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JP6444753B2 - 障害物検知装置 - Google Patents
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JP6444753B2 - 障害物検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、障害物検知装置に関する。
鉄道線路と道路が同一平面上で交差する踏切道に列車が接近する際は、その踏切道の両端に設置されている電気踏切しゃ断機が遮断かんを下して踏切道を閉鎖するが、閉鎖された踏切道内に自動車、人などの障害物が存在するときは、列車に対して警報と警報信号を発し、列車の信号機や地上の信号機を動作させて、列車を停止させる措置を執るために、踏切道内における障害物の有無を検知する障害物検知装置が必要である。
従来、障害物検知方式には、(a)赤外線発光部と受光部との組み合わせからなるもの、レーザ発振部と受光部との組み合わせからなるものなどの光学的検知方式、(b)地面にコイルまたはループアンテナを埋設して上方を通過する自動車等を電磁結合により検知する電磁式検知方式、および(c)テレビカメラまたはCCDカメラ等の撮影手段で障害物を監視する画像検知方式がある。これら3種類の障害物検知方式は、それぞれ下記のような問題点を有する(特許文献1参照)。
光学的検知方式においては、赤外線発光部とその受光部とを、または、レーザ発振部とその受光部とを、精度良く対向させて光軸を合わせる必要があるため、装置の設置及び保守が容易でない。たとえば、地震があった場合は、光軸合わせの保守が必要となる。また、赤外線やレーザ光の通過する位置しか検出できないので、死角が多いと共に小さいものは検出困難である。したがって、障害物検知領域をカバーするために、多くの光学的検知装置を設置する必要がある。さらに、降雪時において、雪の舞い上げにより障害物検知領域内に雪塊ができたときは、これにより赤外線またはレーザ光が反射されて、障害物があるかの如く誤検出することがある。さらに、特に赤外線発光部とその受光部とを組み合わせたものにおいては、自動車の前照灯の光を入射して誤検出することがある。
また、電磁式検知方式においては、コイルまたはループアンテナを地面に埋設する作業が容易でなく、障害物検知領域をカバーするためには、センサとしてのコイルまたはループアンテナを多数個設置する必要がある。さらに、電磁式検知方式においては、障害物検知領域内の人を検知することはできない。
画像検知方式においては、テレビカメラまたはCCDカメラ等のレンズ部を適宜の期間毎に拭いたりしなければならず、保守が容易ではない。また、雨や雪、霧等で視界が悪いときは、障害物があっても検出できないことがある。
特許文献2には、障害物検知領域の背景にコントラストの高いコントラストパターンを光度の差、反射率の差またはスポット光により形成するとともに、カメラで障害物検知領域を撮影し、障害物が存在しないときに予め撮影した背景画像と、現在撮影した現在画像とを比較し、差異の有無および差異の継続時間から障害物の存否を判断する画像検知方式の障害物検知装置が開示されている。
特開2003−207562号公報 特開平8−55288号公報
特許文献2に記載の障害物検知装置は、背景画像と現在画像との比較において差異が検出され、その検出が一定時間継続したときに障害物あり、すなわち、危険と判断する危険検出型の障害物検知装置である。そして、特許文献2の障害物検知装置では、背景画像と現在画像の記憶および両画像の比較(照合処理)が必要であるが、背景画像と現在画像の比較は、両画像の全画素について照合処理を行うために演算処理部に多くの負担がかかる。また、カメラが故障し、または照合処理プログラムにバグが発生した場合の自己チェック機能がないので、たとえば、踏切道に障害物が存在するにもかかわらずカメラまたは演算処理部の故障により背景画像と現在画像との比較において差異が検出されず、障害物なし、すなわち、危険側に誤判断される可能性がある。
さらに、たとえば、踏切道のように、進入禁止パターンが時限的進入禁止である場合は、進入禁止が解除されている時間帯(非禁止時間帯)の交通流を計測したい場合があるが、従来は、障害物検知装置から独立した別個の計測装置が用いられている。
本発明は、画像検知方式の障害物検知装置において、障害物存否判定処理の負担軽減を図るとともに、フェイルセーフ機能を発揮して高度安全性を確保することができるようにすることを第1の目的とする。
本発明の第2の目的は、上記目的を達成する手段が自己健全性を発揮できるようにすることである。
