JP6440367B2 - 風車翼の損傷検知方法及び風車 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、風車の各風車翼に振動を検出する振動センサを取付け、これら振動センサから得られる振動パターンを比較判定する判定手段とを備える風車翼破損検知装置が記載されている。この風車翼破損検知装置では、振動センサで検出された振動信号(強度信号)はスペクトラムアナライザにより周波数成分に変換され、さらに、周波数領域(例えば0〜10MHz)を分割した区間ごとのピーク値を用いてパターン化される。判定手段は、このようにパターン化された振動波形と、予めデータベースに取り込んでおいた正常時の波形パターンとを比較する。そして、例えば、取得した振動波形から正常時波形を差分した値が所定の割合だけ(例えば20%以上)変動があれば異常と判定するようになっている。
一方、風車翼に加わる荷重は風速に依存するから、該荷重に影響を受ける風車翼の振動も風速の影響を受ける。このため、上記風車翼破損検知装置で風車翼の振動を検出できたとしても、検出した振動に基づく風車翼の異常検知において、風速の影響を考慮せずに風車翼の異常を精度良く検知することは難しい。
少なくとも1枚の風車翼を備える風車ロータにおける前記風車翼の損傷検知方法であって、
前記風車翼の振動を示す振動データ又は前記風車翼の内部の音響データを取得するデータ取得ステップと、
前記データ取得ステップで取得した前記振動データ又は前記音響データの経時変化に基づいて、前記風車翼の損傷を検出する検出ステップと、を備え、
前記検出ステップにおいて、前記データ取得ステップで取得した前記振動データ又は前記音響データのうち、風速が風速規定範囲内であるときに取得した振動データのみ又は音響データのみを用いて前記風車翼の損傷を検出する。
また、上記風車翼の損傷検出方法に必要な振動データ又は音響データは風車の運転中においても取得可能であるため、風車翼の損傷検知を目的として風車の運転を停止する必要がない。よって、風車の稼働率の低下を招くことなく、風車翼の損傷検知を行うことができる。
前記風車ロータは複数の風車翼を備え、
前記データ取得ステップでは、前記複数の風車翼の各々について振動データ又は音響データを取得し、
前記複数の風車翼のうち1枚の検出対象風車翼の振動データ又は音響データと、他の風車翼のうち1枚以上の比較対象風車翼の振動データ又は音響データを反映した基準値との差分を算出する差分算出ステップをさらに備え、
前記検出ステップでは、前記差分算出ステップで算出される前記差分の経時変化に基づいて、前記検出対象風車翼の損傷を検出する。
この場合、複数の風車翼のうち1枚の検出対象風車翼の振動データ又は音響データと、他の風車翼のうち1枚以上の比較対象風車翼の振動データ又は音響データを反映した基準値との差分を風車翼の損傷の検知に用いるので、風速の変化等の運転状態による損傷検知に対する影響を排除することができる。このため、風車翼の損傷をより的確に検知することが可能となる。
この場合、風車翼の損傷検知において、風車翼の内壁面に取り付けられた振動センサ又は音響センサを用いるので、翼外皮に発生するクラックや、翼外皮等における接着剤剥離等、風車翼に発生する損傷を検出することができる。
背側の翼外皮と腹側の翼外皮とを接着剤で貼り合わせることによって作製された風車翼では、経年劣化等により接着剤剥離が発生し、口開きの状態となってしまうことがある。上記実施形態では、風車翼の損傷検知において、風車翼の前縁部又は後縁部に取り付けられた振動センサまたは音響センサを用いて取得した振動データ又は音響データを用いるので、風車翼の前縁又は後縁における口開きを検知しやすい。
風車翼の翼長方向に沿って設けられるシアウェブと風車翼の内壁とが接着剤で張り合わされている場合、経年劣化等により接着剤剥離が生じる場合がある。上記実施形態では、風車翼の損傷検知において、風車翼の背側又は腹側に取り付けられた振動センサまたは音響センサを用いて取得した振動データ又は音響データを用いるので、風車翼の背側又は腹側において発生する、シアウェブと風車翼の内壁との接着剤剥離や、風車翼の背側又は腹側におけるクラックの発生および進展を検知しやすい。
