<実施の形態1>
<TFT基板の画素の構成>
まず、図1および図2を参照して、実施の形態1のTFT基板100の構成について説明する。なお、本発明はTFT基板に関するものであるが、特に画素の構成に特徴を有するので、以下においては画素の構成について説明する。図1は、実施の形態1に係る画素の平面構成を示す平面図であり、図2は、図1におけるX−X線での断面構成(TFT部の断面構成および画素部の断面構成)、Y−Y線での断面構成(ゲート端子部の断面構成)およびZ−Z線での断面構成(ソース端子部の断面構成)を示す断面図である。なお、以下においてはTFT基板100は光透過型のTNモードの液晶表示装置に用いるものとして説明する。
図1に示すように、TFT基板100は、複数のゲート配線3(走査信号線)と複数のソース配線151(表示信号線)とが直交して交差するように配設され、両配線の交点近傍にTFTが配設されており、TFTのゲート電極2はゲート配線3の一部で構成されている。すなわち、ゲート配線3から分岐してTFTの形成領域(TFT部)へ延びた部分がゲート電極2を構成する。本実施の形態では、ゲート電極2となる部分の奥行および幅を、ゲート配線3の幅よりも広くし、ゲート電極2の上方にソース電極22およびドレイン電極23を配設できる大きさとしている。
図1に示されるように、ゲート配線3が横方向(X方向)に延在するように配設され、ソース配線151が縦方向(Y方向)に延在するように配設されている。なお、ソース配線151は、下層ソース配線15と上層ソース配線26とで構成されている。
ゲート配線3の一方の端部はゲート端子4に電気的に接続されており、ゲート端子4には、第1ゲート端子部コンタクトホール19を介してゲート端子取り出し電極25が接続されている。なお、ゲート端子4には、後に説明するように、遮光性を有する金属または合金、例えばモリブデン(Mo)およびアルミニウム(Al)などの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金で構成される第1の導電膜が使用されている。
また、下層ソース配線15の一方の端部はソース端子15Tに接続されており、ソース端子15Tには、第1ソース端子部コンタクトホール20を介してソース端子取り出し電極26Tが接続されている。
ソース電極22から延在する上層ソース配線26が、第1ソース配線コンタクトホール10を介して下層ソース配線15に接続されることで、ソース電極22が下層ソース配線15に電気的に接続される。また、ドレイン電極23は、画素領域にまで延在して光透過型の透過画素電極24を形成している。また、ソース電極22およびドレイン電極23の領域の上には、それぞれ上層遮光膜22bおよび23bが設けられている。
なお、隣接するゲート配線3および隣接する下層ソース配線15に囲まれた領域が画素領域となるので、TFT基板100では、画素領域がマトリックス状に配列された構成となる。
次に、図2を用いてTFT基板100の断面構成について説明する。図2に示すように、TFT基板100は、例えば、ガラス等の透明性絶縁基板である基板1を母材とし、基板1上にゲート電極2(ゲート配線3含む)、ゲート端子4が配設されている。
そして、ゲート電極2およびゲート端子4を覆うように、絶縁膜6(第1の絶縁膜)が配設されている。絶縁膜6は、TFT部ではゲート絶縁膜として機能するのでゲート絶縁膜6と呼称する場合もある。
TFT部においては、絶縁膜6の上には、ゲート電極2に重なる位置に、酸化物半導体膜7が配設されている。酸化物半導体膜7はTFTのチャネル層として機能するので、半導体チャネル層7と呼称する場合もある。なお、本実施の形態では、半導体チャネル層7の平面パターンは、平面視においてゲート電極2の平面パターンよりも小さく形成され、半導体チャネル層7の輪郭は、ゲート電極2の輪郭より内側に存在している。
半導体チャネル層7は、例えば、酸化亜鉛(ZnO)系の酸化物半導体、酸化亜鉛に酸化インジウム(In2O3)および酸化すず(SnO2)を添加したInZnSnO系の酸化物半導体、または、酸化亜鉛に酸化ガリウム(Ga2O3)および酸化インジウム(In2O3)を添加したInGaZnO系の酸化物半導体などを用いることができる。半導体チャネル層7が酸化物半導体で構成されることにより、半導体チャネル層にアモルファスシリコンを用いた従来の構成よりも移動度を高めることができる。
半導体チャネル層7上には保護絶縁膜8(第2の絶縁膜)が配設され、保護絶縁膜8上には、遮光性の金属膜などで構成されたチャネル領域下層遮光膜9(第2の導電膜)が配設されている。
本実施の形態では、チャネル領域下層遮光膜9として、例えばMoおよびAlなどの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金が用いられる。そして、半導体チャネル層7の上のチャネル領域下層遮光膜9には、第1ソース電極コンタクトホール11および第1ドレイン電極コンタクトホール12が設けられている。なお、チャネル領域下層遮光膜9は、便宜的に設けられた部位によって下層遮光膜9a、9bおよび9cと呼称する場合がある。
また、ソース端子部においては、TFT部の半導体チャネル層7と同層の酸化物半導体膜13が設けられており、酸化物半導体膜13上には保護絶縁膜8と同層の絶縁膜14が設けられている。そして、絶縁膜14上には、チャネル領域下層遮光膜9(第2の導電膜)と同層のソース端子15T(下層ソース配線15含む)が設けられ、3層の積層体の最上層膜となっている。
また、ゲート端子部においては、ゲート端子4(ゲート配線3含む)を覆うように絶縁膜6が形成されている。
そして、絶縁膜6、半導体チャネル層7、保護絶縁膜8およびチャネル領域下層遮光膜9を覆うように基板1上全面に、層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)が配設されている。そして、TFT部においては、層間絶縁膜16および保護絶縁膜8を貫通して半導体チャネル層7に達する第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18が設けられている。第2ソース電極コンタクトホール17は、平面視において第1ソース電極コンタクトホール11の外周よりも内側に位置するように配設され、その底面には半導体チャネル層7の表面が露出するように形成される。また、第2ドレイン電極コンタクトホール18は、平面視において第1ドレイン電極コンタクトホール12の外周よりも内側に位置するように配設され、その底面には半導体チャネル層7の表面が露出するように形成される。
そして、第3の導電膜として形成されるソース電極22およびドレイン電極23は、それぞれ第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18を介して、半導体チャネル層7に互いに離間して直接接続するように配設されている。この半導体チャネル層7におけるソース電極22とドレイン電極23との間の領域がチャネル領域BCを形成する。なお、本実施の形態では、第3の導電膜として透明導電膜(透光性導電膜)を用いる。
ソース電極22およびドレイン電極23の上には、それぞれ上層遮光膜22bおよび23b(第4の導電膜)が設けられる。上層遮光膜22bおよび23bを、例えば遮光性の金属膜などで形成する場合は、ソース電極22とドレイン電極23とが電気的に短絡しないように、互いに離間して形成する。本実施の形態では、上層遮光膜22b、23bとして、例えばMoおよびAlなどの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金を用いることができる。
図1に示すように、TFT部の半導体チャネル層7の上方領域は、上層遮光膜22b、23bおよび下層遮光膜9a、9b、9cによって、平面視において全領域が上面からの光に対して遮光される構成となっている。さらにTFT部の半導体チャネル層7の下方領域は、ゲート電極2によって、平面視において全領域が下面(基板1側の面)からの光に対して遮光される構成となっている。TFT部をこのような構成にすることによって、バックライト光、外光およびこれらの散乱光が、半導体チャネル層7に入射することをほぼ完全に防止(遮光)することができ、半導体チャネル層7の光吸収による特性劣化を防止することができる。
また、ソース端子部においては、ソース取り出し電極26Tが、層間絶縁膜16を貫通してソース端子15Tに達する第1ソース端子部コンタクトホール20を介してソース端子15Tに直接接続されるように設けられている。
また、ゲート端子部においては、ゲート端子取り出し電極25が、層間絶縁膜16および絶縁膜6を貫通してゲート端子に達する第1ゲート端子部コンタクトホール19を介して、ゲート端子4に直接接続されるように設けられている。
なお、ソース取り出し電極26Tおよびゲート端子取り出し電極25は、TFT部のソース電極22およびドレイン電極23と同層の第3の導電膜で形成される。
<製造方法>
以下、図3〜図12を用いて実施の形態1のTFT基板100の製造方法について説明する。なお、最終工程を示す平面図および断面図は、それぞれ図1および図2に相当する。
まず、ガラス等の透明性絶縁基板である基板1を洗浄液または純水を用いて洗浄する。本実施の形態では、厚さ0.6mmのガラス基板を基板1として用いた。そして、洗浄された基板1の一方の主面全面に、ゲート電極2、ゲート配線3等の材料である第1の導電膜を成形成る。なお、ゲート電極2、ゲート配線3等が設けられる方を基板1の上主面とする。
第1の導電膜としては、例えばクロム(Cr)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、銅(Cu)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)などの金属およびこれらの金属元素を主成分として他の元素を1種類以上添加した合金等を用いることができる。ここで、主成分の元素とは、合金を構成する元素のうち、含有量が最も多い元素のことを示すものとする。また、これらの金属の層または合金の層を2層以上含む積層構造としても良い。これらの金属または合金を用いることによって、比抵抗値が50μΩcm以下の低抵抗な導電膜を得ることができる。本実施の形態では、第1の導電膜としてアルミニウム(Al)合金膜を用いるものとし、アルゴン(Ar)ガスを用いたスパッタリング法で、Al合金膜を200nmの厚さに形成した。
<1回目の写真製版工程>
その後、第1の導電膜上にフォトレジスト材を塗布し、1回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、当該フォトレジストパターンをマスクとして、第1の導電膜をエッチングによりパターニングする。ここでは、リン酸、酢酸および硝酸を含む溶液(Phosphoric-Acetic-Nitric acid:PAN薬液)によるウエットエッチングを用いた。その後、フォトレジストパターンを除去することで、図3および図4に示されるように、基板1の上主面上に、ゲート電極2、ゲート配線3(図4には不図示)およびゲート端子4が形成される。
<2回目の写真製版工程>
次に、2回目の写真製版工程で、ゲート電極2、ゲート配線3およびゲート端子4を覆うように基板1の上主面全面に絶縁膜6(第1の絶縁膜)を形成した後、絶縁膜6の上に、酸化物半導体膜、第2の絶縁膜および第2の導電膜をこの順に積層し、エッチングにより略同一形状にパターニングすることで、図5および図6に示されるように、TFT部においては、ゲート電極2の上方に、半導体チャネル層7、保護絶縁膜8およびチャネル領域下層遮光膜9の積層体が得られる。この積層体は、平面視における輪郭が、ゲート電極2の輪郭より内側に存在するように配設される。また、ソース配線形成領域においては、酸化物半導体膜13、絶縁膜14および下層ソース配線15の積層体を形成し、ソース端子形成領域においては、上記と同一工程で、酸化物半導体膜13、絶縁膜14およびソース端子15Tの積層体を形成する。
以下、より具体的に製造方法を説明する。本実施の形態では、化学的気相成膜(Chemical Vapor Deposition:CVD)法を用いて、窒化シリコン膜(SiN)と酸化シリコン膜(SiO)をこの順に形成することで、絶縁膜6を形成した。酸化シリコン膜は、酸素(O)原子を含むため、この後の工程で絶縁膜6の上に酸化物半導体膜を形成した場合に、酸化物半導体膜からO原子が絶縁膜6の膜中へと拡散する(放出される)ことによる影響を抑制することができる。一方で、SiO膜は、水分(H2O)、水素(H2)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)のようなTFT特性に影響を及ぼす不純物元素に対するバリア性(遮断性)が弱い。このため、本実施形態では、SiO膜の下にバリア性に優れるSiN膜を設けた構成としている。より具体的には、絶縁膜6を、厚さ400nmのSiN膜と厚さ50nmのSiO膜の積層膜とした。なお、絶縁膜6は、TFT部においてはゲート絶縁膜として機能する。
また、絶縁膜6の上に形成する酸化物半導体膜は、本実施の形態では、酸化物半導体として、InとGaとZnを含む酸化物(例:InGaZnO)を用いる。より具体的には、In:Ga:Zn:Oの原子組成比が1:1:1:4であるInGaZnOターゲット[In2O3・Ga2O3・2(ZnO)]を用いたスパッタリング法により、InGaZnO膜を形成した。
また、本実施形態では、第2の絶縁膜として、CVD法を用いて、SiO膜を形成した。O原子を含むSiO膜を用いた理由は、下層の酸化物半導体膜の膜中からのO原子の拡散(放出)による影響を抑制するためである。ここでは、厚さ100nmのSiO膜を形成した。
また、本実施形態では、第2の導電膜として、厚さ200nmのアルミニウム(Al)合金膜を形成した。第2の導電膜としては、Al合金に限定されず、遮光性のある金属および合金を用いれば良い。
このようにして絶縁膜6上に積層された、酸化物半導体膜、第2の絶縁膜および第2の導電膜の積層体上にフォトレジスト材を塗布し、2回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、これをマスクとして、上記積層体を順次エッチングしてパターニングする。
まず、第2の導電膜(Al合金膜)をエッチングする。第2の導電膜(Al合金膜)のエッチングは、リン酸、酢酸および硝酸を含む溶液(Phosphoric-Acetic-Nitric acid:PAN薬液)によるウエットエッチング法を用いた。この場合、酸化物半導体膜は第2の絶縁膜で覆われているため、エッチングの薬液によるダメージを受けることはない。
第2の導電膜をエッチングした後、続けて第2の絶縁膜(SiO膜)をエッチングする。このエッチングには、フッ素を含むガスを用いたドライエッチング法を用いることができる。ここでは、六フッ化硫黄(SF6)に酸素(O2)を加えたガスを用いたドライエッチングを行った。O2ガスを添加することで、エッチング時に第2の絶縁膜の下の酸化物半導体膜に還元反応によるダメージが生じることを抑制することができる。
第2の絶縁膜をエッチングした後に、続けて酸化物半導体膜(InGaZnO膜)をエッチングする。このエッチングには、シュウ酸5wt%+水のシュウ酸系薬液を用いたウエットエッチング法を用いた。
その後、フォトレジストパターンを除去する。このようにして、図5および図6に示される各積層体が同一の工程で同時に形成されることとなる。
<3回目の写真製版工程>
次に、上記各積層体が形成された基板1の上主面全面にフォトレジスト材を塗布し、3回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、これをマスクとして、TFT部に形成されたチャネル領域下層遮光膜9をPAN薬液を用いたウエットエッチング法によりパターニングする。
その後、フォトレジストパターンを除去することで、図7および図8に示されるように、チャネル領域下層遮光膜9に、第1ソース電極コンタクトホール11および第1ドレイン電極コンタクトホール12が形成される。
便宜的に、第1ソース電極コンタクトホール11と第1ドレイン電極コンタクトホール12との間に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9a、第1ソース電極コンタクトホール11の下層遮光膜9aとは反対側に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9b、第1ドレイン電極コンタクトホール12の下層遮光膜9aとは反対側に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9cと呼称する。
なお、第1ソース電極コンタクトホール11および第1ドレイン電極コンタクトホール12の底面には保護絶縁膜8が露出するが、保護絶縁膜8で覆われた下層の半導体チャネル層7はダメージを受けることはない。
次に、基板1の上主面全面に層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)を形成する。本実施の形態では、有機樹脂材料で樹脂系絶縁膜を形成した。具体的には、例えば、感光性を持ったアクリル系の有機樹脂材料をスピンコート法で2.0〜3.0μmの厚さとなるように基板1上に塗布して層間絶縁膜16とする。
<4回目の写真製版工程>
次に、4回目の写真製版工程で層間絶縁膜16を露光および現像して、図9および図10に示すように、層間絶縁膜16を貫通する、第1ソース配線コンタクトホール10(図10には不図示)、第2ソース電極コンタクトホール17、第2ドレイン電極コンタクトホール18、第1ゲート端子部コンタクトホール19および第1ソース端子部コンタクトホール20を形成する。
その後、第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18の底部に露出する保護絶縁膜8をエッチングする。このエッチングには、フッ素を含むガスを用いたドライエッチング法を用いることができる。
本実施の形態では、六フッ化硫黄(SF6)に酸素(O2)を加えたガスを用いてドライエッチングした。O2ガスを添加することで、エッチング時に保護絶縁膜8の下の酸化物半導体膜7に還元反応によるダメージが生じることを抑制することができる。このエッチングにより、図9および図10に示されるように、第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18の底面には半導体チャネル層7が露出する。
また、第1ゲート端子部コンタクトホール19は絶縁膜6も貫通し、その底面にはAl合金のゲート端子4が露出し、第1ソース配線コンタクトホール10および第1ソース端子部コンタクトホール20の底面には、それぞれAl合金の下層ソース配線15およびソース端子15Tが露出するが、Al合金は、六フッ化硫黄(SF6)に酸素(O2)を加えたガスを用いたドライエッチングではエッチングされないので、これらのパターンはそのまま残存する。
なお、層間絶縁膜16に用いる樹脂系絶縁膜の材料としては、アクリル系の有機樹脂材料の他、オレフィン系材料、ノボラック系材料、ポリイミド系材料およびシロキサン系材料を用いることもできる。これら塗布型の有機絶縁材料は、誘電率が低く、2.0μm以上の厚さに厚膜化することも容易であり、配線容量を低く抑えることができる。よってこれらの材料を用いることにより、TFT基板を低い電圧で駆動させることが可能となり、低消費電力化に寄与できる。このため、ゲート配線またはソース配線上に透過画素電極24をオーバーラップして(重ねて)配置することができ、高開口率化も図れる。
また、層間絶縁膜16として、樹脂系絶縁膜材料ではなく、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO)等の無機系絶縁材料を用いることもできる。これらの無機系縁材料を用いる場合は、フォトレジストパターンをマスクとして、第1ソース配線コンタクトホール10、第2ソース電極コンタクトホール17、第2ドレイン電極コンタクトホール18、第1ゲート端子部コンタクトホール19および第1ソース端子部コンタクトホール20が形成される。また、無機系絶縁膜材料と樹脂系絶縁膜材料とを適宜組み合わせて用いても良い。
次に、層間絶縁膜16上全面に第3の導電膜を形成する。本実施の形態では、第3の導電膜として透明導電膜(透光性導電膜)を用いる。透明導電膜としては、ITO(酸化インジウム(In2O3)と酸化すず(SnO2)の混合比が、例えば90:10(重量%)となっている)を用いる。ここではスパッタリング法により、アルゴン(Ar)に水素(H)を含むガス、例えば、水素(H2)ガスまたは水蒸気(H2O)などを混合したガスを用い、厚さ100nmのITO膜を非晶質状態で形成した。
<5回目の写真製版工程>
そして、第3の導電膜(非晶質ITO)上全面にフォトレジスト材を塗布し、5回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、これをマスクとして、第3の導電膜をエッチングによりパターニングする。第3の導電膜のエッチングには、シュウ酸5wt%+水のシュウ酸系薬液を用いたウエットエッチング法を用いた。
フォトレジストパターンを除去した後、基板1全体を200℃に加熱する。この加熱により、非晶質ITO膜が結晶化し、多結晶ITO膜となる。基板温度は200℃に限ることはなく、酸化インジウム(In2O3)が85重量%以上、95重量%以下、酸化すず(SnO2)が5重量%以上、15重量%以下の混合比(両者合計で100重量%)を有する一般的な非晶質ITO膜の場合、140℃以上であれば結晶化させることができる。一方、高温側はTFT基板に形成されている層およびパターンに用いられる材料等の耐熱温度で任意に決めることができる。例えば、本実施の形態であれば、第3の絶縁膜としてアクリル系の有機樹脂膜を用いているので、この材料の耐熱温度である230℃以下であれば良い。
上述した第3の導電膜のパターニングにより、図11および図12に示されるように、透明導電膜(多結晶ITO膜)で構成されるゲート端子取り出し電極25、ソース電極22、ソース電極22から延在する上層ソース配線26、ソース端子取り出し電極26T、ドレイン電極23およびドレイン電極23から延在する透過画素電極24が形成される。
ここで、ゲート端子取り出し電極25は、第1ゲート端子部コンタクトホール19を介してゲート端子4と直接接続される。また、ソース電極22は、第2ソース電極コンタクトホール17を介して半導体チャネル層7と直接接続される。また、上層ソース配線26は、第1ソース配線コンタクトホール10を介して下層ソース配線15と直接接続される。さらにソース配線取り出し電極26Tは、第1ソース端子部コンタクトホール20を介してソース端子15Tと直接接続される。
次に、ソース電極22等が形成された基板1の上主面全面に第4の導電膜を形成する。本実施の形態では、第4の導電膜として遮光性のAl合金膜を用いる。ここでは、厚さ100nmのAl合金膜を、Arガスを用いたスパッタリング法で形成した。なお、第4の導電膜としては、Al合金に限定されず、遮光性のあるその他の金属および合金を用いても良い。
<6回目の写真製版工程>
次に、第4の導電膜(Al合金膜)上全面にフォトレジスト材を塗布し、6回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、これをマスクとして第4の導電膜をエッチングによりパターニングする。第4の導電膜のエッチングには、PAN薬液によるウエットエッチングを用いた。このとき、下層の透明導電膜であるITO膜は多結晶化させているので、化学的に非常に安定的であり、PAN薬液に対するエッチングダメージ(膜の消失、電気特性および光学特性の劣化)を殆ど受けることなく上層のAl合金膜だけをエッチングすることができる。
その後、フォトレジストパターンを除去することで、図1および図2に示されるように、TFT部のソース電極22の上部およびドレイン電極23の上部に、それぞれ上層遮光膜22bおよび23bが形成される。これら上層遮光膜22bおよび23bは、平面視において、チャネル領域BCを除く半導体チャネル層7の平面パターンのほぼ全体を覆うように形成される。
以上説明した工程を経て、図1および図2に示したTFT基板100が完成する。なお、液晶表示パネルの組み立ての際は、完成したTFT基板100の表面に配向膜、スペーサを形成する。配向膜は、液晶を配列させるための膜であり、ポリイミド等で構成される。また、別途作製した、カラーフィルタ、対向電極および配向膜等を備えた対向基板を、TFT基板100と貼り合わせる。この際、スペーサによってTFT基板と対向基板との間に隙間が形成され、その隙間に液晶封止することによって、縦電界方式のTNモードあるいはVAモードの液晶表示パネルが形成される。最後に、液晶表示パネルの外側に偏光板、位相差板、駆動回路およびバックライトユニット等を配設することによって液晶表示装置が完成する。
以上のように、実施の形態1では、チャネル層に高性能の酸化物半導体膜を用いたエッチストッパ型TFTを備えたTFT基板100を、6回の写真製版工程で製造することができる。特にエッチストッパとなる保護絶縁膜8は酸化物半導体膜の形成後に続けて形成されるので、半導体チャネル層7は、その後のTFT製造工程のプロセスダメージによる特性劣化を殆ど受けることがない。このため、酸化物半導体の高性能な特性を維持した状態でTFTのチャネル層として用いることができる。
また、ソース配線151が、層間絶縁膜を介してそれぞれ独立して形成される下層ソース配線15と上層ソース配線26との2層構造となっており、いわゆる冗長配線となっている。また、上層ソース配線26を層間絶縁膜16に設けられた複数の第1ソース配線コンタクトホール10を介して下層ソース配線15と直接接続するようにしたので、一方の配線が断線した場合でも、もう一方の配線で機能を補うことができる。このため、ソース配線151の断線による線状欠陥不良の発生を低減させることができ、製造時の歩留まりおよび製品の信頼性を向上させることができる。
さらに、下層ソース配線15を、酸化物半導体膜および絶縁膜と連続して形成しているので、下層ソース配線15(第2の導電膜)を密着性良く形成することが可能となり、密着力不足に起因する膜剥がれによる断線不良の発生を低減することができる。これは、特にゲート配線3と下層ソース配線15が交差する領域のゲート配線パターン上の段差部で効果が大きい。
さらに半導体チャネル層7の下方のゲート電極2による遮光に加えて、半導体チャネル層7の上方においても2層の遮光膜によって、半導体チャネル層7の全領域を遮光する構造となっているので、液晶表示装置動作時のバックライト光および外光の吸収によるチャネル層の劣化(光劣化)を防止することができる。
また、上層遮光膜22bおよび23bをMoおよびAlなどの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金などの導電膜で形成し、ソース電極22上およびドレイン電極23上の第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18の形成領域に配置することにより、以下の効果も得られる。すなわち、第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18の側壁部は、それぞれソース電極22と上層遮光膜22b、およびドレイン電極23と上層遮光膜23bとの2層構造となっており、いわゆる冗長配線となっている。従って、当該側壁部において、ソース電極22およびドレイン電極23が断線した場合でも、導電膜で形成された上層遮光膜22bおよび23bで導通機能を補うことができる。このため、ソース電極22およびドレイン電極23の断線による接続不良の発生を低減させることができ、製造時の歩留まりおよび製品の信頼性を向上させることができる。
また、チャネル領域下層遮光膜9を導電膜で形成し、ソース電極22およびドレイン電極23とは電気的に分離され(短絡しない)、電気的にフローティング(浮遊)の状態とすることにより、半導体チャネル層7に対する静電遮蔽の効果を得ることができ、不特定の外部ノイズ等に起因するTFT特性の変動を抑制することができるので、信頼性を向上させることが可能となる。
また、層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)として、誘電率が低く、2.0μm以上の厚さに厚膜化され、基板1の主面に対して平坦化作用のある樹脂系絶縁膜を用いていることで、配線容量を低く抑えることができる。よって、TFT基板を低い電圧で駆動させることが可能となり低消費電力化に寄与できる。このため、ゲート配線またはソース配線上に透過画素電極24をオーバーラップして(重ねて)配置することができ、高開口率化も図れる。
なお、高開口率化を優先し、ソース配線上に透過画素電極24をオーバーラップさせる際には、透過画素電極24と同層の上層ソース配線26、特に下層ソース配線15上に冗長して配置される部分、すなわち、隣接する第1ソース配線コンタクトホール10間の上層ソース配線26を省略すると良い。このようにすることで、先に説明したソース配線の断線による線状欠陥不良を低減させる作用は得られなくなるものの、上層ソース配線26と干渉することなく下層ソース配線15上に透過画素電極24をオーバーラップさせた構成となり、より高いレベルでの高開口率化を図ることが可能となる。
