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JP6446014B2 - エネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物、帯電防止処理フィルム及びその製造方法 - Google Patents
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JP6446014B2 - エネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物、帯電防止処理フィルム及びその製造方法 - Google Patents

エネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物、帯電防止処理フィルム及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物、帯電防止処理フィルム及びその製造方法に関する。
基材フィルム上に導電性の素材を含有する帯電防止層を形成することによって、フィルムに帯電防止性能を付与することは、非常に多くの技術分野において広く行われている事項である。このような帯電防止層においては、エネルギー線硬化型樹脂に対してカーボンブラック、ZnO、ITO、ATO、SbO等の導電性粒子を配合した組成物が使用されている(特許文献1等)。
しかしながら、このような導電性粒子は通常1重量%以上の多量な配合が行われるため、フィルム強度や光学特性(光透過率、屈折率等)等の性質に対して影響を与えてしまう。このため、より少ない配合量でも十分な帯電防止性能が得られるような導電性素材があれば、非常に望ましいものである。
カーボンナノチューブは、高い導電性を有する素材として注目されるものであり、その実用化に向けた検討が種々行われている。エネルギー線硬化樹脂と併用してハードコート用樹脂組成物として使用することについては、特許文献2,3、4等において検討が行われている。
しかしながら、このようなハードコートへの配合に際しては、1重量%以上の割合で配合するのが通常であり、これより低い割合で配合しても、帯電防止の効果は得られないと考えられていた。更に、カーボンナノチューブを多く含有する組成物は、チクソトロピ性を発現するため、これがコーティング性能に悪影響を与える場合があった。すなわち、粘性が高くなることによって、薄膜のコーティング膜とすることが困難であった。
特許文献2、3においては、反射防止フィルムにカーボンナノチューブを含むハードコート層を形成することが記載されている。しかし、カーボンナノチューブの分散性の悪さを補うために、フラーレンを併用することが必須となっている。また、配合量が1重量%以上であることから、透明性の悪化、屈折率への影響等が問題視される。
特許文献4においては、カーボンナノチューブ及びバインダー樹脂を含有する組成物によって、帯電防止層を形成することが開示されている。しかし、ここでは、現実的にはカーボンナノチューブを1重量%以上配合することが望まれている。このため、透明性や薄膜成形性が良好なものではなかった。
更に、特許文献5には、特定の形状を有するカーボンナノチューブの使用が記載されている。しかしながら、特許文献5ではハードコート層中の導電性成分としてカーボンナノチューブを使用することに関する記載は存在しない。
特開平09−115334号公報 特開2013−205587号公報 特開2012−203093号公報 特開2008−168591号公報 特開2016−54068号公報
本発明は、上記に鑑み、透明性に優れ、分散性における問題を生じにくく、薄膜コーティング可能であり、優れた帯電防止性能を発揮するエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明は、平均長さ5μm以上かつ50μm以下であるカーボンナノチューブ及びエネルギー線硬化型樹脂を含有し、
上記カーボンナノチューブは、組成物の不揮発分中濃度が0.03重量%以上、0.09重量%未満であることを特徴とするエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物である。
上記エネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物は、無溶媒であることが好ましい。
本発明は、基材フィルム上に上述したエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物がエネルギー線硬化した樹脂層を有することを特徴とする帯電防止処理フィルムでもある。







本発明は、基材フィルム上に上述したエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物を塗布する工程(1)及び
エネルギー線硬化を行う工程(2)
を有することを特徴とする帯電防止処理フィルムの製造方法でもある。
本発明のエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物は、透明性に優れ、導電性材料を配合したことによる屈折率の変化も少なく、分散性における問題を生じにくく、薄膜塗装が容易であり、塗膜性能も良好であり、優れた帯電防止性能を発揮する。
実施例の帯電防止処理フィルムにおけるカーボンナノチューブの配合量と表面抵抗値との関係を示す図である。 実施例の帯電防止処理フィルムにおけるカーボンナノチューブの配合量と550nm紫外線透過率との関係を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、平均長さが5μm以上という特定の形状を有するカーボンナノチューブを配合することに特徴を有する。すなわち、このように、長軸方向に長い形状を有するカーボンナノチューブを使用すると、0.15重量%以下という低い割合での配合量であっても導電性を確保しやすく、これによって所望の帯電性能を得ることができる。
