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JP6440065B2 - 電極触媒及びその製造方法 - Google Patents
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JP6440065B2 - 電極触媒及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電極触媒に係り、更に詳細には、酸性条件下から塩基性条件下において化学的安定性を有し、上記条件下における触媒活性が優れる電極触媒に関する。
空気電池は、正極活物質として酸素を利用するものであり、電池内に正極活物質を有する必要がない。したがって、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等、他の電池に比して多くの負極活物質を含有させることが可能であり、エネルギー密度が高く小型化及び軽量化が可能である等の利点を有する。そのため、次世代の自動車用電源としての活用が期待される。
上記空気電池としては、例えば、リチウム空気電池、マグネシウム空気電池、亜鉛空気電池等の金属空気電池が知られている。
空気電池は、正極、電解液、負極、セパレータ等からなり、上記正極は放電の際に外部から酸素を取り込んで反応させる機能を有するものであり、ガス拡散電極が用いられることが多い。そして、ガス拡散電極には、酸化還元反応を促進させる触媒を含有させることが一般的である。
また、上記電解質が水系電解液の場合には、下記の放電反応が進むと考えられている。
(放電時)
負極 : M → M + e
正極 : O +2HO + 4e → 4OH
上記のように、放電が進行するにつれて正極から生成する水酸化物イオンの濃度が増大するので電解液のpHは大きくなる。また、電解液に酸性溶液を使用する可能性もあることから、上記触媒には、中性だけでなく広い範囲のpHにおいて、安定かつ触媒活性を有することが求められ、白金(Pt)または白金合金が用いられている。
しかし、白金は非常に高価であり、資源的にも稀少な金属であるため、非Pt系の触媒の開発が求められる。
特許文献1には、酸素欠陥が導入された遷移金属酸化物を用いた酸素還元触媒は、酸性溶液、アルカリ溶液、中性溶液、有機系溶媒のいかなる性質をもつ電解液も使用することができる旨が開示されている。
特開2012−200643号公報
しかしながら、遷移金属酸化物を酸素還元触媒に用いたものは、酸素還元性能力が十分ではなく、さらなる改善の余地がある。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、酸性条件下から塩基性条件下において化学的安定性を有し、上記条件下において優れた活性を有する電極触媒の提供することにある。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意研究を行なった結果、金属成分として、モリブテン(Mo)又はタングステン(W)を必須の成分として含む金属窒化物は、酸性からアルカリ性の電解質下において化学的に安定であり、かつ優れた触媒活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の電極触媒は、モリブテン(Mo)又はタングステン(W)を含む金属窒化物を有し、上記金属窒化物が、Ni 1.5 Co 1.5 Mo N、Co Mo N、Ni Mo N、Fe Mo N、Mo N、Co N、MnWN 、及びCo Nから成る群から選ばれた少なくとも1つの複合金属窒化物であることを特徴とする。
また、本発明の電極触媒の製造方法は、前駆体酸化物を経由する上記電極触媒の製造方法であって、モリブテン又はタングステンを含む触媒材料を焼成した前駆体酸化物を窒化することを特徴とする。
本発明によれば、モリブテン(Mo)又はタングステン(W)を含む金属窒化物を用いることとしたため、酸性からアルカリ性の電解質下において化学的に安定であり、かつ優れた触媒活性を有する電極触媒を提供することができる。
また、本発明によれば、触媒材料を前駆体酸化物とし、該前駆体酸化物を窒化することとしたため、酸性からアルカリ性の電解質下において化学的安定性を有するだけでなく、優れた触媒活性を有する電極触媒を製造できる。
