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JP6435235B2 - 含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミド、それを含有する非水電解液及び非水系二次電池 - Google Patents
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JP6435235B2 - 含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミド、それを含有する非水電解液及び非水系二次電池 - Google Patents

含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミド、それを含有する非水電解液及び非水系二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドに関する。詳しくは、非水系二次電池、キャパシタ及び電解コンデンサ等の電気化学エネルギー変換デバイスに用いられる含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミド、及びそれを含有する非水系電解液、更にはそれを用いた非水系二次電池に関する。
非水系二次電池、キャパシタ、電解コンデンサ等の電気化学エネルギー変換デバイスは、ノートパソコン、携帯電話を初めとし、バックアップ電源、電源回路の平滑用など多様な用途で利用されている。特にリチウムイオン二次電池に代表される非水系二次電池は、高出力密度、高エネルギー密度の特徴を有しており、近年、電力貯蔵用電源、電気自動車用電源としての大型電池への実用化が本格化してきている。
非水系二次電池の大型化に伴い、電池はより高エネルギー密度化、長寿命化が求められており、特に高温下での長寿命化も重要となってきている(非特許文献1)。
非水系二次電池の高エネルギー密度化には、高電位(例えばリチウムイオン二次電池の場合、金属リチウム基準で4.3V以上)で動作可能な正極材料を用いた非水系二次電池が提案されている(非特許文献1)。
このような非水系二次電池の電解液は、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の高誘電率溶媒に、低粘度溶媒である炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等を混合して成る有機溶媒に電解質塩を溶解したものが一般的に使用されている。しかし、これらの電解液は、高電位で動作可能な正極材料を用いた非水系二次電池の電解液としては、十分であるとは言えない。特に、高電圧条件で充放電を行った場合、電解液が正極上で酸化分解され、分解ガスの発生により電池の膨れを生じたり、分解生成物の堆積により電気抵抗を増大させて充放電サイクル特性の低下を招き易い課題を有している(非特許文献1、2)。
一方、電解質塩としては、例えばリチウムイオン二次電池の場合、イオン導電性、耐酸化性に優れるLiPFが主として用いられている。このLiPFは、電解液中の熱や水分によって分解し易い性質があり、更にこれが引き金となって電解液の分解を促進して電池寿命を低下させることが知られている。このような課題に対して、ホスファゼンや亜リン酸エステル、ヘキサメチルホスホルアミドなどが提案されている(非特許文献3、4及び特許文献1)。
米国特許第6939647号明細書 特開2011−141974号公報 国際公開2013/187073号
「次世代自動車用リチウムイオン電池の材料開発」株式会社シーエムシー出版(2008)p.86〜89 「自動車用リチウムイオン電池」日刊工業新聞社(2010)p.20〜25、p.130〜131 JornaI of PowerSorces,113巻,(2003),p.166 JornaI of The EIectrochemicaI Society,152巻,(2005),p.A1361 JornaI of Fluorine chemistry,113巻,111−122(2002)
リチウムイオン二次電池の長寿命化に対して提案されているホスファゼンや亜リン酸エステル、ヘキサチルホスホルアミドは、LiPFの熱や水分による分解によって生じるPFやHFを補足することで、分解を抑制している機構と考えられるが、電気化学的に不安定であることから、非水系二次電池の電解液に共存させた場合、充放電中に分解して効果が消失し易い課題があった。これに対して特許文献2には、リチウムイオン電池の常用電圧範囲(金属リチウム基準で4.2V以下)で分解しない含フッ素リン酸エステルアミドが提案されているが、これらの材料も高エネルギー密度を達成する為に提案されているLiNi1/3Co1/3Mn1/3やLiNi0.5Mn1.5のような高電位で動作可能な正極を有する電池での使用に対しては、電気化学的な安定性(耐酸化性)の面で十分ではなかった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明は、電解液の分解抑制効果に優れ、且つ高電圧条件下で使用可能な含フッ素リン酸エステルアミド、および該含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドを含む高温安定性に優れる非水電解液、更には4.3V以上の高電圧条件下での充放電サイクル特性の向上した非水系二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、先の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、電解液の分解抑制効果に優れ、且つ高電圧条件下で使用可能な特定構造を有する含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドを見出した。また、この含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドを含有させた高温安定性に優れる非水電解液、更には4.3V以上の高電圧条件下での充放電サイクル特性の向上した非水系二次電池を見出し、本発明を完成させたものである。即ち、本発明は下記の要旨に係わるものである。