本発明の第3の目的は、障害物検知領域が非禁止時間帯を有するものである場合に、同一装置を用いて障害物検知領域における非禁止時間帯の交通流を計測することを可能にすることにある。
本発明の障害物検知装置は、上記第1の目的を達成するため、障害物検知領域に所定のチェッカーパターンを照射する照射手段と、その照射手段により障害物検知領域に照射されたチェッカーパターンを撮影し、画像信号を出力する撮影手段と、その撮影手段から出力された画像信号を処理する演算処理装置とを有し、演算処理装置は画像信号よりチェッカーパターンの鞍点を検出してその鞍点を計数し、その計数値をあらかじめ記憶されている基準値と比較して、計数値と基準値の差の絶対値が所定の閾値以下のときは、障害物検知領域に障害物がないと判定し、計数値と基準値の差の絶対値が所定の閾値より大きいときは、障害物検知領域に障害物があると判定するものであることを特徴とする。
本発明の他の側面においては、障害物検知装置は、演算処理装置に、踏切道に設定された障害物検知領域の近傍に存する電気踏切しゃ断機または電気踏切しゃ断機の制御回路から遮断かん閉鎖信号または列車の接近を検知した信号が入力された時点から遮断かん開放信号が入力される時点までの間において、撮影手段から出力される画像信号を取り込む制御部を備えた、踏切障害物検知装置である。
本発明の障害物検知装置は、上記第2の目的を達成するため、演算処理装置に照射手段が照射するチェッカーパターンの明暗または色相を一時的または交互に反転する反転手段を付加したことを特徴とする。
本発明の障害物検知装置は、上記第3の目的を達成するため、障害物検知領域にチェッカーパターンを照射する照射手段と、その照射手段により障害物検知領域に照射されたチェッカーパターンを撮影し、画像信号を出力する撮影手段と、その撮影手段から出力された画像信号を処理する演算処理装置とを有し、演算処理装置は、撮影手段から入力する撮影画像から鞍点を検出・計数し、その計数値と記憶されている基準値を基に検出されない鞍点の計数を時系列的に行い、その時系列的な計数値から障害物検知領域の一定時間における交通流を推測するものであることを特徴とする。
本発明の他の側面においては、演算処理装置は、画像処理部により、検出されない鞍点の集合によって形成される形状もしくはその輪郭を認識し、その形状や輪郭の認識処理を時系列的に行い、認識された形状や輪郭から、検知対象物の種類を自動車、自転車、車椅子、人、比較的大きい愛玩動物と判定し、演算部により集計することにより、障害物検知領域の一定時間における交通流を計測するものである。
本発明のさらに他の側面においては、障害物検知装置は、踏切道の両端に設置されている電気踏切しゃ断機の遮断かんと、遮断位置に下降されている遮断かんの線路側の面を撮影する撮影手段と、その撮影手段から出力された画像信号を処理する演算処理装置とを有し、遮断かんは線路側の面にチェッカーパターンを印刷され、または照射手段によりチェッカーパターンを照射されるものであり、演算処理装置は画像信号よりチェッカーパターンの鞍点を検出してその鞍点を計数し、その計数値をあらかじめ記憶されている基準値と比較して、計数値と基準値の差の絶対値が所定の閾値以下のときは、障害物検知領域に障害物がないと判定し、計数値と基準値の差の絶対値が所定の閾値より大きいときは、障害物検知領域に障害物があると判定するものであることを特徴とする。
本発明によれば、障害物存否判定処理の負担軽減を図るとともに、フェイルセーフ機能を発揮して高度安全性を確保することができる。また、自己健全性を発揮できる。さらに、障害物検知領域が非禁止時間帯を有するものである場合に、同一装置を用いて障害物検知領域における非禁止時間帯の交通流を推測または計測することができる。
本発明の実施の形態において踏切道にチェッカーパターンが照射されている状態を模写的に示す踏切の平面図である。 本発明の実施の形態に係る障害物検知装置の構成を示すブロック図である。 踏切道に照射される3種類のチェッカーパターンの例を示す図である。 チェッカーパターンの鞍点を説明する図である。 図2の障害物検知装置の作用を説明するフローチャートである。 図2の障害物検知装置の各動作のタイミングの関係を示すタイムチャートである。 図2の障害物検知装置の自己診断機能を説明するフローチャートである。 チェッカーパターンを電気踏切しゃ断機の遮断かんに印刷する実施の形態を説明する踏切の平面図である。 一般的な遮断かんに適用する場合の遮断かんを示す図であり、(a)は道路側から見た正面図、(b)は踏切内側から見た裏面図である。 大口径遮断かんに適用する場合の遮断かんを示す図であり、(a)は道路側から見た正面図、(b)は踏切内側から見た裏面図である。 チェッカーパターンを電気踏切しゃ断機の遮断かんに照射する実施の形態を説明する踏切の平面図である。