<実施の形態2>
<TFT基板の画素の構成>
まず、図13および図14を参照して、実施の形態2のTFT基板200の構成について説明する。なお、図1および図2を用いて説明したTFT基板100と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施の形態は、実施の形態1のTFT基板の発明の効果を維持しつつ、さらに写真製版工程の回数を減らして効率良く製造することのできる構造および製造方法を提供するものである。
図13は、実施の形態2に係る画素の平面構成を示す平面図であり、図14は、図13におけるX−X線での断面構成(TFT部の断面構成および画素部の断面構成)、Y−Y線での断面構成(ゲート端子部の断面構成)およびZ−Z線での断面構成(ソース端子部の断面構成)を示す断面図である。なお、以下においてはTFT基板200は光透過型のTNモードの液晶表示装置に用いるものとして説明する。
図13に示すように、TFT基板200において、TFTのゲート電極2はゲート配線3の一部で構成されている。すなわち、ゲート配線3から分岐してTFTの形成領域(TFT部)へ延びた部分がゲート電極2を構成する。本実施の形態では、ゲート電極2となる部分の奥行および幅を、ゲート配線3の幅よりも広くし、ゲート電極2の上方にソース電極22およびドレイン電極23を配設できる大きさとしている。
ゲート配線3の一方の端部はゲート端子4に電気的に接続されており、ゲート端子4には、第1ゲート端子部コンタクトホール19を介してゲート端子取り出し電極25が接続されている。なお、ゲート配線3、ゲート端子4には、後に説明するように、遮光性を有する金属または合金、例えばモリブデン(Mo)およびアルミニウム(Al)などの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金で構成される第1の導電膜が使用されている。
図13に示されるように、ゲート配線3が横方向(X方向)に延在するように配設され、ソース配線151が縦方向(Y方向)に延在するように配設されている。なお、ソース配線151は、下層ソース配線15と上層ソース配線26とで構成されている。
また、下層ソース配線15の一方の端部はソース端子15Tに接続されており、ソース端子15Tには、第1ソース端子部コンタクトホール20を介してソース端子取り出し電極26Tが接続されている。
ソース電極22から延在する上層ソース配線26が、第1ソース配線コンタクトホール10を介して下層ソース配線15に接続されることで、ソース電極22が下層ソース配線15に電気的に接続される。また、ドレイン電極23は、画素領域にまで延在して透過画素電極24を形成している。また、ソース電極22およびドレイン電極23の領域の上には、それぞれ上層遮光膜22bおよび23bが設けられている。
なお、隣接するゲート配線3および隣接する下層ソース配線15に囲まれた領域が画素領域となるので、TFT基板200では、画素領域がマトリックス状に配列された構成となる。
次に、図14を用いてTFT基板200の断面構成について説明する。図14に示すように、TFT基板200は、例えば、ガラス等の透明性絶縁基板である基板1を母材とし、基板1上にゲート電極2(ゲート配線3含む)、ゲート端子4が配設されている。
そして、ゲート電極2およびゲート端子4を覆うように、絶縁膜6(第1の絶縁膜)が配設されている。絶縁膜6は、TFT部ではゲート絶縁膜として機能するのでゲート絶縁膜6と呼称する場合もある。
TFT部においては、絶縁膜6の上には、ゲート電極2に重なる位置に、酸化物半導体膜7が配設されている。酸化物半導体膜7はTFTのチャネル層として機能するので、半導体チャネル層7と呼称する場合もある。なお、本実施の形態では、半導体チャネル層7の平面パターンは、平面視においてゲート電極2の平面パターンよりも小さく形成され、半導体チャネル層7の輪郭は、ゲート電極2の輪郭より内側に存在している。なお、半導体チャネル層7の材質は、実施の形態1において説明したものと同じであり、半導体チャネル層にアモルファスシリコンを用いた従来の構成よりも移動度を高めることができる。
半導体チャネル層7上には保護絶縁膜8(第2の絶縁膜)が配設され、保護絶縁膜8上には、遮光性の金属膜などで構成されたチャネル領域下層遮光膜9(第2の導電膜)が配設されている。
本実施の形態では、チャネル領域下層遮光膜9として、例えばMoおよびAlなどの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金が用いられる。そして、半導体チャネル層7の上のチャネル領域下層遮光膜9には、第1ソース電極コンタクトホール11および第1ドレイン電極コンタクトホール12が設けられている。なお、チャネル領域下層遮光膜9は、便宜的に設けられた部位によって下層遮光膜9a、9bおよび9cと呼称する場合がある。また、チャネル領域下層遮光膜9の輪郭は、保護絶縁膜8および半導体チャネル層7の輪郭より内側に存在しており、この点において実施の形態1と異なっているが、これは、製造方法の違いに起因するものである。
また、ソース端子部においては、TFT部の半導体チャネル層7と同層の酸化物半導体膜13が設けられており、酸化物半導体膜13上には保護絶縁膜8と同層の絶縁膜14が設けられている。そして、絶縁膜14上には、チャネル領域下層遮光膜9(第2の導電膜)と同層のソース端子15T(下層ソース配線15含む)が設けられ、3層の積層体の最上層膜となっている。なお、ソース端子15T(下層ソース配線15含む)の輪郭は、絶縁膜14および酸化物半導体膜13の輪郭より内側に存在しており、この点において実施の形態1と異なっているが、これは、製造方法の違いに起因するものである。
また、ゲート端子部においては、ゲート端子4(ゲート配線3含む)を覆うように絶縁膜6が形成されている。
そして、絶縁膜6、半導体チャネル層7、保護絶縁膜8およびチャネル領域下層遮光膜9を覆うように基板1上全面に、層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)が配設されている。そして、TFT部においては、層間絶縁膜16および保護絶縁膜8を貫通して半導体チャネル層7に達する第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18が設けられている。第2ソース電極コンタクトホール17は、平面視において第1ソース電極コンタクトホール11の外周よりも内側に位置するように配設され、その底面には半導体チャネル層7の表面が露出するように形成される。また、第2ドレイン電極コンタクトホール18は、平面視において第1ドレイン電極コンタクトホール12の外周よりも内側に位置するように配設され、その底面には半導体チャネル層7の表面が露出するように形成される。
そして、第3の導電膜として形成されるソース電極22およびドレイン電極23は、それぞれ第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18を介して、半導体チャネル層7に互いに離間して直接接続するように配設されている。この半導体チャネル層7におけるソース電極22とドレイン電極23との間の領域がチャネル領域BCを形成する。なお、本実施の形態では、第3の導電膜として透明導電膜(透光性導電膜)を用いる。
ソース電極22およびドレイン電極23の上には、それぞれ上層遮光膜22bおよび23b(第4の導電膜)が設けられる。上層遮光膜22bおよび23bを、例えば遮光性の金属膜などで形成する場合は、ソース電極22とドレイン電極23とが電気的に短絡しないように、互いに離間して形成する。本実施の形態では、上層遮光膜22b、23bとして、例えばMoおよびAlなどの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金を用いることができる。
図13に示すように、TFT部の半導体チャネル層7の上方領域は、上層遮光膜22b、23bおよび下層遮光膜9a、9b、9cによって、平面視において全領域が上面からの光に対して遮光される構成となっている。さらにTFT部の半導体チャネル層7の下方領域は、ゲート電極2によって、平面視において全領域が下面(基板1側の面)からの光に対して遮光される構成となっている。TFT部をこのような構成にすることによって、バックライト光、外光およびこれらの散乱光が、半導体チャネル層7に入射することをほぼ完全に防止(遮光)することができ、半導体チャネル層7の光吸収による特性劣化を防止することができる。
また、ソース端子部においては、ソース取り出し電極26Tが、層間絶縁膜16を貫通してソース端子15Tに達する第1ソース端子部コンタクトホール20を介してソース端子15Tに直接接続されるように設けられている。
また、ゲート端子部においては、ゲート端子取り出し電極25が、層間絶縁膜16および絶縁膜6を貫通してゲート端子に達する第1ゲート端子部コンタクトホール19を介して、ゲート端子4に直接接続されるように設けられている。
なお、ソース取り出し電極26Tおよびゲート端子取り出し電極25は、TFT部のソース電極22およびドレイン電極23と同層の第3の導電膜で形成される。
<製造方法>
以下、図15〜図24を用いて実施の形態1のTFT基板200の製造方法について説明する。なお、最終工程を示す平面図および断面図は、それぞれ図13および図14に相当する。
まず、ガラス等の透明性絶縁基板である基板1を洗浄液または純水を用いて洗浄する。本実施の形態では、厚さ0.6mmのガラス基板を基板1として用いた。そして、洗浄された基板1の一方の主面全面に、ゲート電極2、ゲート配線3等の材料である第1の導電膜を形成する。第1の導電膜として使用可能な材質は、実施の形態1において説明しており、重複する説明は省略する。本実施の形態では、第1の導電膜としてアルミニウム(Al)合金膜を用いるものとし、アルゴン(Ar)ガスを用いたスパッタリング法で、Al合金膜を200nmの厚さに形成した。
<1回目の写真製版工程>
その後、第1の導電膜上にフォトレジスト材を塗布し、1回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、当該フォトレジストパターンをマスクとして、第1の導電膜をエッチングによりパターニングする。ここでは、PAN薬液によるウエットエッチングを用いた。その後、フォトレジストパターンを除去することで、図15および図16に示されるように、基板1の上主面上に、ゲート電極2、ゲート配線3(図16には不図示)およびゲート端子4が形成される。
<2回目の写真製版工程>
次に、ゲート電極2、ゲート配線3およびゲート端子4を覆うように基板1の上主面全面に絶縁膜6(第1の絶縁膜)を形成した後、絶縁膜6の上に、酸化物半導体膜、第2の絶縁膜および第2の導電膜をこの順に積層し、2回目の写真製版工程で、ハーフ露光マスクを用いる露光(ハーフ露光)により厚さの異なるフォトレジストパターンを形成し、それを用いて、酸化物半導体膜、第2の絶縁膜および第2の導電膜をエッチングによりパターニングする。これにより、図17および図18に示されるように、TFT部においては、ゲート電極2の上方に、半導体チャネル層7、保護絶縁膜8およびチャネル領域下層遮光膜9の積層体を得ると共に、チャネル領域下層遮光膜9に、第1ソース電極コンタクトホール11および第1ドレイン電極コンタクトホール12を形成する。ここで、半導体チャネル層7の平面視における輪郭が、ゲート電極2の輪郭より内側に存在するように配設される。
また、便宜的に、第1ソース電極コンタクトホール11と第1ドレイン電極コンタクトホール12との間に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9a、第1ソース電極コンタクトホール11の下層遮光膜9aとは反対側に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9b、第1ドレイン電極コンタクトホール12の下層遮光膜9aとは反対側に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9cと呼称する。
また、ソース配線形成領域においては、酸化物半導体膜13、絶縁膜14および下層ソース配線15の積層体を形成し、ソース端子形成領域においては、上記と同一工程で、酸化物半導体膜13、絶縁膜14およびソース端子15Tの積層体を形成する。
本実施の形態では、この2回目の写真製版工程において、「グレートーンマスク」あるいは「ハーフトーンマスク」と呼ばれるハーフ露光マスクを用いた露光(ハーフ露光)を行い、厚さの異なるフォトレジストパターンを形成し、当該フォトレジストパターンを利用することで、異なるパターン形状にパターニングするために、本来、2回必要な写真製版工程が共通化されて1回で済んでいる。以下、図19〜図22を用いて2回目の写真製版工程についてさらに説明する。
ゲート電極2、ゲート配線3およびゲート端子4が形成された基板1の上主面全面に第1の絶縁膜を形成する。本実施形態では、CVD法を用いて、窒化シリコン膜(SiN)および酸化シリコン膜(SiO)をこの順で形成して絶縁膜6(第1の絶縁膜)とした。酸化シリコン膜は、酸素(O)原子を含むため、この後の工程で絶縁膜6の上に酸化物半導体膜を形成した場合に、酸化物半導体膜からO原子が絶縁膜6の膜中へと拡散する(放出される)ことによる影響を抑制することができる。一方で、SiO膜は、水分(H2O)、水素(H2)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)のようなTFT特性に影響を及ぼす不純物元素に対するバリア性(遮断性)が弱い。このため、本実施形態では、SiO膜の下にバリア性に優れるSiN膜を設けた構成としている。より具体的には、絶縁膜6を、厚さ400nmのSiN膜と厚さ50nmのSiO膜の積層膜とした。なお、絶縁膜6は、TFT部においてはゲート絶縁膜として機能する。
その後、絶縁膜6の上に、チャネル層の材料である酸化物半導体膜7を形成する。本実施の形態では、酸化物半導体として、InとGaとZnを含む酸化物(例:InGaZnO)を用いる。より具体的には、In:Ga:Zn:Oの原子組成比が1:1:1:4であるInGaZnOターゲット[In2O3・Ga2O3・2(ZnO)]を用いたスパッタリング法により、InGaZnO膜を形成した。
次に、酸化物半導体膜7上に絶縁膜8(第2の絶縁膜)を形成する。本実施形態では、絶縁膜8として、CVD法を用いて、SiO膜を形成した。O原子を含むSiO膜を用いた理由は、下層の酸化物半導体膜7の膜中からのO原子の拡散(放出)による影響を抑制するためである。ここでは、厚さ100nmのSiO膜を形成した。
次に、絶縁膜8上に導電膜9(第2の導電膜)を形成する。本実施形態では、導電膜9として、厚さ200nmのアルミニウム(Al)合金膜を形成した。第2の導電膜としては、Al合金に限定されず、遮光性のある金属および合金を用いれば良い。
以上の工程を経て、図19に示されるように、絶縁膜6上に、酸化物半導体膜7、絶縁膜8および導電膜9が積層された積層体が得られる。
このようにして得られた積層体上にフォトレジスト材を塗布し、2回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、これをマスクとして、上記積層膜を順次エッチングしてパターニングする。
ここで形成されるフォトレジストパターンは、図20に示されるように、半導体チャネル層7の形成領域に形成されるフォトレジストパターンPR1と、下層ソース配線15および、ソース端子15Tの形成領域に形成されるフォトレジストパターンPR2である。ただし、フォトレジストパターンPR1を形成する際に、ハーフ露光を行うことで、第1ソース電極コンタクトホール11の形成領域上のフォトレジストパターンPR1dと、第1ドレイン電極コンタクトホール12の形成領域上のフォトレジストパターンPR1eの膜厚を、他の部分のフォトレジストパターンPR1a、PR1b、PR1cおよびPR2よりも薄くする。
次に、フォトレジストパターンPR1およびPR2をマスクとして、導電膜(Al合金膜)9をエッチングする。導電膜9のエッチングは、PAN薬液によるウエットエッチングを用いた。この場合、酸化物半導体膜7は絶縁膜8で覆われているため、エッチングの薬液によるダメージを受けることはない。
導電膜9をエッチングした後、続けて絶縁膜(SiO膜)8をエッチングする。このエッチングには、フッ素を含むガスを用いたドライエッチング法を用いることができる。ここでは、六フッ化硫黄(SF6)に酸素(O2)を加えたガスを用いたドライエッチングを行った。O2ガスを添加することで、エッチング時に絶縁膜8の下の酸化物半導体膜7に還元反応によるダメージが生じることを抑制することができる。
絶縁膜8をエッチングした後に、続けて酸化物半導体膜(InGaZnO膜)7をエッチングする。このエッチングには、シュウ酸5wt%+水のシュウ酸系薬液を用いたウエットエッチング法を用いた。
このようにして、図21に示されるように、フォトレジストパターンPR1およびPR2の下部に、それぞれ、酸化物半導体膜7、絶縁膜8および導電膜9の積層体のパターンが形成される。
その後、酸素アッシングによって、フォトレジストパターンPR1およびPR2の膜厚を全体的に減少させ、膜厚の薄かったフォトレジストパターンPR1dおよび1eを完全に除去する。一方、膜厚の厚かったフォトレジストパターンPR1a、PR1b、PR1cおよびPR2は、薄膜化されて残ることとなる。
次に、残存するこれらのフォトレジストパターンPR1およびPR2をマスクとして、再び導電膜9をエッチングすることで、図22に示すように、導電膜9に第1ソース電極コンタクトホール11および第1ドレイン電極コンタクトホール12が形成される。このエッチングには、PAN薬液によるウエットエッチングを用いた。
その後、フォトレジストパターンを除去することで、図18に示されるように、TFT部においては、ゲート電極2の上方に、半導体チャネル層7、保護絶縁膜8およびチャネル領域下層遮光膜9の積層体を得ると共に、チャネル領域下層遮光膜9に、第1ソース電極コンタクトホール11および第1ドレイン電極コンタクトホール12が形成される。なお、チャネル領域下層遮光膜9の輪郭は、保護絶縁膜8および半導体チャネル層7の輪郭より内側に存在しているが、これは、フォトレジストパターンPR1が薄膜化されて平面視的にも小さくなったためである。
なお、第1ソース電極コンタクトホール11および第1ドレイン電極コンタクトホール12の底面には保護絶縁膜8が露出するが、保護絶縁膜8で覆われた下層の半導体チャネル層7はダメージを受けることはない。
また、ソース配線形成領域においては、酸化物半導体膜13、絶縁膜14および下層ソース配線15の積層体を形成し、ソース端子形成領域においては、上記と同一工程で、酸化物半導体膜13、絶縁膜14およびソース端子15Tの積層体を形成する。
なお、ソース端子15T(下層ソース配線15含む)の輪郭は、絶縁膜14および酸化物半導体膜13の輪郭より内側に存在しているが、これは、フォトレジストパターンPR2が薄膜化されて平面視的にも小さくなったためである。
次に、基板1の上主面全面に層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)を形成する。本実施の形態では、有機樹脂材料で樹脂系絶縁膜を形成した。具体的には、例えば、感光性を持ったアクリル系の有機樹脂材料をスピンコート法で2.0〜3.0μmの厚さとなるように基板1上に塗布して層間絶縁膜16とする。
<3回目の写真製版工程>
次に、3回目の写真製版工程で層間絶縁膜16を露光および現像して、図23および図24に示されるように、層間絶縁膜16を貫通する、第1ソース配線コンタクトホール10(図24には不図示)、第2ソース電極コンタクトホール17、第2ドレイン電極コンタクトホール18、第1ゲート端子部コンタクトホール19および第1ソース端子部コンタクトホール20を形成する。
その後、第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18の底部に露出する保護絶縁膜8をエッチングする。このエッチングには、フッ素を含むガスを用いたドライエッチング法を用いることができる。
本実施の形態では、六フッ化硫黄(SF6)に酸素(O2)を加えたガスを用いてドライエッチングした。O2ガスを添加することで、エッチング時に保護絶縁膜8の下の酸化物半導体膜7に還元反応によるダメージが生じることを抑制することができる。このエッチングにより、図23および図24に示されるように、第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18の底面には半導体チャネル層7が露出する。
また、第1ゲート端子部コンタクトホール19は絶縁膜6も貫通し、その底面にはAl合金のゲート端子4が露出し、第1ソース配線コンタクトホール10および第1ソース端子部コンタクトホール20の底面には、それぞれAl合金の下層ソース配線15およびソース端子15Tが露出するが、Al合金は、六フッ化硫黄(SF6)に酸素(O2)を加えたガスを用いたドライエッチングではエッチングされないので、これらのパターンはそのまま残存する。
なお、層間絶縁膜16に用いる樹脂系絶縁膜の材料としては、アクリル系の有機樹脂材料の他、オレフィン系材料、ノボラック系材料、ポリイミド系材料およびシロキサン系材料を用いることもできる。これら塗布型の有機絶縁材料は、誘電率が低く、2.0μm以上の厚さに厚膜化することも容易であり、配線容量を低く抑えることができる。よってこれらの材料を用いることにより、TFT基板を低い電圧で駆動させることが可能となり、低消費電力化に寄与できる。このため、ゲート配線またはソース配線上に透過画素電極24をオーバーラップして(重ねて)配置することができ、高開口率化も図れる。
また、層間絶縁膜16として、樹脂系絶縁膜材料ではなく、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO)等の無機系絶縁材料を用いることもできる。これらの無機系縁材料を用いる場合は、フォトレジストパターンをマスクとして、第1ソース配線コンタクトホール10、第2ソース電極コンタクトホール17、第2ドレイン電極コンタクトホール18、第1ゲート端子部コンタクトホール19および第1ソース端子部コンタクトホール20が形成される。また、無機系絶縁膜材料と樹脂系絶縁膜材料とを適宜組み合わせて用いても良い。
次に、層間絶縁膜16上全面に第3の導電膜および第4の導電膜をこの順に積層する。本実施の形態では、第3の導電膜として透明導電膜(透光性導電膜)を用いる。透明導電膜としては、ITO(酸化インジウム(In2O3)と酸化すず(SnO2)の混合比が、例えば90:10(重量%)となっている)を用いる。ここではスパッタリング法により、アルゴン(Ar)に水素(H)を含むガス、例えば、水素(H2)ガスまたは水蒸気(H2O)などを混合したガスを用い、厚さ100nmのITO膜を非晶質状態で形成した。また、第4の導電膜として遮光性のAl合金膜を用いる。ここでは、厚さ100nmのAl合金膜を、Arガスを用いたスパッタリング法で形成した。
<4回目の写真製版工程>
次に、第4の導電膜(Al合金膜)上全面にフォトレジスト材を塗布し、4回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成する。ここでは、2回目の写真製版工程で説明したハーフ露光マスクを用いたハーフ露光を行うことで、厚さの異なるフォトレジストパターンを形成する。すなわち、第4の導電膜を残して上層遮光膜22bおよび23bのパターンを形成したい部分は膜厚を厚くする。なお、第4の導電膜は2回に分けてエッチングされ、2回目のエッチングで除去される部分はフォトレジストパターンの膜厚を薄くしておく。例えば、透過画素電極24が形成される領域上は膜厚を薄くしておき、1回目のエッチングでは、透過画素電極24が形成される領域上の第4の導電膜は除去されないようにしておく。また、ゲート端子部およびソース端子部においてもフォトレジストパターンの膜厚を薄くしておく。
そして、当該フォトレジストパターンをマスクとして、まず、第4の導電膜をエッチングによりパターニングし、フォトレジストパターンで覆われない部分の第4の導電膜を除去する。第4の導電膜のエッチングには、PAN薬液によるウエットエッチングを用いた。
続けて、同じフォトレジストパターンをマスクとして、第3の導電膜をエッチングによりパターニングし、フォトレジストパターンおよび第4の導電膜で覆われない部分の第3の導電膜を除去する。第3の導電膜(非晶質ITO)のエッチングには、シュウ酸5wt%+水のシュウ酸系薬液によるウエットエッチングを用いた。
その後、基板1全体を150℃に加熱する。この加熱により、非晶質ITO膜が結晶化し、多結晶ITO膜となる。基板温度は150℃に限ることはなく、酸化インジウム(In2O3)が85重量%以上、95重量%以下、酸化すず(SnO2)が5重量%以上、15重量%以下の混合比(両者合計で100重量%)を有する一般的な非晶質ITO膜の場合、140℃以上であれば結晶化させることができる。一方、高温側はTFT基板に形成されている層およびパターンに用いられる材料等の耐熱温度で任意に決めることができる。例えば、本実施の形態であれば、第3の絶縁膜としてアクリル系の有機樹脂膜を用いているので、この材料の耐熱温度である230℃以下であれば良いが、例えば、フォトレジスト材料に一般的なノボラック系の感光性樹脂を用いる場合は160℃以下とすれば良い。
次に、酸素アッシングによって、フォトレジストパターンの膜厚を全体的に減少させ、膜厚の薄かったフォトレジストパターンを完全に除去する。一方、膜厚の厚かったフォトレジストパターンは薄膜化されて残ることとなる。
次に、残存するフォトレジストパターンをマスクとして、再び第4の導電膜をPAN薬液によるウエットエッチング法を用いてエッチングする。このとき、下層の透明導電膜であるITO膜は多結晶化させているので、化学的に非常に安定的であり、PAN薬液に対するエッチングダメージ(膜が消失したり、電気特性や光学特性が劣化する)をほとんど受けることなくフォトレジストパターンで覆われないAl合金膜、例えば、透過画素電極24が形成される領域上のAl合金膜、ゲート端子部およびソース端子部のAl合金膜をエッチングすることができる。
その後、フォトレジストパターンを除去することで、図13および図14に示されるように、透明導電膜(多結晶ITO膜)で構成されるゲート端子取り出し電極25、ソース電極22、ソース電極22から延在する上層ソース配線26、ソース端子取り出し電極26T、ドレイン電極23およびドレイン電極23から延在する透過画素電極24が形成される。また、TFT部のソース電極22の上部およびドレイン電極23の上部に、それぞれ上層遮光膜22bおよび23bが形成される。これら上層遮光膜22bおよび23bは、平面視において、チャネル領域BCを除く半導体チャネル層7の平面パターンのほぼ全体を覆うように形成される。
ここで、ゲート端子取り出し電極25は、第1ゲート端子部コンタクトホール19を介してゲート端子4と直接接続される。また、ソース電極22は、第2ソース電極コンタクトホール17を介して半導体チャネル層7と直接接続される。また、上層ソース配線26は、第1ソース配線コンタクトホール10を介して下層ソース配線15と直接接続される。さらにソース配線取り出し電極26Tは、第1ソース端子部コンタクトホール20を介してソース端子15Tと直接接続される。
この後、液晶表示パネルの組み立てを行い、液晶表示パネルの外側に偏光板、位相差板、駆動回路およびバックライトユニット等を配設することによって液晶表示装置が完成するが、詳細は実施の形態1において説明しているので説明は割愛する。
以上のように、実施の形態2では、2回目の写真製版工程で、ハーフ露光マスクを用いる露光(ハーフ露光)により厚さの異なるフォトレジストパターンを形成し、それを用いて、酸化物半導体膜、第2の絶縁膜および第2の導電膜をエッチングによりパターニングする。これにより、チャネル層に高性能の酸化物半導体膜を用いたエッチストッパ型TFTを備えたTFT基板200を、実施の形態1よりも写真製版工程を最大で2回減らして4回の写真製版工程で製造することができる。
また、実施の形態1と同様に、エッチストッパとなる保護絶縁膜8は酸化物半導体膜の形成後に続けて形成されるので、半導体チャネル層7は、その後のTFT製造工程のプロセスダメージによる特性劣化を殆ど受けることがない。このため、酸化物半導体の高性能な特性を維持した状態でTFTのチャネル層として用いることができる。
また、ソース配線151が冗長配線となっており、上層ソース配線26を層間絶縁膜16に設けられた複数の第1ソース配線コンタクトホール10を介して下層ソース配線15と直接接続するようにしたので、一方の配線が断線した場合でも、もう一方の配線で機能を補うことができる。このため、ソース配線151の断線による線状欠陥不良の発生を低減させることができ、製造時の歩留まりおよび製品の信頼性を向上させることができる。
さらに、下層ソース配線15を、酸化物半導体膜および絶縁膜と連続して形成しているので、下層ソース配線15(第2の導電膜)を密着性良く形成することが可能となり、密着力不足に起因する膜剥がれによる断線不良の発生を低減することができる。これは、特にゲート配線3と下層ソース配線15が交差する領域のゲート配線パターン上の段差部で効果が大きい。
