の炉心損傷事故において、溶融燃料(損傷炉心物質)が制御棒案内管の周壁を溶融して侵入した場合の溶融燃料(損傷炉心物質)の御棒案内管からの排出機構に関するものである。
ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故において、燃料移動による再臨界を防止するためには、制御棒案内管を通じて損傷炉心物質を炉心外へ流出することが有効である。
図4は、制御棒集合体の基本的な構造図である。同図に示すように制御棒集合体1は、制御棒2と、その制御棒2を個別に収容する制御棒案内管3から主に構成されている。
制御棒案内管3の下端部には先細り状になったエントランスノズル4が設けられ、制御棒案内管3の内側の軸方向途中には縮径になった段部5が設けられ、その段部5の上にはダッシュポット(緩衝器)6が設置されている。
ダッシュポット6は凹部7を有し、全体の断面形状が略凹形をしており、凹部7の下部には円筒状の脚部8が設けられ、脚部8の内周部側から外周部側に向けて貫通した穴9が脚部8の周方向に沿って複数個形成されている。
ダッシュポット6の外径は、制御棒案内管3の内径よりも若干小さく、また、段部5の内径よりも若干大きく設計されており、ダッシュポット6を段部5の上に設置すると、制御棒案内管3とダッシュポット6の間に隙間10が形成される。
冷却材である液体金属ナトリウム11は、制御棒案内管3のエントランスノズル4側から流入し、制御棒案内管3の内側を上昇し、ダッシュポット6の穴9を通って、制御棒案内管3とダッシュポット6の間の隙間10に流入し、制御棒2を冷却しながら制御棒案内管3の上部に至る。
図5は原子炉容器の内部の構造例を示す図で、図中の符号12は原子炉容器、13は液体金属ナトリウム流入配管、14は液体金属ナトリウム流出配管、15は炉心槽、16は上部炉心支持板、17は下部炉心支持板、18は連絡管であり、図に示すような配置、構造になっている。
図6は、原子炉容器内での液体金属ナトリウムの流れの一部を示す図である。同図に示すように上部炉心支持板16と下部炉心支持板17の間に連絡管18が架設されており、連絡管18の内側に液体金属ナトリウム11の流量を調整する流量調整部20が設置されている。
この流量調整部20は、例えば、複数の孔21を開けた金属板22を連絡管18の内側に所定の間隔をおいて、孔21が互いに重ならないように複数枚軸方向に設置した構造になっている。
液体金属ナトリウム11は図5に示すように、液体金属ナトリウム流入配管13によって原子炉容器12内の下部に供給され、原子炉容器12の下部から上昇して、図6に示すように連絡管18の下部から入り込み、各金属板22の孔21を通過する際の流動抵抗により、液体金属ナトリウム11の通過流量が制限され、それによって液体金属ナトリウム11の流量調整がなされる。
図4に示すように、制御棒案内管3のエントランスノズル4が連絡管18の上部に差し込まれているから、流量調整された液体金属ナトリウム11は連絡管18を出て制御棒案内管3に入る。
そして液体金属ナトリウム11は、ダッシュポット6の穴9を通って制御棒案内管3とダッシュポット6の間に形成された隙間10に流入して制御棒2を冷却し、制御棒案内管3の上部から排出される。
図7は炉心配置図で、図中の符号23は炉心燃料集合体、25は径方向ブランケット燃料集合体、26は遮蔽体、28は制御棒集合体であり、図に示すような配置になっている。
図7に示すように、燃料集合体23の約10体に対して、制御棒集合体28が1体程度の割合で設けられており、各制御棒集合体28が燃料集合体23群の中に所定の間隔をおいて分散されている。
なお、原子炉でシビア・アクシデントが発生した場合の対応策に関する先行技術文献として、例えば特公平5−80636号公報(特許文献1)や特開平5−341081号公報(特許文献2)などを挙げることができる。
特公平5−80636号公報 特開平5−341081号公報
原子炉の定格運転に際しては、制御棒集合体1に対する液体金属ナトリウム11の定格流量を確保する必要があり、そのために前述した流量調整部20が設けられている。しかしながら、設計基準を超える事故により炉心が損傷して溶融するシビア・アクシデントを考慮すると、図4に示す制御棒集合体1の構造では改善すべき問題点がある。