更に、カーボンナノチューブを多く配合した液体組成物は、チクソトロピ性の発現によって粘性の制御が困難になりやすいが、本発明の組成物においては、カーボンナノチューブの配合が少ないため、増粘しにくく、これによって取り扱いが容易になるという点でも好ましいものである。更に、カーボンナノチューブの配合量が極めて低いため、透明性も良好であり、透明性が要求される用途においても好適に使用することができる。また、樹脂の屈折率に対する影響が小さいため、屈折率の制御が必要とされる光学分野の帯電防止ハードコート層としても好適に使用することができる。
本発明で使用するカーボンナノチューブは、平均長さが5μm以上である。なお、本発明におけるカーボンナノチューブの平均長さは、実施例に記載した方法で本発明のエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物によって、PETフィルム上にハードコート層を形成し、得られたフィルムについて、1000倍以上の倍率のデジタル顕微鏡で観察し、画像中に存在するすべての粒子について画像解析ソフトによってカーボンナノチューブの長さを算出し、必要な場合は視野域を変えながら20個以上の粒子について測定した粒子の長さの平均値である。上記平均長さは、6μm以上であることがより好ましく、7μm以上であることが更に好ましい。また、平均長さの上限は特に限定されるものではないが、50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。
本発明において、カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、三層以上の多層カーボンナノチューブのいずれでもよいが、三層以上の多層カーボンナノチューブを好適に使用することができる。より具体的には、3〜50層のカーボンナノチューブであることが好ましい。
上記カーボンナノチューブは、アーク放電法、レーザーアブレーション法、化学的気相成長法などによって合成、製造されるが、なかでも化学的気相成長法が好ましい。
本発明で使用できるカーボンナノチューブは、より具体的には特開2016−54068号に詳細に記載された方法によって製造することができる。また、市販のものとしては、
長さ50μm以下、好ましくは5−15μm、直径10−100nm、好ましくは60−100nm等を使用することができる。
本発明のエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物は、カーボンナノチューブの含有量が組成物の不揮発分中濃度で0.03重量%以上、0.15重量%以下である。すなわち、上述したようなカーボンナノチューブを使用すると、従来一般的に検討されてきた配合量よりも極めて低い割合でカーボンナノチューブを配合した場合でも、充分な帯電防止性能が得られることを見出し、これによって、透明性が高く、分散の問題を生じにくいエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物を提供することができる。
上述したカーボンナノチューブの含有量が0.03重量%未満であると、充分な帯電性能が得られない。0.15重量%を超えると、光線透過率が低下してしまい、更に、コスト上も不利となる。また、カーボンナノチューブの配合量が多くなるとチクソトロピ性が強くなるため、塗布時の粘性制御が困難になることによって薄膜形成が困難になってしまう。
上記下限は、0.035重量%であることがより好ましく、0.04重量%であることが更に好ましい。上記上限は、0.10重量%であることがより好ましく、0.09重量%であることがより好ましく、0.05重量%であることが更に好ましい。
本発明のエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物は、550nmにおける透過率が80%以上であることが好ましい。本発明においては、極めて少量のカーボンナノチューブを配合していることから、透明性を高く維持することが可能である。これによって、特に、高い透明性が要求される光学フィルムにおいて使用することができる。なお、ここで「550nmにおける透過率が80%以上である」とは、実施例に記載した方法でPETフィルム上に厚さ10μmのコーティング層を形成し、このコーティングフィルムについて550nmの透過率を測定した場合に、80%以上になることを意味する。
本発明のエネルギー硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物は、エネルギー線硬化型樹脂を含有するものである。すなわち、紫外線等のエネルギー線を照射することによって樹脂を硬化させるものである。ここで使用するエネルギー線硬化型樹脂は特に限定されず、任意のものを使用することができる。また、2種以上の成分を混合して使用するものであってもよい。また、エネルギー線硬化型樹脂を硬化させるためのラジカル重合性光重合開始剤(D)を含有するものであることが好ましい。
上記エネルギー線硬化型樹脂としては、特に、(メタ)アクリロイル基を有するベースレジン(A)、2以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー(B)、(メタ)アクリロイル基を有する単官能不飽和モノマー(C)又はこれらの混合物等をラジカル重合性光重合開始剤(D)と組み合わせて使用する組成物であることが好ましい。
これらのエネルギー線硬化型樹脂として使用できる各成分について、以下詳述する。
((メタ)アクリロイル基を有するベースレジン(A))
