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JP6434735B2 - 緩衝器の製造方法 - Google Patents
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JP6434735B2 - 緩衝器の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、衝器の製造方法の改良に関する。
この種のピストンは、たとえば、緩衝器のシリンダ内に摺動自在に挿入されてシリンダ内を二つの圧力室に区画するとともに、緩衝器が伸長する際に作動油を通過させる伸側ポートと緩衝器が収縮する際に作動油を通過させる圧側ポートとを有している。また、ピストンの上下にはリーフバルブが積層されて、伸側ポートと圧側ポートの出口端をこれらリーフバルブで開閉するようになっており、緩衝器の伸縮時に伸側ポートおよび圧側ポートを通過する作動油の流れに上記リーフバルブで抵抗を与えて上記した二つの圧力室内の圧力に差を生じせしめて減衰力を発生するようになっている。
さらに、ピストンの外周には、シリンダ内周に摺接する合成樹脂製のピストンリングが装着されており、シリンダ内に形成される伸側室と圧側室とがピストン外周を介して連通されることなく、ピストンはシリンダ内を滑らかに移動することが可能とされている。
このピストンリングは、ピストンの外周に軸方向に並べて設けた複数の突条を備えた装着部に装着されて、ピストンに一体化されている。ピストンリングは、ピストンに装着される前は、円盤状をしていて、中央部にピストンの外径よりも小径の孔を備えている。そして、ピストンリングは、加熱されて変形しやすくなった状態でピストンとともに環状のダイス上に積層され、その状態で環状のダイス内にピストンを押し込むことでダイスによって扱かれて筒状に変形して、ピストンの外周の装着部に定着される(たとえば、特許文献1参照)。
特開2004−211757号公報
ところで、近年、車両の車体と車輪との間に介装されてサスペンション装置に組み込まれる緩衝器にあっては、車両における乗り心地向上の観点から、特に伸側の減衰力特性について、ピストン速度が低速域にあるときには減衰力が速やかに立ち上がり、ピストン速度が高速域に達すると減衰力のピストン速度に対する上昇割合が小さくなる飽和特性が好まれるようになってきている。
このような減衰力特性を実現することで、緩衝器は、ピストン速度が低速域にある際には車体の振動をしっかり抑制できるとともに、ピストン速度が高速域にある際には減衰力過多となることがなく、これによって、車両における乗り心地を向上することができる。
車両用の緩衝器では、前述したように、ピストンに内周が固定される環状のリーフバルブを積層して、伸側ポートをリーフバルブで開閉するようにしており、リーフバルブで伸側ポートを通過する作動油の流れに抵抗を与えて減衰力を発揮するようになっている。ここで、前述した減衰力特性を実現するには、リーフバルブの受圧面積を可能な限り増やすとともに、リーフバルブが着座する弁座径を大きくすることが求められる。
リーフバルブの受圧面積を大きくすることで少ない圧力で大きな力をリーフバルブに作用させることができ、また、弁座径を大きくすることでリーフバルブの内周支持部から弁座までの長さが長くなり、リーフバルブの撓み剛性を小さくすることができる。このようにすることで、リーフバルブが撓みやすくなるともに弁座から離間した際に弁座とリーフバルブとで形成される隙間も大きくなって、ピストン速度が高速域にある際にリーフバルブが作動油の流れに与える抵抗を低減することができ、前述の飽和特性を実現することができる。
昨今、前述の飽和特性を実現するため、飽和特性型のピストンが提案されるに至っている。このピストン100は、図5に示すような環状であって、外周に設けられてピストンリング110が装着される装着部102を備える円盤部101と、円盤部101の軸方向一端側から立ち上がる小径部103と、小径部103の反円盤部側に設けられて端部に弁座105を備える大径のシート部104と、一端から開口してシート部104の弁座105内に通じるポート106と、円盤部101とシート部104との間に形成される環状溝107から円盤部101の他端に通じるポート108とを備える。シート部104の外径は、ピストン100を図示しないシリンダ内に挿入した際に、環状溝107を閉鎖しないが可能な限り大きく設定されていて、シート部104から突出する環状の弁座105の径も許す限り大きく設定してある。
