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JP6436734B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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JP6436734B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
従来から、タイヤには種々の要求性能があり、特に欧州向けタイヤでは、ウェットグリップ性能、氷上グリップ性能、ドライグリップ性能といった幅広い条件でのグリップ性能が重視される傾向にあり、同時に耐摩耗性も重要視されている。ウェットグリップ性能やドライグリップ性能を向上させるために、多量の充填剤や樹脂を配合する方法が検討されているが、ゴム組成物の硬度増加やガラス転移温度Tgの上昇を招き、氷上グリップ性能が低下する傾向がある。
一方、氷上グリップ性能を向上させるために、多量のオイルを配合し、低温でのゴム硬度を低下させる方法が提案されているが、耐摩耗性が大きく損なわれたり、ウェットグリップ性能が十分確保できない等の問題が生じる。また、スチレン量の多いスチレンブタジエンゴムを用いてドライグリップを向上する方法も知られているが、やはりTgの上昇を招き、氷上グリップ性能が低下する傾向がある(特許文献1参照)。
このように、ドライ路面、ウェット路面、氷雪上路面等、任意の温度帯や条件の路面でのグリップ性能を確保しつつ、良好な耐摩耗性能も持つタイヤの開発が望まれている。
特開2014−9324号公報
本発明は、前記課題を解決し、ドライ路面、ウェット路面、氷雪上路面等、任意の温度帯や条件の路面でのグリップ性能をバランス良く改良しつつ、耐摩耗性能も向上させた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分100質量部に対する充填剤の総量が70質量部以上のゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤであって、前記ゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量が30〜70質量%、前記ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量が40質量部以上であり、かつ前記ゴム組成物の加硫後のゴム物性は、−10℃における硬度(Hs)が69以下、初期歪10%、動歪2%で粘弾性測定を行った際の0℃におけるtanδが0.50以上でかつ、30℃におけるtanδが0.20〜0.27、ガラス転移温度(Tg)が−35℃以下である空気入りタイヤに関する。
前記ゴム組成物は、液状樹脂及び/又は液状ポリマーを含むことが好ましい。
前記ゴム組成物は、下記式(S1)で表されるシランカップリング剤を含むことが好ましい。
Figure 0006436734
[式中、R1001は−Cl、−Br、−OR1006、−O(O=)CR1006、−ON=CR10061007、−ON=CR10061007、−NR10061007及び−(OSiR10061007(OSiR100610071008)から選択される一価の基(R1006、R1007及びR1008は同一でも異なっていても良く、各々水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基であり、hは平均値が1〜4である。)であり、R1002はR1001、水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基、R1003はR1001、R1002、水素原子又は−[O(R1009O)0.5−基(R1009は炭素数1〜18のアルキレン基、jは1〜4の整数である。)、R1004は炭素数1〜18の二価の炭化水素基、R1005は炭素数1〜18の一価の炭化水素基を示し、x、y及びzは、x+y+2z=3、0≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦1の関係を満たす数である。]
前記ゴム組成物は、シリカ及び水酸化アルミニウムを含むことが好ましい。
前記カーボンブラックは、窒素吸着比表面積が120m/g以上、平均一次粒子径が20nm以下であることが好ましい。
前記ゴム組成物の加硫後の体積固体抵抗値は、1×10Ω・cm未満であることが好ましい。
本発明によれば、所定の充填剤総量、スチレンブタジエンゴム量及びカーボンブラック量を持つゴム組成物を用いて作製したトレッドを有し、かつ該ゴム組成物の加硫後のゴム物性として、所定の−10℃における硬度(Hs)、0℃及び30℃におけるtanδ、ガラス転移温度(Tg)を有する空気入りタイヤであるので、ドライ路面、ウェット路面、氷雪上路面等、任意の温度帯や条件の路面でのグリップ性能をバランス良く改良しつつ、耐摩耗性能も向上することが可能となる。
本発明の空気入りタイヤは、所定の充填剤総量、スチレンブタジエンゴム量及びカーボンブラック量を持つゴム組成物を用いて作製したトレッドを有し、かつ該ゴム組成物の加硫後のゴム物性として、所定の−10℃における硬度(Hs)、0℃及び30℃におけるtanδ、ガラス転移温度(Tg)を有するものである。
このように、充填剤、スチレンブタジエンゴム(SBR)やカーボンブラックを所定量含み、かつ加硫後の状態で所定Hg、tanδ、Tgを持つゴム組成物をトレッドに適用することで、ドライ路面、ウェット路面、氷雪上路面等、任意の温度帯や条件の路面でのグリップ性能をバランス良く改良しつつ、耐摩耗性能も向上した空気入りタイヤを提供できる。
以下、先ず、トレッドに用いられるゴム組成物について説明する。
本発明におけるゴム組成物は、加硫後のゴム組成物の−10℃における硬度が69以下である。これにより、氷上、雪上グリップ性能が十分に発揮できる。前記硬度は、68以下が好ましく、65以下がさらに好ましい。一方、前記硬度は、48以上が好ましく、50以上がさらに好ましい。48未満であると、柔らかくて、タイヤのブロック剛性が損なわれ、氷上グリップ性能がかえって低下する恐れがある。
前記加硫後のゴム組成物は、初期歪10%、動歪2%で粘弾性測定を行った際の0℃におけるtanδが0.50以上である。これにより、ウェットグリップ性能を十分発揮できる。前記tanδは、0.53以上が好ましく、0.55以上がさらに好ましい。上限は特に規定されない。