〈第1の実施の形態〉
続いて、本発明の障害物検知装置を踏切障害物検知に適用した第1の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本実施の形態に係る踏切障害物検知装置は、図1の道路1と軌道線路(線路)2a,2bが同一平面上で交差する踏切道3内の自動車、自転車、車椅子、人などの障害物を検知するものである。図1には、道路1と2つの線路2a,2bが同一平面上で交差する踏切道3が示され、踏切道3の一端の一側方に電気踏切しゃ断機4aが、踏切道3の他端の他側方に電気踏切しゃ断機4bが設置されている例が示されている。しかし、これは一例にすぎず、踏切道の長さおよび幅、線路の数、電気踏切しゃ断機の設置位置などは任意である。
図2に示すように、本実施の形態に係る踏切障害物検知装置Aは、照射手段としてのプロジェクタ10と、撮影手段としてのビデオカメラ(以下、カメラという。)20と、演算処理装置30とを有する。
プロジェクタ10は、図1に示すように、踏切道3内の障害物検知領域CAにチェッカーパターンCPを近赤外線光で照射するものである。チェッカーパターンCPを可視光で照射する場合は、後述されるカメラ20でチェッカーパターンCPを撮影する場合に、太陽光の影響を受けたり、時間帯によりチェッカーパターンCPの輝度が変化したりしてカメラ20の画像品質に問題が生じるので、近赤外線光を用いることがよい。しかし、たとえば、夜間の防犯目的などから、チェッカーパターンCPを可視光で照射する方が良い場合もある。
障害物検知領域CAは、踏切道3の両側の辺3a,3bと踏切道3の両端に設置されている電気踏切しゃ断機4a,4bの遮断かん5a,5bに囲まれた矩形部分またはそれよりもやや内側に設定される。
チェッカーパターンCPは、正方形または長方形の多数のマスをマトリックス状に連続させ、互いに隣り合うマスの一方を明、他方を暗、もしくは一方と他方を反対色に着色させてなるものである。図1に例示されたチェッカーパターンCPは、踏切道3の長手方向および幅方向にそれぞれ8個、合計64個のマスを有する。長手方向および幅方向のマスの数は、当然、障害物検知領域CAの面積およびマス1個の面積により異なる。
プロジェクタ10の設置位置は、障害物検知領域CAの全域またはその内側に照射されたチェッカーパターンCPの全体形状にできるだけ歪みが生じない位置が望ましい。最適な設置位置は、障害物検知領域CAの中央の上方位置であり、その位置から障害物検知領域CAに向けて下方に照射するとよい。また、図1のように、線路が複数ある場合には、複数の線路2a,2bの間の踏切道3の側方の上方位置から障害物検知領域CAの中央に向けて照射するのがよい。しかし、障害物検知領域CAの中央の上方もしくは線路2a,2bの間に設置が困難な場合、または線路が単線である場合は、プロジェクタ10は、踏切道3の一端側の建築限界線の外側、たとえば、電気踏切しゃ断機4aまたは4bの内側の踏切道3の側方などに設置することができる。
カメラ20は、プロジェクタ10により障害物検知領域CAに照射されたチェッカーパターンCPを撮影するものである。したがって、カメラ20には近赤外線カメラが用いられる。しかし、上述したようにプロジェクタ10が可視光で照射するものである場合は、可視光線カメラが用いられる。
カメラ20の設置位置は、障害物検知領域CAに照射されたチェッカーパターンCPの全体をできるだけ歪みのないように撮影できるならば、プロジェクタ10と同じ位置でもよいし、図1に例示するように、踏切道3のプロジェクタ10と反対側の側方など、別の位置でもよい。
プロジェクタ10とカメラ20は、図2に示すように、演算処理装置30に電気的に接続されている。演算処理装置30は、踏切の近傍に備えられてもよいし、信号機器室などに置かれてもよい。そして、後に詳述されるが、演算処理装置30には、踏切道3の電気踏切しゃ断機4aまたは4bが接続され、その電気踏切しゃ断機4a(または4b。以下、同じ。)から遮断かん閉鎖信号s1と遮断かん開放信号s2が入力される。また、演算処理装置30は、地上制御装置40に接続されていて、後述されるように、障害物検知領域CAに障害物を検知したときに列車に対して警報と警報信号を発し、列車の信号機や地上の信号機を動作させて列車を停止させるための駆動信号s3を地上制御装置40に与える。
遮断かん閉鎖信号s1と遮断かん開放信号s2は、電気踏切しゃ断機4aではなく電気踏切しゃ断機4aの外部に設けられた電気踏切しゃ断機の制御回路(図示せず)から入力してもよい。また、遮断かん閉鎖信号s1の代わりに踏切道3への列車接近を検知した信号(たとえば警報機を鳴動開始させる信号)を用いてもよい。