さらに半導体チャネル層7の下方のゲート電極2による遮光に加えて、半導体チャネル層7の上方においても2層の遮光膜によって、半導体チャネル層7の全領域を遮光する構造となっているので、液晶表示装置動作時のバックライト光および外光の吸収によるチャネル層の劣化(光劣化)を防止することができる。
また、チャネル領域下層遮光膜9を導電膜で形成し、ソース電極22およびドレイン電極23とは電気的に分離され(短絡しない)、電気的にフローティング(浮遊)の状態とすることにより、半導体チャネル層7に対する静電遮蔽の効果を得ることができ、不特定の外部ノイズ等に起因するTFT特性の変動を抑制することができるので、信頼性を向上させることが可能となる。
また、層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)として、誘電率が低く、2.0μm以上の厚さに厚膜化され、基板1の主面に対して平坦化作用のある樹脂系絶縁膜を用いていることで、配線容量を低く抑えることができる。よって、TFT基板を低い電圧で駆動させることが可能となり低消費電力化に寄与できる。このため、ゲート配線またはソース配線上に透過画素電極24をオーバーラップして(重ねて)配置することができ、高開口率化も図れる。
<変形例>
次に、図25および図26を参照して、実施の形態2の変形例のTFT基板200Aの構成について説明する。TFT基板200Aは、TFT基板200の画素部において、画素電極の補助容量となる共通電極をさらに備えた構成となっている。なお、図13および図14を用いて説明したTFT基板200と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
<TFT基板の画素の構成>
図25は、実施の形態2の変形例に係る画素の平面構成を示す平面図であり、図26は、図25におけるX−X線での断面構成(TFT部の断面構成、画素部の断面構成および共通電極部の断面構成)、Y−Y線での断面構成(ゲート端子部の断面構成)およびZ−Z線での断面構成(ソース端子部の断面構成)を示す断面図である。なお、以下においてはTFT基板200Aは光透過型のTNモードの液晶表示装置に用いるものとして説明する。
図25に示すように、TFT基板200Aにおいて、TFTのゲート電極2はゲート配線3の一部で構成されている。すなわち、ゲート配線3から分岐してTFTの形成領域(TFT部)へ延びた部分がゲート電極2を構成する。本実施の形態では、ゲート電極2となる部分の奥行および幅を、ゲート配線3の幅よりも広くし、ゲート電極2の上方にソース電極22およびドレイン電極23を配設できる大きさとしている。また、ゲート配線3に平行して延在するように共通電極5が配設されている。
ゲート配線3の一方の端部はゲート端子4に電気的に接続されており、ゲート端子4には、第1ゲート端子部コンタクトホール19を介してゲート端子取り出し電極25が接続されている。なお、ゲート配線3、ゲート端子4および共通電極5には、後に説明するように、遮光性を有する金属または合金、例えばモリブデン(Mo)およびアルミニウム(Al)などの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金で構成される第1の導電膜が使用されている。
図25に示されるように、ゲート配線3および共通電極5が横方向(X方向)に延在するように配設され、ソース配線151が縦方向(Y方向)に延在するように配設されている。なお、ソース配線151は、下層ソース配線15と上層ソース配線26とで構成されている。
また、下層ソース配線15の一方の端部はソース端子15Tに接続されており、ソース端子15Tには、第1ソース端子部コンタクトホール20を介してソース端子取り出し電極26Tが接続されている。
ソース電極22から延在する上層ソース配線26が、第1ソース配線コンタクトホール10を介して下層ソース配線15に接続されることで、ソース電極22が下層ソース配線15に電気的に接続される。また、ドレイン電極23は、画素領域にまで延在して透過画素電極24を形成している。また、ソース電極22およびドレイン電極23の領域の上には、それぞれ上層遮光膜22bおよび23bが設けられている。
なお、隣接するゲート配線3および隣接する下層ソース配線15に囲まれた領域が画素領域となるので、TFT基板200Aでは、画素領域がマトリックス状に配列された構成となる。
次に、図26を用いてTFT基板200Aの断面構成について説明する。図26に示すように、TFT基板200Aは、例えば、ガラス等の透明性絶縁基板である基板1を母材とし、基板1上にゲート電極2(ゲート配線3含む)、ゲート端子4および共通電極5が配設されている。
そして、ゲート電極2、ゲート端子4および共通電極5を覆うように、絶縁膜6(第1の絶縁膜)が配設されている。絶縁膜6は、TFT部ではゲート絶縁膜として機能するのでゲート絶縁膜6と呼称する場合もある。
TFT部においては、絶縁膜6の上には、ゲート電極2に重なる位置に、酸化物半導体膜7が配設されている。酸化物半導体膜7はTFTのチャネル層として機能するので、半導体チャネル層7と呼称する場合もある。なお、本変形例では、半導体チャネル層7の平面パターンは、平面視においてゲート電極2の平面パターンよりも小さく形成され、半導体チャネル層7の輪郭は、ゲート電極2の輪郭より内側に存在している。なお、半導体チャネル層7の材質は、実施の形態1において説明したものと同じであり、半導体チャネル層にアモルファスシリコンを用いた従来の構成よりも移動度を高めることができる。
半導体チャネル層7上には保護絶縁膜8(第2の絶縁膜)が配設され、保護絶縁膜8上には、遮光性の金属膜などで構成されたチャネル領域下層遮光膜9(第2の導電膜)が配設されている。
本変形例では、チャネル領域下層遮光膜9として、例えばMoおよびAlなどの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金が用いられる。そして、半導体チャネル層7の上のチャネル領域下層遮光膜9には、第1ソース電極コンタクトホール11および第1ドレイン電極コンタクトホール12が設けられている。なお、チャネル領域下層遮光膜9は、便宜的に設けられた部位によって下層遮光膜9a、9bおよび9cと呼称する場合がある。
また、ソース端子部においては、TFT部の半導体チャネル層7と同層の酸化物半導体膜13が設けられており、酸化物半導体膜13上には保護絶縁膜8と同層の絶縁膜14が設けられている。そして、絶縁膜14上には、チャネル領域下層遮光膜9(第2の導電膜)と同層のソース端子15T(下層ソース配線15含む)が設けられ、3層の積層体の最上層膜となっている。
また、ゲート端子部においては、ゲート端子4(ゲート配線3含む)を覆うように絶縁膜6が形成されている。
そして、絶縁膜6、半導体チャネル層7、保護絶縁膜8およびチャネル領域下層遮光膜9を覆うように基板1上全面に、層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)が配設されている。そして、TFT部においては、層間絶縁膜16および保護絶縁膜8を貫通して半導体チャネル層7に達する第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18が設けられている。第2ソース電極コンタクトホール17は、平面視において第1ソース電極コンタクトホール11の外周よりも内側に位置するように配設され、その底面には半導体チャネル層7の表面が露出するように形成される。また、第2ドレイン電極コンタクトホール18は、平面視において第1ドレイン電極コンタクトホール12の外周よりも内側に位置するように配設され、その底面には半導体チャネル層7の表面が露出するように形成される。
そして、第3の導電膜として形成されるソース電極22およびドレイン電極23は、それぞれ第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18を介して、半導体チャネル層7に互いに離間して直接接続するように配設されている。この半導体チャネル層7におけるソース電極22とドレイン電極23との間の領域がチャネル領域BCを形成する。なお、本実施の形態では、第3の導電膜として透明導電膜(透光性導電膜)を用いる。
また、ドレイン電極23は画素領域にまで延在して透過画素電極24を形成するが、透過画素電極24は平面視において、共通電極部の共通電極5と一部が重なり、絶縁膜6と層間絶縁膜16とを介して画素電位の補助容量が形成される。
ソース電極22およびドレイン電極23の上には、それぞれ上層遮光膜22bおよび23b(第4の導電膜)が設けられる。上層遮光膜22bおよび23bを、例えば遮光性の金属膜などで形成する場合は、ソース電極22とドレイン電極23とが電気的に短絡しないように、互いに離間して形成する。本実施の形態では、上層遮光膜22b、23bとして、例えばMoおよびAlなどの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金を用いることができる。
図25に示すように、TFT部の半導体チャネル層7の上方領域は、上層遮光膜22b、23bおよび下層遮光膜9a、9b、9cによって、平面視において全領域が上面からの光に対して遮光される構成となっている。さらにTFT部の半導体チャネル層7の下方領域は、ゲート電極2によって、平面視において全領域が下面(基板1側の面)からの光に対して遮光される構成となっている。TFT部をこのような構成にすることによって、バックライト光、外光およびこれらの散乱光が、半導体チャネル層7に入射することをほぼ完全に防止(遮光)することができ、半導体チャネル層7の光吸収による特性劣化を防止することができる。
また、ソース端子部においては、ソース取り出し電極26Tが、層間絶縁膜16を貫通してソース端子15Tに達する第1ソース端子部コンタクトホール20を介してソース端子15Tに直接接続されるように設けられている。
また、ゲート端子部においては、ゲート端子取り出し電極25が、層間絶縁膜16および絶縁膜6を貫通してゲート端子に達する第1ゲート端子部コンタクトホール19を介して、ゲート端子4に直接接続されるように設けられている。
なお、ソース取り出し電極26Tおよびゲート端子取り出し電極25は、TFT部のソース電極22およびドレイン電極23と同層の第3の導電膜で形成される。
<製造方法>
以下、図27〜図36を用いて実施の形態2の変形例のTFT基板200Aの製造方法について説明する。なお、最終工程を示す平面図および断面図は、それぞれ図25および図26に相当する。
洗浄された基板1の一方の主面全面に、ゲート電極2、ゲート配線3等の材料である第1の導電膜を形成する。第1の導電膜として使用可能な材質は、実施の形態1において説明しており、重複する説明は省略する。本変形例では、第1の導電膜としてアルミニウム(Al)合金膜を用いるものとし、アルゴン(Ar)ガスを用いたスパッタリング法で、Al合金膜を200nmの厚さに形成した。
<1回目の写真製版工程>
その後、第1の導電膜上にフォトレジスト材を塗布し、1回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、当該フォトレジストパターンをマスクとして、第1の導電膜をエッチングによりパターニングする。ここでは、PAN薬液によるウエットエッチングを用いた。その後、フォトレジストパターンを除去することで、図27および図28に示されるように、基板1の上主面上に、ゲート電極2、ゲート配線3(図28には不図示)、ゲート端子4および共通電極5が形成される。
<2回目の写真製版工程>
次に、ゲート電極2、ゲート配線3、ゲート端子4および共通電極5を覆うように基板1の上主面全面に絶縁膜6(第1の絶縁膜)を形成した後、絶縁膜6の上に、酸化物半導体膜、第2の絶縁膜および第2の導電膜をこの順に積層する。そして、2回目の写真製版工程で、ハーフ露光マスクを用いるハーフ露光により厚さの異なるフォトレジストパターンを形成し、それを用いて、酸化物半導体膜、第2の絶縁膜および第2の導電膜をエッチングによりパターニングする。これにより、図29および図30に示されるように、TFT部においては、ゲート電極2の上方に、半導体チャネル層7、保護絶縁膜8およびチャネル領域下層遮光膜9の積層体を得ると共に、チャネル領域下層遮光膜9に、第1ソース電極コンタクトホール11および第1ドレイン電極コンタクトホール12を形成する。ここで、半導体チャネル層7の平面視における輪郭が、ゲート電極2の輪郭より内側に存在するように配設される。
また、便宜的に、第1ソース電極コンタクトホール11と第1ドレイン電極コンタクトホール12との間に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9a、第1ソース電極コンタクトホール11の下層遮光膜9aとは反対側に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9b、第1ドレイン電極コンタクトホール12の下層遮光膜9aとは反対側に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9cと呼称する。
また、ソース配線形成領域においては、酸化物半導体膜13、絶縁膜14および下層ソース配線15の積層体を形成し、ソース端子形成領域においては、上記と同一工程で、酸化物半導体膜13、絶縁膜14およびソース端子15Tの積層体を形成する。
なお、絶縁膜6、酸化物半導体膜、第2の絶縁膜および第2の導電膜の材質、形成方法およびハーフ露光により形成されたフォトレジストパターンを用いたエッチングについては、実施の形態2において図19〜図22を用いて説明しているので説明は割愛する。
<3回目の写真製版工程>
次に、基板1の上主面全面に層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)を形成し、3回目の写真製版工程で層間絶縁膜16を露光および現像して、図31および図32に示すように、層間絶縁膜16を貫通する、第1ソース配線コンタクトホール10(図32には不図示)、第2ソース電極コンタクトホール17、第2ドレイン電極コンタクトホール18、第1ゲート端子部コンタクトホール19および第1ソース端子部コンタクトホール20を形成する。
その後、第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18の底部に露出する保護絶縁膜8をエッチングする。なお、エッチング方法については実施の形態2と同じである。このエッチングにより、図31および図32に示されるように、第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18の底面には半導体チャネル層7が露出する。
次に、層間絶縁膜16上全面に第3の導電膜および第4の導電膜をこの順に積層する。本変形例では、第3の導電膜として透明導電膜(透光性導電膜)を使用し、第4の導電膜として遮光性のAl合金膜を使用する。なお、透明導電膜の材質、膜厚および製造方法、Al合金膜の材質、膜厚および製造方法は実施の形態2と同じであるので、説明は割愛する。
<4回目の写真製版工程>
次に、第4の導電膜(Al合金膜)上全面にフォトレジスト材を塗布し、4回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成する。ここでは、2回目の写真製版工程で説明したハーフ露光マスクを用いたハーフ露光を行うことで、厚さの異なるフォトレジストパターンを形成する。
そして、当該フォトレジストパターンをマスクとして、まず、第4の導電膜をPAN薬液によるウエットエッチングによりパターニングし、フォトレジストパターンで覆われない部分の第4の導電膜を除去する。
続けて、同じフォトレジストパターンをマスクとして、第3の導電膜をシュウ酸5wt%+水のシュウ酸系薬液によるウエットエッチングによりパターニングし、フォトレジストパターンおよび第4の導電膜で覆われない部分の第3の導電膜を除去する。
その後、基板1全体を150℃に加熱して非晶質ITO膜を結晶化して、多結晶ITO膜とする。
次に、酸素アッシングによって、フォトレジストパターンの膜厚を全体的に減少させ、膜厚の薄かったフォトレジストパターンを完全に除去する。一方、膜厚の厚かったフォトレジストパターンは薄膜化されて残ることとなる。
次に、残存するフォトレジストパターンをマスクとして、再び第4の導電膜をPAN薬液によるウエットエッチング法を用いてエッチングする。このとき、下層の透明導電膜であるITO膜は多結晶化させているので、PAN薬液に対するエッチングダメージ(膜が消失したり、電気特性や光学特性が劣化する)をほとんど受けることなくフォトレジストパターンで覆われないAl合金膜、例えば、透過画素電極24が形成される領域上のAl合金膜、ゲート端子部およびソース端子部のAl合金膜をエッチングすることができる。
その後、フォトレジストパターンを除去することで、図25および図26に示されるように、透明導電膜(多結晶ITO膜)で構成されるゲート端子取り出し電極25、ソース電極22、ソース電極22から延在する上層ソース配線26、ソース端子取り出し電極26T、ドレイン電極23およびドレイン電極23から延在する透過画素電極24が形成される。また、TFT部のソース電極22の上部およびドレイン電極23の上部に、それぞれ上層遮光膜22bおよび23bが形成される。これら上層遮光膜22bおよび23bは、平面視において、チャネル領域BCを除く半導体チャネル層7の平面パターンのほぼ全体を覆うように形成される。
この後、液晶表示パネルの組み立てを行い、液晶表示パネルの外側に偏光板、位相差板、駆動回路およびバックライトユニット等を配設することによって液晶表示装置が完成するが、詳細は実施の形態1において説明しているので割愛する。
以上のように、本変形例では、実施の形態2と同じ効果に加え、共通電極5を設けることで、透過画素電極24に補助容量を加えることができる構成としたので、透過画素電極24に印加された表示信号電位のリークマージンを広げることができる。これにより信号電位の保持不良に起因する表示不良を低減してさらに高品質の液晶表示装置を得ることができる。
<実施の形態3>
<TFT基板の画素の構成>
まず、図33および図34を参照して、実施の形態3のTFT基板300の構成について説明する。なお、図1および図2を用いて説明したTFT基板100と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図33は、実施の形態3に係る画素の平面構成を示す平面図であり、図34は、図33におけるX−X線での断面構成(TFT部の断面構成および画素部の断面構成)、Y−Y線での断面構成(ゲート端子部の断面構成)およびZ−Z線での断面構成(ソース端子部の断面構成)を示す断面図である。なお、以下においてはTFT基板300は光透過型のTNモードの液晶表示装置に用いるものとして説明する。
図33に示すように、TFT基板300において、TFTのゲート電極2はゲート配線3の一部で構成されている。すなわち、ゲート配線3から分岐してTFTの形成領域(TFT部)へ延びた部分がゲート電極2を構成する。本実施の形態では、ゲート電極2となる部分の奥行および幅を、ゲート配線3の幅よりも広くし、ゲート電極2の上方にソース電極22およびドレイン電極23を配設できる大きさとしている。
ゲート配線3の一方の端部はゲート端子4に電気的に接続されており、ゲート端子4には、第1ゲート端子部コンタクトホール19を介してゲート端子取り出し電極25が接続されている。なお、ゲート配線3、ゲート端子4には、後に説明するように、遮光性を有する金属または合金、例えばモリブデン(Mo)およびアルミニウム(Al)などの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金で構成される第1の導電膜が使用されている。
図33に示されるように、ゲート配線3が横方向(X方向)に延在するように配設され、ソース配線151が縦方向(Y方向)に延在するように配設されている。なお、ソース配線151は、下層ソース配線15と上層ソース配線26とで構成されている。
また、下層ソース配線15の一方の端部はソース端子15Tに接続されており、ソース端子15Tには、第1ソース端子部コンタクトホール20を介してソース端子取り出し電極26Tが接続されている。
ソース電極22から延在する上層ソース配線26が、第1ソース配線コンタクトホール10を介して下層ソース配線15に接続されることで、ソース電極22が下層ソース配線15に電気的に接続される。また、ドレイン電極23は、画素領域にまで延在して透過画素電極24を形成している。また、ソース電極22およびドレイン電極23の領域の上には、それぞれ上層遮光膜22bおよび23bが設けられている。
なお、隣接するゲート配線3および隣接する下層ソース配線15に囲まれた領域が画素領域となるので、TFT基板300では、画素領域がマトリックス状に配列された構成となる。
次に、図34を用いてTFT基板300の断面構成について説明する。図34に示すように、TFT基板300は、例えば、ガラス等の透明性絶縁基板である基板1を母材とし、基板1上にゲート電極2(ゲート配線3含む)、ゲート端子4が配設されている。
そして、ゲート電極2およびゲート端子4を覆うように、絶縁膜6(第1の絶縁膜)が配設されている。絶縁膜6は、TFT部ではゲート絶縁膜として機能するのでゲート絶縁膜6と呼称する場合もある。
TFT部においては、絶縁膜6の上には、ゲート電極2に重なる位置に、酸化物半導体膜7が配設されている。酸化物半導体膜7はTFTのチャネル層として機能するので、半導体チャネル層7と呼称する場合もある。なお、本実施の形態では、半導体チャネル層7の平面パターンは、平面視においてゲート電極2の平面パターンよりも小さく形成され、半導体チャネル層7の輪郭は、ゲート電極2の輪郭より内側に存在している。なお、半導体チャネル層7の材質は、実施の形態1において説明したものと同じであり、半導体チャネル層にアモルファスシリコンを用いた従来の構成よりも移動度を高めることができる。
半導体チャネル層7上には保護絶縁膜8(第2の絶縁膜)が配設され、保護絶縁膜8上には、遮光性の金属膜などで構成されたチャネル領域下層遮光膜9(第2の導電膜)が配設されている。
本実施の形態では、チャネル領域下層遮光膜9として、例えばMoおよびAlなどの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金が用いられる。そして、半導体チャネル層7の上のチャネル領域下層遮光膜9には、第1ソース電極コンタクトホール11および第1ドレイン電極コンタクトホール12が設けられている。なお、チャネル領域下層遮光膜9は、便宜的に設けられた部位によって下層遮光膜9a、9bおよび9cと呼称する場合がある。また、チャネル領域下層遮光膜9の輪郭は、保護絶縁膜8および半導体チャネル層7の輪郭より内側に存在しており、この点において実施の形態1と異なっているが、これは、製造方法の違いに起因するものである。
また、ソース端子部においては、TFT部の半導体チャネル層7と同層の酸化物半導体膜13が設けられており、酸化物半導体膜13上には保護絶縁膜8と同層の絶縁膜14が設けられている。そして、絶縁膜14上には、チャネル領域下層遮光膜9(第2の導電膜)と同層のソース端子15T(下層ソース配線15含む)が設けられ、3層の積層体の最上層膜となっている。なお、ソース端子15T(下層ソース配線15含む)の輪郭は、絶縁膜14および酸化物半導体膜13の輪郭より内側に存在しており、この点において実施の形態1と異なっているが、これは、製造方法の違いに起因するものである。
また、ゲート端子部においては、ゲート端子4(ゲート配線3含む)を覆うように絶縁膜6が形成されている。
そして、絶縁膜6、半導体チャネル層7、保護絶縁膜8およびチャネル領域下層遮光膜9を覆うように基板1上全面に、層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)が配設されている。そして、TFT部においては、層間絶縁膜16および保護絶縁膜8を貫通して半導体チャネル層7に達する第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18が設けられている。第2ソース電極コンタクトホール17は、平面視において第1ソース電極コンタクトホール11の外周よりも内側に位置するように配設され、その底面には半導体チャネル層7の表面が露出するように形成される。また、第2ドレイン電極コンタクトホール18は、平面視において少なくとも一部が第1ドレイン電極コンタクトホール12の外周よりも外側に位置するように配設されると共に、半導体チャネル層7の表面、およびチャネル領域下層遮光膜9の少なくとも一部の領域(本実施の形態では下層遮光膜9aの領域)の表面の両方が露出するように形成される。
そして、第3の導電膜として形成されるソース電極22およびドレイン電極23は、それぞれ第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18を介して、半導体チャネル層7に互いに離間して直接接続するように配設されている。
この半導体チャネル層7におけるソース電極22とドレイン電極23との間の領域がチャネル領域BCを形成する。なお、ドレイン電極23は、半導体チャネル層7に接続されると共に、下層遮光膜9aにも直接接続されている。
ソース電極22およびドレイン電極23の上には、それぞれ上層遮光膜22bおよび23b(第4の導電膜)が設けられる。上層遮光膜22bおよび23bを、例えば遮光性の金属膜などで形成する場合は、ソース電極22とドレイン電極23とが電気的に短絡しないように、互いに離間して形成する。本実施の形態では、上層遮光膜22b、23bとして、例えばMoおよびAlなどの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金を用いることができる。
図33に示すように、TFT部の半導体チャネル層7の上方領域は、上層遮光膜22b、23bおよび下層遮光膜9a、9b、9cによって、平面視において全領域が上面からの光に対して遮光される構成となっている。さらにTFT部の半導体チャネル層7の下方領域は、ゲート電極2によって、平面視において全領域が下面(基板1側の面)からの光に対して遮光される構成となっている。TFT部をこのような構成にすることによって、バックライト光、外光およびこれらの散乱光が、半導体チャネル層7に入射することをほぼ完全に防止(遮光)することができ、半導体チャネル層7の光吸収による特性劣化を防止することができる。
また、ソース端子部においては、ソース取り出し電極26Tが、層間絶縁膜16を貫通してソース端子15Tに達する第1ソース端子部コンタクトホール20を介してソース端子15Tに直接接続されるように設けられている。
また、ゲート端子部においては、ゲート端子取り出し電極25が、層間絶縁膜16および絶縁膜6を貫通してゲート端子に達する第1ゲート端子部コンタクトホール19を介して、ゲート端子4に直接接続されるように設けられている。
なお、ソース取り出し電極26Tおよびゲート端子取り出し電極25は、TFT部のソース電極22およびドレイン電極23と同層の第3の導電膜で形成される。
<製造方法>
以下、図35〜図40を用いて実施の形態3のTFT基板300の製造方法について説明する。なお、最終工程を示す平面図および断面図は、それぞれ図33および図34に相当する。
まず、ガラス等の透明性絶縁基板である基板1を洗浄液または純水を用いて洗浄する。本実施の形態では、厚さ0.6mmのガラス基板を基板1として用いた。そして、洗浄された基板1の一方の主面全面に、ゲート電極2、ゲート配線3等の材料である第1の導電膜を形成する。第1の導電膜として使用可能な材質は、実施の形態1において説明しており、重複する説明は省略する。本実施の形態では、第1の導電膜としてアルミニウム(Al)合金膜を用いるものとし、アルゴン(Ar)ガスを用いたスパッタリング法で、Al合金膜を200nmの厚さに形成した。
<1回目の写真製版工程>
その後、第1の導電膜上にフォトレジスト材を塗布し、1回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、当該フォトレジストパターンをマスクとして、第1の導電膜をエッチングによりパターニングする。ここでは、PAN薬液によるウエットエッチングを用いた。その後、フォトレジストパターンを除去することで、図35および図36に示されるように、基板1の上主面上に、ゲート電極2、ゲート配線3(図16には不図示)およびゲート端子4が形成される。
<2回目の写真製版工程>
次に、ゲート電極2、ゲート配線3およびゲート端子4を覆うように基板1の上主面全面に絶縁膜6(第1の絶縁膜)を形成した後、絶縁膜6の上に、酸化物半導体膜、第2の絶縁膜および第2の導電膜をこの順に積層し、2回目の写真製版工程で、ハーフ露光マスクを用いる露光(ハーフ露光)により厚さの異なるフォトレジストパターンを形成する。そして、それを用いて、エッチングによりパターニングすることで、図37および図38に示されるように、TFT部においては、ゲート電極2の上方に、半導体チャネル層7、保護絶縁膜8およびチャネル領域下層遮光膜9の積層体を得ると共に、チャネル領域下層遮光膜9に、第1ソース電極コンタクトホール11および第1ドレイン電極コンタクトホール12を形成する。
