JP6438851B2 - ガスセンサ素子及びガスセンサ - Google Patents
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また、更に、上記測定室に連通して第2測定室を設け、その第2測定室に面するように第2ポンプセルを配置したガスセンサ(代表的なものとしてNOxセンサ)がある。このガスセンサでは、上述のように酸素ポンプセルを動作させて酸素濃度が調整された排気ガスが第2測定室に導入され、第2ポンプセルを流れる電流を測定することによりNOx濃度を検出している。
一方、固体電解質体の温度により、固体電解質体の酸素イオン伝導性、ひいては酸素濃度検出セルの検出出力が変化するので、検出精度を向上させるためには酸素濃度検出セル(の固体電解質体)を所定温度に保つ必要がある。そして、図5の曲線C1に示すように、固体電解質体の温度と内部抵抗(内部インピーダンス)Rpvsとの間に相関があることから、酸素濃度検出セルの固体電解質体の内部抵抗Rpvsが所定の値になるようにヒータを加熱し、ガスセンサ素子の温度を制御している。
そこで、本発明は、消費電力を低減して酸素ポンピングの応答性を向上させると共に、ブラックニング及び被測定ガスの検出精度の低下を抑制したガスセンサ素子及びガスセンサの提供を目的とする。
このガスセンサ素子によれば、第2固体電解質体を有する酸素ポンプセルに掛かる電圧が低減され、ガスセンサの消費電力を低減することができる。又、酸素ポンプセルの応答性が向上すると共に、酸素ポンプセルのブラックニングを抑制できる。
一方、第1固体電解質体の厚みt1は第2固体電解質体よりも厚い状態に維持されるので、第1固体電解質体の内部抵抗Rpvsに基づくガスセンサ素子の温度制御を精度良く行うことができ、酸素濃度検出セルによる酸素濃度の検出精度を向上させることができる。
なお、酸素濃度検出セルと酸素ポンプセルとを積層した際、酸素濃度検出セルの検出電極が面する測定室を形成するスペーサが、酸素濃度検出セル(及び必要に応じて酸素ポンプセル)と積層される。
本発明のガスセンサ素子において、前記第2固体電解質体の厚みt2が20μmを超えるとよい。
第2固体電解質体の厚みt2が20μm以下になると、ガスセンサ素子の昇温時の素子の温度勾配に起因し、第2固体電解質体に熱応力が加わって破壊され、第2固体電解質体(酸素ポンプセル)の耐久性が低下する場合がある。そこで、第2固体電解質体の厚みt2が20μmを超えることで、セルの耐久性を向上させることができる。
請求項2に従属する本発明のガスセンサ素子は、前記ヒータ部は、積層方向に前記第2固体電解質体よりも前記第1固体電解質体に近接して配置されていてもよい。
第2固体電解質体に比べて厚みが厚い第1固体電解質体を有する酸素濃度検出セルでは、ヒータ部からの熱伝導性が酸素ポンプセルよりも劣るため、酸素ポンプセルよりも応答性が低くなる傾向にある。そこで、ヒータ部を積層方向に第2固体電解質体側に近付けることにより、ヒータ部から酸素ポンプセルへの熱伝導性を向上させ、酸素ポンプセルの応答性をも向上させることができる。
このガスセンサ素子によれば、重なり部を形成することで、酸素ポンプセルと酸素濃度検出セルとが被測定ガスの流れる方向である平面方向(積層方向に垂直な方向)に隣接する。このため、測定室に導入される被測定ガスの雰囲気(酸素濃度)や温度の変動に対して両セルをほぼ同じ環境に曝すことができ、酸素濃度検出セルによる酸素濃度の検出精度をさらに向上させることができる。
このガスセンサ素子によれば、ヒータ部等の熱が熱伝導率の高い絶縁基板を介して固体電解質体に伝わり易くなるので、ガスセンサの消費電力をさらに低減することができる。
図1は本発明の第1の実施形態に係るガスセンサ(酸素センサ)1の長手方向(軸線L方向)に沿う断面図、図2はガスセンサ素子100(検出素子300及びヒータ200)の模式分解斜視図、図3は検出素子300の軸線L方向に直交する断面図である。
酸素濃度検出セル130は、第1固体電解質体105cと、その第1固体電解質体105cの両面に形成された第1電極104及び第2電極106とから形成されている。なお、アルミナを主体とする第1支持体105の先端側が矩形状にくり抜かれ、第1固体電解質体105cは、このくり抜き部に埋め込まれている。又、第1支持体105の外形寸法がガスセンサ1と同一とされ、第1支持体105の後端側に1個の第1スルーホール105aが設けられている。
第1電極104は、第1電極部104aと、第1電極部104aから第1支持体105の長手方向に沿って延びる第1リード部104bとから形成されている。第2電極106は、第2電極部106aと、第2電極部106aから第1支持体105の長手方向に沿って延びる第2リード部106bとから形成されている。
第1電極104、第2電極106がそれぞれ特許請求の範囲の「基準電極」、「検出電極」に相当する。第1支持体105が特許請求の範囲の「絶縁基板」に相当する。
