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JP6437046B2 - グロメット内径拡張装置 - Google Patents
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Description

本発明は、グロメット内径拡張装置に関するものであり、より詳細には、車両のドアの開閉部等に用いられる長尺のグロメットに、コネクタ付きワイヤーハーネス等を挿通するためのグロメット内径拡張装置に関するものである。
自動車等の車両の電装品は、IT技術の進歩に伴って非常に高度化し且つ複雑化し、情報等を伝達する配線の接続部には高い信頼性が求められる。そのため、コネクタの信頼性を向上させると共に、車体等のワイヤーハーネス貫通部における防水、防音、ワイヤーハーネスの損傷防止等のために、配線用グロメットが多用されるようになってきた。また、電装品の多様化・高度化により、ドア等の開閉部にも各種電装品が配設されるようになり、車体とドアの開閉部等には、従来の配線用グロメットよりも可撓性に富む、中間に蛇腹部を有する長尺グロメットが用いられるようになった。
従来、コネクタ付きワイヤーハーネスを配線用グロメットに挿通させる器具としては、複数の可動板に取付けた複数のピンをグロメットに挿入し、前記可動板を放射状に移動させてピンの間隔を拡げてグロメット胴部を拡張し、この拡張した中にコネクタ付きワイヤーハーネスを通す装置が一般的であった(特許文献1:実開平4−97665号公報)。しかるに、この装置の場合は、グロメットの胴部を拡張するためのピンが片持ち構造であるため、上述した細長い蛇腹状の中間部を有するグロメットに対しては、長いピンを用いてもピンの先端側がグロメットの収縮力に負けて開かず、十分な拡張が不可能であり、上述の細長い蛇腹状の中間部を有するグロメットに適用することはできなかった。
従って、従来ワイヤーハーネスを上述したような長尺グロメットに挿通させる場合は、手作業に頼らざるを得なかった。具体的には、配線を挿通させる治具を用いて、端子を取付けただけの状態の配線を挿通させ、その後に端子をコネクタに挿入する手作業となる(特許文献2:特開平5−161229号公報)。しかし、コネクタに後から端子を挿入する場合は、誤配線の危険性が絶無とはいえず、結局は、ワイヤーハーネスの品質検査に多大な時間とコストを要する結果となっていた。
この問題を解決するため、両持ちのピンを用いて長尺グロメットを拡張する装置(例えば、特許文献3:特開2001−25140号公報)や、グロメットに複数のワイヤを通し、各ワイヤを両側から張り拡げ、長尺グロメットを拡張する装置(例えば、特許文献4:特開2004−312850号公報)が提案されている。
上記提案のうち、両持ちの複数の拡開爪(ピン)を用いて長尺グロメットを拡張する装置は、複数のリンク機構を組み合わせた複雑な構成であり、また、複数本の拡開爪にグロメットを挿入するに際し、一方の側の拡開爪支持体の装脱を直動スライド機構を用いるために場所を取るという問題がある。また、グロメットに複数のワイヤを通して各ワイヤを張り拡げる装置も、グロメットに複数のワイヤを通しその複数のワイヤの一端をそれぞれ所定の位置にセットする煩雑な作業が必要であり、更に、コネクタ付きワイヤーハーネス挿通後にグロメット内のワイヤーハーネスの隙間から当該ワイヤを引き抜く必要があるため、作業性に問題がある。
実開平4−97665号公報 特開平5−161229号公報 特開2001−25140号公報 特開2004−312850号公報
上述したように、従来提案されているグロメットの内径拡張装置の場合は、長尺グロメットに対応できないとか、人的作業に頼るため誤配線等の問題が起きやすくて信頼性に欠けるとか、機構が複雑で扱いにくく、コスト高となるとかいった問題があった。
