JP6443069B2 - 光学積層体 - Google Patents
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Description
このような要求に対して、例えば、光透過性基材にハードコート(HC)層を設けたり、更に、反射防止性や防眩性等光学機能を付与したりした光学積層体を利用することにより、画像表示装置の画像表示面の耐擦傷性を向上させることが一般になされている。
このようなハードコート層をより高硬度とする方法として、例えば、特許文献2には、光透過性基材上に反応性シリカ微粒子とバインダー成分とを含む第一のハードコート層を設け、該第一のハードコート層上に第二のハードコート層を設けたハードコートフィルムが開示されている。
ところが、このような薄膜化された光透過性基材上に従来の高硬度化の図られたハードコート層を形成すると、大きなカールが発生するという問題があった。
また、上記第一の樹脂成分は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
以下に、本発明を詳細に説明する。
また、光透過性基材上にハードコート層を設け構成の光学積層体においては、光透過性基材とハードコート層との屈折率の相違から入射光の界面反射に起因した干渉縞の発生が問題となる。
このため、本発明者らは、更に検討した結果、上記光透過性基材の第一のハードコート層側の界面近傍に、上記第一のハードコート層を構成する樹脂成分が浸透してなる浸透層を設け、上記第一のハードコート層を、上記浸透層と光透過性基材に浸透していない非浸透層とからなる構成とすることで、干渉縞の発生を好適に防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記光透過性基材の材料は、トリアセチルセルロースであることが好ましい。上記トリアセチルセルロースを材料として形成される光透過性基材は、透明性、平滑性、耐熱性を備え、更に機械的強度に優れる。
上記光透過性基材の厚みは、15〜45μmであることが好ましい。15μm未満であると、本発明の光学積層体の硬度が不充分となることがあり、45μmを超えると、本発明の光学積層体が厚くなり、近年の薄膜化の要請に充分に応えることができなくなくなることがある。上記光透過性基材の厚みのより好ましい下限は20μm、より好ましい上限は40μmである。
また、上記光透過性基材は、その上に第一のハードコート層を形成するに際して、接着性向上のために、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、酸化処理等の物理的な処理のほか、ケン化処理、溶剤処理等の化学的な処理、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布(厚みは1μm程度)を予め行ってもよい。
本発明の光学積層体において、上記第一のハードコート層は、後述する第二のハードコート層よりも硬度の低い層である。このような低硬度の第一のハードコート層を有することで、本発明の光学積層体は、内部応力を緩和することができ、その結果、カールの発生を好適に防止することができる。
上記第一のシリカ微粒子としては特に限定されないが、例えば、コロイダルシリカが挙げられる。
上記コロイダルシリカは、表面処理コロイダルシリカであることが好ましい。上記表面処理コロイダルシリカとしては、表面に紫外線反応性官能基を有するコロイダルシリカが挙げられる。上記紫外線反応性官能基としては特に限定されず、例えば、アクリレート基、メタクリレート基、エポキシ基、ビニル基等が挙げられる。
このような紫外線反応性官能基を表面に有するコロイダルシリカとしては、例えば、第一のシリカ微粒子の表面に上記紫外線反応性官能基を有するシランカップリング剤を反応させる方法等により得ることができる。
上記シランカップリング剤としては特に限定されず、公知のものを挙げることができ、例えば、KBM−502、KBM−503、KBE−502、KBE−503、KBM−5803、KBM−4803、KBM−1083(商品名、いずれも、信越化学工業社製)等が挙げられる。
上記平均粒子径は、本発明の光学積層体の断面を電子顕微鏡(SEM、TEM、STEM)で観察し、測定して得られる値である。上記コロイダルシリカの平均粒子径は、インク中で分散した状態であっても、形成後の第一のハードコート層内においても、同じ数値を示すのである。
なお、本発明の光学積層体において、上記コロイダルシリカは、1種類で用いてもよいし、平均粒子径が異なる2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明の光学積層体では、上記第一のハードコート層形成用組成物におけるコロイダルシリカの形態は、単粒子状、又は、異形粒子状のいずれかであってもよいが、形成する第一のハードコート層のケン化耐性及び鉛筆硬度が良好になることから、より好ましくは異形粒子状である。
ここで、「異形粒子状」とは、3〜20個の球状のコロイダルシリカが無機の化学結合により結合した状態を意味する。このような異形粒子状のコロイダルシリカは、上述した表面処理コロイダルシリカであることで容易に形成することができる。