1. 下記一般式(1)
(式中、R、Rは同一または非同一であり、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。ただし、R、Rはシアノ基(−CN)、フッ素原子からなる群から選ばれる置換基を有していてもよく、少なくともどちらか一方がシアノ基を有している。Rf、Rfは同一または非同一であり、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐の、アルキル基または含フッ素アルキル基を表し、少なくともどちらか一方が含フッ素アルキル基である。)で表される含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドである。
本発明の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドは、分子内にアミド基を有し、特にアミド基に結合しているアルキル基が置換基としてシアノ基を有していることを特徴としている。このシアノアルキルアミド基が、電気化学的安定性やLiPF等の電解質塩及びこれを含む非水電解液の熱的安定化効果に寄与する。また、分子内にシアノアルキルアミド基を有することで、物性面においても高粘度、高誘電率等、従来の含フッ素リン酸エステルアミドとは異なる特徴を有する。
2. 下記一般式(2)
(式中、R1’、R2’は同一または非同一であり、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。ただし、R1’、R2’はいずれもシアノ基(−CN)を有し、更にフッ素原子により置換されていてもよい。Rf、Rfは前記定義に同じである。)で表される1項に記載の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドである。即ち、アミド基に結合した二つのアルキル基が、それぞれ少なくとも1つ以上のシアノ基を有するシアノアルキル基となることにより、耐酸化性が向上する。
3. 一般式(3)
(式中、R1’、R2’は前記定義に同じである。Rf1’、Rf2’は、それぞれ独立して、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基のいずれかを表す。)で表される2項に記載の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドである。
4. 非水溶媒と電解質塩からなる非水電解液であって、1項〜3項のいずれか1項に記載の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドを含む非水電解液である。
5. 電解質塩がLiPFである4項に記載の非水電解液である。
6. 負極、正極、セパレータ及び非水電解液からなる非水系二次電池であって、非水電解液が3項または4項に記載の非水電解液である非水系二次電池である。
本発明によれば、電解液の分解抑制効果に優れ、且つ高電圧条件下で使用可能な含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミド、および該含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドを含む高温安定性に優れる非水電解液、更には4.3V以上の高電圧条件下での充放電サイクル特性の向上した非水系二次電池を提供することができる。
実施例9〜10および比較例7〜9に用いたコインセルの電池の構造を示す模式断面図である。
以下、本発明を実施するための形態( 以下、単に「本実施形態」という。) について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本発明の含フッ素リン酸エステルアミドは、前記一般式(1)で表される。即ち、アミド部位に結合したアルキル基にシアノ基を有する含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドであることを特徴とする。このシアノアルキルアミド部位が、LiPF等の電解質塩及びこれを含む非水電解液の熱的安定化効果に寄与し、特にシアノ基を有することで含フッ素リン酸エステルアミド分子の高電圧条件下での電気化学的安定性(耐酸化性)が向上しているものと考えられる。また、シアノアルキルアミド基を有することで、物性面においても高粘度、高誘電率等、従来の含フッ素リン酸エステルアミドとは異なる特徴を示す。