前記加硫後のゴム組成物は、加硫後のゴム組成物の30℃におけるtanδが0.20以上である。これにより、ドライグリップ性能が十分発揮される。前記tanδは、0.24以上が好ましい。一方、前記tanδは0.27以下であり、この場合、低燃費性を確保できる。なお、ドライグリップ性能、低燃費性能の指標は、各種存在するが、30℃におけるtanδで規定することで、他の物性とのバランスが良好に判定できることが判明した。
前記加硫後のゴム組成物は、Tgが−35℃以下である。これにより、雪上グリップ性能と耐摩耗性能が十分に発揮される。前記Tgは、−38℃以下が好ましく、−40℃以下がさらに好ましい。
加硫後のゴム組成物において、上記所定の−10℃における硬度、初期歪10%、動歪2%で粘弾性測定を行った際の0℃及び30℃におけるtanδ、Tgは、充填剤量、SBR量、カーボンブラック量を所定量に調整するとともに、液状樹脂や液状ポリマーの配合、後述の式(S1)で表されるシランカップリング剤の配合、シリカ及び水酸化アルミニウムの両成分の配合、窒素吸着比表面積120m/g以上、平均一次粒子径20nm以下のカーボンブラックの配合、後述のカーボンブラックカップリング剤の配合、後述の式(II)で表される架橋剤の配合により、付与することが可能になる。
なお、加硫後のゴム組成物の−10℃における硬度、初期歪10%、動歪2%で粘弾性測定を行った際の0℃及び30℃におけるtanδ、Tgは、後述の実施例に記載の方法で測定できる。
本発明におけるゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、充填剤の総量が70質量部以上である。70質量部未満であると、耐摩耗性が劣ったり、ドライグリップ性が損なわれたりする。前記充填剤の総量は、75質量部以上がより好ましく、80質量部以上がさらに好ましく、85質量部以上が最も好ましい。また、前記総量の上限は、180質量部以下が好ましく、150質量部以下がより好ましく、120質量部以下が最も好ましい。180質量部を超えると、低燃費性が劣る恐れがある。
充填剤としては、タイヤ分野で公知のものを使用でき、例えば、カーボンブラックの他、シリカ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、セリサイトなどの雲母、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク、アルミナ、酸化チタン等が挙げられる。
カーボンブラックを配合することにより、良好な補強効果が得られるとともに、帯電を防止する効果を高めることができる。使用できるカーボンブラックの例としては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。カーボンブラックは単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、将来の石油資源の枯渇を想定した場合、再生可能な生物由来原料を使用したカーボンブラックを好適に使用できる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、10〜3000m/gが好ましい。下限は、50m/g以上が好ましく、100m/g以上がより好ましく、120m/g以上がさらに好ましい。10m/g未満では、十分な耐候性性能が得られず、また耐摩耗性が低下する傾向がある。一方、3000m/gを超えると、分散性に劣り、耐摩耗性が低下する傾向がある。なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
特に、カーボンブラックの窒素吸着比表面積が120m/g以上でかつ、平均一次粒子径が20nm以下であることが好適である。この場合、上記所定の−10℃における硬度、0℃及び30℃におけるtanδ、Tgを加硫後のゴム組成物に付与できる。
この場合、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、130m/g以上がより好ましく、140m/g以上が更に好ましい。また、平均一次粒子径は、良好なグリップ性能と耐摩耗性のバランスが実現できる点から、19nmがより好ましい。前記平均一次粒子径の下限は特に規定されないが、加工性の観点から、10nm以上が好ましい。なお、本明細書において、カーボンブラックの平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡により観察し、視野内に観察された一次粒子を400個以上測定し、その平均により求めることができる。
なお、アセチレンブラックや、導電性カーボンブラックのようなストラクチャーの大きい(DBP給油量の大きい)カーボンブラックを配合してもよい。これにより、優れた帯電性と低燃費性を両立できる。このようなカーボンブラックの一例としては、エボニック社製のPrintex XE2B、三菱化学(株)社製 #3030、#3050、#3230、キャボット社製 VP、VXC305、VXC500、VXC500等が挙げられるが、この限りではない。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、40質量部以上である。この範囲内であれば、ゴムの力学強度を確保でき、良好な耐電性が得られる。また、上記所定の−10℃における硬度、0℃及び30℃におけるtanδ、Tgを付与でき、任意の温度帯や条件の路面でのグリップ性能をバランス良く改良しつつ、耐摩耗性能も向上できる。上限は、150質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましい。
本発明におけるゴム組成物には、カーボンブラックカップリング剤を配合しても良い。
カーボンブラックカップリング剤としては特に限定されないが、例えば、下記式(I)で示される化合物を好適に使用できる。これにより、上記所定の−10℃における硬度、0℃及び30℃におけるtanδ、Tgを付与でき、任意の温度帯や条件の路面でのグリップ性能をバランス良く改良しつつ、耐摩耗性能も向上できる。
Figure 0006436734
(式中、Aは、O、S、NH又はNRを表す。Rは、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表す。nは1〜12の整数を表す。)