この場合、風車翼の損傷検知において、風車翼のシアウェブに取り付けられた振動センサ又は音響センサを用いるので、シアウェブと風車翼の内壁との接着材剥離を検知しやすい。
翼根部において発生したクラック等が進展してしまうと、風車翼の折損等重大事故につながる可能性がある。上記実施形態では、風車翼の損傷検知において、風車翼の翼根部に取り付けられた振動センサまたは音響センサを用いて取得した振動データ又は音響データを用いるので、風車翼の折損等につながる可能性のある翼根部の損傷を効果的に検知することができる。
風車において、風車翼の翼先端部とは反対の翼根部の側(ロータヘッド側)には、風車翼が取り付けられるハブや、ハブに接続される機器が存在し、風車の運転中、これらの動作による振動や音が発生している。このため、風車翼のロータヘッド側に振動センサや音響センサを設けると、損傷に起因する振動又は音響以外の振動や音によるノイズがセンサに拾われやすくなる。上記実施形態では、風車翼の損傷検知において、風車翼の翼先端部に取り付けられた振動センサまたは音響センサを用いて取得した振動データ又は音響データを用いるので、損傷に起因する振動又は音以外の振動や音によるノイズの影響が低減された状態で風車翼の損傷を検知することができる。
また、上記実施形態では、風車翼の損傷検知において、風車翼の翼先端部に取り付けられた振動センサまたは音響センサを用いて取得した振動データ又は音響データを用いるので、翼先端部において発生する風車翼外皮の接着剤剥離による口開きを検知しやすい。
このように、振動データに基づいて、風車翼の損傷を検知するとともに、故障モードを判別することで、より詳細な損傷検知が可能となる。
少なくとも1枚の風車翼を備える風車ロータと、
前記風車翼の振動又は前記風車翼の内部の音を検出するための振動センサ又は音響センサと、
前記風車翼の損傷を検知するための損傷検知部と、を備え、
前記損傷検知部は、前記振動センサ又は前記音響センサの検出結果から取得される振動データ又は音響データのうち、風速が風速規定範囲内であるときに取得した振動データ又は音響データの経時変化に基づいて、前記風車翼の損傷を検出するように構成される。
また、上記風車によれば、上記風車翼の損傷検出方法に必要な振動データ又は音響データは風車の運転中においても取得可能であるため、風車翼の損傷検知を目的として風車の運転を停止する必要がない。よって、風車の稼働率の低下を招くことなく、風車翼の損傷検知を行うことができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る風車1の全体構成を示す概略図であり、図1(A)は風車1を側面から見た図であり、図1(B)は風車1を正面から見た図である。図1(A)及び(B)に示すように、風車1は、少なくとも1枚の風車翼2と、風車翼2が取り付けられるハブ4とを備える風車ロータ6と、ナセル8と、ナセル8を支持するタワー10とを含む。なお、図1に示す風車1では、3枚の風車翼2がハブ4に取り付けられている。この風車1では、風が風車翼2に当たると、風車翼2及びハブ4を含む風車ロータ6が、風車ロータ6の回転軸の周りを回転する。
また、図1に示す風車1は、風車翼2の損傷を検知するための損傷検知部30を備える。
なお、図1に示す風車1において、翼根部12とは、風車翼2のハブ4側の端部を構成している構造部分のことである。翼根部12は、円筒形の形状に形成されており、風車翼2からハブ4へ伝達される曲げモーメントを負担する。
音響センサ21は、計測地点における音を検出することができるものであり、その検出結果からは、計測地点における音の周波数や音量等の音響データを取得することができる。音響センサ21としては、例えばマイクロフォンを用いることができる。
データ記録部18に入力された振動又は音響の信号は、タワー10内部に配線された信号ケーブル17を経由して損傷検知部30に入力され、損傷検知部30において風車翼2の損傷を検出する。ここで、「損傷」とは、風車翼の折損に至る事象のことであり、例えば風車翼の外皮におけるクラックの発生及び進展や、接着材剥離の発生及び進展等、風車翼の折損の要因となる事象が発生していることをいう。