上記異形粒子状のコロイダルシリカは、球状のコロイダルシリカが無機の化学結合により結合した状態なため、鉛筆硬度試験等のような外部からの押込力がかかった際、つぶれにくい頑丈な性質を持っている。また、異形粒子状のコロイダルシリカは、表面面積が広く、またその形状から、上記ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート等との接着力が強くなる利点がある。そのため、異型粒子状のコロイダルシリカは、剥がれにくくケン化耐性等が向上する。更に、異形粒子状のコロイダルシリカは、該異形粒子状のコロイダルシリカ同士がランダムに絡み合うために、物理的にも頑丈になる。
また、単粒子状シリカでも、粒子径が大きくなると(例えば、平均粒径が30nm以上)、鉛筆硬度試験等のような外部からの大きな押込力がかかった際、つぶれにくく頑丈となり、また、剥がれにくくなり、ケン化耐性も良好となる。
更に、単粒子状シリカの粒子径が小さくなった場合であっても(例えば、平均粒径が30nm未満)、第一のハードコート層表面付近の硬度が増すため、耐SW性が良化する結果も得られる。
上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂及びゴム又はエラストマー等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂は、非結晶性で、かつ有機溶媒(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶媒)に可溶であることが好ましい。特に、製膜性、透明性や耐候性の観点から、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルを意味する。
上記熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が70℃以上であることが好ましい。
また、上記熱可塑性樹脂は、分子内に紫外線又は電子線により硬化する官能基を有していてもよい。上記熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、分子内への紫外線又は電子線により硬化する官能基の導入により低下する傾向にあるため、硬化前の状態でガラス転移温度が70℃以上となる範囲で、上記分子内に紫外線又は電子線により硬化する官能基が導入されることが好ましい。
上記電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、アクリレート系の官能基を有する化合物等の1又は2以上の不飽和結合を有する化合物を挙げることができる。1の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等を挙げることができる。2以上の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、多官能のウレタン(メタ)アクリレート、多官能のエポキシ(メタ)アクリレート等の多官能化合物、又は、上記多官能化合物と(メタ)アクリレート等との反応生成物(例えば、多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートエステル)等が挙げられる。更に、上述した化合物のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン又はイソシアヌル酸等の変性を施した化合物であってもよい。
上記熱硬化性樹脂としては特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。
上記光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類(例えば、商品名イルガキュア184、BASF社製の1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、商品名イルガキュア907、BASFの2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリフォリノプロパン−1−オン)、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよいし又は2種以上を併用してもよい。
また、商品名イルガキュア127(BASF社製の2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)ベンジル〕−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン)や、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1や2−ジメチルアミノ−2−(4メチル−ベンジル)−1−(4−モリフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オンも併用可能である。
更に、上記以外の市販品も使用でき、具体的には、BASF社製のイルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819、イルガキュア500、イルガキュア754、イルガキュア250、イルガキュア1800、イルガキュア1870、イルガキュア2959、イルガキュアOXE01、DAROCUR TPO、DAROCUR1173、日本シイベルヘグナー社製のSpeedcureMBB、SpeedcurePBZ、SpeedcureITX、SpeedcureCTX、SpeedcureEDB、Esacure ONE、Esacure KIP150、Esacure KTO46、日本化薬社製のKAYACURE DETX−S、KAYACURE CTX、KAYACURE BMS、KAYACURE DMBI等が挙げられる。