第3電極108は、第3電極部108aと、この第3電極部108aから第2支持体109の長手方向に沿って延びる第3リード部108bとから形成されている。第4電極110は、第4電極部110aと、この第4電極部110aから第2支持体109の長手方向に沿って延びる第4リード部110bとから形成されている。
第3電極108及び第4電極110が特許請求の範囲の「一対の電極」に相当し、第3電極108が特許請求の範囲の「一方の電極」に相当する。第2支持体109が特許請求の範囲の「絶縁基板」に相当する。
図3に示すように、第2固体電解質体109cの厚みt2が第1固体電解質体105cの厚みt1より薄くされている。このため、第2固体電解質体109cを有する酸素ポンプセル140に掛かる電圧が低減され、ガスセンサの消費電力を低減することができる。又、酸素ポンプセル140の応答性が向上すると共に、酸素ポンプセル140のブラックニングを抑制できる。さらに、ガスセンサ素子100がヒータ部200を有する場合には、ヒータ部200から酸素ポンプセル140への熱伝導性が向上し、酸素ポンプセル140がより早く所定温度に加熱されるので、この点でも酸素ポンプセル140の応答性が向上する。
一方、第1固体電解質体105cの厚みt1は第2固体電解質体109cよりも厚い状態に維持されるので、第1固体電解質体105cの内部抵抗Rpvsに基づくガスセンサ素子100の温度制御を精度良く行うことができ、酸素濃度検出セル130による酸素濃度の検出精度を向上させることができる。
又、ガスセンサ素子100にヒータ部200が積層されている場合、図3に示すように、ヒータ部200が積層方向に第2固体電解質体109cよりも第1固体電解質体105cに近接して配置されていることが好ましい。第2固体電解質体109cに比べて厚みが厚い第1固体電解質体105cを有する酸素濃度検出セル130では、ヒータ部200からの熱伝導性が酸素ポンプセル140よりも劣るため、酸素ポンプセル140よりも応答性が低くなる傾向にある。そこで、ヒータ部200を積層方向に第2固体電解質体109c側に近付けることにより、ヒータ部200から酸素ポンプセル140への熱伝導性を向上させ、酸素ポンプセル140の応答性をも向上させることができる。
第2固体電解質体109cの厚みt2が20μmを超え120μm以下がより好ましい。第2固体電解質体109cの厚みt2が120μmを超えると、酸素ポンプのために印加する電圧によりブラックニングが発生することがある。又、上述した第1固体電解質体105cの内部抵抗Rpvsを用いて酸素濃度検出セル130の温度制御を行う観点から、酸素濃度検出セル130の厚みt1が150μm以上であることが好ましい。
なお、重なり部S1は、次のように定義される。まず、酸素ポンプセル140の各構成要素(第2固体電解質体109c、第3電極108、第4電極110)の積層方向の重なり部分の外縁を、酸素ポンプセル140の外縁とみなす。同様に、酸素濃度検出セル130の各構成要素(第1固体電解質体105c、第1電極104、第2電極106)の積層方向の重なり部分の外縁を、酸素濃度検出セル130の外縁とみなす。そして、それぞれ酸素ポンプセル140と酸素濃度検出セル130の外縁が積層方向に重なった部位を、重なり部S1とする。
ガスセンサ素子(NOxセンサ素子)100Cは細長で長尺な板状をなし、3層の板状の固体電解質体109Z,105Z,151を、これらの間にアルミナ等からなる絶縁体180,185をそれぞれ挟んで層状に形成した構造を有し、これらの積層構造が検出素子部300Cを構成する。また、固体電解質体151側の外層(図4における下方側)には、アルミナを主体とするシート状の絶縁層103C,101Cを積層し、その間にPtを主体とするヒータパターンからなる発熱部102Cを埋設したヒータ部200Cが設けられている。
酸素ポンプセル140Cは、第2固体電解質体109Zとその両面に形成された第3電極108Cと第4電極110Cから形成されている。酸素濃度検出セル130Cは、第1固体電解質体105Zとその両面に形成された第1電極104Cと第2電極106Cから形成されている。また、固体電解質体109Zと固体電解質体105Zとの間には小空間としての中空の測定室107c2が形成されており、第2電極106C及び第3電極108Cが測定室107c2内に配置されている。測定室107c2は先端側で外部と連通しており、該連通部分には、拡散律速部115Cが配置されている。
また、第2固体電解質体109Zの表面には、第4電極110Cを挟み込むようにして、保護層111Zが形成されている。又、保護層111Zのうち第4電極部110Cを覆う部分がくり抜かれて多孔質の電極保護部113Cが埋め込まれている。
又、図4の例では、固体電解質体109Z,105Z,151の外形寸法がガスセンサ1と同一とされており、上述の酸素センサ素子100のように支持体をくり抜いて埋め込む形態とはなっていない。
第2ポンプセル150は、絶縁体185により隔てられた基準酸素室170と第2測定室160との間で酸素のポンピング(汲み出し)を行うことができる。