上記式(I)で示される化合物としては、例えば、ビス(ベンズイミダゾリル−2)メタン、1,2−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エタン、1,2−ビス(4−エチルベンズイミダゾリル−2)エタン、1,2−ビス(4−イソプロピルベンズイミダゾリル−2)エタン、1,2−ビス(4−tert−ブチルベンズイミダゾリル−2)エタン、1,3−ビス(ベンズイミダゾリル−2)プロパン、1,3−ビス(1−メチルベンズイミダゾリル−2)プロパン、1,3−ビス(1−エチルベンズイミダゾリル−2)プロパン、1,3−ビス(4,5−ジメチルベンズイミダゾリル−2)プロパン、1,4−ビス(ベンズイミダゾリル−2)ブタン等のビス(ベンズイミダゾリル−2)アルカン、ビス(置換ベンズイミダゾリル−2)アルカンが挙げられる。
また、カーボンブラックカップリング剤としては、ビス(ベンズイミダゾリル−2)メチルスルフィド、2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルスルフィド、2,2’−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エチルジスルフィド等のビス(ベンズイミダゾリル−2)アルキル(ポリ)スルフィド、ビス(置換ベンズイミダゾリル−2)アルキル(ポリ)スルフィド;1,2−ビス(メルカプトベンズイミダゾリル−2)エタン、1,2−ビス(メルカプト−4−メチルベンズイミダゾリル−2)エタン、1,3−ビス(メルカプトベンズイミダゾリル−2)プロパン、1,4−ビス(メルカプトベンズイミダゾリル−2)ブタン等のビス(メルカプトベンズイミダゾリル−2)アルカン、ビス(置換メルカプトベンズイミダゾリル−2)アルカン;α,α’−ビス(メルカプトベンズイミダゾリル−2)メタキシレン、1,4’−ビス(メルカプトベンズイミダゾリル−2)2−trans−ブテン;等のゴム成分との反応性官能基含有イミダゾール類も挙げられる。更に、4−ブロモクロトン酸、4−(ブロモメチル)フェニル酢酸等のハロゲン化有機酸類;シラン化合物類も挙げられる。
本発明におけるゴム組成物において、カーボンブラックカップリング剤の含有量は、カーボンブラック100質量部に対して、3〜25質量部が好ましく、7〜18質量部がより好ましい。上記範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる。
本発明では、シリカと水酸化アルミニウムを併用することが好ましい。これにより、上記所定の−10℃における硬度、0℃及び30℃におけるtanδ、Tgを付与でき、任意の温度帯や条件の路面でのグリップ性能をバランス良く改良しつつ、耐摩耗性能も向上できる。
シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、40m/g以上が好ましく、50m/g以上がより好ましく、80m/g以上が更に好ましい。また、窒素吸着比表面積(NSA)は、300m/g以下が好ましく、200m/g以下がより好ましく、130m/g以下が更に好ましい。上記範囲内であると、ウェットグリップや氷上グリップ性能向上と他の物性のバランスが良好になる。なお、シリカのNSAは、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは15質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。上記範囲内であると、上記所定の−10℃における硬度、0℃及び30℃におけるtanδ、Tgを付与できる。
水酸化アルミニウムの平均粒子径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、更に好ましくは3μm以下である。10μmを超えると、良好なウェットグリップ性能が得られないおそれがある。該平均粒子径は、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上である。0.05μm未満であると、分散が困難になり、ウェットグリップ性能が低下するおそれがある。
なお、水酸化アルミニウムの平均粒子径は、透過型又は走査型電子顕微鏡を用いて測定する。平均粒子径は長径を意味し、該長径とは、投影面に対する水酸化アルミニウム粉末の方向を種々変化させながら水酸化アルミニウム粉末を投影面に投影したときの最長の長さである。
水酸化アルミニウムの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは5質量部以上である。該含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。上記範囲内であると、上記所定の−10℃における硬度、0℃及び30℃におけるtanδ、Tgを付与できる。
シリカと水酸化アルミニウムの配合比(シリカ含有量(質量部)/水酸化アルミニウム含有量(質量部))は、50/50〜90/10が好ましく、60/40〜80/20がより好ましい。上記範囲内であると、上記所定の−10℃における硬度、0℃及び30℃におけるtanδ、Tgを付与できる。
シリカを配合する場合、シランカップリング剤を添加することが好ましい。シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系等が挙げられる。
なかでも、下記式(S1)で表されるシランカップリング剤を用いることが好ましい。これにより、上記所定の−10℃における硬度、0℃及び30℃におけるtanδ、Tgを付与できる。
Figure 0006436734
[式中、R1001は−Cl、−Br、−OR1006、−O(O=)CR1006、−ON=CR10061007、−ON=CR10061007、−NR10061007及び−(OSiR10061007(OSiR100610071008)から選択される一価の基(R1006、R1007及びR1008は同一でも異なっていても良く、各々水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基であり、hは平均値が1〜4である。)であり、R1002はR1001、水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基、R1003はR1001、R1002、水素原子又は−[O(R1009O)0.5−基(R1009は炭素数1〜18のアルキレン基、jは1〜4の整数である。)、R1004は炭素数1〜18の二価の炭化水素基、R1005は炭素数1〜18の一価の炭化水素基を示し、x、y及びzは、x+y+2z=3、0≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦1の関係を満たす数である。]