なお、絶縁膜6、酸化物半導体膜、第2の絶縁膜および第2の導電膜の材質、形成方法およびハーフ露光により形成されたフォトレジストパターンを用いたエッチングについては、実施の形態2において図19〜図22を用いて説明しているので説明は割愛する。
また、チャネル領域下層遮光膜9の輪郭は、保護絶縁膜8および半導体チャネル層7の輪郭より内側に存在しているが、これは、フォトレジストパターンが薄膜化されて平面視的にも小さくなったためである。
また、便宜的に、第1ソース電極コンタクトホール11と第1ドレイン電極コンタクトホール12との間に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9a、第1ソース電極コンタクトホール11の下層遮光膜9aとは反対側に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9b、第1ドレイン電極コンタクトホール12の下層遮光膜9aとは反対側に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9cと呼称する。
また、ソース配線形成領域においては、酸化物半導体膜13、絶縁膜14および下層ソース配線15の積層体を形成し、ソース端子形成領域においては、上記と同一工程で、酸化物半導体膜13、絶縁膜14およびソース端子15Tの積層体を形成する。
なお、ソース端子15T(下層ソース配線15含む)の輪郭は、絶縁膜14および酸化物半導体膜13の輪郭より内側に存在しているが、これは、フォトレジストパターンが薄膜化されて平面視的にも小さくなったためである。
次に、基板1の上主面全面に層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)を形成する。本実施の形態では、有機樹脂材料で樹脂系絶縁膜を形成した。具体的には、例えば、感光性を持ったアクリル系の有機樹脂材料をスピンコート法で2.0〜3.0μmの厚さとなるように基板1上に塗布して層間絶縁膜16とする。なお、層間絶縁膜16の材質および製造方法は実施の形態1で説明しており、その効果も同じであるので説明は割愛する。
<3回目の写真製版工程>
次に、3回目の写真製版工程で層間絶縁膜16を露光および現像して、図39および図40に示すように、層間絶縁膜16を貫通する、第1ソース配線コンタクトホール10(図40には不図示)、第2ソース電極コンタクトホール17、第2ドレイン電極コンタクトホール18、第1ゲート端子部コンタクトホール19および第1ソース端子部コンタクトホール20を形成する。
その後、第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18の底部に露出する保護絶縁膜8をエッチングする。このエッチングには、フッ素を含むガスを用いたドライエッチング法を用いることができる。
本実施の形態では、六フッ化硫黄(SF6)に酸素(O2)を加えたガスを用いてドライエッチングした。O2ガスを添加することで、エッチング時に保護絶縁膜8の下の酸化物半導体膜7に還元反応によるダメージが生じることを抑制することができる。このエッチングにより、図39および図40に示されるように、第2ソース電極コンタクトホール17の底面には半導体チャネル層7が露出する。また、第2ドレイン電極コンタクトホール18の底面には半導体チャネル層7およびチャネル領域下層遮光膜9の一部(本実施の形態では下層遮光膜9a)が露出する。
また、第1ゲート端子部コンタクトホール19の底面にはAl合金のゲート端子4が露出し、第1ソース配線コンタクトホール10および第1ソース端子部コンタクトホール20の底面には、それぞれAl合金の下層ソース配線15およびソース端子15Tが露出するが、Al合金は、六フッ化硫黄(SF6)に酸素(O2)を加えたガスを用いたドライエッチングではエッチングされないので、これらのパターンはそのまま残存する。
次に、層間絶縁膜16上全面に第3の導電膜および第4の導電膜をこの順に積層する。本実施の形態では、第3の導電膜として透明導電膜(透光性導電膜)を使用し、第4の導電膜として遮光性のAl合金膜を使用する。なお、透明導電膜の材質、膜厚および製造方法、Al合金膜の材質、膜厚および製造方法は実施の形態1と同じであるので、説明は割愛する。
<4回目の写真製版工程>
次に、第4の導電膜(Al合金膜)上全面にフォトレジスト材を塗布し、4回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成する。ここでは、ハーフ露光マスクを用いたハーフ露光を行うことで、厚さの異なるフォトレジストパターンを形成する。すなわち、第4の導電膜を残して上層遮光膜22bおよび23bのパターンを形成したい部分は膜厚を厚くする。なお、第4の導電膜は2回に分けてエッチングされ、2回目のエッチングで除去される部分はフォトレジストパターンの膜厚を薄くしておく。例えば、透過画素電極24が形成される領域上は膜厚を薄くしておき、1回目のエッチングでは、透過画素電極24が形成される領域上の第4の導電膜は除去されないようにしておく。また、ゲート端子部およびソース端子部においてもフォトレジストパターンの膜厚を薄くしておく。
そして、当該フォトレジストパターンをマスクとして、まず、第4の導電膜をエッチングによりパターニングし、フォトレジストパターンで覆われない部分の第4の導電膜を除去する。第4の導電膜のエッチングには、PAN薬液によるウエットエッチングを用いた。
続けて、同じフォトレジストパターンをマスクとして、第3の導電膜をエッチングによりパターニングし、フォトレジストパターンおよび第4の導電膜で覆われない部分の第3の導電膜を除去する。第3の導電膜(非晶質ITO)のエッチングには、シュウ酸5wt%+水のシュウ酸系薬液によるウエットエッチングを用いた。
その後、基板1全体を150℃に加熱する。この加熱により、非晶質ITO膜が結晶化し、多結晶ITO膜となる。基板温度は150℃に限ることはなく、酸化インジウム(In2O3)が85重量%以上、95重量%以下、酸化すず(SnO2)が5重量%以上、15重量%以下の混合比(両者合計で100重量%)を有する一般的な非晶質ITO膜の場合、140℃以上であれば結晶化させることができる。一方、高温側はTFT基板に形成されている層およびパターンに用いられる材料等の耐熱温度で任意に決めることができる。例えば、本実施の形態であれば、第3の絶縁膜としてアクリル系の有機樹脂膜を用いているので、この材料の耐熱温度である230℃以下であれば良いが、例えば、フォトレジスト材料に一般的なノボラック系の感光性樹脂を用いる場合は160℃以下とすれば良い。
次に、酸素アッシングによって、フォトレジストパターンの膜厚を全体的に減少させ、膜厚の薄かったフォトレジストパターンを完全に除去する。一方、膜厚の厚かったフォトレジストパターンは薄膜化されて残ることとなる。
次に、残存するフォトレジストパターンをマスクとして、再び第4の導電膜をPAN薬液によるウエットエッチング法を用いてエッチングする。このとき、下層の透明導電膜であるITO膜は多結晶化させているので、化学的に非常に安定的であり、PAN薬液に対するエッチングダメージ(膜が消失したり、電気特性や光学特性が劣化する)をほとんど受けることなくフォトレジストパターンで覆われないAl合金膜、例えば、透過画素電極24が形成される領域上のAl合金膜、ゲート端子部およびソース端子部のAl合金膜をエッチングすることができる。
その後、フォトレジストパターンを除去することで、図33および図34に示されるように、透明導電膜(多結晶ITO膜)で構成されるゲート端子取り出し電極25、ソース電極22、ソース電極22から延在する上層ソース配線26、ソース端子取り出し電極26T、ドレイン電極23およびドレイン電極23から延在する透過画素電極24が形成される。また、TFT部のソース電極22の上部およびドレイン電極23の上部に、それぞれ上層遮光膜22bおよび23bが形成される。これら上層遮光膜22bおよび23bは、平面視において、チャネル領域BCを除く半導体チャネル層7の平面パターンのほぼ全体を覆うように形成される。
ここで、ゲート端子取り出し電極25は、第1ゲート端子部コンタクトホール19を介してゲート端子4と直接接続される。また、ソース電極22は、第2ソース電極コンタクトホール17を介して半導体チャネル層7と直接接続される。また、上層ソース配線26は、第1ソース配線コンタクトホール10を介して下層ソース配線15と直接接続される。さらにソース配線取り出し電極26Tは、第1ソース端子部コンタクトホール20を介してソース端子15Tと直接接続される。
この後、液晶表示パネルの組み立てを行い、液晶表示パネルの外側に偏光板、位相差板、駆動回路およびバックライトユニット等を配設することによって液晶表示装置が完成するが、詳細は実施の形態1において説明しているので割愛する。
以上のように、実施の形態3では、チャネル層に高性能の酸化物半導体膜を用いたエッチストッパ型TFTを備えたTFT基板300を、実施の形態1よりも写真製版工程を最大で2回減らして4回の写真製版工程で製造することができる。また、実施の形態1と同様に、エッチストッパとなる保護絶縁膜8は酸化物半導体膜の形成後に続けて形成されるので、半導体チャネル層7は、その後のTFT製造工程のプロセスダメージによる特性劣化を殆ど受けることがない。このため、酸化物半導体の高性能な特性を維持した状態でTFTのチャネル層として用いることができる。
また、ソース配線151が冗長配線となっており、上層ソース配線26を層間絶縁膜16に設けられた複数の第1ソース配線コンタクトホール10を介して下層ソース配線15と直接接続するようにしたので、一方の配線が断線した場合でも、もう一方の配線で機能を補うことができる。このため、ソース配線151の断線による線状欠陥不良の発生を低減させることができ、製造時の歩留まりおよび製品の信頼性を向上させることができる。
さらに、下層ソース配線15を、酸化物半導体膜および絶縁膜と連続して形成しているので、下層ソース配線15(第2の導電膜)を密着性良く形成することが可能となり、密着力不足に起因する膜剥がれによる断線不良の発生を低減することができる。これは、特にゲート配線3と下層ソース配線15が交差する領域のゲート配線パターン上の段差部で効果が大きい。
さらに半導体チャネル層7の下方のゲート電極2による遮光に加えて、半導体チャネル層7の上方においても2層の遮光膜によって、半導体チャネル層7の全領域を遮光する構造となっているので、液晶表示装置動作時のバックライト光および外光の吸収によるチャネル層の劣化(光劣化)を防止することができる。
また、層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)として、誘電率が低く、2.0μm以上の厚さに厚膜化され、基板1の主面に対して平坦化作用のある樹脂系絶縁膜を用いていることで、配線容量を低く抑えることができる。よって、TFT基板を低い電圧で駆動させることが可能となり低消費電力化に寄与できる。このため、ゲート配線またはソース配線上に透過画素電極24をオーバーラップして(重ねて)配置することができ、高開口率化も図れる。
さらに、チャネル領域下層遮光膜9を導電膜で形成し、ドレイン電極23および透過画素電極24と直接接続するようにしたので、透過画素電極24の電位がチャネル領域BC上でバイアス電位として印加される。これにより、表示画素を構成する複数のTFTの閾値電圧(Vth)のバラツキが低減されるとともに、不特定の外部ノイズ等に起因するTFT特性の変動を抑制することができるので、さらに表示特性向上や信頼性を向上させることが可能となる。なお、チャネル領域下層遮光膜9は、ドレイン電極23ではなく、ソース電極22と直接接続する構成としても良い。
<変形例>
次に、図41および図42を参照して、実施の形態3の変形例のTFT基板300Aの構成について説明する。TFT基板300Aは、TFT基板300の画素部において、画素電極の補助容量となる共通電極をさらに備えた構成となっている。なお、図33および図34を用いて説明したTFT基板300と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
<TFT基板の画素の構成>
図41は、実施の形態3の変形例に係る画素の平面構成を示す平面図であり、図42は、図41におけるX−X線での断面構成(TFT部の断面構成、画素部の断面構成および共通電極部の断面構成)、Y−Y線での断面構成(ゲート端子部の断面構成)およびZ−Z線での断面構成(ソース端子部の断面構成)を示す断面図である。なお、以下においてはTFT基板300Aは光透過型のTNモードの液晶表示装置に用いるものとして説明する。
図41に示すように、TFT基板300Aにおいて、TFTのゲート電極2はゲート配線3の一部で構成されている。すなわち、ゲート配線3から分岐してTFTの形成領域(TFT部)へ延びた部分がゲート電極2を構成する。本実施の形態では、ゲート電極2となる部分の奥行および幅を、ゲート配線3の幅よりも広くし、ゲート電極2の上方にソース電極22およびドレイン電極23を配設できる大きさとしている。また、ゲート配線3に平行して延在するように共通電極5が配設されている。
ゲート配線3の一方の端部はゲート端子4に電気的に接続されており、ゲート端子4には、第1ゲート端子部コンタクトホール19を介してゲート端子取り出し電極25が接続されている。なお、ゲート配線3、ゲート端子4および共通電極5には、後に説明するように、遮光性を有する金属または合金、例えばモリブデン(Mo)およびアルミニウム(Al)などの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金で構成される第1の導電膜が使用されている。
図41に示されるように、ゲート配線3および共通電極5が横方向(X方向)に延在するように配設され、ソース配線151が縦方向(Y方向)に延在するように配設されている。なお、ソース配線151は、下層ソース配線15と上層ソース配線26とで構成されている。
また、下層ソース配線15の一方の端部はソース端子15Tに接続されており、ソース端子15Tには、第1ソース端子部コンタクトホール20を介してソース端子取り出し電極26Tが接続されている。
ソース電極22から延在する上層ソース配線26が、第1ソース配線コンタクトホール10を介して下層ソース配線15に接続されることで、ソース電極22が下層ソース配線15に電気的に接続される。また、ドレイン電極23は、画素領域にまで延在して透過画素電極24を形成している。また、ソース電極22およびドレイン電極23の領域の上には、それぞれ上層遮光膜22bおよび23bが設けられている。
なお、隣接するゲート配線3および隣接する下層ソース配線15に囲まれた領域が画素領域となるので、TFT基板300Aでは、画素領域がマトリックス状に配列された構成となる。
次に、図42を用いてTFT基板300Aの断面構成について説明する。図42に示すように、TFT基板300Aは、例えば、ガラス等の透明性絶縁基板である基板1を母材とし、基板1上にゲート電極2(ゲート配線3含む)、ゲート端子4および共通電極5が配設されている。
そして、ゲート電極2、ゲート端子4および共通電極5を覆うように、絶縁膜6(第1の絶縁膜)が配設されている。絶縁膜6は、TFT部ではゲート絶縁膜として機能するのでゲート絶縁膜6と呼称する場合もある。
TFT部においては、絶縁膜6の上には、ゲート電極2に重なる位置に、酸化物半導体膜7が配設されている。酸化物半導体膜7はTFTのチャネル層として機能するので、半導体チャネル層7と呼称する場合もある。なお、本実施の形態では、半導体チャネル層7の平面パターンは、平面視においてゲート電極2の平面パターンよりも小さく形成され、半導体チャネル層7の輪郭は、ゲート電極2の輪郭より内側に存在している。なお、半導体チャネル層7の材質は、実施の形態1において説明したものと同じであり、半導体チャネル層にアモルファスシリコンを用いた従来の構成よりも移動度を高めることができる。
半導体チャネル層7上には保護絶縁膜8(第2の絶縁膜)が配設され、保護絶縁膜8上には、遮光性の金属膜などで構成されたチャネル領域下層遮光膜9(第2の導電膜)が配設されている。
本実施の形態では、チャネル領域下層遮光膜9として、例えばMoおよびAlなどの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金が用いられる。そして、半導体チャネル層7の上のチャネル領域下層遮光膜9には、第1ソース電極コンタクトホール11および第1ドレイン電極コンタクトホール12が設けられている。なお、チャネル領域下層遮光膜9は、便宜的に設けられた部位によって下層遮光膜9a、9bおよび9cと呼称する場合がある。
また、ソース端子部においては、TFT部の半導体チャネル層7と同層の酸化物半導体膜13が設けられており、酸化物半導体膜13上には保護絶縁膜8と同層の絶縁膜14が設けられている。そして、絶縁膜14上には、チャネル領域下層遮光膜9(第2の導電膜)と同層のソース端子15T(下層ソース配線15含む)が設けられ、3層の積層体の最上層膜となっている。
また、ゲート端子部においては、ゲート端子4(ゲート配線3含む)を覆うように絶縁膜6が形成されている。
そして、絶縁膜6、半導体チャネル層7、保護絶縁膜8およびチャネル領域下層遮光膜9を覆うように基板1上全面に、層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)が配設されている。そして、TFT部においては、層間絶縁膜16および保護絶縁膜8を貫通して半導体チャネル層7に達する第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18が設けられている。第2ソース電極コンタクトホール17は、平面視において第1ソース電極コンタクトホール11の外周よりも内側に位置するように配設され、その底面には半導体チャネル層7の表面が露出するように形成される。また、第2ドレイン電極コンタクトホール18は、平面視において少なくとも一部が第1ドレイン電極コンタクトホール12の外周よりも外側に位置するように配設されると共に、半導体チャネル層7の表面、およびチャネル領域下層遮光膜9の少なくとも一部の領域(本実施の形態では下層遮光膜9aの領域)の表面の両方が露出するように形成される。
そして、第3の導電膜として形成されるソース電極22およびドレイン電極23は、それぞれ第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18を介して、半導体チャネル層7に互いに離間して直接接続するように配設されている。この半導体チャネル層7におけるソース電極22とドレイン電極23との間の領域がチャネル領域BCを形成する。なお、ドレイン電極23は、半導体チャネル層7に接続されると共に、下層遮光膜9aにも直接接続されている。
また、ドレイン電極23は画素領域にまで延在して透過画素電極24を形成するが、透過画素電極24は平面視において、共通電極部の共通電極5と一部が重なり、絶縁膜6と層間絶縁膜16とを介して画素電位の補助容量が形成される。
ソース電極22およびドレイン電極23の上には、それぞれ上層遮光膜22bおよび23b(第4の導電膜)が設けられる。上層遮光膜22bおよび23bを、例えば遮光性の金属膜などで形成する場合は、ソース電極22とドレイン電極23とが電気的に短絡しないように、互いに離間して形成する。本実施の形態では、上層遮光膜22b、23bとして、例えばMoおよびAlなどの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金を用いることができる。
図41に示すように、TFT部の半導体チャネル層7の上方領域は、上層遮光膜22b、23bおよび下層遮光膜9a、9b、9cによって、平面視において全領域が上面からの光に対して遮光される構成となっている。さらにTFT部の半導体チャネル層7の下方領域は、ゲート電極2によって、平面視において全領域が下面(基板1側の面)からの光に対して遮光される構成となっている。TFT部をこのような構成にすることによって、バックライト光、外光およびこれらの散乱光が、半導体チャネル層7に入射することをほぼ完全に防止(遮光)することができ、半導体チャネル層7の光吸収による特性劣化を防止することができる。
また、ソース端子部においては、ソース取り出し電極26Tが、層間絶縁膜16を貫通してソース端子15Tに達する第1ソース端子部コンタクトホール20を介してソース端子15Tに直接接続されるように設けられている。
また、ゲート端子部においては、ゲート端子取り出し電極25が、層間絶縁膜16および絶縁膜6を貫通してゲート端子に達する第1ゲート端子部コンタクトホール19を介して、ゲート端子4に直接接続されるように設けられている。
なお、ソース取り出し電極26Tおよびゲート端子取り出し電極25は、TFT部のソース電極22およびドレイン電極23と同層の第3の導電膜で形成される。
<製造方法>
実施の形態3の変形例のTFT基板300Aの製造方法は、まず、図27〜図30を用いて説明した、実施の形態2の変形例のTFT基板200Aの製造方法と同じように、基板1の上に第1の導電膜を形成した後に、1回目の写真製版工程とエッチングを経て、基板1上にゲート電極2、ゲート配線3、ゲート端子4および共通電極5のパターンを形成する。なお、第1の導電膜の材料、パターニング加工時のエッチング方法等は、実施の形態3と同様である。
その後、実施の形態3において図37〜図40を用いて説明した、2回目から4回目の写真製版工程と同様の工程を経ることで、図41および図42に示すTFT基板300Aを得ることができる。
この後、液晶表示パネルの組み立てを行い、液晶表示パネルの外側に偏光板、位相差板、駆動回路およびバックライトユニット等を配設することによって液晶表示装置が完成するが、詳細は実施の形態1において説明しているので割愛する。
以上のように、本変形例では、実施の形態3と同じ効果に加え、共通電極5を設けることで、透過画素電極24に補助容量を加えることができる構成としたので、透過画素電極24に印加された表示信号電位のリークマージンを広げることができる。これにより信号電位の保持不良に起因する表示不良を低減してさらに高品質の液晶表示装置を得ることができる。
<実施の形態4>
以上説明した実施の形態1〜3においては、本発明を光透過型のTNモードの液晶表示装置に使用されるTFT基板に適用した例を示したが、実施の形態4では、本発明を、光透過型のFFSモードの液晶表示装置に使用されるTFT基板に適用した例を示す。
<TFT基板の画素の構成>
まず、図43および図44を参照して、実施の形態4のTFT基板400の構成について説明する。なお、図13および図14を用いて説明したTFT基板200と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図43は、実施の形態4に係る画素の平面構成を示す平面図であり、図44は、図43におけるX−X線での断面構成(TFT部の断面構成および画素部の断面構成)、Y−Y線での断面構成(ゲート端子部の断面構成)およびZ−Z線での断面構成(ソース端子部の断面構成)を示す断面図である。
図43に示すように、TFT基板400において、TFTのゲート電極2はゲート配線3の一部で構成されている。すなわち、ゲート配線3から分岐してTFTの形成領域(TFT部)へ延びた部分がゲート電極2を構成する。本実施の形態では、ゲート電極2となる部分の奥行および幅を、ゲート配線3の幅よりも広くし、ゲート電極2の上方にソース電極22およびドレイン電極23を配設できる大きさとしている。
ゲート配線3の一方の端部はゲート端子4に電気的に接続されており、ゲート端子4には、第1ゲート端子部コンタクトホール19を介してゲート端子取り出し電極25が接続されている。そして、ゲート端子取り出し電極25には、第2ゲート端子部コンタクトホール29を介して上方のゲート端子パッド34が接続されている。なお、ゲート配線3、ゲート端子4には、後に説明するように、遮光性を有する金属または合金、例えばモリブデン(Mo)およびアルミニウム(Al)などの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金で構成される第1の導電膜が使用されている。
図43に示されるように、ゲート配線3が横方向(X方向)に延在するように配設され、ソース配線151が縦方向(Y方向)に延在するように配設されている。なお、ソース配線151は、下層ソース配線15と上層ソース配線26とで構成されている。
また、下層ソース配線15の一方の端部はソース端子15Tに接続されており、ソース端子15Tには、第1ソース端子部コンタクトホール20を介してソース端子取り出し電極26Tが接続されている。そして、ソース取り出し電極26Tには、第2ソース端子部コンタクトホール30を介して上方のソース端子パッド35が接続されている。
ソース電極22から延在する上層ソース配線26が、第1ソース配線コンタクトホール10を介して下層ソース配線15に接続されることで、ソース電極22が下層ソース配線15に電気的に接続される。また、ドレイン電極23は、画素領域にまで延在して透過画素電極24を形成している。また、ソース電極22およびドレイン電極23の領域の上には、それぞれ上層遮光膜22bおよび23bが設けられている。
そして、透過画素電極24に対向するように複数のスリット開口部SLを有する対向電極32(第5の導電膜)が設けられており、横方向(X方向)において隣り合う対向電極32どうしは、ソース配線151上を跨いで互いに接続されている。
なお、隣接するゲート配線3および隣接する下層ソース配線15に囲まれた領域が画素領域となるので、TFT基板400では、画素領域がマトリックス状に配列された構成となる。
次に、図44を用いてTFT基板400の断面構成について説明する。図44に示すように、TFT基板400は、例えば、ガラス等の透明性絶縁基板である基板1を母材とし、基板1上にゲート電極2(ゲート配線3含む)、ゲート端子4が配設されている。
そして、ゲート電極2およびゲート端子4を覆うように、絶縁膜6(第1の絶縁膜)が配設されている。絶縁膜6は、TFT部ではゲート絶縁膜として機能するのでゲート絶縁膜6と呼称する場合もある。
TFT部においては、絶縁膜6の上には、ゲート電極2に重なる位置に、酸化物半導体膜7が配設されている。酸化物半導体膜7はTFTのチャネル層として機能するので、半導体チャネル層7と呼称する場合もある。なお、本実施の形態では、半導体チャネル層7の平面パターンは、平面視においてゲート電極2の平面パターンよりも小さく形成され、半導体チャネル層7の輪郭は、ゲート電極2の輪郭より内側に存在している。なお、半導体チャネル層7の材質は、実施の形態1〜3において説明したものと同じであり、半導体チャネル層にアモルファスシリコンを用いた従来の構成よりも移動度を高めることができる。
半導体チャネル層7上には保護絶縁膜8(第2の絶縁膜)が配設され、保護絶縁膜8上には、遮光性の金属膜などで構成されたチャネル領域下層遮光膜9(第2の導電膜)が配設されている。
本実施の形態では、チャネル領域下層遮光膜9として、例えばMoおよびAlなどの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金が用いられる。そして、半導体チャネル層7の上のチャネル領域下層遮光膜9には、第1ソース電極コンタクトホール11および第1ドレイン電極コンタクトホール12が設けられている。なお、チャネル領域下層遮光膜9は、便宜的に設けられた部位によって下層遮光膜9a、9bおよび9cと呼称する場合がある。
また、ソース端子部においては、TFT部の半導体チャネル層7と同層の酸化物半導体膜13が設けられており、酸化物半導体膜13上には保護絶縁膜8と同層の絶縁膜14が設けられている。そして、絶縁膜14上には、チャネル領域下層遮光膜9(第2の導電膜)と同層のソース端子15T(下層ソース配線15含む)が設けられ、3層の積層体の最上層膜となっている。
また、ゲート端子部においては、ゲート端子4(ゲート配線3含む)を覆うように絶縁膜6が形成されている。
そして、絶縁膜6、半導体チャネル層7、保護絶縁膜8およびチャネル領域下層遮光膜9を覆うように基板1上全面に、層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)が配設されている。そして、TFT部においては、層間絶縁膜16および保護絶縁膜8を貫通して半導体チャネル層7に達する第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18が設けられている。第2ソース電極コンタクトホール17は、平面視において第1ソース電極コンタクトホール11の外周よりも内側に位置するように配設され、その底面には半導体チャネル層7の表面が露出するように形成される。また、第2ドレイン電極コンタクトホール18は、平面視において第1ドレイン電極コンタクトホール12の外周よりも内側に位置するように配設され、その底面には半導体チャネル層7の表面が露出するように形成される。