一般式(1)において、R、Rは同一または非同一であり、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。ただし、R、Rはシアノ基(−CN)、フッ素原子からなる群から選ばれる置換基を有していてもよく、R、Rの少なくともどちらか一方がシアノ基を有する。 R、Rの例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、t−アミル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、シアノメチル基、2-シアノエチル基、4−シアノブチル基及び6−シアノヘキシル基等を挙げることができる。この中でメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シアノメチル基及び2−シアノエチル基が含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドの物性が良好であり、且つ工業的に原料を入手しやすく好ましい。また、前記一般式(2)に示されるように、R、Rの両方にシアノ基を有する場合は、良好な電解液の高温安定化機能を有し、且つ含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドの耐酸化性がより向上するため好ましい。
一般式(1)において、Rf、Rfは同一または非同一であり、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐の、アルキル基または含フッ素アルキル基を表し、少なくともどちらか一方が含フッ素アルキル基である。炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、t−アミル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐の含フッ素アルキル基の例としては、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2−フルオロエチル基、パーフルオロエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフルオロイソプロピル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル基、パーフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル基及びパーフルオロペンチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等を挙げることができる。上記含フッ素アルキル基のうち、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基が含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドの物性及び耐酸化性の点で特に好ましく、特に前記一般式(3)に示されるように、Rf、Rfがこれら含フッ素アルキル基であり、且つ、R、Rの両方にシアノ基を有する場合が耐酸化性の点で好ましい。
一般式(1)の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドの例として、具体的には、下記化合物(A−1〜A7、B−1〜B−10、C−1〜C−9)を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の一般式(1)、(2)または(3)で表される含フッ素リン酸エステルジシアノアルキルアミドは非特許文献5等に示される方法に従い合成することができる。即ち、スキーム(4)に示すように、三塩化リンと含フッ素アルコールから誘導される含フッ素クロロホスファート(5)とシアノアルキル基含有2級アミン(6)を反応させることにより合成することができる。
得られた含フッ素リン酸エステルアミドは、粗精製物をそのまま非水二次電池用電解液の添加剤等に使用することもできるが、公知の抽出法、蒸留法あるいは再結晶法等により精製することができ、不純物として存在する水分、リン酸、リン酸縮合物、塩化物、原料アミン、原料アルコール及び中間体含フッ素クロロホスファート等の含量を低減化、あるいは実質的に不含とすることができる。
次に本発明の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドの利用法 について説明する。
本発明の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドは、他の含フッ素リン酸エステルアミドと比較して、高い耐酸化性を有する。従って、本発明の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドは、現行のリチウムイオン二次電池等の非水系二次電池のみならず、高エネルギー密度を達成する為に提案されているLiNi1/3Co1/3Mn1/3やLiNi0.5Mn1.5のような高電位で動作可能な正極を有する非水系二次電池に対しても利用が可能であり、非水電解液の高温安定化及び非水系二次電池の寿命延長(充放電サイクル特性等)に寄与させることができる。
また、本発明の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドは、引火点を有さず不燃性である。リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、マグネシウムイオン二次電池等の非水系二次電池、あるいはリチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ等の電気化学エネルギー変換デバイスは、非水電解液の溶媒として環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、エーテル類等の可燃性溶媒が通常用いられている。このため、本発明の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドを難燃剤として電解液中に存在させることにより非水電解液の安全性向上に寄与させることができる。