このようなピストン100にピストンリング110を装着する場合、ピストン100のシート部104に、図中破線で示すように、円盤状の合成樹脂母材111を積層して、この合成樹脂母材111を前述のごとくダイスで扱いていくと、これが筒状に変形して、円盤部101の装着部102の外周にピストンリング110として装着される。シート部104を備えないピストンに比較して飽和特性型のピストン100では、ピストンリング110が装着部102の外周に装着されるまでに、極限まで大径化されたシート部104を乗り越えて長い距離を移動することになる。このピストンリングとなる合成樹脂母材111がダイスで扱かれながら移動する際に、その内周がシート部104の外周の角部112に押し付けられるため、ピストンリングの削り屑が発生して、シート部の外周の角部112と弁座105との間に堆積する場合がある。
このようにピストンリングの削り屑が堆積されたまま、ピストンをシリンダ内に組み込んでしまうと、前記削り屑がバルブに噛み込み、性能不良を引き起こす可能性がある。削り屑を除去すればよいのであるが、除去作業は煩雑で製造コストが高くなってしまう新たな問題を生じさせる。
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、ピストンリングの装着時の削り屑の発生を抑制することができるストンを備えた緩衝器の製造方法を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、シリンダと、前記シリンダ内に摺動自在に挿入されて前記シリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンとを備え、前記ピストンは、円盤状のピストン本体と、合成樹脂製であって前記ピストン本体の外周に装着される円筒状のピストンリングとを備え、前記ピストン本体は、外周に前記ピストンリングが装着される装着部を備えた円盤部と、前記円盤部の軸方向一端側に立ち上がる円盤部より小径な小径部と、前記小径部の反円盤部側に設けた前記小径部より大径であって反小径部側端に環状の弁座を持つシート部と、前記円盤部の反小径部側端から開口して前記シート部の反小径部側端であって前記弁座の内周側に通じる第一ポートと、前記円盤部の反小径部側端から開口して前記シート部と前記円盤部の間に通じる第二ポートとを有し、前記シート部が、反小径部側端の外周縁に面取部を有する緩衝器の製造方法であって、ピストン本体のシート部にピストンリングとなる環状の合成樹脂母材を積層する工程と、シート部に合成樹脂母材を積層した状態で、ピストン本体をシート部側から筒状のダイス内に押し込んで、ピストン本体の外周にピストンリングを装着する工程と、ピストンをシート部側からシリンダ内へ挿入する工程とを備えることを特徴とする。この構成によると、ピストン本体に設けたシート部の反小径側端の外周縁に面取部を設けているので、ピストンリングを形成する合成樹脂母材がダイスによって引きずられつつ内周がシート部に押し付けられても、合成樹脂母材の内周が削られることがない。よって、本発明の衝器の製造方法によれば、ピストン本体にピストンリングを装着する加工中に内周が削られないので、削り屑の発生を抑制することができる。
また、削り屑が発生しないので、削り屑を除去する除去作業を行う必要がなくなり、加工工数が低減されて緩衝器の製造時間を短縮できるとともに、製造コストを低減することができる。
また、削り屑が発生しないので、緩衝器内に削り屑が入り込んで性能不良を引き起こす心配もなく、緩衝器は安定的に狙い通りの減衰力を発揮することができる。
本発明の衝器の製造方法によれば、ピストンリングの装着時の削り屑の発生を抑制することができる。
一実施の形態における緩衝器の縦断面図である。 一実施の形態の緩衝器におけるピストンの拡大縦断面図である。 一実施の形態の緩衝器におけるピストン本体にピストンリングを装着する加工手順を説明する図である。 一実施の形態の緩衝器のピストン本体にピストンリングを装着する加工におけるピストンリングの変形状態を説明する図である。 従来の緩衝器におけるピストンの縦断面図である。
以下、本発明の緩衝器Dを図に基づいて説明する。一実施の形態における緩衝器Dは、図1に示すように、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されて前記シリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン2と、一端がピストン2に連結されて他端がシリンダ1外へ突出するピストンロッド3とを備えて構成されている。
そして、この実施の形態の緩衝器Dにあっては、シリンダ1内の図中下方に当該シリンダ1の内周に摺接して圧側室R2と気体室Gとを区画する摺動隔壁7が設けられており、伸側室R1および圧側室R2には作動油等の液体が充満されている。なお、前記した伸側室R1および圧側室R2内に充填される液体は、作動油以外にも、たとえば、水、水溶液といった液体を使用することもできる。気体室G内には、窒素などの不活性ガスが充填されているが、不活性ガス以外の気体を充填することも可能である。
