以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る立体物造形方法を実行する立体物造形装置10の一例を示す。図1(a)は、立体物造形装置10の要部の構成の一例を示す。図1(b)は、立体物造形装置10により造形する立体物5の一例を示す。
本例において、立体物造形装置10は、積層造形法により立体物5を造形する装置である。この場合、積層造形法とは、例えば、複数の層を重ねて立体物5を造形する方法である。また、立体物5とは、例えば、三次元構造物のことである。また、立体物造形装置10において実行する立体物造形方法は、例えば、三次元構造物の形状情報とカラー画像情報とから、積層法によって三次元構造物を造形するカラー造形方法であってよい。
また、以下の説明をする点を除き、立体物造形装置10は、公知の立体物造形装置と同一又は同様の構成を有してよい。また、立体物造形装置10は、例えば、公知の平面への印刷装置であるインクジェットプリンタの構成の一部を変更した装置であってよい。例えば、立体物造形装置10は、紫外線硬化型インク(UVインク)を用いるインクジェットプリンタの一部を変更した装置であってよい。
本例において、立体物造形装置10は、吐出ユニット12、主走査駆動部14、造形台16、及び制御部18を備える。吐出ユニット12は、立体物5の材料となる液滴を吐出する部分であり、所定の条件に応じて硬化する樹脂である硬化性樹脂の液滴等を吐出し、硬化させることにより、立体物5を構成する各層を形成する。より具体的に、本例において、吐出ユニット12は、例えば、制御部18の指示に応じて液滴を吐出することにより、硬化性樹脂の層を形成する層形成動作と、層形成動作で形成された硬化性樹脂の層を硬化させる硬化動作とを複数回繰り返して行う。また、これにより、吐出ユニット12は、硬化した硬化性樹脂の層を複数層重ねて形成する。
また、本例では、硬化性樹脂として、例えば、紫外線の照射により硬化する紫外線硬化型樹脂を用いる。この場合、吐出ユニット12は、立体物5の材料となる液滴として、例えば、紫外線硬化型インクのインク滴を吐出する。また、硬化動作では、紫外線光源により紫外線を照射することにより、硬化性樹脂の層を硬化させる。この場合、硬化性樹脂の層とは、紫外線硬化型インクの層である。
また、本例において、吐出ユニット12は、有色の紫外線硬化型インクのインク滴を吐出することにより、立体物5の表面に対し、着色を行う。また、これにより、着色された立体物5を造形する。更に、本例において、吐出ユニット12は、立体物5の造形時において、図1(b)に示すように、立体物5の周囲に、サポート6を形成する。サポート6は、造形中の立体物5を支えるための積層構造物(サポート層)であり、立体物5の造形完了後に、例えば水により溶解除去される。尚、吐出ユニット12のより具体的な構成及び動作については、後に更に詳しく説明をする。
主走査駆動部14は、吐出ユニット12に主走査動作を行わせる駆動部である。この場合、吐出ユニット12に主走査動作を行わせるとは、例えば、吐出ユニット12が有するインクジェットヘッドに主走査動作を行わせることである。また、主走査動作とは、例えば、予め設定された主走査方向(図中のY方向)へ移動しつつインク滴を吐出する動作である。
本例において、主走査駆動部14は、キャリッジ102及びガイドレール104を有する。キャリッジ102は、造形台16と対向させて吐出ユニット12を保持する保持部である。この場合、造形台16と対向させて吐出ユニット12を保持するとは、インク滴の吐出方向が造形台16へ向かう方向になるように、吐出ユニット12を保持することである。また、主走査動作時において、キャリッジ102は、吐出ユニット12を保持した状態で、ガイドレール104に沿って移動する。ガイドレール104は、キャリッジ102の移動をガイドするレール状部材であり、主走査動作時において、制御部18の指示に応じて、キャリッジ102を移動させる。
尚、主走査動作における吐出ユニット12の移動は、立体物5に対する相対的な移動であってよい。そのため、立体物造形装置10の構成の変形例においては、例えば、吐出ユニット12の位置を固定して、例えば造形台16を移動させることにより、立体物5の側を移動させてもよい。
造形台16は、造形中の立体物5を上面に載置する台である。本例において、造形台16は、上面を上下方向(図中のZ方向)へ移動させる機能を有しており、制御部18の指示に応じて、立体物5の造形の進行に合わせて、上面を移動させる。また、これにより、造形途中の立体物5における被造形面と、吐出ユニット12との間の距離(ギャップ)を適宜調整する。この場合、立体物5の被造形面とは、例えば、吐出ユニット12により次の層が形成される面のことである。尚、吐出ユニット12に対して造形台16を上下動させるZ方向への走査は、例えば吐出ユニット12の側を移動させることで行ってもよい。