上記式(S1)において、R1005、R1006、R1007及びR1008はそれぞれ独立に、炭素数1〜18の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基、アルケニル基、アリール基及びアラルキル基からなる群から選択される基であることが好ましい。また、R1002が炭素数1〜18の一価の炭化水素基である場合は、直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基、アルケニル基、アリール基及びアラルキル基からなる群から選択される基であることが好ましい。R1009は直鎖、環状又は分枝のアルキレン基であることが好ましく、特に直鎖状のものが好ましい。R1004は例えば炭素数1〜18のアルキレン基、炭素数2〜18のアルケニレン基、炭素数5〜18のシクロアルキレン基、炭素数6〜18のシクロアルキルアルキレン基、炭素数6〜18のアリーレン基、炭素数7〜18のアラルキレン基を挙げることができる。前記アルキレン基及びアルケニレン基は、直鎖状及び枝分かれ状のいずれであってもよく、前記シクロアルキレン基、シクロアルキルアルキレン基、アリーレン基及びアラルキレン基は、環上に低級アルキル基等の官能基を有していてもよい。このR1004としては、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、特に直鎖状アルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が好ましい。
上記式(S1)におけるR1002、R1005、R1006、R1007及びR1008の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビニル基、プロぺニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
上記式(S1)におけるR1009の例として、直鎖状アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、ヘキシレン基等が挙げられ、分枝状アルキレン基としては、イソプロピレン基、イソブチレン基、2−メチルプロピレン基等が挙げられる。
上記式(S1)で表されるシランカップリング剤の具体例としては、3−ヘキサノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリエトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリエトキシシラン、3−ヘキサノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリメトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。なかでも、加工性と低燃費性の両立の点で、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン(Momentive Performance Materials社製のNXTシラン)が特に好ましい。上記シランカップリング剤は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明におけるゴム組成物において、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、1〜10質量部が好ましく、3〜8質量部がより好ましい。上記範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる。
本発明におけるゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴム(SBR)の含有量は、30〜70質量%である。これにより、上記所定の−10℃における硬度、0℃及び30℃におけるtanδ、Tgを付与でき、任意の温度帯や条件の路面でのグリップ性能をバランス良く改良しつつ、耐摩耗性能も向上できる。
SBRとしては、特に限定されず、乳化重合SBR(E−SBR)、溶液重合SBR(S−SBR)、シリカとの相互作用を有する化合物により変性されたシリカ用変性SBR等が挙げられる。
SBRは、結合スチレン量が15質量%以上、好ましくは20質量%以上である。また、該結合スチレン量は、50質量%以下、好ましくは35質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。15質量%未満であると、ウェットグリップ性能が不充分で、本発明の効果が充分に得られないおそれがあり、50質量%を超えると、ポリマーの分散が困難になるおそれがある。
SBR以外に使用できる他のゴム成分としては、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などが挙げられる。これらの変性ゴムでも良い。
他のゴム成分として、高純度化され、かつpHが2〜7に調整された改質天然ゴムを好適に使用できる。優れた加工性により、充填剤が高分散し、低燃費性、物性の等方性が実現する。該改質天然ゴムとしては、国際公開番号WO2014/125700に開示されているものが挙げられる。
高純度化とは、天然ポリイソプレノイド成分以外のリン脂質、タンパク質等の不純物を取り除くことであり、改質天然ゴム中のリン含有量は、好ましくは200ppm以下、より好ましくは150ppm以下である。なお、リン含有量は、ICP発光分析等、従来の方法で測定できる。また、改質天然ゴムは、アセトン中に室温(25℃)下で48時間浸漬した後の窒素含有量が0.15質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましい。なお、窒素含有量は、アセトン抽出によりゴム中の人工の老化防止剤を除去した後の測定値であり、ケルダール法、微量窒素量計等、従来の方法で測定できる。高純度化NRの高純度化の方法は特に規定されず、遠心分離等の機械的手法、酵素によるタンパク等の不純物分解法、ケン化による不純物分離等が挙げられる。
