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JP6442607B2 - 固体電解質組成物、全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池ならびに全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法 - Google Patents
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JP6442607B2 - 固体電解質組成物、全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池ならびに全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解質組成物、全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池ならびに全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン電池には、電解液が用いられてきた。その電解液を固体電解質に置き換え、構成材料を全て固体にした全固体二次電池とする試みが進められている。無機の固体電解質を利用する技術の利点として挙げられるのが、電池の性能全体を総合した信頼性である。例えば、リチウムイオン二次電池に用いられる電解液には、その媒体として、カーボネート系溶媒など、可燃性の材料が適用されている。このような電解液を用いる二次電池では、様々な安全対策が採られている。しかし、過充電時などに不具合を来たすおそれがないとは言えず、さらなる対応が望まれる。その抜本的な解決手段として、電解質を不燃性のものにしうる全固体二次電池が位置づけられる。
全固体二次電池のさらなる利点としては、電極のスタックによる高エネルギー密度化に適していることが挙げられる。具体的には、電極と電解質を直接並べて直列化した構造を持つ電池にすることができる。このとき、電池セルを封止する金属パッケージ、電池セルをつなぐ銅線やバスバーを省略することができるため、電池のエネルギー密度が大幅に高められる。また、高電位化が可能な正極材料との相性の良さなども利点として挙げられる。
上記のような各利点から、次世代のリチウムイオン電池として全固体二次電池の開発が進められている(非特許文献1)。また、全固体二次電池に関連する技術の開発も進められている。例えば、特許文献1には、Li、BおよびOを含み、かつ、C、Al、Si、Ga、Ge、InおよびSnのうち少なくとも1種の元素を含む化合物と、結晶質のリチウムイオン伝導性物質とを含む固体電解質が記載されている。
特開2013−37992号公報
NEDO技術開発機構,燃料電池・水素技術開発部,蓄電技術開発室「NEDO次世代自動車用蓄電池技術開発 ロードマップ2013」(平成25年8月)
上記特許文献1に記載の固体電解質は、リチウムイオン伝導率を向上させるために用いることができる。しかし、上記特許文献1に記載の技術は、固体−固体界面での密着性向上のため、固体電解質と活物質とを焼結させることを前提としている。そのため、全固体二次電池に上記特許文献1に記載の技術を適用しようとすると、焼結により不純物が生じてしまうという問題がある。
そこで本発明は、全固体二次電池において、焼結によらずに、良好なイオン伝導度を実現できる固体電解質組成物、これを用いた全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池、ならびに全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法の提供を課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討し、本発明を完成した。
結晶性酸化物系無機固体電解質および非晶性酸化物系無機固体電解質を含有する固体電解質組成物を用いて、焼結によらずに温和な条件下で行うことができる手法で製造される全固体二次電池は、固体粒子間の界面に、非晶性酸化物系無機固体電解質が存在すると推定される。そのため、非晶性酸化物系無機固体電解質を介して固体粒子同士の接触面積が大きくなり、界面における抵抗が抑制される。その結果、本発明の固体電解質組成物を用いて製造される全固体二次電池は、焼結によらずに、良好なイオン伝導度を実現できることを本発明者らは見出した。本発明はこれらの知見に基づきなされたものである。
すなわち、上記の課題は以下の手段により解決された。
<1>結晶性酸化物系無機固体電解質と非晶性酸化物系無機固体電解質とを含有する固体電解質組成物であって、結晶性酸化物系無機固体電解質と非晶性酸化物系無機固体電解質の各含有量が体積比で、[結晶性酸化物系無機固体電解質]:[非晶性酸化物系無機固体電解質]=75901025であり、
下記官能基群[a]から選択される少なくとも1種の官能基を有する、少なくとも1種のバインダーを含有する固体電解質組成物。
官能基群[a]
カルボキシ基、スルホ基、リン酸基、ホスホン酸基、ヒドロキシ基、スルファニル基、イソシアナト基、オキセタニル基、エポキシ基、ジカルボン酸無水物基、シリル基
<2>結晶性酸化物系無機固体電解質と非晶性酸化物系無機固体電解質とバインダーの各含有量の体積比、[結晶性酸化物系無機固体電解質]:[非晶性酸化物系無機固体電解質]:[バインダー]=75851023である<1>に記載の固体電解質組成物。
<3>バインダーを構成する樹脂が、炭化水素樹脂、含フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリエステルおよびポリカーボネートからなる群から選択される<1>または<2>に記載の固体電解質組成物。
<4>官能基群[a]が、下記官能基群[b]である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の固体電解質組成物。
官能基群[b]
カルボキシ基、スルホ基、リン酸基、ホスホン酸基、ヒドロキシ基、ジカルボン酸無水物基、シリル基
<5>バインダーを構成する樹脂が、アクリル樹脂またはポリウレタンである<1>〜<4>のいずれか1つに記載の固体電解質組成物。
<6>バインダーが、平均粒子径0.01μm〜10μmの粒子である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の固体電解質組成物。
<7>非晶性酸化物系無機固体電解質が下記式(I)で表される化合物を含んでなる<1>〜<6>のいずれか1つに記載の固体電解質組成物。
Lixcyccc zcnc 式(I)
式(I)において、MccはC、S、Al、Si、P、Ga、Ge、InおよびSnからなる群から選択される少なくとも1種であり、xc、yc、zcおよびncは組成比を表し、0<xc≦5、0<yc≦1、0≦zc≦1、0<nc≦6である。
<8>結晶性酸化物系無機固体電解質が下記式の化合物から選ばれる<1>〜<7>のいずれか1つに記載の固体電解質組成物。
・LixaLayaTiO
xa=0.3〜0.7、ya=0.3〜0.7
・LixbLaybZrzbbb mbnb
5≦xb≦10、1≦yb≦4、1≦zb≦4、0≦mb≦2、5≦nb≦20
bbは、Al、Mg、Ca、Sr、V、Nb、Ta、Ti、Ge、
InおよびSnからなる群から選択される少なくとも1種
・Li3.5Zn0.25GeO
・LiTi12
・Li1+xh+yh(Al,Ga)xh(Ti,Ge)2−xhSiyh3−yh12
0≦xh≦1、0≦yh≦1
・LiPO
・LiPON
・LiPOD
は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
Zr、Nb、Mo、Ru、Ag、Ta、W、Ptおよび
Auからなる群から選択される少なくとも1種
・LiAON
は、Si、B、Ge、Al、CおよびGaから
なる群から選択される少なくとも1種
<9>分散媒体を含む<1>〜<8>のいずれか1つに記載の固体電解質組成物。
<10>活物質を含む<1>〜<9>のいずれか1つに記載の固体電解質組成物。
<11> <1>〜<10>のいずれか1つに記載の固体電解質組成物を金属箔上に適用して、製膜した全固体二次電池用電極シート。
<12> <1>〜<10>のいずれか1つに記載の固体電解質組成物を金属箔上に適用して、製膜する全固体二次電池用電極シートの製造方法。
<13>プレス工程を含む<12>に記載の全固体二次電池用電極シートの製造方法。
<14> <12>または<13>に記載の製造方法を介して正極活物質層、負極活物質層および無機固体電解質層を具備する全固体二次電池を製造する全固体二次電池の製造方法。
<15>正極活物質層、負極活物質層および無機固体電解質層を具備する全固体二次電池であって、正極活物質層、負極活物質層および無機固体電解質層の少なくとも1層を、<1>〜<9>のいずれか1つに記載の固体電解質組成物を適用して層とした全固体二次電池。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、単に「アクリル」と記載するときは、メタアクリルおよびアクリルの両方を含む意味で使用する。
本発明の固体電解質組成物は、全固体二次電池における無機固体電解質層や活物質層の材料として用いた際に、焼結によらずに層を形成でき、このようにして作製された全固体二次電池は良好なイオン伝導度を実現できるという優れた効果を奏する。
また、本発明の全固体二次電池用電極シートは、上記本発明の固体電解質組成物を用いて好適に製造することができ、上記良好な性能を発揮する本発明の全固体二次電池に用いることができる。
さらに、本発明の全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法は、上記全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造に好適に用いることができる。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、適宜添付の図面を参照して、下記の記載からより明らかになるであろう。
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る全固体二次電池を模式化して示す縦断面図である。 図2は、実施例で利用した試験装置を模式的に示す縦断面図である。
本発明の全固体二次電池は、正極活物質層、負極活物質層および無機固体電解質層を具備する。本発明においては、正極活物質層、負極活物質層および無機固体電解質層の少なくとも1層を、結晶性酸化物系無機固体電解質および非晶性酸化物系無機固体電解質を含有する固体電解質組成物であって、結晶性酸化物系無機固体電解質の体積と非晶性酸化物系無機固体電解質の体積との比が70〜99.8:0.2〜30である固体電解質組成物を適用して形成する。
以下、その好ましい実施形態について説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る全固体二次電池(リチウムイオン二次電池)を模式化して示す断面図である。本実施形態の全固体二次電池10は、負極側からみて、負極集電体1、負極活物質層2、固体電解質層3、正極活物質層4、正極集電体5を、この順に有する。各層はそれぞれ接触しており、積層した構造をとっている。このような構造を採用することで、充電時には、負極側に電子(e)が供給され、そこにリチウムイオン(Li)が蓄積される。一方、放電時には、負極に蓄積されたリチウムイオン(Li)が正極側に戻され、作動部位6に電子が供給される。図示した例では、作動部位6に電球を採用しており、放電によりこれが点灯するようにされている。
本明細書において、正極活物質層と負極活物質層をあわせて電極層と称することがある。また、本発明に用いられる電極活物質は、正極活物質層に含有される正極活物質と、負極活物質層に含有される負極活物質があり、いずれかまたは両方を合わせて示すのに単に活物質と称することがある。
正極活物質層4、固体電解質層3、負極活物質層2の厚さは特に限定されない。なお、一般的な電池の寸法を考慮すると、10〜1,000μmが好ましく、20μm以上500μm未満がより好ましい。本発明の全固体二次電池においては、正極活物質層4、固体電解質層3および負極活物質層2の少なくとも1層の厚さが、50μm以上500μm未満であることがさらに好ましい。
<<固体電解質組成物>>