そして、第3の導電膜として形成されるソース電極22およびドレイン電極23は、それぞれ第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18を介して、半導体チャネル層7に互いに離間して直接接続するように配設されている。この半導体チャネル層7におけるソース電極22とドレイン電極23との間の領域がチャネル領域BCを形成する。なお、本実施の形態では、第3の導電膜として透明導電膜(透光性導電膜)を用いる。
ソース電極22およびドレイン電極23の上には、それぞれ上層遮光膜22bおよび23b(第4の導電膜)が設けられる。上層遮光膜22bおよび23bを、例えば遮光性の金属膜などで形成する場合は、ソース電極22とドレイン電極23とが電気的に短絡しないように、互いに離間して形成する。本実施の形態では、上層遮光膜22b、23bとして、例えばMoおよびAlなどの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金を用いることができる。
図43に示すように、TFT部の半導体チャネル層7の上方領域は、上層遮光膜22b、23bおよび下層遮光膜9a、9b、9cによって、平面視において全領域が上面からの光に対して遮光される構成となっている。さらにTFT部の半導体チャネル層7の下方領域は、ゲート電極2によって、平面視において全領域が下面(基板1側の面)からの光に対して遮光される構成となっている。TFT部をこのような構成にすることによって、バックライト光、外光およびこれらの散乱光が、半導体チャネル層7に入射することをほぼ完全に防止(遮光)することができ、半導体チャネル層7の光吸収による特性劣化を防止することができる。
そして、ソース電極22、ドレイン電極23、透過画素電極24および上層遮光膜22b、23bを覆うように基板1全体に層間絶縁膜27(第4の絶縁膜)が形成され、層間絶縁膜27上には対向電極32(第5の導電膜)が設けられている。対向電極32は、図43に示すように、平面視において、下方の透過画素電極24と重なるように配設される。本実施の形態においては、対向電極32は横方向(X方向)に隣接する画素間を跨ぐように連続した形状で形成されており、表示領域の端縁部(図示せず)において対向電極32に一定の共通電位が供給されるように構成されている。また、対向電極32にはスリット開口部SLが設けられており、透過画素電極24と対向電極32との間に電圧が印加されると、対向電極32の上方において基板1主面に対して略水平方向の電界を透過画素電極24との間に発生させることが可能となっている。なお、本実施の形態では対向電極32にスリット状の開口部を形成した構成を示したが、複数のスリットの一方端間が繋がった櫛歯状の開口部を形成するようにしても良い。
また、ソース端子部においては、ソース取り出し電極26Tが、層間絶縁膜16を貫通してソース端子15Tに達する第1ソース端子部コンタクトホール20を介してソース端子15Tに直接接続されるように設けられている。そして、ソース取り出し電極26Tには、層間絶縁膜27を貫通する第2ソース端子部コンタクトホール30を介して上方のソース端子パッド35が、平面視的に重なるように接続されている。
また、ゲート端子部においては、ゲート端子取り出し電極25が、層間絶縁膜16および絶縁膜6を貫通してゲート端子に達する第1ゲート端子部コンタクトホール19を介して、ゲート端子4に直接接続されるように設けられている。そして、ゲート端子取り出し電極25には、層間絶縁膜27を貫通する第2ゲート端子部コンタクトホール29を介して上方のゲート端子パッド34が、平面視的に重なるように接続されている。
なお、ソース取り出し電極26Tおよびゲート端子取り出し電極25は、TFT部のソース電極22およびドレイン電極23と同層の第3の導電膜で形成される。
また、ソース端子パッド35およびゲート端子パッド34は、TFT部の対向電極32と同層の第5の導電膜で形成される。
<製造方法>
以下、図45〜図52を用いて実施の形態4のTFT基板400の製造方法について説明する。なお、最終工程を示す平面図および断面図は、それぞれ図43および図44に相当する。
まず、ガラス等の透明性絶縁基板である基板1を洗浄液または純水を用いて洗浄する。本実施の形態では、厚さ0.6mmのガラス基板を基板1として用いた。そして、洗浄された基板1の一方の主面全面に、ゲート電極2、ゲート配線3等の材料である第1の導電膜を形成する。第1の導電膜として使用可能な材質は、実施の形態1において説明しており、重複する説明は省略する。本実施の形態では、第1の導電膜としてアルミニウム(Al)合金膜を用いるものとし、アルゴン(Ar)ガスを用いたスパッタリング法で、Al合金膜を200nmの厚さに形成した。
<1回目の写真製版工程>
その後、第1の導電膜上にフォトレジスト材を塗布し、1回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、当該フォトレジストパターンをマスクとして、第1の導電膜をエッチングによりパターニングする。ここでは、PAN薬液によるウエットエッチングを用いた。その後、フォトレジストパターンを除去することで、図45および図46に示されるように、基板1の上主面上に、ゲート電極2、ゲート配線3(図46には不図示)およびゲート端子4が形成される。
<2回目の写真製版工程>
次に、ゲート電極2、ゲート配線3およびゲート端子4を覆うように基板1の上主面全面に絶縁膜6(第1の絶縁膜)を形成した後、絶縁膜6の上に、酸化物半導体膜、第2の絶縁膜および第2の導電膜をこの順に積層し、2回目の写真製版工程で、ハーフ露光マスクを用いる露光(ハーフ露光)により厚さの異なるフォトレジストパターンを形成する。そして、それを用いて、酸化物半導体膜、第2の絶縁膜および第2の導電膜をエッチングによりパターニングすることで、図47および図48に示されるように、TFT部においては、ゲート電極2の上方に、半導体チャネル層7、保護絶縁膜8およびチャネル領域下層遮光膜9の積層体を得ると共に、下層遮光膜9に、第1ソース電極コンタクトホール11および第1ドレイン電極コンタクトホール12を形成する。ここで、半導体チャネル層7の平面視における輪郭が、ゲート電極2の輪郭より内側に存在するように配設される。
また、便宜的に、第1ソース電極コンタクトホール11と第1ドレイン電極コンタクトホール12との間に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9a、第1ソース電極コンタクトホール11の下層遮光膜9aとは反対側に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9b、第1ドレイン電極コンタクトホール12の下層遮光膜9aとは反対側に残る下層遮光膜9を下層遮光膜9cと呼称する。
また、チャネル領域下層遮光膜9の輪郭は、保護絶縁膜8および半導体チャネル層7の輪郭より内側に存在しているが、これは、フォトレジストパターンが薄膜化されて平面視的にも小さくなったためである。
また、ソース配線形成領域においては、酸化物半導体膜13、絶縁膜14および下層ソース配線15の積層体を形成し、ソース端子形成領域においては、上記と同一工程で、酸化物半導体膜13、絶縁膜14およびソース端子15Tの積層体を形成する。
なお、ソース端子15T(下層ソース配線15含む)の輪郭は、絶縁膜14および酸化物半導体膜13の輪郭より内側に存在しているが、これは、フォトレジストパターンが薄膜化されて平面視的にも小さくなったためである。
なお、絶縁膜6、酸化物半導体膜、第2の絶縁膜および第2の導電膜の材質、形成方法およびハーフ露光により形成されたフォトレジストパターンを用いたエッチングについては、実施の形態2において図19〜図22を用いて説明しているので説明は割愛する。
次に、基板1の上主面全面に層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)を形成する。本実施の形態では、有機樹脂材料で樹脂系絶縁膜を形成した。具体的には、例えば、感光性を持ったアクリル系の有機樹脂材料をスピンコート法で2.0〜3.0μmの厚さとなるように基板1上に塗布して層間絶縁膜16とする。
<3回目の写真製版工程>
次に、3回目の写真製版工程で層間絶縁膜16を露光および現像して、図49および図50に示すように、層間絶縁膜16を貫通する、第1ソース配線コンタクトホール10(図50には不図示)、第2ソース電極コンタクトホール17、第2ドレイン電極コンタクトホール18、第1ゲート端子部コンタクトホール19および第1ソース端子部コンタクトホール20を形成する。
その後、第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18の底部に露出する保護絶縁膜8をエッチングする。このエッチングには、フッ素を含むガスを用いたドライエッチング法を用いることができる。
本実施の形態では、六フッ化硫黄(SF6)に酸素(O2)を加えたガスを用いてドライエッチングした。O2ガスを添加することで、エッチング時に保護絶縁膜8の下の酸化物半導体膜7に還元反応によるダメージが生じることを抑制することができる。このエッチングにより、図49および図50に示されるように、第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18の底面には半導体チャネル層7が露出する。
また、第1ゲート端子部コンタクトホール19の底面にはAl合金のゲート端子4が露出し、第1ソース配線コンタクトホール10および第1ソース端子部コンタクトホール20の底面には、それぞれAl合金の下層ソース配線15およびソース端子15Tが露出するが、Al合金は、六フッ化硫黄(SF6)に酸素(O2)を加えたガスを用いたドライエッチングではエッチングされないので、これらのパターンはそのまま残存する。
なお、層間絶縁膜16に用いる樹脂系絶縁膜の材料としては、アクリル系の有機樹脂材料の他、オレフィン系材料、ノボラック系材料、ポリイミド系材料およびシロキサン系材料を用いることもできる。これら塗布型の有機絶縁材料は、誘電率が低く、2.0μm以上の厚さに厚膜化することも容易であり、配線容量を低く抑えることができる。よってこれらの材料を用いることにより、TFT基板を低い電圧で駆動させることが可能となり、低消費電力化に寄与できる。このため、ゲート配線またはソース配線上に透過画素電極24をオーバーラップして(重ねて)配置することができ、高開口率化も図れる。
また、層間絶縁膜16として、樹脂系絶縁膜材料ではなく、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO)等の無機系絶縁材料を用いることもできる。これらの無機系縁材料を用いる場合は、フォトレジストパターンをマスクとして、第1ソース配線コンタクトホール10、第2ソース電極コンタクトホール17、第2ドレイン電極コンタクトホール18、第1ゲート端子部コンタクトホール19および第1ソース端子部コンタクトホール20が形成される。また、無機系絶縁膜材料と樹脂系絶縁膜材料とを適宜組み合わせて用いても良い。
次に、層間絶縁膜16上全面に第3の導電膜および第4の導電膜をこの順に積層する。本実施の形態では、第3の導電膜として透明導電膜(透光性導電膜)を用いる。透明導電膜としては、ITO(酸化インジウム(In2O3)と酸化すず(SnO2)の混合比が、例えば90:10(重量%)となっている)を用いる。ここではスパッタリング法により、アルゴン(Ar)に水素(H)を含むガス、例えば、水素(H2)ガスまたは水蒸気(H2O)などを混合したガスを用い、厚さ100nmのITO膜を非晶質状態で形成した。また、第4の導電膜として遮光性のAl合金膜を用いる。ここでは、厚さ100nmのAl合金膜を、Arガスを用いたスパッタリング法で形成した。
<4回目の写真製版工程>
次に、第4の導電膜(Al合金膜)上全面にフォトレジスト材を塗布し、4回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、これをマスクとしてAl合金膜と非晶質ITO膜とを順次エッチングする。
ここでは、ハーフ露光マスクを用いたハーフ露光を行うことで、厚さの異なるフォトレジストパターンを形成する。すなわち、第4の導電膜を残して上層遮光膜22bおよび23bのパターンを形成したい部分は膜厚を厚くする。なお、第4の導電膜は2回に分けてエッチングされ、2回目のエッチングで除去される部分はフォトレジストパターンの膜厚を薄くしておく。例えば、透過画素電極24が形成される領域上は膜厚を薄くしておき、1回目のエッチングでは、透過画素電極24が形成される領域上の第4の導電膜は除去されないようにしておく。また、ゲート端子部およびソース端子部においてもフォトレジストパターンの膜厚を薄くしておく。
そして、当該フォトレジストパターンをマスクとして、まず、第4の導電膜をエッチングによりパターニングし、フォトレジストパターンで覆われない部分の第4の導電膜を除去する。第4の導電膜のエッチングには、PAN薬液によるウエットエッチングを用いた。
続けて、同じフォトレジストパターンをマスクとして、第3の導電膜をエッチングによりパターニングし、フォトレジストパターンおよび第4の導電膜で覆われない部分の第3の導電膜を除去する。第3の導電膜(非晶質ITO膜)のエッチングには、シュウ酸5wt%+水のシュウ酸系薬液によるウエットエッチングを用いた。
その後、基板1全体を150℃に加熱する。この加熱により、非晶質ITO膜が結晶化し、多結晶ITO膜となる。基板温度は150℃に限ることはなく、酸化インジウム(In2O3)が85重量%以上、95重量%以下、酸化すず(SnO2)が5重量%以上、15重量%以下の混合比(両者合計で100重量%)を有する一般的な非晶質ITO膜の場合、140℃以上であれば結晶化させることができる。また高温側は用いるフォトレジスト材料等の耐熱温度で任意に決めれば良い。例えば、本実施の形態であれば、層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)としてアクリル系の有機樹脂膜を用いているので、この材料の耐熱温度である230℃以下であれば良いが、例えば、フォトレジスト材料に一般的なノボラック系の感光性樹脂を用いる場合は160℃以下とすれば良い。
次に、酸素アッシングによって、フォトレジストパターンの膜厚を全体的に減少させ、膜厚の薄かったフォトレジストパターンを完全に除去する。一方、膜厚の厚かったフォトレジストパターンは薄膜化されて残ることとなる。
次に、残存するフォトレジストパターンをマスクとして、再び第4の導電膜をPAN薬液によるウエットエッチング法を用いてエッチングする。このとき、下層の透明導電膜であるITO膜は多結晶化させているので、化学的に非常に安定的であり、PAN薬液に対するエッチングダメージ(膜が消失したり、電気特性や光学特性が劣化する)をほとんど受けることなくフォトレジストパターンで覆われないAl合金膜、例えば、透過画素電極24が形成される領域上のAl合金膜、ゲート端子部およびソース端子部のAl合金膜をエッチングすることができる。
その後、フォトレジストパターンを除去することで、図51および図52に示されるように、透明導電膜(多結晶ITO膜)で構成されるゲート端子取り出し電極25、ソース電極22、ソース電極22から延在する上層ソース配線26、ソース端子取り出し電極26T、ドレイン電極23およびドレイン電極23から延在する透過画素電極24が形成される。また、TFT部のソース電極22の上部およびドレイン電極23の上部に、それぞれ上層遮光膜22bおよび23bが形成される。これら上層遮光膜22bおよび23bは、平面視において、チャネル領域BCを除く半導体チャネル層7の平面パターンのほぼ全体を覆うように形成される。
ここで、ゲート端子取り出し電極25は、第1ゲート端子部コンタクトホール19を介してゲート端子4と直接接続される。また、ソース電極22は、第2ソース電極コンタクトホール17を介して半導体チャネル層7と直接接続される。また、上層ソース配線26は、第1ソース配線コンタクトホール10を介して下層ソース配線15と直接接続される。さらにソース配線取り出し電極26Tは、第1ソース端子部コンタクトホール20を介してソース端子15Tと直接接続される。
次に、基板1の上主面全面に層間絶縁膜27(第4の絶縁膜)を形成する。本実施の形態では、CVD法を用いて、厚さ400nmの窒化シリコン膜(SiN)を形成した。
<5回目の写真製版工程>
次に、層間絶縁膜27(SiN膜)上全面にフォトレジスト材を塗布し、5回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、これをマスクとして層間絶縁膜27をエッチングする。
このエッチングには、フッ素を含むガスを用いたドライエッチング法を用いることができる。本実施の形態では、六フッ化硫黄(SF6)に酸素(O2)を加えたガスを用いてドライエッチングした。
その後、フォトレジストパターンを除去することで、図51および図52に示されるように、ゲート端子取り出し電極25およびソース配線取り出し電極26T上の層間絶縁膜27が除去されて、それぞれ第2ゲート端子部コンタクトホール29および第2ソース端子部コンタクトホール30が形成される。
その後、対向電極32の材料である第5の導電膜340を、図53に示すように第2ゲート端子部コンタクトホール29内、および第2ソース端子部コンタクトホール内を含めて、層間絶縁膜27の上面全体に形成する。本実施の形態では、この第5の導電膜として、第3の導電膜の透明導電膜と同じ、厚さ100nmの非晶質ITO膜をスパッタリング法で形成した。
<6回目の写真製版工程>
次に、第5の導電膜340(非晶質ITO膜)上全面にフォトレジスト材を塗布し、6回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、これをマスクとして第5の導電膜340をエッチングする。このエッチングには、シュウ酸5wt%+水のシュウ酸系薬液を用いたウエットエッチング法を用いることができる。
その後、フォトレジストパターンを除去することで、図43および図44に示されるように、透明導電膜の非晶質ITO膜で構成されるスリット開口部を有する対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35が形成される。ゲート端子パッド34は、第2ゲート端子部コンタクトホール29を介して下方のゲート端子取り出し電極25と直接接続されている。またソース端子パッド35は、第2ソース端子部コンタクトホール30を介して下方のソース端子取り出し電極26Tと直接接続されている。
その後、基板1全体を200℃で加熱し、対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35を構成する非晶質ITO膜を多結晶化させることで、図43および図44に示したTFT基板400が完成する。
なお、液晶表示パネルの組み立ての際は、完成したTFT基板400の表面に配向膜、スペーサを形成する。配向膜は、液晶を配列させるための膜であり、ポリイミド等で構成される。また、別途作製した、カラーフィルタ、対向電極および配向膜等を備えた対向基板を、TFT基板400と貼り合わせる。この際、スペーサによってTFT基板と対向基板との間に隙間が形成され、その隙間に液晶封止することによって、横電界方式の光透過型のFFSモードの液晶表示パネルが形成される。最後に、液晶表示パネルの外側に偏光板、位相差板、駆動回路およびバックライトユニット等を配設することによって液晶表示装置が完成する。
以上のように、実施の形態4では、チャネル層に高性能の酸化物半導体膜を用いたエッチストッパ型のFFSモードの液晶表示装置に用いられるTFT基板400を、6回の写真製版工程で製造することができる。特にエッチストッパとなる保護絶縁膜8は酸化物半導体膜の形成後に続けて形成されるので、半導体チャネル層7は、その後のTFT製造工程のプロセスダメージによる特性劣化を殆ど受けることがない。このため、酸化物半導体の高性能な特性を維持した状態でTFTのチャネル層として用いることができる。
また、ソース配線151が、層間絶縁膜を介してそれぞれ独立して形成される下層ソース配線15と上層ソース配線26との2層構造となっており、いわゆる冗長配線となっている。また、上層ソース配線26を層間絶縁膜16に設けられた複数の第1ソース配線コンタクトホール10を介して下層ソース配線15と直接接続するようにしたので、一方の配線が断線した場合でも、もう一方の配線で機能を補うことができる。このため、ソース配線151の断線による線状欠陥不良の発生を低減させることができ、製造時の歩留まりおよび製品の信頼性を向上させることができる。
さらに、下層ソース配線15を、酸化物半導体膜および絶縁膜と連続して形成しているので、下層ソース配線15(第2の導電膜)を密着性良く形成することが可能となり、密着力不足に起因する膜剥がれによる断線不良の発生を低減することができる。これは、特にゲート配線3と下層ソース配線15が交差する領域のゲート配線パターン上の段差部で効果が大きい。
さらに半導体チャネル層7の下方のゲート電極2による遮光に加えて、半導体チャネル層7の上方においても2層の遮光膜によって、半導体チャネル層7の全領域を遮光する構造となっているので、液晶表示装置動作時のバックライト光および外光の吸収によるチャネル層の劣化(光劣化)を防止することができる。
また、チャネル領域下層遮光膜9を導電膜で形成し、ソース電極22およびドレイン電極23とは電気的に分離され(短絡しない)、電気的にフローティング(浮遊)の状態とすることにより、半導体チャネル層7に対する静電遮蔽の効果を得ることができ、不特定の外部ノイズ等に起因するTFT特性の変動を抑制することができるので、信頼性を向上させることが可能となる。
また、層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)として、誘電率が低く、2.0μm以上の厚さに厚膜化され、基板1の主面に対して平坦化作用のある樹脂系絶縁膜を用いていることで、配線容量を低く抑えることができる。よって、TFT基板を低い電圧で駆動させることが可能となり低消費電力化に寄与できる。このため、ゲート配線またはソース配線上に透過画素電極24をオーバーラップして(重ねて)配置することができ、高開口率化も図れる。
なお、高開口率化を優先し、ソース配線上に透過画素電極24および対向電極(共通電極)32をオーバーラップさせる際には、透過画素電極24と同層の上層ソース配線26、特に下層ソース配線15上に冗長して配置される部分、すなわち、隣接する第1ソース配線コンタクトホール10間の上層ソース配線26を省略すると良い。このようにすることで、先に説明したソース配線の断線による線状欠陥不良を低減させる作用は得られなくなるものの、上層ソース配線26と干渉することなく下層ソース配線15上に透過画素電極24および対向電極32をオーバーラップさせた構成となり、より高いレベルでのFFSモードの液晶表示装置の高開口率化を図ることが可能となる。
<最上層遮光膜の形成>
上述した6回目の写真製版工程では、第5の導電膜をパターニングして対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35を形成したが、第5の導電膜上にさらに遮光性の導電膜(第6の導電膜)を形成し、第5の導電膜と第6の導電膜との積層膜上に、ハーフ露光マスクを用いたハーフ露光を行うことで、厚さの異なるフォトレジストパターンを形成する。そして、それを用いて第5の導電膜と第6の導電膜との積層膜を順次エッチングすることで図54および図55に示すように、TFT部のチャネル領域の上方に、平面視においてチャネル領域を覆う最上層遮光膜33(下層膜)および最上層遮光膜33b(上層膜)を形成するようにしても良い。
より具体的には、層間絶縁膜27の上面全体に第5の導電膜(非晶質ITO膜)を形成した後、第6の導電膜として遮光性のAl合金膜を形成して積層膜とし、その上にハーフ露光により厚さの異なるフォトレジストパターンを形成し、これをマスクとして第6の導電膜(Al合金膜)と第5の導電膜(非晶質ITO膜)とを順次エッチングし、対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35を形成する。また、TFT部のチャネル領域上方に、ITO膜で構成される最上層遮光膜33とAl合金膜で構成される最上層遮光膜33bとの積層膜を同時に形成する。これにより、製造工程を削減することができる。
この場合、ハーフ露光により形成される厚さの異なるフォトレジストパターンは、第5および第6の導電膜を残して最上層遮光膜33および33bのパターンを形成したい部分は膜厚を厚くする。なお、第6の導電膜は2回に分けてエッチングされ、2回目のエッチングで除去される部分はフォトレジストパターンの膜厚を薄くしておく。例えば、対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35が形成される領域上は膜厚を薄くしておき、1回目のエッチングでは、これらが形成される領域上の第6の導電膜は除去されないようにしておく。
そして、当該フォトレジストパターンをマスクとして、まず、第6の導電膜をエッチングによりパターニングし、フォトレジストパターンで覆われない部分の第6の導電膜を除去する。第6の導電膜のエッチングには、PAN薬液によるウエットエッチングを用いた。
続けて、同じフォトレジストパターンをマスクとして、第5の導電膜をエッチングによりパターニングし、フォトレジストパターンおよび第6の導電膜で覆われない部分の第4の導電膜を除去する。第6の導電膜(非晶質ITO)のエッチングには、シュウ酸5wt%+水のシュウ酸系薬液によるウエットエッチングを用いた。
その後、基板1全体を150℃で加熱し、対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35および最上層遮光膜33を構成する非晶質ITO膜を多結晶化させる。なお、基板温度は150℃に限ることはなく、酸化インジウム(In2O3)が85重量%以上、95重量%以下、酸化すず(SnO2)が5重量%以上、15重量%以下の混合比(両者合計で100重量%)を有する一般的な非晶質ITO膜の場合、140℃以上であれば結晶化させることができる。一方、高温側はTFT基板に形成されている層およびパターンに用いられる材料等の耐熱温度で任意に決めることができる。例えば、本実施の形態であれば、第3の絶縁膜としてアクリル系の有機樹脂膜を用いているので、この材料の耐熱温度である230℃以下であれば良いが、例えば、フォトレジスト材料に一般的なノボラック系の感光性樹脂を用いる場合は160℃以下とすれば良い。
次に、酸素アッシングによって、フォトレジストパターンの膜厚を全体的に減少させ、膜厚の薄かったフォトレジストパターンを完全に除去する。一方、膜厚の厚かったフォトレジストパターンは薄膜化されて残ることとなる。
次に、残存するフォトレジストパターンをマスクとして、再び第6の導電膜をPAN薬液によるウエットエッチング法を用いてエッチングする。このとき、下層の透明導電膜であるITO膜は多結晶化させているので、化学的に非常に安定的であり、PAN薬液に対するエッチングダメージ(膜が消失したり、電気特性や光学特性が劣化する)をほとんど受けることなくフォトレジストパターンで覆われないAl合金膜、例えば、対向電極32上のAl合金膜、ゲート端子部およびソース端子部のAl合金膜をエッチングすることができる。
その後、フォトレジストパターンを除去することで、図54および図55に示されるように、TFT部のチャネル領域の上方に、平面視においてチャネル領域を覆う最上層遮光膜33および33bが形成されたTFT基板401が得られる。
TFT基板401では、半導体チャネル層7の上方を、下層遮光膜9a、9b、9cおよび上層遮光膜22b、23bに加えて、最上層遮光膜33および33bを含めた3層の遮光膜によって、平面視におけるチャネル層の上方を完全に遮光できる構造となるので、液晶表示装置動作時のバックライト光や外光の吸収によるチャネル層の劣化(光劣化)をさらに抑制することができる。
<変形例>
次に、図56および図57を参照して、実施の形態4の変形例のTFT基板400Aの構成について説明する。TFT基板400Aは、TFT基板400の画素部において、画素電極の補助容量となる共通電極をさらに備えた構成となっている。なお、図43および図44を用いて説明したTFT基板400と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
<TFT基板の画素の構成>
図56は、実施の形態4の変形例に係る画素の平面構成を示す平面図であり、図57は、図56におけるX−X線での断面構成(TFT部の断面構成、画素部の断面構成および共通電極部の断面構成)、Y−Y線での断面構成(ゲート端子部の断面構成)およびZ−Z線での断面構成(ソース端子部の断面構成)を示す断面図である。なお、以下においてはTFT基板400Aは光透過型のFFSモードの液晶表示装置に用いるものとして説明する。