なお、損傷検知部30は、図1に示すように、ナセル8やタワー10の外部に配置されていてもよいし、ナセル8やタワー10の内部に配置されていてもよい。また、損傷検知部30は、風車に関する情報(例えば、風速や、風車ロータの回転数等の諸々の情報)を風車から離れた遠隔地で一括して収集、監視及び管理する遠隔監視システム(例えばSCADA)の一部であってもよい。
なお、損傷検知部30による風車翼の損傷の検出については、後述する。
図3に示すように、翼本体3は、背側22の外表面を構成する背側外皮32と、腹側24の外表面を構成する腹側外皮34とを含み、背側外皮32と腹側外皮34とは、風車翼2の前縁26及び後縁28において、接着材38を介して貼り合わされている。また、図3及び図4に示すように、シアウェブ36と風車翼2の内壁面5とは、風車翼2の背側22及び腹側24において、接着剤39を介して貼り合わされている。なお、本明細書において、腹側外皮及び背側外皮をまとめて「外皮」又は「翼外皮」と称することもある。
図3及び図4に示すように、振動センサ20(20A,20B)は、接着剤42を用いて風車翼2の内部に固定され、例えば風車翼2の内壁面5(すなわち翼本体3の内壁面)や、シアウェブ36の表面に固定される。
また、図4に示すように、音響センサ21は、風車翼2からの固体音等が音響センサ21に伝わらないように、クッション材44を介して風車翼2の内壁面5にテープ等を用いて固定される。例えば、風車翼2の内壁面5に、風車翼2からの固体音等を吸収するための十分な厚さを有するクッション材44を敷き、その上に音響センサ21を載せて、音響センサ21をクッション材44とともに風車翼2の内壁面5にテープで数か所貼り付けて固定する。クッション材44は、風車翼2から伝播する固体振動や固体音を吸収するものであり、例えばスポンジ等で形成される。
なお、図4に示すように、風車翼2の翼根部12には隔壁板46が設けられており、この隔壁板46には開閉可能なマンホール48が設けられている。信号ケーブル17は、マンホール48に設けられた開口部49を通って振動センサ20(20A,20B)又は音響センサ21とデータロガー54とを接続してもよい。
この場合、風車翼2の内壁面5に取り付けられた振動センサ20Aを用いることで、背側外皮32又は腹側外皮34に発生するクラックや、背側外皮32と腹側外皮34との間における接着剤38の剥離、背側外皮32又は腹側外皮34とシアウェブ36との間における接着剤39の剥離等、風車翼2に発生する損傷を検出することができる。
この場合、風車翼2の前縁26又は後縁28における口開き(すなわち背側外皮32と腹側外皮34との間における接着剤38の剥離)を検知しやすい。
この場合、風車翼2の背側22又は腹側24において発生する、シアウェブ36と風車翼の内壁面5との接着剤39の剥離や、風車翼2の背側22又は腹側24におけるクラックの発生および進展を検知しやすい。
なお、風車1の運転中、風車翼2は、腹側24が正面(風上側)を向いて風を受けるようになっており、風車翼2の腹側24に常時風による静圧が加わるため、風車翼2には背側22と腹側24を結ぶ方向(フラップ方向)の曲げ荷重が加わりやすい。このため、風車翼2においては、背側22又は腹側24においてクラックが入りやすい。図4に示す例では、このような背側22又は腹側24におけるクラックを検知しやすいため、風車翼2の損傷検知を効果的に行うことができる。
この場合、シアウェブ36に関わる風車翼2の損傷を検知しやすく、例えば、シアウェブ36と風車翼2の内壁面5における接着材39の剥離を検知しやすい。
図4に示す例では、音響センサ21は、風車翼2の内壁面5のうち、背側22に取り付けられる。
翼根部12において発生したクラック等が進展してしまうと、風車翼2の折損等重大事故につながる可能性がある。振動センサ20(20A,20B)又は音響センサ21を翼根部12に取り付ける上記実施形態では、風車翼2の折損等につながる翼根部12の損傷を効果的に検知することができる。