制御部18は、例えば立体物造形装置10のCPUであり、造形すべき立体物5の形状情報や、カラー画像情報等に基づいて立体物造形装置10の各部を制御することにより、立体物5の造形の動作を制御する。本例によれば、立体物5を適切に造形できる。
尚、立体物造形装置10は、図1(a)に図示した構成以外にも、例えば、立体物5の造形や着色等に必要な各種構成を更に備えてよい。例えば、立体物造形装置10は、吐出ユニット12に副走査動作を行わせる副走査駆動部等を更に備えてもよい。この場合、副走査動作とは、例えば、造形中の立体物5に対して相対的に、主走査方向と直交する副走査方向(図中のX方向)へ、吐出ユニット12におけるインクジェットヘッドを移動させる動作である。副走査駆動部は、例えば、副走査方向における長さが吐出ユニット12におけるインクジェットヘッドの造形幅よりも長い立体物5を造形する場合等に、必要に応じて、吐出ユニット12に副走査動作を行わせる。また、より具体的に、副走査駆動部は、例えば、造形台16を副走査方向へ移動させる駆動部であってよい。また、副走査駆動部は、例えば、吐出ユニット12を保持するキャリッジ102と共にガイドレール104を移動させる駆動部であってもよい。
続いて、吐出ユニット12のより具体的な構成及び動作について、説明をする。図2は、吐出ユニット12のより詳細な構成の一例を示す。本例において、吐出ユニット12は、複数の有色インク用ヘッド202y、202m、202c、202k(以下、有色インク用ヘッド202y〜kと記載する)、白インク用ヘッド206、クリアインク用ヘッド208、造形材用ヘッド204、サポート材用ヘッド210、複数の紫外線光源220、及び平坦化ローラユニット222を有する。
有色インク用ヘッド202y〜k、白インク用ヘッド206、クリアインク用ヘッド208、及び造形材用ヘッド204は、インクジェット方式で硬化性樹脂の液滴を吐出する吐出ヘッドの一例である。また、本例において、有色インク用ヘッド202y〜k、白インク用ヘッド206、クリアインク用ヘッド208、及び造形材用ヘッド204は、例えば、紫外線硬化型インクのインク滴を吐出するインクジェットヘッドであり、副走査方向(X方向)における位置を揃えて、主走査方向(Y方向)へ並んで配設される。
有色インク用ヘッド202y〜kは、互いに異なる色の有色のインクのインク滴をそれぞれ吐出するインクジェットヘッドである。本例において、有色インク用ヘッド202y〜kは、YMCKの各色の紫外線硬化型インクのインク滴を吐出する。白インク用ヘッド206は、白色(W)の紫外線硬化型インクのインク滴を吐出するインクジェットヘッドである。
また、クリアインク用ヘッド208は、紫外線硬化型のクリアインクのインク滴を吐出するインクジェットヘッドである。この場合、クリアインクとは、透明色(T)であるクリア色のインクである。クリアインクは、紫外線硬化型の樹脂を含み、かつ、着色剤を含まないインクであってよい。また、クリアインクは、無色透明のインクであってよい。
造形材用ヘッド204は、立体物5の内部の造形に用いる紫外線硬化型インクのインク滴を吐出するインクジェットヘッドである。本例において、造形材用ヘッド204は、所定の色の造形用インク(MO)のインク滴を吐出する。造形用インクとして、より具体的には、例えば、白色のインク又はクリアインク等を用いてもよい。
サポート材用ヘッド210は、サポート6(図1参照)の材料(S)を含むインク滴を吐出するインクジェットヘッドである。本例において、サポート6の材料としては、立体物5の造形後に水で溶解可能な水溶性の材料を用いることが好ましい。このように構成すれば、サポート6を用いた造形をより適切に行うことができる。サポート6の材料としては、例えば、サポート6用の公知の材料を好適に用いることができる。また、本例において、サポート材用ヘッド210は、有色インク用ヘッド202y〜k、白インク用ヘッド206、クリアインク用ヘッド208、及び造形材用ヘッド204に対し、副走査方向における位置を揃えて、主走査方向へ並んで配設される。
尚、有色インク用ヘッド202y〜k、白インク用ヘッド206、クリアインク用ヘッド208、造形材用ヘッド204、及びサポート材用ヘッド210としては、例えば、公知のインクジェットヘッドを好適に用いることができる。また、これらのインクジェットヘッドは、造形台16(図1参照)と対向する面に、複数のノズルが副走査方向へ並ぶノズル列を有する。この場合、それぞれのインクジェットヘッドにおけるノズル列は、並び方向が同一で、かつ互いに平行になる。また、主走査動作時において、ノズルが並ぶ方向と直交する主走査方向へ移動しつつ、Z方向へインク滴をそれぞれ吐出する。