演算処理装置30は、制御部31と、記憶部32と、画像処理部33と、演算部34と、判定部35と、出力部36とを有している。そして、記憶部32は、演算処理装置30の各機能を実現するための各種プログラムが格納されているプログラム記憶部321と、プロジェクタ10から照射するチェッカーパターンCPを記憶している照射画像記憶部322と、カメラ20から入力する撮影画像を一時的に保存する撮影画像記憶部323と、チェッカーパターンCPの全鞍点数または障害物検知領域CAに障害物がない状態で検出が期待される鞍点数を基準値として記憶している基準値記憶部324と、カメラ20から取り込まれる撮影画像から検知される鞍点の計数値を一時保存する計数値記憶部325とを含む。
照射画像記憶部322には、図3に例示するように、第1チェッカーパターンCP1と、第1チェッカーパターンCP1の明暗を反転した第2チェッカーパターンCP2とが記憶されている。さらに、全面が無チェッカーの第3チェッカーパターンCP3が記憶される場合もある。
画像処理部33は、障害物検知領域CAを撮影したカメラ20から取り込まれて撮影画像記憶部323に保存された撮影画像を解析して、鞍点を検出する機能を有する。さらに詳述すると、画像処理部33は、撮影画像記憶部323から画像信号を1フレームずつ読み出し、その1フレームの画像信号のうち、チェッカーパターンCPの隣接する同一明度または同一色のマスの接続点、すなわち、鞍点を検出する。
チェッカーパターンCPの鞍点とは、図4に円で囲んで示すように、隣り合う明度の低いマスa1の隅部(または明度の高いマスa2の隅部)が近接する部分bである。この鞍点bの検出は、画像の中のエッジ検出またはコーナー検出のための既知のアルゴリズムを用いる特徴検出方法により可能である。ここでは、詳細な説明を割愛する。特に鞍点の位置が既知である場合の鞍点の検出は、処理負荷が小さいという特長を持つ。また、個々の鞍点間の依存関係は希薄のため、並列処理等の高速化技法との親和性が高い。
演算部34は、障害物検知領域CAの全体に照射されたチェッカーパターンCPの中から検出された鞍点bを計数するものである。その計数値は計数値記憶部325に記憶される。
プロジェクタ10から障害物検知領域CAへのチェッカーパターンCPの照射方向および/またはカメラ20の障害物検知領域CAへの撮影方向によっては、障害物検知領域CAの照射されたチェッカーパターンCPに歪みが生じる場合がある。また、踏切道3は、全域が一つの平面あるとは限らず、複数の斜面が結合されたものや、凸面と凹面の一方または双方が存在するものがある。このような場合は、撮影画像から正確に鞍点を検出し計数することは困難であるので、画像処理部33には、撮影画像記憶部323から読み出された歪みのある撮影画像を一つの平面画像に変換する補正処理を行う機能が備えられている。また、画像処理部33は、照射されたチェッカーパターンCPの歪みが軽減されるよう、プロジェクタ10に出力するチェッカーパターンCPを逆変換により歪ませる機能を備えてもよい。
判定部35は、計数値記憶部325に記憶された計数値Ncを基準値記憶部324に記憶されている基準値Nsと比較して、計数値Ncと基準値Nsの差Dが所定の閾値T以下(D≦T)のときは、障害物検知領域CAには障害物が存在しない、すなわち、安全であると判定する。
ここで、閾値Tは、障害物検知領域CAに物体が存在しても、その物体の大きさが列車と衝突する可能性がない程度の大きさである場合に撮影画像中で検出される鞍点の数を参考として決定することができる。極端に言えば、いかなる物体も検知されないとき、すなわち、計数値Ncが基準値Nsと等しい場合(Dが0の場合)は確実に安全であり、この時を安全であると判断する障害物検知装置は、安全確認型の障害物検知装置である。
ただし、障害物検知領域CAに物体が存在しても、その物体が列車と衝突する可能性がない程度の大きさの物である場合には、その物体は障害物であるとは言えない。列車の衝突を回避する必要のある最小物体の大きさ(換言すると、列車と衝突する可能性が十分低い最大物体の大きさ)によって検出されなくなる鞍点の数を安全確認のための閾値Tとする場合であっても、列車の衝突を回避する必要のある物体が存在しないことが確実に確認されるため、安全確認型である。安全確認型は特許文献2に記載の危険検出型と異なり、より高度な安全性の要求に応えることができる。列車の衝突を回避する必要のある物体には、たとえば、自動車、自転車、車椅子、人、家畜、比較的大きい愛玩動物などが含まれる。計数値が全鞍点数(基準値)の一定のパーセンテージ以下の場合に安全と確認することもできる。