以下、本発明の固体電解質組成物の含有成分を説明する。本発明の固体電解質組成物は、本発明の全固体二次電池を構成する正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層の成形材料として好ましく適用される。
(無機固体電解質)
無機固体電解質とは、無機の固体電解質のことであり、固体電解質とは、その内部においてイオンを移動させることができる固体状の電解質のことである。主たるイオン伝導性材料として有機物を含むものではないことから、有機固体電解質(ポリエチレンオキシド(PEO)などに代表される高分子電解質、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)などに代表される有機電解質塩)とは明確に区別される。また、無機固体電解質は定常状態では固体であるため、通常カチオンおよびアニオンに解離または遊離していない。この点で、電解液やポリマー中でカチオンおよびアニオンが解離または遊離している無機電解質塩(LiPF、LiBF、LiFSI、LiClなど)とも明確に区別される。無機固体電解質は周期律表第1族または第2族に属する金属のイオンの伝導性を有するものであれば特に限定されず電子伝導性を有さないものが一般的である。
本発明において、無機固体電解質は、周期律表第1族または第2族に属する金属のイオン伝導性を有する。本発明の固体電解質組成物は、(i)結晶性酸化物系無機固体電解質および(ii)非晶性酸化物系無機固体電解質を含有し、(iii)結晶性酸化物系無機固体電解質の体積と非晶性酸化物系無機固体電解質の体積との比が70〜99.8:0.2〜30である。以下、結晶性酸化物系無機固体電解質と非晶性酸化物系無機固体電解質とを合わせて無機固体電解質と称することもある。
(i)結晶性酸化物系無機固体電解質
「結晶性酸化物系無機固体電解質」とは、X線回折(XRD)測定を行い、結晶部(ピーク)と非晶部(ハロー)に分離し、結晶部の散乱強度Iと非晶部の散乱強度Iから下記式(1)で結晶化度Xを算出し、結晶化度Xが50以上の酸化物系無機固体電解質を意味する。
X=I/(I+I)×100・・・式(1)
本発明に用いられる結晶性酸化物系無機固体電解質は、酸素原子(O)を含有し、かつ、周期律表第1族または第2族に属する金属のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有する化合物が好ましい。
具体的な化合物例としては、例えばLixaLayaTiO〔xaおよびyaは組成比を表し、xa=0.3〜0.7、ya=0.3〜0.7である。〕(LLT)、LixbLaybZrzbbb mbnb(MbbはAl、Mg、Ca、Sr、V、Nb、Ta、Ti、Ge、InおよびSnの少なくとも1種以上の元素であり、xbは5≦xb≦10を満たし、ybは1≦yb≦4を満たし、zbは1≦zb≦4を満たし、mbは0≦mb≦2を満たし、nbは5≦nb≦20を満たす。なお、xb、ybおよびzbは組成比を表す。)、Lixd(Al,Ga)yd(Ti,Ge)zdSiadmdnd(ただし、xd、yd、zd、ad、mdおよびndは組成比を表し、1≦xd≦3、0≦yd≦1、0≦zd≦2、0≦ad≦1、1≦md≦7、3≦nd≦13である。)、Li(3−2xe)ee xeeeO(後述の式(II)と同義である。)、LiO−SiO、LiBaLaTa12、LiPO(4−3/2w)(wはw<1)、LISICON(Lithium super ionic conductor)型結晶構造を有するLi3.5Zn0.25GeO、ペロブスカイト型結晶構造を有するLa0.55Li0.35TiO、NASICON(Natrium super ionic conductor)型結晶構造を有するLiTi12、Li1+xh+yh(Al,Ga)xh(Ti,Ge)2−xhSiyh3−yh12(ただし、0≦xh≦1、0≦yh≦1)、ガーネット型結晶構造を有するLiLaZr12等が挙げられる。またLi、P及びOを含むリン化合物も望ましい。例えばリン酸リチウム(LiPO)、リン酸リチウムの酸素の一部を窒素で置換したLiPON、LiPOD(Dは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Ru、Ag、Ta、W、Pt、Au等から選ばれた少なくとも1種)等が挙げられる。また、LiAON(Aは、Si、B、Ge、Al、C、Ga等から選ばれた少なくとも1種)等も好ましく用いることができる。
これらのうち、LixaLayaTiO、LixbLaybZrzbbb mbnb、Li3.5Zn0.25GeO、LiTi12、Li1+xh+yh(Al,Ga)xh(Ti,Ge)2−xhSiyh3−yh12、LiPO、LiPON、LiPODおよびLiAONが、イオン伝導度が高いためより好ましい。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、組成が同一でも、調製方法によっては、結晶化度Xが50未満のものも存在するため、上記結晶性酸化物系無機固体電解質のうち下記非晶性酸化物系無機固体電解質として用いることができるものもある。
(ii)非晶性酸化物系無機固体電解質
「非晶性酸化物系無機固体電解質」とは、X線回折(XRD)測定を行い、結晶部(ピーク)と非晶部(ハロー)に分離し、結晶部の散乱強度Iと非晶部の散乱強度Iから上記式(1)で結晶化度Xを算出し、結晶化度Xが50未満の酸化物系無機固体電解質を意味する。
本発明に用いられる非晶性酸化物系無機固体電解質は特に制限されないが、下記式(I)〜(IV)のいずれかで表される化合物、LiPONまたはLiPOを含んでなることが好ましく、下記式(I)〜(IV)のいずれかで表される化合物であることがより好ましく、下記式(I)または(II)で表される化合物が特に好ましく、下記式(I)で表される化合物が特に好ましい。非晶性酸化物系無機固体電解質が下記式(I)で表される化合物であると、柔軟な構造であると共にイオン伝導度も高いため、界面抵抗をより効果的に低減することが出来る。
以下、式(I)で表される化合物について説明する。
Lixcyccc zcnc 式(I)
式(I)において、MccはC、S、Al、Si、P、Ga、Ge、InおよびSnからなる群から選択される少なくとも1種であり、xc、yc、zcおよびncは組成比を表し、0<xc≦5、0<yc≦1、0≦zc≦1、0<nc≦6である。
上記式(I)で表される化合物および上記式(I)で表される化合物を含んでなる非晶性酸化物系無機固体電解質の具体例としてLiBO、LiBO−LiSO、LiO−B−P、LiBO−LiCOおよびLiBO−LiSiが挙げられ、本発明において好ましく用いられる。
なお、上記式(I)で表される化合物は常法により調製することができる。例えば、原料としてLiBO、LiSO、LiCO、LiSiO、LiOH、HBO、SiO(上記原料は水和されていてもよい)を用いて、任意の組み合わせの原料をあらかじめジルコニア(またはアルミナもしくはステンレス)製のボールを入れたジルコニア(またはアルミナもしくはステンレス)製のベッセルに投入し、遊星ボールミルを用いて攪拌(メカニカルミリング)することにより合成することができる。なお合成法は上記に限定されず、フラックス法や固相法で合成しても良い。
次に式(II)で表される化合物について説明する。
Li(3−2xe)ee xeeeO 式(II)
式(II)において、xeは0以上0.1以下の数を表し、Meeは2価の金属原子を表す。Deeはハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)または2種以上のハロゲン原子の組み合わせを表す。
eeが表す2価の金属原子の具体例として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムが挙げられ、マグネシウム、カルシウムおよびバリウムが好ましく、カルシウムおよびバリウムがより好ましく、バリウムが特に好ましい。Deeは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を含有することが好ましく、塩素原子もしくは臭素原子または塩素原子と臭素原子の組み合わせがより好ましく、塩素原子がさらに好ましい。
上記式(II)で表される化合物の具体例として、LiClO、Li2.99Ba0.005ClO、Li2.99Ca0.005ClO、Li2.99Mg0.005ClOが挙げられる。
なお、上記式(II)で表される化合物は常法により調製することができる。例えば、原料としてLiF、LiCl、LiBr、LiI、LiOH、Ba(OH)、Mg(OH)、Ca(OH)、Sr(OH)(上記原料は水和されていてもよい)を用いて、任意の組み合わせの原料を水と共にあらかじめテフロン(登録商標)製の密閉容器に加え加熱することにより合成することができる。また、メカニカルミリング法または固相法により合成してもよい。
次に式(III)で表される化合物について説明する。
LixfSiyfzf 式(III)
式(III)において、xf、yfおよびzfは組成比を表し、1≦xf≦5、0<yf≦3、1≦zf≦10である。
上記式(III)で表される化合物の具体例として、LiSiOおよびLiSiOが挙げられる。
なお、上記式(III)で表される化合物は常法により調製することができる。例えば、LiCOとSiOを乳鉢上で混合し、ペレット化、熱処理を行ったあとメカニカルミリングを行うことにより合成することができる。また、固相法で合成してもよい。
次に式(IV)で表される化合物について説明する。
Lixgygzg 式(IV)
式(IV)において、xg、ygおよびzgは組成比を表し、1≦xg≦3、0<yg≦2、1≦zg≦10である。
上記式(IV)で表される化合物の具体例として、LiSOおよびLiSOが挙げられる。
なお、上記式(IV)で表される化合物は常法により調製することができる。例えば、市販品の結晶性LiSO(和光純薬社製)をメカニカルミリングによって非晶化することにより合成することができる。
(iii)体積比
本発明の固体電解質組成物において、結晶性酸化物系無機固体電解質の体積と非晶性酸化物系無機固体電解質の体積との比(結晶性酸化物系無機固体電解質の体積:非晶性酸化物系無機固体電解質の体積)は70〜99.8:0.2〜30である。体積比がこの範囲内にあることにより、後述の固体電解質シート、全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池において、界面形成が良好かつ高イオン伝導性を実現することができる。非晶性酸化物系無機固体電解質の体積が上記の範囲の下限未満であると界面形成性が悪くなり、抵抗が高くなる。上記の範囲の上限を超えるとイオン伝導度が低くなり、やはり抵抗が高くなる。
本発明の固体電解質組成物において、結晶性酸化物系無機固体電解質の体積と非晶性酸化物系無機固体電解質の体積との比は、界面形成性と高イオン伝導性を両立させるという観点から、70〜99:1〜30が好ましく、75〜90:10〜25がより好ましい。
なお、本発明の固体電解質組成物において、結晶性酸化物系無機固体電解質の質量と非晶性酸化物系無機固体電解質の質量との比(結晶性酸化物系無機固体電解質の質量:非晶性酸化物系無機固体電解質の質量)は特に制限されないが、70〜99.5:0.5〜30が好ましく、80〜98:2〜20がより好ましく、86〜95:5〜14が特に好ましい。
無機固体電解質の体積平均粒子径は特に制限されないが、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましい。上限としては、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。なお、無機固体電解質の体積平均粒子径の測定は、以下の手順で行う。無機固体電解質を、水(水に不安定な物質の場合はヘプタン)を用いて20mlサンプル瓶中で1質量%の分散液を希釈調製する。希釈後の分散試料は、1kHzの超音波を10分間照射し、その直後に試験に使用する。この分散液試料を用い、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(商品名、HORIBA社製)を用いて、温度25℃で測定用石英セルを使用してデータ取り込みを50回行い、体積平均粒子径を得る。その他の詳細な条件等は必要によりJISZ8828:2013「粒子径解析−動的光散乱法」の記載を参照する。1水準につき5つの試料を調製しその平均値を採用する。