上記(メタ)アクリロイル基を有するベースレジン(A)は、2以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に有し、粘度が100Pa・s(25℃)以上であるようなものであることが好ましい。分子量としては、数平均分子量が800を超えるものであることが好ましい。
このような化合物としては極めて多くの種類のものが知られているが、なかでも、分子中に水酸基を有する芳香族エポキシドの(メタ)アクリルエステルや、分子中にウレタン基を有するウレタンアクリル樹脂(ウレタンプレポリマー)であることが好ましい。より具体的には、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物(例えば、共栄社化学社製 エポキシエステル3000A)や、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー(例えば、共栄社化学社製 UA−306H、共栄社化学社製UABC−306H)、ビスフェノールA PO2mol付加物ジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物(例えば、共栄社化学社製 エポキシエステル3002A)、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー(例えば、共栄社化学社製 UA−306T)、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネート ウレタンプレポリマー(例えば、共栄社化学社製 UA−306I)、UF−8001G、BPZA−66、UF−HK75(共栄社化学社製)等を挙げることができる。
(2以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー(B))
このようなモノマーは、好ましくは分子量180〜800の比較的低分子量であり、(メタ)アクリロイル基を2以上有するような任意の化合物を使用することができる。このような化合物としては、非常に多くの種類のものが公知であるが、本願においてはこれらの任意のものを使用することができる。また、これらの2種以上を併用して使用することもできる。これらの具体的なものを以下に例示する。
官能基数2の(メタ)アクリレートの例は、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジ(メタ)アクリレート(DCP−A)、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート(共栄社化学社製;ライトアクリレートBP−4EA、BP−10EA)ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート(共栄社化学社製;BP−4PA、BP−10PA等)を含む。なかでも、ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート(共栄社化学社製;BP−4PA)、ジメチロールートリシクロデカンジ(メタ)アクリレート(DCP−A)等を好ましく用いることができる。
官能基数3の(メタ)アクリレートの例は、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等を含む。なかでも、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート等を好ましく用いることができる。
官能基数4の(メタ)アクリレートの例は、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等を含む。なかでも、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等を好ましく用いることができる。
官能基数4以上の(メタ)アクリレートの例は、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン変性物のヘキサ(メタ)アクリレートなど多官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。
((メタ)アクリロイル基を有する単官能不飽和モノマー(C))
上記(メタ)アクリロイル基を有する単官能不飽和モノマー(C)としては特に限定されず、1,4−ブタンジオールモノメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノメタクリレート、1,9−ノナンジオールモノメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレートなどが挙げられる。また、分子中にフェニル基を有するベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性メタクリレート、炭素数12〜16の長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー〔例えば、共栄社化学(株)商品名のライトエステルL−7(アルキル(炭素数12〜13)メタクリレート)、ライトエステルL(n−ラウリルメタクリレート)、日油(株)商品名のブレンマーLMA(n−ラウリルメタクリレート)、ブレンマーSLMA−S又はSH(アルキル(炭素数12〜13個)のメタクリレート)、ブレンマーCMA(セチルメタクリレート)、ブレンマーLA(ラウリルアクリレート)、ブレンマーCA(セチルアクリレート)など〕も使用できる。分散性に良い芳香族系(メタ)アクリルモノマーや柔軟性の良い長鎖アルキルアルコールの(メタ)アクリレートモノマーが使用でき、これらは単独または2種以上併用で使用することもできる。