上記の構成による踏切障害物検知装置Aの作用を図5〜図7に基づいて説明する。まず、制御部31は、電気踏切しゃ断機4aから遮断かん閉鎖信号s1が入力されたか否かを監視しており(ステップS101)、遮断かん閉鎖信号s1が入力されたときは、照射画像記憶部322から第1チェッカーパターンCP1を読み出してプロジェクタ10に与え、その第1チェッカーパターンCP1を図1に示されているように障害物検知領域CAに照射させる(ステップS102)。これとほぼ同時に障害物検知領域CAを撮影しているカメラ20から画像信号を受信し、撮影画像記憶部323に一時保存する(ステップS103)。
この場合、プロジェクタ10による第1チェッカーパターンCP1の照射は、図6の(3)に示すように連続して行ってもよいし、図6の(3’)に示すように、たとえば数十ms〜1秒間隔ごとに間欠的に行ってもよい。また、カメラ20による撮影は、連続して行ってもよいし、たとえば数十ms〜1秒間隔ごとに間欠的に行ってもよいが、カメラ20からの画像信号の取り込みは、プロジェクタ10による照射時間と重なる時間の中のたとえば数十ms〜1秒間隔ごとに間欠的に行うことが好ましい。このようにすれば、後述されるように、障害物の存在が検知可能であるばかりでなく、障害物の移動も検知可能になる。
次いで、画像処理部33により撮影画像記憶部323から読み出した撮影画像の歪みを補正する処理を行い(ステップS104)、続いて、その補正された撮影画像の第1チェッカーパターンCP1中の鞍点bを検出し、検出した鞍点bを演算部34により計数し(ステップS105)、その計数値を計数値記憶部325に一時保存する(ステップS106)。
そして、判定部35は、計数値記憶部325に一時保存した計数値Ncを基準値記憶部324から読み出した第1チェッカーパターンCP1の基準値Nsと比較して(ステップS107)、計数値Ncと基準値Nsの差の絶対値|D|が所定の閾値T以下(|D|≦T)か否かを判断する(ステップS108)。
そして、|D|≦Tである場合は障害物検知領域CAに障害物が無いと判定する(ステップS109)。したがって、この場合は、演算処理装置30は、地上制御装置40には駆動信号s3を送信しない。
S102において、第1チェッカーパターンCP1の照射を連続的に行うのではなく、たとえば数十ms〜1秒間隔ごとに間欠的に行う場合は、照射開始と同時に数十ms〜1秒間のタイマーt1をセットし、ステップS110においてそのタイマーt1がタイムアップしたかを調べる。タイムアップした場合は、遮断かん開放信号s2が入力したか否かを調べ(ステップS111)、遮断かん開放信号s2が入力しない場合は、ステップS101後に戻り、次のタイミングの第1チェッカーパターンCP1の照射処理が行われる。
これに対して、ステップS108における判断結果が|D|≦Tでない場合は、同じ判断が一定時間以上継続したときに、判定部35は障害物検知領域CAに障害物があると判定する(ステップS112)。この判定を受けて、演算処理装置30の出力部36は、地上制御装置40に駆動信号s3を送信する(ステップS113)。したがって、地上制御装置40は列車に対して警報と警報信号を発し、列車の信号機や地上の信号機を動作させて列車を停止させることとなる。
上の説明では、電気踏切しゃ断機4aから遮断かん閉鎖信号s1が入力された時点から遮断かん開放信号s2が入力された時点までの間において、プロジェクタ10とカメラ20を駆動・制御して障害物の存否を判断したが、プロジェクタ10とカメラ20の駆動・制御は、踏切道3への列車接近を知らせる警報機が鳴動を開始した時点に開始してもよい。
ただし、遮断かん閉鎖信号入力時点または警報機鳴動開始時点から遮断かん開放信号入力時点までの間にプロジェクタ10とカメラ20を駆動・制御して障害物の存否を判断する場合は、その間に列車が踏切道3に到来したときに、その列車自体が障害物と判断されてしまう。これを回避するため、列車が踏切道3に到来したときには踏切障害物検知装置Aの検知動作を中断させるとよい。検知動作を中断させる方法については、従来の踏切障害物検知装置で用いられている方法を適用することが可能である。たとえば、踏切の終止点に列車が接近した信号によって列車の到来を検出できる。
また、列車自体が障害物と判断されてしまうことを回避するため、通常の障害物により検出されない鞍点bの数に上限を設定し、計数値Ncと基準値Nsの差の絶対値|D|がその上限を超えた場合は、判定部35は障害物ありの判定をしないようにプログラムを設計してもよい。
上記第1の実施の形態は、鞍点検出という処理負荷が小さい画像処理技術を用い、さらにチェッカーパターンCPの鞍点bの計数値Ncと基準値Nsのデジタル値の比較(|D|≦Tか)で、障害物の有無を判定するので、演算処理装置の判定処理の負担が軽減され、また、|D|≦Tのとき障害物なしと判定する安全確認型であるので、フェイルセーフが実現される。