複数の紫外線光源220は、紫外線硬化型インクを硬化させる紫外線の光源であり、紫外LED、メタルハライドランプ、水銀ランプ等が用いられる。本例において、複数の紫外線光源220のそれぞれは、間に有色インク用ヘッド202y〜k、造形材用ヘッド204、白インク用ヘッド206、クリアインク用ヘッド208、及びサポート材用ヘッド210を挟むように、吐出ユニット12における主走査方向の一端側及び他端側のそれぞれに配設される。より具体的に、例えば、図中に符号UV1を付して示した一方の紫外線光源220は、吐出ユニット12の一端側に配設される。また、図中に符号UV2を付して示した一方の紫外線光源220は、吐出ユニット12の他端側に配設される。
平坦化ローラユニット222は、立体物5の造形中に形成される紫外線硬化型インクの層を平坦化するための構成である。本例において、平坦化ローラユニット222は、有色インク用ヘッド202y〜k、造形材用ヘッド204、白インク用ヘッド206、クリアインク用ヘッド208、及びサポート材用ヘッド210の並びと、他方側の紫外線光源220(UV2)との間に配設される。これにより、平坦化ローラユニット222は、有色インク用ヘッド202y〜k、造形材用ヘッド204、白インク用ヘッド206、クリアインク用ヘッド208、及びサポート材用ヘッド210の並びに対し、副走査方向の位置を揃えて、主走査方向へ並べて配設される。また、本例において、平坦化ローラユニット222は、平坦化機構の一例であるローラ等を有する。このローラの動作等については、後に更に詳しく説明をする。
以上の構成により、吐出ユニット12は、制御部18(図1参照)の指示に応じて、立体物5の造形及び着色等の動作を行う。また、この動作として、より具体的に、図1に関連して説明をしたように、層形成動作と、硬化動作とを繰り返す。
また、本例において、吐出ユニット12は、層形成動作において、より具体的に、吐出動作と、平坦化動作とを行う。この場合、吐出動作とは、例えば、有色インク用ヘッド202y〜k、造形材用ヘッド204、白インク用ヘッド206、クリアインク用ヘッド208等に紫外線硬化型インクのインク滴を吐出させることにより、紫外線硬化型インクの層を形成すべき領域へインクを塗布する動作である。また、平坦化動作とは、平坦化ローラユニット222のローラにより、吐出動作で塗布された紫外線硬化型インクの層を平坦化する動作である。
ここで、上記においても説明をしたように、本例において、吐出ユニット12のインクジェットヘッド(有色インク用ヘッド202y〜k、造形材用ヘッド204、白インク用ヘッド206、クリアインク用ヘッド208、及びサポート材用ヘッド210)は、主走査動作を行うことにより、制御部18により指定される位置へ、インク滴を吐出する。また、吐出動作において、例えば、図中にY走査と記した矢印で示すように、主走査方向における往復の主走査動作を行う。
また、本例の主走査動作時において、平坦化ローラユニット222は、有色インク用ヘッド202y〜k及びクリアインク用ヘッド208等のインクジェットヘッドと共に移動する。しかし、図示のとおり、本例において、平坦化ローラユニット222は、これらのインクジェットに対し、主走査方向の一方側のみに配設されている。そのため、本例において、平坦化動作は、例えば、図中に平坦化走査と記した矢印で示すように、往路又は復路のいずれか一方の主走査動作を行う間にのみ行う。この一方の主走査動作は、図からわかるように、移動時に平坦化ローラユニット222がインクジェットヘッドの後方側になる向きの主走査動作である。
尚、平坦化動作は、少なくとも一部の回の主走査動作が行われる間にインクの層を平坦化する動作であってよい。また、立体物造形装置10の構成の変形例においては、例えば、吐出動作について、一方向の主走査動作のみを行ってもよい。また、例えば吐出ユニット12の構成を一部変更することにより、往路及び復路の両方の主走査動作中に平坦化動作を行うことも考えられる。
また、吐出ユニット12の構成に関し、例えば、クリアインク用ヘッド208は、有色インク用ヘッド202y〜kのいずれよりも、平坦化ローラユニット222に近い位置に配設することが好ましい。例えば、クリアインク用ヘッド208は、平坦化ローラユニット222と隣接する位置に配設することが好ましい。また、平坦化ローラユニット222は、有色インク用ヘッド202y〜k及びクリアインク用ヘッド208と、紫外線光源220との間に配設することが好ましい。そのため、本例においては、このような配置を実現するために、上記のように、有色インク用ヘッド202y〜k、クリアインク用ヘッド208、平坦化ローラユニット222、及び紫外線光源220(UV2)について、副走査方向における位置を揃えて、この順番で、主走査方向へ並べている。このように構成すれば、例えば、平坦化動作をより適切に行うことができる。このように配置により行う吐出ユニット12の動作等については、後に更に詳しく説明をする。