図56に示すように、TFT基板400Aにおいては、TFT基板400の構成に加えて、ゲート配線3に平行して延在するように配設された、ゲート配線3と同じ第1の導電膜で形成された共通電極5を備えた構成となっている。共通電極5は画素部において透過画素電極24の補助容量を形成するとともに、画素部における対向電極32に一定の共通電位を供給する。このため、対向電極32は、画素部ごとに独立しており、第1共通電極部コンタクトホール21内に設けられた共通電極取り出し電極28を介して共通電極5に電気的に接続されている。
次に、図57を用いてTFT基板400Aの断面構成について説明する。図57に示すように、TFT基板400Aは、例えば、ガラス等の透明性絶縁基板である基板1を母材とし、基板1上にゲート電極2(ゲート配線3含む)、ゲート端子4および共通電極5が配設されている。
そして、ゲート電極2、ゲート端子4および共通電極5を覆うように、絶縁膜6(第1の絶縁膜)が配設されている。絶縁膜6は、TFT部ではゲート絶縁膜として機能するのでゲート絶縁膜6と呼称する場合もある。
TFT部においては、絶縁膜6の上には、ゲート電極2に重なる位置に、酸化物半導体膜7が配設されている。半導体チャネル層7上には保護絶縁膜8(第2の絶縁膜)が配設され、保護絶縁膜8上には、遮光性の金属膜などで構成されたチャネル領域下層遮光膜9(第2の導電膜)が配設されている。
そして、絶縁膜6、半導体チャネル層7、保護絶縁膜8およびチャネル領域下層遮光膜9を覆うように基板1上全面に、層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)が配設されている。そして、TFT部においては、層間絶縁膜16および保護絶縁膜8を貫通して半導体チャネル層7に達する第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18が設けられている。第2ソース電極コンタクトホール17は、平面視において第1ソース電極コンタクトホール11の外周よりも内側に位置するように配設され、その底面には半導体チャネル層7の表面が露出するように形成される。また、第2ドレイン電極コンタクトホール18は、平面視において第1ドレイン電極コンタクトホール12の外周よりも内側に位置するように配設され、その底面には半導体チャネル層7の表面が露出するように形成される。また、共通電極部においては、平面視において下方の共通電極5のパターンと重なる領域に層間絶縁膜16および絶縁膜6を貫通して共通電極5に達する第1共通電極部コンタクトホール21が設けられている。
そして、第3の導電膜として形成されるソース電極22およびドレイン電極23は、それぞれ第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18を介して、半導体チャネル層7に互いに離間して直接接続するように配設されている。この半導体チャネル層7におけるソース電極22とドレイン電極23との間の領域がチャネル領域BCを形成する。なお、本実施の形態では、第3の導電膜として透明導電膜(透光性導電膜)を用いる。
また、ドレイン電極23から延在する透過画素電極24は、平面視において、共通電極形成領域で下方の共通電極5と一部が重なるように設けられ、絶縁膜6と層間絶縁膜16とを介して画素電位の補助容量が形成される。
また、第1共通電極部コンタクトホール21内には、第3の導電膜として形成される共通電極取り出し電極28が、下方の共通電極5に直接接続するように設けられている。なお、共通電極取り出し電極28は、ソース電極22およびドレイン電極23(透過画素電極24含む)と互いに電気的に接続されない(短絡しない)ように、これらから離間されたパターンとして形成される。
ソース電極22およびドレイン電極23の上には、それぞれ上層遮光膜22bおよび23b(第4の導電膜)が設けられ、図56に示されるように、TFT部の半導体チャネル層7の上方領域は、上層遮光膜22b、23bおよび下層遮光膜9a、9b、9cによって、平面視において全領域が上面からの光に対して遮光される構成となっている。さらにTFT部の半導体チャネル層7の下方領域は、ゲート電極2によって、平面視において全領域が下面(基板1側の面)からの光に対して遮光される構成となっている。
そして、ソース電極22、ドレイン電極23、透過画素電極24、上層遮光膜22b、23bおよび共通電極取り出し電極28を覆うように基板1全体に層間絶縁膜27(第4の絶縁膜)が形成されている。なお、共通電極部においては層間絶縁膜27には、第2共通電極部コンタクトホール31が設けられている。第2共通電極部コンタクトホール31は、平面視において下方の共通電極5および共通電極取り出し電極28のパターンと重なる領域に配設され、下層の共通電極取り出し電極28の表面が露出するように形成される。
層間絶縁膜27上には対向電極32(第5の導電膜)が設けられている。対向電極32は、図57に示すように、第2共通電極部コンタクトホール31を介して下層の共通電極取り出し電極28に直接接続されるように設けられており、共通電極取り出し電極28を介して下方の共通電極5に電気的に接続され、一定の共通電位が対向電極32に供給されるように構成されている。
<製造方法>
以下、図58〜図68を用いて実施の形態4の変形例のTFT基板400Aの製造方法について説明する。なお、最終工程を示す平面図および断面図は、それぞれ図56および図57に相当する。
洗浄された基板1の一方の主面全面に、ゲート電極2、ゲート配線3および共通電極5等の材料である第1の導電膜を形成する。第1の導電膜として使用可能な材質は、実施の形態4において説明しており、重複する説明は省略する。本変形例では、第1の導電膜としてアルミニウム(Al)合金膜を用いるものとし、アルゴン(Ar)ガスを用いたスパッタリング法で、Al合金膜を200nmの厚さに形成した。
<1回目の写真製版工程>
その後、第1の導電膜上にフォトレジスト材を塗布し、1回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、当該フォトレジストパターンをマスクとして、第1の導電膜をエッチングによりパターニングする。ここでは、PAN薬液によるウエットエッチングを用いた。その後、フォトレジストパターンを除去することで、図58および図59に示されるように、基板1の上主面上に、ゲート電極2、ゲート配線3(図59には不図示)、ゲート端子4および共通電極5が形成される。
<2回目の写真製版工程>
次に、ゲート電極2、ゲート配線3、ゲート端子4および共通電極5を覆うように基板1の上主面全面に絶縁膜6(第1の絶縁膜)を形成した後、絶縁膜6の上に、酸化物半導体膜、第2の絶縁膜および第2の導電膜をこの順に積層する。そして、2回目の写真製版工程で、ハーフ露光マスクを用いる露光(ハーフ露光)により厚さの異なるフォトレジストパターンを形成し、それを用いて、酸化物半導体膜、第2の絶縁膜および第2の導電膜をエッチングによりパターニングする。これにより、図60および図61に示されるように、TFT部においては、ゲート電極2の上方に、半導体チャネル層7、保護絶縁膜8およびチャネル領域下層遮光膜9の積層体を得ると共に、チャネル領域下層遮光膜9に、第1ソース電極コンタクトホール11および第1ドレイン電極コンタクトホール12を形成する。ここで、半導体チャネル層7の平面視における輪郭が、ゲート電極2の輪郭より内側に存在するように配設される。
また、便宜的に、第1ソース電極コンタクトホール11と第1ドレイン電極コンタクトホール12との間に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9a、第1ソース電極コンタクトホール11の下層遮光膜9aとは反対側に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9b、第1ドレイン電極コンタクトホール12の下層遮光膜9aとは反対側に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9cと呼称する。
また、ソース配線形成領域においては、酸化物半導体膜13、絶縁膜14および下層ソース配線15の積層体を形成し、ソース端子形成領域においては、上記と同一工程で、酸化物半導体膜13、絶縁膜14およびソース端子15Tの積層体を形成する。
なお、絶縁膜6、酸化物半導体膜、第2の絶縁膜および第2の導電膜の材質、形成方法およびハーフ露光により形成されたフォトレジストパターンを用いたエッチングについては、実施の形態2において図19〜図22を用いて説明しているので説明は割愛する。
次に、基板1の上主面全面に層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)を形成する。本変形例では、有機樹脂材料で樹脂系絶縁膜を形成した。具体的には、例えば、感光性を持ったアクリル系の有機樹脂材料をスピンコート法で2.0〜3.0μmの厚さとなるように基板1上に塗布して層間絶縁膜16とする。
<3回目の写真製版工程>
次に、3回目の写真製版工程で層間絶縁膜16を露光および現像して、図62および図63に示すように、層間絶縁膜16を貫通する、第1ソース配線コンタクトホール10(図63には不図示)、第2ソース電極コンタクトホール17、第2ドレイン電極コンタクトホール18、第1ゲート端子部コンタクトホール19、第1ソース端子部コンタクトホール20および第1共通電極部コンタクトホール21を形成する。
その後、第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18の底部に露出する保護絶縁膜8をエッチングする。このエッチングでは、六フッ化硫黄(SF6)に酸素(O2)を加えたガスを用いたドライエッチングを行う。このエッチングにより、図62および図63に示されるように、第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18の底面には半導体チャネル層7が露出する。
また、第1ゲート端子部コンタクトホール19および第1共通電極部コンタクトホール21は絶縁膜6も貫通し、それぞれの底面にはAl合金のゲート端子4および共通電極5が露出し、第1ソース配線コンタクトホール10および第1ソース端子部コンタクトホール20の底面には、それぞれAl合金の下層ソース配線15およびソース端子15Tが露出するが、Al合金は、六フッ化硫黄(SF6)に酸素(O2)を加えたガスを用いたドライエッチングではエッチングされないので、これらのパターンはそのまま残存する。
なお、層間絶縁膜16に用いる樹脂系絶縁膜の材料としては、アクリル系の有機樹脂材料の他、オレフィン系材料、ノボラック系材料、ポリイミド系材料およびシロキサン系材料を用いることもできる。これら塗布型の有機絶縁材料は、誘電率が低く、2.0μm以上の厚さに厚膜化することも容易であり、配線容量を低く抑えることができる。よってこれらの材料を用いることにより、TFT基板を低い電圧で駆動させることが可能となり、低消費電力化に寄与できる。このため、ゲート配線またはソース配線上に透過画素電極24をオーバーラップして(重ねて)配置することができ、高開口率化も図れる。
また、層間絶縁膜16として、樹脂系絶縁膜材料ではなく、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO)等の無機系絶縁材料を用いることもできる。これらの無機系縁材料を用いる場合は、フォトレジストパターンをマスクとして、第1ソース配線コンタクトホール10、第2ソース電極コンタクトホール17、第2ドレイン電極コンタクトホール18、第1ゲート端子部コンタクトホール19および第1ソース端子部コンタクトホール20が形成される。また、無機系絶縁膜材料と樹脂系絶縁膜材料とを適宜組み合わせて用いても良い。
次に、層間絶縁膜16上全面に第3の導電膜および第4の導電膜をこの順に積層する。本変形例では、第3の導電膜として透明導電膜(透光性導電膜)を使用し、第4の導電膜として遮光性のAl合金膜を使用する。なお、透明導電膜の材質、膜厚および製造方法、Al合金膜の材質、膜厚および製造方法は実施の形態4と同じであるので、説明は割愛する。
<4回目の写真製版工程>
次に、第4の導電膜(Al合金膜)上全面にフォトレジスト材を塗布し、4回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成する。ここでは、2回目の写真製版工程で説明したハーフ露光マスクを用いたハーフ露光を行うことで、厚さの異なるフォトレジストパターンを形成する。
そして、当該フォトレジストパターンをマスクとして、まず、第4の導電膜をPAN薬液によるウエットエッチングによりパターニングし、フォトレジストパターンで覆われない部分の第4の導電膜を除去する。
続けて、同じフォトレジストパターンをマスクとして、第3の導電膜をシュウ酸5wt%+水のシュウ酸系薬液によるウエットエッチングによりパターニングし、フォトレジストパターンおよび第4の導電膜で覆われない部分の第3の導電膜を除去する。
その後、基板1全体を150℃に加熱して非晶質ITO膜を結晶化して、多結晶ITO膜とする。
次に、酸素アッシングによって、フォトレジストパターンの膜厚を全体的に減少させ、膜厚の薄かったフォトレジストパターンを完全に除去する。一方、膜厚の厚かったフォトレジストパターンは薄膜化されて残ることとなる。
次に、残存するフォトレジストパターンをマスクとして、再び第4の導電膜をPAN薬液によるウエットエッチング法を用いてエッチングする。このとき、下層の透明導電膜であるITO膜は多結晶化させているので、PAN薬液に対するエッチングダメージ(膜が消失したり、電気特性や光学特性が劣化する)をほとんど受けることなくフォトレジストパターンで覆われないAl合金膜、例えば、透過画素電極24および共通電極取り出し電極28が形成される領域上のAl合金膜、ゲート端子部およびソース端子部のAl合金膜をエッチングすることができる。
その後、フォトレジストパターンを除去することで、図64および図65に示されるように、透明導電膜(多結晶ITO膜)で構成されるゲート端子取り出し電極25、ソース電極22、ソース電極22から延在する上層ソース配線26、ソース端子取り出し電極26T、ドレイン電極23およびドレイン電極23から延在する透過画素電極24、共通電極取り出し電極28が形成される。なお、共通電極取り出し電極28は、透過画素電極24とは電気的に分離された独立パターンとして形成される。また、TFT部のソース電極22の上部およびドレイン電極23の上部に、それぞれ上層遮光膜22bおよび23bが形成される。これら上層遮光膜22bおよび23bは、平面視において、チャネル領域BCを除く半導体チャネル層7の平面パターンのほぼ全体を覆うように形成される。
ここで、ゲート端子取り出し電極25は、第1ゲート端子部コンタクトホール19を介してゲート端子4と直接接続される。また、ソース電極22は、第2ソース電極コンタクトホール17を介して半導体チャネル層7と直接接続される。また、上層ソース配線26は、第1ソース配線コンタクトホール10を介して下層ソース配線15と直接接続される。さらにソース配線取り出し電極26Tは、第1ソース端子部コンタクトホール20を介してソース端子15Tと直接接続される。そして共通電極取り出し電極28は、第1共通電極部コンタクトホール21を介して共通電極5と直接接続される。
次に、基板1の上主面全面に層間絶縁膜27(第4の絶縁膜)を形成する。本実施の形態では、CVD法を用いて、厚さ400nmの窒化シリコン膜(SiN)を形成した。
<5回目の写真製版工程>
次に、層間絶縁膜27(SiN膜)上全面にフォトレジスト材を塗布し、5回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、これをマスクとして層間絶縁膜27をエッチングする。
このエッチングには、フッ素を含むガスを用いたドライエッチング法を用いることができる。本変形例では、六フッ化硫黄(SF6)に酸素(O2)を加えたガスを用いてドライエッチングした。
その後、フォトレジストパターンを除去することで、図66および図67に示されるように、ゲート端子取り出し電極25、ソース配線取り出し電極26Tおよび共通電極取り出し電極28上の層間絶縁膜27が除去されて、それぞれ第2ゲート端子部コンタクトホール29、第2ソース端子部コンタクトホール30および第2共通電極部コンタクトホール31が形成される。
その後、対向電極32の材料である第5の導電膜340を、図68に示すように第2ゲート端子部コンタクトホール29内、第2ソース端子部コンタクトホール内および第2共通電極部コンタクトホール31内を含めて、層間絶縁膜27の上面全体に形成する。本変形例では、この第5の導電膜として、第3の導電膜の透明導電膜と同じ、厚さ100nmの非晶質ITO膜をスパッタリング法で形成した。
<6回目の写真製版工程>
次に、第5の導電膜340(非晶質ITO膜)上全面にフォトレジスト材を塗布し、6回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、これをマスクとして第5の導電膜340をエッチングする。このエッチングには、シュウ酸5wt%+水のシュウ酸系薬液を用いたウエットエッチング法を用いることができる。
その後、フォトレジストパターンを除去することで、図56および図57に示されるように、透明導電膜の非晶質ITO膜で構成されるスリット開口部を有する対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35が形成される。ゲート端子パッド34は、第2ゲート端子部コンタクトホール29を介して下方のゲート端子取り出し電極25と直接接続されている。またソース端子パッド35は、第2ソース端子部コンタクトホール30を介して下方のソース端子取り出し電極26Tと直接接続されている。また、対向電極32は、第2共通電極部コンタクトホール31を介して下層の共通電極取り出し電極28に直接接続されている。
その後、基板1全体を200℃で加熱し、スリット開口部を有する対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35である非晶質ITO膜を多結晶化させる。以上により、図56および図57に示した本変形例の形態のTFT基板400Aが完成する。
この後、液晶表示パネルの組み立てを行い、液晶表示パネルの外側に偏光板、位相差板、駆動回路およびバックライトユニット等を配設することによって液晶表示装置が完成するが、詳細は実施の形態1において説明しているので割愛する。
以上のように、本変形例では、実施の形態4と同じ効果に加え、共通電極5を設けることで、透過画素電極24に補助容量を加えることができる構成としたので、透過画素電極24に印加された表示信号電位のリークマージンを広げることができる。これにより信号電位の保持不良に起因する表示不良を低減してさらに高品質の液晶表示装置を得ることができる。
また、対向電極32が、画素ごとに設けられた第1共通電極部コンタクトホール21および第2共通電極部コンタクトホール31を介して下方の共通電極5に電気的に直接接続されているので、各画素に確実に一定の共通電位信号が供給されるように構成されるため、点欠陥のような表示不良の発生を低減させることができる。
また、対向電極32のパターンを各画素で独立したパターンとするのではなく、実施の形態4の図43に示したように、対向電極32を少なくとも横方向に隣接する画素間を跨ぐように連続した形状で形成して、表示領域の端部(図示せず)から一定の共通電位が供給されるように構成しても良い。この場合は、共通電極5と表示領域の端部との両方から対向電極32に一定の共通電位が供給されることになるので、一方が断線不良を起こした場合でも、他方から共通電位が供給されるので、点欠陥、線欠陥などの表示不良の発生を防止する効果がさらに高まる。
<最上層遮光膜の形成>
上述した6回目の写真製版工程では、第5の導電膜をパターニングして対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35を形成したが、第5の導電膜上にさらに遮光性の導電膜(第6の導電膜)を形成し、第5の導電膜と第6の導電膜との積層膜上に、ハーフ露光マスクを用いたハーフ露光を行うことで、厚さの異なるフォトレジストパターンを形成し、それを用いて第5の導電膜と第6の導電膜との積層膜を順次エッチングすることで図69および図70に示すように、TFT部のチャネル領域の上方に、平面視においてチャネル領域を覆う最上層遮光膜33(下層膜)および最上層遮光膜33b(上層膜)を形成するようにしても良い。
より具体的には、層間絶縁膜27の上面全体に第5の導電膜(非晶質ITO膜)を形成した後、第6の導電膜として遮光性のAl合金膜を形成して積層膜とし、その上にハーフ露光により厚さの異なるフォトレジストパターンを形成し、これをマスクとして第6の導電膜(Al合金膜)と第5の導電膜(非晶質ITO膜)とを順次エッチングし、対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35を形成すると共に、TFT部のチャネル領域上方に、ITO膜で構成される最上層遮光膜33とAl合金膜で構成される最上層遮光膜33bとの積層膜を形成する。
この場合、ハーフ露光により形成される厚さの異なるフォトレジストパターンは、第5および第6の導電膜を残して最上層遮光膜33および33bのパターンを形成したい部分は膜厚を厚くする。なお、第6の導電膜は2回に分けてエッチングされ、2回目のエッチングで除去される部分はフォトレジストパターンの膜厚を薄くしておく。例えば、対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35が形成される領域上は膜厚を薄くしておき、1回目のエッチングでは、これらが形成される領域上の第6の導電膜は除去されないようにしておく。
そして、当該フォトレジストパターンをマスクとして、まず、第6の導電膜をエッチングによりパターニングし、フォトレジストパターンで覆われない部分の第6の導電膜を除去する。第4の導電膜のエッチングには、PAN薬液によるウエットエッチングを用いた。
続けて、同じフォトレジストパターンをマスクとして、第5の導電膜をエッチングによりパターニングし、フォトレジストパターンおよび第6の導電膜で覆われない部分の第4の導電膜を除去する。第4の導電膜(非晶質ITO)のエッチングには、シュウ酸5wt%+水のシュウ酸系薬液によるウエットエッチングを用いた。
その後、基板1全体を150℃で加熱し、対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35および最上層遮光膜33を構成する非晶質ITO膜を多結晶化させる。なお、基板温度は150℃に限ることはなく、酸化インジウム(In2O3)が85重量%以上、95重量%以下、酸化すず(SnO2)が5重量%以上、15重量%以下の混合比(両者合計で100重量%)を有する一般的な非晶質ITO膜の場合、140℃以上であれば結晶化させることができる。一方、高温側はTFT基板に形成されている層およびパターンに用いられる材料等の耐熱温度で任意に決めることができる。例えば、本実施の形態であれば、第3の絶縁膜としてアクリル系の有機樹脂膜を用いているので、この材料の耐熱温度である230℃以下であれば良いが、例えば、フォトレジスト材料に一般的なノボラック系の感光性樹脂を用いる場合は160℃以下とすれば良い。
次に、酸素アッシングによって、フォトレジストパターンの膜厚を全体的に減少させ、膜厚の薄かったフォトレジストパターンを完全に除去する。一方、膜厚の厚かったフォトレジストパターンは薄膜化されて残ることとなる。
次に、残存するフォトレジストパターンをマスクとして、再び第6の導電膜をPAN薬液によるウエットエッチング法を用いてエッチングする。このとき、下層の透明導電膜であるITO膜は多結晶化させているので、化学的に非常に安定的であり、PAN薬液に対するエッチングダメージ(膜が消失したり、電気特性や光学特性が劣化する)をほとんど受けることなくフォトレジストパターンで覆われないAl合金膜、例えば、対向電極32上のAl合金膜、ゲート端子部およびソース端子部のAl合金膜をエッチングすることができる。
その後、フォトレジストパターンを除去することで、図69および図70に示されるように、TFT部のチャネル領域の上方に、平面視においてチャネル領域を覆う最上層遮光膜33および33bが形成されたTFT基板402が得られる。
TFT基板402では、半導体チャネル層7の上方を、下層遮光膜9a、9b、9cおよび上層遮光膜22b、23bに加えて、最上層遮光膜33および33bを含めた3層の遮光膜によって、平面視におけるチャネル層の上方を完全に遮光できる構造となるので、液晶表示装置動作時のバックライト光や外光の吸収によるチャネル層の劣化(光劣化)をさらに抑制することができる。
<実施の形態5>
FFSモードの液晶表示装置の場合においても、実施の形態3のTNモードの液晶表示装置のように、チャネル領域下層遮光膜がドレイン電極および画素電極に直接接続される構成とし、下層遮光膜に画素電極の電位が印加されるようにすることも可能である。
<TFT基板の画素の構成>
まず、図71および図72を参照して、実施の形態5のTFT基板500の構成について説明する。なお、図43および図44を用いて説明したTFT基板400と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図71は、実施の形態5に係る画素の平面構成を示す平面図であり、図72は、図71におけるX−X線での断面構成(TFT部の断面構成および画素部の断面構成)、Y−Y線での断面構成(ゲート端子部の断面構成)およびZ−Z線での断面構成(ソース端子部の断面構成)を示す断面図である。なお、以下においてはTFT基板500は光透過型のFFSモードの液晶表示装置に用いるものとして説明する。
図71に示すように、TFT基板500において、TFTのゲート電極2はゲート配線3の一部で構成されている。すなわち、ゲート配線3から分岐してTFTの形成領域(TFT部)へ延びた部分がゲート電極2を構成する。本実施の形態では、ゲート電極2となる部分の奥行および幅を、ゲート配線3の幅よりも広くし、ゲート電極2の上方にソース電極22およびドレイン電極23を配設できる大きさとしている。
ゲート配線3の一方の端部はゲート端子4に電気的に接続されており、ゲート端子4には、第1ゲート端子部コンタクトホール19を介してゲート端子取り出し電極25が接続されている。そして、ゲート端子取り出し電極25には、第2ゲート端子部コンタクトホール29を介して上方のゲート端子パッド34が接続されている。なお、ゲート配線3、ゲート端子4には、後に説明するように、遮光性を有する金属または合金、例えばモリブデン(Mo)およびアルミニウム(Al)などの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金で構成される第1の導電膜が使用されている。
図71に示されるように、ゲート配線3が横方向(X方向)に延在するように配設され、ソース配線151が縦方向(Y方向)に延在するように配設されている。なお、ソース配線151は、下層ソース配線15と上層ソース配線26とで構成されている。
また、下層ソース配線15の一方の端部はソース端子15Tに接続されており、ソース端子15Tには、第1ソース端子部コンタクトホール20を介してソース端子取り出し電極26Tが接続されている。そして、ソース取り出し電極26Tには、第2ソース端子部コンタクトホール30を介して上方のソース端子パッド35が接続されている。
ソース電極22から延在する上層ソース配線26が、第1ソース配線コンタクトホール10を介して下層ソース配線15に接続されることで、ソース電極22が下層ソース配線15に電気的に接続される。また、ドレイン電極23は、画素領域にまで延在して透過画素電極24を形成している。また、ソース電極22およびドレイン電極23の領域の上には、それぞれ上層遮光膜22bおよび23bが設けられている。
なお、隣接するゲート配線3および隣接する下層ソース配線15に囲まれた領域が画素領域となるので、TFT基板500では、画素領域がマトリックス状に配列された構成となる。
次に、図72を用いてTFT基板500の断面構成について説明する。図72に示すように、TFT基板500は、例えば、ガラス等の透明性絶縁基板である基板1を母材とし、基板1上にゲート電極2(ゲート配線3含む)、ゲート端子4が配設されている。
そして、ゲート電極2およびゲート端子4を覆うように、絶縁膜6(第1の絶縁膜)が配設されている。絶縁膜6は、TFT部ではゲート絶縁膜として機能するのでゲート絶縁膜6と呼称する場合もある。
TFT部においては、絶縁膜6の上には、ゲート電極2に重なる位置に、酸化物半導体膜7が配設されている。酸化物半導体膜7はTFTのチャネル層として機能するので、半導体チャネル層7と呼称する場合もある。なお、本実施の形態では、半導体チャネル層7の平面パターンは、平面視においてゲート電極2の平面パターンよりも小さく形成され、半導体チャネル層7の輪郭は、ゲート電極2の輪郭より内側に存在している。なお、半導体チャネル層7の材質は、実施の形態1において説明したものと同じであり、半導体チャネル層にアモルファスシリコンを用いた従来の構成よりも移動度を高めることができる。
半導体チャネル層7上には保護絶縁膜8(第2の絶縁膜)が配設され、保護絶縁膜8上には、遮光性の金属膜などで構成されたチャネル領域下層遮光膜9(第2の導電膜)が配設されている。