また、主鎖が脂肪族基である単官能(メタ)アクリレートとして、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレートなどが使用できる。また、(株)ダイセル商品名のプラクセルFA1,FA2D,FA3,FM1D,FM2D,FM3〔これらは、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)又はヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)のカプロラクトン付加物である〕などの水酸基を持つ(メタ)アクリレートモノマーを使用することができる。また分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートと飽和二塩基酸との反応物である不飽和一塩基酸も使用することが可能である。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明は、上述した(A)〜(C)のうちの2種以上を組み合わせて使用するものであってもよく、(A)〜(C)を併用して使用する樹脂組成物であることが最も好ましい。これらを併用することによって、良好な分散性、透明性、硬化後の被膜性能等において優れた性質が得られる点で好ましい。
(A)〜(C)を併用して使用する樹脂組成物である場合、上記(メタ)アクリロイル基を有するベースレジン(A)は、エネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物の不揮発分中濃度で30重量%以上、70重量%未満であることが好ましい。30重量%未満であると、粘度低下によるナノチューブの分散安定性が低下するとともに架橋密度の低下による塗膜硬度不足によるUV硬化後のハードコート性能が発現できないという問題を生じるおそれがある。70重量%を超えると、粘度が高くなり過ぎ塗工が困難になるとともに架橋密度が増大、硬化収縮率が上がり、電気特性が低下、基材との密着性低下、基材からの剥離という問題を生じるおそれがある。
上記下限は、35重量%であることがより好ましく、40重量%であることが更に好ましい。上記上限は、65重量%であることがより好ましく、50重量%であることが更に好ましい。
(A)〜(C)を併用して使用する樹脂組成物である場合、上記2以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマー(B)は、エネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物の不揮発分中濃度で20重量%以上、50重量%未満であることが好ましい。20重量%未満であると、架橋密度が低く十分な硬度が得られないという問題を生じるおそれがある。50重量%を超えると、架橋密度が大きくなり過ぎ、電気特性の低下と共に基材との密着性が低下、基材密着性が低下するという問題を生じるおそれがある。
上記下限は、25重量%であることがより好ましく、30重量%であることが更に好ましい。上記上限は、40重量%であることがより好ましく、35重量%であることが更に好ましい。
(A)〜(C)を併用して使用する樹脂組成物である場合、上記((メタ)アクリロイル基を有する単官能不飽和モノマー(C))は、エネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物の不揮発分中濃度で15重量%以上、40重量%未満であることが好ましい。15重量%未満であると、粘度が高くなり、塗工困難になるという問題を生じるおそれがある。40重量%を超えると、架橋密度の低下をきたし、ハードコートとしての硬度が不足してしまうという問題を生じるおそれがある。
上記下限は、20重量%であることがより好ましく、22.5重量%であることが更に好ましい。上記上限は、30重量%であることがより好ましく、26重量%であることが更に好ましい。
(ラジカル重合性光重合開始剤(D))
本発明のエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物は、ラジカル重合性光重合開始剤(D)を配合することが好ましい。すなわち、加工工程において、エネルギー線による硬化を行うものであるから、このような成分を配合することが望ましい。
上記ラジカル重合性光重合開始剤(D)としては特に限定されず、例えば、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ社製イルガキュア#184)、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(チバ社製イルガキュア#651)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバ社製ダロキュア#1173)、2,4,6−トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキサイド(チバ社製TPO)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニルブタノン(チバ社製イルガキュア#369)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノン(チバ社製イルガキュア#907)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(チバ社製イルガキュア#819)等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、川崎化成社アントラキュアーUVS−581等の増感剤を併用することもできる。
これらのなかでも、特に、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ社製イルガキュア#184)、2,4,6−トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキサイド(チバ社製TPO)を単独もしくは併用することが好ましい。