無機固体電解質の固体電解質組成物中の固形成分における含有量は、全固体二次電池に用いたときの界面抵抗の低減と、低減された界面抵抗の維持を考慮したとき、固形成分100質量%において、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが特に好ましい。上限としては、同様の観点から、99.9質量%以下であることが好ましく、99.5質量%以下であることがより好ましく、99質量%以下であることが特に好ましい。
なお、本明細書において固形成分とは、170℃で6時間乾燥処理を行ったときに、揮発ないし蒸発して消失しない成分を言う。典型的には、後述の分散媒体以外の成分を指す。
上記無機固体電解質は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(バインダー)
本発明の固体電解質組成物は少なくとも1種のバインダーを含有することが好ましい。
結晶性酸化物系無機固体電解質、非晶性酸化物系無機固体電解質、活物質およびバインダーを含有する固体電解質組成物を用いて、例えば、湿式塗布のような温和な条件下で製造された全固体二次電池の電極層には、上記活物質および無機固体電解質だけでなくバインダーが存在する。そのため、非晶性酸化物系無機固体電解質およびバインダーを介して結晶性酸化物系無機固体電解質と活物質との接触面積が大きくなり、界面における抵抗を抑制することができる。さらに、固体粒子間、固体電解質層と電極層間および電極層と集電体間の結着性を向上させることができる。
本発明の固体電解質組成物において、結晶性酸化物系無機固体電解質の体積と非晶性酸化物系無機固体電解質の体積とバインダーの体積の比(結晶性酸化物系無機固体電解質の体積:非晶性酸化物系無機固体電解質の体積:バインダーの体積)は、70〜99.8:0.1〜29.9:0.1〜29.9が好ましく、70〜95:4.5〜29.5:0.5〜15がより好ましく、75〜85:10〜23:2〜5が特に好ましい。
上記範囲内にあることにより、後述の固体電解質シート、および全固体二次電池において、イオン伝導度、界面形成性、結着性が鼎立できるため好ましい。
なお、本発明の固体電解質組成物において、結晶性酸化物系無機固体電解質の質量と非晶性酸化物系無機固体電解質の質量とバインダーの質量の比(結晶性酸化物系無機固体電解質の質量:非晶性酸化物系無機固体電解質の質量:バインダーの質量)は、70〜99.5:0.4〜29.9:0.1〜29.6が好ましく、80〜98:1.5〜19.5:0.5〜18.5がより好ましく、85〜95:4〜14:1〜11が特に好ましい。
本発明に用いることができるバインダーは、下記官能基群[a]からなる群から選択される少なくとも1種を有することが好ましい。
官能基群[a]
カルボキシ基、スルホ基、リン酸基、ホスホン酸基、ヒドロキシ基、チオール(スルファニル)基、イソシアナト基、オキセタニル基、エポキシ基、ジカルボン酸無水物基、シリル基
本発明に用いることができるバインダーは、上記官能基群[a]から選択される少なくとも1種の官能基を有する有機ポリマーであれば特に限定されない。
バインダーが上記官能基群[a]から選択される少なくとも1種の官能基を有することにより、無機固体電解質と相互作用または結合を形成することができ、高い結着性を実現し得る。
官能基当量(官能基群[a]から選択される官能基1個あたりの、官能基群[a]から選択される少なくとも1種の官能基を有するバインダーの分子量)は特に制限されないが、50〜50,000が好ましく、100〜10,000がより好ましく、200〜1,000が特に好ましい。
本発明において、バインダーの安定性と結着性の両立という観点から、上記官能基群[a]が下記官能基群[b]であることが好ましい。
官能基群[b]
カルボキシ基、スルホ基、リン酸基、ホスホン酸基、ヒドロキシ基、ジカルボン酸無水物基、シリル基
本発明に用いることができるバインダーを構成する樹脂は、通常、電池材料の正極または負極用結着剤として用いられるものが好ましく、特に制限されない。なお、本明細書において、ポリマーを樹脂と同義の用語として用いることがある。
本発明に用いることができるバインダーは、上記官能基群[a]好ましくは上記官能基群[b]を有する、以下に例示する樹脂が好ましい。例えば、含フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP))、炭化水素樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム(SBR)、水素添加スチレンブタジエンゴム(HSBR)、ブチレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン)、アクリル樹脂、ビニル樹脂、スチレン樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂およびこれらの組み合わせが挙げられる。これらの中でも、炭化水素樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂(例えば、ポリウレタン)、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリエステルおよびポリカーボネートからなる群から選択される樹脂が好ましく、アクリル樹脂およびポリウレタンがより好ましい。
以下、本発明に用いることができるバインダーを構成する樹脂について詳細に説明する。
本発明に用いられるバインダーは、下記式(I)で表される部分構造を有することがさらに好ましい。
Figure 0006442607
式(I)中、Rは、水素原子または1価の有機基を表す。
式(I)で表される部分構造を有するポリマーとしては、例えば、アミド結合を有するポリマー、ウレア結合を有するポリマー、イミド結合を有するポリマー、ウレタン結合を有するポリマー等が挙げられる。
Rにおける有機基は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基が挙げられる。Rはなかでも水素原子が好ましい。
・アミド結合を有するポリマー
アミド結合を有するポリマーとして、ポリアミド、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。
ポリアミドは、ジアミン化合物とジカルボン酸化合物とを縮合重合するか、ラクタムを開環重合することによって得ることができる。
ジアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1−メチルエチルジアミン、1,3−プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン化合物、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4,4’−アミノヘキシル)メタン、パラキシリレンジアミンが挙げられる。また、ポリプロピレンオキシ鎖を有するジアミンとして、例えば、上市されている市販品として、「ジェファーミン」シリーズ(商品名、ハンツマン社製、三井化学ファイン社製)を用いることができる。「ジェファーミン」シリーズの例として、ジェファーミンD−230、ジェファーミンD−400、ジェファーミンD−2000、ジェファーミンXTJ−510、ジェファーミンXTJ−500、ジェファーミンXTJ−501、ジェファーミンXTJ−502、ジェファーミンHK−511、ジェファーミンEDR−148、ジェファーミンXTJ−512、ジェファーミンXTJ−542、ジェファーミンXTJ−533、ジェファーミンXTJ−536等が挙げられる。
ジカルボン酸化合物としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、セバシン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカン酸、ウンデカジオン酸、ドデカジオン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸類、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、パラキシリレンジカルボン酸、メタキシリレンジカルボン酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸が挙げられる。
ポリアクリルアミドの具体例としては、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアクリルアミド、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテルアクリルアミド、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリルアミド、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテルメタクリルアミド、ポリエステルメタクリルアミド、ポリカーボネートメタクリルアミドなどが好適に挙げられる。
・ウレア結合を有するポリマー
ウレア結合を有するポリマーとしてはポリウレアが挙げられる。ジイソシアネート化合物とジアミン化合物とをアミン触媒存在下で縮合重合することによってポリウレアを合成することができる。
ジイソシアネート化合物の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの二量体、2,6−トリレンジレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(又は2,6)−ジイルジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート化合物;1,3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイソシアネート2モルとの付加体等のジオールとジイソシアネートとの反応物であるジイソシアネート化合物;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)が好ましい。
ジアミン化合物の具体例としては、上述の化合物例等が挙げられる。
・イミド結合を有するポリマー
イミド結合を有するポリマーとしては、ポリイミドが挙げられる。ポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを付加反応させてポリアミック酸を形成した後、閉環することで得られる。
テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)およびピロメリット酸二無水物(PMDA)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)、オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、m−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、p−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、2,2−ビス〔(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、などを挙げることができる。これらは単独でも、2種以上を混合して用いることもできる。
テトラカルボン酸成分としては、s−BPDAおよびPMDAの少なくとも一方を含むことが好ましく、例えばテトラカルボン酸成分100モル%中にs−BPDAを好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、特に好ましくは75モル%以上含む。テトラカルボン酸二無水物は、剛直なベンゼン環を有していることが好ましい。
ジアミン化合物の具体例としては、上述の化合物例等が挙げられる。
ジアミン化合物は、ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、ポリカーボネート鎖、又はポリエステル鎖の両末端にアミノ基を有する構造が好ましい。
・ウレタン結合を有するポリマー
ウレタン結合を有するポリマーとしては、ポリウレタンが挙げられる。ポリウレタンは、ジイソシアネート化合物とジオール化合物とをチタン、スズ、ビスマス触媒存在下で縮合重合することで得られる。
ジイソシアネート化合物としては、上述の化合物例が挙げられる。