シリンダ1は、図1中下端がボトムキャップ4により閉塞されており、図1中上端には、ピストンロッド3を摺動自在に軸支する環状のロッドガイド5が装着されている。また、シリンダ1の図1中上端であって、ロッドガイド5の図1中上方には、ピストンロッド3の外周に摺接してシール部材6が装着されている。このシール部材6は、ピストンロッド3の外周をシールして、シリンダ1内の液体の漏洩を阻止している。
ピストン2は、図1に示すように、円盤状のピストン本体10と、合成樹脂製であってピストン本体10の外周に装着される円筒状のピストンリング11とを備えて構成されている。
ピストン本体10は、図1および図2に示すように、外周にピストンリング11が装着される装着部13を備えた円盤部12と、円盤部12の軸方向の一端側となる図1中下方側に立ち上がる円盤部12より小径な小径部14と、小径部14の反円盤部側となる図1中下方側に設けた小径部14より大径であって反小径部端となる図1中下端に環状の弁座15aを持つシート部15と、円盤部12の反小径部側端となる図1中上端から開口して前記シート部15の反小径部側端となる図1中下端であって弁座15aの内周側に通じる第一ポート16と、前記円盤部12の反小径部側端となる図1中上端から開口してシート部15と円盤部12の間に形成される環状溝17に通じる第二ポート18と、円盤部12、小径部14およびシート部15の中心を軸方向に貫いて前記ピストンロッド3が挿通される挿通孔19とを備えて構成されている。
ピストン本体10は、本実施の形態の場合、焼結成型によって成型されており、円盤部12、小径部14およびシート部15が一体とされている。円盤部12は、外周に周方向に沿う環状の突条を複数備えた装着部13を備えている。ピストンリング11は、加熱された状態で装着部13に押し付けられて装着されることで、内周が装着部13に符合する形状に変形せしめられて、円盤部12に一体化されている。
シート部15は、円盤部12の図1中下端から突出する円盤状の小径部14に連なっており、外径が円盤部12より小径であって小径部14より大径とされている。そして、このシート部15と円盤部12との間に小径部14を設けることで、小径部14の外周であってシート部15と円盤部12との間に環状溝17が形成されている。
シート部15は、円盤状であって、その図1中下端に設けられて図中下方へ突出する環状の弁座15aを備えている。シート部15の外径に比較して弁座15aの外径は小径に設定されており、シート部15の反小径部側端である図1中下端の弁座15aより外周側には環状の外周部15bが設けられている。また、この外周部15bにおける外周縁には、面取りが施されていて、面取部15cが形成されている。面取部15cは、テーパ状にC面取りを施して形成されてもよいし、断面円弧状にR面取りを施して形成されてもよい。
円盤部12の図1中上端である反小径部側端には、花弁型の弁座12aが設けられており、この弁座12aに囲まれた独立開口窓12bから開口して環状溝17に通じる圧側ポートとなる第二ポート18が複数設けられている。
また、円盤部12の図1中上端である反小径部側端であって弁座12aで囲まれない箇所から開口してシート部15の図1中下端である反小径部側端であって弁座15aの内側に通じる伸側ポートとしての第一ポート16が複数設けられている。
そして、ピストン本体10には、円盤部12、小径部14およびシート部15の中心を軸方向に貫く挿通孔19が設けられており、この挿通孔19には、前記ピストンロッド3が挿通される。
また、ピストン2の伸側室R1に面する図1中上端には、弁座12aに着座する環状の圧側リーフバルブV1が積層されており、ピストン2の圧側室R2に面する図1中下端には、弁座15aに着座する環状の伸側リーフバルブV2が積層されている。
ピストン2に圧側リーフバルブV1および伸側リーフバルブV2を積層した状態で、これらをピストンロッド3の先端に設けた小径なピストン装着部3aの外周に組み付けた後、ピストン装着部3aの先端の螺子部3bにピストンナット8を装着して締め付けることで、ピストン2、圧側リーフバルブV1および伸側リーフバルブV2がピストンロッド3に固定される。
このようにピストンロッド3にピストン2、圧側リーフバルブV1および伸側リーフバルブV2が固定されると、圧側リーフバルブV1および伸側リーフバルブV2は、外周の撓みが許容されつつその内周がピストンロッド3に固定される。
圧側リーフバルブV1は、弁座12aに着座した状態では、第二ポート18を閉塞し、外周側撓むと第二ポート18を開放するようになっていて、第二ポート18を開閉することができる。伸側リーフバルブV2は、弁座15aに着座した状態では、第一ポート16を閉塞し、外周側撓むと第一ポート16を開放するようになっていて、第一ポート16を開閉することができる。