実施例において作製したガス拡散電極の模式断面図である。 実施例において作製したガス拡散電極の還元電流を測定するために用いた装置の模式図である。 実施例9において作製した窒化物の1M−HCl水溶液浸漬前後のXRDパターンを示す。
本発明の電極触媒について詳細に説明する。
本発明の電極触媒は、金属窒化物を有するものであり、該金属窒化物は、少なくともモリブテン(Mo)又はタングステン(W)を含む。
上記金属窒化物は、モリブテン又はタングステンだけでなく、他の金属元素を含んでいてもよく、2元系又は3元系の金属窒化物であってもよい。
上記金属窒化物は、強酸性電解質等の強酸性雰囲気下(例えば、pH4以下)であっても溶出せず化学的に安定であり、酸性からアルカリ性の広範囲のpHにおいて優れた触媒活性を有する。
上記金属窒化物としては、次の一般式(I)で表される金属窒化物を挙げることができる。
Figure 0006440065
但し、一般式(I)中、Aは遷移金属元素、Bはモリブテン(Mo)又はタングステン(W)を表し、x、yは、0≦x≦10、0<y≦10である。
また、上記3元系の金属窒化物としては、次の一般式(II)で表される3元系複合金属窒化物を挙げることができる。
Figure 0006440065
但し、一般式(II)中、A’A’’は、互いに異なる遷移金属元素、Bはモリブテン(Mo)又はタングステン(W)を表し、x、yは、0≦x≦10、0<y≦10であり、αは、0<α<1である。
また、上記モリブテン(Mo)又はタングステン(W)以外の他の金属元素が、遷移元素であると酸素還元活性が向上する。
上記遷移元素としては、例えば、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、銀(Ag)、ガドリニウム(Gd)、バナジウム(V)、ランタン(La)等を挙げることができ、中でも鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)であることが好ましい。
上記金属窒化物は、金属原子の格子間に窒素が侵入した侵入型化合物であることが好ましい。該侵入型化合物は、定比化合物だけでなく不定比の固溶体であってもよい。
侵入型の化合物を形成するものは、一般的に4〜6族の遷移金属元素を有するものに限られる。
本発明の金属窒化物が優れた触媒活性を有する理由は明らかにされていないが、窒素原子は、酸素原子よりも電気陰性度が小さく、陰イオンになり難いため、イオン結晶とはならずに侵入型化合物を形成し、電気抵抗が低いことも、電気化学的触媒活性が優れる一因となっていると考えられる。
上記電極触媒における金属窒化物の組成は、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP)により測定できる。
本発明の電極触媒において、上述した金属窒化物の形状や大きさは、特に制限されず公知の金属窒化物と同様の形状及び大きさが使用できるが、金属窒化物は、粒状であることが好ましい。
金属窒化物の平均粒子径は、小さいほど電気化学反応が進行する有効電極面積が増加するため触媒活性も高くなり好ましいが、実際には平均粒子径が小さすぎると却って触媒活性が低下する現象が見られる。したがって、金属窒化物の平均粒子径は、数nm〜数百nmであることが好ましい。
なお、本発明における「金属窒化物の平均粒径」は、X線回折における金属窒化物の回折ピークの半値幅より求められる結晶子径、あるいは透過型電子顕微鏡像より調べられる金属窒化物の粒子径の平均値により測定することができる。
本発明の電極触媒は、電極反応を促進させる上記金属窒化物の他に、導電性材料を含むことができる。導電性材料を含むことで、上記電極触媒を用いて作製した電極触媒層において、酸素などの反応ガスを十分に拡散させるための空隙を確保することができる。
したがって、得られる電極触媒の酸素還元活性の更なる向上が図れる。また、集電体として十分な電子導電性を有している導電性材料を用いることにより、電極反応を阻害することもない。
本発明の電極触媒において、上記金属窒化物と上記導電性材料とは、単に混合されて用いられてもよいが、上記金属窒化物は導電性材料に担持されて用いられることが好ましい。上記導電性材料を触媒担体として用いることにより、上記金属窒化物を高分散させることができ、長期にわたって高い触媒活性が得られる。