本実施の形態では、チャネル領域下層遮光膜9として、例えばMoおよびAlなどの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金が用いられる。そして、半導体チャネル層7の上のチャネル領域下層遮光膜9には、第1ソース電極コンタクトホール11および第1ドレイン電極コンタクトホール12が設けられている。なお、チャネル領域下層遮光膜9は、便宜的に設けられた部位によって下層遮光膜9a、9bおよび9cと呼称する場合がある。
また、ソース端子部においては、TFT部の半導体チャネル層7と同層の酸化物半導体膜13が設けられており、酸化物半導体膜13上には保護絶縁膜8と同層の絶縁膜14が設けられている。そして、絶縁膜14上には、チャネル領域下層遮光膜9(第2の導電膜)と同層のソース端子15T(下層ソース配線15含む)が設けられ、3層の積層体の最上層膜となっている。また、ゲート端子部においては、ゲート端子4(ゲート配線3含む)を覆うように絶縁膜6が形成されている。
そして、絶縁膜6、半導体チャネル層7、保護絶縁膜8およびチャネル領域下層遮光膜9を覆うように基板1上全面に、層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)が配設されている。そして、TFT部においては、層間絶縁膜16および保護絶縁膜8を貫通して半導体チャネル層7に達する第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18が設けられている。第2ソース電極コンタクトホール17は、平面視において第1ソース電極コンタクトホール11の外周よりも内側に位置するように配設され、その底面には半導体チャネル層7の表面が露出するように形成される。また、第2ドレイン電極コンタクトホール18は、平面視において少なくとも一部が第1ドレイン電極コンタクトホール12の外周よりも外側に位置するように配設されると共に、半導体チャネル層7の表面、およびチャネル領域下層遮光膜9の少なくとも一部の領域(本実施の形態では下層遮光膜9aの領域)の表面の両方が露出するように形成される。
そして、第3の導電膜として形成されるソース電極22およびドレイン電極23は、それぞれ第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18を介して、半導体チャネル層7に互いに離間して直接接続するように配設されている。この半導体チャネル層7におけるソース電極22とドレイン電極23との間の領域がチャネル領域BCを形成する。なお、ドレイン電極23は、半導体チャネル層7に接続されると共に、下層遮光膜9aにも直接接続されている。
ソース電極22およびドレイン電極23の上には、それぞれ上層遮光膜22bおよび23b(第4の導電膜)が設けられる。上層遮光膜22bおよび23bを、例えば遮光性の金属膜などで形成する場合は、ソース電極22とドレイン電極23とが電気的に短絡しないように、互いに離間して形成する。本実施の形態では、上層遮光膜22b、23bとして、例えばMoおよびAlなどの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金を用いることができる。
図71に示すように、TFT部の半導体チャネル層7の上方領域は、上層遮光膜22b、23bおよび下層遮光膜9a、9b、9cによって、平面視において全領域が上面からの光に対して遮光される構成となっている。さらにTFT部の半導体チャネル層7の下方領域は、ゲート電極2によって、平面視において全領域が下面(基板1側の面)からの光に対して遮光される構成となっている。TFT部をこのような構成にすることによって、バックライト光、外光およびこれらの散乱光が、半導体チャネル層7に入射することをほぼ完全に防止(遮光)することができ、半導体チャネル層7の光吸収による特性劣化を防止することができる。
そして、ソース電極22、ドレイン電極23、透過画素電極24および上層遮光膜22b、23bを覆うように基板1全体に層間絶縁膜27(第4の絶縁膜)が形成され、層間絶縁膜27上には対向電極32(第5の導電膜)が設けられている。対向電極32は、図71に示すように、平面視において、下方の透過画素電極24と重なるように配設される。本実施の形態においては、対向電極32は横方向(X方向)に隣接する画素間を跨ぐように連続した形状で形成されており、表示領域の端縁部(図示せず)において対向電極32に一定の共通電位が供給されるように構成されている。
また、対向電極32にはスリット開口部SLが設けられており、透過画素電極24と対向電極32との間に電圧が印加されると、対向電極32の上方において基板1主面に対して略水平方向の電界を透過画素電極24との間に発生させることが可能となっている。なお、本実施の形態では対向電極32にスリット状の開口部を形成した構成を示したが、複数のスリットの一方端間が繋がった櫛歯状の開口部を形成するようにしても良い。
また、ソース端子部においては、ソース取り出し電極26Tが、層間絶縁膜16を貫通してソース端子15Tに達する第1ソース端子部コンタクトホール20を介してソース端子15Tに直接接続されるように設けられている。そして、ソース取り出し電極26Tには、層間絶縁膜27を貫通する第2ソース端子部コンタクトホール30を介して上方のソース端子パッド35が、平面視的に重なるように接続されている。
また、ゲート端子部においては、ゲート端子取り出し電極25が、層間絶縁膜16および絶縁膜6を貫通してゲート端子に達する第1ゲート端子部コンタクトホール19を介して、ゲート端子4に直接接続されるように設けられている。そして、ゲート端子取り出し電極25には、層間絶縁膜27を貫通する第2ゲート端子部コンタクトホール29を介して上方のゲート端子パッド34が、平面視的に重なるように接続されている。
なお、ソース取り出し電極26Tおよびゲート端子取り出し電極25は、TFT部のソース電極22およびドレイン電極23と同層の第3の導電膜で形成される。また、ソース端子パッド35およびゲート端子パッド34は、TFT部の対向電極32と同層の第5の導電膜で形成される。
<製造方法>
以下、図73〜図79を用いて実施の形態5のTFT基板500の製造方法について説明する。なお、最終工程を示す平面図および断面図は、それぞれ図71および図72に相当する。
まず、ガラス等の透明性絶縁基板である基板1を洗浄液または純水を用いて洗浄する。本実施の形態では、厚さ0.6mmのガラス基板を基板1として用いた。そして、洗浄された基板1の一方の主面全面に、ゲート電極2、ゲート配線3等の材料である第1の導電膜を形成する。第1の導電膜として使用可能な材質は、実施の形態1において説明しており、重複する説明は省略する。本実施の形態では、第1の導電膜としてアルミニウム(Al)合金膜を用いるものとし、アルゴン(Ar)ガスを用いたスパッタリング法で、Al合金膜を200nmの厚さに形成した。
<1回目の写真製版工程>
その後、第1の導電膜上にフォトレジスト材を塗布し、1回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、当該フォトレジストパターンをマスクとして、第1の導電膜をエッチングによりパターニングする。ここでは、PAN薬液によるウエットエッチングを用いた。その後、フォトレジストパターンを除去することで、図73および図74に示されるように、基板1の上主面上に、ゲート電極2、ゲート配線3(図74には不図示)およびゲート端子4が形成される。
<2回目の写真製版工程>
次に、ゲート電極2、ゲート配線3およびゲート端子4を覆うように基板1の上主面全面に絶縁膜6(第1の絶縁膜)を形成した後、絶縁膜6の上に、酸化物半導体膜、第2の絶縁膜および第2の導電膜をこの順に積層し、2回目の写真製版工程で、ハーフ露光マスクを用いる露光(ハーフ露光)により厚さの異なるフォトレジストパターンを形成し、それを用いて、酸化物半導体膜、第2の絶縁膜および第2の導電膜をエッチングによりパターニングすることで、実施の形態3の図37および図38に示されるように、TFT部においては、ゲート電極2の上方に、半導体チャネル層7、保護絶縁膜8およびチャネル領域下層遮光膜9の積層体を得ると共に、チャネル領域下層遮光膜9に、第1ソース電極コンタクトホール11および第1ドレイン電極コンタクトホール12を形成する。ここで、半導体チャネル層7の平面視における輪郭が、ゲート電極2の輪郭より内側に存在するように配設される。
また、便宜的に、第1ソース電極コンタクトホール11と第1ドレイン電極コンタクトホール12との間に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9a、第1ソース電極コンタクトホール11の下層遮光膜9aとは反対側に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9b、第1ドレイン電極コンタクトホール12の下層遮光膜9aとは反対側に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9cと呼称する。
また、ソース配線形成領域においては、酸化物半導体膜13、絶縁膜14および下層ソース配線15の積層体を形成し、ソース端子形成領域においては、上記と同一工程で、酸化物半導体膜13、絶縁膜14およびソース端子15Tの積層体を形成する。
なお、絶縁膜6、酸化物半導体膜、第2の絶縁膜および第2の導電膜の材質、形成方法およびハーフ露光により形成されたフォトレジストパターンを用いたエッチングについては、実施の形態2において図19〜図22を用いて説明しているので説明は割愛する。
次に、基板1の上主面全面に層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)を形成する。本実施の形態では、有機樹脂材料で樹脂系絶縁膜を形成した。具体的には、例えば、感光性を持ったアクリル系の有機樹脂材料をスピンコート法で2.0〜3.0μmの厚さとなるように基板1上に塗布して層間絶縁膜16とする。
<3回目の写真製版工程>
次に、3回目の写真製版工程で層間絶縁膜16を露光および現像して、実施の形態3の図39および図40に示すように、層間絶縁膜16を貫通する、第1ソース配線コンタクトホール10(図40には不図示)、第2ソース電極コンタクトホール17、第2ドレイン電極コンタクトホール18、第1ゲート端子部コンタクトホール19および第1ソース端子部コンタクトホール20を形成する。
その後、第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18の底部に露出する保護絶縁膜8をエッチングする。このエッチングには、フッ素を含むガスを用いたドライエッチング法を用いることができる。
本実施の形態では、六フッ化硫黄(SF6)に酸素(O2)を加えたガスを用いてドライエッチングした。O2ガスを添加することで、エッチング時に保護絶縁膜8の下の酸化物半導体膜7に還元反応によるダメージが生じることを抑制することができる。このエッチングにより、図39および図40に示されるように、第2ソース電極コンタクトホール17の底面には半導体チャネル層7が露出する。また、第2ドレイン電極コンタクトホール18の底面には半導体チャネル層7およびチャネル領域下層遮光膜9の一部(本実施の形態では下層遮光膜9a)が露出する。
また、第1ゲート端子部コンタクトホール19の底面にはAl合金のゲート端子4が露出し、第1ソース配線コンタクトホール10および第1ソース端子部コンタクトホール20の底面には、それぞれAl合金の下層ソース配線15およびソース端子15Tが露出するが、Al合金は、六フッ化硫黄(SF6)に酸素(O2)を加えたガスを用いたドライエッチングではエッチングされないので、これらのパターンはそのまま残存する。
なお、層間絶縁膜16に用いる樹脂系絶縁膜の材料としては、アクリル系の有機樹脂材料の他、オレフィン系材料、ノボラック系材料、ポリイミド系材料およびシロキサン系材料を用いることもできる。これら塗布型の有機絶縁材料は、誘電率が低く、2.0μm以上の厚さに厚膜化することも容易であり、配線容量を低く抑えることができる。よってこれらの材料を用いることにより、TFT基板を低い電圧で駆動させることが可能となり、低消費電力化に寄与できる。このため、ゲート配線またはソース配線上に透過画素電極24をオーバーラップして(重ねて)配置することができ、高開口率化も図れる。
また、層間絶縁膜16として、樹脂系絶縁膜材料ではなく、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO)等の無機系絶縁材料を用いることもできる。これらの無機系縁材料を用いる場合は、フォトレジストパターンをマスクとして、第1ソース配線コンタクトホール10、第2ソース電極コンタクトホール17、第2ドレイン電極コンタクトホール18、第1ゲート端子部コンタクトホール19および第1ソース端子部コンタクトホール20が形成される。また、無機系絶縁膜材料と樹脂系絶縁膜材料とを適宜組み合わせて用いても良い。
次に、層間絶縁膜16上全面に第3の導電膜および第4の導電膜をこの順に積層する。本実施の形態では、第3の導電膜として透明導電膜(透光性導電膜)を用いる。透明導電膜としては、ITO(酸化インジウム(In2O3)と酸化すず(SnO2)の混合比が、例えば90:10(重量%)となっている)を用いる。ここではスパッタリング法により、アルゴン(Ar)に水素(H)を含むガス、例えば、水素(H2)ガスまたは水蒸気(H2O)などを混合したガスを用い、厚さ100nmのITO膜を非晶質状態で形成した。また、第4の導電膜として遮光性のAl合金膜を用いる。ここでは、厚さ100nmのAl合金膜を、Arガスを用いたスパッタリング法で形成した。
<4回目の写真製版工程>
次に、第4の導電膜(Al合金膜)上全面にフォトレジスト材を塗布し、4回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、これをマスクとしてAl合金膜と非晶質ITO膜とを順次エッチングする。
ここでは、ハーフ露光マスクを用いたハーフ露光を行うことで、厚さの異なるフォトレジストパターンを形成する。すなわち、第4の導電膜を残して上層遮光膜22bおよび23bのパターンを形成したい部分は膜厚を厚くする。なお、第4の導電膜は2回に分けてエッチングされ、2回目のエッチングで除去される部分はフォトレジストパターンの膜厚を薄くしておく。例えば、透過画素電極24が形成される領域上は膜厚を薄くしておき、1回目のエッチングでは、透過画素電極24が形成される領域上の第4の導電膜は除去されないようにしておく。また、ゲート端子部およびソース端子部においてもフォトレジストパターンの膜厚を薄くしておく。
そして、当該フォトレジストパターンをマスクとして、まず、第4の導電膜をエッチングによりパターニングし、フォトレジストパターンで覆われない部分の第4の導電膜を除去する。第4の導電膜のエッチングには、PAN薬液によるウエットエッチングを用いた。
続けて、同じフォトレジストパターンをマスクとして、第3の導電膜をエッチングによりパターニングし、フォトレジストパターンおよび第4の導電膜で覆われない部分の第3の導電膜を除去する。第3の導電膜(非晶質ITO膜)のエッチングには、シュウ酸5wt%+水のシュウ酸系薬液によるウエットエッチングを用いた。
その後、基板1全体を150℃に加熱する。この加熱により、非晶質ITO膜が結晶化し、多結晶ITO膜となる。基板温度は150℃に限ることはなく、酸化インジウム(In2O3)が85重量%以上、95重量%以下、酸化すず(SnO2)が5重量%以上、15重量%以下の混合比(両者合計で100重量%)を有する一般的な非晶質ITO膜の場合、140℃以上であれば結晶化させることができる。また高温側は用いるフォトレジスト材料等の耐熱温度で任意に決めれば良い。例えば、本実施の形態であれば、層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)としてアクリル系の有機樹脂膜を用いているので、この材料の耐熱温度である230℃以下であれば良いが、例えば、フォトレジスト材料に一般的なノボラック系の感光性樹脂を用いる場合は160℃以下とすれば良い。
次に、酸素アッシングによって、フォトレジストパターンの膜厚を全体的に減少させ、膜厚の薄かったフォトレジストパターンを完全に除去する。一方、膜厚の厚かったフォトレジストパターンは薄膜化されて残ることとなる。
次に、残存するフォトレジストパターンをマスクとして、再び第4の導電膜をPAN薬液によるウエットエッチング法を用いてエッチングする。このとき、下層の透明導電膜であるITO膜は多結晶化させているので、化学的に非常に安定的であり、PAN薬液に対するエッチングダメージ(膜が消失したり、電気特性や光学特性が劣化する)をほとんど受けることなくフォトレジストパターンで覆われないAl合金膜、例えば、透過画素電極24が形成される領域上のAl合金膜、ゲート端子部およびソース端子部のAl合金膜をエッチングすることができる。
その後、フォトレジストパターンを除去することで、図75および図76に示されるように、透明導電膜(多結晶ITO膜)で構成されるゲート端子取り出し電極25、ソース電極22、ソース電極22から延在する上層ソース配線26、ソース端子取り出し電極26T、ドレイン電極23およびドレイン電極23から延在する透過画素電極24が形成される。また、TFT部のソース電極22の上部およびドレイン電極23の上部に、それぞれ上層遮光膜22bおよび23bが形成される。これら上層遮光膜22bおよび23bは、平面視において、チャネル領域BCを除く半導体チャネル層7の平面パターンのほぼ全体を覆うように形成される。
ここで、ゲート端子取り出し電極25は、第1ゲート端子部コンタクトホール19を介してゲート端子4と直接接続される。また、ソース電極22は、第2ソース電極コンタクトホール17を介して半導体チャネル層7と直接接続される。また、上層ソース配線26は、第1ソース配線コンタクトホール10を介して下層ソース配線15と直接接続される。さらにソース配線取り出し電極26Tは、第1ソース端子部コンタクトホール20を介してソース端子15Tと直接接続される。
次に、基板1の上主面全面に層間絶縁膜27(第4の絶縁膜)を形成する。本実施の形態では、CVD法を用いて、厚さ400nmの窒化シリコン膜(SiN)を形成した。
<5回目の写真製版工程>
次に、層間絶縁膜27(SiN膜)上全面にフォトレジスト材を塗布し、5回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、これをマスクとして層間絶縁膜27をエッチングする。
このエッチングには、フッ素を含むガスを用いたドライエッチング法を用いることができる。本実施の形態では、六フッ化硫黄(SF6)に酸素(O2)を加えたガスを用いてドライエッチングした。
その後、フォトレジストパターンを除去することで、図77および図78に示されるように、ゲート端子取り出し電極25およびソース配線取り出し電極26T上の層間絶縁膜27が除去されて、それぞれ第2ゲート端子部コンタクトホール29および第2ソース端子部コンタクトホール30が形成される。
その後、対向電極32の材料である第5の導電膜340を、図79に示すように第2ゲート端子部コンタクトホール29内、および第2ソース端子部コンタクトホール30内を含めて、層間絶縁膜27の上面全体に形成する。本実施の形態では、この第5の導電膜として、第3の導電膜の透明導電膜と同じ、厚さ100nmの非晶質ITO膜をスパッタリング法で形成した。
<6回目の写真製版工程>
次に、第5の導電膜340(非晶質ITO膜)上全面にフォトレジスト材を塗布し、6回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、これをマスクとして第5の導電膜340をエッチングする。このエッチングには、シュウ酸5wt%+水のシュウ酸系薬液を用いたウエットエッチング法を用いることができる。
その後、フォトレジストパターンを除去することで、図71および図72に示されるように、透明導電膜の非晶質ITO膜で構成されるスリット開口部を有する対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35が形成される。ゲート端子パッド34は、第2ゲート端子部コンタクトホール29を介して下方のゲート端子取り出し電極25と直接接続されている。またソース端子パッド35は、第2ソース端子部コンタクトホール30を介して下方のソース端子取り出し電極26Tと直接接続されている。
その後、基板1全体を200℃で加熱し、対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35を構成する非晶質ITO膜を多結晶化させることで、図71および図72に示したTFT基板500が完成する。
なお、液晶表示パネルの組み立ての際は、完成したTFT基板500の表面に配向膜、スペーサを形成する。配向膜は、液晶を配列させるための膜であり、ポリイミド等で構成される。また、別途作製した、カラーフィルタ、対向電極および配向膜等を備えた対向基板を、TFT基板500と貼り合わせる。この際、スペーサによってTFT基板と対向基板との間に隙間が形成され、その隙間に液晶封止することによって、横電界方式の光透過型のFFSモードの液晶表示パネルが形成される。最後に、液晶表示パネルの外側に偏光板、位相差板、駆動回路およびバックライトユニット等を配設することによって液晶表示装置が完成する。
以上のように、実施の形態5では、チャネル層に高性能の酸化物半導体膜を用いたエッチストッパ型のFFSモードの液晶表示装置に用いられるTFT基板500を、6回の写真製版工程で製造することができる。特にエッチストッパとなる保護絶縁膜8は酸化物半導体膜の形成後に続けて形成されるので、半導体チャネル層7は、その後のTFT製造工程のプロセスダメージによる特性劣化を殆ど受けることがない。このため、酸化物半導体の高性能な特性を維持した状態でTFTのチャネル層として用いることができる。
また、ソース配線151が、層間絶縁膜を介してそれぞれ独立して形成される下層ソース配線15と上層ソース配線26との2層構造となっており、いわゆる冗長配線となっている。また、上層ソース配線26を層間絶縁膜16に設けられた複数の第1ソース配線コンタクトホール10を介して下層ソース配線15と直接接続するようにしたので、一方の配線が断線した場合でも、もう一方の配線で機能を補うことができる。このため、ソース配線151の断線による線状欠陥不良の発生を低減させることができ、製造時の歩留まりおよび製品の信頼性を向上させることができる。
さらに、下層ソース配線15を、酸化物半導体膜および絶縁膜と連続して形成しているので、下層ソース配線15(第2の導電膜)を密着性良く形成することが可能となり、密着力不足に起因する膜剥がれによる断線不良の発生を低減することができる。これは、特にゲート配線3と下層ソース配線15が交差する領域のゲート配線パターン上の段差部で効果が大きい。
また、半導体チャネル層7の下方のゲート電極2による遮光に加えて、半導体チャネル層7の上方においても2層の遮光膜によって、半導体チャネル層7の全領域を遮光する構造となっているので、液晶表示装置動作時のバックライト光および外光の吸収によるチャネル層の劣化(光劣化)を防止することができる。
また、層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)として、誘電率が低く、2.0μm以上の厚さに厚膜化され、基板1の主面に対して平坦化作用のある樹脂系絶縁膜を用いていることで、配線容量を低く抑えることができる。よって、TFT基板を低い電圧で駆動させることが可能となり低消費電力化に寄与できる。このため、ゲート配線またはソース配線上に透過画素電極24をオーバーラップして(重ねて)配置することができ、高開口率化も図れる。
さらに、チャネル領域下層遮光膜9を導電膜で形成し、ドレイン電極23および透過画素電極24と直接接続するようにしたので、透過画素電極24の電位がチャネル領域BC上でバイアス電位として印加される。これにより、表示画素を構成する複数のTFTの閾値電圧(Vth)のバラツキが低減されるとともに、不特定の外部ノイズ等に起因するTFT特性の変動を抑制することができるので、さらに表示特性向上や信頼性を向上させることが可能となる。なお、チャネル領域下層遮光膜9は、ドレイン電極23ではなく、ソース電極22と直接接続する構成としても良い。
<最上層遮光膜の形成>
上述した6回目の写真製版工程では、第5の導電膜をパターニングして対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35を形成したが、第5の導電膜上にさらに遮光性の導電膜(第6の導電膜)を形成し、第5の導電膜と第6の導電膜との積層膜上に、ハーフ露光マスクを用いたハーフ露光を行うことで、厚さの異なるフォトレジストパターンを形成し、それを用いて第5の導電膜と第6の導電膜との積層膜を順次エッチングすることで図80および図81に示すように、TFT部のチャネル領域の上方に、平面視においてチャネル領域を覆う最上層遮光膜33(下層膜)および最上層遮光膜33b(上層膜)を形成するようにしても良い。
より具体的には、層間絶縁膜27の上面全体に第5の導電膜(非晶質ITO膜)を形成した後、第6の導電膜として遮光性のAl合金膜を形成して積層膜とし、その上にハーフ露光により厚さの異なるフォトレジストパターンを形成し、これをマスクとして第6の導電膜(Al合金膜)と第5の導電膜(非晶質ITO膜)とを順次エッチングし、対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35を形成すると共に、TFT部のチャネル領域上方に、ITO膜で構成される最上層遮光膜33とAl合金膜で構成される最上層遮光膜33bとの積層膜を形成する。
この場合、ハーフ露光により形成される厚さの異なるフォトレジストパターンは、第5および第6の導電膜を残して最上層遮光膜33および33bのパターンを形成したい部分は膜厚を厚くする。なお、第6の導電膜は2回に分けてエッチングされ、2回目のエッチングで除去される部分はフォトレジストパターンの膜厚を薄くしておく。例えば、対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35が形成される領域上は膜厚を薄くしておき、1回目のエッチングでは、これらが形成される領域上の第6の導電膜は除去されないようにしておく。
そして、当該フォトレジストパターンをマスクとして、まず、第6の導電膜をエッチングによりパターニングし、フォトレジストパターンで覆われない部分の第6の導電膜を除去する。第4の導電膜のエッチングには、PAN薬液によるウエットエッチングを用いた。
続けて、同じフォトレジストパターンをマスクとして、第5の導電膜をエッチングによりパターニングし、フォトレジストパターンおよび第6の導電膜で覆われない部分の第4の導電膜を除去する。第4の導電膜(非晶質ITO)のエッチングには、シュウ酸5wt%+水のシュウ酸系薬液によるウエットエッチングを用いた。
その後、基板1全体を150℃で加熱し、対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35および最上層遮光膜33を構成する非晶質ITO膜を多結晶化させる。なお、基板温度は150℃に限ることはなく、酸化インジウム(In2O3)が85重量%以上、95重量%以下、酸化すず(SnO2)が5重量%以上、15重量%以下の混合比(両者合計で100重量%)を有する一般的な非晶質ITO膜の場合、140℃以上であれば結晶化させることができる。一方、高温側はTFT基板に形成されている層およびパターンに用いられる材料等の耐熱温度で任意に決めることができる。例えば、本実施の形態であれば、第3の絶縁膜としてアクリル系の有機樹脂膜を用いているので、この材料の耐熱温度である230℃以下であれば良いが、例えば、フォトレジスト材料に一般的なノボラック系の感光性樹脂を用いる場合は160℃以下とすれば良い。
次に、酸素アッシングによって、フォトレジストパターンの膜厚を全体的に減少させ、膜厚の薄かったフォトレジストパターンを完全に除去する。一方、膜厚の厚かったフォトレジストパターンは薄膜化されて残ることとなる。
次に、残存するフォトレジストパターンをマスクとして、再び第6の導電膜をPAN薬液によるウエットエッチング法を用いてエッチングする。このとき、下層の透明導電膜であるITO膜は多結晶化させているので、化学的に非常に安定的であり、PAN薬液に対するエッチングダメージ(膜が消失したり、電気特性や光学特性が劣化する)をほとんど受けることなくフォトレジストパターンで覆われないAl合金膜、例えば、対向電極32上のAl合金膜、ゲート端子部およびソース端子部のAl合金膜をエッチングすることができる。
その後、フォトレジストパターンを除去することで、図80および図81に示されるように、TFT部のチャネル領域の上方に、平面視においてチャネル領域を覆う最上層遮光膜33および33bが形成されたTFT基板501が得られる。
TFT基板501では、半導体チャネル層7の上方を、下層遮光膜9a、9b、9cおよび上層遮光膜22b、23bに加えて、最上層遮光膜33および33bを含めた3層の遮光膜によって、平面視におけるチャネル層の上方を完全に遮光できる構造となるので、液晶表示装置動作時のバックライト光や外光の吸収によるチャネル層の劣化(光劣化)をさらに抑制することができる。