シリンダ1内をピストン2が図1中下方へ移動して緩衝器Dが収縮する場合、圧縮されて圧力上昇する圧側室R2の圧力により伸側リーフバルブV2がピストン2側へ押圧されて第一ポート16が閉塞される一方、第二ポート18を介して圧側室R2の圧力を受ける圧側リーフバルブV1は撓んで弁座12aから離座して、第二ポート18を開放する。圧側リーフバルブV1は、第二ポート18を通過して圧側室R2から伸側室R1へ移動する液体の流れに抵抗を与えるため、緩衝器Dは、前記収縮を妨げる圧側減衰力を発揮する。
反対に、シリンダ1内をピストン2が図1中上方へ移動して緩衝器Dが伸長する場合、圧縮されて圧力上昇する伸側室R1の圧力により圧側リーフバルブV1がピストン2側へ押圧されて第二ポート18が閉塞される一方、第一ポート16を介して伸側室R1の圧力を受ける伸側リーフバルブV2は撓んで弁座15aから離座して、第一ポート16を開放する。伸側リーフバルブV2は、第一ポート16を通過して伸側室R1から圧側室R2へ移動する液体の流れに抵抗を与えるため、緩衝器Dは、前記伸長を妨げる伸側減衰力を発揮する。
この実施の形態では圧側ポートとなる第二ポート18は、環状溝17に通じており、シリンダ1とシート部15との間に隙間を設けておけば、環状溝17が隙間を介して伸側室R1に連通され、緩衝器Dの収縮行程において圧側室R2から伸側室R1へ第二ポート18を通じて液体の移動が可能となる。そのため、シート部15には第一ポート16の開口のみを設けることができ、シート部15の外径を大きくすることができるので、弁座15aの内径も大きくすることができる。
弁座15aの内径を大きくすることができるので、伸側室R1の圧力を受ける伸側リーフバルブV2の受圧面積を大きくすることができるとともに、伸側リーフバルブV2の弁座15aへ着座する部位の径も大きくすることができる。
このように、伸側リーフバルブV2の受圧面積を大きくすることができるので、小さな圧力でも伸側リーフバルブV2を撓ませる力を大きくすることができる。また、伸側リーフバルブV2の弁座15aへ着座する部位の径も大きくすることができるから、伸側リーフバルブV2の撓み剛性を低くすることができる。よって、伸側リーフバルブV2を小さな圧力で大きく撓ませることができ、緩衝器Dの伸長行程時におけるピストン速度が高速域に達する場合、伸側リーフバルブV2が大きく撓んで第一ポート16を開放することができる。このように、本発明の緩衝器Dにあっては、伸長行程時におけるピストン速度が高速域に達する場合、伸側リーフバルブV2を大きく撓ませて第一ポート16を開放することができるので、ピストン速度が低速域にあるときには減衰力が速やかに立ち上がり、ピストン速度が高速域に達すると減衰力のピストン速度に対する上昇割合が小さくなる飽和特性を実現することができる。シリンダ1内に出入りするピストンロッド3の体積は、摺動隔壁7がシリンダ1内で移動することで気体室Gを圧縮或いは膨張させることで吸収される。よって、この緩衝器Dは、単筒型緩衝器とされているが、図示はしないが、シリンダ1の下端にベースバルブを設けてシリンダ外にリザーバを設けるいわゆる復筒型緩衝器として構成されてもよい。
つづいて、ピストンリング11をピストン本体10の装着部13に装着する加工について説明する。ピストン本体10にピストンリング11を装着する場合、図3に示すように、ピストン本体10のシート部15に孔空き円盤状のピストンリングとなる合成樹脂母材Jを積層して、合成樹脂母材Jを積層したままピストン本体10をシート部15側から合成樹脂母材Jもろとも、筒状のダイス20内に押し込んでいく。ダイス20の内径は、ピストン本体10の円盤部12の外径よりも大径ではあるが、ダイス20と円盤部12との間の隙間は、合成樹脂母材Jの肉厚より狭くなっている。
そして、合成樹脂母材Jは、加熱されていて軟化しているため、図4に示すように、ピストン本体10のダイス20内への侵入量の増加に伴って、ダイス20によって扱かれつつ、引きずられて、円筒状に変形しつつシート部15の外周を乗り越えて装着部13へ移動し、ダイス20によって装着部13に外周から押し付けられる。すると、合成樹脂母材Jは、図2に示すように、内周が装着部13の外周形状に倣って突条間に入り込むように変形し、ピストン本体10に強固に固定される。
このように、ピストンリング11をピストン本体10に装着する加工を行っても、シート部15の図1中下端となる反小径側端の外周縁に面取部15cを設けているので、ピストンリングを形成する合成樹脂母材Jがダイス20によって引きずられつつ、合成樹脂母材Jが外周側からダイス20によって押圧されて内周がシート部15に押し付けられても、合成樹脂母材Jの内周が削られることがない。よって、本発明の緩衝器Dおよびピストン2によれば、ピストン本体10にピストンリング11を装着する加工中に内周が削られないので、削り屑の発生を抑制することができる。削り屑の発生を抑制できるので、削り屑を除去する除去作業を行う必要がなくなり、加工工数が低減されて緩衝器Dおよびピストン2の製造時間を短縮できるとともに、製造コストを低減することができる。