改質天然ゴムのpHは、ゴムを各辺2mm角以内の大きさに切って蒸留水に浸漬し、マイクロ波を照射しながら90℃で30分間抽出し、浸漬水をpHメーターを用いて測定された値であり、具体的には後述の実施例に記載の方法で測定する。
本発明におけるゴム組成物において、低燃費性、耐熱性、ゴム強度、加工性等の観点から、ゴム成分100質量%中の改質天然ゴムの含有量は、好ましくは50〜70質量%である。
他のゴム成分として、シス含量が95質量%以上のハイシスポリブタジエンゴムも好適である。これにより、優れた氷上グリップ性能と耐摩耗性が得られる。該シス含量は、好ましくは98質量%以上である。
ハイシスポリブタジエンゴムのムーニー粘度ML1+4(100℃)は、好ましくは50以上、より好ましくは60以上、更に好ましくは65以上である。該ムーニー粘度は、好ましくは150以下、より好ましくは120以下である。
なお、ムーニー粘度は、JIS K 6300:2001−1に準じて測定される。
ハイシスポリブタジエンゴムは、希土類系BRであることが好ましい。希土類系BRの合成に使用する希土類元素系触媒としては、公知のものを使用でき、例えば、ランタン系列希土類元素化合物を用いたものを好適に使用できる。また、必要に応じて、ランタン系列希土類元素化合物に、有機アルミニウム化合物、アルミノキサン、ハロゲン含有化合物、及びルイス塩基を組み合わせて使用できる。なかでも、ランタン系列希土類元素化合物としてネオジム(Nd)含有化合物を用いたNd系触媒が特に好ましい。
上記ハイシスポリブタジエンゴムは、直鎖状であることが好ましく、ハイシス高分子量BRのMw/Mnは、1〜3であることが好ましく、1〜2.8がより好ましく、1〜2.6が更に好ましい。
本発明におけるゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のハイシスポリブタジエンゴムの含有量は、好ましくは10〜30質量%である。
本発明におけるゴム組成物は、有機架橋剤、有機無機ハイブリッド架橋剤等の架橋剤を含むことが好ましい。これにより、優れたゴム強度と物性の等方性が得られる。上記有機架橋剤、有機無機ハイブリッド架橋剤としては特に限定されず、レゾルシノール樹脂類、クレゾール樹脂類、フェノール樹脂類、メラミン樹脂類等の熱硬化性樹脂類、マレイミド化合物類、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物類、有機過酸化物類、アミン有機サルファイド類等が挙げられる。上記架橋剤は、単独でも、2種以上を用いてもよく、硫黄と併用してもよい。
なかでも、架橋剤として、下記式(II)で表される化合物を用いることが好ましい。これにより、結合エネルギーが高く、熱安定性が高いCC結合をゴム組成物に保有させることができる。これにより、上記所定の−10℃における硬度、0℃及び30℃におけるtanδ、Tgを付与でき、任意の温度帯や条件の路面でのグリップ性能をバランス良く改良しつつ、耐摩耗性能も向上できる。
Figure 0006436734
(式中、Eは炭素数2〜10のアルキレン基、R101及びR102は、同一若しくは異なって、窒素原子を含む1価の有機基を表す。)
Eのアルキレン基としては、特に限定されず、直鎖状、分岐状、環状のものがあげられるが、なかでも、直鎖状のアルキレン基が好ましい。
Eのアルキレン基の炭素数は、2〜10、好ましくは4〜8である。アルキレン基の炭素数が1では、熱的な安定性が悪く、アルキレン基を有することによる効果が充分に得られない傾向があり、炭素数が11以上では、−S−S−E−S−S−で表される架橋鎖の形成が困難になる傾向がある。
上記条件を満たすアルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基などがあげられる。なかでも、ポリマー間に−S−S−E−S−S−で表される架橋がスムーズに形成され、熱的にも安定であるという理由から、ヘキサメチレン基が好ましい。
101及びR102としては、窒素原子を含む1価の有機基であれば特に限定されないが、芳香環を少なくとも1つ含むものが好ましく、炭素原子がジチオ基に結合したN−C(=S)−で表される結合基を含むものがより好ましい。R101及びR102は、それぞれ同一でも異なっていてもよいが、製造の容易さなどの理由から同一であることが好ましい。
式(II)で表される化合物としては、例えば、1,2−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)エタン、1,3−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)プロパン、1,4−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ブタン、1,5−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ペンタン、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン、1,7−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘプタン、1,8−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)オクタン、1,9−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ノナン、1,10−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)デカンなどがあげられる。なかでも、熱的に安定であり、分極性に優れるという理由から、1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンが好ましい。
本発明におけるゴム組成物において、上記式(II)で表される化合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜6質量部、より好ましくは1〜4質量部である。