風車1において、風車翼2の翼先端部14とは反対の翼根部12の側(ロータヘッド側)には、風車翼2が取り付けられるハブ4や、ハブ4に接続される機器が存在し、風車1の運転中、これらのハブ4や機器の動作による振動や音が発生している。このため、風車翼2のロータヘッド側に振動センサ20(20A,20B)や音響センサ21を設けると、損傷に起因しない振動や音によるノイズがセンサに拾われやすくなる。上記実施形態では、風車翼2の損傷検知において、風車翼2の翼先端部14に取り付けられた振動センサ20(20A,20B)または音響センサ21を用いて取得した振動データ又は音響データを用いるので、損傷に起因する振動又は音以外の振動や音によるノイズの影響が低減された状態で風車翼2の損傷を検知することができる。
また、上記実施形態では、風車翼2の損傷検知において、風車翼2の前縁部27又は後縁部29に取り付けられた振動センサ20(20A,20B)または音響センサ21を用いて取得した振動データ又は音響データを用いるので、翼先端部14において発生する背側外皮32と腹側外皮34の接着剤剥離による口開きを検知しやすい。
また、風車翼2には、振動センサ20(20A,20B)又は音響センサ21の何れか一方を取り付けてもよいし、振動センサ20(20A,20B)と音響センサ21の両方を取り付けてもよい。
図5〜図7は、それぞれ、一実施形態に係るデータ取得ステップで取得される振動データを示すグラフの一例である。
データ取得ステップでは、例えば翼根部12に上述の振動センサ20を取り付けた風車翼2において、振動センサ20により得られる風車翼2の振動信号から振動データを取得する。
振動センサ20により取得できる風車翼2の振動データの例として、例えば、振動レベル(振動強度)や、ピーク振動数(固有振動数)が挙げられる。ピーク振動数は、図5に示すような、一定時間計測された振動レベルに対して振動数解析を行って、振動レベルを振動数成分に変換することで得られる。なお、図5において、ピークの振動数fPは風車翼2の固有振動数である。
また、振動を計測する時刻における風速も同時に計測して、図6及び図7に示すような、風速と、風車翼2の振動レベル又はピーク振動数との関係を振動データとして取得することもできる。
なお、図6のグラフは、一定時間計測した振動レベルの平均値又は、一定時間計測した振動のピーク振動数の振動レベルを示すものである。
また、図7のグラフは、一定時間計測した振動のピーク振動数を示すものである。
この際、風車翼に加わる荷重は風速に依存するから、データ取得ステップで取得する振動レベルの大きさ(振動データ)は、振動センサでの振動信号取得時の風速に応じて値がばらつく。
例えば、損傷の要因となるクラックや接着剤剥離が発生した場合、振動レベルは、時間が経過するにつれて増大する傾向となる。このとき、風速が大きい場合には、振動センサ20で検出される振動信号のばらつきが大きくなり、図6に示されるように、振動信号から取得される振動レベルの大きさ(振動データ)もばらつきが大きくなる。
そこで、取得した振動データのうち、風速が風速規定範囲内(例えば風速10〜13m/s)であるときの振動データのみを用いて、該風速規定範囲内で計測された振動レベルの大きさが、所定の範囲(図6中に示すTh1〜Th2)外である計測値が検出されたときに、風車翼2において損傷が生じていると判定する。
ここで、閾値範囲外の振動データが、1回だけでなく時間の経過に従って複数回検出されたときに風車翼2において損傷が生じていると判断してもよい。この場合、より精度良く風車翼2の損傷検知を行うことが可能となる。
この際、風車翼に加わる荷重は風速に依存するから、データ取得ステップで取得する振動レベルの大きさの変化率(振動データ)は、振動センサでの振動信号取得時の風速に応じて値がばらつく。
そこで、取得した振動データのうち、風速が風速規定範囲内(例えば風速10〜13m/s)であるときの振動データのみを用いて、該風速規定範囲内で計測された振動レベルの大きさの変化率が、閾値を超える計測点が発生したときに、風車翼2において損傷が生じていると判定する。
ここで、閾値範囲外の振動データが、1回だけでなく時間の経過に従って複数回検出されたときに風車翼2において損傷が生じていると判断してもよい。このようにすることで、より精度良く風車翼2の損傷検知を行うことが可能となる。