ただし、後述するように、本発明の光学積層体では、第二のハードコート層は、第一の樹脂成分が海島状に分散された分散物を含むものであるため、上記第一のハードコート層用組成物を光透過性基材上に塗布した塗膜は、完全に硬化させてから第二のハードコート層が形成されるのではなく、ハーフキュア(半硬化)の状態で、第二のハードコート層が形成される。
また、上記第一の樹脂成分がガラス転移温度100℃以上の熱可塑性樹脂である場合、該熱可塑性樹脂は、第一のハードコート層用組成物の塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となる樹脂(溶剤乾燥型樹脂)であるため、上記第一のハードコート層用組成物の塗膜は、電離放射線照射等による硬化は不要である。
上記第一の樹脂成分がガラス転移温度100℃未満の熱可塑性樹脂である場合、本発明の光学積層体は、ロールトゥロールで製造されるため、上記塗膜がガイドロールに貼り付くことを防止するため、該塗膜に電離放射線照射によるハーフキュア(半硬化)を行うことが好ましい。
なお、上記第一のハードコート層用組成物の塗膜への電離放射線等の照射は、空気中又は酸素濃度が高めの環境下で行うことが好ましい。このような環境下で第一のハードコート層用組成物の塗膜に電離放射線等を照射することで、上記塗膜をハーフキュアとすることが容易となり、該塗膜上に形成する第二のハードコート層中への第一の樹脂成分の溶出制御と第二のハードコート層との密着性とを向上させることが容易となる。
また、紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。
上記光透過性基材がTAC基材であると、このような浸透性溶剤がTAC基材を膨潤、湿潤することによって、第一のハードコート層用組成物の一部がTAC基材に浸透する挙動をとり、TAC基材の界面近傍に第一のハードコート層の樹脂成分が浸透した浸透層が形成され、これらの界面を実質的に無くすことができ、干渉縞の発生の防止、及び、TAC基材と第一のハードコート層との密着性の向上を図ることができる。
好ましくは、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等が用いられる。
その他溶剤も、上記浸透性溶剤と混合して用いることができる。
このような構成の第一のハードコート層を有することで、本発明の光学積層体は、光透過性基材と第一のハードコート層との界面反射に起因した干渉縞の発生を好適に防止でき、また、上記光透過性基材と第一のハードコート層との密着性も極めて優れたものとなる。
一方、7μmを超えると、本発明の光学積層体にカールが発生したり、薄膜化の要請に充分に応えることができなかったりするだけでなく、第二のハードコート層との密着性も悪化したり、第二のハードコート層と第一のハードコート層の間での干渉縞が発生することもある。
なお、本明細書において、上記第一のハードコート層の厚み、上記浸透層及び非浸透層の厚みは、本発明の光学積層体の断面顕微鏡観察により測定することができる。
上記第二のシリカ微粒子及び第二の樹脂成分としては、上述した第一のハードコート層における第一のシリカ微粒子及び第一の樹脂成分と同様のものが挙げられ、また、上記第二のハードコート層用組成物の調製方法も上記第一のハードコート層用組成物と同様の方法が挙げられる。
上記第二のシリカ微粒子の平均粒子径は、上記第一のシリカ微粒子の平均粒子径と同じであっても、異なっていてもよい。
本発明の光学積層体において、上記第二のハードコート層は、上述した第一のハードコート層よりも硬度の高い層である。このような高硬度の第二のハードコート層を有することで、本発明の光学積層体は、耐擦傷性に優れたものとなる。
なお、本発明の光学積層体において、第一のハードコート層用組成物及び/又は第二のハードコート層用組成物の具体的な組成は、第一のハードコート層の硬度と第二のハードコート層の硬度とが、上述した特定の関係となるよう適宜調整される。
第二のシリカ微粒子の配合量のより好ましい下限は30質量%であり、より好ましい上限は50質量%である。
ここで、上記「第一の樹脂成分が海島状に分散された分散物を含有する」という状態は、上記第二のハードコート層の断面顕微鏡観察により確認することができ、具体的には、第二のハードコート層の断面において、均一に分散された状態の第二のシリカ微粒子中に、上記第一の樹脂成分が第二のシリカ微粒子が殆ど存在しない塊状の領域として、かつ、当該領域の分散状態が、上記均一に分散された状態の第二のシリカ微粒子と比較して、明らかに均一でない状態で観察されることをいう。なお、上記「第二のシリカ微粒子が殆ど存在しない塊状の領域」とは、当該塊状の領域に、第二のシリカ微粒子が全く存在しない場合を含む。
なお、上記面積率は、TEMによる上記第二のハードコート層の断面写真から、画像解析ソフトWin Roof(三谷商事社ビジュアルシステム部)によって画像の2値化(第一の樹脂成分の存在量を面積化する)を行い、0.01μm2以上となる領域の面積を測定して得ることができる。