続いて、本例において造形される立体物5について、より具体的な構成を説明する。図3は、本例において造形される立体物5の構成の一例を示す。図3(a)は、立体物5の垂直断面の一例を示す。図3(b)は、立体物5の水平断面の一例を示す。
上記においても説明をしたように、本例において、立体物造形装置10は、紫外線硬化型インクの層を複数層重ねて形成することにより、立体物5を造形する。より具体的には、例えば、図3(a)において符号5aを付して示した層を複数層重ねて形成することにより、立体物5を造形する。また、立体物5の周囲に、吐出ユニット12におけるサポート材用ヘッド210により、サポート6を形成する。
尚、本例おいて立体物5を構成する各層(層5a)を形成する動作については、図3(a)において符号5a(n)、5a(n+1)を付した層に着目して、後に更に詳しく説明をする。符号5a(n)、5a(n+1)を付した層は、例えば、下からn番目及びn+1番目の層である。
また、本例において、立体物造形装置10は、層形成動作において、紫外線硬化型インクの層として、内部領域、着色領域53、及び外部クリア領域54を有する層を形成する。この場合、内部領域とは、立体物5の内部を構成する領域である。また、本例において、立体物造形装置10は、内部領域として、内部造形領域50、内部白色領域51、及び内部クリア領域52を形成する。
内部造形領域50は、立体物5において最も内側の部分を構成する領域である。この場合、立体物5において最も内側の部分とは、例えば、層形成動作において形成する各層において、他の各領域(内部白色領域51、内部クリア領域52、着色領域53、及び外部クリア領域54)に囲まれる部分のことである。また、本例において、立体物造形装置10は、吐出ユニット12における造形材用ヘッド204により、内部造形領域50を形成する。
尚、内部造形領域50は、立体物5において、形状の基本部分を構成する造形層として機能する領域である。内部造形領域50は、一部が空洞状の領域であってもよい。また、内部造形領域50の形成は、例えば吐出ユニット12における白インク用ヘッド206等を用いて行うことも考えられる。また、内部造形領域50の形成は、例えばクリアインク用ヘッド208等を更に用いて行ってもよい。また、更に他の色用のインクジェットヘッドを用いて、内部造形領域50を形成してもよい。
内部白色領域51は、内部造形領域50と隣接して内部造形領域50の周囲を囲む白色層領域である。また、立体物5の外側方向において、内部白色領域51は、内部クリア領域52を挟んで着色領域53と接する。そして、この構成により、内部白色領域51は、着色領域53を介して立体物5の外部から入射する光を反射する。このように構成すれば、例えば、着色領域53に着色された色について、減法混色による色表現を実現できる。また、これによる、例えば、着色領域53に着色する色について、立体物5の外部からより適切な色彩で視認されるようにできる。
本例において、内部白色領域51の形成は、例えば白インク用ヘッド206を用いて行う。また、内部白色領域51の色は、例えば、減法混色による色表現を実現するために十分な範囲で、白色又は白色に近い色であればよい。
内部クリア領域52は、内部白色領域51を挟んで内部造形領域50の周囲を囲む領域であり、内側の内部白色領域51と、外側の着色領域53との間において、両領域に接する。また、本例において、内部クリア領域52の形成は、クリアインク用ヘッド208を用いて行う。内部クリア領域52を形成することにより、例えば、インクの層の平坦化時において、内部白色領域51における白色インクと、着色領域53におけるYMCKインクとが混ざることを適切に防ぐことができる。そのため、このように構成すれば、例えば、平坦化ローラユニット222による平坦化の動作をより適切に行うことができる。
着色領域53は、内部白色領域51及び内部クリア領域52を挟んで内部造形領域50の周囲を囲む領域である。また、本例において、着色領域53は、外部クリア領域54を介して立体物5の外部から色彩を確認できる立体物5の外郭領域を構成する。立体物造形装置10は、吐出動作において、有色インク用ヘッド202y〜kにより着色領域53へYMCKインクのインク滴を吐出することにより、着色領域53への着色を行う。また、本例において、立体物造形装置10は、着色領域53へインク滴を吐出するインクジェットヘッドとして、有色インク用ヘッド202y〜kに加え、クリアインク用ヘッド208を更に用いる。これにより、立体物造形装置10は、YMCKインク及びクリアインクにより、着色領域53を形成する。
尚、立体物5の用途等においては、例えば一部の領域に対してのみ、着色を行うこと等も考えられる。この場合、着色を行わない領域に対しては、クリアインクのみにより、着色領域53を形成してもよい。また、一部の領域に対し、着色領域53を省略してもよい。