〈第2の実施の形態〉
本発明の第2の実施の形態においては、踏切障害物検知装置Aは、チェッカーパターンCPの照射と撮影画像の処理により得られた計数値Ncと基準値Nsとの比較を利用して、自己健全性をチェックする自己診断機能をも備えている。
すなわち、制御部31は、電気踏切しゃ断機4aから遮断かん閉鎖信号s1が入力された時点から遮断かん開放信号s2が入力される時点までの間、好ましくは、ステップS111においてNのときに、図7に示すステップS114に移行する。そして、それまで照射していた第1チェッカーパターンCP1に代えて、第2チェッカーパターンCP2を照射する(ステップS114)。すなわち、チェッカーパターンCPの明暗を反転する。続いて、ステップS115において前述したステップS103〜S107の処理を行い、S116においてチェッカーパターンCPが反転したか否かを確認する。チェッカーパターンCPが反転したときは、その後に反転直前と反転直後の鞍点bの計数値Nc1,Nc2またはその差D1,D2が等しい(Nc1=Nc2またはD1=D2)か否かを判断する(ステップS117)。S116においてチェッカーパターンCPが反転していなかったときは、プロジェクタ10およびカメラ20を含む踏切障害物検知装置Aのいずれかに異常があると判定し(ステップS119、保守区などに異常通知信号を出力(ステップS120)して、自己診断処理を終了する。
反転直前と反転直後の鞍点bの計数値の差D1,D2を比較することに代えて、反転直前と反転直後の鞍点bの計数値Nc1,Nc2同士が等しいか否かを判断してもよい。そして、判定部35は、D1=D2またはNc1=Nc2であるときは、プロジェクタ10およびカメラ20を含むシステム全体が正常(健全)であると判定し(ステップS118)、図5のS101後に移行する。これに対し、ステップS116において、D1=D2またはNc1=Nc2でない場合は、プロジェクタ10およびカメラ20を含む踏切障害物検知装置Aのいずれかに異常があると判定し(ステップS119)、保守区などに異常通知信号を出力(ステップS120)して、自己診断処理を終了する。
なお、チェッカーパターンCPを反転する微小時間の間に、障害物検知領域CAの状態が変化し、踏切障害物検知装置Aに異常がないにもかかわらず鞍点bの計数値Nc1,Nc2に差異が生じる可能性がある。このため、ステップS117において、D1とD2またはNc1とNc2の差が所定の閾値以下であるか否かを判断するようにしてもよい。
制御部31による指令に基づきチェッカーパターンCPが反転していることを確認する方法には、次の方法がある。反転前の画像(ここではI画像とする。)と、反転後の画像(ここではJ画像とする。)を取得し、I画像とJ画像の差分の絶対値を用いて反転しているか否かをチェックする。差分の絶対値を求めた画像は、全領域が白(8ビットグレースケール画像の画素値としては255)になっている筈である(撮像の度合によっては、画素値が200などの明るいがオーバーフローしていない場合もある)。そこで、全ての画素で閾値(例えば200)以下の画素がないか否かをチェックする。閾値以下の画素がない場合は、反転を検知する。反転していない場合は、差分の絶対値を求めた画像に黒い領域が存在するので、検出可能である。チェッカーパターンCPに、明暗ではなく色相の反転を用いた場合も、同様に、差分の絶対値を求めた画像は、全領域が白(明るく、彩度が低い色)になる。反転していない場合は、差分の絶対値を求めた画像に暗く、彩度が高い色が存在するので、検出可能である。
上記の処理フローでは、自己健全性チェックを、第1チェッカーパターンCP1と第2チェッカーパターンCP2の2回の撮影画像取り込みに対し1回実行しているが、遮断かん閉鎖信号s1が入力された時点から2回目以降の撮影画像取り込みに対し、自己健全性チェックを毎回実行してもよい。
上記の第2の実施の形態は、チェッカーパターンCPの鞍点数の計数値Ncと基準値Nsの比較により障害物の有無の判定を行う踏切障害物検知装置において、チェッカーパターンCPの明暗または色相を反転することにより、その差異の有無から健全性をチェックするので、簡単なプログラムを付加するだけで障害物検知に悪影響を与えずに自己診断機能を実現することができる。
〈第3の実施の形態〉
本発明のさらに他の実施の形態として、踏切障害物検知装置Aは、プロジェクタ10からのチェッカーパターンCPの照射と、カメラ20からの画像信号の処理により障害物の有無を検知する点を利用して、踏切道3が開放されている間(非禁止時間帯)の交通流を計測する機能をも有している。
すなわち、踏切障害物検知装置Aは、非禁止時間帯に上述された障害物検知領域CAの障害物検知を行い、踏切道3の交通流計測を行う。