<変形例>
次に、図82および図83を参照して、実施の形態5の変形例のTFT基板500Aの構成について説明する。TFT基板500Aは、TFT基板500の画素部において、画素電極の補助容量となる共通電極をさらに備えた構成となっている。なお、図71および図72を用いて説明したTFT基板500と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
<TFT基板の画素の構成>
図82は、実施の形態5の変形例に係る画素の平面構成を示す平面図であり、図83は、図82におけるX−X線での断面構成(TFT部の断面構成、画素部の断面構成および共通電極部の断面構成)、Y−Y線での断面構成(ゲート端子部の断面構成)およびZ−Z線での断面構成(ソース端子部の断面構成)を示す断面図である。なお、以下においてはTFT基板500Aは光透過型のFFSモードの液晶表示装置に用いるものとして説明する。
図82に示すように、TFT基板500Aにおいては、TFT基板500の構成に加えて、ゲート配線3に平行して延在するように配設された、ゲート配線3と同じ第1の導電膜で形成された共通電極5を備えた構成となっている。共通電極5は画素部において透過画素電極24の補助容量を形成するとともに、画素部における対向電極32に一定の共通電位を供給する。このため、対向電極32は、画素部ごとに独立しており、第1共通電極部コンタクトホール21内に設けられた共通電極取り出し電極28を介して共通電極5に電気的に接続されている。
次に、図83を用いてTFT基板500Aの断面構成について説明する。図83に示すように、TFT基板500Aは、例えば、ガラス等の透明性絶縁基板である基板1を母材とし、基板1上にゲート電極2(ゲート配線3含む)、ゲート端子4および共通電極5が配設されている。
そして、ゲート電極2、ゲート端子4および共通電極5を覆うように、絶縁膜6(第1の絶縁膜)が配設されている。絶縁膜6は、TFT部ではゲート絶縁膜として機能するのでゲート絶縁膜6と呼称する場合もある。
TFT部においては、絶縁膜6の上には、ゲート電極2に重なる位置に、酸化物半導体膜7が配設されている。半導体チャネル層7上には保護絶縁膜8(第2の絶縁膜)が配設され、保護絶縁膜8上には、遮光性の金属膜などで構成されたチャネル領域下層遮光膜9(第2の導電膜)が配設されている。
本変形例では、チャネル領域下層遮光膜9として、例えばMoおよびAlなどの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金が用いられる。そして、半導体チャネル層7の上のチャネル領域下層遮光膜9には、第1ソース電極コンタクトホール11および第1ドレイン電極コンタクトホール12が設けられている。なお、チャネル領域下層遮光膜9は、便宜的に設けられた部位によって下層遮光膜9a、9bおよび9cと呼称する場合がある。
また、ソース端子部においては、TFT部の半導体チャネル層7と同層の酸化物半導体膜13が設けられており、酸化物半導体膜13上には保護絶縁膜8と同層の絶縁膜14が設けられている。そして、絶縁膜14上には、チャネル領域下層遮光膜9(第2の導電膜)と同層のソース端子15T(下層ソース配線15含む)が設けられ、3層の積層体の最上層膜となっている。また、ゲート端子部においては、ゲート端子4(ゲート配線3含む)を覆うように絶縁膜6が形成されている。
そして、絶縁膜6、半導体チャネル層7、保護絶縁膜8およびチャネル領域下層遮光膜9を覆うように基板1上全面に、層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)が配設されている。そして、TFT部においては、層間絶縁膜16および保護絶縁膜8を貫通して半導体チャネル層7に達する第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18が設けられている。第2ソース電極コンタクトホール17は、平面視において第1ソース電極コンタクトホール11の外周よりも内側に位置するように配設され、その底面には半導体チャネル層7の表面が露出するように形成される。また、第2ドレイン電極コンタクトホール18は、平面視において少なくとも一部が第1ドレイン電極コンタクトホール12の外周よりも外側に位置するように配設されると共に、半導体チャネル層7の表面、およびチャネル領域下層遮光膜9の少なくとも一部の領域(本実施の形態では下層遮光膜9aの領域)の表面の両方が露出するように形成される。
また、共通電極部においては、平面視において下方の共通電極5のパターンと重なる領域に層間絶縁膜16および絶縁膜6を貫通して共通電極5に達する第1共通電極部コンタクトホール21が設けられている。
そして、第3の導電膜として形成されるソース電極22およびドレイン電極23は、それぞれ第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18を介して、半導体チャネル層7に互いに離間して直接接続するように配設されている。この半導体チャネル層7におけるソース電極22とドレイン電極23との間の領域がチャネル領域BCを形成する。なお、本変形例では、第3の導電膜として透明導電膜(透光性導電膜)を用いる。
また、ドレイン電極23から延在する透過画素電極24は、平面視において、共通電極形成領域で下方の共通電極5と一部が重なるように設けられ、絶縁膜6と層間絶縁膜16とを介して画素電位の補助容量が形成される。
また、第1共通電極部コンタクトホール21内には、第3の導電膜として形成される共通電極取り出し電極28が、下方の共通電極5に直接接続するように設けられている。なお、共通電極取り出し電極28は、ソース電極22およびドレイン電極23(透過画素電極24含む)と互いに電気的に接続されない(短絡しない)ように、これらから離間されたパターンとして形成される。
ソース電極22およびドレイン電極23の上には、それぞれ上層遮光膜22bおよび23b(第4の導電膜)が設けられる。上層遮光膜22bおよび23bを、例えば遮光性の金属膜などで形成する場合は、ソース電極22とドレイン電極23とが電気的に短絡しないように、互いに離間して形成する。本実施の形態では、上層遮光膜22b、23bとして、例えばMoおよびAlなどの金属、あるいはこれらの金属に他の元素を添加して得られる合金を用いることができる。
図82に示すように、TFT部の半導体チャネル層7の上方領域は、上層遮光膜22b、23bおよび下層遮光膜9a、9b、9cによって、平面視において全領域が上面からの光に対して遮光される構成となっている。さらにTFT部の半導体チャネル層7の下方領域は、ゲート電極2によって、平面視において全領域が下面(基板1側の面)からの光に対して遮光される構成となっている。TFT部をこのような構成にすることによって、バックライト光、外光およびこれらの散乱光が、半導体チャネル層7に入射することをほぼ完全に防止(遮光)することができ、半導体チャネル層7の光吸収による特性劣化を防止することができる。
そして、ソース電極22、ドレイン電極23、透過画素電極24、上層遮光膜22b、23bおよび共通電極取り出し電極28を覆うように基板1全体に層間絶縁膜27(第4の絶縁膜)が形成されている。なお、共通電極部においては層間絶縁膜27には、第2共通電極部コンタクトホール31が設けられている。第2共通電極部コンタクトホール31は、平面視において下方の共通電極5および共通電極取り出し電極28のパターンと重なる領域に配設され、下層の共通電極取り出し電極28の表面が露出するように形成される。
層間絶縁膜27上には対向電極32(第5の導電膜)が設けられている。対向電極32は、図83に示すように、第2共通電極部コンタクトホール31を介して下層の共通電極取り出し電極28に直接接続されるように設けられており、共通電極取り出し電極28を介して下方の共通電極5に電気的に接続され、一定の共通電位が対向電極32に供給されるように構成されている。
また、対向電極32にはスリット開口部SLが設けられており、透過画素電極24と対向電極32との間に電圧が印加されると、対向電極32の上方において基板1主面に対して略水平方向の電界を透過画素電極24との間に発生させることが可能となっている。なお、本実施の形態では対向電極32にスリット状の開口部を形成した構成を示したが、複数のスリットの一方端間が繋がった櫛歯状の開口部を形成するようにしても良い。
また、ソース端子部においては、ソース取り出し電極26Tが、層間絶縁膜16を貫通してソース端子15Tに達する第1ソース端子部コンタクトホール20を介してソース端子15Tに直接接続されるように設けられている。そして、ソース取り出し電極26Tには、層間絶縁膜27を貫通する第2ソース端子部コンタクトホール30を介して上方のソース端子パッド35が、平面視的に重なるように接続されている。
また、ゲート端子部においては、ゲート端子取り出し電極25が、層間絶縁膜16および絶縁膜6を貫通してゲート端子に達する第1ゲート端子部コンタクトホール19を介して、ゲート端子4に直接接続されるように設けられている。そして、ゲート端子取り出し電極25には、層間絶縁膜27を貫通する第2ゲート端子部コンタクトホール29を介して上方のゲート端子パッド34が、平面視的に重なるように接続されている。
なお、ソース取り出し電極26Tおよびゲート端子取り出し電極25は、TFT部のソース電極22およびドレイン電極23と同層の第3の導電膜で形成される。また、ソース端子パッド35およびゲート端子パッド34は、TFT部の対向電極32と同層の第5の導電膜で形成される。
<製造方法>
以下、図84〜図92を用いて実施の形態5の変形例のTFT基板500Aの製造方法について説明する。なお、最終工程を示す平面図および断面図は、それぞれ図82および図83に相当する。
洗浄された基板1の一方の主面全面に、ゲート電極2、ゲート配線3および共通電極5等の材料である第1の導電膜を形成する。第1の導電膜として使用可能な材質は、実施の形態5において説明しており、重複する説明は省略する。本変形例では、第1の導電膜としてアルミニウム(Al)合金膜を用いるものとし、アルゴン(Ar)ガスを用いたスパッタリング法で、Al合金膜を200nmの厚さに形成した。
<1回目の写真製版工程>
その後、第1の導電膜上にフォトレジスト材を塗布し、1回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、当該フォトレジストパターンをマスクとして、第1の導電膜をエッチングによりパターニングする。ここでは、PAN薬液によるウエットエッチングを用いた。その後、フォトレジストパターンを除去することで、図84および図85に示されるように、基板1の上主面上に、ゲート電極2、ゲート配線3(図85には不図示)、ゲート端子4および共通電極5が形成される。
<2回目の写真製版工程>
次に、ゲート電極2、ゲート配線3、ゲート端子4および共通電極5を覆うように基板1の上主面全面に絶縁膜6(第1の絶縁膜)を形成した後、絶縁膜6の上に、酸化物半導体膜、第2の絶縁膜および第2の導電膜をこの順に積層する。そして、2回目の写真製版工程で、ハーフ露光マスクを用いる露光(ハーフ露光)により厚さの異なるフォトレジストパターンを形成し、それを用いて、酸化物半導体膜、第2の絶縁膜および第2の導電膜をエッチングによりパターニングする。これにより、実施の形態4の図60および図61に示されるように、TFT部においては、ゲート電極2の上方に、半導体チャネル層7、保護絶縁膜8およびチャネル領域下層遮光膜9の積層体を得ると共に、チャネル領域下層遮光膜9に、第1ソース電極コンタクトホール11および第1ドレイン電極コンタクトホール12を形成する。ここで、半導体チャネル層7の平面視における輪郭が、ゲート電極2の輪郭より内側に存在するように配設される。
また、便宜的に、第1ソース電極コンタクトホール11と第1ドレイン電極コンタクトホール12との間に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9a、第1ソース電極コンタクトホール11の下層遮光膜9aとは反対側に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9b、第1ドレイン電極コンタクトホール12の下層遮光膜9aとは反対側に残るチャネル領域下層遮光膜9を下層遮光膜9cと呼称する。
また、ソース配線形成領域においては、酸化物半導体膜13、絶縁膜14および下層ソース配線15の積層体を形成し、ソース端子形成領域においては、上記と同一工程で、酸化物半導体膜13、絶縁膜14およびソース端子15Tの積層体を形成する。
なお、絶縁膜6、酸化物半導体膜、第2の絶縁膜および第2の導電膜の材質、形成方法およびハーフ露光により形成されたフォトレジストパターンを用いたエッチングについては、実施の形態2において図19〜図22を用いて説明しているので説明は割愛する。
次に、基板1の上主面全面に層間絶縁膜16(第3の絶縁膜)を形成する。本変形例では、有機樹脂材料で樹脂系絶縁膜を形成した。具体的には、例えば、感光性を持ったアクリル系の有機樹脂材料をスピンコート法で2.0〜3.0μmの厚さとなるように基板1上に塗布して層間絶縁膜16とする。
<3回目の写真製版工程>
次に、3回目の写真製版工程で層間絶縁膜16を露光および現像して、図86および図87に示すように、層間絶縁膜16を貫通する、第1ソース配線コンタクトホール10(図63には不図示)、第2ソース電極コンタクトホール17、第2ドレイン電極コンタクトホール18、第1ゲート端子部コンタクトホール19、第1ソース端子部コンタクトホール20および第1共通電極部コンタクトホール21を形成する。
その後、第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18の底部に露出する保護絶縁膜8をエッチングする。このエッチングでは、六フッ化硫黄(SF6)に酸素(O2)を加えたガスを用いたドライエッチングを行う。このエッチングにより、図86および図87に示されるように、第2ソース電極コンタクトホール17および第2ドレイン電極コンタクトホール18の底面には半導体チャネル層7が露出する。また、第2ドレイン電極コンタクトホール18の底面には半導体チャネル層7およびチャネル領域下層遮光膜9の一部(本実施の形態では下層遮光膜9a)が露出する。
また、第1ゲート端子部コンタクトホール19および第1共通電極部コンタクトホール21は絶縁膜6も貫通し、それぞれの底面にはAl合金のゲート端子4および共通電極5が露出し、第1ソース配線コンタクトホール10および第1ソース端子部コンタクトホール20の底面には、それぞれAl合金の下層ソース配線15およびソース端子15Tが露出するが、Al合金は、六フッ化硫黄(SF6)に酸素(O2)を加えたガスを用いたドライエッチングではエッチングされないので、これらのパターンはそのまま残存する。
なお、層間絶縁膜16に用いる樹脂系絶縁膜の材料としては、アクリル系の有機樹脂材料の他、オレフィン系材料、ノボラック系材料、ポリイミド系材料およびシロキサン系材料を用いることもできる。これら塗布型の有機絶縁材料は、誘電率が低く、2.0μm以上の厚さに厚膜化することも容易であり、配線容量を低く抑えることができる。よってこれらの材料を用いることにより、TFT基板を低い電圧で駆動させることが可能となり、低消費電力化に寄与できる。このため、ゲート配線またはソース配線上に透過画素電極24をオーバーラップして(重ねて)配置することができ、高開口率化も図れる。
また、層間絶縁膜16として、樹脂系絶縁膜材料ではなく、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO)等の無機系絶縁材料を用いることもできる。これらの無機系縁材料を用いる場合は、フォトレジストパターンをマスクとして、第1ソース配線コンタクトホール10、第2ソース電極コンタクトホール17、第2ドレイン電極コンタクトホール18、第1ゲート端子部コンタクトホール19および第1ソース端子部コンタクトホール20が形成される。また、無機系絶縁膜材料と樹脂系絶縁膜材料とを適宜組み合わせて用いても良い。
次に、層間絶縁膜16上全面に第3の導電膜および第4の導電膜をこの順に積層する。本変形例では、第3の導電膜として透明導電膜(透光性導電膜)を使用し、第4の導電膜として遮光性のAl合金膜を使用する。なお、透明導電膜の材質、膜厚および製造方法、Al合金膜の材質、膜厚および製造方法は実施の形態5と同じであるので、説明は割愛する。
<4回目の写真製版工程>
次に、第4の導電膜(Al合金膜)上全面にフォトレジスト材を塗布し、4回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成する。ここでは、2回目の写真製版工程で説明したハーフ露光マスクを用いたハーフ露光を行うことで、厚さの異なるフォトレジストパターンを形成する。
そして、当該フォトレジストパターンをマスクとして、まず、第4の導電膜をPAN薬液によるウエットエッチングによりパターニングし、フォトレジストパターンで覆われない部分の第4の導電膜を除去する。
続けて、同じフォトレジストパターンをマスクとして、第3の導電膜をシュウ酸5wt%+水のシュウ酸系薬液によるウエットエッチングによりパターニングし、フォトレジストパターンおよび第4の導電膜で覆われない部分の第3の導電膜を除去する。
その後、基板1全体を150℃に加熱して非晶質ITO膜を結晶化して、多結晶ITO膜とする。
次に、酸素アッシングによって、フォトレジストパターンの膜厚を全体的に減少させ、膜厚の薄かったフォトレジストパターンを完全に除去する。一方、膜厚の厚かったフォトレジストパターンは薄膜化されて残ることとなる。
次に、残存するフォトレジストパターンをマスクとして、再び第4の導電膜をPAN薬液によるウエットエッチング法を用いてエッチングする。このとき、下層の透明導電膜であるITO膜は多結晶化させているので、PAN薬液に対するエッチングダメージ(膜が消失したり、電気特性や光学特性が劣化する)をほとんど受けることなくフォトレジストパターンで覆われないAl合金膜、例えば、透過画素電極24および共通電極取り出し電極28が形成される領域上のAl合金膜、ゲート端子部およびソース端子部のAl合金膜をエッチングすることができる。
その後、フォトレジストパターンを除去することで、図88および図89に示されるように、透明導電膜(多結晶ITO膜)で構成されるゲート端子取り出し電極25、ソース電極22、ソース電極22から延在する上層ソース配線26、ソース端子取り出し電極26T、ドレイン電極23およびドレイン電極23から延在する透過画素電極24、共通電極取り出し電極28が形成される。なお、共通電極取り出し電極28は、透過画素電極24とは電気的に分離された独立パターンとして形成される。また、TFT部のソース電極22の上部およびドレイン電極23の上部に、それぞれ上層遮光膜22bおよび23bが形成される。これら上層遮光膜22bおよび23bは、平面視において、チャネル領域BCを除く半導体チャネル層7の平面パターンのほぼ全体を覆うように形成される。
ここで、ゲート端子取り出し電極25は、第1ゲート端子部コンタクトホール19を介してゲート端子4と直接接続される。また、ソース電極22は、第2ソース電極コンタクトホール17を介して半導体チャネル層7と直接接続される。また、上層ソース配線26は、第1ソース配線コンタクトホール10を介して下層ソース配線15と直接接続される。さらにソース配線取り出し電極26Tは、第1ソース端子部コンタクトホール20を介してソース端子15Tと直接接続される。そして共通電極取り出し電極28は、第1共通電極部コンタクトホール21を介して共通電極5と直接接続される。
次に、基板1の上主面全面に層間絶縁膜27(第4の絶縁膜)を形成する。本実施の形態では、CVD法を用いて、厚さ400nmの窒化シリコン膜(SiN)を形成した。
<5回目の写真製版工程>
次に、層間絶縁膜27(SiN膜)上全面にフォトレジスト材を塗布し、5回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、これをマスクとして層間絶縁膜27をエッチングする。
このエッチングには、フッ素を含むガスを用いたドライエッチング法を用いることができる。本変形例では、六フッ化硫黄(SF6)に酸素(O2)を加えたガスを用いてドライエッチングした。
その後、フォトレジストパターンを除去することで、図90および図91に示されるように、ゲート端子取り出し電極25、ソース配線取り出し電極26Tおよび共通電極取り出し電極28上の層間絶縁膜27が除去されて、それぞれ第2ゲート端子部コンタクトホール29、第2ソース端子部コンタクトホール30および第2共通電極部コンタクトホール31が形成される。
その後、対向電極32の材料である第5の導電膜340を、図92に示すように第2ゲート端子部コンタクトホール29内、第2ソース端子部コンタクトホール内および第2共通電極部コンタクトホール31内を含めて、層間絶縁膜27の上面全体に形成する。本変形例では、この第5の導電膜として、第3の導電膜の透明導電膜と同じ、厚さ100nmの非晶質ITO膜をスパッタリング法で形成した。
<6回目の写真製版工程>
次に、第5の導電膜340(非晶質ITO膜)上全面にフォトレジスト材を塗布し、6回目の写真製版工程でフォトレジストパターンを形成し、これをマスクとして第5の導電膜340をエッチングする。このエッチングには、シュウ酸5wt%+水のシュウ酸系薬液を用いたウエットエッチング法を用いることができる。
その後、フォトレジストパターンを除去することで、図82および図83に示されるように、透明導電膜の非晶質ITO膜で構成されるスリット開口部を有する対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35が形成される。ゲート端子パッド34は、第2ゲート端子部コンタクトホール29を介して下方のゲート端子取り出し電極25と直接接続されている。またソース端子パッド35は、第2ソース端子部コンタクトホール30を介して下方のソース端子取り出し電極26Tと直接接続されている。また、対向電極32は、第2共通電極部コンタクトホール31を介して下層の共通電極取り出し電極28に直接接続されている。
その後、基板1全体を200℃で加熱し、スリット開口部を有する対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35である非晶質ITO膜を多結晶化させる。以上により、図82および図83に示した本変形例の形態のTFT基板500Aが完成する。
この後、液晶表示パネルの組み立てを行い、液晶表示パネルの外側に偏光板、位相差板、駆動回路およびバックライトユニット等を配設することによって液晶表示装置が完成するが、詳細は実施の形態1において説明しているので割愛する。
以上のように、本変形例では、実施の形態5と同じ効果に加え、共通電極5を設けることで、透過画素電極24に補助容量を加えることができる構成としたので、透過画素電極24に印加された表示信号電位のリークマージンを広げることができる。これにより信号電位の保持不良に起因する表示不良を低減してさらに高品質の液晶表示装置を得ることができる。
また、対向電極32が、画素ごとに設けられた第1共通電極部コンタクトホール21および第2共通電極部コンタクトホール31を介して下方の共通電極5に電気的に直接接続されているので、各画素に確実に一定の共通電位信号が供給されるように構成されるため、点欠陥のような表示不良の発生を低減させることができる。
また、対向電極32のパターンを各画素で独立したパターンとするのではなく、実施の形態5の図71に示したように、対向電極32を少なくとも横方向に隣接する画素間を跨ぐように連続した形状で形成して、表示領域の端部(図示せず)から一定の共通電位が供給されるように構成しても良い。この場合は、共通電極5と表示領域の端部との両方から対向電極32に一定の共通電位が供給されることになるので、一方が断線不良を起こした場合でも、他方から共通電位が供給されるので、点欠陥、線欠陥などの表示不良の発生を防止する効果がさらに高まる。
<最上層遮光膜の形成>
上述した6回目の写真製版工程では、第5の導電膜をパターニングして対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35を形成したが、第5の導電膜上にさらに遮光性の導電膜(第6の導電膜)を形成し、第5の導電膜と第6の導電膜との積層膜上に、ハーフ露光マスクを用いたハーフ露光を行うことで、厚さの異なるフォトレジストパターンを形成し、それを用いて第5の導電膜と第6の導電膜との積層膜を順次エッチングすることで図93および図94に示すように、TFT部のチャネル領域の上方に、平面視においてチャネル領域を覆う最上層遮光膜33(下層膜)および最上層遮光膜33b(上層膜)を形成するようにしても良い。
より具体的には、層間絶縁膜27の上面全体に第5の導電膜(非晶質ITO膜)を形成した後、第6の導電膜として遮光性のAl合金膜を形成して積層膜とし、その上にハーフ露光により厚さの異なるフォトレジストパターンを形成し、これをマスクとして第6の導電膜(Al合金膜)と第5の導電膜(非晶質ITO膜)とを順次エッチングし、対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35を形成する。また、TFT部のチャネル領域上方に、ITO膜で構成される最上層遮光膜33とAl合金膜で構成される最上層遮光膜33bとの積層膜を同時に形成する。これにより、製造工程を削減することができる。
この場合、ハーフ露光により形成される厚さの異なるフォトレジストパターンは、第5および第6の導電膜を残して最上層遮光膜33および33bのパターンを形成したい部分は膜厚を厚くする。なお、第6の導電膜は2回に分けてエッチングされ、2回目のエッチングで除去される部分はフォトレジストパターンの膜厚を薄くしておく。例えば、対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35が形成される領域上は膜厚を薄くしておき、1回目のエッチングでは、これらが形成される領域上の第6の導電膜は除去されないようにしておく。
そして、当該フォトレジストパターンをマスクとして、まず、第6の導電膜をエッチングによりパターニングし、フォトレジストパターンで覆われない部分の第6の導電膜を除去する。第4の導電膜のエッチングには、PAN薬液によるウエットエッチングを用いた。
続けて、同じフォトレジストパターンをマスクとして、第5の導電膜をエッチングによりパターニングし、フォトレジストパターンおよび第6の導電膜で覆われない部分の第4の導電膜を除去する。第4の導電膜(非晶質ITO)のエッチングには、シュウ酸5wt%+水のシュウ酸系薬液によるウエットエッチングを用いた。
その後、基板1全体を150℃で加熱し、対向電極32、ゲート端子パッド34およびソース端子パッド35および最上層遮光膜33を構成する非晶質ITO膜を多結晶化させる。なお、基板温度は150℃に限ることはなく、酸化インジウム(In2O3)が85重量%以上、95重量%以下、酸化すず(SnO2)が5重量%以上、15重量%以下の混合比(両者合計で100重量%)を有する一般的な非晶質ITO膜の場合、140℃以上であれば結晶化させることができる。一方、高温側はTFT基板に形成されている層およびパターンに用いられる材料等の耐熱温度で任意に決めることができる。例えば、本実施の形態であれば、第3の絶縁膜としてアクリル系の有機樹脂膜を用いているので、この材料の耐熱温度である230℃以下であれば良いが、例えば、フォトレジスト材料に一般的なノボラック系の感光性樹脂を用いる場合は160℃以下とすれば良い。
次に、酸素アッシングによって、フォトレジストパターンの膜厚を全体的に減少させ、膜厚の薄かったフォトレジストパターンを完全に除去する。一方、膜厚の厚かったフォトレジストパターンは薄膜化されて残ることとなる。
次に、残存するフォトレジストパターンをマスクとして、再び第6の導電膜をPAN薬液によるウエットエッチング法を用いてエッチングする。このとき、下層の透明導電膜であるITO膜は多結晶化させているので、化学的に非常に安定的であり、PAN薬液に対するエッチングダメージ(膜が消失したり、電気特性や光学特性が劣化する)をほとんど受けることなくフォトレジストパターンで覆われないAl合金膜、例えば、対向電極32上のAl合金膜、ゲート端子部およびソース端子部のAl合金膜をエッチングすることができる。
その後、フォトレジストパターンを除去することで、図93および図94に示されるように、TFT部のチャネル領域の上方に、平面視においてチャネル領域を覆う最上層遮光膜33および33bが形成されたTFT基板502が得られる。
TFT基板502では、半導体チャネル層7の上方を、下層遮光膜9a、9b、9cおよび上層遮光膜22b、23bに加えて、最上層遮光膜33および33bを含めた3層の遮光膜によって、平面視におけるチャネル層の上方を完全に遮光できる構造となるので、液晶表示装置動作時のバックライト光や外光の吸収によるチャネル層の劣化(光劣化)をさらに抑制することができる。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。