外部クリア領域54は、内部白色領域51、内部クリア領域52、及び着色領域53を挟んで内部造形領域50の周囲を囲む領域であり、立体物5の最外面を構成する。本例において、外部クリア領域54の形成は、クリアインク用ヘッド208を用いて行う。外部クリア領域54を形成することにより、立体物5の表面を紫外線による有色インクの退色や擦れによる傷に対して適切に保護することができる。また、以上の説明から明らかなように、本例によれば、例えば、立体物5の造形及び着色を適切に行うことができる。
ここで、着色領域53を着色する場合、着色領域53の各位置に対しては、その位置へ着色すべき色に応じた比率で、カラーインクであるYMCKの各色のインク滴を吐出する。この場合、着色領域53の各位置とは、例えば、近接する複数の着弾位置(着滴位置)を含む領域のことである。また、着弾位置とは、例えば、主走査動作において吐出されるインク滴の着弾位置のことである。そして、この場合、例えばカラーインクのみで着色領域53を形成すると、各位置の色によって、容積あたりのインク量に差がでるおそれがある。
これに対し、本例においては、上記のように、着色領域53を、カラーインクのみではなく、カラーインクと、クリアインクとを用いて形成する。そして、この場合、クリアインク用ヘッド208は、例えば、着色領域53に対し、着色領域53の各位置において容積当たりのインク量を補填するように、クリアインクのインク滴を吐出する。このように構成すれば、例えば、着色領域53の各位置において、カラーインクとクリアインクとを合わせた総容積量を略一定にすることができる。また、これにより、より高い精度で立体物5の造形及び着色を行うことができる。
また、このように構成した場合、更に、例えば、平坦化ローラユニット222を用いて行う平坦化動作時において、YMCKインクのみを用いて着色領域53を形成する場合と比べ、異なる色の有色インクが混じることを発生しにくくできる。また、これにより、例えば、立体物の品質の低下を生じにくくできる。そのため、このように構成すれば、例えば、着色された立体物をより適切に造形できる。
続いて、本例おいて立体物5を構成する各層を形成する動作について、更に詳しく説明をする。図4は、本例において行う主走査動作と、平坦化ローラユニット222のより具体的な構成とについて更に詳しく説明する図である。上記においても説明をしたように、本例において、吐出ユニット12におけるそれぞれのインクジェットヘッドは、主走査方向における往復の主走査動作を行う。また、往復の主走査動作のうち、一方の方向への主走査動作時のみに、平坦化ローラユニット222による平坦化動作を行う。
図4(a)は、往復のうちの一方の方向(以下、往路方向という)への主走査動作の様子の一例を示す。図4(b)は、往復のうちの他方の方向(以下、復路方向という)への主走査動作の様子の一例を示す。
本例において、平坦化ローラユニット222による平坦化は、往路方向への主走査動作時には行わず、復路方向への主走査動作時にのみ行う。また、本例において、平坦化ローラユニット222は、ローラ302、ドクターブレード304、及びインク回収部306を有する。ローラ302は、平坦化機構の一例であり、復路方向への主走査動作時において、その主走査動作において形成されたインクの層の表面を平坦化する。ローラ302は、インクの層の表面を平滑化する平滑化ローラであってよい。
より具体的に、本例において、ローラ302は、吐出ユニット12において用いる紫外線硬化型インクに対して濡れ性を有するローラであり、インクの層と接触した状態で回転することにより、インクの層の表面のインクを掻き取る。また、これにより、インクの層を平坦化する。また、この場合、例えば図4(b)におけるローラ302の位置に矢印で示すように、ローラ302は、インクを掻き取り、上方へ持って行くように回転する。この場合、上方とは、例えば、吐出ユニット12へ向かう方向のことである。
このように構成した場合、例えば、紫外線硬化型インクに対して濡れ性を有するローラ302を用いることにより、液状の余分なインクを適切に掻き取ることができる。また、これにより、例えば、インクのドットを潰すことなく、余分なインクを除去する構成により、インクの層を適切に平坦化できる。そのため、本例によれば、例えば、平坦化時において、インクのドットが潰れて色間滲み等が発生することを適切に防ぐことができる。
また、ドクターブレード304は、ローラ302により掻き上げられたインクをローラ302表面から除去するための構成である。ドクターブレード304は、例えば、一部がローラ302の表面と接触するように、ローラ302に隣接して配設される。また、図4(b)に示すように、ドクターブレード304は、例えば、平坦化動作時の吐出ユニット12の移動方向において、ローラ302よりも後方側に配設されることが好ましい。このように構成すれば、例えば、ローラ302が掻き上げたインクを、より適切に除去できる。また、インク回収部306は、ローラ302の表面からドクターブレード304が除去したインクを回収するための構成である。インク回収部306としては、例えば、インクを吐出ユニット12の外へ排出するインク経路等を用いることができる。また、インク回収部306として、例えば、吐出ユニット12内でインクを貯留する廃インクタンク等を用いることも考えられる。