ナトリウム冷却高速炉でのシビア・アクシデントでは、炉心の核的な特性により、原子炉の出力が増加する可能性がある。原子炉の核的活性度を低下させて安定状態に移行させるためには、シビア・アクシデントにおいて生じた溶融燃料を炉心外へ流出させることが効果的である。
ナトリウム冷却高速炉の燃料集合体は稠密ピン束で構成されており図7に示されているように、燃料集合体23の約10体に対して制御棒集合体28が1体程度の割合で燃料集合体23群中に分散されているから、制御棒集合体28が溶融燃料の有効な流出経路となる。
しかしながら、図4に示す下方に流量調整部20を備えた制御棒集合体1では溶融燃料の流出が妨げられて、原子炉が核的に安定状態に移行しない可能性があることが判明した。
図8(a)〜(c)は、制御棒集合体1への溶融燃料(損傷炉心物質)31の侵入から流量調整部20による溶融燃料31の流出阻止までの経過を説明する図である。
図8(a)に示すように、溶融燃料31が制御棒集合体1の周壁を溶融して侵入すると、制御棒集合体1内にある液体金属ナトリウム11と溶融燃料31の熱的相互作用32により、図8(b)に示すように制御棒集合体1内のダッシュポット6 の上方にナトリウムボイド領域33が形成され、それが発達する。
また、溶融燃料31の一部は制御棒案内管3とダッシュポット6の間の隙間10にも入り込むが、流量調整部20により下方の流動抵抗が大きいから、初期状態では溶融燃料31は制御棒2および制御棒2と制御棒案内管3の隙間を通って、制御棒集合体1内の上部に分散34する。
図8(c)に示すように、制御棒2および制御棒2と制御棒案内管3の隙間に入り込んだ溶融燃料31が固化して隙間が閉塞35されても、溶融燃料31の侵入は引き続き起こり、溶融燃料31はダッシュポット6の周囲に溜り、溶融燃料31の固化とダッシュポット6の存在により閉塞35が起こる。
また、ダッシュポット6 の所で閉塞35しない場合、溶融燃料31はダッシュポット6の穴9を通って下方に移動36し、流量調整部20の上面まで流下しそこで停止して、固化による閉塞35が起こる。図8(c)は、この状態を示している。
このように図4に示す制御棒集合体1の構造では、特に流量調整部20で溶融燃料31の流出が妨げられて、原子炉が核的に安定状態に移行しない可能性があることが判明した。
本発明はこのような技術背景においてなされたものであり、その目的は、炉心の核的活性度を低下させて原子炉を安定状態に移行させるために有効な手段である、溶融燃料の炉心外への流出を促進させることのできる高速炉の制御棒案内管を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の第1の手段は、断面形状が略凹形の例えばダッシュポットなどの流路内構造物を内側に収容した高速炉の制御棒案内管において、
前記流路内構造物の略凹形を形成する凹部内に流入・堆積した溶融燃料の熱により昇温して溶断することのできる肉薄部を、前記凹部の周壁に当該凹部の周方向に沿って連続して設けたことを特徴とするものである。
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、前記肉薄部を前記凹部の底部近傍に設けたことを特徴とするものである。
本発明の第3の手段は前記第1または第2の手段において、当該制御棒案内管の前記流路内構造物の収容位置より下方に、前記凹部の底部の外径D3より径大の内径D4を有する排出筒部が下方に向けて形成され、前記凹部の底部が排出筒部側に臨んでいることを特徴とするものである。
本発明の第4の手段は前記第1ないし第3のいずれかの手段において、当該制御棒案内管の内側途中に縮径されて内径D2の段部が形成され、前記段部の内径D2よりも小径の外径D1を有する前記流路内構造物の凹部を前記段部の内側に収容して、前記段部と前記凹部の間に隙間が形成され、前記隙間により当該制御棒案内管内を流通する冷却材の流量が調整されることを特徴とするものである。