本発明は、従来技術におけるこのような問題を解決するためになされたもので、シンプルな構成で設置に場所を取らず、取り扱い容易で長尺グロメットの内径拡張作業を効率よく行うことが可能なグロメットの内径拡張装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、架台上に設置される水平駆動部及び垂直駆動部と、前記水平駆動部の水平駆動手段によって互いに水平反対方向に移動するように駆動される一対のL字型水平移動アームと、前記垂直駆動部の垂直駆動手段によって互いに垂直反対方向に移動するように駆動される一対のL字型垂直移動アームと、前記水平移動アーム及び前記垂直移動アームのそれぞれに設置される拡張棒、並びに、テンション棒とで構成され、
前記テンション棒はその先端部に、前記拡張棒の先端部を保持して両持ち状態にする拡張棒支持手段を有することを特徴とするグロメットの内径拡張装置である。
一実施形態においては、前記拡張棒支持手段は、前記テンション棒の先端部において枢支される保持アームと、前記保持アームの端部に固定されている操作ハンドルとから成り、前記保持アームはその先端部に前記拡張棒の先端部をクランプするクランプ手段を有している。
一実施形態においては、前記操作ハンドルは、前記保持アームによる前記拡張棒のクランプ時に、その回動を不可にするための自動ロック機構を備え、また、前記テンション棒先端の前記保持アーム軸支部に、前記保持アームが正規位置まで回動して、前記拡張棒を正しくクランプしていることを確認するためのマイクロスイッチ及び表示手段が配備される。また、一実施形態においては、前記拡張棒の集束は、水平方向と垂直方向とで時間差をもって進行する。
一実施形態においては、前記水平駆動手段並びに垂直駆動手段は、対設される一対のガイドレールと、前記ガイドレールにスライド自在に設置されるスライドベースと、前記スライドベース間に配置される回転カムと、前記スライドベース間に跨って設置されるリターンスプリングとから成り、前記水平移動アーム及び前記垂直移動アームはそれぞれ前記スライドベースに固定される。そしてその場合、前記回転カムは、減速モーター軸に一方向クラッチ内蔵玉軸受を介して取り付けられ、前記減速モーター軸の正回転時にのみその回転駆動力が前記回転カムに伝達される。
本発明に係るグロメットの内径拡張装置は上記のとおりであって、シンプルな構成で設置に場所を取らず、取り扱い容易で長尺グロメットの内径拡張作業を効率よく行うことが可能という効果がある。
本発明に係るグロメットの内径拡張装置の外観例を示す側面図である(拡張棒集束状態)。 本発明に係るグロメットの内径拡張装置の外観例を示す正面図である(拡張棒集束状態)。 本発明に係るグロメットの内径拡張装置の外観例を示す正面図である(拡張棒離隔状態)。 本発明に係るグロメットの内径拡張装置の使用方法を示す斜視図である(拡張棒集束状態)。 本発明に係るグロメットの内径拡張装置の使用方法を示す斜視図である(拡張棒離隔状態)。 本発明に係るグロメットの内径拡張装置の使用方法を示す斜視図である(グロメット被装時の拡張棒集束状態)。 本発明に係るグロメットの内径拡張装置の使用方法を示す斜視図である(グロメット被装時の拡張棒離隔状態)。 本発明に係るグロメットの内径拡張装置における操作ハンドル及び保持アームの構成を示す図である。 本発明に係るグロメットの内径拡張装置におけるお水平駆動手段の構成例を示す図である(閉状態)。 本発明に係るグロメットの内径拡張装置における水平駆動手段の要部を示す図である(閉状態)。 本発明に係るグロメットの内径拡張装置における作用を示す概略図である。
本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。本発明に係るグロメット内径拡張装置は、架台1上に設置される水平駆動部2及び垂直駆動部3と、水平駆動部2の水平駆動手段によって互いに水平反対方向に移動するように駆動される一対のL字型水平移動アーム4,5と、垂直駆動部3の垂直駆動手段によって互いに垂直反対方向に移動するように駆動される一対のL字型垂直移動アーム6,7と、水平移動アーム4,5及び垂直移動アーム6,7のそれぞれに設置される拡張棒8〜11、並びに、テンション棒12〜15とで構成される。