また、本例において、平坦化ローラユニット222は、吐出ユニット12全体の位置に対し、上下方向(Z方向)へ、図示を省略した駆動機構により移動可能に構成されている。また、この機能により、例えば、平坦化ローラユニット222による平坦化を行わない往路方向への主走査動作時において、平坦化ローラユニット222は、図4(a)に示すように、予め、立体物5から離れる方向である上方の位置へ移動する。このように構成すれば、例えば、平坦化を行わない主走査動作時において、平坦化ローラユニット222とインクの層とが接触することを適切に防ぐことができる。
また、平坦化ローラユニット222による平坦化を行う復路方向への主走査動作時において、平坦化ローラユニット222は、図4(b)に示すように、予め、立体物5へ近づく方向である下方の位置へ移動する。このように構成すれば、例えば、平坦化を行う主走査動作時において、平坦化ローラユニット222とインクの層とを適切に接触させることができる。
尚、立体物5の最上部のインクの層と、平坦化ローラユニット222との間の距離の調整は、例えば、造形台16(図1参照)を上下させることで行うことも考えられる。この場合、例えば、造形途中の立体物5における被造形面と、吐出ユニット12との間の距離(ギャップ)について、往路方向への主走査動作と、復路方向への主走査動作との間で、100μm程度異ならせることが考えられる。また、この場合、ギャップの大きさは、通常、2〜3mm程度である。そのため、100μm程度のギャップの変化であれば、造形の精度への影響は十分に小さいと考えられる。そのため、このように構成した場合も、例えば、一部の主走査動作のみにおいて、適切に平坦化を行うことができる。また、例えば、上下方向において、平坦化ローラユニット222の移動と、造形台16の移動とを併用することにより、立体物5に対する平坦化ローラユニット222の位置を制御してもよい。
また、以上の構成により、本例における層形成動作においては、例えば、先ず、図4(a)に示すように、吐出ユニット12を所定の方向(例えば、図中の右方向)へ移動させることで、往路方向への主走査動作を行う。また、これにより、例えば、三次元構造物の形状情報である造形データとカラー画像情報である着色データとに基づき、吐出ユニット12における各インクジェットヘッドからインク滴を吐出する。また、往路方向への主走査動作時において、平坦化ローラユニット222は、駆動機構により、上方に待避している。そのため、ローラ302の下端は、造形中の立体物5の上面に接触しない。
また、この主走査動作時においては、吐出ユニット12の移動方向の後方側になる紫外線光源220であるUV1が点灯し、立体物5の最上部に形成されたインクの層を硬化させる。また、これにより、1回の主走査動作の中で、層形成動作と同時に、硬化動作を行う。尚、このような主走査動作により形成されるインクの層は、より具体的に、例えば、図3(a)に示した5a(n)層である。
また、この工程に続いて、次に形成するインクの層の厚さに合わせ、所定の高さ分、上下方向(Z方向)において、造形台16の位置を下げる。また、この場合、本例においては、平坦化ローラユニット222による平坦化で除去するインクの厚さを考慮して、造形台16の位置を下げる。
例えば、本例においては、往復の主走査動作を行う毎に、造形台16を下げる動作を行う。この場合、例えば、平坦化を行わずに主走査動作を行った場合に形成されるインクの層の厚みを2層重ねた厚さから、平坦化で除去するインクの厚さを減じた高さ分、造形台16を移動させる。また、この場合、平坦化で除去するインクの厚さは、表面の凹凸により生じる厚さのバラツキの想定量に応じて設定される。
また、より具体的に、例えば、平坦化を行わずに主走査動作を行った場合に形成されるインクの層の厚みが20μm程度の場合、2層分の厚さは、40μm程度になる。そして、平坦化で除去するインクの厚さが8μm程度の場合、造形台16を下げる距離は、例えば32μm程度となる。
尚、平坦化で除去するインクの厚さは、例えば、インク滴の容量のバラツキに応じて決定することが好ましい。例えば、インク滴の容量のバラツキが10〜15%程度の場合、より確実に平坦化を行うため、平坦化を行わずに主走査動作を行った場合に形成されるインクの層の厚み(設計上の厚み)に対し、20%分程度をローラ302により除去すること等が考えられる。