更に、本発明の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドは、沸点、比誘電率等の物性面において、高沸点且つ比較的高比誘電率などの特徴を有している。電気化学エネルギー変換デバイスの一つである電解コンデンサもまた、ジオール類やラクトン類等の可燃性溶媒が用いられており、特に電解コンデンサ用の電解液材料としては、低揮発性(高沸点)、高比誘電率及び高耐電圧が求められる。このため、本発明の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドは電解コンデンサの電解液溶媒または難燃剤等としても好適に利用することができる。
<非水電解液>
本発明の非水電解液は、上記式( 1 ) で表される含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドと、非水溶媒と、電解質塩を含有する。本実施形態の非水電解液は、電気化学エネルギー変換デバイス用の非水電解液として好適に用いられる。ここで、電気化学エネルギー変換デバイスとしては、特に限定されないが、例えば、リチウム二次電池、リチウムイオン二次電池、ナトリウム二次電池、ナトリウムイオン二次電池、マグネシウム二次電池、マグネシウムイオン二次電池、アルミニウム二次電池、アルミニウムイオン二次電池等の非水系二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ及び電解コンデンサなどが挙げられる。上記の中でも、LiPFが電解質塩として主として用いられているリチウム二次電池、リチウムイオン二次電池は、含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドを含有させることにより、高温安定性が改善される特徴が発揮され易いためより好ましく用いることができる。
これら一般式(1)の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドの非水電解液への添加量は、非水溶媒全体に対し、重量比で0.01〜50%、好ましくは0.1〜10%とすることが望ましく、さらに好ましくは、0.5〜5%である。添加量が0.01%未満の場合は、非水電解液の高温安定化や難燃化等の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドの添加効果が十分に得られず、また添加量が50%を超える場合は、非水系二次電池の性能が低下する場合がある。
非水電解液の溶媒としては、様々なものを用いることができるが、非プロトン性極性溶媒が好ましい。非プロトン性溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート等の鎖状カーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、プロピオラクトン等の環状エステル、酢酸メチル、酪酸メチル、トリフルオロ酢酸エチル等の鎖状エステル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メトキシエトキシエタン等のエーテル類及びアセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等のリン酸エステル類、リン酸トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)等の含フッ素リン酸エステル類等の単独又はそれら2種以上の混合物を挙げることができる。これらのうち、特に環状カーボネートと鎖状カーボネートのいずれか一方、あるいは環状カーボネートと鎖状カーボネートの混合物を含有する溶媒を使用することがイオン伝導性等の電解液物性の点で特に好ましい。また、特に電解液を4.3V以上の高電圧条件で使用する場合は、電解液のすべてまたは一部に含フッ素リン酸エステルを用いることが溶媒の耐久性の面で望ましい。
本発明の非水電解液には、必要に応じて、本発明の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミド以外の添加剤を含有させることができる。電池のサイクル特性を向上させる観点からは、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、及びエチレンスルファイト等の化合物などを添加剤として含有させることが好ましい。本発明のリン酸エステルシアノアルキルアミド以外の添加剤の濃度は特に限定されないが、電解質の溶解性の観点から、電解液に対して非水溶媒全体に対し、重量比で0.1〜10%とすることが望ましく、より好ましくは、0.5〜5%である。
本発明の非水電解液を構成する電解質塩としては、電気化学エネルギー変換デバイスの種類に応じて、広電位領域において安定であるリチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩等が使用できる。このような電解質塩として、例えば、LiBF、LiPF、LiClO、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO、NaPF、NaBF、NaClOおよびNaAsF、NaCFSO、NaN(CFSO、NaN(CSO、NaC(CFSO、Mg(ClO、Mg(CFSO、Mg(N(CFSO、Mg(ClO、MgBr、Mg(SOCF、Mg(BF、Mg(CFSO、Mg(PF、EtMgBr、Mg(AlClBuEt)、Al(CF3 SO3 3等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。これら電解質塩のうち、特にリチウム二次電池またはリチウムイオン二次電池用電解液の電解質塩としては、LiPFを用いると、高いイオン伝導度が得られ易く、含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドにより高温安定性の課題も解消されるため好ましい。なお、電池特性を良好なものとするため、非水電解液における電解質塩の濃度は0.1〜2.5mol/Lの範囲とすることが望ましい。