なお、重なり部S2は、重なり部S1と同様に次のように定義される。まず、酸素ポンプセル140Cの各構成要素(第2固体電解質体109Z、第3電極108C、第4電極110C)の積層方向の重なり部分の外縁を、酸素ポンプセル140Cの外縁とみなす。同様に、酸素濃度検出セル130Cの各構成要素(第1固体電解質体105Z、第1電極104C、第2電極106C)の積層方向の重なり部分の外縁を、酸素濃度検出セル130Cの外縁とみなす。そして、それぞれ酸素ポンプセル140Cと酸素濃度検出セル130Cの外縁が積層方向に重なった部位を、重なり部S2とする。
具体的には、第2測定室160内の排気ガスは、第2ポンプセル150の第6電極153を触媒としてN2とO2に分解(還元)される。そして分解された酸素は、第6電極153から電子を受け取り、酸素イオンとなって第3固体電解質体151内を流れ、第5電極152に移動する。このとき、測定室107c2で汲み残された残留酸素も同様に、Ip2セル150によって基準酸素室170内に移動する。このため、Ip2セル150を流れる電流は、NOx由来の電流および残留酸素由来の電流となる。
ここで、測定室107c2で汲み残された残留酸素の濃度は上記のように所定値に調整されているため、その残留酸素由来の電流は略一定とみなすことができ、NOx由来の電流の変動に対し影響は小さく、Ip2セル150を流れる電流はNOx濃度に比例することとなる。
なお、NOxセンサ素子100Cにおいて、第2ポンプセル150の第3固体電解質体151の厚みt3も、第1固体電解質体105Zの厚みt1より薄くしてもよい。この場合には、第2ポンプセル150の消費電力が低減すると共に、第2ポンプセル150の応答性が向上し、ブラックニングを抑制できる。
得られた結果を表1に示す。
30 ハウジング
100、100C ガスセンサ素子
101、103、101C、103C 絶縁セラミック体(第1基体及び第2基体)
102、102C 発熱体
104、104C 基準電極(第1電極)
105、109 絶縁基板(第1支持体、第2支持体)
106、106C 検出電極(第2電極)
一対の電極
105c、105Z 第1固体電解質体
109c、109Z 第2固体電解質体
107c、107c2 測定室
108、110、108C,110C 一対の電極(第3電極及び第4電極)
108、108C 一方の電極(第3電極)
130、130C 酸素濃度検出セル
140、140C 酸素ポンプセル
200、200C ヒータ部
t1 第1固体電解質体の厚み
t2 第1固体電解質体の厚み
S1,S2 重なり部
Claims (8)
- 第1固体電解質体と該第1固体電解質体に配置された検出電極及び基準電極とを有し、外部に連通して被測定ガスが導入される測定室に面して前記検出電極が配置されて、該測定室内の酸素濃度に応じて起電力を発生する酸素濃度検出セルと、
第2固体電解質体と該第2固体電解質体に配置された一対の電極とを有し、該一対の電極のうち一方の電極が前記測定室に面して配置されて、前記起電力が一定になるように該測定室内の酸素をポンピングする酸素ポンプセルと、
を積層してなるガスセンサ素子であって、
前記第2固体電解質体の厚みt2が前記第1固体電解質体の厚みt1より薄くなっているガスセンサ素子。 - 絶縁セラミック体に通電により発熱する発熱体を有するヒータ部をさらに積層してなり、
前記ヒータ部は、前記第1固体電解質体の内部抵抗値Rpvsに基づいて制御される請求項1に記載のガスセンサ素子。 - 絶縁セラミック体に通電により発熱する発熱体を有するヒータ部をさらに積層してなり、
前記ヒータ部は、積層方向に前記第2固体電解質体よりも前記第1固体電解質体に近接して配置されている請求項1に記載のガスセンサ素子。 - 前記ヒータ部は、積層方向に前記第2固体電解質体よりも前記第1固体電解質体に近接して配置されている請求項2に記載のガスセンサ素子。
- 前記第2固体電解質体の厚みt2が20μmを超える請求項1〜4のいずれか一項に記載のガスセンサ素子。
- 前記酸素ポンプセルと前記酸素濃度検出セルとの少なくとも一部が積層方向に重なって重なり部を形成する請求項1〜5のいずれか一項に記載のガスセンサ素子。
- 前記第1固体電解質体と前記第2固体電解質体のうち少なくとも一方の固体電解質体は、当該固体電解質体よりも熱伝導率の高い絶縁基板をくり抜いた部位に埋め込まれてなる請求項1〜6のいずれか一項に記載のガスセンサ素子。
- 被測定ガス中の特定ガス成分の濃度を検出するセンサ素子と、該センサ素子を保持するハウジングとを備えるガスセンサにおいて、
前記センサ素子は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のガスセンサ素子を用いることを特徴とするガスセンサ。
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