また、造形台16を下げる動作に続き、図4(b)に示すように、往路方向とは反対の方向(例えば、図中の左方向)へ吐出ユニット12を移動させることで、復路方向への主走査動作を行う。また、これにより、造形データ及び着色データに基づき、吐出ユニット12における各インクジェットヘッドからインク滴を吐出する。また、復路方向への主走査動作時において、平坦化ローラユニット222は、駆動機構により、下方に移動している。これにより、ローラ302の下端は、造形中の立体物5の上面に接触する状態になっている。
そのため、復路方向の主走査動作時において、ローラ302は、インクの層の表面のインクを掻き取り、除去する。また、これにより、ローラ302は、インクの層を平坦化する。また、より具体的に、ローラ302は、造形台16を下げた距離に応じた厚みに合わせて、インクの層を平坦化する。この場合、造形台16を下げた距離とは、例えば、前回の平坦化を行った主走査動作を行った後に造形台16を下げた距離のことである。より具体的に、例えば、上記のように、往復の主走査動作で形成された2層のインクの層の厚さが40μm程度であり、今回の平坦化の前に造形台16を32μm下げた場合、ローラ302によりインクの層の上面を平坦化することにより、前回の平坦化後に形成されたインクの層の厚さを、32μmに調整する。
また、この主走査動作時においては、吐出ユニット12の移動方向の後方側になる紫外線光源220であるUV2が点灯し、立体物5の最上部に形成されたインクの層を硬化させる。尚、このような主走査動作により形成されるインクの層は、より具体的に、例えば、図3(a)に示した5a(n+1)層である。
また、以降は、上記の動作を繰り返す。これにより、例えば、着色された立体物5を適切に造形できる。また、この場合、ローラ302により平坦化を行う主走査動作において、ローラ302の下端の上下方向位置(Z方向位置)は、毎回一定になる。そのため、ローラ302は、毎回、平坦化の前に造形台16を移動させた距離に応じた寸法(例えば32μm)で、インクの層を平坦化することになる。そのため、本例によれば、例えば、インクの層の平坦化を高い精度で適切に行うことができる。
続いて、本例において形成されるインクの層の様子について、更に具体的に説明をする。図5は、インクの層である5a(n)層、及び5a(n+1)層のより具体的な様子の一例を示す図である。この5a(n)層、及び5a(n+1)層は、図3(a)において符号5a(n)、及び5a(n+1)を付した層である。
図5(a)は、5a(n)層の形成時の様子の一例を示す。上記においても説明をしたように、5a(n)層は、往路方向への主走査動作により形成するインクの層である。この場合、主走査動作時において、吐出ユニット12は、図中の右方向へ移動しつつインク滴を吐出する。また、その結果、図4等に示した本例の構成の吐出ユニット12を用いる場合、例えばCMYKインク及びクリアインクを用いて形成する着色領域53においては、先ず、右端のインクジェットヘッドであるクリアインク用ヘッド208が吐出するクリアインク(T)のインク滴が、着滴(着弾)する。また、その後、右側からのインクジェットヘッドの並び順に応じて、K、C、M、Yの各色のインク滴が、順番に着滴する。
尚、図5(a)においては、図示の便宜上、模式的に、1滴のインク滴により形成されるインクのドットを、一つの四角形により表現している。しかし、実際の構成において、隣接するインクのドットは、例えば、少なくとも一部が重なるように形成される。そして、この場合、先に着滴したインク滴により形成されるインクのドットの上に、後で着滴するインク滴により形成されるインクのドットが重なることになる。
また、図5(a)に示すように、往路方向への主走査動作により、吐出ユニット12は、それぞれの領域に応じたインクジェットヘッドからインク滴を吐出することにより、着色領域53の他に、内部白色領域51、内部クリア領域52、及び外部クリア領域54を更に形成する。また、図中に三次元構造物の表面として破線で示した立体物5の表面の外側に、造形材用ヘッド204により、サポート6を形成する。
図5(b)は、5a(n+1)層の形成時の様子の一例を模式的に示す。上記においても説明をしたように、5a(n+1)層は、復路方向への主走査動作により形成するインクの層である。この場合、主走査動作時において、吐出ユニット12は、図中の左方向へ移動しつつインク滴を吐出する。また、その結果、本例の構成の吐出ユニット12を用い、立体物5の同じ位置へインク滴を吐出する場合、左側のインクジェットヘッドにより吐出されるインク滴から順番に、着滴することになる。より具体的には、例えば、仮に、同じ位置へインク滴を吐出するとした場合、着滴の順番は、吐出ユニット12において左端に位置するサポート材用ヘッド210のインク滴が一番先に着滴する。また、その後、MO、W、・・・の順番となり、最後にクリアインク(T)が着滴することになる。また、着色領域53に対しては、Y、C、M、Kの各色のインク滴が順番に着滴し、その後にクリアインク(T)のインク滴が着滴することになる。
