JP6435097B2 - トマト含有調味料 - Google Patents
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1)カプロン酸エチルおよび/またはカプリル酸エチルおよび/または酢酸フェネチルを含有し、トマトの色素成分を含有することを特徴とするトマト含有調味料、
2)カプロン酸エチル0.05ppm以上および/またはカプリル酸エチル0.09ppm以上および/または酢酸フェネチル0.15ppm以上含有することを特徴とする、上記1)に記載のトマト含有調味料、
3)リコピンを5mg%(w/v)以上含有することを特徴とする、1)〜2)のいずれかに記載のトマト含有調味料、
に関する。
例えば、
(1)トマトに、カプロン酸エチルおよび/またはカプリル酸エチルおよび/または酢酸フェネチルを添加する方法、
(2)トマトと、上記各成分を所望量含有するように添加した、あるいは発酵した麹由来原料を混合する方法、
(3)トマトと麹由来原料を混合し、上記各成分が所望量となるまで発酵する方法、
によって本発明のトマト含有調味料が得られる。
麹は、公知の醤油・味噌用麹の製造方法に従い、得られる麹であれば良い。例えば、大豆、脱脂加工大豆等の蛋白質原料を加熱変性したものと、麦類(小麦、大麦、裸麦、はと麦)を炒熬・割砕したものまたは米類等の澱粉質原料を加熱変性したものとを混合し、該混合物の水分を35〜50%(w/w)に調整した後、これにAspergillus oryzae、Aspergillus sojae等の種麹を接種する。20〜40℃で2〜4日間培養して麹が得られる。
麹を食塩水で仕込むことで得られた醤油諸味は、乳酸菌を添加して、あるいは非添加で15〜25℃の温度にて乳酸発酵を行う。本発明における乳酸発酵に用いられる乳酸菌としては、公知に醤油・味噌醸造に用いられているTetragenococcus halophilus等の耐塩性乳酸菌が好ましい。乳酸発酵開始時の醤油諸味は通常pH5.5〜6.5であり、乳酸発酵完了後の醤油諸味はpH4.2〜5.4である。
乳酸発酵を完了した醤油諸味は、酵母を添加して、25〜30℃の温度にて酵母発酵を行う。本発明における酵母発酵に用いられる酵母としては、公知に醤油・味噌醸造に用いられているZygosaccharomyces rouxii、Zygosaccharomyces bailli、Candida etchellsii、Candida verstilis等の耐塩性酵母が好ましい。
麹由来原料にトマトを添加し発酵・熟成させる際に、トマトは、麹由来原料として乳酸発酵を終えた醤油諸味、または好気的条件下で酵母発酵中の醤油諸味、または好気的条件下での酵母発酵を終えて熟成途上の醤油諸味、または熟成を終えた醤油諸味、味噌等へ混合することが好ましい。好気的条件下での酵母発酵を終えた醤油諸味(発酵開始後約2ヶ月経過した諸味)または発酵熟成を終えた醤油諸味(発酵開始後4ヶ月以上経過した諸味)へ混合し発酵することがより好ましい。添加する時期が早過ぎると、醤油諸味における原料溶出や乳酸発酵が阻害されるため好ましくない。
麹由来原料にトマトを添加した「トマト諸味」の食塩濃度は6.0〜20.0%(w/v)が好ましく、8.0〜15.0%(w/v)がより好ましい。トマト諸味では、食塩濃度が6.0%(w/v)未満では腐敗の危険性が高まるため好ましくない。反対に20.0%(w/v)を超えると酵母発酵が阻害されるため好ましくない。食塩濃度は、適宜食塩を添加・混合することにより、上記濃度範囲となるように調整することができる。