本発明の第5の手段は前記第1ないし第4のいずれかの手段において、前記冷却材が液体金属ナトリウムであることを特徴とするものである。
本発明の第6の手段は前記第1ないし第5のいずれかの手段において、前記流路内構造物がダッシュポットであることを特徴とするものである。
本発明は前述のような構成になっており、溶融燃料の炉心外への流出を促進させることのできる高速炉の制御棒案内管を提供することができる。
本発明の実施例に係る制御棒集合体の構造図である。 本発明の実施例に係る制御棒案内管の要部拡大断面図である。 本発明の実施例に係る制御棒集合体への溶融燃料の侵入から流出までの経過を説明する図である。 制御棒集合体の基本的な構造図である。 原子炉容器内部の構造例を示す図である。 原子炉容器内での液体金属ナトリウムの流れの一部を示す図である。 炉心の配置図である。 従来の制御棒集合体への溶融燃料の侵入から流量調整部による溶融燃料の流出阻止までの経過を説明する図である。
次に本発明の実施例を図面とともに説明する。図1は本発明の実施例に係る制御棒集合体の構造図、図2は本発明の実施例に係る制御棒案内管の要部拡大断面図である。
制御棒集合体40は、制御棒2と、その制御棒2を個別に収容する制御棒案内管41から主に構成されている。
制御棒案内管41の下端部には先細り状になったエントランスノズル42が設けられ、制御棒案内管41の内側途中には縮径になった段部43と、その段部43の下部からエントランスノズル42の下端開口部までストレートに真下に延びた排出筒部44が形成され、段部43の内側にダッシュポット(緩衝器)45が収容される。
なお、高速炉の通常運転時には排出筒部44は、図1に示すように液体金属ナトリウム11の流通路の一部を形成している。
ダッシュポット45の全体の断面形状は略凹形をしており、ダッシュポット45の上端外周につば部46が設けられ、つば部46の下部に前記略凹形を形成する凹部47が一体に形成されている。
図2に示すように、凹部47の周壁の外径D1は段部43の内径D2よりも若干小径(D1<D2)で、凹部47の周壁には周方向に沿って複数個の穴48が形成されている。
図1に示すように、制御棒案内管41の上部からダッシュポット45を制御棒案内管41の内側に挿入し、ダッシュポット45のつば部46を制御棒案内管41の段部43の上に載置すると、ダッシュポット45の凹部47が段部43の内側に収容され、炉心の下部付近に設置される。
このようにしてダッシュポット45を収容すると、凹部47の周壁と段部43との間に、冷却材である液体金属ナトリウム11が流通する隙間49(図2参照)が形成される。この隙間49は、凹部47の周壁の穴48を介して凹部47の内部と連通している。
この隙間49はそこを流通する液体金属ナトリウム11の流量を調整(規制)する機能を有しており、従って制御棒案内管41の段部43と、ダッシュポット45の凹部47とで液体金属ナトリウム11の流量調整部を構成している。従って図4に示すように、連絡管18内に流量調整部20を設ける必要がなく、部品点数の削減と、組み立て工数の削減が図れる。
また、図2に示すように、制御棒案内管41内にダッシュポット45を装着した状態で凹部47の底部50は、制御棒案内管41の段部43と排出筒部44の連結部付近に位置している。
そして制御棒案内管41の排出筒部44の内径D4は、ダッシュポット45の底部50の外径D3よりも十分に大きく設計されており(D3≪D4)、底部50が排出筒部44側に臨んでいる。
さらに、凹部47の周壁の外周面で底部50の直上近傍には、凹部47の周方向に連続して延びた凹溝51が設けられ、それによって凹部47の周方向に連続して延びた肉薄部52が形成されている。
図3(a),(b)は、制御棒集合体40への溶融燃料(損傷炉心物質)31の侵入から流出までの経過を説明する図である。
図3(a)に示すように、溶融燃料31が制御棒集合体1の周壁を溶融して侵入すると、ダッシュポット45の凹部47内に流入して堆積する。
図2に示すダッシュポット45のつば部46の内周面に形成された傾斜面53は、侵入した溶融燃料31をダッシュポット45の凹部47内に導くガイドとして機能する。