ジオール化合物の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、平均分子量200、400、600、1000、1500、2000、3000、7500のポリエチレングリコール)、ポリプロピレングリコール(例えば、平均分子量400、700、1000、2000、3000、または4000のポリプロピレングリコール)、ネオペンチルグリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−ビス−β−ヒドロキシエトキシシクロヘキサン、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加体などが挙げられる。
ジオール化合物は市販品としても入手可能であり、例えば、ポリエーテルジオール化合物、ポリエステルジオール化合物、ポリカーボネートジオール化合物、ポリアルキレンジオール化合物、シリコーンジオール化合物が挙げられる。
ジオール化合物としては、ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、ポリカーボネート鎖、ポリエステル鎖、ポリブタジエン鎖、ポリイソプレン鎖、ポリアルキレン鎖およびシリコーン鎖の少なくとも1種を有していることが好ましい。また、ジオール化合物は、硫化物系固体電解質や活物質との吸着性向上の観点から、炭素−炭素不飽和結合や極性基(アルコール性水酸基、フェノール性水酸基、スルファニル基、カルボキシ基、スルホ基、スルホンアミド基、リン酸基、ニトリル基、アミノ基、双性イオン含有基、金属ヒドロキシド、金属アルコキシド)を有していることが好ましい。ジオール化合物は、例えば、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸を用いることができる。炭素−炭素不飽和結合を含有するジオール化合物は、市販品としてブレンマーGLM(日油株式会社製)、特開2007−187836号公報に記載の化合物を好適に用いることができる。
ポリウレタンの場合、重合停止剤として、モノアルコールやモノアミンを用いることができる。重合停止剤は、ポリウレタン主鎖の末端部位に導入される。ソフトセグメントをポリウレタン末端に導入する手法として、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル(ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレンモノアルキルエーテルが好ましい)や、ポリカーボネートジオールモノアルキルエーテル、ポリエステルジオールモノアルキルエーテル、ポリエステルモノアルコールなどを用いることができる。
また、極性基や炭素−炭素不飽和結合を有するモノアルコールやモノアミンを用いることで、ポリウレタン主鎖の末端に極性基や炭素−炭素不飽和結合の導入が可能である。たとえば、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシプロピオン酸、4−ヒドロキシベンジルアルコール、3−メルカプト−1プロパノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、3−メルカプト−1−ヘキサノール、3−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−シアノエタノール、3−ヒドロキシグルタロニトリル、2−アミノエタノール、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−メタクリレンジアミンなどが挙げられる。
・アクリル樹脂およびビニル樹脂
アクリル樹脂およびビニル樹脂としては、電池抵抗が小さく、イオン伝導度が向上する観点から、側鎖成分として質量平均分子量1,000以上のマクロモノマー(X)に由来する繰り返し単位が組み込まれたバインダー粒子であることが好ましい。以下、アクリル樹脂およびビニル樹脂を構成する主鎖成分および側鎖成分について説明する。
・主鎖成分
アクリル樹脂およびビニル樹脂をなすポリマーの主鎖は特に限定されず、通常のポリマー成分を適用することができる。主鎖成分を構成するモノマーとしては、重合性不飽和結合を有するモノマーであることが好ましく、例えば各種のビニル系モノマーやアクリル系モノマーを適用することができる。アクリル系モノマーとしては、なかでも、(メタ)アクリル酸モノマー、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、および(メタ)アクリロニトリルから選ばれるモノマーを用いることが好ましい。重合性基の数は特に限定されないが、1〜4個であることが好ましい。
主鎖をなすモノマー例としては、例えば、国際公開公報第2015/046314号パンフレット段落0041および0042に記載のモノマーが挙げられる。中でも下記モノマーを含有することが好ましい。下記例示化合物において、nは繰り返し単位数を表す。
Figure 0006442607
・側鎖成分
マクロモノマー(X)は、質量平均分子量が1,000以上であり、2,000以上であることがより好ましく、3,000以上であることが特に好ましい。上限としては、500,000以下であることが好ましく、100,000以下であることがより好ましく、30,000以下であることが特に好ましい。バインダーが上記の範囲の分子量をもつ側鎖を有することで、より良好に有機溶剤中に均一に分散でき固体電解質粒子と混合して塗布できるようになる。
マクロモノマーの質量平均分子量は、後述の実施例の項におけるバインダーの分子量の測定方法と同様の方法により測定することができる。
マクロモノマー(X)のSP値は10以下であることが好ましく、9.5以下であることがより好ましい。下限値は特にないが、5以上であることが実際的である。
−SP値の定義−
本明細書においてSP値は、特に断らない限り、Hoy法によって求める(H.L.Hoy Journal of Painting,1970,Vol.42,76−118)。また、SP値については単位を省略して示しているが、その単位はcal1/2cm−3/2である。なお、側鎖成分(X)のSP値は、上記側鎖をなす原料モノマーのSP値とほぼ変わらず、それにより評価してもよい。
SP値は有機溶剤に分散する特性を示す指標となる。ここで、側鎖成分を特定の分子量以上とし、好ましくは上記SP値以上とすることで、固体電解質との結着性を向上させ、かつ、これにより溶媒との親和性を高め、安定に分散させることができ好ましい。
上記のマクロモノマー(X)は特に限定されず、通常のポリマー成分を適用することができ、特開2015−088486号公報の段落0046〜0067記載のマクロモノマーが好ましい。マクロモノマー(X)は、重合性不飽和結合を有することが好ましく、例えば各種のビニル基や(メタ)アクリロイル基を有することができる。本発明においては、中でも、(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。
本発明に用いられるバインダーはポリマー粒子であることが好ましく、ポリマー粒子の平均粒子径の下限は、0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましい。一方、ポリマー粒子の平均粒子径の上限は、50μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下が特に好ましい。平均粒子径が上記好ましい範囲内にあることが出力密度向上の観点から好ましい。
ここで、「ポリマー粒子」とは、後述の分散媒体に添加しても溶解せず粒子状のまま分散媒体に分散し、0.01μm超の平均粒子径を示すものを指す。
本発明に用いられるポリマー粒子の平均粒子径は、特に断らない限り、以下に記載の測定条件および定義によるものとする。
ポリマー粒子を任意の溶媒(固体電解質組成物の調製に用いる分散媒体。例えば、ヘプタン)を用いて20mlサンプル瓶中で1質量%の分散液を希釈調製する。希釈後の分散試料は、1kHzの超音波を10分間照射し、その直後に試験に使用する。この分散液試料を用い、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(商品名、HORIBA社製)を用いて、温度25℃で測定用石英セルを使用してデータ取り込みを50回行い、得られた体積平均粒子径を平均粒子径とする。その他の詳細な条件等は必要によりJISZ8828:2013「粒子径解析−動的光散乱法」の記載を参照する。1水準につき5つの試料を作製して測定し、その平均値を採用する。
なお、作製された全固体二次電池からの測定は、例えば、電池を分解し電極を剥がした後、その電極材料について上記ポリマー粒子の平均粒子径の測定方法に準じてその測定を行い、あらかじめ測定していたポリマー粒子以外の粒子の平均粒子径の測定値を排除することにより行うことができる。
ポリマー粒子は、有機ポリマー粒子であれば構造は特に限定されない。有機ポリマー粒子を構成する樹脂は、上記バインダーを構成する樹脂として記載した樹脂が挙げられ、好ましい樹脂も適用される。
ポリマー粒子は固形を保持していれば、形状は限定されない。ポリマー粒子は単一分散であっても多分散であってもよい。ポリマー粒子は真球状であっても扁平形状であってもよく、さらに無定形であってもよい。ポリマー粒子の表面は平滑であっても凹凸形状を形成していてもよい。ポリマー粒子はコアシェル構造を取ってもよく、コア(内核)とシェル(外殻)が同様の材料で構成されていても、異なる材質で構成されていてもよい。また中空であっても良く、中空率についても限定されない。
ポリマー粒子は、界面活性剤、乳化剤または分散剤の存在下で重合する方法、分子量が増大するにしたがって結晶状に析出させる方法、によって合成することができる。
また既存のポリマーを機械的に破砕する方法や、ポリマー液を再沈殿によって微粒子状にする方法を用いてもよい。
ポリマー粒子は、例えば、市販品を用いることができ、具体的には、以下に記載の市販品(いずれも商品名で、括弧書きの数値は平均粒子径を表す。)が挙げられる。本発明に用いることの出来るポリマー粒子はこれらに限定されるものではない。
・フッ素樹脂粒子
マイクロディスパーズシリーズ(テクノケミカル(株)社製、例えば、マイクロディスパーズ−200(PTFE粒子、200nm)、マイクロディスパーズ−3000(PTFE粒子3μm)、マイクロディスパーズ−8000(PTFE粒子、8μm))、ディスパーズイージー−300(PTFE粒子、200nm、テクノケミカル(株)社製)、
FluonADシリーズ(旭硝子(株)社製、例えば、FluonAD911E、FluonAD915E、FluonAD916E、FluonAD939E)、
アルゴフロンシリーズ(ソルベイ(株)社製、例えば、アルゴフロンF(PTFE粒子、15〜35μm)、アルゴフロンS(PTFE粒子、15〜35μm))、
ルブロンシリーズ(ダイキン(株)社製、例えば、ルブロンL−2(PTFE粒子、3.5μm)、ルブロンL−5(PTFE粒子、5μm)、ルブロンL−5F(PTFE粒子、4.5μm))
・炭化水素樹脂粒子
ソフトビーズ、ザイクセン(ポリオレフィンエマルジョン)、セポルジョンG(ポリオレフィンエマルジョン)、セポレックスIR100(ポリイソプレンラテックス)、セポレックスCSM(クロロスルホン化ポリエチレンラテックス)、フローセン(ポリエチレン粉末)、フローセンUF(ポリエチレン粉末)、フローブレン(ポリプロピレン粉末)、フロービーズ(ポリエチレン−アクリル共重合粉末)(いずれも住友精化(株)社製)
・スチレン樹脂粒子
ケミスノーKSR−3A(総研化学(株)社製)、エポスターST(日本触媒(株)社製)
・アミド樹脂粒子
セポルジョンPA(共重合ナイロンエマルジョン、住友精化(株)社製)、トレパールPAI(ポリアミドイミド粒子、東レ(株)社製)
・イミド樹脂粒子
ポリイミドパウダーP84(R)NT(ダイセルエヴォニック(株)社製)、
ポリイミドパウダーPIP−3、ポリイミドパウダーPIP−25、ポリイミドパウダーPIP−60(いずれもセイシン企業(株)社製)、
ポリイミドパウダーUIP−R、ポリイミドパウダーUIP−S(いずれも宇部興産(株)社製)
・ウレタン樹脂粒子
ダイミックビーズUCN−8070CM(7μm)、ダイミックビーズUCN−8150CM(15μm)(いずれも大日精化(株)社製)、