本発明におけるゴム組成物は、酸化亜鉛を含むことが好ましい。これにより、加硫がスムーズになり、剛性と物性の等方性が得られる。酸化亜鉛としては特に限定されず、ゴム工業で従来から使用される酸化亜鉛(東邦亜鉛(株)製の銀嶺R、三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛など)や、平均粒子径が200nm以下の微粒子酸化亜鉛(ハクスイテック(株)製のジンコックスーパーF−2など)などが挙げられる。
酸化亜鉛の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上である。1.0質量部未満では、加硫戻りにより、充分な硬度(Hs)が得られないおそれがある。該配合量は、好ましくは3.7質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下である。3.7質量部を超えると、破断強度が低下しやすいおそれがある。
本発明におけるゴム組成物は、加工性の観点から、オイル、液状ポリマー、液状樹脂等の可塑剤を含むことが好ましい。可塑剤の種類は特に限定されないが、環境の面からは、多環式芳香族(PCA)を3%以上含まないものが好ましい。
なかでも、液状ポリマー、液状樹脂を用いることが、これにより、上記所定の−10℃における硬度、0℃及び30℃におけるtanδ、Tgを付与できる。耐摩耗性能とグリップ性能の両立の点からも好ましく、任意の温度帯や条件の路面でのグリップ性能をバランス良く改良しつつ、耐摩耗性能も向上できる。
液状ポリマーは、常温(25℃)で液体状態のポリマー(ジエン系重合体)であり、例えば、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)などの液状ジエン系重合体が挙げられる。なお、液状ポリマーは、ゴム成分には含まれない。
液状ポリブタジエンの数平均分子量(Mn)は、好ましくは600以上、より好ましくは5000以上である。600未満では、耐摩耗性の改善効果が小さくなる傾向がある。また、該数平均分子量は、好ましくは20000以下、より好ましくは15000以下である。20000を超えると、軟化剤としての機能が発揮されにくくなる傾向がある。
なお、本明細書において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めたものである。
本発明におけるゴム組成物において、液状ポリマー(液状ジエン系重合体)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部である。
液状樹脂としては、室温(25℃)で硬化していない樹脂であれば特に限定されないが、液状クマロンインデン樹脂、液状テルペン樹脂等を好適に使用できる。なかでも、液状クマロンインデン樹脂が好ましい。
液状クマロンインデン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成するモノマー成分として、クマロン及びインデンを含む樹脂であり、クマロン、インデン以外に骨格に含まれるモノマー成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルインデン、ビニルトルエンなどが挙げられる。
液状クマロンインデン樹脂の軟化点は、−20〜45℃が好ましい。上限は、好ましくは40℃以下、より好ましくは35℃以下である。下限は、好ましくは−10℃以上、より好ましくは−5℃以上である。なお、本明細書において、上記クマロンインデン樹脂の軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
本発明におけるゴム組成物において、液状樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3〜40質量部、より好ましくは10〜30質量部である。
本発明におけるゴム組成物には、前記成分以外にも、タイヤ工業において一般的に用いられている配合剤、例えば、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加硫促進剤などの材料を適宜配合してもよい。
本発明におけるゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明におけるゴム組成物は、加硫後の体積固有抵抗値が1×10Ω・cm未満であることが好ましく、1×10Ω・cm未満であることがさらに好ましい。これにより、タイヤの帯電を防止できる。なお、体積固有抵抗値は、JIS K 6271に準拠して測定できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドの形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、実施例で用いた各種薬品について説明する。
NR1:下記製造例で製造した高純度化NR(改質NR)
NR2:TSR20
SBR:日本ゼオン社製のNipol NS616(非油展、スチレン量:21%、ビニル量:63%、Tg:−25℃、重量平均分子量:80万)
BR1:LANXESS社製のBuna CB21(ハイシスBR、Nd系触媒を用いて合成されたBR、シス含量:98質量%、ML1+4(100℃):73、Mw/Mn:2.4)
BR2:宇部興産(株)製のUBEPOL BR150B(シス含量:97質量%、ML1+4(100℃):40、Mw/Mn:3.3)
CB1:東海カーボン社製のN134(NSA:143m/g、平均一次粒子径:19nm)
CB2:三菱化学(株)製のシーストN220(NSA:114m/g、平均一次粒子径:22nm)
水酸化アルミニウム:昭和電工社製のハイジライト H−43(平均粒子径:0.6μm)
シリカ:ローディア社製のZEOSIL 115GR(NSA:115m/g)
カップリング剤1:四国化成社製の1,2−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エタン
カップリング剤2:モメンティブ社製のNXT(3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン)
カップリング剤3:エボニックデグサ社製のSi69
可塑剤1:Rutgers Chemicals社製のNOVARES C10(液状クマロンインデン樹脂、軟化点:5〜15℃)
可塑剤2:クラレ製LBR−307(液状ポリブタジエン、数平均分子量8000)
可塑剤3:出光興産(株)製のダイアナプロセスオイルAH−24