ここで、上記においても説明をしたように、実際の構成において、隣接するインクのドットは、例えば、少なくとも一部が重なるように形成される。そして、着滴の順序がこのようになるため、5a(n+1)層において、他の色よりも後で着滴するクリアインク(T)のドットは、他の色のインクのドットよりも上の位置に形成されることになる。また、少なくとも、クリアインク(T)のドットの上に、YMCKインク等の有色のインクのドットが形成されることはない。すなわち、少なくとも平坦化動作を行う主走査動作において、クリアインク用ヘッド208は、例えば、同じ主走査動作において有色インク用ヘッド202y〜kが吐出したインク滴により形成された有色のインクのドットの上にクリアインクが重なるように、クリアインクのインク滴を吐出する。
また、図5(c)は、復路方向への主走査動作で形成されるインクのドットの並び方について、実際の並び方の一例を示す。図に一例を示すように、例えば着色領域53において、クリアインクのドットは、CMYKの各色のインクのドットよりも上側に形成される。
そして、この場合、平坦化動作時において、ローラ302は、主にクリアインクと接することになる。そのため、このように構成すれば、例えば、着色領域53において、YMCKインク等の有色のインクの状態をローラ302により乱すことを適切に防ぐことができる。また、これにより、互いに異なる色の有色のインクが混ざり、色間滲み等が発生することを適切に防ぐことができる。さらに、内部クリア領域52、及び外部クリア領域54のクリアインクと接することでも同様な効果が得られる。
また、この場合、図4に関連しても説明をしたように、ローラ302の下端の上下方向位置(Z方向位置)は、毎回一定になる。そのため、ローラ302は、毎回、平坦化の前に造形台16を移動させた距離に応じた寸法(例えば32μm)で、インクの層を平坦化することになる。そのため、本例によれば、例えば、インクの層の平坦化を高い精度で適切に行うことができる。
以上のように、本例においては、例えば、ローラ302による平坦化を行うことにより、高い精度で適切に立体物5を造形できる。また、主にクリアインクがローラ302と接する構成で平坦化を行うことにより、例えば、色間滲み等が発生することを適切に防ぐことができる。そのため、本例によれば、例えば、着色された立体物をより適切に造形できる。
ここで、立体物造形装置10の構成については、上記において説明をした具体的な構成に限らず、更なる変形等を行うことも考えられる。そこで、以下、立体物造形装置10の構成の各種変形例等について、説明をする。
立体物造形装置10の構成の変形例においては、例えば、クリアインク用ヘッド208が吐出するインク滴の容量について、有色インク用ヘッド202y〜kが吐出するインク滴の容量よりも大きくすることが考えられる。このように構成した場合、例えば、クリアインクにより形成されるインクのドットの高さが有色のインクのドットの高さよりも高くなる。また、その結果、例えば、平坦化動作において、特に、YMCKインクとローラ302とを接触させずに、クリアインクに対して平坦化を行いやすくなる。そのため、このように構成すれば、例えば、異なる色の有色インクが混じることをより発生しにくくできる。また、これにより、例えば、着色された立体物をより適切に造形できる。
また、吐出ユニット12の構成についても、例えば、図2に示した構成以外への変形を行ってもよい。この場合、クリアインク用ヘッド208について、有色インク用ヘッド202y〜kよりも平坦化ローラユニット222に近い位置に配設することが好ましい。
より具体的には、例えば、有色インク用ヘッド202y〜kと、クリアインク用ヘッド208とについて、副走査方向における位置をずらして配設してもよい。この場合、より具体的、例えば、有色インク用ヘッド202y〜kと、クリアインク用ヘッド208とについて、主走査方向における位置を揃えて、副走査方向へ並べて配設してもよい。
また、この場合、着色領域53に対し、少なくとも平坦化を行う主走査動作時において、有色インク用ヘッド202y〜kよりも後でクリアインク用ヘッド208がインク滴を吐出するように、それぞれのインクジェットヘッドを配設することが好ましい。
また、有色インク用ヘッド202y〜kのそれぞれについて、主走査方向における位置を揃えて、副走査方向へ並べて配設してもよい。更には、例えば、造形材用ヘッド204、白インク用ヘッド206、及びサポート材用ヘッド210の少なくとも一部についても、有色インク用ヘッド202y〜k等に対し、副走査方向における位置をずらして配設してもよい。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。