< 非水系二次電池>
本発明の非水系二次電池とは、二次電池中の電解液に水溶液を用いない二次電池の総称であり、特に限定されないが、例えば、リチウム二次電池、リチウムイオン二次電池、ナトリウム二次電池、ナトリウムイオン二次電池、マグネシウム二次電池、マグネシウムイオン二次電池、アルミニウム二次電池、アルミニウムイオン二次電池などが挙げられる。
本発明の非水系二次電池は、上述した非水電解液と、正極、負極及びセパレータから成る。
正極材料としては、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム等の金属を吸蔵・放出する正極活物質を有するものであれば特に限定されないが、例えば、LiCoO2、LiMnO2、LiMn24、LiNiO2、LiFeO、LiFePO等のリチウムと遷移金属からなる複合酸化物、NaFeO、NaNiO、NaCoO、NaMnO、NaVO、Na(NiMn(1−X))O(0<X<1)、Na(FeMn(1−X))O(0<X<1)、NaVPOF、NaFePOF、Na(PO、フッ化黒鉛((CF)n)、二酸化マンガン(MnO)等のマンガン酸化物、五酸化ニバナジウム(V)等のバナジウム酸化物、硫黄および硫黄化合物、マグネシウム銅酸化物(Mg、Cu,Oz)、マグネシウム鉄酸化物(Mg、Fe,Oz)、活性炭等の炭素材料等が挙げられる。
負極材料としては、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム等の金属を吸蔵・放出する負極活物質を有するものであれば特に限定されないが、例えば、金属リチウムやリチウムを挿入・脱離可能な炭素材料、またはLiTi12等のリチウムと遷移金属の複合酸化物、ナトリウム金属あるいは、ナトリウムを含有した合金、金属マグネシウムあるいはマグネシウムを含有した合金、金属アルミニウム、アルミニウムを含有した合金、ハードカーボン等の炭素材料が挙げられる。
セパレータとしては、微多孔性膜等が用いられ、材料として、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、或いはポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂等が用いられる。
非水電解液二次電池の形状、形態としては、通常、円筒型、角型、コイン型、カード型およびラミネート型等が選択される。
以下、本発明を実施例にて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
《含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドの合成》
〔実施例1〕
○リン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ジアセトニトリルアミドの合成
攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、ジクロロメタン1933g、イミノジアセトニトリル137g、トリエチルアミン218.8gを入れ、室温で攪拌下、滴下漏斗からジクロロメタン1150g、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)クロロホスファート(純度97%)500gを3時間で滴下した。滴下終了後、反応温度45℃〜50℃に制御しながら50時間加熱及び攪拌を継続した。反応終了後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液2000gを加え攪拌したあと、有機層を分取した。有機層からジクロロメタンを留去後、蒸留精製により、沸点134℃/0.01kPaの留分を分取し、無色の液体362gを得た。
NMR、GC−MSの分析から得られた液体が、リン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ジアセトニトリルアミドであることを確認した。
H−NMR(CDCl、TMS)
δ 4.37〜4.46(m、4H)、4.14〜4.16(d、4H)
19F−NMR(CDCl、CFCl
δ −75.60(t、J=9Hz)
GC−MS(EI)
312、293(−F)、245、225、163、94、83
〔実施例2〕
○リン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ジプロピオニトリルアミドの合成
攪拌機を取り付けた四つ口フラスコに、クロロホルム2130g、イミノジプロピオニトリル266g、トリエチルアミン238gを入れ、室温で攪拌下、滴下漏斗からクロロホルム1278g、ビス(2,−2,−2,−トリフルオロエチル)クロロホスファート(純度97%)516gを3時間で滴下した。滴下終了後、20時間攪拌を継続した。反応終了後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液3000gを加え攪拌したあと、有機層を分取した。有機層からクロロホルムを留去後、蒸留精製により、沸点160.8℃/0.01kPaの留分を分取し、無色の液体181gを得た。
NMR、GC−MSの分析から得られた液体が、リン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ジプロピオニトリルアミドであることを確認した。