水平移動アーム4,5は、両者の先端部同士が突き合わされて配置され、また、垂直移動アーム6,7は、両者の先端部同士が突き合わされて配置され、水平移動アーム4,5と垂直移動アーム6,7とが直交して十字形をなすように配置される(図2参照)。
水平移動アーム4,5と垂直移動アーム6,7の各先端部に、拡張棒8〜11の後端部が取り付けられ、また、水平移動アーム4,5と垂直移動アーム6,7の各角部に、それぞれ拡張棒8〜11に対応するテンション棒12〜15の後端部が取り付けられる(図4〜7参照)。拡張棒8〜11とテンション棒12〜15は、平行に設置される。
4本の拡張棒8〜11は、集束状態において長尺グロメットG内に挿入され(図6参照)、その後拡開して長尺グロメットGを広げるように作用する(図7参照)ものであり、その長さは、拡張対象となる長尺グロメットGに対応する長さとされる。
テンション棒12〜15は、片持ち状態の拡張棒8〜11を両持ち状態に支持して、長尺グロメットGの内径拡張動作時における拡張棒8〜11の強度を確保する機能を果たすもので、それぞれ先端部に、拡張棒8〜11の先端部を確固と保持して両持ち状態にする拡張棒支持手段を備える。
図示した拡張棒支持手段は、テンション棒12〜15の先端部において軸支される保持アーム16〜19と、保持アーム16〜19の端部に連結固定される操作ハンドル20〜23とから成るものである。保持アーム16〜19の先端部には、拡張棒8〜11の先端部をクランプするクランプ手段が設けられる。このクランプ手段は、例えば、拡張棒8〜11の先端部を係入するための係止孔24である(図3,5参照)。
操作ハンドル20〜23は、通例、保持アーム16〜19に対して90度の角度にて連結固定され、その連結固定部がテンション棒12〜15の端部において軸支される(図8参照)。具体的には、テンション棒12〜15の先端の二股部31内に操作ハンドル20〜23と保持アーム16〜19の連結部が配置され、二股部31に両側からねじ込まれる一対のヒンジボルト32によって軸支される。その場合、操作ハンドル20〜23を90度回動させると、保持アーム16〜19が90度回動することになり、保持アーム16〜19は、テンション棒12〜15と直角の状態にあるときに拡張棒8〜11をクランプし(図1〜4,6,7参照)、その状態から回動してテンション棒12〜15と同軸上に位置するときに、拡張棒8〜11に対してアンクランプ状態となる(図5参照)。
操作ハンドル20〜23には、保持アーム16〜19による拡張棒8〜11クランプ時に、不用意に回動してアンクランプ状態になることを避けるために、自動ロック機構が設置される。
図8は、自動ロック機構の一例を示すもので、その場合の自動ロック機構は、操作ハンドル20〜23の下端部である凸部33が、二股部31の内底部に凹設されているノッチ孔34内に嵌合することにより、テンション棒12〜15に対して操作ハンドル20〜23がロックされるものである。より詳細には、操作ハンドル20〜23の端部に一対のフランジ35,36が形成され、末端側のフランジ35より突出する部分が、ノッチ孔34内に嵌合する凸部33となる。
この一対のフランジ35,36部分を含む操作ハンドル20〜23の端部が、保持アーム16〜19の上部に形成される差込孔37内に摺動可能に差し込まれる。差込孔37内には、操作ハンドル20〜23が装入されて凸部33がノッチ孔34内に嵌合するように付勢するスプリング38が配備される。スプリング38は、その一端面がフランジ36に接圧し、他端面が、差込孔37の縮径化された開口縁辺39に接圧する。二股部31に両側からねじ込まれる一対のヒンジボルト32の先端は、差込孔37内にまで螺進し、一対のフランジ35,36間に臨む。かくして操作ハンドル20〜23は、フランジ35がヒンジボルト32の先端に当たるために差込孔37から抜けなくなる。
この構成の場合、保持アーム16〜19によって拡張棒8〜11をクランプさせるに当たっては、操作ハンドル20〜23を、テンション棒12〜15に対して直角の位置から同一軸上に至るまで回動させるが、同一軸上に至ったところで、スプリング38に付勢されている操作ハンドル20〜23の凸部33がノッチ孔34内に嵌入する。かくして操作ハンドル20〜23がロックされてその回動が阻止され(図8(A),(C)の状態)、保持アーム16〜19による拡張棒8〜11に対するクランプ作用が維持される。