ワックス1:Koster Keunen社製のKester Wax K82P
ワックス2:日本精蝋(株)製のオゾエース0355
ステアリン酸:日油(株)製
酸化亜鉛:ハクスイテック(株)製の酸化亜鉛3種
架橋剤1:ランクセス社製 Vulcuren KA9188(1,6−ビス(N,N’−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン)
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製ノクセラーNS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C
(高純度化NRの製造例)
フィールドラテックスの固形分濃度(DRC)を30%(w/v)に調整した後、該ラテックス1000gに、10%エマールE−27C水溶液25gと25%NaOH水溶液60gを加え、室温で24時間ケン化反応を行い、ケン化天然ゴムラテックスを得た。次いで、老化防止剤分散体6gを添加し、2時間撹拌した後、更に水を添加してゴム濃度15%(w/v)となるまで希釈した。次いで、ゆっくり撹拌しながらギ酸を添加してpHを4.0に調整した後、カチオン系高分子凝集剤を添加し、2分間撹拌し、凝集させた。これにより得られた凝集物(凝集ゴム)の直径は0.5〜5mm程度であった。得られた凝集物を取り出し、2質量%の炭酸ナトリウム水溶液1000mlに、常温で4時間浸漬した後、ゴムを取出した。これに、水2000mlを加えて2分間撹拌し、極力水を取り除く作業を7回繰り返した。その後、水500mlを添加し、pH4になるまで2質量%ギ酸を添加し、15分間放置した。更に、水を極力取り除き、再度水を添加して2分間撹拌する作業を3回繰返した後、水しぼりロールで水を絞ってシート状にした後、90℃で4時間乾燥して固形ゴムを得た。
得られたゴムは、pH5.0、リン含有量92ppm、窒素含有量0.07質量%であった。なお、各物性は、下記により評価した。
<ゴムのpHの測定>
得られたゴム5gを5mm以下(約1〜2×約1〜2×約1〜2(mm))に切断して100mlビーカーに入れ、常温の蒸留水50mlを加えて2分間で90℃に昇温し、その後90℃に保つように調整しながらマイクロ波(300W)を13分(合計15分)照射した。次いで、浸漬水をアイスバスで冷却して25℃とした後、pHメーターを用いて、浸漬水のpHを測定した。
<リン含有量の測定>
ICP発光分析装置(P−4010、(株)日立製作所製)を使用してリン含有量を求めた。
<窒素含有量の測定>
(アセトン抽出(試験片の作製))
各固形ゴムを1mm角に細断したサンプルを約0.5g用意した。サンプルをアセトン50g中に浸漬して、室温(25℃)で48時間後にゴムを取出し、乾燥させ、各試験片(老化防止剤抽出済み)を得た。
(測定)
得られた試験片の窒素含有量を以下の方法で測定した。
窒素含有量は、微量窒素炭素測定装置「SUMIGRAPH NC95A((株)住化分析センター製)」を用いて、上記で得られたアセトン抽出処理済みの各試験片を分解、ガス化し、そのガスをガスクロマトグラフ「GC−8A((株)島津製作所製)」で分析して窒素含有量を定量した。
〔加硫ゴム組成物、試験用タイヤの製造〕
表1に示す配合内容に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、2軸オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物を厚さ約2mmのシート状に圧延後、トレッドの形状に加工し、他のタイヤ部材と貼り合わせてタイヤに成形し、170℃で10分間加硫することで試験用タイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)を得た。
〔評価〕
得られた加硫ゴム組成物、試験用タイヤについて、下記の評価を行い、試験結果を表1に示した。
<粘弾性測定>
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度0℃及び30℃で、周波数10Hz、初期歪み10%及び動歪み2%の条件下で、各配合(加硫ゴム組成物)の損失正接(tanδ)を測定した。
<硬度>
JIS K6253の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に従って、タイプAデュロメーターにより、各ゴム試験片(加硫ゴム組成物)の−10℃における硬度を測定した。
<ガラス転移温度(Tg)>
各ゴム試験片(加硫ゴム組成物)について、JIS−K7121に従い、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製の示差走査熱量計(Q200)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で中間点ガラス転移温度を測定した。
<導電性試験>
各ゴム試験片(加硫ゴム組成物)について、アドバンテストコーポレーション社製のデジタル超高抵抗微小電流計(R−8340A) を用いて、23℃及び相対湿度55%の恒温恒湿条件下で、印加電圧1000Vとし、それ以外についてはJIS K6271に従い測定することにより、固有抵抗値(体積抵抗率)を測定した。各試料が1×10Ω・cm未満の場合は○、1×10Ω・cm以上の場合は△として記載した。
<ウェットグリップ性能>
試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着し、湿潤アスファルト路面にて初速度100km/hからの制動距離を求めた。基準比較例の制動距離を100として、下記式によりウェットグリップ性能指数を算出した。数字が大きいほどウェットグリップ性能が良好である。
ウェットグリップ性能指数=(基準比較例の制動距離)/(各配合の制動距離)×100
<ドライグリップ性能>
試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着し、ドライアスファルト路面のテストコースにて実車走行を行った。その際における操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが評価し、基準比較例を100として指数表示をした。数値が大きいほどドライ路面におけるグリップ性能が優れることを示す。
<低燃費性能>