上記光重合開始剤の配合量は、エネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物の不揮発分に対して0.1〜10重量%であることが好ましい。上記下限は、0.5重量%がより好ましく、3重量%が更に好ましい。上記上限は、4重量%がより好ましい。上記光重合開始剤の配合量の下限は、0.1重量%が好ましく、0.3重量%が更に好ましい。上記光重合開始剤の配合量の上限は、1重量%が好ましい。
(その他の成分(E))
本発明のエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物においては、その物性に悪影響を与えない範囲で、上述した成分に加え、当該分野において配合される通常の成分を使用することができる。このような成分としては例えば、分散剤、消泡剤、表面調整剤、アリルシラン、アルコキシシラン等のシランカップリング剤などを挙げることができる。
本発明のエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物は、有機溶媒の含有量が5重量%以下であることが好ましい。すなわち、実質的に無溶媒で使用することができる点で望ましいものである。これによって、環境への影響が少ない点で好ましいものである。更には、有機溶媒を全く含まないものであっても差し支えない。
なお、ここで、「有機溶媒」とは、成型後、熱処理前までの間に成型物から揮発することによって除去される揮発性有機化合物を指し、塗料分野において一般的に「溶媒」として使用されるものを指す。
本発明のエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲でカーボンナノチューブ以外の導電性フィラーを配合してもよいが、その配合量は、樹脂組成物の不揮発分全量に対して3重量%以下であることが好ましい。その他の帯電防止剤を多量に配合すると、硬化樹脂からの経時的な滲み出しが起こる恐れがある。これによって性能低下や光学的性質が損なわれる可能性があるため、好ましくない。
特に、カーボンブラック、フラーレン等のカーボンナノチューブ以外の炭素系の導電性素材は、使用しないか、使用しても1重量%とすることが好ましい。これらの炭素系の導電性素材は、黒色であることから、光線透過性低下など光学的特性に影響を与えやすい点で好ましくない。
本発明のエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、通常の方法によって、上述した各成分を混合することによって得ることができる。カーボンナノチューブは、少量の液体成分中に必要に応じて分散剤を使用して分散させた後に、その他の成分と混合することによって、組成物中に均一に分散させることもできる。
本発明は、基材フィルム上に上述したエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物を塗布する工程(1)及び
エネルギー線硬化を行う工程(2)
とを有することを特徴とする帯電防止処理フィルムの製造方法でもある。
このような層を有することで、ハードコート層が本来有する物理的性質、光学的性質に影響を与えることなく、帯電防止性を付与することができる点で好ましいものである。
上記方法において使用される基材フィルムとしては、PETフィルム、ポリアセタールフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム、ポリオレフィンフィルム等を挙げることができる。
上記方法によって、帯電防止層を形成する場合、その帯電防止層厚みは特に限定されないが、5〜20μmとすることができる。上記上限は15μmであることがより好ましい。特に、10μm以下のような、薄膜形成ができるという点で本発明のエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物は好ましいものである。
上述した工程(1)工程(2)は、通常の方法によって行うことができる。また、上述した製造方法によって得られた帯電防止処理フィルムは、必要に応じて、エネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物によって形成されたコーティング層以外の必要な層を有するものであってもよい。
本発明は、上述したエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物がエネルギー線硬化した樹脂層を有する帯電防止処理フィルムでもある。
本発明の帯電防止処理フィルムは、コーティング層の厚みが5〜20μmであることが好ましい。5μm以下であると、充分な帯電防止性能を得ることが困難であり、また、均一な層を形成することが困難であることから好ましくない。20μmを超えると、コストアップの原因となること、透明性が低下するおそれがあることから好ましくない。
本発明の帯電防止処理フィルムは、550nmにおける透過率が80%以上であることが好ましい。本発明においては、極めて少量のカーボンナノチューブを配合していることから、透明性を高く維持することが可能である。これによって、特に、高い透明性が要求される光学フィルムにおいて使用することができる。
本発明の帯電防止処理フィルムは、フィルムの表面抵抗値が、1014Ω/□以下であることが好ましい。このような範囲のものとすることで、良好な帯電防止性能を発揮することができる。
本発明の帯電防止処理フィルムは、例えば、液晶用フィルム等の光学用フィルム、包装用樹脂フィルム、帯電を嫌う精密電子材料搬送用保護フィルム等の種々の任意の用途において使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は以下の実施例に記載したものに限定されるものではない。