アートパールシリーズ(根上工業(株)社製、例えば、アートパールC、アートパールP、アートパールJB、アートパールU、アートパールCE、アートパールAK、アートパールHI、アートパールMM、アートパールFF、アートパールTK、アートパールC−TH、アートパールRW、アートパールRX、アートパールRY、アートパールRZ、アートパールRU、アートパールRV、アートパールBP)、
グロスデールSシリーズ、グロスデールMシリーズ、グロスデールVシリーズ、グロスデールTシリーズ(いずれも三井化学(株)社製)、
インフィナジー(BASF社製)
・ウレア樹脂粒子
ウレア系樹脂粒子は、国際公開第2015/046313号に記載のウレア結合を有するポリマーの粒子が好ましく用いられる。
・ポリエステル樹脂粒子
セポルジョンES(共重合ポリエステルエマルジョン、住友精化(株)社製)
・ポリエーテル樹脂粒子
トレパールPPS(ポリフェニレンスルフィド粒子、東レ(株)社製)、トレパールPES(ポリエーテルスルホン粒子、東レ(株)社製)
・フェノール樹脂粒子
LPSシリーズ(リグナイト(株)社製)、マリリンFMシリーズ(群栄化学工業(株)社製)、マリリンHFシリーズ(群栄化学工業(株)社製)
・エポキシ樹脂粒子
トレパールEP(エポキシ樹脂粒子、東レ(株)社製)
・ポリカーボネート樹脂粒子
ポリカーボネート樹脂粒子は、例えば、国際公開2011/004730号パンフレットに記載の方法で合成したポリカーボネート樹脂の粒子を使用できる。具体的には、ポリカーボネート樹脂は、エポキシ化合物に二酸化炭素を反応させることで重合することが可能である。
・シリコーン樹脂粒子
シーホスターKEシリーズ(日本触媒(株)社製、例えば、シーホスターKE−Eシリーズ、シーホスターKE−Wシリーズ、シーホスターKE−Pシリーズ、シーホスターKE−Sシリーズ)、
シリコーン複合パウダーシリーズ(例えば、シリコーン複合パウダーKMP−600、シリコーン複合パウダーKMP−601、シリコーン複合パウダーKMP−602、シリコーン複合パウダーKMP−605、シリコーン複合パウダーX−52−7030)、シリコーンレジンパウダーシリーズ(例えば、シリコーンレジンパウダーKMP−590、シリコーンレジンパウダーKMP−701、シリコーンレジンパウダーX−52−854、シリコーンレジンパウダーX−52−1621)、シリコーンゴムパウダーシリーズ(例えば、シリコーンゴムパウダーKMP−597、シリコーンゴムパウダーKMP−598、シリコーンゴムパウダーKMP−594、シリコーンゴムパウダーX−52−875)(いずれも信越シリコーン(株)社製)、
シャリーヌR−170S(シリコーンアクリル共重合、日信化学工業(株)社製)
バインダーのガラス転移温度は、上限は50℃以下が好ましく、0℃以下がさらに好ましく、−20℃以下が最も好ましい。下限は−100℃以上が好ましく、−70℃以上がさらに好ましく、−50℃以上が最も好ましい。
ガラス転移温度(Tg)は、乾燥試料を用いて、示差走査熱量計「X−DSC7000」(SII・ナノテクノロジー(株)社製)を用いて下記の条件で測定する。測定は同一の試料で二回実施し、二回目の測定結果を採用する。
測定室内の雰囲気:窒素(50mL/min)
昇温速度:5℃/min
測定開始温度:−100℃
測定終了温度:200℃
試料パン:アルミニウム製パン
測定試料の質量:5mg
Tgの算定:DSCチャートの下降開始点と下降終了点の中間温度の小数点以下を四捨五入することでTgを算定する。
本発明に用いられるバインダーを構成するポリマー(好ましくはポリマー粒子)の水分濃度は、100ppm(質量基準)以下が好ましく、Tgは100℃以下が好ましい。
また、本発明に用いられるバインダーを構成するポリマーは、晶析させて乾燥させてもよい、ポリマー溶液をそのまま用いてもよい。金属系触媒(ウレタン化、ポリエステル化触媒であるスズ、チタン、ビスマス触媒)は少ない方が好ましい。重合時に少なくするか、晶析で触媒を除くことで、共重合体中の金属濃度を、100ppm(質量基準)以下とすることが好ましい。
ポリマーの重合反応に用いる溶媒は、特に限定されない。なお、無機固体電解質や活物質と反応しないこと、さらにそれらを分解しない溶媒を用いることが望ましい。例えば、炭化水素系溶媒(トルエン、ヘプタン、キシレン)やエステル系溶媒(酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、エーテル系溶媒(テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジエトキシエタン)、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、ニトリル系溶媒(アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル)、ハロゲン系溶媒(ジクロロメタン、クロロホルム)などを用いることができる。
本発明に用いられるバインダーを構成するポリマーの質量平均分子量は10,000以上が好ましく、20,000以上がより好ましく、50,000以上がさらに好ましい。上限としては、1,000,000以下が好ましく、200,000以下がより好ましく、100,000以下がさらに好ましい。
本発明において、ポリマーの分子量は、特に断らない限り、質量平均分子量を意味する。
ポリマーの質量平均分子量は、後述の実施例の項におけるバインダーの分子量の測定方法と同様の方法により測定することができる。
(分散剤)
本発明の固体電解質組成物は、分散剤を含有することも好ましい。分散剤を添加することで電極活物質および無機固体電解質のいずれかの含有量が多い場合においてもその凝集を抑制し、均一な電極層および固体電解質層を形成することができる、出力密度向上に効果を奏する。
分散剤は分子量200以上3000未満の化合物で、官能基群(A)で示される官能基群から選択される少なくとも1種と、炭素数8以上のアルキル基または炭素数10以上のアリール基を同一分子内に含有することが好ましい。
官能基群(A):酸性基、塩基性窒素原子を有する基、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリルアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアナト基、シアノ基、スルファニル基及びヒドロキシ基
分散剤の分子量としては好ましくは300以上2,000未満であり、より好ましくは500以上1,000未満である。上記上限値未満であると、粒子の凝集が生じにくくなり、出力の低下を効果的に抑制することができる。また上記下限値以上であると、固体電解質組成物スラリーを塗布し乾燥する段階で揮発しにくくなる。
分散剤の含有量は、本発明の固体電解質組成物の全固形成分に対して0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%が好ましく、1〜3質量%がより好ましい。
(リチウム塩)
本発明の固体電解質組成物は、リチウム塩を含有することも好ましい。
リチウム塩としては、通常この種の製品に用いられるリチウム塩が好ましく、特に制限はなく、例えば、特開2015−088486の段落0082〜0085記載のリチウム塩が好ましい。
リチウム塩の含有量は、固体電解質100質量部に対して0質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。上限としては、50質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。
(導電助剤)
次に、本発明の固体電解質組成物に用いることができる導電助剤について説明する。一般的な導電助剤として知られているものを用いることができる。例えば、電子伝導性材料である、天然黒鉛、人造黒鉛などの黒鉛類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラックなどのカーボンブラック類、ニードルコークスなどの無定形炭素、気相成長炭素繊維やカーボンナノチューブなどの炭素繊維類、グラフェンやフラーレンなどの炭素質材料であっても良いし、銅、ニッケルなどの金属粉、金属繊維でも良く、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリフェニレン誘導体など導電性高分子を用いても良い。またこれらの内1種を用いても良いし、2種以上を用いても良い。
(正極活物質)
次に、本発明の固体電解質組成物に用いることができる正極活物質について説明する。本発明の固体電解質組成物が正極活物質層の形成材料として用いられる場合、本発明の固体電解質組成物は正極活物質を含有する。
正極活物質には可逆的にリチウムイオンを挿入および放出できるものが好ましい。その材料は、特に制限はなく、遷移金属酸化物や、硫黄などのLiと複合化できる元素などでもよい。中でも、遷移金属酸化物を用いることが好ましく、遷移金属元素としてCo、Ni、Fe、Mn、Cu、Vから選択される1種以上の元素を有することがより好ましい。遷移金属酸化物の具体例としては、(MA)層状岩塩型構造を有する遷移金属化合物、(MB)スピネル型構造を有する遷移金属酸化物、(MC)リチウム含有遷移金属リン酸化合物、(MD)リチウム含有遷移金属ハロゲン化リン酸化合物、(ME)リチウム含有遷移金属ケイ酸化物等が挙げられる。
(MA)層状岩塩型構造を有する遷移金属化合物の具体例として、LiCoO(コバルト酸リチウム[LCO])、LiNi(ニッケル酸リチウム)LiNi0.85Co0.1Al0.05(ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム[NCA])、LiNi0.33Co0.33Mn0.33(ニッケルマンガンコバルト酸リチウム[NMC])、LiNi0.5Mn0.5(マンガンニッケル酸リチウム)が挙げられる。
(MB)スピネル型構造を有する遷移金属酸化物の具体例として、LiCoMnO4、LiFeMn、LiCuMn、LiCrMn8、LiNiMnが挙げられる。
(MC)リチウム含有遷移金属リン酸化物としては、例えば、LiFePO、LiFe(PO等のオリビン型リン酸鉄塩、LiFeP等のピロリン酸鉄類、LiCoPO等のリン酸コバルト類、Li(PO(リン酸バナジウムリチウム)等の単斜晶ナシコン型リン酸バナジウム塩が挙げられる。
(MD)リチウム含有遷移金属ハロゲン化リン酸化物としては、例えば、LiFePOF等のフッ化リン酸鉄塩、LiMnPOF等のフッ化リン酸マンガン塩、LiCoPOF等のフッ化リン酸コバルト類が挙げられる。
(ME)リチウム含有遷移金属ケイ酸化物としては、例えば、LiFeSiO、LiMnSiO、LiCoSiO等が挙げられる。
本発明の固体電解質組成物に使用することができる正極活物質の体積平均粒子径(球換算平均粒子径)は特に限定されない。なお、0.1μm〜50μmが好ましい。正極活性物質を所定の粒子径にするには、通常の粉砕機や分級機を用いればよい。焼成法によって得られた正極活物質は、水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶剤にて洗浄した後使用してもよい。正極活物質の体積平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(商品名、HORIBA社製)を用いて測定することができる。
正極活物質の濃度は特に限定されないが、正極活物質層を形成するための固体電解質組成物中、固形成分100質量%において、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。
上記正極活物質は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(負極活物質)
次に、本発明の固体電解質組成物に用いることができる負極活物質について説明する。本発明の固体電解質組成物が負極活物質層の形成材料として用いられる場合、本発明の固体電解質組成物は負極活物質を含有する。
負極活物質としては、可逆的にリチウムイオンを挿入および放出できるものが好ましい。その材料は、特に制限はなく、炭素質材料、酸化錫や酸化ケイ素等の金属酸化物、金属複合酸化物、リチウム単体やリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、及び、SnやSi、AlおよびIn等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる。なかでも炭素質材料又はリチウム複合酸化物が信頼性の点から好ましく用いられる。また、金属複合酸化物としては、リチウムを吸蔵、放出可能であることが好ましい。その材料は、特には制限されないが、構成成分としてチタン及び/又はリチウムを含有していることが、高電流密度充放電特性の観点で好ましい。