また、削り屑の発生が抑制されるので、緩衝器D内に削り屑が入り込んで性能不良を引き起こす心配もなく、緩衝器Dは安定的に狙い通りの減衰力を発揮することができる。
ここで、緩衝器Dを車両の車体と車輪との間に介装して車両における振動を減衰させるサスペンション用途で使用する場合、収縮行程時より伸長行程時の減衰力を大きくする必要があるため、特に、伸長行程時における減衰力過多を低減することで、車両における乗り心地を効果的に向上させることができる。
伸長行程時における減衰特性は、ピストン2の圧側室R2側に積層される伸側リーフバルブV2に決定づけられることから、伸長行程時に飽和特性を得ようとする場合、ピストン2をピストンロッド3の先端にシート部15側を先端側に向けて装着するとともに、シート部15側を圧側室R2に向けてピストン2をシリンダ1内に挿入する必要がある。シリンダ1の図1中下方には、単筒型緩衝器であれば摺動隔壁7を設け、復筒型緩衝器であればベースバルブを設ける関係上、ピストン2をシート部15側からシリンダ1内へ挿入せざるを得ない。
ところで、ピストンリング11は、シート部15側から合成樹脂母材Jをダイス20で扱いてピストン本体10の外周に装着されるため、残留応力によって加工後に図1中上端となる反シート部側の端部がラッパ状に外周側に開いた状態でピストン本体10の外周に固定される。このようにピストンリング11の反シート部側端が外周側に開く状態でピストン本体10に固定されるため、ピストン2をシート部側からシリンダ1内へ挿入する分にはピストンリング11の反シート部側端がシリンダ1の開口端に引っかからず容易に挿入することができる。反対に、ピストン2を反シート部側からシリンダ1内へ挿入する場合、ピストンリング11の反シート部側端がシリンダ1の開口端に引っかかるので、ピストン2を反シート部側からシリンダ1内へ挿入するのは困難である。
以上から、シート部15を圧側室R2へ向けて配置することで、緩衝器Dの伸長行程時の減衰特性を飽和特性としたい場合、シリンダ1へのピストン2の挿入する加工が可能となるためには、シート部15側からピストンリング11を装着する加工を行う必要性があるが、従来では、削り屑の発生により製造工程が煩雑となりコストが嵩んでいた。しかしながら、本発明によれば、装着加工時にピストンリング11の削り屑の発生を抑制することができるので、シート部15を圧側室R2へ向けて配置することが可能となり、低コストで緩衝器Dの伸長行程時の飽和特性を実現することができる。
また、シート部15の外周縁にR面取りを施すことで、面取部15cの断面形状を円弧状とする場合には、テーパ状の面取部15cに比較してエッジがないため、より一層、ピストンリング11の削り屑の発生を抑止することができる。
以上で本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
1 シリンダ
2 ピストン
10 ピストン本体
11 ピストンリング
12 円盤部
13 装着部
14 小径部
15 シート部
15a 弁座
15c 面取部
16 第一ポート
17 第二ポート
D 緩衝器
R1 伸側室
R2 圧側室

Claims (1)

  1. シリンダと、
    前記シリンダ内に摺動自在に挿入されて前記シリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンとを備え、
    前記ピストンは、円盤状のピストン本体と、合成樹脂製であって前記ピストン本体の外周に装着される円筒状のピストンリングとを備え、
    前記ピストン本体は、外周に前記ピストンリングが装着される装着部を備えた円盤部と、前記円盤部の軸方向一端側に立ち上がる円盤部より小径な小径部と、前記小径部の反円盤部側に設けた前記小径部より大径であって反小径部側端に環状の弁座を持つシート部と、前記円盤部の反小径部側端から開口して前記シート部の反小径部側端であって前記弁座の内周側に通じる第一ポートと、前記円盤部の反小径部側端から開口して前記シート部と前記円盤部の間に通じる第二ポートとを有し、
    前記シート部が、反小径部側端の外周縁に面取部を有する緩衝器の製造方法であって、
    前記ピストン本体の前記シート部に前記ピストンリングとなる環状の合成樹脂母材を積層する工程と、
    前記シート部に前記合成樹脂母材を積層した状態で、前記ピストン本体を前記シート部側から筒状のダイス内に押し込んで、前記ピストン本体の外周に前記ピストンリングを装着する工程と、
    前記ピストンを前記シート部側から前記シリンダ内へ挿入する工程とを備える
    ことを特徴とする緩衝器の製造方法。
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