操作ハンドル20〜23のロックを解除する場合は、スプリング38による付勢力に抗して操作ハンドル20〜23を引っ張ることで、凸部33をノッチ孔34から引き抜けばよい(図8(B)の状態)。その場合操作ハンドル20〜23は、一対のフランジ35,36の間隔分移動が可能である。
また、好ましくは、二股部31に、保持アーム16〜19が正規位置まで回動して、拡張棒8〜11を正しくクランプしていることを確認するためのマイクロスイッチ40及びマイクロスイッチ40からの信号を受けて動作する外部表示手段を配備することが好ましい(図8(C)参照)。その外部表示手段としては、例えば、拡張棒8〜11が正しくクランプされている場合に点灯する緑色ランプを使用することができる。また、正しくクランプされていない状態で拡張棒8〜11の離隔動作をさせようとした場合に、警報を鳴らすようにすることもできる。
図9、図10は、本発明に係るグロメットの内径拡張装置における水平駆動手段並びに垂直駆動手段の構成例を示すもので、それは、対設される一対のガイドレール41,42と、各ガイドレール41,42にスライド自在に設置されるスライドベース43,44と、スライドベース43,44間に配置される回転カム46と、スライドベース43,44間に跨って設置されるリターンスプリング45とから成り、水平移動アーム4,5はそれぞれスライドベース43,44に固定される。垂直駆動部3の垂直駆動手段は、この水平駆動手段と同様の構成を採用し、90度傾けて設置される。
回転カム46は、図示せぬ減速モーターの軸に、一方向クラッチ内蔵玉軸受50を介して取り付けられ、減速モーター軸に固定設置される回転駆動円板51に突設される回転駆動引掛けボス52に押されることと相俟って、一方向(図10では反時計回り)に回転駆動される。即ち、減速モーター軸の正回転時には一方向クラッチ内蔵玉軸受50のクラッチが作用して、減速モーター軸の回転が回転カム46に伝達される。後述するように、減速モーター軸が逆回転する際には、一方向クラッチ内蔵玉軸受50がフリーとなって、減速モーター軸の回転は回転カム46に伝達されない。
図9,10に示されるように、回転カム46の一端部に、一端がスライドベース43に軸着されたリンクバー47が軸着され(枢支部53)、また、回転カム46の他端部に、一端がスライドベース44に軸着されたリンクバー48が軸着される(枢支部54)。
この構成の場合、図9に示す水平移動アーム4,5が閉じた状態(図10(A)参照)において減速モーターが作動すると、そのモーター軸に取り付けられている回転カム46及び回転駆動円板51が回転駆動される。その際回転カム46は、回転駆動引掛けボス52に後押しされ、減速モーター軸を軸に所定角度、反時計回りに回転する(図10(B)参照)。
この回転カム46の回転に伴い、リンクバー47の枢支部53が、回転カム46の上側において反時計回りに押されることで、スライドベース43及びそれに固定されている水平移動アーム4が、リターンスプリング45の収縮力に抗して図9において左方向に移動する。また同時に、リンクバー48の枢支部54が、回転カム46の下側において反時計回りに押されることで、スライドベース44及びそれに固定されている水平移動アーム5が、リターンスプリング45の収縮力に抗して図9において右方向に移動し、水平移動アーム4,5が離隔する。
水平駆動部2の水平駆動手段(垂直駆動部3の垂直駆動手段)は上述したものに限られる訳ではなく、例えば、上記回転カム46の代わりにピニオンギアを配し、該ピニオンギアを挟むように配置されて噛合する一対のラックとから成るピニオン・ラック機構を採用することもできる。その場合、一方のラックがスライドベース43に固定され、他方のラックがスライドベース44に固定される。