上記導電性材料としては、金属窒化物を所望の分散状態で担持させるための比表面積を有し、集電体として充分な電子導電性を有しているものであればよく、主成分が炭素原子で構成されるものであることが好ましい。
本発明において、上記主成分が炭素原子とは、2〜3質量%程度以下の炭素原子以外の不純物の混入を排除するものでないことを意味する。
上記導電性材料としては、例えば、アセチレンブラック、バルカン、ケッチェンブラック、ブラックパール、黒鉛化アセチレンブラック、黒鉛化バルカン、黒鉛化ケッチェンブラック、黒鉛化ブラックパール、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンフィブリル、フラーレン、グラフェン等が挙げられ、これらは一種又は2種以上を混合して用いてもよい。
上記導電性材料のBET比表面積は、金属窒化物を高分散担持させるのに充分な比表面積を有すればよいが、好ましくは5〜1600m/g、より好ましくは50〜1300m/gである。
上記比表面積が、20m/g未満であると上記導電性材料への金属窒化物の分散性が低下して十分な発電性能が得られないことがあり、1600m/gを超えると金属窒化物の有効利用率が低下することがある。
また、上記導電性材料の大きさは、特に限定されないが、担持の容易さ及び触媒利用率を適切な範囲で制御するなどの観点からは、平均直径を5〜200nm、好ましくは10〜100nm程度とするのがよい。
本発明の電極触媒において、金属窒化物の含有量は、電極触媒の全量に対して、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%とすることが好ましい。上記含有量が、80質量%を超えると金属窒化物の導電性材料上での分散度が低下して、担持量に比して発電性能の向上が小さく経済上での利点が低下することがある。また、上記担持量が、10質量%未満であると、単位質量あたりの触媒活性が低下して所望の触媒活性を得るために多量の電極触媒が必要となることがある。
なお、金属窒化物の含有量は、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP)によって調べることができる。
<製造方法>
上記金属窒化物は、モリブテン又はタングステンを含む触媒材料を窒化処理することで作製できる。上記触媒材料はモリブテン単体及びその塩、又は、タングステン単体及びその塩の他、モリブテン又はタングステン以外の他の金属を含む2元系又は3元系の触媒材料を使用できる。
上記2元系又は3元系の触媒材料は、水溶性モリブテン塩又は水溶性タングステン塩を含む溶液と他の水溶性金属材料を含む溶液とを混合し、pHを調整して固形物を生成させ、瀘別することで触媒材料が得られる。
具体的には、水溶性金属材料を含む溶液のpHを酸性に調整することで沈殿物等の固形物を生成させる。上記pHとしては、0以上7未満であり、好ましくは0〜4である。酸性に調整するには、塩酸(HCl)、硫酸、硝酸、酢酸などの酸を添加してもよい。
また、水溶性モリブテン又は水溶性タングステンを含む溶液と、他の水溶性金属材料を含む溶液を混合する際の混合速度は、0.1〜5mL/minであることが好ましく、1〜2mL/minであることがさらに好ましい。上記混合速度が0.1mL/min未満であると時間がかかり過ぎて効率的ではなく、5mL/minを超えると触媒材料の組成が不均一となることがある。
上記固形物は、前記窒化処理前に、自然乾燥、蒸発乾固法、ロータリーエバポレーター、噴霧乾燥機、ドラムドライヤーなど公知の方法を用いて乾燥させてもよい。乾燥時間や乾燥温度は、使用する方法に応じて適宜選択すればよい。
上記塩および水溶性金属材料としては、上記金属元素を含有する硝酸塩、アンモニウム塩、硫酸塩、アミン、炭酸塩、重炭酸塩、塩化物などのハロゲン塩、亜硝酸塩、蓚酸などの無機塩類、ギ酸塩などのカルボン酸塩および水酸化物、アルコキサイド、水酸化物などが挙げられる、これらは一種又は2種以上を混合して用いてもよく、これらを溶解させる溶媒の種類やpHなどによって適宜選択することができる。