一方、第一の樹脂成分が、第二のハードコート層の第一のハードコート層側と反対側表面に多く存在すると、耐擦傷性が悪化することがある。
ここで、上記「第二のハードコート層の第一のハードコート層側に偏在して含有されている」とは、上記第二のハードコート層の断面顕微鏡観察により確認することができ、該第二のハードコート層の断面の厚み方向の中点を結ぶ線の第一のハードコート層と反対側(以下、上側領域ともいう)よりも第一のハードコート層側(以下、下側領域ともいう)に上記第一の樹脂成分が多く分散されていることを意味する。
より具体的には、上述した面積率を測定したときに、上記下側領域における第一の樹脂成分の面積率が、上記上側領域における第一の樹脂成分の面積率の1.5〜2.3倍であることが好ましい。
上記第二のハードコート層用組成物の塗膜を硬化させる際には、ハーフキュアさせた第一のハードコート層用組成物の塗膜も併せて硬化させることが好ましい。
また、第二のハードコート層用組成物の塗膜への電離放射線等の照射は、低酸素濃度環境下で行うことが好ましい。低酸素濃度環境下で電離放射線等の照射を行うことで、第二のハードコート層用組成物の塗膜を、該塗膜中に溶出した第一の樹脂成分の海島構造を壊すことなく硬化させることができる。
上記ビッカース硬度(N1)のより好ましい下限は650MPa、より好ましい上限は1250MPaであり、更に好ましい下限は700MPa、更に好ましい上限は1200MPaである。
なお、本発明の光学積層体において、上記ビッカース硬度(N1)は、後述するようにビッカース圧子を第二のハードコート層の断面に押込むことで測定される。
上記ビッカース圧子を押込む位置は、上記第二のハードコート層の断面の第一のハードコート層側と反対側表面付近であることが好ましい。このような位置にビッカース圧子を押込むことで測定されるビッカース硬度(N1)は、上記第二のハードコート層の表面(第一のハードコート層側と反対側表面)のビッカース硬度と見做すことができる。具体的には、上記ビッカース圧子は、上記第二のハードコート層の断面の上記第一のハードコート層側と反対側表面から1.5μmまでの範囲内であることが好ましい。
上記ビッカース硬度(N2)のより好ましい下限は270MPa、より好ましい上限は450MPaであり、更に好ましい下限は280MPa、更に好ましい上限は400MPaである。
なお、上記ビッカース硬度(N2)は、上記第一のハードコート層の断面の厚み方向の中点を結ぶ位置で測定された値であることが好ましい。
なお、上記ビッカース硬度(N3)は、上記光透過性基材の断面の厚み方向の中点を結ぶ位置で測定された値であることが好ましい。
また、第一のハードコート層100の断面のビッカース硬度(N2)は、図1に示したように、第一のハードコート層100の断面100aの中央(B−B線)に、該断面100aに対して垂直方向からバーコビッチ圧子12を押し込んで形成したくぼみ13bから、上記(N1)と同様にしてビッカース硬度(5箇所について求めた平均)を求める。また、上記トリアセチルセルロース基材の断面のビッカース硬度(N3)は、光透過性基材11の断面11aの中央(C−C線)に、該断面11aに対して垂直方向からバーコビッチ圧子12を押し込んで形成したくぼみ13cから、上記(N1)と同様にしてビッカース硬度(5箇所について求めた平均)を求める。
なお、上記ナノインデンテーション法によるビッカース硬度の測定は、HYSITRON(ハイジトロン)社製の品名「TI950 TriboIndenter」、圧子「Berkovich圧子(三角錐)」を用いて測定することができる。
上記ビッカース硬度の測定は、具体的には、以下の方法で行うことが好ましい。
(1)負荷:20秒かけてバーコビッチ圧子12を0から200nmまで押込む(押込み速度:10nm/秒)
(2)保持:押込んだバーコビッチ圧子12を5秒間保持
(3)除荷:20秒かけてバーコビッチ圧子12を200nmから0nmまで戻す(戻し速度:10nm/秒)
(4)上記(1)〜(3)により測定したmax荷重を計測し、該max荷重(Pmax(μN)と深さ200nmのくぼみ面積A(nm2)とを用い、Pmax/Aでビッカース硬度を算出
本明細書において、上記第二のハードコート層の鉛筆硬度試験による硬度は、5回ひっかき試験を行ったうち、1回の引いた長さの3分の1以上の長さに傷が発生した回をNGとし、NGが1回以下であれば合格という基準に基づいて評価した結果を意味する。つまり、5回ひっかき試験を行い、1回傷が発生した場合は「4/5」という記述になり合格となり、また、5回ひっかき試験を行い、4回傷が発生した場合は「1/5」という記述になり不合格となる。
このため、本発明の光学積層体は、フレキシブルタイプの有機ELディスプレイや、スマートフォンや腕時計型端末などの携帯端末、自動車内部の表示装置、腕時計などに使用するフレキシブルパネル等に、更には、液晶表示装置等の画像表示装置やタッチパネル等に好適に用いることができる。
光透過性基材として、厚さ25μmのトリアセチルセルロース基材(富士フイルム社製、TAC25)を準備し、該光透過性基材の一方の面上に、上記表1に示した組成の第一のハードコート層用組成物Aを塗布し、塗膜(浸透層及び非浸透層)を形成した。
次いで、形成した塗膜に対して、70℃の乾燥空気を45秒間流通させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて、紫外線を高酸素濃度雰囲気(酸素濃度500ppm以上)下にて積算光量が50mJ/cm2になるように照射して塗膜をハーフキュアさせ、浸透層と非浸透層とからなる塗膜を形成した。