ダッシュポット45の肉薄部52は、凹部47内に堆積した高温の溶融燃料31の熱容量効果で昇温して、溶断する。換言すれば、肉薄部52の厚さは、凹部47内に堆積した溶融燃料31の熱容量によって溶断できる程度の厚さに設計されていることになる。
そして図3(b)に示すように、肉薄部52の溶断に伴い、ダッシュポット45の下部50はダッシュポット45の本体から離れ、堆積した溶融燃料31と一緒に排出筒部44から入口プレナムに向かって落下54して、溶融燃料31を排出することができる。
前述のように、制御棒案内管41の排出筒部44の内径D4は、ダッシュポット45の下部50の外径D3よりも十分に大きく設計されているから(D3≪D4)、堆積した溶融燃料(溶融炉心物質)31は従来のように停滞することなくスムーズに排出でき、制御棒案内管41は再臨界を排除するための有効な排出手段となる。
なお、原子炉容器の内部構造ならびに炉心の配置などは図5ならびに図7と同様であるので、それらの重複する説明は省略する。
前記実施例では冷却材として液体金属ナトリウムを使用したが、水などの他の冷却材を使用することも可能である。
前記実施例では図2に示すように、ダッシュポット45の周壁に、それの軸方向と直交する方向に延びた穴48を形成したが、ダッシュポット45の周壁に、それの軸方向に対して斜め上方向に延びた穴を形成することも可能である。
前記実施例では流路内構造物としてダッシュポット45を用いたが、本発明はダッシュポットに限定されるものではなく、断面形状が略凹形の他の流路内構造物の周壁に肉薄部を設けることも可能である。
11:液体金属ナトリウム、
16:上部炉心支持板、
17:下部炉心支持板、
18:連絡管、
31:溶融燃料(損傷炉心物質)、
40:制御棒集合体、
41:制御棒案内管、
42:エントランスノズル、
43:段部、
44:排出筒部、
45:ダッシュポット(緩衝器)、
46:つば部、
47:凹部、
48:穴、
49:隙間、
50:下部、
51:凹溝、
52:肉薄部、
54:落下、
D1:凹部の外径、
D2:段部の内径、
D3:底部の外径、
D4:排出筒部の内径。

Claims (6)

  1. 断面形状が略凹形の流路内構造物を内側に収容した高速炉の制御棒案内管において、
    前記流路内構造物の略凹形を形成する凹部内に流入・堆積した溶融燃料の熱により昇温して溶断することのできる肉薄部を、前記凹部の周壁に当該凹部の周方向に沿って連続して設けたことを特徴とする高速炉の制御棒案内管。
  2. 請求項1に記載の高速炉の制御棒案内管において、
    前記肉薄部を前記凹部の底部近傍に設けたことを特徴とする高速炉の制御棒案内管。
  3. 請求項1または2に記載の高速炉の制御棒案内管において、
    当該制御棒案内管の前記流路内構造物の収容位置より下方に、前記凹部の底部の外径D3より径大の内径D4を有する排出筒部が下方に向けて形成され、前記凹部の底部が排出筒部側に臨んでいることを特徴とする高速炉の制御棒案内管。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の高速炉の制御棒案内管において、
    当該制御棒案内管の内側途中に縮径されて内径D2の段部が形成され、前記段部の内径D2よりも小径の外径D1を有する前記流路内構造物の凹部を前記段部の内側に収容して、前記段部と前記凹部の間に隙間が形成され、前記隙間により当該制御棒案内管内を流通する冷却材の流量が調整されることを特徴とする高速炉の制御棒案内管。
  5. 請求項4に記載の高速炉の制御棒案内管において、
    前記冷却材が液体金属ナトリウムであることを特徴とする高速炉の制御棒案内管。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の高速炉の制御棒案内管において、
    前記流路内構造物がダッシュポットであることを特徴とする高速炉の制御棒案内管。
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