25℃の条件下で、試験用タイヤをドラム上、荷重4.9N、タイヤの内圧2.00kPa、速度80km/時間の条件で走行させて転がり抵抗を測定した。基準比較例の転がり抵抗を100とし、各配合について指数化した。指数が大きいほど、転がり抵抗が小さく、低燃費性能が良好であることを示す。
<氷上グリップ性能>
試験場所は住友ゴム工業株式会社の北海道旭川テストコース(氷上)で行い、氷上気温は−1〜−6℃であった。
試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着し、制動性能(氷上制動停止距離):時速30km/hでロックブレーキを踏み停止させるまでに要した氷上の停止距離を測定した。基準比較例を100として、下記式により指数表示した。指数が大きいほど、氷上グリップ性能が良好であることを示す。
(氷上グリップ性能指数)=(基準比較例の停止距離)/(各配合の停止距離)×100
<雪上グリップ性能>
試作タイヤを国産2000ccのFR車に装着し、雪上にて、時速30kmからの制動停止距離を測定した。基準比較例を基準として、下記式にて求めた指数によって評価した。指数が大きいほど、雪上グリップ性能が良好である。
(雪上グリップ性能指数)=(基準比較例の停止距離)/(各配合の停止距離)×100
<耐摩耗性能>
試験用タイヤを国産2−D車に装着し、走行距離5万km後のタイヤトレッド部の溝深さを測定した。タイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離を算出し、下記式により指数表示した。指数が大きいほど耐摩耗性能が良好である。
(耐摩耗性能指数)=(各配合の走行距離)/(基準比較例の走行距離)×100
<総合性能>
上記で得られたウェットグリップ指数、ドライグリップ性能指数、低燃費性能指数(転がり抵抗指数)、氷上グリップ性能指数、雪上グリップ性能指数、耐摩耗性能指数の指数和を総合性能として評価した。目標値は610以上であり、615以上がより好ましい。
Figure 0006436734
SBRの含有量が30〜70質量%、カーボンブラック40質量部以上含む充填剤の総量が70質量部以上で、かつ加硫後に所定の硬度、0℃及び30℃におけるtanδ、Tgを持つトレッドを有する実施例のタイヤは、ドライ路面、ウェット路面、氷雪上路面のグリップ性能がバランス良く改善され、優れた耐摩耗性能も得られることが明らかとなった。
特に、液状クマロンインデン樹脂や液状ポリブタジエン、NXT(式(S1))、シリカ及び水酸化アルミニウムの両成分、CB1(NSA:143m/g、平均一次粒子径:19nm)、1,2−ビス(ベンズイミダゾリル−2)エタン(式(I))、KA9188(式(II))を用いた実施例では、所望の性能が得られた。
一方、これらの成分を用いない場合や、所定外のSBR量、カーボンブラック量である場合、加硫後に所定の物性を付与できず、性能に劣っていた。

Claims (5)

  1. ゴム成分100質量部に対する充填剤の総量が70質量部以上180質量部以下のゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤであって、
    前記ゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量が30〜70質量%、
    前記ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量が40質量部以上であり、
    前記ゴム組成物は、液状樹脂及び液状ポリマーからなる群より選択される少なくとも1種を含み、
    前記液状樹脂が液状クマロンインデン樹脂及び液状テルペン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種、前記液状ポリマーが液状ジエン系重合体であり、
    前記ゴム成分100質量部に対する前記液状樹脂の含有量が3〜40質量部、前記液状ポリマーの含有量が2〜30質量部であり、
    かつ
    前記ゴム組成物の加硫後のゴム物性は、−10℃における硬度(Hs)が69以下、初期歪10%、動歪2%で粘弾性測定を行った際の0℃におけるtanδが0.50以上でかつ、30℃におけるtanδが0.20〜0.27、ガラス転移温度(Tg)が−35℃以下である空気入りタイヤ。
  2. 前記ゴム組成物は、下記式(S1)で表されるシランカップリング剤を含む請求項1記載の空気入りタイヤ。
    Figure 0006436734
    [式中、R1001は−Cl、−Br、−OR1006、−O(O=)CR1006、−ON=CR10061007、−ON=CR10061007、−NR10061007及び−(OSiR10061007(OSiR100610071008)から選択される一価の基(R1006、R1007及びR1008は同一でも異なっていても良く、各々水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基であり、hは平均値が1〜4である。)であり、R1002はR1001、水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基、R1003はR1001、R1002、水素原子又は−[O(R1009O)0.5−基(R1009は炭素数1〜18のアルキレン基、jは1〜4の整数である。)、R1004は炭素数1〜18の二価の炭化水素基、R1005は炭素数1〜18の一価の炭化水素基を示し、x、y及びzは、x+y+2z=3、0≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦1の関係を満たす数である。]
  3. 前記ゴム組成物は、シリカ及び水酸化アルミニウムを含む請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記カーボンブラックは、窒素吸着比表面積が120m/g以上、平均一次粒子径が20nm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ゴム組成物の加硫後の体積固体抵抗値は、1×10Ω・cm未満である請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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