次いで、ハーフキュアさせた第一のハードコート層用組成物の塗膜上に、上記表2に示した組成の第二のハードコート層用組成物1を塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、70℃の乾燥空気を45秒間流通させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が200mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、4.5μm厚み(硬化時)の第二のハードコート層を形成し、光学積層体を製造した。
第二のハードコート層の厚みが6.0μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第二のハードコート層の厚みが2.5μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第一のハードコート層の浸透層の厚みが3.0μm、非浸透層の厚みが3.0μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第一のハードコート層の浸透層の厚みが1.5μm、非浸透層の厚みが1.5μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第一のハードコート層の浸透層の厚みが3.0μm、非浸透層の厚みが3.0μmとなるようにし、第二のハードコート層の厚みが6.0μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
光透過性基材として、厚さ40μmのトリアセチルセルロース基材(コニカミノルタ社製、TAC40)を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第二のハードコート層用組成物1に代えて、第二のハードコート層用組成物2を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第二のハードコート層用組成物1に代えて、第二のハードコート層用組成物3を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
光透過性基材として、厚さ40μmのトリアセチルセルロース基材(コニカミノルタ社製、TAC40)を用いた以外は、実施例9と同様にして光学積層体を製造した。
第二のハードコート層用組成物1に代えて、第二のハードコート層用組成物4を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第二のハードコート層用組成物1に代えて、第二のハードコート層用組成物5を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第二のハードコート層用組成物1に代えて、第二のハードコート層用組成物6を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第二のハードコート層用組成物1に代えて、第二のハードコート層用組成物7を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第二のハードコート層用組成物1に代えて、第二のハードコート層用組成物8を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第一のハードコート層用組成物Aに代えて、第一のハードコート層用組成物Bを用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第一のハードコート層用組成物Aに代えて、第一のハードコート層用組成物Cを用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第一のハードコート層用組成物Aに代えて、第一のハードコート層用組成物Dを用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第一のハードコート層用組成物Aに代えて、第一のハードコート層用組成物Eを用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第一のハードコート層用組成物Aに代えて、第一のハードコート層用組成物Fを用い、浸透層の厚みが1.6μm、非浸透層の厚みが2.6μmとなるようにした以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第一のハードコート層用組成物Aに代えて、第一のハードコート層用組成物Gを用い、浸透層の厚みが3.0μm、非浸透層の厚みが1.2μmとなるようにした以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第一のハードコート層用組成物Aに代えて、第一のハードコート層用組成物Hを用い、浸透層の厚みが1.2μm、非浸透層の厚みが3.0μmとなるようにした以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第一のハードコート層用組成物Aに代えて、第一のハードコート層用組成物