H−NMR(CDCl、TMS)
δ 4.35〜4.48(m、4H) 、3.44〜3.51(m、4H)、2.64〜2.68(t、4H)
19F−NMR(CDCl、CFCl
δ −75.67(t、J=9Hz)
GC−MS(EI)
367、348(−F)、327、274、246、163、83、69、54
《含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドの物性値》
〔実施例3〕
○リン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ジアセトニトリルアミドの物性値
実施例1で得られたリン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ジアセトニトリルアミドの引火点をセタ式引火点測定装置(吉田科学器械(株)製、RT−1型)により測定した。
また、コーンプレート式粘度計(BrookField製 DV−1PRIME型)を用いて20℃での粘度を測定した。
またインピーダンスアナライザ(東陽テクニカ製VersaSTAT4、及び液体用電極セルSR−C1)を用いて、比誘電率を下記測定条件にて測定を行った。
測定条件: 測定周波数 100kHz 、 温度 25℃±1℃
はじめに空セル(空気)容量(C−zero)の測定を行い、その後実施例1で得られた試料(リン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ジアセトニトリルアミド)を電極セルに充填し、比誘電率測定を行った。
〔実施例4、比較例1〜2〕
実施例4及び比較例1〜2の含フッ素リン酸エステルアミド(表1に示す化合物)についても、実施例3と同様の方法にて引火点、粘度、比誘電率を測定した。
結果を表1に示す。
表1から、本発明の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドは、いずれも引火点を有さず不燃性を有していることがわかる。
また、本発明の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドは比較例1〜2の従来の含フッ素リン酸エステルアミドと比較して、高粘度、高比誘電率の特徴を有していることがわかる。
《電解液の酸化分解電位測定》
〔実施例5〕
化合物の電気化学的安定性はリニアスィープボルタンメトリー(LSV)測定によって評価した。
LSVの測定は、マルチチャンネルポテンショスタット/ガルバノスタット(Biologic社製、VMP−3)を用いて行った。アルゴン雰囲気下、リン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ジアセトニトリルアミド5mlに、エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート混合溶液(体積比:3/7)を5ml混合し、混合溶媒を調製した。この混合溶媒に六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を0.2mol/Lになるように溶解し、電解液を得た。
この電解液に、作用電極として白金、対極としてリチウム箔、参照極としてリチウム箔を挿入し、5mV/secの走査速度にて貴側に走査し、酸化分解電位の測定を行った。その結果、電流密度が0.1mA/cmを超える際の電位を、酸化分解電位とした。なお、LSVの測定は全てアルゴン雰囲気で充満したグローブボックス中で実施した。
〔実施例6、比較例3〜5〕
実施例6、比較例3〜5についても、実施例5と同様の操作にて電解液の調整及び酸化分解電位測定を実施した。
表2に実施例5〜6、比較例3〜5で使用した含フッ素リン酸エステルアミド等の添加剤の種類、添加量、及び酸化分解電位を記す。
比較例3から、EC/EMCは6.42Vの電位で酸化分解することが判る。また、比較例4及び比較例5に記載した、従来の含フッ素リン酸エステルアミドである、リン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ジメチルアミドの酸化分解電位が4.87V、リン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ジエチルアミドの酸化分解電位が4.81Vであるのに対して、本発明の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドである実施例5のリン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ジアセトニトリルアミドの酸化分解電位は5.98V、実施例6のリン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ジプロピオニトリルアミドの酸化分解電位は5.45Vである。本発明の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドは従来の含フッ素リン酸エステルアミドと比べて耐酸化性に優れる事がわかる。
《LiPF高温安定性試験》
〔実施例7〕
アルゴン置換されたグローブボックス 中で、25mlメスフラスコにLiPF3.8g(25mmol)、リン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ジアセトニトリルアミド1.55g(4.6mmol)を入れ、エチレンカーボネート(以下、ECと略す)とエチルメチルカーボネート(以下、EMCと略す)を体積比3/7の割合で混合した溶媒により溶解させながら25mlとし、1mol/LのLiPF溶液を調整した。得られた溶液は無色透明であった。