この際、風車翼に加わる荷重は風速に依存するから、データ取得ステップで取得するピーク振動数(振動データ)は、振動センサでの振動信号取得時の風速に応じて値がばらつく場合がある。
そこで、取得した振動データのうち、風速が風速規定範囲内(例えば風速10〜13m/s)であるときの振動データのみを用いて、該風速規定範囲内で計測された振動数が、閾値範囲(図7中に示すTh3〜Th4)外である計測値が出現したときに、風車翼2において損傷が生じていると判定する。
ここで、閾値範囲外の振動データが、1回だけでなく時間の経過に従って複数回検出されたときに風車翼2において損傷が生じていると判断してもよい。この場合、より精度良く風車翼2の損傷検知を行うことが可能となる。
なお、風車翼2のピーク振動数(固有振動数)は、上述したように、振動センサ20により得られる風車翼2の振動信号から得ることができ、図5に示すような、一定時間計測された振動レベルに対して振動数解析を行って、振動レベルを振動数成分に変換することで得られる。そして、検出ステップでは、このようにして得られたピーク振動数の経時変化を監視する。
まず、風車翼2の折損の要因となる故障(損傷)が発生したときのピーク振動数(固有振動数)の変化の傾向と、故障モードとの関係を予め把握しておく。ここで、故障モードとは、故障の種類(クラックや接着剤剥離等)や、故障の大きさや位置のことをいい、故障モード毎に対応する固有振動数が存在する。
そして、振動センサ20により取得されたピーク振動数(振動データ)が、予め把握された故障モードにおける固有振動数と同程度となったときに、風車翼2において、その故障モードが発生していると判別する。例えば、取得されたピーク振動数(振動データ)と予め把握された故障モードにおける固有振動数とのずれが1割程度以下となったとき(すなわち、取得されたピーク振動数(振動データ)をf1、予め把握された故障モードにおける固有振動数をf0としたとき、|f1−f0|/f0≦0.1程度となったとき)、風車翼2において、その故障モードが発生していると判別してもよい。
このように、振動データに基づいて、風車翼の損傷を検知するとともに、故障モードを判別することで、より詳細な損傷検知が可能となる。
また、上述の故障モードの判別においても、データ取得ステップで取得した振動データのうち、風速が風速規定範囲内(例えば風速10〜13m/s)であるときに取得した振動データのみを用いることで、より精度の良い風車翼2の損傷検知が可能となる。
なお、以下には振動データを用いて風車翼の損傷を検知する場合について説明するが、同様に、音響データを用いて損傷を検知することも可能である。
上記風車翼2の振動データとしては、例えば、風車翼2の振動レベルの大きさを用いることができる。この場合、上記基準値としては、例えば、他の風車翼2のうち1枚の比較対象風車翼の振動レベルの大きさを用いることができる。また、上記基準値として、他の風車翼2のうち2枚以上の比較対象風車翼の振動レベルの大きさの平均値や、他の風車翼2のうち2枚以上の比較対象風車翼と、前記一枚の検出対象風車翼の振動レベルの大きさの平均値を用いることもできる。
このように、複数の風車翼2のうち1枚の検出対象風車翼の振動データと、他の風車翼のうち1枚以上の比較対象風車翼の振動データを反映した基準値との差分を風車翼2の損傷の検知に用いることで、風速の変化等の運転状態による損傷検知に対する影響を排除することができる。このため、風車翼2の損傷による異常をより的確に検知することが可能となる。
前記損傷検知部30は、振動センサ20又は音響センサ21の検出結果から取得される風車翼2の振動データ又は音響データのうち、風速が風速規定範囲内であるときに取得した振動データ又は音響データの経時変化に基づいて、風車翼2の損傷を検出するように構成される。
なお、風速は、風車1に風速計を設け、風速計により測定したデータを損傷検知部30に入力するようにしてもよい。
2 風車翼
3 翼本体
4 ハブ
5 内壁面
6 風車ロータ
8 ナセル
10 タワー
12 翼根部
14 翼先端部
16 信号ケーブル
18 データ記録部
20 振動センサ
21 音響センサ