上記触媒材料を窒化する窒化処理は、窒素を含有する材料と共に加熱処理を行うことで窒化することができる。例えば、尿素やアセトアミド、チオアセドアミド、メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、炭酸アンモニウム、EDTAなどの固体や、ヒドラジンなどの液体、窒素ガスやアンモニアガス等の窒素を含有する気体でもよい。
固体と共に加熱する場合、加熱時は窒素ガスやアンモニアガスの気流雰囲気下がより窒化が進むが、ArやHeなどの不活性ガス存在下でも窒化することはできる。例えば尿素は加熱時に分解し気体のアンモニアを発生させる。このアンモニアガスと反応することで窒化が可能となる。また、水溶性金属材料と共に水に溶解させてもよく、その場合には、得られる窒化物がより細かくなり、活性の高い触媒となる効果も期待できる。
また、気体を用いる場合は窒素ガスやアンモニアガス等の窒素を含有するガスの気流雰囲気下での加熱処理を行うことで窒化することができる。窒素ガスを用いる場合は水素との混合ガスとして用いることで窒化を促進することができる。
上記窒化処理条件としては、金属触媒材料やその量比にもよるが、600℃以上1000℃以下の温度範囲で5時間〜20時間程度で加熱することを例示することができる。また、窒素またはアンモニアガスの流量としては、常温において100mL/min〜1000mL/min程度を例示できる。
また、本発明の金属窒化物は、上記触媒材料を直接窒化処理してもよいが、触媒材料を焼成して前駆体酸化物とし、この前駆体酸化物を窒化処理することが好ましい。
前駆体酸化物を経由したものは、前駆体酸化物を経由せずに触媒材料を直接窒化処理したものに比して優れた触媒活性を有する。なお、前駆体酸化物とアンモニアとの反応では、窒化の進行とともに酸素が放出されるのでアンモニアは還元剤かつ窒化剤として作用する。
上記触媒材料を焼成して前駆体酸化物とする際の焼成温度としては、触媒材料の組成にもよるが、大気中で300℃以上1000℃以下の温度範囲で行うことができ、また、焼成時間は5時間〜100時間程度焼成することを例示できる。また、窒化処理の前に乳鉢等で粉砕するなど微細化処理を行うことで、より窒化が進み、触媒活性の優れた窒化物を得ることができる。
本発明の電極触媒は、上記のように、金属窒化物と導電性材料と合わせて使用することができ、金属窒化物と導電性材料とは、単に混合されて用いられてもよく、導電性材料に金属窒化物を担持させた電極触媒として用いられてもよい。
前記導電性材料と触媒材料とが単に混合された電極触媒は、金属窒化物と導電性材料とを混合すればよい。また、導電性材料に金属窒化物を担持させた電極触媒は、従来公知の方法で得ることができ、例えば、含浸法、液相担持法、蒸発乾固法、コロイド吸着法、噴霧熱分解法、逆ミセル(マイクロエマルジョン法)等が挙げられるが、以下の方法で作製することが好ましい。
すなわち、上記触媒材料を分散させた分散液のpHを酸性に調製した後に、導電性材料を混合撹拌して分散させ、10〜60℃で、1〜10時間反応させて導電性材料に触媒材料を担持させる。その後、上記分散・混合液をろ過し、得られた固形物を窒化処理することで、上記導電性材料に金属窒化物を担持させた電極触媒とすることができる。
上記本発明の電極触媒は、空気電池、燃料電池等の電極触媒層に用いることができ、特に水系電解液を用いた空気電池や燃料電池の正極の触媒層に好ましく使用される。
以下に、実施例および参考例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
純水に、モリブデン酸アンモニウム水和物(NHMo24・4HOを加え、攪拌して溶液(A)を調製した。同様に、純水に硝酸ニッケル水和物Ni(NO・4HOを加え攪拌した溶液(B)及び硝酸コバルト水和物をCo(NO・4HOを加え攪拌した溶液(C)を調整した。
モル比がMo:Ni:Co=2:1:1となるように、上記溶液(A)を攪拌しながら上記溶液(B)を滴下し、続いて上記溶液(C)を同様に滴下して触媒材料の懸濁液を得た。
上記懸濁液を吸引ろ過して、得られた固形物を120℃で12時間乾燥した後、乳鉢で粉砕し、650℃で9時間焼成し、室温まで降温した後、取り出して乳鉢で粉砕し、前駆体酸化物を得た。