この溶液を硝子製密閉容器に入れ、85℃で500時間加熱した。加熱後は、液は淡黄色となり、19F−NMRにて測定したLiPF分解物のピークはLiPFと分解物の合計に対し積分比で0.36%であった。その結果を表3に示す。
〔実施例8〕
アルゴン置換されたグローブボックス 中で、25mlメスフラスコにLiPF3.8g(25mmol)、リン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ジプロピオニトリルアミド1.68g(4.6mmol)を入れ、ECとEMCを体積比3/7の割合で混合した溶媒により溶解させながら25mlとし、1mol/LのLiPF溶液を調整した。得られた溶液は無色透明であった。
この溶液を硝子製密閉容器に入れ、85℃で500時間加熱した。加熱後は、液は淡黄色となり、19F−NMRにて測定したLiPF分解物のピークはLiPFと分解物の合計に対し積分比で0.37%であった。その結果を表3に示す。
〔比較例6〕
リン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ジアセトニトリルアミドを用いなかったこと以外は実施例7と同様の操作により1mol/LのLiPF溶液を調整した。得られた溶液は無色透明であった。
実施例7と同様にしてこの溶液を硝子製密閉容器に入れ、85℃で500時間加熱したところ、濃褐色の液体となった。19F−NMRにて測定したLiPF分解物のピークはLiPF6と分解物の合計に対し積分比で12.8%であった。その結果を表3に示す。
(実施例7〜8と比較例6)
実施例7〜8の本発明の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドを添加した溶液は、リン酸エステルシアノアルキルアミドを加えていない比較例6の溶液に比べて、いずれも加熱後のLiPF6の分解率が低いことがわかる。本発明の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドのLiPF6の高温安定化効果が高いことが示された。
《電池充放電試験》
作成例1.コインセル型リチウム二次電池の作成
正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiNi1/3Mn1/3Co1/3)を用い、これに導電助剤としてアセチレンブラック、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)LiNi1/3Mn1/3Co1/3:アセチレンブラック:PVDF=86:7:7となるように配合し、1−メチル−2−ピロリドンを用いてスラリー化したものをアルミ製集電体上に一定の膜厚で塗布し、乾燥させて正極を得た。負極活物質としては天然球状グラファイトを用い、バインダーとしてPVDFをグラファイト:PVDF=9:1となるように配合し、1−メチル−2−ピロリドンを用いてスラリー化したものを銅製集電体上に一定の膜厚で塗布し、乾燥させて負極を得た。 セパレータは無機フィラー含有ポリオレフィン多孔質膜を用いた。以上の構成要素を用いて、図1に示した構造のコイン型セルを用いたリチウム二次電池を作成した。リチウム二次電池はセパレータ8を挟んで正極1、負極5を対向配置し、負極ステンレス製キャップ4にステンレス製板バネ7を設置し、負極5、セパレータ8および正極1からなる積層体をコイン型セル内に収納した。この積層体に非水電解液を注入した後、ガスケット9を配置後、正極ステンレス製キャップ3をかぶせ、コイン型セルケースを加締めることで作成した。
試験例1.コインセル型リチウム二次電池の充放電試験
リチウムニッケルマンガン複合酸化物(LiNi1/3Mn1/3Co1/3)正極と炭素負極によって作成したコインセル型リチウム二次電池を25℃の恒温条件下、0.1Cの充電電流で上限電圧を4.4Vとして充電し、続いて0.1Cの放電電流で3.0Vとなるまで放電した。この操作を3回行った後に60℃の恒温条件下、0.2Cの充電電流で4.4Vの定電流‐定電圧充電を行い、0.2Cの放電電流で終止電圧3.0Vまで定電流放電を行った。このときの放電容量を初期放電容量とし、この操作を20回繰り返した際の放電容量を測定し、20サイクル後の放電容量/初期放電容量比を容量維持率として比較を行った。
試験例2.コインセル型リチウム二次電池の充放電試験
リチウムニッケルマンガン複合酸化物(LiNi1/3Mn1/3Co1/3)正極と炭素負極によって作成したコインセル型リチウム二次電池を25℃の恒温条件下、0.1Cの充電電流で上限電圧を4.4Vとして充電し、続いて0.1Cの放電電流で3.0Vとなるまで放電した。この操作を3回行った後に25℃の恒温条件下、0.2Cの充電電流で4.4Vの定電流‐定電圧充電を行い、0.2Cの放電電流で終止電圧3.0Vまで定電流放電を行った。このときの放電容量を初期放電容量とし、この操作を20回繰り返した際の放電容量を測定し、20サイクル後の放電容量/初期放電容量比を容量維持率として比較を行った。
〔実施例9〕
溶媒としてエチレンカーボネート(以下ECと略す)、リン酸トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)(以下TFEPと略す)を重量比1:1の割合で混合し、この混合溶媒に対し、リン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ジアセトニトリルアミドを重量比で2%添加した。次いで、電解質塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1.0mol/Lの濃度で溶解させ非水電解液を調製した。