トマト諸味は、酵母による発酵を効率よく行わせる観点から20〜35℃の温度において発酵を行うことが好ましい。醤油諸味中に醤油酵母が添加されていれば、トマト添加時に新たに酵母や特殊な酵母を添加しなくてもよいが、特に制限されることなく、発酵経過に応じて上述の酵母や乳酸菌を追加して添加することもできる。またトマト諸味を熟成させる目的で、香りが劣化しにくい10〜25℃の温度においてさらに熟成を行うことができる。
トマト含有調味料の対照品として、脱脂大豆と小麦より調製された脱脂大豆醤油諸味(キッコーマン食品社製、脱脂大豆:小麦=50:50(w:w)、5ヶ月発酵のもの)とトマトペースト(日本デルモンテ社製、トルコ産)を50:50(w:w)となるように混合した。トマトペースト2000g、脱脂大豆醤油諸味2000g、食塩40gを混合後、しょうゆ酵母等を添加せず、速やかに80℃達温30分間の殺菌を行なうことで酵素や酵母による発酵反応を停止した。この対照品にカプロン酸エチル、カプリル酸エチル、酢酸フェネチルをそれぞれ添加・混合し、試験品1−1〜1−18を調製した。
トマト含有調味料の口腔香を評価するため、キュウリと鮭のソテーを調製し、官能評価に用いた。キュウリと鮭のソテーは下記の方法に従い用意した。官能評価は、訓練され識別能力を有するパネル5名による評点法で行った。
市販のキュウリを購入し、洗浄後、約1cm角のダイス状にカットした。パネルが任意の量の対照品または試験品をダイス状キュウリに付け、官能評価を行った。
サラダ油(日清オイリオグループ社製)15mlをフライパンで加熱し、生鮭(北海道産)100gを約5分間加熱調理した。パネルが任意の量の対照品または試験品をカットした鮭ソテー20gに付け、官能評価を行った。
1:口腔内で感じる青臭さが、調味料をつける前よりかなり強くなる
2:口腔内で感じる青臭さが、調味料をつける前より強くなる
3:口腔内で感じる青臭さが、調味料をつける前と同等
4:口腔内で感じる青臭さが、調味料をつける前より弱くなる
5:口腔内で感じる青臭さが、調味料をつける前よりかなり弱くなる
(鮭の生臭さの評価)
1:口腔内で感じる生臭さが、調味料をつける前よりかなり強くなる
2:口腔内で感じる生臭さが、調味料をつける前より強くなる
3:口腔内で感じる生臭さが、調味料をつける前と同等
4:口腔内で感じる生臭さが、調味料をつける前より弱くなる
5:口腔内で感じる生臭さが、調味料をつける前よりかなり弱くなる
(口腔香の総合評価)
1:対照品のほうが、とても好ましい
2:対照品のほうが、やや好ましい
3:同等
4:試験品のほうが、やや好ましい
5:試験品のほうが、とても好ましい
トマトとしてトルコ産トマトペースト(日本デルモンテ社製、Brix30−32%(w/w))を、麹由来原料として醤油諸味を用意した。醤油諸味は脱脂大豆と小麦より調製された脱脂大豆醤油諸味(キッコーマン食品社製、脱脂大豆:小麦=50:50(w:w)、5ヶ月発酵のもの)、脱脂大豆醤油諸味をパルパーフィニッシャー(ヤエス社製、型式HC−1)により定法に従い裏ごしした裏ごし脱脂大豆醤油諸味、丸大豆と小麦より調製された丸大豆醤油諸味(キッコーマン食品社製、丸大豆:小麦=50:50(w:w)、2ヶ月発酵のものと5ヶ月発酵のもの)を用いた。トマトペーストと醤油諸味は50:50(w:w)となるように混合した。さらに食塩を加え、しょうゆ酵母としてZygosaccharomyces rouxiiを約1/106 cfu/gとなるように加えよく混合し、4040gずつトマト諸味を仕込んだ。対照品は実施例1と同様にして調製した。対照品と各試作品の配合を表2に示す。
諸味品温を25〜30℃に保持し、4時間(試験品2−3)または7日間(試験品2−1〜2−2、2−4〜2−5)通気攪拌し、酵母発酵を行った。さらに諸味品温を25〜30℃に保持し発酵・熟成させた(試験品2−1〜2−2、2−4〜2−5)。