上記前駆体酸化物を、アンモニアガス(純度99.8%以上)を200mL/minで流しながら、700℃で6時間焼成して、Ni1.5Co1.5MoNの組成を有する金属窒化物を得た。
上記金属窒化物0.3gに、導電性材料としてカーボンブラック(ケッチェンブラックEC)0.4gを混合し電極触媒を得た。
[実施例2]
実施例1において、硝酸ニッケルを用いず、モル比がMo:Co=1:1となるように混合すること以外は、実施例1と同様にしてCoMoNの組成を有する金属窒化物を含む電極触媒を得た。
[実施例3]
実施例1において、硝酸コバルトを用いず、モル比がMo:Ni=3:2となるように混合し、750℃で焼成すること以外は、実施例1と同様にしてNiMoNの組成を有する金属窒化物を含む電極触媒を得た。
[実施例4]
実施例1において、硝酸ニッケル、硝酸コバルトに替えて、硝酸鉄水和物を用い、モル比がMo:Fe=1:1となるように混合し、750℃で焼成する以外は、実施例1と同様にしてFeMoNの組成を有する金属窒化物を含む電極触媒を得た。
[実施例5]
実施例1において、硝酸ニッケル、硝酸コバルトを用いないことと700℃で9時間焼成する以外は、実施例1と同様にしてMoNの組成を有する金属窒化物を含む電極触媒を得た。
[実施例6]
実施例1において、硝酸ニッケル、硝酸コバルトを用いないことと、650℃で9時間焼成し前駆体酸化物を得る工程がないことと、700℃で9時間焼成して窒化処理する以外は、実施例1と同様にしてMoNの組成を有する金属窒化物を含む電極触媒を得た。
[実施例7]
純水に、タングステン酸アンモニウム水和物(NH101241・4HOを加え攪拌し、溶液(D)を調製した。同様に、純水に硝酸マンガン水和物Mn(NO・4HOを加え攪拌したものを溶液(E)として調整した。
モル比がW:Mn=1:1となるように、上記溶液(D)を攪拌しながら上記溶液(E)を滴下して触媒材料の混合液を得た。前記混合液を全体の量が30ml以下になるまで大気中で濃縮させたのち、アルミナボートに移し、120℃で12時間乾燥した。
得られた固形物を800℃まで昇温し、アンモニアガス(純度99.8%以上)を200mL/minで流しながら9時間焼成して、MnWNの組成を有する金属窒化物を含む電極触媒を得た。
[実施例8]
市販のタングステン酸マンガンMnWO粉末を、アンモニアガス(純度99.8%以上)を200mL/minで流しながら、750℃で9時間焼成して、MnWNの組成を有する金属窒化物を含む電極触媒を得た。
[実施例9]
純水に、タングステン酸アンモニウム水和物(NH101241・4HOを加え攪拌し、溶液(F)を調製した。同様に、純水に硝酸コバルト水和物Co(NO・4HOを加え攪拌したものを溶液(G)、純水に4H−EDTAを加え攪拌したものを溶液(H)、純粋にポリエチレンイミド(PEI)を加え攪拌したものを溶液(I)として調整した。
前記溶液(F)を攪拌しながら、モル比でCo:W:EDTA=1:1:2EDTAの半分の重量のPEIとなるように、前記溶液(G)を滴下した後、続いて前記溶液(H)、溶液(I)を同様に滴下し混合液を得た。
前記混合液を大気中で、全体の量が30ml以下になるまで濃縮させたのち、アルミナボートに移し、120℃で12時間乾燥した。得られた固形物を800℃まで昇温し、窒素フロー中200mL/minで15時間焼成した。これによって、CoNの組成を有する電極触媒を得た。
上記で得られた窒化物を水洗後、1M−HCl水溶液に12時間浸漬させた。浸漬前後のXRDパターンを図3に示す。
[比較例1]
高純度化学(株)製の二酸化マンガン0.3gに、導電性材料としてカーボンブラック(ケッチェンブラックEC)0.4gを混合し電極触媒を得た。
この酸化物の耐酸性を確認するために1M−HClに浸漬させたところ、溶解することを確認した。
[比較例2]
純水にモリブデン酸アンモニウム水和物(NH1024・4HOを溶解させ、70℃で乾燥させたのち650℃、3時間加熱してMoOを得た。
得られた酸化物の耐酸性を確認するために1M−HClに浸漬させたところ、溶解することを確認した。
[比較例3]
実施例1において、モリブデン酸アンモニウム水和物、硝酸ニッケル、硝酸コバルトに替えて、硝酸鉄水和物を用い、800℃で9時間焼成する以外は、実施例1と同様にしてFeNの組成を有する金属窒化物を含む電極触媒を得た。