この非水電解液を用いて前記作成例1に従いコインセル型リチウム二次電池を作成し、前記試験例1に従って20サイクルの充放電試験を実施した。結果を表4に示す。
〔実施例10〕
実施例9と同様の操作で非水電解液を調整し、実施例9と同様の方法でコインセル型リチウム二次電池を作成し、前記試験例2に従って20サイクルの充放電試験を実施した。結果を表4に示す。
〔比較例7〕
含フッ素リン酸エステルアミド化合物として、リン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ジメチルアミドを添加したこと以外は実施例9と同様の操作で非水電解液を調製し、実施例9と同様の方法でコインセル型リチウム二次電池を作成し、充放電試験を実施した。結果を表4に示す。
〔比較例8〕
リン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ジアセトニトリルアミドを添加しなかったこと以外は実施例9と同様の操作で非水電解液を調製し、実施例9と同様の方法でコインセル型リチウム二次電池を作成し、充放電試験を実施した。結果を表4に示す。
〔比較例9〕
リン酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)ジアセトニトリルアミドを添加しなかったこと以外は実施例10と同様の操作で非水電解液を調製し、実施例10と同様の方法でコインセル型リチウム二次電池を作成し、充放電試験を実施した。結果を表4に示す。
表4から、非水溶媒としてEC−TFEP混合溶媒を用い、試験温度60℃、4.4Vでの充放電条件での結果のうち、本発明の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドを含有する非水電解液を用いた実施例9は、含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドの代わりに含フッ素リン酸エステルジメチルアミドを添加した比較例7及び含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドを含まない比較例8に比べ高い容量維持率を示した。これは、本発明の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドがこの電圧で酸化分解することなく、LiPFの熱分解及びこれに伴う電解液溶媒の分解抑制に寄与したことが影響していると推定される。
一方、実施例10と比較例9は常温での試験であるが、ここでも本発明の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドを含有する実施例10は含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドを含まない比較例9に比べより高い容量維持率を示した。この要因は不詳であるが、含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドの分子内のシアノ基が正極活物質に作用して、正極表面上に電解液の分解を防止する一種の皮膜を形成し、正極表面での電解液の分解が抑制されたことにより、サイクル特性が向上したものと推察される。
本発明の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドは、電解液の分解抑制効果を有し、且つ、高電圧条件下で使用可能であり、該含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドを含んだ高温安定性に優れる非水電解液を提供することができ、更には、4.3V以上の高電圧条件にて充放電サイクル特性の向上した非水系二次電池を提供することができるため極めて有用である。
1 正極活物質
2 正極集電体
3 正極ステンレス製キャップ
4 負極ステンレス製キャップ
5 負極物質
6 負極集電体
7 ステンレス製板バネ
8 無機フィラー含有ポリオレフィン多孔質セパレータ
9 ガスケット

Claims (5)

  1. 下記一般式(2)

    (式中、R1’、R2’は同一または非同一であり、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。ただし、R1’、R2’はいずれもシアノ基(−CN)を有し、更にフッ素原子により置換されていてもよい。Rf、Rf は同一または非同一であり、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐の、アルキル基または含フッ素アルキル基を表し、少なくともどちらか一方が含フッ素アルキル基である。)で表される含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミド。
  2. 下記一般式(3)

    (式中、R1’、R2’は前記定義に同じである。Rf1’、Rf2’は、それぞれ独立して、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基のいずれかを表す。)で表される請求項に記載の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミド。
  3. 非水溶媒と電解質塩からなる非水電解液であって、請求項1または2に記載の含フッ素リン酸エステルシアノアルキルアミドを含む非水電解液。
  4. 電解質塩がLiPFである請求項に記載の非水電解液。
  5. 負極、正極、セパレータ及び非水電解液からなる非水系二次電池であって、非水電解液が請求項または請求項に記載の非水電解液である非水系二次電池。
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