Iを用い、浸透層の厚みが1.2μm、非浸透層の厚みが3.0μmとなるようにした以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第一のハードコート層用組成物Aに代えて、第一のハードコート層用組成物Jを用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第一のハードコート層用組成物Aに代えて、第一のハードコート層用組成物Kを用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第一のハードコート層用組成物Aに代えて、第一のハードコート層用組成物Lを用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第一のハードコート層用組成物Aに代えて、第一のハードコート層用組成物Mを用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第一のハードコート層用組成物Aに代えて、第一のハードコート層用組成物Cを用い、第二のハードコート層用組成物1に代えて、第二のハードコート層用組成物3を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第二のハードコート層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第一のハードコート層用組成物Aに代えて、第一のハードコート層用組成物Nを用い、浸透層が形成されず、非浸透層の厚みが4.0μmの第一のハードコート層を形成した以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第一のハードコート層用組成物Aに代えて、第一のハードコート層用組成物Oを用い、非浸透層が形成されず、浸透層の厚みが4.0μmの第一のハードコート層を形成した以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第一のハードコート層用組成物Aに代えて、第一のハードコート層用組成物Pを用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第二のハードコート層用組成物1に代えて、第二のハードコート層用組成物9を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第二のハードコート層の厚みが10.0μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第二のハードコート層の厚みが1.0μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第一のハードコート層用組成物Aに代えて、第一のハードコート層用組成物Qを用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
第二のハードコート層用組成物1に代えて、第二のハードコート層用組成物10を用いた以外、実施例1と同様にして光学積層体を製造した。
実施例、比較例及び参考例に係る光学積層体の第一のハードコート層の断面、第二のハードコート層の断面、及び、光透過性基材の断面をナノインデンテーション法によりビッカース硬度を測定した値を、それぞれN1、N2、N3とした。
なお、各実施例、比較例及び参考例に係る光学積層体を50μmに裁断し、第二のハードコート層の断面の第一のハードコート層側と反対側面から0.5μmとなる場所、並びに、第一のハードコート層及び光透過性基材それぞれの断面のほぼ中央となる場所を下記方法によりビッカース硬度を測定した。5回測定した値の平均値をそれぞれN1、N2、N3とした。
なお、ビッカース硬度の詳細な測定方法は、図1を用いて説明したとおりである。
具体的なナノインデンテーション法によるビッカース硬度の測定方法は、HYSITRON(ハイジトロン)社製の「TI950 TriboIndenter」を用いて行った。すなわち、Berkovich圧子(三角錐)を、実施例、比較例及び参考例に係る光学積層体の第二のハードコート層等の断面から200nm押し込み、一定保持して残留応力の緩和を行った後、除荷させて、緩和後のmax荷重を計測し、該max荷重(Pmax(μN)と深さ200nmのくぼみ面積A(nm2)とを用い、Pmax/Aにより、インデンテーション硬度を算出する。なお、測定温度は25℃、測定湿度は50%とする。
(Berkovic圧子変位制御方式)
20秒間に0nmから200nmまで負荷(押込み)
200nmのままで5秒保持
20秒間に200nmから0nmまで除荷
実施例、比較例及び参考例に係る光学積層体の第二のハードコート層表面を、スチールウール(「ボンスター#0000(商品名)」、日本スチールウール社製)を用いて、摩擦荷重を変化させ、10往復摩擦し、その後の塗膜の傷、剥がれの有無を目視し下記の基準にて評価した。
○:700g/cm2荷重で、傷なし、塗膜の剥がれなし
×:700g/cm2荷重で傷又は塗膜の剥がれがあった
実施例、比較例及び参考例に係る光学積層体のヘイズを、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号:HM−150)を用いて、JIS K7361に準拠して測定した。