トマト含有調味料の一般成分分析は、しょうゆ試験法(財団法人、日本醤油研究所編、昭和60年(1985年)3月1日発行)記載の方法に従い分析を行った。
新・食品分析法(光琳社、(社)日本食品科学工学会編纂、1996年、p.644〜646)記載の方法に従った。すなわちサンプル1gを量り取り25mLに超純水でメスアップし、よく攪拌した。1mLをガラス管に取り、抽出液(アセトン:ヘキサン=40:60)4mLを加え、10分間攪拌した。遠心分離後、上清2mLをディスポーザブルチューブに分取した。抽出液2mLを加え、同様にして攪拌、遠心分離、分取を2回繰り返し、得られた色素抽出液について、分光光度計で663、645、505、453nmの吸光度を測定後、文献記載の方法に従い定量した。
酢酸フェネチル、カプロン酸エチル、カプリル酸エチルはヘッドスペースGC−MSを用いた標準添加法にて分析定量した。試料として対照品または試験品10mlをバイアル瓶に2本ずつ入れた。既知濃度の上記成分を1本の試料入りバイアル瓶に入れ、上記成分未添加の試料入りバイアル瓶と合わせて用意した。ヘッドスペースサンプラ(Agilent Technologies社製、G1888)にそれぞれセットし、分析を行った。
測定機器: Agilent Technologies社製、6890N GC + 5973MSD
カラム: DB−WAX(Agilent Technologies社製、60m×内径0.25mm×膜厚0.5μm)
昇温条件: 40℃、3分保持後、3℃/分の速度で220℃まで昇温
注入モード: スプリットレスモード
キャリアガス: ヘリウム、流速1.5ml/分
測定モード: SIMモード
官能評価は、訓練され識別能力を有するパネル5名による評点法で行った。実施例1と同様にして、キュウリの青臭さの評価、鮭の生臭さの評価、口腔香の総合評価を行った。
トマトとして米国産トマトペースト(日本デルモンテ社製、Brix32−36%(w/w))を、麹由来原料として醤油諸味は実施例1で用いた丸大豆醤油諸味(キッコーマン食品社製、丸大豆:小麦=50:50(w:w)、5ヶ月発酵のもの)を用いた。トマトペーストの配合量が8%(w/w、試験品3−1)、24%(w/w、試験品3−2)、40%(w/w、試験品3−3)、59%(w/w、試験品3−4)となるように混合した。さらに食塩を加え、しょうゆ酵母としてZygosaccharomyces rouxiiを約1/106 cfu/gとなるように加えよく混合し、トマト諸味を仕込んだ。対照品は実施例1と同様にして調製した。対照品と各試作品の配合を表4に示す。
諸味品温を25〜30℃に保持し、7日間通気攪拌することで酵母発酵を行った。さらに諸味品温を25〜30℃に保持しさらに23日間発酵・熟成させた。
和風、中華風、洋風料理における本発明のトマト含有調味料の調理適性を評価した。和風料理として肉じゃが、つけかけを、中華風料理としてマーボー豆腐、つけかけを、洋風料理としてパスタ、ドレッシングを試験した。訓練され識別能力を有するパネル8名により、官能評価を行った。
表6に記載の材料を用意した。耐熱容器にキッチンペーパーを敷いて豆腐を入れ、ラップをせずに電子レンジ(600W)で2分30秒加熱し、2cm角に切った。フライパンにサラダ油を熱し、にんにく、しょうが、赤唐がらし、豆板醤を炒め、ひき肉を加えてパラパラになるまで炒めた。市販品を使用する場合は甜麺醤、酒、しょうゆを加え混ぜ、水・鶏がらスープを加えて煮立て、豆腐を加え30秒ほど煮た。試作品2−2を使用する場合は、甜麺醤・酒・しょうゆ・鶏がらスープを使用せず、試作品2−2のみで味を調えた。最後にねぎ、花山椒をふり、水溶き片栗粉でとろみをつけ、ごま油を回しかけた。器に盛り、万能ねぎを散らし、官能評価に供した。