次いで、主に図4乃至図7を参照しつつ、上記構成のグロメットの内径拡張装置の使用方法について説明する。使用に際しては、拡張棒8〜11が収束している図5に示す状態において、各操作ハンドル20〜23を回動操作して保持アーム16〜19による拡張棒8〜11のクランプを解除し、拡張棒8〜11の先端を解放する(図5参照)。その状態において、長尺グロメットGを集束している拡張棒8〜11に被せて引き伸ばした後、各操作ハンドル20〜23を逆方向に回動操作して、保持アーム16〜19先端部のクランプ手段(係止孔24)によって拡張棒8〜11をクランプさせる(図6参照)。
好ましい実施形態においては、ここで正しくクランプされた場合は、例えば、マイクロスイッチ28の作用で緑色ランプが点灯し、また、操作ハンドル20〜23がノッチ孔34によってロックされ、安全性が確保される。
次いで、水平駆動部2の水平駆動手段と垂直駆動部3の垂直駆動手段を動作させ、水平移動アーム4,5を水平離隔方向に移動させると共に、垂直移動アーム6,7を垂直離隔方向に移動させる。図9、図10に示される実施形態の場合は、回転カム46が、所定角度回転駆動されることで、水平移動アーム4,5並びに垂直移動アーム6,7が、それぞれ反対方向に所定距離移動する。
それに伴い、水平移動アーム4,5に固定されているテンション棒12,13と拡張棒8,9がそれぞれ水平離隔方向に移動し、また、垂直移動アーム4,5に固定されているテンション棒14,15と拡張棒10,11がそれぞれ垂直離隔方向に移動し、その時点で減速モーターが停止する。かくして拡張棒8〜11が拡開して長尺グロメットGが四角形状(菱形)に拡げられ(図7参照)、その状態が維持されることで、コネクタ付きワイヤーハーネス等の挿通作業を行うことが可能となる。
コネクタ付きワイヤーハーネス等の挿通作業終了後、減速モーターが反転して回転駆動円板51も反転するが、その場合一方向クラッチ内蔵玉軸受50のクラッチが切れて回転カム46は減速モーターと切り離され、自由回転可能な状態となる。その状態においてリターンスプリング45の収縮力がスライドベース43,44に作用し、スライドベース43,44が引き寄せられる。その結果、リンクバー47,48を介して回転カム46が反転し、水平移動アーム4,5が水平近接方向に移動して、図6に示す拡張棒8〜11が集束した状態に戻る。
このように拡張棒8〜11が集束するに伴い長尺グロメットGが自然収縮するが、この拡張棒8〜11の集束は、無動力下においてリターンスプリング45の収縮力によって無理なく行われるので、挿通したコネクタ付きワイヤーハーネス等を傷めることがない。仮に、拡張棒8〜11の集束の際に長尺グロメットG内に異物が入り込んだとしても、その異物の抵抗によって拡張棒8〜11の集束が止まり、長尺グロメットGの収縮が止まるので、当該異物によってコネクタ付きワイヤーハーネス等が損傷することが回避される。
上記集束動作における、水平方向における拡張棒8,9の近接移動と、垂直方向における拡張棒10,11の近接移動は、必ずしも同時進行させる必要はなく、例えば、垂直方向における拡張棒10,11の近接移動を先行させ(垂直駆動部における減速モーターの反転を先行させ)、その後、拡張棒8,9をそれぞれ水平近接方向に移動させるようにすることができる。
図11は、この操作をより詳細に説明するための概略図である。この例では、拡張棒8〜11の拡縮操作をフットスイッチで行うようにしており、フットスイッチの1回目の操作で4本の拡張棒8〜11が同時に開き、2回目の操作で垂直方向の拡張棒10,11のみ閉じ、3回目の操作で水平方向の拡張棒8,9が閉じる設定とされている。
この場合、先ず、拡張棒8〜11が集束した状態において長尺グロメットGを被せ(図11(A))、その後フットスイッチを操作して、4本の拡張棒8〜11を同時に開かせる。4本の拡張棒8〜11が同時に開くことで、長尺グロメットGが四角形状に拡げられ、十分に広いコネクタ付きワイヤーハーネス挿通空間が生成される(図11(B))。その状態で長尺グロメットG内にコネクタ付きワイヤーハーネスを挿通した後、フットスイッチの2回目の操作で垂直方向の拡張棒10,11のみ閉じ、長尺グロメットGを横長菱形拡張状態にする(図11(C))。