負極活物質として用いられる炭素質材料とは、実質的に炭素からなる材料である。例えば、石油ピッチ、天然黒鉛、気相成長黒鉛等の人造黒鉛、及びPAN(ポリアクリロニトリル)系の樹脂やフルフリルアルコール樹脂等の各種の合成樹脂を焼成した炭素質材料を挙げることができる。さらに、PAN系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、脱水PVA(ポリビニルアルコール)系炭素繊維、リグニン炭素繊維、ガラス状炭素繊維、活性炭素繊維等の各種炭素繊維類、メソフェーズ微小球体、グラファイトウィスカー、平板状の黒鉛等を挙げることもできる。
負極活物質として適用される金属酸化物及び金属複合酸化物としては、特に非晶質酸化物が好ましく、さらに金属元素と周期律表第16族の元素との反応生成物であるカルコゲナイトも好ましく用いられる。ここでいう非晶質とは、CuKα線を用いたX線回折法で、2θ値で20°〜40°の領域に頂点を有するブロードな散乱帯を有するものを意味し、結晶性の回折線を有してもよい。2θ値で40°以上70°以下に見られる結晶性の回折線の内最も強い強度が、2θ値で20°以上40°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の回折線強度の100倍以下であるのが好ましく、5倍以下であるのがより好ましく、結晶性の回折線を有さないことが特に好ましい。
上記非晶質酸化物及びカルコゲナイドからなる化合物群のなかでも、半金属元素の非晶質酸化物、及びカルコゲナイドがより好ましく、周期律表第13(IIIB)族〜15(VB)族の元素、Al、Ga、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Biの一種単独あるいはそれらの2種以上の組み合わせからなる酸化物、及びカルコゲナイドが特に好ましい。好ましい非晶質酸化物及びカルコゲナイドの具体例としては、例えば、Ga、SiO、GeO、SnO、SnO、PbO、PbO、Pb、Pb、Pb、Sb、Sb、Sb、Bi、Bi、SnSiO、GeS、SnS、SnS、PbS、PbS、Sb、Sb、SnSiSなどが好ましく挙げられる。また、これらは、酸化リチウムとの複合酸化物、例えば、LiSnOであってもよい。
負極活物質の体積平均粒子径は、0.1μm〜60μmが好ましい。所定の粒子径にするには、任意の粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩などが好適に用いられる。粉砕時には水、あるいはメタノール等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕も必要に応じて行うことができる。所望の粒子径とするためには分級を行うことが好ましい。分級方法としては特に限定はなく、篩、風力分級機などを必要に応じて用いることができる。分級は乾式、湿式ともに用いることができる。負極活物質粒子の体積平均粒子径は、前述の正極活物質の体積平均粒子径の測定方法と同様の方法により測定することができる。
負極活物質はチタン原子を含有することも好ましい。より具体的にはLiTi12がリチウムイオンの吸蔵放出時の体積変動が小さいことから急速充放電特性に優れ、電極の劣化が抑制されリチウムイオン二次電池の寿命向上が可能となる点で好ましい。
負極活物質の濃度は特に限定されないが、固体電解質組成物中、固形成分100質量%において、10〜80質量%であることが好ましく、20〜70質量%であることがより好ましい。
上記負極活物質は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(分散媒体)
本発明の固体電解質組成物は、上記の各成分を分散させるため、分散媒体を含有することが好ましい。分散媒体の具体例としては下記のものが挙げられる。
アルコール化合物溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、2−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ソルビトール、キシリトール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールが挙げられる。
エーテル化合物溶媒としては、アルキレングリコールアルキルエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等)、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンが挙げられる。
アミド化合物溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロパンアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどが挙げられる。
アミノ化合物溶媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミンなどが挙げられる。
ケトン化合物溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンが挙げられる。
芳香族化合物溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
脂肪族化合物溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカンなどが挙げられる。
ニトリル化合物溶媒としては、例えば、アセトニトリル、プロピロニトリル、ブチロニトリルなどが挙げられる。
非水系分散媒体としては、上記芳香族化合物溶媒、脂肪族化合物溶媒等が挙げられる。
本発明において、これらの中でも脂肪族化合物溶媒、芳香族化合物溶媒およびアミド化合物溶媒が好ましく、ヘプタン、トルエンおよびNMPがより好ましく、ヘプタンが特に好ましい。
分散媒体は常圧(1気圧)での沸点が50℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましい。上限は250℃以下であることが好ましく、220℃以下であることがさらに好ましい。上記分散媒体は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
固体電解質組成物の全質量100質量部に対する分散媒体の含有量は、5〜95質量部が好ましく、10〜90質量部が好ましく、30〜70質量部がさらに好ましい。
<全固体二次電池の作製>
全固体二次電池の作製は常法によればよい。具体的には、本発明の固体電解質組成物を集電体となる金属箔上に塗布し、塗膜を形成した全固体二次電池用電極シートとする方法が挙げられる。
例えば、正極集電体である金属箔上に正極材料となる本発明の固体電解質組成物を塗布し、正極活物質層を形成し、全固体二次電池用正極シートを作製する。正極活物質層の上に、固体電解質層材料となる本発明の固体電解質組成物を塗布し、固体電解質層を形成する。さらに、固体電解質層の上に、負極材料となる本発明の固体電解質組成物を塗布し、負極活物質層を形成する。負極活物質層の上に、負極側の集電体(金属箔)を重ねることで、正極活物質層と負極活物質層の間に、固体電解質層が挟まれた全固体二次電池の構造を得ることができる。
本発明の全固体二次電池において、電極層は活物質を含有する。イオン伝導性を向上させる観点から、電極層は上記無機固体電解質を含有することが好ましい。また、固体粒子間、電極層−固体電解質層間および電極層−集電体間等の結着性向上の観点から、電極層はバインダーを含有することが好ましい。
固体電解質層は、無機固体電解質を含有する。固体粒子間および層間の結着性向上の観点から、固体電解質層はバインダーを含有することが好ましい。
なお、上記の各組成物の塗布方法は常法によればよい。このとき、正極活物質層を形成するための組成物、無機固体電解質層を形成するための組成物および負極活物質層を形成するための組成物は、それぞれ塗布した後に乾燥処理を施してもよいし、重層塗布した後に乾燥処理をしてもよい。乾燥温度は特に限定されない。なお、下限は30℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、上限は、300℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましい。このような温度範囲で加熱することで、分散媒体を除去し、固体状態にすることができる。
本発明の全固体二次電池は種々の用途に適用することができる。適用態様には特に限定はないが、例えば、電子機器に搭載する場合、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
なかでも、高容量かつ高レート放電特性が要求されるアプリケーションに適用することが好ましい。例えば、今後大容量化が予想される蓄電設備等においては高い安全性が必須となりさらに電池性能との両立が要求される。また、電気自動車などは高容量の二次電池を搭載し、家庭で日々充電が行われる用途が想定され、過充電時に対して一層の安全性が求められる。本発明によれば、このような使用形態に好適に対応してその優れた効果を発揮することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、以下のような各応用形態が導かれる。
〔1〕正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層の少なくとも1層がリチウム塩を含有する全固体二次電池。
〔2〕固体電解質層が、非水系分散媒体によって結晶性酸化物系無機固体電解質と非晶性酸化物系無機固体電解質とが分散されたスラリーを湿式塗布し製膜される全固体二次電池の製造方法。
〔3〕上記全固体二次電池作製用の固体電解質組成物。
〔4〕上記固体電解質組成物を金属箔上に適用し、製膜してなる全固体二次電池用電極シート。
〔5〕上記固体電解質組成物を金属箔上に適用し、製膜する全固体二次電池用電極シートの製造方法。
なお、金属箔上に固体電解質組成物を適用する方法には、例えば、塗布(湿式塗布、スプレー塗布、スピンコート塗布、スリット塗布、ストライプ塗布、バーコート塗布ディップコート)が挙げられ、湿式塗布が好ましい。
上記好ましい実施形態の〔2〕および〔5〕に記載するように、本発明の全固体二次電池および全固体二次電池用電極シートの製造方法は、いずれも湿式プロセスである。湿式プロセスによれば、焼結のように不純物を生じさせることなく、全固体二次電池および全固体二次電池用電極シートを製造することができる。
全固体二次電池とは、正極、負極、電解質がともに固体で構成された二次電池を言う。換言すれば、電解質としてカーボネート系の溶媒を用いるような電解液型の二次電池とは区別される。このなかで、本発明は無機全固体二次電池を前提とする。全固体二次電池には、電解質としてポリエチレンオキサイド等の高分子化合物を用いる有機(高分子)全固体二次電池と、上記LLTやLLZ等を用いる無機全固体二次電池とに区分される。なお、無機全固体二次電池に高分子化合物を適用することは妨げられず、正極活物質、負極活物質、無機固体電解質のバインダーとして高分子化合物を適用することができる。
無機固体電解質とは、上述した高分子化合物をイオン伝導媒体とする電解質(高分子電解質)とは区別されるものであり、無機化合物がイオン伝導媒体となるものである。具体例としては、上記LLTやLLZが挙げられる。無機固体電解質は、それ自体が陽イオン(Liイオン)を放出するものではなく、イオンの輸送機能を示すものである。これに対して、電解液ないし固体電解質層に添加して陽イオン(Liイオン)を放出するイオンの供給源となる材料を電解質と呼ぶことがある。上記のイオン輸送材料としての電解質と区別する際には、これを「電解質塩」または「支持電解質」と呼ぶ。電解質塩としては、例えばLiTFSIが挙げられる。
本発明において「組成物」というときには、2種以上の成分が均一に混合された混合物を意味する。ただし、実質的に均一性が維持されていればよく、所望の効果を奏する範囲で、一部において凝集や偏在が生じていてもよい。
以下に、実施例に基づき本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。以下の実施例において「部」および「%」というときには、特に断らない限り質量基準である。また、「室温」とは、25℃を意味する。