得られた窒化物の耐酸性を確認するために1M−HClに浸漬させたところ、溶解することを確認した。
<評価>
上記で作製した電極触媒の触媒活性を以下の手順に従って測定し評価した。
1.ガス拡散電極の作製
カーボンブラック(アセチレンブラック)6gと、界面活性剤(トライトンX−100)6gと、純水180mLと、を混合した。さらに、PTFE分散液(ダイキン工業社製ポリフロンD−1E、PTFE60wt%)を固形分換算で0.3gを加え、ホモジナイザーで混合・粉砕し、吸引濾過した後、120℃で12時間乾燥させた。
上記乾燥物を粉砕して微粒化し、280℃で3時間熱処理して、トライトンX−100を除去し、粉砕してガス拡散層形成用粉末を得た。
上記実施例1の電極触媒0.4gを、1−ブタノール10mL、および、純水100mLを混合した溶液に加え、1時間攪拌した後、PTFE分散液(ダイキン工業社製ポリフロンD−1E、PTFE60wt%)を固形分換算で0.3gを加えて、さらに1時間攪拌した。
これを吸引濾過し、120℃で12時間乾燥し、さらにこれを粉砕して触媒層形成用粉末を得た。
また、上記実施例2〜9、比較例1〜3の電極触媒を用いる他は同様にして、触媒層形成用粉末を得た。
ホットプレスの金型に、Niメッシュをのせ、この上に、ガス拡散層形成用粉末120mgを均一に充填し、さらに、60mgの触媒層形成用粉末を均一に充填し、これを30MPaで10分間プレスした。
金型から取り出した成形体を金板で挟み、これを550℃に加熱した電気炉に投入して、成形体の内温を380℃に昇温した後、再度取り出し、60MPaで10分間プレスして、集電材、ガス拡散層、触媒層が積層されたガス拡散電極を作製した。
ガス拡散電極の断面図を図1に示す。図1中、101はNiメッシュ、102はガス拡散層、103は触媒層である。
なお、ガス拡散層は、厚さ0.2mm、直径15mmφとし、電極触媒層は、厚さ0.2mm、直径15mmφとした。
2.ガス拡散電極の評価
上記で作製したガス拡散電極の還元電流を図2に示す装置を用いて70℃で測定を行った。
上記で作製したガス拡散電極100をセルに取り付け、2N−HSO水溶液110中で、対極130には白金板を、参照極(RHE)140には水素電極を用い、反応ガスには純酸素を80mL/minで流した。ポテンシオスタット150を用いて、数分間経過後、安定した電位(レストポテンシャル、R.P)を確認した。10分間10mAの電流を流した後、電位を負方向に掃引させ、還元電流を測定し、X−Tレコーダー160で記録した。
また、5N−KOH水溶液を電解液とした場合の正極電位700mVでの電流密度I700(mA/cm)およびHSO水溶液を電解液とした場合の正極電位400mVでの電流密度I400(mA/cm)を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 0006440065
※―の項目については未実施、×については酸に溶解するため実施できず。
100 ガス拡散電極
101 Niメッシュ
102 ガス拡散層
103 触媒層
110 2N−HSO水溶液
120 水浴
130 対極
140 参照極
150 ポテンシオスタット
160 X−Tレコーダー
170 ルギン細管

Claims (4)

  1. モリブテン(Mo)又はタングステン(W)を含む金属窒化物を有する空気電池用電極触媒であって、
    上記金属窒化物が、Ni 1.5 Co 1.5 Mo N、Co Mo N、Ni Mo N、Fe Mo N、Mo N、Co N、MnWN 、及びCo Nから成る群から選ばれた少なくとも1つの複合金属窒化物であることを特徴とする空気電池用電極触媒。
  2. 請求項1に記載の空気電池用電極触媒の製造方法であって、モリブテン又はタングステンを含む触媒材料を焼成した前駆体酸化物を窒化処理することを特徴とする空気電池用電極触媒の製造方法。
  3. 上記窒化処理が、窒素を含有材料の存在下で焼成するものであることを特徴とする請求項に記載の空気電池用電極触媒の製造方法。
  4. 上記窒化処理が、窒素を含有するガスの雰囲気下で焼成するものであることを特徴とする請求項に記載の空気電池用電極触媒の製造方法。
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