さらに詳しく説明すると、踏切障害物検知装置Aは、電気踏切しゃ断機4aから遮断かん開放信号s2が入力された時、第1チェッカーパターンCP1の照射を継続する。そして、カメラ20から入力する撮影画像から鞍点bを検出・計数し、その計数値Ncと基準値Nsを基に検出されない鞍点bを計数する。このような検出されない鞍点bの計数を時系列的に、すなわち所定時間間隔、たとえば数十ms〜1秒間隔で行う。検出されない鞍点bの時系列的な計数値から踏切道3(障害物検知領域CA)の一定時間あるいは電気踏切しゃ断機4aから次の遮断かん閉鎖信号s1が入力されるまでの間(非禁止時間帯)における交通流を推測することができる。または、画像処理部33により、検出されない鞍点bの集合によって形成される形状もしくはその輪郭を認識し、その形状や輪郭の認識処理を時系列的に、すなわち所定時間間隔、たとえば数十ms〜1秒間隔で行う。認識された形状や輪郭から、検知対象物の種類を自動車、自転車、車椅子、人、比較的大きい愛玩動物と判定し、演算部34により集計することにより、踏切道3(障害物検知領域CA)の一定時間または非禁止時間帯における交通流を計測することができる。
交通流を計測するときは、第1チェッカーパターンCP1を照射することに代えて、図3(c)に示すような無チェッカーパターンCP3を照射し、カメラ20からの撮影画像を画像処理部33により既知の形状認識処理を行い、自動車、自転車、人など種類別の交通流計測を行うこともできる。
上記第3の実施の形態は、障害物検知領域CAに照射されたチェッカーパターンCPの撮影画像から時系列的に鞍点bを検出・計数し、その計数値Ncの変化から、または撮影画像から形状認識により得られる物体の時系列的変化から、障害物検知領域CAにおける交通流を推測または計測するので、踏切障害物検知装置の照射手段、撮影手段および演算処理装置の一部を共通に用いて、障害物検知領域CAにおける障害物検知と交通流推測または計測を行うことができる。
〈第4の実施の形態〉
図8に、チェッカーパターンCPをカメラで撮影し、その撮影画像の中の鞍点bの計数値が基準値と等しいか否か、または計数値と基準値との差が閾値を超えていないか否かにより障害物の存否を判定する踏切障害物検知装置の他の例を示す。
この踏切障害物検知装置は、踏切道3の両端に設置されている電気踏切しゃ断機4c,4dの遮断かん5c,5dと、遮断位置に下降されている遮断かん5c,5dの裏面、すなわち、線路2c側の面を撮影するカメラ20A,20Bと、演算処理装置30A(図示せず)とから構成されている。
遮断かん5c,5dは、構成が同じであるので、一つの遮断かん5cについて詳述する。図9の(a)(b)は、遮断かん5cが一般的な遮断かんである場合の道路側から見た正面図と、踏切内側から見た裏面図である。図10の(a)(b)は、遮断かん5cが大口径遮断かんである場合の道路側から見た正面図と、踏切内側から見た裏面図である。このように、遮断かん5cの裏面には、チェッカーパターンCPが印刷されている。このチェッカーパターンCPは、図3の第1チェッカーパターンCP1の一部に相当する。
図8のカメラ20A,20Bは、線路2c,2dの、撮影対象である遮断かんを有する電気踏切しゃ断機と反対側の電気踏切しゃ断機またはその付近に設置されている。すなわち、カメラ20Aは、その撮影対象である遮断かん5dを有する電気踏切しゃ断機4dと反対側の電気踏切しゃ断機4cまたはその付近に設置されている。また、カメラ20Bは、その撮影対象である遮断かん5cを有する電気踏切しゃ断機4cと反対側の電気踏切しゃ断機4dまたはその付近に設置されている。したがって、カメラ20Aと電気踏切しゃ断機4dの下降位置にある遮断かん5dの両端とを結んだ三角形T1の範囲が一つの障害物検知領域であり、カメラ20Bと電気踏切しゃ断機4cの下降位置にある遮断かん5cの両端とを結んだ三角形T2の範囲がもう一つの障害物検知領域である。
カメラ20A,20Bから出力される画像信号は、それぞれ演算処理装置30Aにおいて、先の実施の形態におけると同様に、鞍点検知・計数、計数値と基準値との比較が行われ、その比較結果に基づき、各障害物検知領域における障害物の存否の判定が行われる。
カメラ20A,20Bは、それぞれ撮影対象である遮断かんと対向する遮断かんの先端またはその付近に取り付けることもできる。図11に示す例では、遮断かん5cの先端には遮断かん5dを撮影するカメラ20Aが、遮断かん5dの先端には遮断かん5cを撮影するカメラ20Bが取り付けられている。
遮断かん5cの裏面のチェッカーパターンCPは、印刷することに代えて、プロジェクタからチェッカーパターンCPを照射してもよい。図11に示す例では、プロジェクタ10A,10Bが各遮断かん5a,5bの先端またはその付近に取り付けられている。