じゃがいもは4cm大に切り、玉ねぎは1cm幅のくし形に切った。鍋に油を温め、玉ねぎ、豚肉を炒めた。じゃがいもを加えてさらに炒め、だし汁・水を加え、沸騰したら中火にして煮た。最後にみりんと丸大豆しょうゆまたは試験品2−2を加え、5分煮て味をしみ込ませ完成とした。お椀型の容器に取り分け、官能評価に供した。
玉ねぎをみじん切りにした。フライパンにオリーブオイルを熱し、玉ねぎを軽く色づくまで炒め、ひき肉も加えてさらに炒めた。トマトソース(日本デルモンテ社製 基本のトマトソース)を加えて4〜5分煮た後、塩・こしょうで味を調え、これをミートソースとした。試作品2−2を使用した場合は、トマト缶(日本デルモンテ社製、ダイストマト)と共に砂糖、にんにく、試作品2−2を加えて同様にして煮た。スパゲティは6〜7分茹でた後、器に盛り、前述のミートソースをかけ、官能評価に供した。
表9に示す材料を混合し、もろみドレッシングを得た。1cm角のダイス上に切ったキュウリ、大根、ニンジンと共にドレッシングを官能評価に供した。
冷凍餃子(味の素社製、ギョーザ)、冷凍春巻き(ニチレイ社製、春巻き)を説明書に従い解凍した。官能評価パネルは任意の量の試作品2−2をつけ、官能評価に供した。
牛100%の挽肉(オーストラリア産牛肉)に、調味料として(1)16%食塩水+3%エタノール、(2)こいくちしょうゆ(キッコーマン食品社製)をそれぞれ6.4ml、(3)試作品2−2を6.4mlに相当するように比重で合わせた7.7gを加え、良くこねた。こねた肉(肉パテ)を8g計量し、丸め、軽く押して俵状にしたものを、8分間フライパンで焼いた。粗熱が取れた後、小袋に小分けにし、測定まで冷凍保存した。測定日に肉パテを解凍し、80℃の水浴にて肉パテを温めた。
肉8gに対して64mlの蒸留水を加えて破砕したサンプル10gをバイアルに入れて、TWISTER(GERSTEL社製、100%ポリジメチルシロキサン(PDMS)をコーティングさせた攪拌子、膜厚0.5mm、長さ10mm)をサンプルに触れないように1本入れて蓋をし、50℃で2時間サンプルを撹拌しながら、ヘキサナールを吸着させた。TWISTERをバイアルから取り出し、加熱脱着システム(型式MPS−TDU、GERSTEL社製)にセットし、GC/MSシステムに導入し、下記の条件で分析に供した。得られたヘキサナールのピーク面積を内部標準のピーク面積で割ることで補正し、各調味料を練りこんだ肉を焼くことにより生じたヘキサナールの面積値を比較した。
測定機器: アジレント・テクノロジーズ社製(型式5975C)
カラム: HP−INNOWAX(Agilent Technologies社製、60m×内径0.25mm×膜厚0.5μm)
温度プログラム: 40℃、2分保持後、5℃/分の速度で240℃まで昇温
注入モード:スプリットレス
キャリアガス: ヘリウム、流速1.8ml/min
測定モード: Scanモード
Claims (2)
- トマト、醤油諸味及び公知に醤油・味噌製造に用いられている耐塩性酵母を含むトマト諸味の酵母発酵物であるトマト含有調味料であって、
カプロン酸エチル0.05ppm以上および/またはカプリル酸エチル0.09ppm以上および/または酢酸フェネチル0.15ppm以上を含有し、トマトの色素成分を含有することを特徴とするトマト含有調味料。 - リコピンを5mg%(w/v)以上含有することを特徴とする、請求項1に記載のトマト含有調味料。
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