なお、実施例中において特に限定されない限り、配合量は重量%を示す。
実施例1
1.ベース6官能ウレタンアクリレート(UA-306H) ((A)に該当) 42重量部
2.ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PE-4A) ((B)に該当)10重量部
3.ビスフェノールA−ビス(オキシジエチレングリコール)ジアクリレート(BP−4EA) ((B)に該当) 22重量部
4.フェノキシエチルアクリレート(PO-A) ((C)に該当) 22重量部
5.イソボロニルアクリレート(IB-XA) ((C)に該当) 4重量部
以上の合計=100重量部
5.カーボンナノチューブ 0.0195重量部
6.光重合開始剤 3.5重量部
7.分散剤 適宜
なお、使用したカーボンナノチューブは、SESリサーチ社製多層カーボンナノチューブ#900−1205(直径60-100nm)である。
上記組成にて各原料を混合して、塗料組成物を得た。これを、125μm厚PETフィルム(東洋紡株式会社製 片面易接着PETフィルム A−4100)に10μm厚にて塗布し、H バルブ 400mJ/cmによって紫外線照射を行い、硬化させた。
実施例1〜5、比較例1
カーボンナノチューブの量を表1に示した量に変化させて同様のエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の方法で基材フィルム上への塗布・硬化を行った。
また、比較例1として、カーボンナノチューブを配合しないネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の方法で基材フィルム上への塗布・硬化を行った。
比較例2
カーボンナノチューブとして、SESリサーチ社製多層カーボンナノチューブの長さが5μm未満であるものを使用した以外は、実施例3と同様の方法でエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物を調製し、実施例1と同様の方法で基材フィルム上への塗布・硬化を行った。
これらのエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物及び帯電防止処理フィルムについて、以下の評価基準に基づいて評価を行った。結果を表1及び図1,2に示す。
帯電防止処理フィルムの550nm透過率
550nmにおける透過率は日立製作所製3900H型分光光度計を用いて測定した。
帯電防止処理フィルムの表面抵抗値
20℃で相対湿度60%下での試験片の被膜の表面抵抗値について、三菱化学アナリティック社製高低効率計Hiresta−UX、MCP−HT800に高抵抗率計用測定電極ボックスMCP−JB−04を装着、印加電圧を1000(V)として測定した。
カーボンナノチューブの長さ
得られたフィルムについて、キーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX−5000によって表面写真を撮影し、更に、画像解析ソフトによって、画像中に存在するすべてのカーボンナノチューブについて最大径を算出した。20個の粒子の最大径を算出し、平均値を算出し、これをカーボンナノチューブの平均長さとした。実施例1のフィルムについて測定を行い、平均長さは7.5μmであった。同様の測定を比較例2のフィルムに対して行ったところ、4.4μmであった。
表1の結果より、本発明のエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物を使用して形成された帯電防止層は、透明性に優れ、帯電防止能、ハードコート性等の物性においても十分な性質を得ることができた。一方、比較例2においては帯電性の改善が見られなかった。
図1には、カーボンナノチューブの配合量と550nm光線透過率との関係を示した。図2には、カーボンナノチューブの配合量と表面抵抗値との関係を示した。これらの図からも、本発明のエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物は、上述した優れた性能を有するものであることは明らかである。
本発明のエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物は、透明性が高く、ハードコート樹脂の物性に影響を与えることが少ないものでありながら、優れた帯電防止性能を付与することができるものである。

Claims (4)

  1. 平均長さ5μm以上かつ50μm以下であるカーボンナノチューブ及びエネルギー線硬化型樹脂を含有し、
    前記カーボンナノチューブは、組成物の不揮発分中濃度が0.03重量%以上、0.09重量%未満であることを特徴とするエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物。
  2. 無溶媒である請求項1記載のエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物。
  3. 基材フィルム上に請求項1又は2記載のエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物がエネルギー線硬化した樹脂からなる層を有することを特徴とする帯電防止処理フィルム。
  4. 基材フィルム上に請求項1又は2記載のエネルギー線硬化型帯電防止ハードコート樹脂組成物を塗布する工程(1)及び
    エネルギー線硬化を行う工程(2)
    を有することを特徴とする帯電防止処理フィルムの製造方法。
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