本実施の形態は、チェッカーパターンCPを遮断かんに印刷または照射するので、踏切道に照射する場合と異なり、積雪や強雨などの影響を受け難い長所があるので、降雪量または降雨量が多い地域に設置される踏切障害物検知装置として好適である。
上記第4の実施の形態は、遮断位置に降下している遮断かんを撮影するから、降雪、降雨、浸水などの影響を受けずに障害物の検知を行うことができる利点がある。
〈他の実施の形態〉
以上には、本発明が障害物検知領域CAの両端に電気踏切しゃ断機が存在する踏切に適用された踏切障害物検知装置について説明したが、本発明は、非禁止時間帯の有無に関わらず、踏切以外の障害物検知領域における障害物を検知するために適用することができる。
1 道路
2a,2b,2c,2d,2e 線路
3 踏切道
4a,4b,4c,4d 電気踏切しゃ断機
5a,5b,5c,5d 遮断かん
10,10A,10B プロジェクタ(照射手段)
20,20A,20B カメラ(撮影手段)
30 演算処理装置
CP チェッカーパターン
a1 明度の低いマス(黒マス)
a2 明度の高いマス(白マス)
b 鞍点
CP1 第1チェッカーパターン
CP2 第2チェッカーパターン
CP3 第3チェッカーパターン

Claims (6)

  1. 障害物検知領域に所定のチェッカーパターンを照射する照射手段と、その照射手段により障害物検知領域に照射されたチェッカーパターンを撮影し、画像信号を出力する撮影手段と、その撮影手段から出力された画像信号を処理する演算処理装置とを有し、
    前記演算処理装置は前記画像信号より前記チェッカーパターンの鞍点を検出してその鞍点を計数し、その計数値をあらかじめ記憶されている基準値と比較して、前記計数値と前記基準値の差の絶対値が所定の閾値以下のときは、前記障害物検知領域に障害物がないと判定し、前記計数値と前記基準値の差の絶対値が所定の閾値より大きいときは、前記障害物検知領域に障害物があると判定するものであることを特徴とする障害物検知装置。
  2. 請求項1に記載の障害物検知装置において、前記演算処理装置に、踏切道に設定された障害物検知領域の近傍に存する電気踏切しゃ断機または電気踏切しゃ断機の制御回路から遮断かん閉鎖信号または列車の接近を検知した信号が入力された時点から遮断かん開放信号が入力される時点までの間において、前記撮影手段から出力される前記画像信号を取り込む制御部を備えたことを特徴とする障害物検知装置。
  3. 請求項1または2に記載の障害物検知装置において、前記演算処理装置に、前記照射手段が照射するチェッカーパターンの明暗または色相を一時的または交互に反転する反転手段を付加したことを特徴とする障害物検知装置。
  4. 障害物検知領域にチェッカーパターンを照射する照射手段と、その照射手段により障害物検知領域に照射されたチェッカーパターンを撮影し、画像信号を出力する撮影手段と、その撮影手段から出力された画像信号を処理する演算処理装置とを有し、前記演算処理装置は、前記撮影手段から入力する撮影画像から鞍点を検出・計数し、その計数値と記憶されている基準値を基に検出されない鞍点の計数を時系列的に行い、その時系列的な計数値から前記障害物検知領域の一定時間における交通流を推測するものであることを特徴とする障害物検知装置。
  5. 請求項4に記載の障害物検知装置において、前記演算処理装置は、画像処理部により、検出されない鞍点の集合によって形成される形状もしくはその輪郭を認識し、その形状や輪郭の認識処理を時系列的に行い、認識された形状や輪郭から、検知対象物の種類を自動車、自転車、車椅子、人、比較的大きい愛玩動物と判定し、演算部により集計することにより、障害物検知領域の一定時間における交通流を計測することを特徴とする障害物検知装置。
  6. 踏切道の両端に設置されている電気踏切しゃ断機の遮断かんと、遮断位置に下降されている前記遮断かんの裏面を撮影する撮影手段と、その撮影手段から出力された画像信号を処理する演算処理装置とを有し、前記遮断かんは踏切の内側の面にチェッカーパターンを印刷され、または照射手段により照射されるものであり、前記演算処理装置は前記画像信号より前記チェッカーパターンの鞍点を検出してその鞍点を計数し、その計数値をあらかじめ記憶されている基準値と比較して、前記計数値と前記基準値の差の絶対値が所定の閾値以下のときは、障害物検知領域に障害物がないと判定し、前記計数値と前記基準値の差の絶対値が前記閾値より大きいときは、前記踏切道に障害物があると判定するものであることを特徴とする障害物検知装置。
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