<非晶性酸化物系無機固体電解質の調製>
−非晶性酸化物系無機固体電解質LBOの調製−
LiO(Aldrich社製 純度>97%)3.000g、B(Aldrich社製 純度>99.98%)2.330gをアルゴン雰囲気(露点―60℃以下)下でメノウ製乳鉢に投入し、メノウ製乳棒を用いて5分間混合した。得られた混合物をアルミナるつぼに入れて大気下で500℃1時間加熱を行った。ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、上記混合物を加えアルゴン雰囲気下で容器を完全に密閉した。フリッチュ社製遊星ボールミルP−7(商品名)に容器をセットし、温度25℃、回転数400rpmで40時間メカニカルミリングを行うことで非晶性酸化物系無機固体電解質LBO(LiBO)を得た。
−非晶性酸化物系無機固体電解質LBO−LSOの調製−
LiSO・HO(Aldrich社製 純度>99.9%)を窒素雰囲気下300℃で2時間加熱することで脱水し、LiSOを得た。アルゴン雰囲気(露点―60℃以下)下、上記乾燥LiSO:0.611g、LiBO(和光純薬工業社製):3.982gを秤量し、メノウ製乳鉢に投入し、メノウ製乳棒を用いて5分間混合した。ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、LiSOとLiBOとの混合物を加えアルゴン雰囲気下で容器を完全に密閉した。フリッチュ社製遊星ボールミルP−7に容器をセットし、温度25℃、回転数400rpmで40時間メカニカルミリングを行うことで非晶性酸化物系無機固体電解質LBO−LSO(LiBO−LiSO)を得た。
<バインダーの合成>
−バインダーB−1の合成−
バインダーB−1を合成するため、まずマクロモノマーM−1を合成した。
具体的には、還流冷却管、ガス導入コックを付した1L3つ口フラスコにトルエンを190質量部加え、流速200mL/minで窒素ガスを10分間導入し、80℃に昇温した。別容器で下記組成1に示す成分を混合し、この混合した液を2時間かけてトルエンに滴下し、その後80℃で2時間攪拌した。その後V−601(商品名、和光純薬工業社製)を0.2g添加し、さらに95℃で2時間攪拌した。攪拌後95℃に保った反応溶液に2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(東京化成工業社製)を0.025質量部、メタクリル酸グリシジル(和光純薬工業社製)を13質量部、テトラブチルアンモニウムブロミド(東京化成工業社製)を2.5質量部加えて大気下、120℃で3時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、メタノールに加えて沈殿させ、デカンテーションを行い、上澄み液を除去した。沈殿物をメタノールで2回洗浄後、50℃で送風乾燥した。得られた固体を300質量部のヘプタンに溶解させることでマクロモノマーM−1の溶液を得た。固形分濃度は43.4%、SP値は9.1、質量平均分子量は16,000であった。
(組成1)
メタクリル酸ドデシル(和光純薬工業社製) 150質量部
メタクリル酸メチル(和光純薬工業社製) 59質量部
3−メルカプトイソ酪酸(東京化成工業社製) 2質量部
V−601(商品名、和光純薬工業社製) 1.9質量部
次に、上記マクロモノマーM−1を用いてバインダーB−1を合成した。
具体的には、還流冷却管、ガス導入コックを付した1L3つ口フラスコに、上記合成したマクロモノマーM−1のヘプタン溶液(固形分濃度43.4%)を47質量部、ヘプタンを60質量部加え、流速200mL/minにて窒素ガスを10分間導入した後に80℃に昇温した。別容器で下記組成2に示す成分を混合し、この混合した液を2時間かけて滴下し、その後80℃で2時間攪拌した。その後V−601(商品名、和光純薬工業社製)を0.2g添加し、さらに95℃で2時間攪拌した。室温まで冷却した後、ヘプタン300mLを加えることでポリマーB−1の分散液を得た。
(組成2)
上記合成したマクロモノマーM−1のヘプタン溶液(固形分濃度43.4%)
93質量部
アクリル酸ブチル(和光純薬工業社製) 100質量部
メタクリル酸メチル(和光純薬工業社製) 20質量部
アクリル酸(商品名:a−101、和光純薬工業社製) 20質量部
V−601(商品名、和光純薬工業社製) 1.1質量部
−バインダーB−2の合成−
上記組成2のアクリル酸をメタクリル酸グリシジル(和光純薬工業社製)に変えた以外は、上記バインダーB−1と同様にしてバインダーB−2を合成した。
−バインダーB−3の合成−
バインダーB−3を合成するため、まずポリウレアコロイド粒子Aa−1を合成した。
具体的には、末端ジオール変性ポリメタクリル酸ドデシル(Ab−1:炭素数6以上の長鎖アルキル基を有するジオール化合物)25質量%のヘプタン溶液260gを、1Lの3つ口フラスコに加え、ヘプタン110gで希釈した。これにイソホロンジイソシアネート(和光純薬工業社製)11.1gとネオスタンU−600(商品名、日東化成社製)0.1gとを加え、75℃で5時間加熱撹拌した。その後、イソホロンジアミン(アミン化合物)0.4gのヘプタン125g希釈液を1時間かけて滴下した。ポリマー溶液は、滴下開始後10分で透明から薄い黄色の蛍光色を有する溶液へと変化した。この変化により、ウレアコロイドが形成したことを確認した。反応液を室温に冷却し、ポリウレアコロイド粒子Aa−1の15質量%ヘプタン溶液506gを得た。
ポリウレアコロイド粒子Aa−1において、末端ジオール変性ポリメタクリル酸ドデシルのドデシル基は、ヘプタン(炭化水素系溶媒)と溶媒和した構造部分であり、ポリウレア構造は、ヘプタンと溶媒和しない構造部分である。
ポリウレアコロイド粒子Aa−1のポリウレアの質量平均分子量は、9,600であった。
次に、ポリウレアコロイド粒子Aa−1を用いてバインダーB−3を合成した。
具体的には、50mLサンプル瓶にジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(東京化成社製)2.6g、1,4−ブタンジオール(和光純薬工業社製)0.42g、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸(東京化成社製)0.28gおよびクラレポリオールP−1020(商品名、クラレ社製)2.9gを加えた。これにポリウレアコロイド粒子Aa−1の15質量%ヘプタン溶液15.7gを加え、50℃で加温しながらホモジナイザーで30分間分散した。この間、混合液は微粒子化し、薄橙色のスラリーとなった。得られたスラリーを、あらかじめ温度80℃に加熱した100mL3つ口フラスコに投入し、ネオスタンU−600(商品名、日東化成社製)0.1gを加えて、温度80℃、回転数400rpmで3時間加熱撹拌した。スラリーは、白色乳濁状となった。これにより、ポリウレタン粒子が形成されたことが推定された。白色乳濁状のスラリーを冷却し、ポリウレタン粒子(バインダーB−3)の40質量%ヘプタン分散液を得た。
(実施例1)
<固体電解質組成物の調製>
(1)固体電解質組成物S−1の調製
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、LLZ(LiLaZr12、平均粒子径5.06μm、豊島製作所製):4.45g、上記調製した非晶性酸化物系無機固体電解質LBO:0.5g、上記合成したバインダーB−1:0.05g(固形分質量)、分散媒体としてヘプタン:17.0gを投入した。その後、この容器をフリッチュ社製遊星ボールミルP−7にセットし、温度25℃、回転数300rpmで1時間混合を続け、固体電解質組成物S−1を調製した。
(2)固体電解質組成物S−2〜S−11およびT−1の調製
固体電解質組成物S−1の調製において、組成を表1に示すように変更したこと以外は、固体電解質組成物S−1と同様にして、固体電解質組成物S−2〜S−11およびT−1を調製した。
<測定方法>
−バインダーの固形分濃度の測定−
作製したバインダーの分散液をアルミカップ上で10g秤量し、140℃のホットプレート上で6時間乾燥処理を行った後に、アルミカップの質量を除いた質量を測定した。アルミカップの質量を除いた質量が当初秤量した10gに占める割合を固形分濃度とした。
−バインダーの体積平均粒子径の測定−
バインダーを任意の溶媒(固体電解質組成物の調製に用いた分散媒体。例えば、ヘプタン)を用いて20mlサンプル瓶中で1質量%の分散液を希釈調製した。希釈後の分散試料は、1kHzの超音波を10分間照射し、その直後に試験に使用した。この分散液試料を用い、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(商品名、HORIBA社製)を用いて、温度25℃で測定用石英セルを使用してデータ取り込みを50回行い、体積平均粒子径を測定した。1水準につき5つの試料を作製して測定し、その平均値を採用した。
−分子量の測定−
本発明に用いられるバインダーの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって標準ポリスチレン換算の質量平均分子量を採用した。測定装置および測定条件として下記条件2によることを基本とし、試料の溶解性等により条件1とした。ただし、ポリマー種によっては、さらに適宜適切なキャリア(溶離液)およびそれに適合したカラムを選定した。
(条件1)
カラム:TOSOH TSKgel Super AWM−H(商品名、東ソー社製)を2本つなげた。
キャリア:10mMLiBr/N−メチルピロリドン
測定温度:40℃
キャリア流量:1.0ml/min
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI(屈折率)検出器
(条件2)
カラム:TOSOH TSKgel Super HZM−H、
TOSOH TSKgel Super HZ4000、
TOSOH TSKgel Super HZ2000(いずれも商品名、東ソー社製)
をつないだカラムを用いた。
キャリア:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
キャリア流量:1.0ml/min
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI(屈折率)検出器
Figure 0006442607
<表の注釈>
・LLT:Li0.33La0.55TiO(平均粒径3.25μm、豊島製作所製、X>95)
・LLZ:LiLaZr12 (平均粒子径5.06μm、豊島製作所製、X>95)
・LBO:上記調製した非晶性酸化物系無機固体電解質LBO、X<10
・LBO−LSO:上記調製した非晶性酸化物系無機固体電解質LBO−LSO、X<10
LLT、LLZ、LBOおよびLBO−LSO結晶部の散乱強度Iと非晶部の散乱強度Iを求め、上記式(1)からXを算出した。IとIの測定方法を以下に示す。
X線回折装置でCuKα線を用いて2θ値5°〜70°までステップ数0.1°、ステップ時間1秒、電圧55kV電流280mAで測定を行った。半値全幅2°未満のシャープなピークを有する結晶部と半値全幅2°以上のブロードなピークを有する非晶部にピーク分離を行い、結晶部のピーク面積をI、非晶部のピーク面積をIとして測定した。
・B−1〜B−3:上記で合成したバインダーB−1〜B−3
・B−4:旭化成社製商品名:タフテックM1913(カルボン酸変性水素添加スチレンブタジエンゴム)
・B−5:ARKEMA社製商品名:KYNAR301F(ポリフッ化ビニリデン)
・バインダーの列の「−」は、バインダーが添加されていないことを意味する。これに伴い、バインダーが添加されていない固体電解質組成物の分子量の列も「−」で示した。
・粒径の列の「−」は、バインダーが分散媒体に溶解し、粒径が測定されていないことを意味する。
<電極活物質層用組成物の調製>
−全固体二次電池正極用組成物の調製−
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、正極活物質としてNMC(LiNi0.33Co0.33Mn0.33)6質量部、上記固体電解質組成物S−1:10質量部、固体電解質組成物S−1に用いられている分散媒体9質量部を加え、温度25℃、回転数100rpmで10分間混合し、下記表3に示す試験No.201の全固体二次電池正極用組成物を調製した。