その際作業者が、コネクタ付きワイヤーハーネスを手前(図11において左方向。図2において装置の左側が作業者の立ち位置となる。)に引き寄せて中心からずらす操作を行うことで、コネクタ付きワイヤーハーネスが、長尺グロメットGの収縮力と相俟って垂直方向の拡張棒10,11によって挟み込まれ、その後の引抜きを難しくし、また、コネクタ付きワイヤーハーネスを損傷することを回避することができる。そして最後に、フットスイッチの3回目の操作で水平方向の拡張棒8,9を閉じ、操作ハンドル20〜23を回動操作して保持アーム16〜19を開き、拡張棒8〜11の先端部を解放した後、拡張棒8〜11からコネクタ付きワイヤーハーネスを抜き取る。
以上詳述したように、本発明に係るグロメット内径拡張装置によれば、コネクタ付きワイヤーハーネスを長尺グロメットGに挿通する際に最も障害となるコネクタ部分を、傷付けることなく容易に長尺グロメットG内を通過させることができ、コネクタの付いた状態のワイヤーハーネスその他の挿通物の挿通作業を容易且つ短時間のうちに行うことが可能となるので、当該挿通作業の効率化を図ることができ、その産業上の利用可能性は極めて大である。
1 架台
2 水平駆動部
3 垂直駆動部
4,5 水平移動アーム
6,7 垂直移動アーム
8〜11 拡張棒
12〜15 テンション棒
16〜19 保持アーム
20〜23 操作ハンドル
24 係止孔
31 二股部
32 ヒンジボルト
33 突部
34 ノッチ孔
35,36 フランジ
37 差込孔
38 スプリング
39 開口縁辺
40 マイクロスイッチ
41,42 ガイドレール
43,44 スライドベース
45 リターンスプリング
46 回転カム
47,48 リンクバー
50 一方向クラッチ内蔵玉軸受
51 回転駆動円板
52 回転駆動引掛けボス
53,54 枢支部

Claims (7)

  1. 架台上に設置される水平駆動部及び垂直駆動部と、前記水平駆動部の水平駆動手段によって互いに水平反対方向に移動するように駆動される一対のL字型水平移動アームと、前記垂直駆動部の垂直駆動手段によって互いに垂直反対方向に移動するように駆動される一対のL字型垂直移動アームと、前記水平移動アーム及び前記垂直移動アームのそれぞれに設置される拡張棒、並びに、テンション棒とで構成され、
    前記テンション棒はその先端部に、前記拡張棒の先端部を保持して両持ち状態にする拡張棒支持手段を備えることを特徴とするグロメットの内径拡張装置。
  2. 前記拡張棒支持手段は、前記テンション棒の先端部において枢支される保持アームと、前記保持アームの端部に固定されている操作ハンドルとから成り、前記保持アームはその先端部に前記拡張棒の先端部をクランプするクランプ手段を有している、請求項1に記載のグロメットの内径拡張装置。
  3. 前記操作ハンドルは、前記保持アームによる前記拡張棒のクランプ時に、自らの回動を不可にするための自動ロック機構を備える、請求項2に記載のグロメットの内径拡張装置。
  4. 前記テンション棒先端の前記保持アーム軸支部に、前記保持アームが正規位置まで回動して、前記拡張棒を正しくクランプしていることを確認するためのマイクロスイッチが配備されている、請求項2又は3に記載のグロメットの内径拡張装置。
  5. 前記拡張棒の集束は、水平方向と垂直方向とで時間差をもって進行する、請求項1乃至4のいずれかに記載のグロメットの内径拡張装置。
  6. 前記水平駆動手段並びに垂直駆動手段は、対設される一対のガイドレールと、前記ガイドレールにスライド自在に設置されるスライドベースと、前記スライドベース間に配置される回転カムと、前記スライドベース間に跨って設置されるリターンスプリングとから成り、前記水平移動アーム及び前記垂直移動アームはそれぞれ前記スライドベースに固定される、請求項1乃至5のいずれかに記載のグロメットの内径拡張装置。
  7. 前記回転カムは、減速モーター軸に一方向クラッチ内蔵玉軸受を介して取り付けられ、前記減速モーター軸の正回転時にのみその回転駆動力が前記回転カムに伝達される、請求項6に記載のグロメットの内径拡張装置。
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