実施例、比較例及び参考例に係る光学積層体の鉛筆硬度を、JIS K5600−5−4(1999)に基づいて測定した。
実施例、比較例及び参考例に係る光学積層体にクロスカット碁盤目試験を行い、元のカット部数(100)に対するテープ(ニチバン社製)を剥がした後に光透過性基材上に残存したカット部数について、下記の基準にて評価した。
○:90〜100
×:0〜89
実施例、比較例及び参考例に係る光学積層体の光透過性基材の第一及び第二のハードコート層を形成した面と逆の面に、裏面反射を防止するための黒色テープを貼り、第二のハードコート層の面から光学積層体を目視により観察し、干渉縞の発生の有無を評価した。
干渉縞が観察されなかったものを「○」とし、干渉縞が観察されたものを「×」とした。
実施例、比較例及び参考例に係る光学積層体を、任意の方向で100mm×100mm四方に切取り、温度25℃、湿度50%の雰囲気下で24時間静置。その後、浮きあがった対向する2辺の距離(カール)を測定した。なお、対向する2辺が重なった場合「筒状」と表記した。
実施例、比較例及び参考例に係る光学積層体について、TEMによる第二のハードコート層の断面写真から、画像解析ソフトWin Roof(三谷商事社ビジュアルシステム部)によって画像の2値化(第一の樹脂成分の存在量を面積化する)を行い、0.01μm2以上となる領域の面積を測定した。
比較例1に係る光学積層体は、第二のハードコート層を設けなかったため、鉛筆硬度及び耐SW性の各評価に劣っていた。比較例2に係る光学積層体は、第一のハードコート層に浸透層が形成されなかったため、また、比較例3に係る光学積層体は、第一のハードコート層に非浸透層が形成されなかったため、それぞれ、第一のハードコート層と第二のハードコート層との密着性に劣り、また、干渉縞も発生していた。比較例3に係る光学積層体は、鉛筆硬度にも劣っていた。比較例4に係る光学積層体は、第一のハードコート層に第一のシリカ微粒子を含まなかったため、また、比較例5に係る光学積層体は、第二のハードコート層に第二のシリカ微粒子を含まなかったため、それぞれ、干渉縞の評価に劣り、また、大きなカールが発生して筒状となっていた。
参考例1に係る光学積層体は、第二のハードコート層の厚みが10.0μmと厚すぎたため、カールが発生して筒状となっていた。参考例2に係る光学積層体は、第二のハードコート層の厚みが1.0μmと薄く、鉛筆硬度の結果が2Hと実施例に係る光学積層体の鉛筆硬度の結果よりも劣っていた。参考例3に係る光学積層体は、第一のハードコート層用組成物に熱可塑性樹脂を含まなかったため、第一のハードコート層と第二のハードコート層との密着性に劣り、また、干渉縞も発生していた。参考例4に係る光学積層体は、第二のハードコート層に溶出した第一のハードコート層用組成物の第一の樹脂成分が多すぎ(第一の樹脂成分の面積率が15%を超える)たため、ヘイズが高く、耐SW性にも劣っていた。
そのため、本発明の光学積層体は、陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)等に好適に適用することができる。
10a 第二のハードコート層10の断面
11 光透過性基材
11a 光透過性基材11の断面
12 バーコビッチ圧子
13a、13b、13c くぼみ
100 第一のハードコート層
100a 第一のハードコート層100の断面
Claims (5)
- 光透過性基材の一方の面上に、第一のハードコート層が形成され、前記第一のハードコート層の前記光透過性基材側と反対側面上に、第二のハードコート層が形成された光学積層体であって、
前記第一のハードコート層は、第一のシリカ微粒子と第一の樹脂成分とを含む第一のハードコート層用組成物を用いて形成されてなり、かつ、前記第一の樹脂成分が前記光透過性基材中に浸透して形成された浸透層と、前記第一のハードコート層用組成物により形成された非浸透層とを有するものであり、
前記第二のハードコート層は、第二のシリカ微粒子と第二の樹脂成分とを含む第二のハードコート層用組成物を用いて形成されてなり、かつ、前記第一の樹脂成分が海島状に分散された分散物を含有するものであり、
前記浸透層の厚みが前記第一ハードコート層の厚みの15〜85%であり、
前記第二のハードコート層は、厚さ方向の断面における前記第一の樹脂成分の面積率が5〜15%である
ことを特徴とする光学積層体。 - 海島状に分散された第一の樹脂成分は、第二のハードコート層の第一のハードコート層側に偏在して含有されている請求項1記載の光学積層体。
- 第二のハードコート層の断面のビッカース硬度(N1)、第一のハードコート層の非浸透層の断面のビッカース硬度(N2)及び光透過性基材の断面のビッカース硬度(N3)を、それぞれナノインデンテーション法により、負荷荷重10mNで測定したとき、
前記ビッカース硬度(N1)が、600〜1300MPaであり、
前記ビッカース硬度(N2)が、250〜500MPaであり、
前記ビッカース硬度(N3)が、250〜335MPaである
請求項1又は2記載の光学積層体。 - 第一のハードコート層の厚みが2〜7μmであり、第二のハードコート層の厚みが2〜7μmであり、光透過性基材の厚みが15〜45μmである請求項1、2又は3記載の光学積層体。
- 第一の樹脂成分は、熱可塑性樹脂である請求項1、2、3又は4記載の光学積層体。
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