試験No.202〜206およびc21の全固体二次電池正極用組成物を、下記表3に示す成分に変え、対応する固体電解質組成物に用いられている分散媒体に変えた以外は、上記試験No.201の全固体二次電池正極用組成物と同様にして調製した。
なお、下記表3において、全固体二次電池正極用組成物は正極活物質層の列に記載してある。
−全固体二次電池負極用組成物の調製−
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、負極活物質として黒鉛5質量部、上記固体電解質組成物S−1:10質量部、固体電解質組成物S−1に用いられている分散媒体9質量部を加え、温度25℃、回転数100rpmで10分間混合し、下記表3に示す試験No.201の全固体二次電池負極用組成物を調製した。
下記表3に示す成分に変え、対応する固体電解質組成物に用いられている分散媒体に変えた以外は、上記試験No.201の全固体二次電池負極用組成物と同様にして試験No.202〜206およびc21の全固体二次電池負極用組成物を調製した。
なお、下記表3において、全固体二次電池負極用組成物は負極活物質層の列に記載してある。
<シートの作成>
−固体電解質シートの作製−
上記固体電解質組成物S−1を厚み20μmのアルミ箔上に、ベーカー式アプリケーター(商品名SA−201、テスター産業社製)により塗布し、80℃で1時間加熱した後、さらに120℃で1時間加熱し、分散媒体を乾燥させた。その後、ヒートプレス機を用いて、固体電解質層が所定の密度になるように加熱(120℃)および加圧(600MPa、1分)し、試験No.101の固体電解質シートを得た。固体電解質層の膜厚は50μmであった。
固体電解質組成物S−1を下記表2に示す固体電解質組成物に変更した以外は、試験No.101の固体電解質シートと同様にして、試験No.102〜111およびc11の固体電解質シートを作製した。
−正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層を具備する全固体二次電池用電極シート(以下、全固体二次電池用電極シートと称する。)の作製−
上記で調製した試験No.201の二次電池正極用組成物を厚み20μmのアルミ箔上に、上記アプリケーターにより塗布し、120℃で2時間乾燥させた。その後、ヒートプレス機を用いて、所定の密度になるように加熱(120℃)および加圧(600MPa、1分)し、正極活物質層を形成した。
次に、上記正極活物質層上に、上記固体電解質組成物S−1を、上記アプリケーターにより塗布し、120℃で2時間加熱し、乾燥させ、固体電解質層を形成した。
その後、上記固体電解質層上に上記で調製した試験No.201の全固体二次電池負極用組成物を塗布し、120℃で2時間加熱し、乾燥させ、負極活物質層を形成した。ヒートプレス機を用いて、所定の密度になるように加熱(120℃)および加圧(600MPa、1分)し、全固体二次電池用電極シートを作製した。
<電池性能試験>
上記作製した固体電解質シートおよび全固体二次電池用電極シートについて、結着性およびイオン伝導度の試験を行った。結果を下記表2および3に示す。
−イオン伝導度測定用試料の作製−
(1)試験No.101〜111、c11用イオン伝導度測定用セルの作製
固体電解質シート12を直径14.5mmの円板状に切り出しコインケースに入れた。直径15mmの円板状に切り出したアルミ箔を固体電解質層と接触させ、スペーサーとワッシャーを組み込んで、ステンレス製の2032型コインケース11に入れた。コインケースをしめることで図2に示すイオン伝導度測定用セル13を作製した。
(2)試験No.201〜206、c21用イオン伝導度測定用セルの作製
全固体二次電池用電極シート12を直径14.5mmの円板状に切り出し、スペーサーとワッシャーを組み込んだステンレス製の2032型コインケース11に入れ、負極活物質層の上に15mmφに切り出したインジウム箔を重ねた。その上にさらにステンレス箔を重ねた後、コインケース11をしめることで図2に示すイオン伝導度測定用セル13を作製した。
−イオン伝導度の測定−
上記イオン伝導度測定用セルを用いて、イオン伝導度を測定した。具体的には、30℃の恒温槽中、SOLARTRON社製 1255B FREQUENCY RESPONSE ANALYZER(商品名)を用いて電圧振幅5mV、周波数1MHz〜1Hzまで交流インピーダンス測定した。これにより試料の膜厚方向の抵抗を求め、下記式(1)により計算して求めた。
イオン伝導度(mS/cm)=
1000×試料膜厚(cm)/(抵抗(Ω)×試料面積(cm))・・・式(1)
−結着性試験−
上記固体電解質シートの固体電解質層(縦50mm、横12mm)に幅12mm、長さ60mmのセロテープ(登録商標、ニチバン社製)を貼り、10mm/minの速度で50mm引き剥がした。その際の、引き剥がしたセロテープの面積に対する剥離したシート部分の面積比率で評価した。測定は10回行い、最大値および最小値を除いた、8回の測定値の平均を採用した。試験用のサンプルは各水準について5つのものを用いてその平均値を採用した。
全固体二次電池用電極シートは負極活物質層にセロテープが接するようにセロテープを貼り、同様に試験を行った。
5: 0以上5%未満
4: 5%以上15%未満
3: 15%以上30%未満
2: 30%以上60%未満
1: 60%以上
Figure 0006442607
表2から明らかなように、本発明の規定を満たす固体電解質組成物を用いて作製した、試験No.101〜111の固体電解質シートはイオン伝導度に優れる。また、固体電解質組成物にバインダーを含有させた試験No.101〜109および111の固体電解質シートは、イオン伝導度だけでなく良好な結着性も示した。
これに対し、本発明の規定を満たさない試験No.c11の固体電解質シートは、イオン伝導度および結着性が両方とも不十分であった。
Figure 0006442607
<表の注>
NMC:LiNi0.33Co0.33Mn0.33 ニッケルマンガンコバルト酸リチウム
LCO:LiCoO コバルト酸リチウム
LTO:LiTi12 チタン酸リチウム(商品名「エナマイトLT−106」、石原産業(株)社製)
表3から明らかなように、本発明の規定を満たす、試験No.201〜206の全固体二次電池はイオン伝導度に優れる。また、固体電解質組成物にバインダーを含有させた試験No.201〜205の全固体二次電池は、イオン伝導度だけでなく良好な結着性も示した。
これに対し、本発明の規定を満たさない試験No.c21の全固体二次電池は、イオン伝導度および結着性が両方とも不十分であった。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
本願は、2015年5月29日に日本国で特許出願された特願2015−110579に基づく優先権を主張するものであり、これはいずれもここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。
1 負極集電体
2 負極活物質層
3 固体電解質層
4 正極活物質層
5 正極集電体
6 作動部位
10 全固体二次電池
11 コインケース
12 固体電解質シートまたは全固体二次電池用電極シート
13 イオン伝導度測定用セル

Claims (15)

  1. 結晶性酸化物系無機固体電解質と非晶性酸化物系無機固体電解質とを含有する固体電解質組成物であって、該結晶性酸化物系無機固体電解質と該非晶性酸化物系無機固体電解質の各含有量が体積比で、[結晶性酸化物系無機固体電解質]:[非晶性酸化物系無機固体電解質]=75901025であり、
    下記官能基群[a]から選択される少なくとも1種の官能基を有する、少なくとも1種のバインダーを含有する固体電解質組成物。
    官能基群[a]
    カルボキシ基、スルホ基、リン酸基、ホスホン酸基、ヒドロキシ基、スルファニル基、イソシアナト基、オキセタニル基、エポキシ基、ジカルボン酸無水物基、シリル基
  2. 前記結晶性酸化物系無機固体電解質と前記非晶性酸化物系無機固体電解質と前記バインダーの各含有量の体積比、[結晶性酸化物系無機固体電解質]:[非晶性酸化物系無機固体電解質]:[バインダー]=75851023である請求項1に記載の固体電解質組成物。
  3. 前記バインダーを構成する樹脂が、炭化水素樹脂、含フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリエステルおよびポリカーボネートからなる群から選択される請求項1または2に記載の固体電解質組成物。
  4. 前記官能基群[a]が、下記官能基群[b]である請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解質組成物。
    官能基群[b]
    カルボキシ基、スルホ基、リン酸基、ホスホン酸基、ヒドロキシ基、ジカルボン酸無水物基、シリル基
  5. 前記バインダーを構成する樹脂が、アクリル樹脂またはポリウレタンである請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体電解質組成物。
  6. 前記バインダーが、平均粒子径0.01μm〜10μmの粒子である請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体電解質組成物。
  7. 前記非晶性酸化物系無機固体電解質が下記式(I)で表される化合物を含んでなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体電解質組成物。
    Lixcyccc zcnc 式(I)
    式(I)において、MccはC、S、Al、Si、P、Ga、Ge、InおよびSnからなる群から選択される少なくとも1種であり、xc、yc、zcおよびncは組成比を表し、0<xc≦5、0<yc≦1、0≦zc≦1、0<nc≦6である。
  8. 前記結晶性酸化物系無機固体電解質が下記式の化合物から選ばれる請求項1〜7のいずれか1項に記載の固体電解質組成物。
    ・LixaLayaTiO
    xa=0.3〜0.7、ya=0.3〜0.7
    ・LixbLaybZrzbbb mbnb
    5≦xb≦10、1≦yb≦4、1≦zb≦4、0≦mb≦2、5≦nb≦20
    bbは、Al、Mg、Ca、Sr、V、Nb、Ta、Ti、Ge、InおよびSnからなる群から選択される少なくとも1種
    ・Li3.5Zn0.25GeO
    ・LiTi12
    ・Li1+xh+yh(Al,Ga)xh(Ti,Ge)2−xhSiyh3−yh12
    0≦xh≦1、0≦yh≦1
    ・LiPO
    ・LiPON
    ・LiPOD
    は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
    Zr、Nb、Mo、Ru、Ag、Ta、W、Ptおよび
    Auからなる群から選択される少なくとも1種
    ・LiAON
    は、Si、B、Ge、Al、CおよびGaから
    なる群から選択される少なくとも1種
  9. 分散媒体を含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の固体電解質組成物。
  10. 活物質を含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の固体電解質組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の固体電解質組成物を金属箔上に適用して、製膜した全固体二次電池用電極シート。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の固体電解質組成物を金属箔上に適用して、製膜する全固体二次電池用電極シートの製造方法。
  13. プレス工程を含む請求項12に記載の全固体二次電池用電極シートの製造方法。
  14. 請求項12または13に記載の製造方法を介して正極活物質層、負極活物質層および無機固体電解質層を具備する全固体二次電池を製造する全固体二次電池の製造方法。
  15. 正極活物質層、負極活物質層および無機固体電解質層を具備する全固体二次電池であって、該正極活物質層、該負極活物質層および該無機固体電解質層の少なくとも1層を、請求項1〜9のいずれか1項に記載の固体電解質組成物を適用して層とした全固体二次電池。
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