22 背側
24 腹側
26 前縁
27 前縁部
28 後縁
29 後縁部
30 損傷検知部
32 背側外皮
34 腹側外皮
36 シアウェブ
38 接着剤
39 接着剤
42 接着剤
44 クッション材
46 隔壁板
48 マンホール
49 開口部
52 増幅器
54 データロガー
62 翼根
64 翼先端
Claims (10)
- 少なくとも1枚の風車翼を備える風車ロータにおける前記風車翼の損傷検知方法であって、
前記風車翼の振動を示す振動データを取得するデータ取得ステップと、
前記データ取得ステップで取得した前記振動データの経時変化に基づいて、前記風車翼の損傷を検出する検出ステップと、を備え、
前記検出ステップにおいて、
前記データ取得ステップで取得した前記振動データのうち、風速が所定の範囲内であるときに取得した振動データのみを用いて前記風車翼の損傷を検出するとともに、
前記振動データにおけるピーク振動数の経時変化により前記風車翼の故障モードを判別する
ことを特徴とする風車翼の損傷検知方法。 - 前記風車ロータは複数の風車翼を備え、
前記データ取得ステップでは、前記複数の風車翼の各々について振動データを取得し、
前記複数の風車翼のうち1枚の検出対象風車翼の振動データと、他の風車翼のうち1枚以上の比較対象風車翼の振動データを反映した基準値との差分を算出する差分算出ステップをさらに備え、
前記検出ステップでは、前記差分算出ステップで算出される前記差分の経時変化に基づいて、前記検出対象風車翼の損傷を検出する請求項1に記載の風車翼の損傷検知方法。 - 前記データ取得ステップでは、前記風車翼の内壁面に取り付けられた振動センサを用いて前記振動データを取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の風車翼の損傷検知方法。
- 前記データ取得ステップでは、前記風車翼の前縁部又は後縁部に取り付けられた振動センサを用いて前記振動データを取得することを特徴とする請求項3に記載の風車翼の損傷検知方法。
- 前記データ取得ステップでは、前記風車翼の背側又は腹側に取り付けられた振動センサを用いて前記振動データを取得することを特徴とする請求項3に記載の風車翼の損傷検知方法。
- 前記データ取得ステップでは、前記風車翼の内部において前記風車翼の翼長方向に沿って設けられるシアウェブに取り付けられた振動センサを用いて前記振動データを取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の風車翼の損傷検知方法。
- 前記データ取得ステップでは、前記風車翼の翼根部に取り付けられた振動センサを用いて前記振動データを取得することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の風車翼の損傷検知方法。
- 前記データ取得ステップでは、前記風車翼の翼先端部に取り付けられた振動センサを用いて前記振動データを取得することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の風車翼の損傷検知方法。
- 前記検出ステップでは、前記風車翼の故障モードごとの固有振動数を基準として前記故障モードごとに設定された規定範囲内に前記ピーク振動数が含まれるとき、該規定範囲に対応する前記故障モードでの損傷が発生していると判定する
ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の風車翼の損傷検知方法。 - 少なくとも1枚の風車翼を備える風車ロータと、
前記風車翼の振動又は前記風車翼の内部の音を検出するための振動センサと、
前記風車翼の損傷を検知するための損傷検知部と、を備え、
前記損傷検知部は、
前記振動センサの検出結果から取得される振動データのうち、風速が風速規定範囲内であるときに取得した振動データの経時変化に基づいて、前記風車翼の損傷を検出するとともに、
前記振動データにおけるピーク振動数の経時変化により前記風車翼の故障モードを判別するように構成された風車。
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